JP4214923B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒とする。)を内燃機関の排気通路に配置し、酸化雰囲気のときに排気中の窒素酸化物(NOx)を該NOx触媒に吸蔵し、還元雰囲気となったときは該NOx触媒に吸蔵されていたNOxを還元して排気中のNOxを浄化する技術が知られている。
このNOx触媒は、熱劣化や経年変化による劣化とともにNOxの吸蔵能力が低下することが知られており、この劣化の検出を該NOx触媒前後に取り付けた酸素センサの出力に基づいて行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−93742号公報 特許第2692380号公報 特開2002−309928号公報
ところで、NOx触媒へ燃料を供給してNOxの還元を行うときには、排気中の空燃比を空燃比センサにより正確に検出することが求められる。しかし、排気中に含まれる燃料のクラッキングが十分でないと、一部の燃料が空燃比センサの拡散抵抗層を通過できなくなってしまう。そのため、燃料が実際よりも少なく測定され、空燃比センサにより検出される空燃比は、実際よりもリーン側へずれることになる。なお、このような空燃比のずれを以下、「リーンずれ」という。そして、このリーンずれのため、フィードバック制御による燃料添加量の補正が困難となる。
また、前記従来技術によりNOx触媒の劣化判定を行うときには、排気中の酸素濃度や空燃比を酸素センサや空燃比センサにより正確に検出することが求められる。しかし、上記理由によりNOx触媒の劣化判定を正確に行うことが困難な場合がある。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の排気浄化装置において、NOx触媒への燃料供給時に該NOx触媒へ流入する排気の空燃比の正確な値を得ることにより、該NOx触媒の劣化判定の精度を向上させることができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の排気浄化装置は、以下の手段を採用した。すなわち、
内燃機関の排気通路に設けられた第1NOx吸蔵触媒と、
前記第1NOx吸蔵触媒よりも下流の排気の空燃比を検出する第1空燃比検出手段と、
前記第1NOx吸蔵触媒よりも上流から該第1NOx吸蔵触媒へ燃料を添加する燃料添加手段と、
前記燃料添加手段により燃料を添加して前記第1NOx吸蔵触媒に吸蔵されたNOxを還元するNOx還元手段と、
前記燃料添加手段により燃料が添加されているときの前記第1空燃比検出手段の検出値がストイキよりリッチ空燃比であって所定の変化幅内で安定しているか否か判定する出力安定判定手段と、
前記出力安定判定手段により前記第1空燃比検出手段の検出値がストイキよりリッチな空燃比で安定していると判定されたときの前記第1空燃比検出手段により検出される空燃比に基づいて、前記燃料添加手段により燃料が添加されていた期間中の前記第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比を推定する流入排気空燃比推定手段と、
前記出力安定判定手段により前記第1空燃比検出手段の検出値がストイキよりリッチな空燃比で安定していると判定されたときの前記第1空燃比検出手段により得られる排気の空燃比および前記流入排気空燃比推定手段により推定される空燃比に基づいて前記第1NOx吸蔵触媒の劣化を判定する劣化判定手段と、
を具備することを特徴とする。
本発明の最大の特徴は、第1NOx吸蔵触媒よりも下流で検出される排気の空燃比がリッチ空燃比であって所定の変化幅内で安定しているときの空燃比から該第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比を推定し、この推定値に基づいて該第1NOx吸蔵触媒の劣化判定を行うことにある。
ここで、燃料添加手段により燃料の添加が行われているときに、第1空燃比検出手段により検出される空燃比がリッチ側に移行した場合には、第1NOx吸蔵触媒に吸蔵されているNOxおよび酸素の放出が完了している。そして、このときに第1空燃比検出手段により検出される空燃比は、第1NOx吸蔵触媒に吸蔵されていた酸素やNOxの影響を受けない。さらに、第1NOx吸蔵触媒により燃料が十分にクラッキングされるため、第1空燃比検出手段の検出値のリーンずれが生じるのを抑制できる。
従って、出力安定判定手段により第1空燃比検出手段の検出値が安定していると判定された場合には、該第1空燃比検出手段により検出される空燃比は実際に第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比とほぼ等しい値を示していることになる。すなわち、出力安定判定手段により第1空燃比検出手段の検出値が安定していると判定された場合には、第1空燃比検出手段から得られる排気の空燃比は、第1NOx吸蔵触媒に流入している排気の空燃比とすることができる。
そして、流入排気空燃比推定手段は、出力安定判定手段により第1空燃比検出手段の検出値が安定していると判定されたときの排気の空燃比に基づいて、第1空燃比検出手段の検出値が安定する前であって燃料添加手段により燃料の添加が行われているときに第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比を推定する。この推定は、例えば、燃料添加手段から燃料が添加されている間に第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比の変化を実験的に求めておくことにより可能となる。すなわち、出力安定判定手段により第1空燃比検出手段の検出値が安定していると判定されたときの該第1空燃比検出手段により得られる空燃比と、実験的に求めた排気の空燃比が最終的に到達する空燃比と、が等しくなるように、実験的に求めた排気の空燃比を補正することにより、燃料添加中であって第1空燃比検出手段の検出値が安定する前の期間における第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比を得ることができる。
このようにして得られた第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比を用いて該第1NOx吸蔵触媒の劣化判定を行うことにより、劣化判定の精度を向上させることができる。
なお、「所定の変化幅内で安定している」とは、空燃比の変化幅が所定値よりも小さくなったことを例示することができる。
本発明においては、前記第1空燃比検出手段よりも下流の排気通路に設けられ、酸化能
力を有する第2触媒と、
前記第2触媒よりも下流の排気の空燃比を検出する第2空燃比検出手段と、
をさらに備え、
前記出力安定手段は、前記燃料添加手段により燃料が添加されているときに前記第2空燃比検出手段により検出される空燃比がストイキよりリッチに変化したときに前記第1空燃比検出手段により検出された排気の空燃比がストイキよりリッチな空燃比で安定していると判定することができる。
ここで、第2触媒がNOx吸蔵能力を有するようにしてもよい。そして、第2空燃比検出手段により検出された空燃比がリッチ空燃比となった場合には、第2触媒にはリッチ空燃比の排気が流入したことを示している。この場合、第1NOx吸蔵触媒から流出する排気の空燃比はリッチ空燃比となっている。このことは、第1NOx吸蔵触媒に吸蔵されていたNOxの還元が完了していることを示しており、第1空燃比検出手段に検出される排気の空燃比が一定のリッチ空燃比で安定していることをも示している。これにより、出力安定手段は前記第1空燃比検出手段により検出された排気の空燃比が安定していると判定することができる。
本発明においては、前記第1NOx吸蔵触媒よりも上流の排気の空燃比を検出する第3空燃比検出手段をさらに備え、前記流入排気空燃比推定手段は前記第3空燃比検出手段により検出された空燃比と前記第1空燃比検出手段により検出された空燃比とから前記第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比を推定することができる。
第3空燃比検出手段は、第1NOx吸蔵触媒よりも上流に設けられているため、燃料のクラッキングが十分になされていない状態の排気の空燃比を検出することとなるが、該第1NOx吸蔵触媒に吸蔵されたNOxおよび酸素の放出による影響は受けない。
そのため、第3空燃比検出手段により得られた空燃比のみでは、第1吸蔵NOx触媒に流入する排気の空燃比を正確に得ることは困難であるが、空燃比の変化を検出することはできる。また、第1空燃比検出手段により検出される空燃比に基づいて第3空燃比検出手段により得られる排気の空燃比を補正することにより第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比をより正確に得ることができる。そのため、第1NOx吸蔵触媒の劣化判定をより正確に行うことが可能となる。
本発明においては、前記流入排気空燃比推定手段は、前記出力安定判定手段により前記第1空燃比検出手段により検出された空燃比がストイキよりリッチな空燃比で安定していると判定されたときの該第1空燃比検出手段により得られる排気の空燃比と、このときの前記第3空燃比検出手段により検出された空燃比と、が等しくなるように、前記燃料添加手段による燃料添加中の前記第3空燃比検出手段により検出された空燃比を補正することにより、前記第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比を推定することができる。
前記したように、出力安定判定手段により第1空燃比検出手段の検出値が安定していると判定された場合には、第1NOx吸蔵触媒に吸蔵されていたNOxおよび酸素の放出が完了し、第1空燃比検出手段により検出される空燃比と、第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比と、はほぼ等しい値となる。そこで、第1空燃比検出手段の検出値が安定しているときの第3空燃比検出手段の検出値が第1空燃比検出手段の検出値と等しくなるように、第3空燃比検出手段の検出値を補正する。そして、このときに第3空燃比検出手段の補正を行うための係数を得る。この係数を燃料添加時の第3空燃比検出手段の検出値全てに適用することにより、第1空燃比検出手段の検出値が安定する前の第3空燃比検出手段の検出値を補正することが可能となる。すなわち、第3空燃比検出手段の検出値を記憶させておき、この記憶値を補正することにより、燃料添加時に第1NOx吸蔵触媒に流入し
ていた排気の空燃比を得ることが可能となる。
本発明においては、前記第2空燃比検出手段により検出される排気の空燃比が所定空燃比よりもリッチとなったときに前記燃料添加手段による燃料の添加を終了させる燃料添加終了手段をさらに備えることができる。
ここで、第2空燃比検出手段の検出値がリッチ空燃比となった場合には、第1NOx吸蔵触媒に吸蔵されていたNOxの放出が完了している。そして、このときには、流入排気空燃比推定手段による第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比の推定も完了している。そのため、燃料添加を終了させても第1NOx吸蔵触媒の劣化判定を行うことができる。また、このような終了時期とすることにより、過剰な燃料が第1および第2触媒を通過して、下流へと流出することを抑制することができる。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置では、NOx触媒への燃料供給時に該NOx触媒へ流入する排気の空燃比の正確な値を得ることにより、該NOx触媒の劣化判定の精度を向上させることができる。
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関の排気浄化装置を適用する内燃機関1とその排気系の概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。
内燃機関1には、燃焼室へ通じる排気通路2が接続されている。この排気通路2は、下流にて大気へと通じている。
前記排気通路2の途中には、内燃機関1側から順に酸化触媒3、第1NOx触媒4及び第2NOx触媒5が備えられている。
第1NOx触媒4及び第2NOx触媒5は、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する機能を有する吸蔵還元型NOx触媒である。なお、第1NOx触媒4および/または、パティキュレートフィルタに吸蔵還元型NOx触媒を担持させたものであってもよい。また、第1NOx触媒の劣化判定のみを行う場合には、第2NOx触媒5は単なる酸化能力を有する触媒であってもよい。さらに、酸化触媒3は、酸化能力を有する触媒であれば三元触媒、NOx触媒等の他の種類の触媒であってもよい。
また、酸化触媒3よりも下流で且つ第1NOx触媒4よりも上流の排気通路2には、該排気通路2を流通する排気の空燃比を検出する第3空燃比センサ6が取り付けられている。また、第1NOx触媒4よりも下流で且つ第2NOx触媒5よりも上流の排気通路2には、該排気通路2を流通する排気の空燃比を検出する第1空燃比センサ7が取り付けられている。さらに、第2NOx触媒5よりも下流の排気通路2には、該排気通路2を流通する排気の空燃比を検出する第2空燃比センサ8が取り付けられている。
ところで、内燃機関1が希薄燃焼運転されている場合は、第1NOx触媒4及び第2NOx触媒5のNOx吸蔵能力が飽和する前に第1NOx触媒4及び第2NOx触媒5に吸蔵されたNOxを還元させる必要がある。
そこで、本実施例では、酸化触媒3より上流の排気通路2を流通する排気中に還元剤たる燃料(軽油)を添加する燃料添加弁9を備えている。ここで、燃料添加弁9は、後述するECU10からの信号により開弁して燃料を噴射する。燃料添加弁9から排気通路2内へ噴射された燃料は、排気通路2の上流から流れてきた排気の空燃比をリッチにすると共に、第1NOx触媒4及び第2NOx触媒5に吸蔵されていたNOxを還元する。NOx還元時には、第1NOx触媒4及び第2NOx触媒5に流入する排気の空燃比を比較的に短い周期でスパイク的(短時間)にリッチとする、所謂リッチスパイク制御を実行する。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
ECU10には、前記したセンサ等が電気配線を介して接続され、該センサ等の出力信号が入力されるようになっている。
一方、ECU10には、燃料添加弁9が電気配線を介して接続され、ECU10により制御することが可能になっている。
ところで、第1NOx触媒4及び第2NOx触媒5は、経年変化や熱により劣化することがある。この劣化は、NOxの吸蔵能力に顕著に現れる。そして、NOxの吸蔵能力が低下し、排気中のNOxの一部が該第1NOx触媒4及び第2NOx触媒5の下流へ流出することがある。これに対し、例えば第1NOx触媒4のNOx吸蔵能力の低下を、第1NOx触媒4前後の空燃比センサ6、7を用いて検出することができる。これにより、劣化の度合いに応じた燃料の添加を行うことが可能となる。また、運転者等に第1NOx触媒4の交換を促すことも可能となる。
ここで、第1NOx触媒4にNOxが吸蔵されている場合に、該第1NOx触媒4にリッチ空燃比の排気を供給すると、該第1NOx触媒4に吸蔵されているNOx及び酸素が放出される。リッチスパイクによりリッチ空燃比の排気が第1NOx触媒4に流入し、該第1NOx触媒4からNOx及び酸素が放出されている間は、第1NOx触媒4の下流の空燃比すなわち第1空燃比センサ7により検出される空燃比はストイキとなることが知られている。そして、第1NOx触媒4からのNOx及び酸素の放出が完了した後に、第1空燃比センサ7により検出される空燃比がリッチ空燃比に移行する。このように第1空燃比センサ7によりストイキが検出され、リッチ空燃比に移行するまでの時間は、第1NOx触媒4に吸蔵されているNOx及び酸素の量が多いほど長くなる。
そして、第1NOx触媒4の劣化の度合いが大きくなるほど、該第1NOx触媒4が吸蔵できるNOx量及び酸素量が減少する。従って、第1NOx触媒4の劣化の度合いが大きくなるほど、第1NOx触媒4に吸蔵されていたNOxを還元するため及び酸素を放出させるために必要となる燃料量が減る。また、リッチスパイク時に第1空燃比センサ7によりストイキが検出された後リッチ空燃比に移行するまでの時間、すなわちストイキの継続時間が短くなる。以上より、第1NOx触媒4に吸蔵されていたNOxおよび酸素を還元もしくは放出させるために要した燃料量、もしくは第1NOx触媒4に流入する排気の空燃比およびストイキの継続時間に基づいて、第1NOx触媒4の劣化の度合いを判定することが可能となる。
ところで、第1NOx触媒4の劣化の度合いを判定するには、第1NOx触媒4に流入する排気の空燃比を正確に知る必要がある。しかし、リッチスパイク時には、排気中に添加された燃料のクラッキングが十分に行われず第3空燃比センサ6はリーンずれを起こす場合がある。このリーンずれは、酸化触媒3を設けることによりある程度は改善されるが、
第3空燃比センサ6のリーンずれを全くなくすことは困難である。そのため、リッチスパイク制御中に第1NOx触媒4に流入する排気の空燃比を第3空燃比センサ6のみにより検出することは困難となる。
その点、本実施例によれば、第2空燃比センサ8の出力信号がリッチ空燃比となった後で所定の変化幅内に安定したときの該第2空燃比センサ8により検出される排気の空燃比に基づいて、第3空燃比センサ8の検出値を補正することができる。
ここで、図2は、本実施例による燃料添加量補正制御を行ったときに第3空燃比センサ6、第1空燃比センサ7、および第2空燃比センサ8から得られる空燃比の時間推移を示したタイムチャート図である。実線が第3空燃比センサ6、破線が第1空燃比センサ7、一点鎖線が第2空燃比センサ8の出力値を夫々示し、点線が目標空燃比を示している。
第1空燃比センサ7により検出される空燃比は、燃料添加と共に低下する。そして、ストイキとなると第1NOx触媒4からNOxおよび酸素が放出される。換言すると、第1NOx触媒4からのNOxおよび酸素の放出が完了するまで間、第1空燃比センサ7の検出値はストイキとなる。その後、第1NOx触媒4からのNOxおよび酸素の放出が完了すると、第1空燃比センサ7により検出される空燃比はリッチ空燃比に低下し、ほぼ一定のリッチ空燃比で推移する。この一定のリッチ空燃比で推移している間の第1空燃比センサ7による検出値は、第1NOx触媒4に流入する実際の排気の空燃比とほぼ等しい値となる。
次に第2空燃比センサ8により検出される空燃比は、第2NOx触媒5からのNOxおよび酸素の放出が完了するまで間ストイキとなる。そして第2NOx触媒5からのNOxおよび酸素の放出が完了するとリッチ空燃比となるが、その頃には燃料の添加が停止されているので、すぐに空燃比が高まる。
また、第3空燃比センサ6により検出される空燃比は、燃料添加によるリーンずれが生じている。
一方、図3は、本実施例による燃料添加量補正制御を行ったときであって、第3空燃比センサの出力を補正したときの空燃比の時間推移を示したタイムチャート図である。
ここで、図3においてAで示した期間(以下、期間Aとする。)では、第1空燃比センサ7からの出力信号は、ほぼ一定の値を示している。この場合、第1空燃比センサ7の検出値はリッチ空燃比であって所定の変化幅内で安定しているといえる。そして、本実施例においては、期間Aにおいて、第1空燃比センサ7の検出値と第3空燃比センサ6の検出値とが等しくなるように、第3空燃比センサ6の検出値を補正する。このときに補正するのは、期間Aに限らずその前のリッチスパイク中に検出された第3空燃比センサ6の検出値の補正をも行う。
すなわち、図3において、「第3空燃比センサ補正前」の空燃比が期間Aにおいて「第1空燃比センサ」の空燃比と等しくなるように、燃料添加開始前のリーン空燃比(以下、ベース空燃比という。)を基準に、よりリッチとなる方向に「第3空燃比センサ補正前」の空燃比を同割合で移動させて「第3空燃比センサ補正後」の空燃比を得る。
この場合、まずベース空燃比と期間Aにおける第1空燃比センサ7から得られる空燃比との差Xを求める。次に、ベース空燃比と期間Aにおける第3空燃比センサ6から得られる空燃比との差Yを求める。そして、差Xを差Yで除した値を補正係数Zとして求める。この補正係数Zを、期間A以外にも適用する。すなわち、ベース空燃比と燃料添加中の第3空燃比センサ6から得られる空燃比との差Sに補正係数Z乗じて新たな差Tを求め、この差Tをベース空燃比から減じた値を補正後の空燃比として得ることができる。
このように、期間Aにおいて算出した補正係数Zを燃料添加時の全ての期間に適用して第3空燃比センサ6の出力値を補正することができる。
この場合、第3空燃比センサ6の検出値をECU10に記憶しておき、期間Aで補正係数Zを算出した後に、記憶しておいた第3空燃比センサ6の検出値の補正を行う。そして、その後に第1NOx触媒4に吸蔵されていたNOxおよび酸素の放出もしくは還元に要した燃料量を算出し、この算出された燃料量を基準に第1NOx触媒4の劣化判定を行う。
ここで、図4は、第1NOx触媒4に吸蔵されていたNOxおよび酸素の放出もしくは還元に要した燃料量を示した図である。
「第1NOx触媒分」としてハッチングを施した面積より、第1NOx触媒4に吸蔵されていたNOxおよび酸素の放出に要した燃料添加量が求められ、「第2NOx触媒分」としてハッチングを施した面積より、第2NOx触媒5に吸蔵されていたNOxおよび酸素の放出に要した燃料添加量が求められる。
そして、第1NOx触媒4に吸蔵されていたNOxおよび酸素の放出に要した燃料添加量が多いほど、第1NOx触媒4に多くのNOxおよび酸素が吸蔵されていたことが分かり、この燃料添加量に基づいて第1NOx触媒4の劣化の度合いを判定することができる。
なお、本実施例においては、第2空燃比センサ8により得られる空燃比がストイキからリッチとなったときの直前に検出された第1空燃比センサにより得られる空燃比により第3空燃比センサ6の検出値を補正するようにしてもよい。
ここで、第2空燃比センサ8の検出値がストイキからリッチに移行するのは、第1NOx触媒4および第2NOx触媒5に吸蔵されていたNOxおよび酸素の放出が完了したことを意味している。すなわち、この直前には、第1NOx触媒4に吸蔵されていたNOxおよび酸素の放出が完了しており、第1空燃比センサ7により検出される排気の空燃比と第1NOx触媒4に流入する排気の空燃比とは、ほぼ等しい値となる。また、第1空燃比センサ7の検出値はリッチ空燃比であって所定の変化幅内で安定しているといえる。さらに、第2空燃比センサ8の検出値は温度変化等による影響を受け難く、第1空燃比センサ7の検出値がリッチ空燃比であって所定の変化幅内で安定していることを精度よく検出することができる。
したがって、このときの第1空燃比センサ7により得られる排気の空燃比に基づいて、第3空燃比センサ6の検出値を補正することが可能となる。この補正は、前記期間Aのときに検出される第1空燃比センサにより得られる排気の空燃比による補正と同様にして行うことができる。
また、本実施例においては、第1空燃比センサ7により検出される排気の空燃比がストイキよりリッチへ移行した後所定時間経過後に、第1空燃比センサ7の検出値はリッチ空燃比であって所定の変化幅内で安定しているとして、このときに第1空燃比センサ7により検出される排気の空燃比を基準として、第3空燃比センサ6の検出値を補正してもよい。
さらに、第3空燃比センサ8の検出値の補正を行うための第1空燃比センサ7の検出値は、期間Aの任意の時における値であってもよく、期間Aの平均値であってもよい。
なお、本実施例においては、第1空燃比センサ7の検出値により第3空燃比センサ6の検出値を補正しているが、これに代えて、燃料添加弁9から燃料が添加されている間に第1NOx触媒4に流入する排気の空燃比を実験的に求めておき、この実験的に求めた値を補正するようにしてもよい。
すなわち、期間Aにおける第1空燃比センサ7により得られる空燃比と、実験的に求めた排気の空燃比が最終的に到達する空燃比と、が等しくなるように、実験的に求めた排気の空燃比を補正することにより、燃料添加中であって期間Aよりも前の期間における第1NOx触媒4に流入する排気の空燃比を得ることができる。
以上説明したように、本実施例によれば、第1空燃比センサ7からの検出値がリッチ空燃比で且つ安定している期間の検出値により、第3空燃比センサ6の検出値を補正することができる。これにより、第1NOx触媒4のより正確な劣化判定を行うことができる。
本実施例においては、燃料添加の終了時期を第2空燃比センサ8の出力信号により決定する。
ここで、排気系を流通する排気の空燃比を一番正確に検出することができるのは第2空燃比センサ8である。これは、酸化触媒3、第1NOx触媒4および第2NOx触媒5により燃料が十分にクラッキングされるからである。しかし、第2空燃比センサ8は、燃料添加弁9から離れた位置にあり、燃料添加弁9から添加された燃料が第2空燃比センサ8に到達するまでに時間がかかる。そのため、第2空燃比センサ8の出力信号によりリッチスパイク時の空燃比制御を行うと、空燃比の変動が起こることがある。
その点、第2空燃比センサ8の出力信号を燃料添加の終了時期の判定にのみ使用することにより、空燃比の変動を抑制することができる。
ここで、本実施例では、第2空燃比センサ8の出力信号がストイキからリッチに移行したときに、燃料添加弁9からの燃料添加を終了させる。第2空燃比センサ8の出力信号がストイキからリッチに移行したときには、第1NOx触媒4および第2NOx触媒5に吸蔵されていたNOxおよび酸素の放出が完了したことを意味しており、触媒劣化判定に必要な燃料添加量を算出することが可能となっている。したがって、このときに燃料添加を終了させても、実施例1で説明した触媒劣化判定を行うことができ、且つ過剰な燃料の添加を抑制できる。
実施例に係る内燃機関の排気浄化装置を適用する内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。 実施例による燃料添加量補正制御を行ったときに第3空燃比センサ、第1空燃比センサ、および第2空燃比センサから得られる空燃比の時間推移を示したタイムチャート図である。 実施例による燃料添加量補正制御を行ったときであって、第3空燃比センサの出力を補正したときの空燃比の時間推移を示したタイムチャート図である。 第1NOx触媒に吸蔵されていたNOxおよび酸素の放出もしくは還元に要した燃料量を示した図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 排気通路
3 酸化触媒
4 第1NOx触媒
5 第2NOx触媒
6 第3空燃比センサ
7 第1空燃比センサ
8 第2空燃比センサ
9 燃料添加弁
10 ECU

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた第1NOx吸蔵触媒と、
    前記第1NOx吸蔵触媒よりも下流の排気の空燃比を検出する第1空燃比検出手段と、
    前記第1NOx吸蔵触媒よりも上流から該第1NOx吸蔵触媒へ燃料を添加する燃料添加手段と、
    前記燃料添加手段により燃料を添加して前記第1NOx吸蔵触媒に吸蔵されたNOxを還元するNOx還元手段と、
    前記燃料添加手段により燃料が添加されているときの前記第1空燃比検出手段の検出値がストイキよりリッチ空燃比であって所定の変化幅内で安定しているか否か判定する出力安定判定手段と、
    前記出力安定判定手段により前記第1空燃比検出手段の検出値がストイキよりリッチな空燃比で安定していると判定されたときの前記第1空燃比検出手段により検出される空燃比に基づいて、前記燃料添加手段により燃料が添加されていた期間中の前記第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比を推定する流入排気空燃比推定手段と、
    前記出力安定判定手段により前記第1空燃比検出手段の検出値がストイキよりリッチな空燃比で安定していると判定されたときの前記第1空燃比検出手段により得られる排気の空燃比および前記流入排気空燃比推定手段により推定される空燃比に基づいて前記第1NOx吸蔵触媒の劣化を判定する劣化判定手段と、
    を具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記第1空燃比検出手段よりも下流の排気通路に設けられ、酸化能力を有する第2触媒と、
    前記第2触媒よりも下流の排気の空燃比を検出する第2空燃比検出手段と、
    をさらに備え、
    前記出力安定手段は、前記燃料添加手段により燃料が添加されているときに前記第2空燃比検出手段により検出される空燃比がストイキよりリッチに変化したときに前記第1空燃比検出手段により検出された排気の空燃比がストイキよりリッチな空燃比で安定していると判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記第1NOx吸蔵触媒よりも上流の排気の空燃比を検出する第3空燃比検出手段をさらに備え、前記流入排気空燃比推定手段は前記第3空燃比検出手段により検出された空燃比と前記第1空燃比検出手段により検出された空燃比とから前記第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記流入排気空燃比推定手段は、前記出力安定判定手段により前記第1空燃比検出手段により検出された空燃比がストイキよりリッチな空燃比で安定していると判定されたときの該第1空燃比検出手段により得られる排気の空燃比と、このときの前記第3空燃比検出手段により検出された空燃比と、が等しくなるように、前記燃料添加手段による燃料添加中の前記第3空燃比検出手段により検出された空燃比を補正することにより、前記第1NOx吸蔵触媒に流入する排気の空燃比を推定することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記第2空燃比検出手段により検出される排気の空燃比が所定空燃比よりもリッチとなったときに前記燃料添加手段による燃料の添加を終了させる燃料添加終了手段をさらに備えることを特徴とする請求項2から4の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
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