JP4629544B2 - 騒音対策のシミュレーション方法 - Google Patents

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Description

本発明は、騒音源の周辺に防音壁を設ける際に、構築する防音壁の効果を予めシミュレーションする方法に関するもので、特に、騒音源が複数の場合や反射音の影響が大きい場合のシミュレーション方法に関する。
従来、高速道路や工場等から発生する騒音を低減するため、その周辺にはコンクリートブロック、あるいは、コンクリート板などの吸遮音設備が設けられている。
ところで、工場内に設置された変電設備のトランス、あるいは、室外空調機などの騒音源となる機器の位置は予め特定することできるが、実際に観測される騒音は上記機器の配置や騒音が洩れる工場の扉や窓の位置等により異なるため、防音壁を新たに構築する場合には、騒音の到来方向を実際に観測して特定するとともに、騒音源と観測点との間に防音壁を設けた場合の到達音の低減効果を予めシミュレーションしておく必要がある。
音の到来方向を推定する方法としては、複数のマイクロフォンで得られる信号の位相差から音の到来方向を推定する、いわゆる音響学的手法が考案されている。ここで、図13(a)に示すように、2つのマイクロフォンM1,M2を所定の間隔dだけ離隔して配置し、これらのマイクロフォンM1,M2により、θs方向から平面波として到来する音波を受音する場合を考える。上記θs方向から到来した音波は、まず第1のマイクロフォンM1で受音され、次に、上記音波は第2のマイクロフォンM2で受音されるとすると、上記第2のマイクロフォンM2の受音信号x2(t)は、上記第1のマイクロフォンM1の受音信号x1(t)に対して、音波が距離ξ=d・sinθs進行するのに要した時間τs=ξ/c(c;音速)だけ遅れた信号となる。したがって、上記マイクロフォンM1,M2間の時間遅れτs(あるいは、マイクロフォンM1,M2間の位相差δ21)を求めることにより、上記音波の到来方向θsを求めることができる。
しかし、マイクロフォン数が2個では音波の到来方向θsを精度よく測定することは困難であるため、実際には、図13(b)に示すように、多数のマイクロフォンM1〜Mmを等間隔に配置したマイクロフォンアレーを構築し、基準となるマイクロフォンM1に対する各マイクロフォンMi(i=2〜m)の位相差δm1から音波の到来方向θsを求めるようにしている。具体的には、各マイクロフォンM1〜Mmの後段にそれぞれ遅延器D1〜Dmを設けるとともに、上記遅延器D1〜Dmの出力を加算する加算器Σを設けて遅延和アレーを構成する。これにより、上記各マイクロフォンM1〜Mmの出力信号に、上記M1〜Mmの幾何学的配置から求めた時間差をそれぞれ遅延して与えると、仮定した方向θsからの音波の成分はすべて同期化されるが、仮定した方向以外の方向の成分はキャンセルされて小さくなるので、上記遅延された信号を加算処理することにより、音波の到来方向θsを求めることができる。この時間差による遅延和アレー処理を用いて、ある方向から到来する音の成分を強調して取出す方法は、一般に、ビームフォーマ法(または、ビームフォーカシング法)と呼ばれている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、計測点に配置された複数のマイクロフォンの出力信号の位相差からではなく、複数のマイクロフォンから互いに交わる直線状に配置された複数のマイクロフォン対を構成し、対となる2つのマイクロフォンMa,Mb間の位相差(時間遅れDab)と、他の対となる2つのマイクロフォンMc,Md間の位相差(時間遅れDcd)とから音源の方向を推定する方法が提案されている(例えば、非特許文献2,3、特許文献1参照)。
すなわち、図14に示すように、4個のマイクロフォンM1〜M4を、互いに直交する2直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対(M1,
M3)及びマイクロフォン対(M2,M4)を構成するように配置するとともに、第5のマイクロフォンM5を上記マイクロフォンM1〜M4の作る平面上にない位置に配置して、更に4組のマイクロフォン対(M5, M1)〜(M5, M4)を構成した場合、音の入射方向である水平角θと仰角φとは以下の式(1)及び式(2)で表わせる。
Figure 0004629544
ここで、時間遅れDijは、マイクロフォンMiに到達する音圧信号と、このマイクロフォンMiに対して対となるマイクロフォンMjに到達する音圧信号との時間差であり、この対となる2つのマイクロフォンMi及びMjに入力される信号のクロススペクトルPij(f)を求め、更に、対象とする上記周波数fの位相角情報Ψ(rad)を用いて、以下の式(3)により算出される。
Figure 0004629544
これにより、上記マイクロフォンアレーを用いて音源の方向を推定する場合に比較して、少ないマイクロフォン数で音源の方向を正確に推定することができるだけでなく、屋外においても、音源の方向を精度よく推定することができる。
なお、上記式(1),(2)は、マイクロフォン間の距離を半波長とする周波数以下の平面波で成立する。また、対象となる音源位置が測定点とほぼ同一平面上にあり、仰角φを必要としない場合には、2組のマイクロフォン対(M1,M3)及び(M2,M4)のみで音源の方向である水平角θを推定することができる。
大賀寿郎,山崎芳男,金田豊;音響システムとディジタル処理,コロナ社,1995 上明戸昇,野上英和,山下恭弘,財満健史,大脇雅直,杉山武,和田浩之;音情報と画像を組込んだ音源探査システムの開発,日本建築学会計画系論文集,第553号,pp17-22,2002.3 大脇雅直,財満健史,和田浩之,山下恭弘;画像に音情報を組込んだ音源探査システムの開発,電力土木、No.308,pp100-104,2003.11 特開2003−111183号公報
ところで、複数の騒音源と観測点との間に防音壁を設けた場合の到達音の低減効果をシミュレーションする際には、これら複数の騒音源の音源情報を把握しておく必要があるとともに、シミュレーションの結果を、視覚的に分かり易く表示する必要がある。
また、道路や工場等から発生する騒音は、実際には、複数の方向から到来する音の合成音であることが多い。しかしながら、上記従来の音源位置の推定方法では、複数の音源の周波数が異なる場合には、受音する信号から特定の周波数の音信号を抽出して、それぞれの音源の方向を推定すればよいが、周波数が同一である場合には、互いの音が干渉し合うことによって、正しく目的音の方向を推定できない場合があった。また、音源は1個であるが、例えば、騒音源と観測点との間に硬い路面がある場合など、従来の方法で推定した観測音の音源位置は、本例の音源位置よりも低い位置になってしまうなど、路面や壁などによる反射の影響が大きい場合にも、同一周波数の複数の音源が存在する場合と同様に、音源の方向を正確に測定できなかった。
このように、騒音が複数の方向から到来する音の合成音である場合や、騒音源が1個であることが明らかな場合にも、その反射の影響が大きい場合には、防音壁を回折して観測点に到達する音の大きさが、上記騒音源が1箇所であると仮定した場合とは大きく異なるため、防音壁の遮音効果を正確にシミュレーションすることが困難であった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、騒音源が複数個である場合や、反射音の影響が大きい場合でも、反射音を含む複数の騒音源の位置や方向を正確に分離して防音壁の遮音効果を正確にシミュレーションすることのできる騒音対策のシミュレーション方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、複数の騒音源と観測点との間に設ける防音壁の低減効果をシミュレーションする際には、これら複数の騒音源の音源情報を把握するとともに、シミュレーションの結果を、視覚的に分かり易く表示するようにすれば、上記防音壁の防音効果を効果的にシミュレーションできることを見出し、本発明に至ったものである。
また、騒音源は特定できても、壁や床などによる反射などの影響で観測される騒音があたかも複数の方向から騒音が出ているような状態となり、騒音源の位置情報が有効でない場合には、基準となるマイクロフォンに入力する観測音の振幅をその大きさとしたベクトルは、その大きさが各音源から上記基準マイクロフォンに入力する音の振幅の大きさを表し、その位相角が上記観測音に対する位相差を表わす複素ベクトル(以下、音ベクトルという)の和で表わされることから、各マイクロフォンについても、実際に観測された各マイクロフォンに入力する観測音の上記基準マイクロフォンに対する位相差から、各音源の音ベクトルを求めることができるので、これらの音ベクトルの組から各音源毎に各マイクロフォン間の位相差を求め、この位相差から上記複数の音源の方向を推定するとともに、この推定された音源のうちの1つの音源から各マイクロフォンに到来する音の位相差を求めて、この位相差から新たな音ベクトルの組を求め、この新たな音ベクトルの組が最初に仮定した音ベクトルの組に最も近い音ベクトルの組を各音源からの音ベクトルの組とすれば、騒音源の位置情報が有効でない場合でも、複数の音源の方向を分離して特定できるので、この分離した各音源からの音について防音壁の効果をシミュレーションすれば、騒音源が複数個である場合や反射の影響が大きい場合でも、防音壁の効果を正確にシミュレーションすることができる。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、複数の騒音源と観測点との間に防音壁を設ける際に、複数のマイクロフォンを用いて上記複数の騒音源から観測点に到達する音を観測して、上記複数のマイクロフォンで観測した観測音から上記複数の騒音源の位置を推定した後、防音壁を設けた場合の上記複数の騒音源から観察点に到達する音の大きさを算出し上記防音壁の防音効果をシミュレーションする騒音対策のシミュレーション方法であって、
上記複数のマイクロフォンで観測した観測音を、
複数のマイクロフォンで観測した観測音の、各マイクロフォン間の位相差をそれぞれ検出する第1のステップと、
基準となるマイクロフォンに入力する観測音に対応する複素ベクトルを、大きさが観測音の大きさを表わしその位相角が0°である基準音ベクトルで表わしたとき、各音源から上記基準マイクロフォンに入力する音に対応する音ベクトルが、それぞれ、その大きさが各音源から到来する音の大きさを表わし、その位相角が上記観測音に対する位相差を表わす複素ベクトルであり、かつ、上記各音源の音ベクトルの和が上記基準音ベクトルになるように上記各音源の音ベクトルを設定する第2のステップと、
上記基準となるマイクロフォン以外の各マイクロフォンについて、上記設定された各音ベクトルと大きさが等しく、かつ、その和が当該マイクロフォンに入力する観測音の音ベクトルになるように、上記各マイクロフォンに入力する各音源の音ベクトルをそれぞれ算出し、全てのマイクロフォンについての各音源からの音ベクトルの組を求める第3のステップと、
上記音ベクトルの組の中から1つの音源方向の音ベクトルを特定し、この特定された音ベクトルについて、各マイクロフォン間の位相差を求める第4のステップと、
上記第4のステップで求めた位相差から上記特定された音源の方向を推定する第5のステップと、
上記推定された特定音源から到来する音の各マイクロフォン間の位相差を算出する第6のステップと、
各マイクロフォンについて、上記第6のステップで求めた位相差から、上記推定された特定音源の音ベクトルを各マイクロフォン毎に算出する第7のステップと、
各マイクロフォンについて、上記第3のステップで算出された音ベクトルと、上記第7のステップで算出された音ベクトルとの差のベクトルを求める第8のステップと、
上記第2のステップで設定された各音ベクトルのそれぞれについて、上記差のベクトルを求め、例えば、上記求められた差のベクトルの絶対値の和が最小となるような各音源の音ベクトルの組を特定するなど、上記求められた差のベクトルの大きさに基づいて、最も確からしい各音源の音ベクトルの組を特定し、上記特定された音ベクトルの組の各音ベクトルと上記基準音ベクトルとの位相角の差から、上記各音源の方向をそれぞれ推定する第9のステップと、
上記推定された各音源の方向の映像を採取して、上記推定された各音源の方向と上記採取された映像とから、上記各音源の位置を推定する第10のステップとを備え、観測音を複数の騒音源からの到達音に分離する複数音源の分離方法により分離した後、上記防音壁の防音効果をシミュレーションするようにしたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の騒音対策のシミュレーション方法において、上記第1のステップで行う観測音の各マイクロフォン間の位相差の検出と、第5のステップで行う音源方向の推定とを、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差を用いて音源の方向を推定する音源位置推定手段を備えた音源位置推定装置を用いて行うようにしたことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1に記載の騒音対策のシミュレーション方法において、上記第1のステップで行う観測音の各マイクロフォン間の位相差の検出と、第5のステップで行う音源方向の推定とを、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対と上記2組のマイクロフォン対の作る平面上にない第5のマイクロフォンとから成るマイクロフォン群と、上記2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差、及び、上記第5のマイクロフォンと上記2組のマイクロフォン対を構成する4個のマイクロフォンのそれぞれとで構成される4組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差を用いて音源の方向を推定する音源位置推定手段を備えた音源位置推定装置とを用いて行うようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、複数の騒音源と観測点との間に設ける防音壁の有無による上記各騒音源からの到達音の大きさをシミュレーションする際に、複数のマイクロフォンを用いて上記複数の騒音源から観測点に到達する音を観測するとともに、以下に示すような、複数音源の分離方法を用いて上記複数のマイクロフォンで観察した観察音を複数の騒音源からの到達音に分離し、その結果を、視覚的に分かり易く表示するようにしたので、上記防音壁の防音効果を効果的にシミュレーションすることができる。
複数音源の分離方法は、その大きさが基準となるマイクロフォンに入力する観測音の振幅に対する各音源からの音の振幅の大きさを表し、その位相角が上記観測音に対する位相差を表わす音ベクトルを各音源毎に想定し、この想定された音ベクトルの組を用いて各音源の方向を推定した後、上記推定された音源の中の特定音源から各マイクロフォンに到達する音の位相差を求め、この位相差から新たな音ベクトルを求めるとともに、この新たな音ベクトルと上記設定した上記特定音源の音ベクトルとの差のベクトルが最も小さくなるような音ベクトルを求め、この音ベクトルを含む音ベクトルの組を与える各音源方向を各音源の推定方向として音源の方向を分離した後、上記複数の音源からの到達音の大きさをそれぞれ算出するもので、これにより、複数のマイクロフォンで観察した観察音を複数の騒音源からの到達音に分離できるので、音源が複数個である場合や、反射音の影響が大きい場合でも、防音壁の効果を正確にシミュレーションすることができる。
このとき、上記請求項1に記載の第1のステップで行う観測音の各マイクロフォン間の位相差の検出と、第5のステップで行う音源方向の推定とを、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差を用いて音源の方向を推定する音源位置推定手段を備えた音源位置推定装置、あるいは、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対と上記2組のマイクロフォン対の作る平面上にない第5のマイクロフォンとから成るマイクロフォン群と、上記2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差、及び、上記第5のマイクロフォンと上記2組のマイクロフォン対を構成する4個のマイクロフォンのそれぞれとで構成される4組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差を用いて音源の方向を推定する音源位置推定手段を備えた音源位置推定装置とを用いて行うようにすれば、少ないマイクロフォン数で、効率よくかつ正確に音源の方向を分離することができる。
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
図1は本発明の最良の形態に用いられる騒音対策シミュレーションシステムの概要を示す図で、M1〜M5は図示しない騒音源からの雑音の音圧レベルを測定するための測定用のマイクロフォン、11は音源位置近傍の映像を採取するためのCCDカメラ(以下、カメラという)、12はローパスフィルタを備えていて、上記マイクロフォンM1〜M5で採取された音響情報から所定の周波数以下の成分を取り出し増幅する増幅器、13は上記増幅された音響情報(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換器、14は上記カメラ11の映像情報信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するビデオ入出力ユニットである。また、20は上記各マイクロフォンM1〜M5を所定の位置に配列するためのマイクロフォンフレーム、30は三脚から成る支持部材31と、この支持部材31の上部に配設された回転台32とから成る測定用基台で、この回転台32により、上記マイクロフォンフレーム20を回転でき、上記マイクロフォンM1〜M5を水平面内で回転させることができる。
また、40は入力手段であるキーボード41とマイクロフォン数やサンプリング周波数などの測定パラメータを記憶するとともに、音源の位置を推定し、推定した音源位置から伝播する騒音を減衰させる防音壁の設定条件をシミュレーションするシミュレーション部42と画像表示手段であるディスプレイ43とを備えた音源位置推定装置で、上記シミュレーション部42は、上記測定パラメータを記憶するパラメータファイル42mを備えたデータ記憶手段42aと、上記A/D変換されたマイクロフォンM1〜M5からの音響情報を用いて騒音源の方向を推定する音源位置推定手段42bと、上記カメラ11からの映像に上記推定された音源位置を示す画像を付加した画像を生成して上記ディスプレイ43に送る画像合成手段42cとを備えるとともに、上記騒音源が複数である可能性のある場合、あるいは、上記騒音の反射音の影響が強く、あたかも2音源から音が到来していると考えられる場合に、上記複数の音源の方向、または、直接音の方向と反射音の方向とを分離するための音源分離手段42dと、防音壁の位置や幅や高さなどの設定条件を設定する防音壁条件設定手段42eと、上記防音壁条件設定手段42eで設定された防音壁の有無による上記音源分離手段42dで分離された複数の音源からの音からの到達音の大きさをシミュレーションする遮音効果シミュレーション手段42fと備えている。これにより、上記騒音源が複数である場合や反射音の影響が強い場合などには、上記騒音源の方向を分離して推定するとともに、上記カメラ11からの映像に、上記推定された複数の音源位置を示す画像を付加した画像を生成して上記ディスプレイ43に表示することができる。また、上記画像に加えて、設定した防音壁の位置や防音壁の遮音効果などについても上記ディスプレイ43の同じ画面上に表示することができる。
次に、本発明による騒音対策のシミュレーション方法について、図2のフローチャートに基づき説明する。なお、説明を簡単にするため、騒音を発生する音源を同一周波数の音を発生する音源Aと音源Bとの2つの音源とし、基準となるマイクロフォンを、図14に示した四角錐状に配置された5個のマイクロフォンM1〜M5のうちの、上記四角錐の頂点に配置されたマイクロフォンM5とした場合について説明する。
最初に、マイクロフォンM1〜M5の出力から、上記各マイクロフォンM1〜M5入力される観測音の音源が1個であると仮定したときの上記観測音の音源方向を音源位置推定手段42bにて推定する(ステップS10)。
このとき実際の測定においては、音源の位置がマイクロフォンの位置から十分(例えば、マイクロフォン間隔の10倍以上)離れているので、各マイクロフォンM1〜M5に到達する音を平面波とみなすことが可能である。そこで、本例では、音源位置を求める際に、音源の位置がマイクロフォンM1〜M5の位置から十分離れており、音は平面波として各マイクロフォンM1〜M5に入射すると仮定して音源位置を推定する。
平面波近似においては、マイクロフォンMとマイクロフォンMj間の時間遅れDijと音源の位置の水平角θ及び仰角φとは、上述した式(1),(2)で表わせるので、各マイクロフォンM1〜M5の出力信号を周波数分析して、対象となる周波数fにおける各マイクロフォンM,M間の時間遅れDijを算出することにより、上記水平角θ及び仰角φを求めることができる。以下、上記式(1),(2)を再掲する。
Figure 0004629544
また、上記時間遅れDijは、2つのマイクロフォン対(M,M)に入力される信号のクロススペクトルPij(f)を求め、更に、対象とする上記周波数fの位相角情報Ψ(rad)を用いて、以下の式(3)を用いて算出される。
Figure 0004629544
なお、上記推定された音源方向近傍の映像をカメラ11により採取すれば、上記推定された音源方向と上記カメラ11で採取した映像情報とから、音源の位置についても推定することができるとともに、音源位置推定装置40のディスプレイ43上に表示された音源方向近傍の映像に、上記推定された音源位置を表示することができる。
また、上記音源の位置は、各周波数毎に算出することができる。
但し、この音源位置は、上述したように、観測音の音源が1個であると仮定した場合の音源位置で、本例では、以下に示すように、音源分離手段42dを用いて上記音源位置を音源Aの位置と音源Bの位置とに分離する。
なお、上記観測音の音源方向あるいは音源位置と後に推定する音源A,Bの方向あるいは位置とを比較する必要のない場合には、上記時間遅れDijを算出するだけでよく、上記水平角θ及び仰角φの算出や上記観測音の音源位置の推定については省略してもよい。
次に、図3(a)に示すように、基準マイクロフォンであるマイクロフォンM5に入力する観測音を振幅が1で位相角が0°である複素ベクトル(以下、観測音基準ベクトルという)S5で表現するとともに、音源AからマイクロフォンM5に入力される音の複素ベクトルA5(以下、音ベクトルA5という)の振幅PAと位相角δA、及び、音源Bから上記マイクロフォンM5に入力する音の複素ベクトルB5(以下、音ベクトルB5という)の振幅PBと位相角δBとをそれぞれ設定する(ステップS11)。
上記マイクロフォンM5に入力される観測音は、音源AからマイクロフォンM5に入力される音と音源BからマイクロフォンM5に入力される音との合成音であるので、上記音ベクトルS5は上記音ベクトルA5と上記音ベクトルB5とのベクトル和となる。したがって、上記音ベクトルA5の振幅PAと位相角δAとを設定すれば、音源BからマイクロフォンM5に入力される音の音ベクトルB5の振幅PBと位相角δBとは、上記振幅PAと上記位相角δAとを用いて一義的に求めることができる。(ステップS12)。
本例では、図3(b)に示すように、上記ステップS11において設定される音ベクトルA5の振幅PAを0.4〜4.0の範囲で、ΔPA=0.1ずつ変化させるとともに、位相角δAを0°〜360°の範囲で、ΔδA=1°ずつ変化させて、上記ステップS11から以下に記載するステップS18までを繰り返し、上記振幅PAと上記位相角δAとの全ての組について音源A及び音源Bの方向を推定する。そして、この推定された音源Aからの音と音源Bからの音との合成音が上記観察音に最も近い振幅PAと位相角δAとを有する音ベクトルA5を求めて上記音源Aの方向と音源Bの方向とを特定する。
次に、図4を参照して、各マイクロフォンM1〜M4に入力される観察音の音ベクトルS1〜S4から、上記音源A及び音源Bから上記マイクロフォンM1〜M4に入力される音の音ベクトルA1〜A4及び音ベクトルB1〜B4を求める方法について説明する。
図4(a)に示すように、マイクロフォンM1の観測音ベクトルS1の振幅は上記観測音基準ベクトルS5の振幅と等しく1であり、観測音基準ベクトルS5と観測音ベクトルS1との角度差Δ51は、上記ステップS10で実際に検出された時間遅れD51に等しい。また、上記観測音ベクトルS1は上記音源AからマイクロフォンM1に入力される音の音ベクトルA1と、上記音源BからマイクロフォンM1に入力される音の音ベクトルB1との和となっており、かつ、上記音ベクトルA1,B1の振幅PA1,PB1は、それぞれ上記音ベクトルA5,B5の振幅PA,PBと等しい。したがって、そのベクトル和が上記観測音ベクトルS1となる音ベクトルA1,B1としては、図4(a)に示すように、[A11,B11],[A12,B12]の2通りが考えられる。
同様に、マイクロフォンM2〜M4に入力される音源A及び音源Bからの音の音ベクトルA2〜A4,B2〜B4についても、図4(b)〜(d)に示すように、それぞれ2組の音ベクトル[Ai1,Bi1],[Ai2,Bi2]のいずれかになる(i=2〜4)。したがって、基準となるマイクロフォンM5の音ベクトルA5,B5に対してそれぞれ時間遅れがD5iである観測音が入力されるマイクロフォンMiに入力される音源A及び音源Bからの音の音ベクトルの組[Aik,Bik]の数は、1つの音ベクトルA5を設定すると、i=1〜4,k=1,2であるので、16通りあることになる(ステップS13)。
音ベクトルの組合わせを求めた後には、以下に示すように、音源Aの方向と音源Bの方向とを上記16通りの音ベクトルの組合わせにつきそれぞれ推定し、どの音ベクトルの組み合わせが実際の音源Aの方向に近いかを推定する。なお、以下の計算は、仮定した1つの音ベクトルA5に対して想定される16通りの音ベクトルの組[Aik,Bik]について行うが、表現を単純化するため、上記Aik,Bikを単にAi,Biと表わし、その位相角をδAi,δBiと表わす。
上記各マイクロフォンM1〜M4の音ベクトルAi(i=1〜4)の角度δAiと基準マイクロフォンM5の音ベクトルA5の位相角δAとの角度差δA5iは、図5(a)〜(d)に示すように、音源AからマイクロフォンMiへ入力した音の位相と基準マイクロフォンM5へ入力した音の位相との差である。したがって、上記角度差δA5iと、上記角度差δA5iを用いて算出した角度差δA13及び角度差δA24とをそれぞれ時間遅れD13,D24及び時間遅れD51〜D54として、上記式(1),(2)に代入すれば、音源Aの方向(水平角θAと仰角φA)を推定することができる。また、音源Bについても、同様に、上記音ベクトルBiの角度δBiからδB5i及びδB13及びδB24を求めることにより、音源Bの方向(水平角θBと仰角φB)を推定することができる(ステップS14)。
音源A,Bの方向の推定が完了した後には、上記推定した1つの音源Aから平面波が到来してきたと仮定して、上記各マイクロフォンM1〜M5へ入力する平面波の、上記基準となるマイクロフォンM5に対する各マイクロフォンMiの時間遅れD5i(A)をそれぞれ算出する(ステップS15)。上記時間遅れD5i(A)は、上記ステップS12で仮定した基準マイクロフォンM5の音ベクトルA5を用いて推定した音源Aの方向から上記マイクロフォンM5に入力される音の音ベクトルである新たな音ベクトルa5と各マイクロフォンM1〜M4の新たな音ベクトルai(i=1〜4)との位相差に相当する。また、上記音ベクトルaiの振幅が上記音ベクトルA5の振幅PAに等しい。
ここで、上記新たな音ベクトルa5を、上記ステップS12で仮定した音ベクトルA5に等しいとして、上記新たな音ベクトルa1〜a4と上記ステップS13で求めた音ベクトルA1〜A4とを比較する。すなわち、上記新たな音ベクトルa1〜a4と上記ステップS13で求めた音ベクトルA1〜A4とがほぼ一致すれば、上記音ベクトルA5の設定が実際の音源Aからの音ベクトルであると考えられる。
そこで、図6(a)〜(d)に示すように、上記推定された音源Aからの音の音ベクトルaiと、上記ステップS13において上記音ベクトルA5に基づいて求めたベクトルAi(i=1〜4)との差のベクトルΔAiを求めた後、この差のベクトルΔAiの大きさの和を算出して保存する(ステップS16)。上記新たな音ベクトルa1〜a4と上記ステップS13で求めた音ベクトルA1〜A4との差が小さいほど上記設定された音ベクトルA5が実際の音源Aからの音ベクトルに近いことから、上記差のベクトルΔAiの大きさの和を、上記設定された音ベクトルA5が実際の音源Aの音ベクトルに近いかどうかの判定基準とすれば、実際の音源Aの方向を精度よく推定することができる。
次にステップS14に戻って、上記差のベクトルΔAiの大きさの和を算出して保存する操作を1つの音ベクトルA5が設定されたときに求められた16通りの組み合わせ全てについて行う(ステップS17)。
1つの音ベクトルA5についての差のベクトルΔAiの大きさの和の算出が終了したら、ステップ11に戻って、上記音ベクトルA5の振幅PAまたは位相差δAを変化させて上記ステップS12からステップS17までの操作を繰り返し、上記音ベクトルA5の振幅PAを0.4〜4.0の範囲でΔPA=0.1ずつ変化させ、位相差δAを0°〜360°の範囲で、ΔδA=1°ずつ変化させた全ての場合について、上記差のベクトルΔAiの大きさの和を算出して保存する操作を行う(ステップS18)。
そして、上記差のベクトルΔAiの大きさの和を比較し、上記絶対値の和が最小値をとるような音ベクトルA5,及びB5を特定し、この特定された音ベクトルA5,及びB5から得られる音源A及び音源Bの方向を、観測音を分離して得られた音源A及び音源Bの方向とする(ステップS19)。
すなわち、ステップS14,S15において、音ベクトルA5,及びB5が上記特定された音ベクトルA5,及びB5である場合の音源Aの方向(水平角θAと仰角φA)及び音源Bの方向(水平角θBと仰角φB)が観測音を分離して得られた音源A及び音源Bの方向となる。そして、上記推定された音源Aの方向及び音源Bの方向を含む映像をカメラ11により採取し、音源位置推定装置40のディスプレイ43上に表示された映像上に上記音源A,Bの方向をそれぞれ表示することにより、上記音源Aの位置と音源Bの位置を決定する(ステップS20)。
防音壁のシミュレーションを行う場合には、まず、防音壁条件設定手段42eにて、上記ディスプレイ43上に表示された音源A,Bの映像を参考に、防音壁の位置や大きさについての条件を設定し(ステップS21)、遮音効果シミュレーション手段42fにて、上記設定された防音壁について、その遮音効果をシミュレーションする(ステップS22)。この場合、騒音源が2つ(音源A及び音源B)あるとして、上記各音源A,Bからの音に対する防音壁の遮音効果についてシミュレーションする。そして、上記設定された防音壁につき、到達音のレベルが所定のレベル以下になっているかどうかを判定し(ステップS23)、遮音効果が十分であれば、上記条件を新たに構築する遮音壁の設定条件とする。また、遮音効果が十分でなければ、ステップS21にもどって、遮音壁の設定条件を変更し、再度シミュレーションを行う。これにより、音源が観測音の方向に1個だけあるとしてシミュレーションした場合と比較してより正確なシミュレーションを行うことができる。
具体的には、上記防音壁の厚さは、音源からの直接音については25dB程度減衰するような厚さとするとともに、上記防音壁を、例えば、工場の敷地内などのような、防音壁が構築可能な位置に、上記観測点と音源とを結んだ線に対して垂直に配置すれば、上記音源からの直接音はほぼ完全に遮音される。一方、上記防音壁の上部及び左右からは、上記防音壁で回折された音が観測点に到達するので、上記回折音の大きさを、例えば、前川チャート等の一般的な回折音の算出方法によりシミュレーションして、上記防音壁の高さと幅とを決定する(例えば、山本貢平,高木興一:前川チャートの数式表示について,騒音制御Vol.12.No.4,pp40-43,1991.8 参照)。
上記回折音は音源と防音壁との位置関係により大きく異なる。例えば、図7(a)に示すように、音源が2個(音源A,B)であり、かつ、上記音源が分離できない場合には、上記観測音の推定位置は、同図の黒丸で示すように、上記音源A,Bのほぼ中間となるが、これに対して、音源を2個に分離した場合には、同図の白丸で示すように、音源A,Bは防音壁の左右側にそれぞれあると特定されるので、防音壁51の左右から観測点Kに到達するの回折音は音源が1個であるとした場合に比べて大きくなっている。したがって、防音壁51の防音効果を高めるためには、音源が2個であることを考慮して、上記防音壁51の幅を上記音源が分離できない場合よりも広げるか、上記音源A及び上記音源Bに対する防音壁をそれぞれ別個に設けるなどすれば、有効な騒音対策をすることができる。
また音源が1個であっても、壁や舗装路面などによる反射音の影響が強い場合にも、音源を直接音の音源と反射音の音源とに分けて、シミュレーションする必要がある。例えば、図7(b)に示すように、音源Cと観測点Tとの間に舗装路面52があった場合には、観測音の音源が1個であるとして音源の位置を推定すると、上記舗装路面52による反射の影響で、上記観測音の推定位置は、同図の黒丸で示すように、実際の音源Cの位置よりも低い位置になるので、防音壁53の上部からの回折音の遮音が不十分になる。これに対して、上記のように音源を分離する処理を行うと、同図の白丸で示すように、音源Cは、上記音源Cの他に反射音の音源C2を有する2音源と見なすことができるので、防音壁53を設計する際には、上部からの回折音を十分に遮音することができるような高さの防音壁53を構築することができる。したがって、上記従来の方法に比較して遮音効果の高い防音壁53を構築することができる。
ここで、目標とする騒音レベルを得るための防音壁の高さを自動的に計算する方法について、図8のフローチャートに基づき説明する。
最初に、目標とする騒音レベルLtを設定する(ステップS30)とともに、防音壁の高さの初期値H0を設定する(ステップS31)。そして、カウンターをn=0に初期化して(ステップS32)、予測点Xでの騒音レベルLを計算し(ステップS33)、この計算したLと上記目標とする騒音レベルLtとを比較する(ステップS34)。
上記ステップS34において、上記Lが目標騒音レベルLtよりも低い場合には、上記Lが防音壁の高さが初期値H0であるときの値かどうかを判定し(ステップS37)、初期値である場合には、オーバースペックの可能性があるので、ステップS38に進んで、防音壁の高さをh(例えば、10cm)だけ減らし、上記低くした防音壁について、予測点Xでの騒音レベルLを計算する(ステップS39)。そして、上記計算したLと上記目標とする騒音レベルLtとを比較する(ステップS40)。
一方、上記Lが目標騒音レベルLtよりも高い場合、すなわち、目標騒音レベルに達していない場合には、ステップS35にてカウンターを1つ進めた後、ステップS36に進んで、防音壁の高さをh(例えば、10cm)だけ増やして、防音壁の高さをH1=H0+hに設定した後、上記ステップS33に戻り、上記高くした防音壁について、予測点Xでの騒音レベルLを計算し、この計算したLと上記目標とする騒音レベルLtとを比較する(ステップS34)。この操作を、上記計算したLが目標騒音レベルLtよりも低くなるまで繰り返す。そして、上記Lが目標騒音レベルLtよりも低くなった場合には、上記Lが目標騒音レベルLtに達したので、ステップS43に進み、その結果を表示する。
また、上記ステップS39で計算したLが目標騒音レベルLtよりも高い場合には、防音壁の高さを最適値よりも低く設定してしまったので、ステップS41に進んで、防音壁の高さをhだけ増やして前の高さに戻した後、予測点Xでの騒音レベルLを再度計算し(ステップS42)てから、ステップS43に進み、その結果を表示する。
一方、上記ステップS39で計算したLが目標騒音レベルLtよりも低い場合には、上記ステップS38に戻って防音壁の高さを更にh(例えば、10cm)だけ減らした後、上記低くした防音壁について、予測点Xでの騒音レベルLを計算し、この計算したLと上記目標とする騒音レベルLtとを比較する(ステップS40)という操作を、上記Lが目標騒音レベルLtよりも高くなるまで繰り返す。そして、上記Lが目標騒音レベルLtよりも高くなった場合には、ステップS41に進んで、防音壁の高さをhだけ増やして前の高さに戻し、予測点Xでの騒音レベルLを再度計算して(ステップS42)から、ステップS43に進み、その結果を表示する。
これにより、防音壁の高さを自動的に計算することができる。
なお、防音壁の幅についても、同様の方法により、自動的に計算できる。
このように、本最良の形態によれば、騒音源と観測点との間に設ける防音壁の有無による上記複数の騒音源からの到達音の大きさをシミュレーションする際に、まず、各マイクロフォンの観測音を表わす音ベクトルが、その大きさが基準となるマイクロフォンに入力する観測音の振幅に対する各音源からの音の振幅の大きさを表し、その位相角が上記観測音に対する位相差を表わす、音源A及び音源Bからの音の音ベクトルの和で表わされるとして、基準となるマイクロフォンM5に入力される各音源からの音ベクトルA5,B5を想定し、上記音ベクトルA5,B5と各マイクロフォンM1〜M4に入力される観測音の位相差とから、各マイクロフォン毎に音ベクトルAi,Biを求めて音ベクトルの組(Ai,Bi)を算出する操作を行って、この算出された音ベクトルの組から各音源A,Bの方向を推定する。そして、上記推定された音源Aの方向から音が到来するとして、上記到来音の基準となるマイクロフォンM5に対する各マイクロフォンMiの時間遅れD5i(A)をそれぞれ算出し、この時間遅れD5i(A)から新たな音ベクトルaiの組を求め、この新たな音ベクトルaiの組と上記設定した各音源の音ベクトルAiの組との差のベクトルΔAiの大きさの和を求める。この差のベクトルΔAiの大きさの和は、上記音ベクトルA5が実際の音源Aの音ベクトルに近いかどうかの判定基準となるので、上記差のベクトルΔAiの大きさの和が最も小さくなるような音ベクトルAiの組を求め、この音ベクトルAiの組を与える各音源A,Bの方向を各音源A,Bの推定方向として音源A,Bの方向を分離した後、上記複数の音源A,Bからの到達音の大きさをそれぞれ算出して、防音壁の効果をシミュレーションするようにしたので、音源が複数個である場合や、反射音の影響が大きい場合でも、防音壁の効果を正確にシミュレーションすることができる。
なお、上記最良の形態では、音ベクトルA5の大きさと位相角とを変化させて音源Aと音源Bの方向を推定するようにしたが、図9に示すように、音ベクトルA5の位相角と音ベクトルB5の位相角とをそれぞれ変化させて音源Aと音源Bの方向を推定するようにしてもよい。この場合、音ベクトルA5,B5の大きさは、音ベクトルA5と音ベクトルB5との和が観測音基準ベクトルS5になることから一義的に求めることができる。
また、上記例では,音源が2個である場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、音源が3個以上の場合でも、図10に示すように、観測音基準ベクトルS5に対して各音ベクトルA5,B5,C5,‥‥を想定することにより、各音源A,B,C‥‥からの音の到来の方向を推定することができる。例えば、音源が3個である場合には、音ベクトルA5,B5の大きさと位相角となる4つのパラメータを設定するか、音ベクトルA5大きさと位相角と、音ベクトルB5,C5の位相角となる4つのパラメータを設定するなどすれば、音ベクトルの組(Ai,Bi,Ci)を求めることができる。その後は、音源が2つの場合と同様に、上記音ベクトルA5から音源Aの方向を推定して新たな音ベクトルの組(ai,bi,ci)を求めて、上記音ベクトルの組(Ai,Bi,Ci)と比較して、最も確からしい(Ai,Bi,Ci)の組、すなわち、実際の音源A,B,Cの音ベクトルに近い(Ai,Bi,Ci)の組を求めて、上記音源A,B,Cの方向を推定するようにすればよい。
また、音源A及び音源Bの方向特定の判定基準を、上述した差のベクトルΔAiの絶対値の和に代えて、差のベクトルΔAiの積を用いても良い。あるいは、上記差のベクトルΔAiの二乗の和の平方根を用いても良い。
また、音源が1個である場合でも、反射音の影響が強い場合には、音源Aを直接音を発生する音源とし、音源Bを上記音源Aからの反射音を発生する仮想音源(2次音源)とすれば、反射の起こる箇所の特定や反射音の影響を正確に把握することができる。
本発明による騒音対策のシミュレーションを行った結果を図11(a)に示す。同図において、騒音源は中央の建物内にあり、正面の扉から騒音が建物の外側に伝播する。観測点の正面側に防音壁がない場合に、実測された騒音の大きさは73.1dBであった。上記騒音源を上述した音源の分離方法で分離したところ、騒音源は正面の扉が直接音の音源であり、手前の路面が反射面であることがわかった。そこで、音源を正面の扉と手前の路面として、観測点の正面側に防音壁を構築したと仮定として騒音の大きさをシミュレーションしたところ、騒音は66.1dBに低下することが予想された。一方、騒音源を分離しない場合には、音源位置が実際よりも地面に近いとしてシミュレーションすることになるため、防音壁の上部の反射音の回折は無視され、このため、騒音は63.2dB(図示せず)まで低下すると予想される。そこで、図11(b)に示すように、実際に音源を分離してシミュレーションした結果に基づいて防音壁を構築して騒音を測定したところ、騒音の値は66.9dBとシミュレーション結果にほぼ近い値となった。これにより、本発明によるシミュレーションが有効であることが確認された。
また、図12(a)に示すように、空調室外機が2台稼動している場合についても、上記2台の空調室外機から成る音源を分離して適切な防音壁の大きさをシミュレーションし、図12(b)に示すような、上記シミュレーションした防音壁と同じ防音壁を構築して騒音を測定した。防音壁がない場合に、実測された騒音の大きさは71.1dBであり、騒音源を分離した場合には、騒音は68.8dBまで低下することが予想される。一方、騒音源を分離しない場合には、空調機の位置が2台の空調機のほほ中間にあるとしてシミュレーションすることになるので、防音壁の左右からの反射音の回折は無視され、このため、騒音は66.1dB(図示せず)まで低下すると予想される。実際に測定したときの騒音の値は69.2dBと、上記シミュレーションによる値(68.8dB)とほぼ同じ近い値であり、本発明によるシミュレーションが有効であることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、防音壁の有無による上記複数の騒音源からの到達音の大きさをシミュレーションする際に、上記複数の騒音源の音源情報を把握するとともに、シミュレーションの結果を、視覚的に分かり易く表示するようしたので、防音壁の防音効果を効果的にシミュレーションすることができる。また、騒音源は特定できても、複数の方向から騒音が出ており、騒音源の位置情報が有効でない場合には、複数のマイクロフォンで観測した観測音のデータを用いて騒音源の位置を分離した後、上記複数の騒音源からの到達音の大きさをそれぞれ算出して上記防音壁の効果をシミュレーションすることにより、防音壁の効果を正確にシミュレーションすることができるようにしたので、効率がよくかつ適切な騒音対策を行うことができる。
本発明の最良の形態に係わる音源探査システムの概要を示す図である。 音源の分離方法を示すフローチャートである。 各音源から基準マイクロフォンに到達する音の複素ベクトルを設定する方法を示す図である。 各マイクロフォンの音ベクトルの組を求める方法を示す図である。 各マイクロフォンの音ベクトルから、各マイクロフォンへ入力した音の位相と基準マイクロフォンへ入力した音の位相との差を求める方法を示す図である。 仮定した音ベクトルの組から推定した推定音源から各マイクロフォンに到来する音の音ベクトルを求める方法を示す図である。 音源を分離した防護壁のシミュレーション方法の例を示す図である。 本発明に係る防音壁高さの自動計算フローを示す図である。 本発明による音ベクトルの他の設定方法を示す図である。 音源が3個である場合の音ベクトルの設定方法を示す図である。 本発明による防音壁のシミュレーション結果と実際の遮音効果の例を示す図である。 本発明による防音壁のシミュレーション結果と実際の遮音効果の他の例を示す図である。 従来のマイクロフォンアレーを用いた音の到来方向の推定方法を示す図である。 マイクロフォン対を用いた音源探査方法におけるマイクロフォンの配列を示す図である。
符号の説明
M1〜M5 マイクロフォン、11 カメラ、12 増幅器、
13 A/D変換器、14 ビデオ入出力ユニット、20 マイクロフォンフレーム、
30 基台、31 支持部材、32 回転台、40 音源位置推定装置、
41 キーボード、42 シミュレーション部、42a データ記憶手段、
42b 音源位置推定手段、42c 画像合成手段、42d 音源分離手段、
42e 防音壁条件設定手段、42f 遮音効果シミュレーション手段、
42m パラメータファイル、43 ディスプレイ。

Claims (3)

  1. 複数の騒音源と観測点との間に防音壁を設ける際に、複数のマイクロフォンを用いて上記複数の騒音源から観測点に到達する音を観測して、上記複数のマイクロフォンで観測した観測音から上記複数の騒音源の位置を推定した後、防音壁を設けた場合の上記複数の騒音源から観察点に到達する音の大きさを算出して、上記防音壁の防音効果をシミュレーションする騒音対策のシミュレーション方法であって、
    上記複数のマイクロフォンで観察した観測音を、
    複数のマイクロフォンで観測した観測音の、各マイクロフォン間の位相差をそれぞれ検出する第1のステップと、
    基準となるマイクロフォンに入力する観測音に対応する複素ベクトルを、大きさが観測音の大きさを表わしその位相角が0°である基準音ベクトルで表わしたとき、各音源から上記基準マイクロフォンに入力する音に対応する音ベクトルが、それぞれ、その大きさが各音源から到来する音の大きさを表わし、その位相角が上記観測音に対する位相差を表わす複素ベクトルであり、かつ、上記各音源の音ベクトルの和が上記基準音ベクトルになるように上記各音源の音ベクトルを設定する第2のステップと、
    上記基準となるマイクロフォン以外の各マイクロフォンについて、上記設定された各音ベクトルと大きさが等しく、かつ、その和が当該マイクロフォンに入力する観測音の音ベクトルになるように、上記各マイクロフォンに入力する各音源の音ベクトルをそれぞれ算出し、全てのマイクロフォンについての各音源からの音ベクトルの組を求める第3のステップと、
    上記音ベクトルの組の中から1つの音源方向の音ベクトルを特定し、この特定された音ベクトルについて、各マイクロフォン間の位相差を求める第4のステップと、
    上記第4のステップで求めた位相差から上記特定された音源の方向を推定する第5のステップと、
    上記推定された特定音源から到来する音の各マイクロフォン間の位相差を算出する第6のステップと、
    各マイクロフォンについて、上記第6のステップで求めた位相差から、上記推定された特定音源の音ベクトルを各マイクロフォン毎に算出する第7のステップと、
    各マイクロフォンについて、上記第3のステップで算出された音ベクトルと、上記第7のステップで算出された音ベクトルとの差のベクトルを求める第8のステップと、
    上記第2のステップにおいて、各音源からの音ベクトルの大きさと位相角とを変更して、その変更された音ベクトルについて、上記第2のステップから上記第8のステップを繰り返して、上記第2のステップで設定された各音ベクトルのそれぞれについて、上記差のベクトルを求め、上記求められた差のベクトルの大きさに基づいて、最も確からしい各音源の音ベクトルの組を特定し、上記特定された音ベクトルの組の各音ベクトルと上記基準音ベクトルとの位相角の差から、上記各音源の方向をそれぞれ推定する第9のステップと、
    上記推定された音源方向の映像を採取して、上記推定された各音源の方向と上記採取された映像とから、上記各音源の位置を推定する第10のステップとを備え、観測音を複数の騒音源からの到達音に分離する複数音源の分離方法により分離した後、上記防音壁の防音効果をシミュレーションするようにしたことを特徴とする騒音対策のシミュレーション方法。
  2. 上記第1のステップで行う観測音の各マイクロフォン間の位相差の検出と、第5のステップで行う音源方向の推定とを、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差を用いて音源の方向を推定する音源位置推定手段を備えた音源位置推定装置を用いて行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の騒音対策のシミュレーション方法。
  3. 上記第1のステップで行う観測音の各マイクロフォン間の位相差の検出と、第5のステップで行う音源方向の推定とを、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対と上記2組のマイクロフォン対の作る平面上にない第5のマイクロフォンとから成るマイクロフォン群と、上記2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差、及び、上記第5のマイクロフォンと上記2組のマイクロフォン対を構成する4個のマイクロフォンのそれぞれとで構成される4組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差を用いて音源の方向を推定する音源位置推定手段を備えた音源位置推定装置とを用いて行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の騒音対策のシミュレーション方法。
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