JP4652191B2 - 複数音源の分離方法 - Google Patents

複数音源の分離方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4652191B2
JP4652191B2 JP2005279512A JP2005279512A JP4652191B2 JP 4652191 B2 JP4652191 B2 JP 4652191B2 JP 2005279512 A JP2005279512 A JP 2005279512A JP 2005279512 A JP2005279512 A JP 2005279512A JP 4652191 B2 JP4652191 B2 JP 4652191B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound
vector
sound source
microphone
microphones
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005279512A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007096418A (ja
Inventor
潤二 中島
祐治 淺井
雅直 大脇
健史 財満
恭弘 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chubu Electric Power Co Inc
Kumagai Gumi Co Ltd
Original Assignee
Chubu Electric Power Co Inc
Kumagai Gumi Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chubu Electric Power Co Inc, Kumagai Gumi Co Ltd filed Critical Chubu Electric Power Co Inc
Priority to JP2005279512A priority Critical patent/JP4652191B2/ja
Publication of JP2007096418A publication Critical patent/JP2007096418A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4652191B2 publication Critical patent/JP4652191B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Description

本発明は、到来する音の音源が複数個である場合に、その音源の位置を分離して特定する方法に関するもので、特に、周波数が同一かまたは近接している複数音源の位置を分離して特定する方法に関する。
従来、音の到来方向を推定する方法としては、複数のマイクロフォンで得られる信号の位相差から音の到来方向を推定する、いわゆる音響学的手法が考案されている。ここで、図11(a)に示すように、2つのマイクロフォンM1,M2を所定の間隔dだけ離隔して配置し、このマイクロフォンM1,M2により、θs方向から平面波として到来する音波を受音する場合を考える。上記θs方向から到来した音波は、まず第1のマイクロフォンM1で受音され、次に、上記音波は第2のマイクロフォンM2で受音されるとすると、上記第2のマイクロフォンM2の受音信号x2(t)は、上記第1のマイクロフォンM1の受音信号x1(t)に対して、音波が距離ξ=d・sinθs進行するのに要した時間τs=ξ/c(c;音速)だけ遅れた信号となる。したがって、上記マイクロフォンM1,M2間の時間遅れτs(あるいは、マイクロフォンM1,M2間の位相差δ21)を求めることにより、上記音波の到来方向θsを求めることができる。
しかし、マイクロフォン数が2個では音波の到来方向θsを精度よく測定することは困難であるため、実際には、図11(b)に示すように、多数のマイクロフォンM1〜Mmを等間隔に配置したマイクロフォンアレーを構築し、基準となるマイクロフォンM1に対する各マイクロフォンMi(i=2〜m)の位相差δm1から音波の到来方向θsを求めるようにしている。具体的には、各マイクロフォンM1〜Mmの後段にそれぞれ遅延器D1〜Dmを設けるとともに、上記遅延器D1〜Dmの出力を加算する加算器Σを設けて遅延和アレーを構成する。これにより、上記各マイクロフォンM1〜Mmの出力信号に、上記M1〜Mmの幾何学的配置から求めた時間差をそれぞれ遅延して与えると、仮定した方向θsからの音波の成分はすべて同期化されるが、仮定した方向以外の方向の成分はキャンセルされて小さくなるので、上記遅延された信号を加算処理することにより、音波の到来方向θsを求めることができる。この時間差による遅延和アレー処理を用いて、ある方向から到来する音の成分を強調して取出す方法は、一般に、ビームフォーマ法(または、ビームフォーカシング法)と呼ばれている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、計測点に配置された複数のマイクロフォンの出力信号の位相差からではなく、複数のマイクロフォンから互いに交わる直線状に配置された複数のマイクロフォン対を構成し、対となる2つのマイクロフォンMa,Mb間の位相差(時間遅れDab)と、他の対となる2つのマイクロフォンMc,Md間の位相差(時間遅れDcd)とから音源の方向を推定する方法が提案されている(例えば、非特許文献2,3、特許文献1参照)。
すなわち、図12に示すように、4個のマイクロフォンM1〜M4を、互いに直交する2直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対(M1,M3)及びマイクロフォン対(M2,M4)を構成するように配置するとともに、第5のマイクロフォンM5を上記マイクロフォンM1〜M4の作る平面上にない位置に配置して、更に4組のマイクロフォン対(M5, M1)〜(M5, M4)を構成した場合、音の入射方向である水平角θと仰角φとは以下の式(1)及び式(2)で表わせる。
ここで、時間遅れDijは、マイクロフォンMiに到達する音圧信号と、このマイクロフォンMiに対して対となるマイクロフォンMjに到達する音圧信号との時間差であり、この対となる2つのマイクロフォンMi及びMjに入力される信号のクロススペクトルPij(f)を求め、更に、対象とする上記周波数fの位相角情報Ψ(rad)を用いて、以下の式(3)により算出される。
これにより、上記マイクロフォンアレーを用いて音源の方向を推定する場合に比較して、少ないマイクロフォン数で音源の方向を正確に推定することができるだけでなく、屋外においても、音源の方向を精度よく推定することができる。
なお、上記式(1),(2)は、マイクロフォン間の距離を半波長とする周波数以下の平面波で成立する。また、対象となる音源位置が測定点とほぼ同一平面上にあり、仰角φを必要としない場合には、2組のマイクロフォン対(M1,M3)及び(M2,M4)のみで音源の方向である水平角θを推定することができる。
大賀寿郎,山崎芳男,金田豊;音響システムとディジタル処理,コロナ社,1995 上明戸昇,野上英和,山下恭弘,財満健史,大脇雅直,杉山武,和田浩之;音情報と画像を組込んだ音源探査システムの開発,日本建築学会計画系論文集,第553号,pp17-22,2002.3 大脇雅直,財満健史,和田浩之,山下恭弘;画像に音情報を組込んだ音源探査システムの開発,電力土木、No.308,pp100-104,2003.11 特開2003−111183号公報
しかしながら、上記従来の方法では、複数の音源の周波数が異なる場合には、受音する信号から特定の周波数の音信号を抽出して、それぞれの音源の方向を推定すればよいが、周波数が同一である場合には、互いの音が干渉し合うことによって、正しく目的音の方向を推定できない場合がある。また、音源は1個であるが、路面や壁などによる反射音が大きい場合にも、同一周波数の複数の音源が存在する場合と同様に、上記音源の方向を正確に測定できなかった。
例えば、上記ビームフォーマ法では、音波の到来方向(メインローブ)以外に、一定の方向にサイドローブと呼ばれている弱い指向性が現れることから、音源が多数ある場合には、到来方向の精度が低下してしまっていた。そこで、この他方向からの出力の寄与を最小にするため、目的音の大きさを変化させずに、雑音を最小化するため、各マイクロフォンに重み付けをして、到来方向のパワーの推定値の分散が最小になるようなθを求めることにより、音の到来方向を求める方法(最小分散法)も提案されている(例えば、田中雅史,金田豊,小島順治;音源方向の推定法の室内残響下での性能評価,日本音響学会誌50巻7号,pp540-548,1994 参照)。しかしながら、この場合にも、実音源における直接音と反射音のように、物理的に相関の高い音を対象とした場合には、十分な測定精度を得ることができなかった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、音源が複数個である場合や、反射音の影響が大きい場合でも、複数の音源の方向、もしくは、直接音の方向と反射音の方向とを正確に分離することのできる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、基準となるマイクロフォンに入力する観測音の振幅をその大きさとしたベクトルは、その大きさが各音源から上記基準マイクロフォンに入力する音の振幅の大きさを表し、その位相角が上記観測音に対する位相差を表わす複素ベクトル(以下、音ベクトルという)の和で表わされることから、各マイクロフォンについても、実際に観測された各マイクロフォンに入力する観測音の上記基準マイクロフォンに対する位相差から、各音源の音ベクトルを求めることができるので、これらの音ベクトルの組から各音源毎に各マイクロフォン間の位相差を求め、この位相差から上記複数の音源の方向を推定するとともに、この推定された音源のうちの1つの音源から各マイクロフォンに到来する音の位相差を求めて、この位相差から新たな音ベクトルの組を求め、この新たな音ベクトルの組が最初に仮定した音ベクトルの組に最も近い音ベクトルの組を各音源からの音ベクトルの組とすれば、複数の音源の方向を分離して特定できることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、複数個の音源、特に、周波数が同一または近接するような複数個の音源から到来した音の合成音である観測音を複数のマイクロフォンで採取し、上記観測音の各マイクロフォン間の位相差のデータを用いて上記各音源の方向を分離して特定する方法であって、
複数のマイクロフォンで観測した観測音の、各マイクロフォン間の位相差をそれぞれ検出する第1のステップと、
基準となるマイクロフォンに入力する観測音に対応する複素ベクトルを、大きさが観測音の大きさを表わしその位相角が0°である基準音ベクトルで表わしたとき、各音源から上記基準マイクロフォンに入力する音に対応する音ベクトルが、それぞれ、その大きさが各音源から到来する音の大きさを表わし、その位相角が上記観測音に対する位相差を表わす複素ベクトルであり、かつ、上記各音源の音ベクトルの和が上記基準音ベクトルになるように上記各音源の音ベクトルを設定する第2のステップと、
上記基準となるマイクロフォン以外の各マイクロフォンについて、上記設定された各音ベクトルと大きさが等しく、かつ、その和が当該マイクロフォンに入力する観測音の音ベクトルになるように、上記各マイクロフォンに入力する各音源の音ベクトルをそれぞれ算出し、全てのマイクロフォンについての各音源からの音ベクトルの組を求める第3のステップと、
上記音ベクトルの組の中から1つの音源方向の音ベクトルを特定し、この特定された音ベクトルについて、各マイクロフォン間の位相差を求める第4のステップと、
上記第4のステップで求めた位相差から上記特定された音源の方向を推定する第5のステップと、
上記推定された特定音源から到来する音の各マイクロフォン間の位相差を算出する第6のステップと、
各マイクロフォンについて、上記第6のステップで求めた位相差から、上記推定された特定音源からの音の音ベクトルを各マイクロフォン毎に算出する第7のステップと、
各マイクロフォンについて、上記第3のステップで算出された音ベクトルと、上記第7のステップで算出された音ベクトルとの差のベクトルを求める第8のステップと、
上記第2のステップにおいて、各音源からの音ベクトルの大きさと位相角とを変更して、その変更された音ベクトルについて、上記第2のステップから上記第8のステップを繰り返して、上記第2のステップで設定された各音ベクトルのそれぞれについて、上記差のベクトルを求め、例えば、上記求められた差のベクトルの絶対値の和が最小となるような各音源の音ベクトルの組を特定するなど、上記求められた差のベクトルの大きさに基づいて、最も確からしい各音源の音ベクトルの組を特定し、上記特定された音ベクトルの組の各音ベクトルと上記基準音ベクトルとの位相角の差から、上記各音源の方向をそれぞれ推定する第9のステップ、
とを備えたことを特徴とするものである。
なお、上記複数の音源としては、1つの音源と上記音源からの反射音を発生する仮想音源(2次音源)である場合も含むものとする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の複数音源の分離方法において、上記第1のステップで行う観測音の各マイクロフォン間の位相差の検出と、第5のステップで行う音源方向の推定とを、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差を用いて音源の方向を推定する音源位置推定手段を備えた音源位置推定装置を用いて行うようにしたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の複数音源の分離方法において、上記第1のステップで行う観測音の各マイクロフォン間の位相差の検出と、第5のステップで行う音源方向の推定とを、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対と上記2組のマイクロフォン対の作る平面上にない第5のマイクロフォンとから成るマイクロフォン群と、上記2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差、及び、上記第5のマイクロフォンと上記2組のマイクロフォン対を構成する4個のマイクロフォンのそれぞれとで構成される4組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差を用いて音源の方向を推定する音源位置推定手段を備えた音源位置推定装置とを用いて行うようにしたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の複数音源の分離方法において、上記推定された音源方向近傍の映像を採取し、上記推定された音源方向と上記採取された映像とから音源の位置を特定するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、複数の音源の位置、特に、周波数が同一かまたは近接している複数音源の位置を分離して特定する際に、その大きさが基準となるマイクロフォンに入力する観測音の振幅に対する各音源からの音の振幅の大きさを表し、その角度が上記観測音に対する位相差を表わす音ベクトルを各音源毎に想定し、この想定された音ベクトルの組を用いて各音源の方向を推定した後、上記推定された音源の中の特定音源から各マイクロフォンに到達する音の位相差を求め、この位相差から新たな音ベクトルを求めるとともに、この新たな音ベクトルと上記設定した上記特定音源の音ベクトルとの差のベクトルが最も小さくなるような音ベクトルを求め、この音ベクトルを含む音ベクトルの組を与える各音源方向を各音源の推定方向として音源の方向を分離して特定するようにしたので、音源が複数個である場合や、反射音の影響が大きい場合でも、複数の音源の方向、もしくは、直接音の到来方向と反射音の到来方向とを正確に分離して特定することができる。
このとき、上記第1のステップで行う観測音の各マイクロフォン間の位相差の検出と、第5のステップで行う音源方向の推定とを、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差を用いて音源の方向を推定する音源位置推定手段を備えた音源位置推定装置、あるいは、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対と上記2組のマイクロフォン対の作る平面上にない第5のマイクロフォンとから成るマイクロフォン群と、上記2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差、及び、上記第5のマイクロフォンと上記2組のマイクロフォン対を構成する4個のマイクロフォンのそれぞれとで構成される4組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差を用いて音源の方向を推定する音源位置推定手段を備えた音源位置推定装置とを用いて行うようにすれば、少ないマイクロフォン数で、効率よくかつ正確に音源の方向を分離することができる。
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
図1は本発明の最良の形態に係る音源探査システムの概要を示す図で、M1〜M5は図示しない騒音源からの雑音の音圧レベルを測定するための測定用のマイクロフォン、11は音源位置近傍の映像を採取するためのCCDカメラ(以下、カメラという)、12はローパスフィルタを備えていて、上記マイクロフォンM1〜M5で採取された音響情報から所定の周波数以下の成分を取り出し増幅する増幅器、13は上記増幅された音響情報(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換器、14は上記カメラ11の映像情報信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するビデオ入出力ユニットである。また、20は上記各マイクロフォンM1〜M5を所定の位置に配列するためのマイクロフォンフレーム、30は三脚から成る支持部材31と、この支持部材31の上部に配設された回転台32とから成る測定用基台で、この回転台32により、上記マイクロフォンフレーム20を回転でき、上記マイクロフォンM1〜M5を水平面内で回転させることができる。
また、40は入力手段であるキーボード41とマイクロフォン数やサンプリング周波数などの測定パラメータを記憶するとともに、音源位置推定の演算等を行う記憶演算部42と画像表示手段であるディスプレイ43とを備えた音源位置推定装置で、上記記憶・演算部42は、上記測定パラメータを記憶するパラメータファイル42mを備えたデータ記憶手段42aと、上記A/D変換されたマイクロフォンM1〜M5からの音響情報を用いて騒音源の方向を推定する音源位置推定手段42bと、上記カメラ11からの映像に上記推定された音源位置を示す画像を付加した画像を生成して上記ディスプレイ43に送る画像合成手段42cとを備えるとともに、上記騒音源が複数である可能性がある場合、あるいは、上記騒音の反射音の影響が強く、あたかも2音源から音が到来していると考えられる場合に、上記複数の音源の方向、または、直接音の方向と反射音の方向とを分離するための、音源分離手段42dを備えている。これにより、上記騒音源が複数である場合や反射音の影響が強い場合などには、上記騒音源の方向を分離して推定するとともに、上記カメラ11からの映像に、上記推定された複数の音源位置を示す画像を付加した画像を生成して上記ディスプレイ43に表示することができる。
次に、本発明による複数音源の分離方法について、図2のフローチャートに基づき説明する。なお、説明を簡単にするため、分離する音源を同一周波数の音を発生する音源Aと音源Bとの2つの音源とし、基準となるマイクロフォンを、図12に示した四角錐状に配置された5個のマイクロフォンM1〜M5のうちの、上記四角錐の頂点に配置されたマイクロフォンM5とした場合について説明する。
最初に、マイクロフォンM1〜M5の出力から、上記各マイクロフォンM1〜M5に入力される観測音の音源が1個であると仮定したときの上記観測音の音源方向を推定する(ステップS10)。
このとき実際の測定においては、音源の位置がマイクロフォンの位置から十分(例えば、マイクロフォン間隔の10倍以上)離れているので、各マイクロフォンM1〜M5に到達する音を平面波とみなすことが可能である。そこで、本例では、音源位置を求める際に、音源の位置がマイクロフォンM1〜M5の位置から十分離れており、音は平面波として各マイクロフォンM1〜M5に入射すると仮定して音源位置を推定する。
平面波近似においては、マイクロフォンMとマイクロフォンMj間の時間遅れDijと音源の位置の水平角θ及び仰角φとは、上述した式(1),(2)で表わせるので、各マイクロフォンM1〜M5の出力信号を周波数分析して、対象となる周波数fにおける各マイクロフォンM,M間の時間遅れDijを算出することにより、上記水平角θ及び仰角φを求めることができる。以下、上記式(1),(2)を再掲する。
また、上記時間遅れDijは、2つのマイクロフォン対(M,M)に入力される信号のクロススペクトルPij(f)を求め、更に、対象とする上記周波数fの位相角情報Ψ(rad)を用いて、以下の式(3)を用いて算出される。
なお、上記推定された音源方向近傍の映像をカメラ11により採取すれば、上記推定された音源方向と上記カメラ11で採取した映像情報とから、音源の位置についても推定することができるとともに、音源位置推定装置40のディスプレイ43上に表示された音源方向近傍の映像に、上記推定された音源位置を表示することができる。
また、上記音源の位置は、各周波数毎に算出することができる。
但し、この音源位置は、上述したように、観測音の音源が1個であると仮定した場合の音源位置で、本例では、以下に示すように、音源分離手段42dを用いて上記音源位置を音源Aの位置と音源Bの位置とに分離する。
なお、上記観測音の音源方向あるいは音源位置と後に推定する音源A,Bの方向あるいは位置とを比較する必要のない場合には、上記時間遅れDijを算出するだけでよく、上記水平角θ及び仰角φの算出や上記観測音の音源位置の推定については省略してもよい。
次に、図3(a)に示すように、基準マイクロフォンであるマイクロフォンM5に入力する観測音を振幅が1で位相角が0°である複素ベクトル(以下、観測音基準ベクトルという)S5で表現するとともに、音源AからマイクロフォンM5に入力される音の複素ベクトルA5(以下、音ベクトルA5という)の振幅PAと位相角δA、及び、音源Bから上記マイクロフォンM5に入力する音の複素ベクトルB5(以下、音ベクトルB5という)の振幅PBと位相角δBとをそれぞれ設定する(ステップS11)。
上記マイクロフォンM5に入力される観測音は、音源AからマイクロフォンM5に入力される音と音源BからマイクロフォンM5に入力される音との合成音であるので、上記音ベクトルS5は上記音ベクトルA5と上記音ベクトルB5とのベクトル和となる。したがって、上記音ベクトルA5の振幅PAと位相角δAとを設定すれば、音源BからマイクロフォンM5に入力される音の音ベクトルB5の振幅PBと位相角δBとは、上記振幅PAと上記位相角δAとを用いて一義的に求めることができる(ステップS12)。
本例では、図3(b)に示すように、上記ステップS11において設定される音ベクトルA5の振幅PAを0.4〜4.0の範囲で、ΔPA=0.1ずつ変化させるとともに、位相角δAを0°〜360°の範囲で、ΔδA=1°ずつ変化させて、上記ステップS11から以下に記載するステップS18までを繰り返し、上記振幅PAと上記位相角δAとの全ての組について音源A及び音源Bの方向を推定する。そして、この推定された音源Aからの音と音源Bからの音との合成音が上記観察音に最も近い振幅PAと位相角δAとを有する音ベクトルA5を求めて上記音源Aの方向と音源Bの方向とを特定する。
次に、図4を参照して、各マイクロフォンM1〜M4に入力される観察音の音ベクトルS1〜S4から、上記音源A及び音源Bから上記マイクロフォンM1〜M4に入力される音の音ベクトルA1〜A4及び音ベクトルB1〜B4を求める方法について説明する。
図4(a)に示すように、マイクロフォンM1の観測音ベクトルS1の振幅は上記観測音基準ベクトルS5の振幅と等しく1であり、観測音基準ベクトルS5と観測音ベクトルS1との角度差Δ51は、上記ステップS10で実際に検出された時間遅れD51に等しい。また、上記観測音ベクトルS1は上記音源AからマイクロフォンM1に入力される音の音ベクトルA1と、上記音源BからマイクロフォンM1に入力される音の音ベクトルB1との和となっており、かつ、上記音ベクトルA1,B1の振幅PA1,PB1は、それぞれ上記音ベクトルA5,B5の振幅PA,PBと等しい。したがって、そのベクトル和が上記観測音ベクトルS1となる音ベクトルA1,B1としては、図4(a)に示すように、[A11,B11],[A12,B12]の2通りが考えられる。
同様に、マイクロフォンM2〜M4に入力される音源A及び音源Bからの音の音ベクトルA2〜A4,B2〜B4についても、図4(b)〜(d)に示すように、それぞれ2組の音ベクトル[Ai1,Bi1],[Ai2,Bi2]のいずれかになる(i=2〜4)。したがって、基準となるマイクロフォンM5の音ベクトルA5,B5に対してそれぞれ時間遅れがD5iである観測音が入力されるマイクロフォンMiに入力される音源A及び音源Bからの音の音ベクトルの組[Aik,Bik]の数は、1つの音ベクトルA5を設定すると、i=1〜4,k=1,2であるので、16通りあることになる(ステップS13)。
音ベクトルの組合わせを求めた後には、以下に示すように、音源Aの方向と音源Bの方向とを上記16通りの音ベクトルの組合わせにつきそれぞれ推定し、どの音ベクトルの組合わせが実際の音源Aの方向に近いかを推定する。なお、以下の計算は、仮定した1つの音ベクトルA5に対して想定される16通りの音ベクトルの組[Aik,Bik]について行うが、表現を単純化するため、上記Aik,Bikを単にAi,Biと表わし、その位相角をδAi,δBiと表わす。
上記各マイクロフォンM1〜M4の音ベクトルAi(i=1〜4)の角度δAiと基準マイクロフォンM5の音ベクトルA5の位相角δAとの角度差δA5iは、図5(a)〜(d)に示すように、音源AからマイクロフォンMiへ入力した音の位相と基準マイクロフォンM5へ入力した音の位相との差である。したがって、上記角度差δA5iと、上記角度差δA5iを用いて算出した角度差δA13及び角度差δA24とをそれぞれ時間遅れD13,D24及び時間遅れD51〜D54として、上記式(1),(2)に代入すれば、音源Aの方向(水平角θAと仰角φA)を推定することができる。また、音源Bについても、同様に、上記音ベクトルBiの角度δBiからδB5i及びδB13及びδB24を求めることにより、音源Bの方向(水平角θBと仰角φB)を推定することができる(ステップS14)。
音源A,Bの方向の推定が完了した後には、上記推定した1つの音源Aから平面波が到来してきたと仮定して、上記各マイクロフォンM1〜M5へ入力する平面波の、上記基準となるマイクロフォンM5に対する各マイクロフォンMiの時間遅れD5i(A)をそれぞれ算出する(ステップS15)。上記時間遅れD5i(A)は、上記ステップS12で仮定した基準マイクロフォンM5の音ベクトルA5を用いて推定した音源Aの方向から上記マイクロフォンM5に入力される音の音ベクトルである新たな音ベクトルa5と各マイクロフォンM1〜M4の新たな音ベクトルai(i=1〜4)との位相差に相当する。また、上記音ベクトルaiの振幅が上記音ベクトルA5の振幅PAに等しい。
ここで、上記新たな音ベクトルa5を、上記ステップS12で仮定した音ベクトルA5に等しいとして、上記新たな音ベクトルa1〜a4と上記ステップS13で求めた音ベクトルA1〜A4とを比較する。すなわち、上記新たな音ベクトルa1〜a4と上記ステップS13で求めた音ベクトルA1〜A4とがほぼ一致すれば、上記音ベクトルA5の設定が実際の音源Aからの音ベクトルであると考えられる。
そこで、図6(a)〜(d)に示すように、上記推定された音源Aからの音の音ベクトルaiと、上記ステップS13において上記音ベクトルA5に基づいて求めたベクトルAi(i=1〜4)との差のベクトルΔAiを求めた後、この差のベクトルΔAiの大きさの和を算出して保存する(ステップS16)。上記新たな音ベクトルa1〜a4と上記ステップS13で求めた音ベクトルA1〜A4との差が小さいほど上記設定された音ベクトルA5が実際の音源Aからの音ベクトルに近いことから、上記差のベクトルΔAiの大きさの和を、上記設定された音ベクトルA5が実際の音源Aの音ベクトルに近いかどうかの判定基準とすれば、実際の音源Aの方向を精度よく推定することができる。
次にステップS14に戻って、上記差のベクトルΔAiの大きさの和を算出して保存する操作を1つの音ベクトルA5が設定されたときに求められた16通りの組み合わせ全てについて行う(ステップS17)。
1つの音ベクトルA5についての差のベクトルΔAiの大きさの和の算出が終了したら、ステップS11に戻って、上記音ベクトルA5の振幅PAまたは位相差δAを変化させて上記ステップS12からステップS17までの操作を繰り返し、上記音ベクトルA5の振幅PAを0.4〜4.0の範囲でΔPA=0.1ずつ変化させ、位相差δAを0°〜360°の範囲で、ΔδA=1°ずつ変化させた全ての場合について、上記差のベクトルΔAiの大きさの和を算出して保存する操作を行う(ステップS18)。
そして、上記差のベクトルΔAiの大きさの和を比較し、上記絶対値の和が最小値をとるような音ベクトルA5,及びB5を特定し、この特定された音ベクトルA5,及びB5から得られる音源A及び音源Bの方向を、観測音を分離して得られた音源A及び音源Bの方向とする(ステップS19)。
すなわち、ステップS14,S15において、音ベクトルA5,及びB5が上記特定された音ベクトルA5,及びB5である場合の音源Aの方向(水平角θAと仰角φA)及び音源Bの方向(水平角θBと仰角φB)が観測音を分離して得られた音源A及び音源Bの方向となる。そして、上記推定された音源Aの方向と音源Bの方向とを含む映像をカメラ11により採取し、音源位置推定装置40のディスプレイ43上に表示された映像上に上記音源A,Bの方向をそれぞれ表示することにより、上記音源Aの位置と音源Bの位置を決定する(ステップS20)。
このように、本最良の形態によれば、まず、各マイクロフォンの観測音を表わす音ベクトルが、その大きさが基準となるマイクロフォンに入力する観測音の振幅に対する各音源からの音の振幅の大きさを表し、その位相角が上記観測音に対する位相差を表わす、音源A及び音源Bからの音の音ベクトルの和で表わされるとして、基準となるマイクロフォンM5に入力される各音源からの音ベクトルA5,B5を想定し、上記音ベクトルA5,B5と各マイクロフォンM1〜M4に入力される観測音の位相差とから、各マイクロフォン毎に音ベクトルAi,Biを求めて音ベクトルの組(Ai,Bi)を算出する操作を行って、この算出された音ベクトルの組から各音源A,Bの方向を推定する。そして、上記推定された音源Aの方向から音が到来するとして、上記到来音の基準となるマイクロフォンM5に対する各マイクロフォンMiの時間遅れD5i(A)をそれぞれ算出し、この時間遅れD5i(A)から新たな音ベクトルaiの組を求め、この新たな音ベクトルaiの組と上記設定した各音源の音ベクトルAiの組との差のベクトルΔAiの大きさの和を求める。この差のベクトルΔAiの大きさの和は、上記音ベクトルA5が実際の音源Aの音ベクトルに近いかどうかの判定基準となるので、上記差のベクトルΔAiの大きさの和が最も小さくなるような音ベクトルAiの組を求め、この音ベクトルAiの組を与える各音源A,Bの方向を各音源A,Bの推定方向として音源A,Bの方向を分離するようにすれば、音源が複数個である場合や、反射音の影響が大きい場合でも、複数の音源の方向、もしくは、直接音の方向と反射音の方向とを正確に分離して特定することができる。
なお、上記最良の形態では、音ベクトルA5の大きさと位相角とを変化させて音源Aと音源Bの方向を推定するようにしたが、図7に示すように、音ベクトルA5の位相角と音ベクトルB5の位相角とをそれぞれ変化させて音源Aと音源Bの方向を推定するようにしてもよい。この場合、音ベクトルA5,B5の大きさは、音ベクトルA5と音ベクトルB5との和が観測音基準ベクトルS5になることから一義的に求めることができる。
また、上記例では、音源が2個である場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、音源が3個以上の場合でも、図8に示すように、観測音基準ベクトルS5に対して各音ベクトルA5,B5,C5,‥‥を想定することにより、各音源A,B,C‥‥からの音の到来の方向を推定することができる。例えば、音源が3個である場合には、音ベクトルA5,B5の大きさと位相角となる4つのパラメータを設定するか、音ベクトルA5の大きさと位相角と、音ベクトルB5,C5の位相角となる4つのパラメータを設定するなどすれば、音ベクトルの組(Ai,Bi,Ci)を求めることができる。その後は、音源が2つの場合と同様に、上記音ベクトルA5から音源Aの方向を推定して新たな音ベクトルの組(ai,bi,ci)を求めて、上記音ベクトルの組(Ai,Bi,Ci)と比較して、最も確からしい(Ai,Bi,Ci)の組、すなわち、実際の音源A,B,Cの音ベクトルに近い(Ai,Bi,Ci)の組を求めて、上記音源A,B,Cの方向を推定するようにすればよい。
また、音源A及び音源Bの方向特定の判定基準を、上述した差のベクトルΔAiの絶対値の和に代えて、差のベクトルΔAiの積を用いても良い。あるいは、上記差のベクトルΔAiの二乗の和の平方根を用いても良い。
また、音源が1個である場合でも、反射音の影響が強い場合には、音源Aを直接音を発生する音源とし、音源Bを上記音源Aからの反射音を発生する仮想音源(2次音源)とすれば、反射の起こる箇所の特定や反射音の影響を正確に把握することができる。
本発明の音源探査システムを用いて、無響室内に所定距離離して設置した左右のスピーカから出力される250Hzの正弦波を採取し、その音源位置を分離して特定したところ、分離処理前には、図9(a)に示すように、音源の推定位置が左右のスピーカのほぼ中間の位置であったのに対して、分離処理後には、図9(b)に示すように、音源位置を左右のスピーカの2箇所に分離することができた。
また、左のスピーカと測定箇所との間に床(反射板)を設置し、左のスピーカのみから出力される1000Hzの正弦波を採取したところ、分離処理前には、図10(a)に示すように、音源の推定位置が左のスピーカの右下側であったのに対して、分離処理後には、図10(b)に示すように、音源位置を左のスピーカのほぼ中心部と床面の2箇所に分離することができるとともに、反射位置についても推定できることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、音源が複数個である場合や、反射音の影響が大きい場合でも、複数の音源の方向、もしくは、音の到来方向と反射音の到来方向とを正確に分離して特定することができるので、遮音壁などの防音対策を行う場合に、その遮音効果を正確にシミュレーションすることができ、有効な騒音対策を行うことができる。
本発明の最良の形態に係わる音源探査システムの概要を示す図である。 音源の分離方法を示すフローチャートである。 各音源から基準マイクロフォンに到達する音の複素ベクトルを設定する方法を示す図である。 各マイクロフォンの音ベクトルの組を求める方法を示す図である。 各マイクロフォンの音ベクトルから、各マイクロフォンへ入力した音の位相と基準マイクロフォンへ入力した音の位相との差を求める方法を示す図である。 仮定した音ベクトルの組から推定した推定音源から各マイクロフォンに到来する音の音ベクトルを求める方法を示す図である。 本発明による音ベクトルの他の設定方法を示す図である。 音源が3個である場合の音ベクトルの設定方法を示す図である。 本発明による2音源の分離処理の実施例を示す図である。 本発明による反射音の分離処理の実施例を示す図である。 従来のマイクロフォンアレーを用いた音の到来方向の推定方法を示す図である。 マイクロフォン対を用いた音源探査方法におけるマイクロフォンの配列を示す図である。
符号の説明
M1〜M5 マイクロフォン、11 カメラ、12 増幅器、
13 A/D変換器、14 ビデオ入出力ユニット、20 マイクロフォンフレーム、
30 基台、31 支持部材、32 回転台、40 音源位置推定装置、
41 キーボード、42 記憶・演算部、42a データ記憶手段、
42b 音源位置推定手段、42c 画像合成手段、42d 音源分離手段、
42m パラメータファイル、43 ディスプレイ。

Claims (4)

  1. 複数個の音源から到来した音の合成音である観測音を複数のマイクロフォンで採取し、上記観測音の各マイクロフォン間の位相差のデータを用いて上記各音源の方向を分離して特定する複数音源の分離方法であって、
    複数のマイクロフォンで観測した観測音の、各マイクロフォン間の位相差をそれぞれ検出する第1のステップと、
    基準となるマイクロフォンに入力する観測音に対応する複素ベクトルを、大きさが観測音の大きさを表わしその位相角が0°である基準音ベクトルで表わしたとき、各音源から上記基準マイクロフォンに入力する音に対応する音ベクトルが、それぞれ、その大きさが各音源から到来する音の大きさを表わし、その位相角が上記観測音に対する位相差を表わす複素ベクトルであり、かつ、上記各音源の音ベクトルの和が上記基準音ベクトルになるように上記各音源の音ベクトルを設定する第2のステップと、
    上記基準となるマイクロフォン以外の各マイクロフォンについて、上記設定された各音ベクトルと大きさが等しく、かつ、その和が当該マイクロフォンに入力する観測音の音ベクトルになるように、上記各マイクロフォンに入力する各音源の音ベクトルをそれぞれ算出し、全てのマイクロフォンについての各音源からの音ベクトルの組を求める第3のステップと、
    上記音ベクトルの組の中から1つの音源方向の音ベクトルを特定し、この特定された音ベクトルについて、各マイクロフォン間の位相差を求める第4のステップと、
    上記第4のステップで求めた位相差から上記特定された音源の方向を推定する第5のステップと、
    上記推定された特定音源から到来する音の各マイクロフォン間の位相差を算出する第6のステップと、
    各マイクロフォンについて、上記第6のステップで求めた位相差から、上記推定された特定音源の音ベクトルを各マイクロフォン毎に算出する第7のステップと、
    各マイクロフォンについて、上記第3のステップで算出された音ベクトルと、上記第7のステップで算出された音ベクトルとの差のベクトルを求める第8のステップと、
    上記第2のステップにおいて、各音源からの音ベクトルの大きさと位相角とを変更して、その変更された音ベクトルについて、上記第2のステップから上記第8のステップを繰り返して、上記第2のステップで設定された各音ベクトルのそれぞれについて、上記差のベクトルを求め、上記求められた差のベクトルの大きさに基づいて、最も確からしい各音源の音ベクトルの組を特定し、上記特定された音ベクトルの組の各音ベクトルと上記基準音ベクトルとの位相角の差から、上記各音源の方向をそれぞれ推定する第9のステップ、
    とを備えたことを特徴とする複数音源の分離方法。
  2. 上記第1のステップで行う観測音の各マイクロフォン間の位相差の検出と、第5のステップで行う音源方向の推定とを、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差を用いて音源の方向を推定する音源位置推定手段を備えた音源位置推定装置を用いて行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の複数音源の分離方法。
  3. 上記第1のステップで行う観測音の各マイクロフォン間の位相差の検出と、第5のステップで行う音源方向の推定とを、互いに交わる2つの直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対と上記2組のマイクロフォン対の作る平面上にない第5のマイクロフォンとから成るマイクロフォン群と、上記2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差、及び、上記第5のマイクロフォンと上記2組のマイクロフォン対を構成する4個のマイクロフォンのそれぞれとで構成される4組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差とを用いて音源の方向を推定する音源位置推定手段を備えた音源位置推定装置とを用いて行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の複数音源の分離方法。
  4. 上記推定された音源方向近傍の映像を採取し、上記推定された音源方向と上記採取された映像とから音源の位置を特定するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の複数音源の分離方法。
JP2005279512A 2005-09-27 2005-09-27 複数音源の分離方法 Active JP4652191B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005279512A JP4652191B2 (ja) 2005-09-27 2005-09-27 複数音源の分離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005279512A JP4652191B2 (ja) 2005-09-27 2005-09-27 複数音源の分離方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007096418A JP2007096418A (ja) 2007-04-12
JP4652191B2 true JP4652191B2 (ja) 2011-03-16

Family

ID=37981633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005279512A Active JP4652191B2 (ja) 2005-09-27 2005-09-27 複数音源の分離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4652191B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5235070B2 (ja) * 2007-11-08 2013-07-10 池上通信機株式会社 音監視装置
JP5686358B2 (ja) * 2008-03-07 2015-03-18 学校法人日本大学 音源距離計測装置及びそれを用いた音響情報分離装置
JP5326332B2 (ja) * 2008-04-11 2013-10-30 ヤマハ株式会社 スピーカ装置、信号処理方法およびプログラム
JP5195652B2 (ja) * 2008-06-11 2013-05-08 ソニー株式会社 信号処理装置、および信号処理方法、並びにプログラム
JP5189536B2 (ja) * 2009-03-26 2013-04-24 池上通信機株式会社 監視装置
JP5375400B2 (ja) * 2009-07-22 2013-12-25 ソニー株式会社 音声処理装置、音声処理方法およびプログラム
JP2016192697A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 株式会社熊谷組 音源方向推定装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000097758A (ja) * 1998-09-22 2000-04-07 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 音源信号推定装置
JP2001051689A (ja) * 1999-07-02 2001-02-23 Mitsubishi Electric Inf Technol Center America Inc 信号の混合物からの特徴抽出方法およびその装置
JP2003111183A (ja) * 2001-09-27 2003-04-11 Chubu Electric Power Co Inc 音源探査システム
JP2004279845A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Univ Waseda 信号分離方法およびその装置
JP2005091560A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Nissan Motor Co Ltd 信号分離方法および信号分離装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005024788A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Nec Engineering Ltd 原稿台開閉機構

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000097758A (ja) * 1998-09-22 2000-04-07 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 音源信号推定装置
JP2001051689A (ja) * 1999-07-02 2001-02-23 Mitsubishi Electric Inf Technol Center America Inc 信号の混合物からの特徴抽出方法およびその装置
JP2003111183A (ja) * 2001-09-27 2003-04-11 Chubu Electric Power Co Inc 音源探査システム
JP2004279845A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Univ Waseda 信号分離方法およびその装置
JP2005091560A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Nissan Motor Co Ltd 信号分離方法および信号分離装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007096418A (ja) 2007-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4652191B2 (ja) 複数音源の分離方法
TWI530201B (zh) 經由自抵達方向估值提取幾何資訊之聲音擷取技術
JP6042858B2 (ja) マルチセンサ音源定位
EP1544635B1 (en) Sound source search system
JP6311197B2 (ja) 音響処理装置、及び音響処理方法
JP5089198B2 (ja) 音源位置推定システム
JP4476870B2 (ja) 音源探査用マイクロフォン出力の補正方法、低周波発生装置、音源探査システム、及び、マイクロフォンフレーム
JP2008236077A (ja) 目的音抽出装置,目的音抽出プログラム
JP2015507422A (ja) 音源位置推定
Bereketli et al. Experimental results for direction of arrival estimation with a single acoustic vector sensor in shallow water
Zimmermann et al. FPGA-based real-time acoustic camera prototype
JP2007235334A (ja) オーディオ装置及び指向音生成方法
US20130148814A1 (en) Audio acquisition systems and methods
JP2008249702A (ja) 音響測定装置及び音響測定方法
Miller et al. Software for real-time localization of baleen whale calls using directional sonobuoys: A case study on Antarctic blue whales
Padois et al. On the use of geometric and harmonic means with the generalized cross-correlation in the time domain to improve noise source maps
KR20090128221A (ko) 음원 위치 추정 방법 및 그 방법에 따른 시스템
Mabande et al. On 2D localization of reflectors using robust beamforming techniques
JP4629544B2 (ja) 騒音対策のシミュレーション方法
Torres et al. Room acoustics analysis using circular arrays: An experimental study based on sound field plane-wave decomposition
KR20090049761A (ko) 스펙트럼 왜곡을 유발하는 인공귀 및 이를 이용한 음원방향 검지 방법
JP6650245B2 (ja) インパルス応答生成装置及びプログラム
KR20160127259A (ko) 수중 음원 탐지를 위한 평면 배열센서 구성방법 및 이를 이용한 수중 음원 탐사시스템
EP4042181A1 (en) Ultrasonic detector
Mickiewicz et al. Mechatronic sound intensity 2D probe

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4652191

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131224

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350