JP4624489B2 - ケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法及びケースタイプ合金型温度ヒューズ - Google Patents

ケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法及びケースタイプ合金型温度ヒューズ Download PDF

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本発明はケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法及びケースタイプ合金型温度ヒューズに関し、特に動作温度が190℃〜240℃のケースタイプ合金型温度ヒューズの製作に有用である。
合金型温度ヒューズは、フラックスを塗布した可溶合金片をヒューズエレメントとしており、周囲温度の上昇によりヒューズエレメントが溶融されると、フラックスの活性化のもとで溶融合金が表面張力により球状化分断されて被保護機器への給電が遮断され、この通電遮断により球状化分断合金が冷却凝固されて通電遮断が完結され、被保護機器の異常過熱ひいては火災の発生が未然に防止されている。
合金型温度ヒューズは、電子・電気機器のサーモプロテクタに汎用され、ケースタイプ合金型温度ヒューズとして、図4に示すアキシャルタイプが知られている。
図4において、1’,1’は一対のリード導体、2’はリード導体間に接続された低融点可溶合金片からなるヒューズエレメント、3’はヒューズエレメント2’に塗布されたフラックスである。5’はセラミックス筒等の筒状絶縁ケースであり、フラックス塗布ヒューズエレメント上に挿通され、ケース各端と各リード導体との間がエポキシ樹脂封止材6’で封止されている。
このエポキシ樹脂封止材には、常温でも硬化可能な系、例えば、ビスフェノールA型液状樹脂を脂肪族第一アミンで架橋させる系を使用し、常温〜60℃の予備硬化と60℃以上での本硬化により硬化させている。
その理由は、最初から60℃以上もの高温で硬化させると、ケース内空気が膨張され、硬化中の塗着樹脂にピンホールが発生し、場合によっては、前記フラックスが封止時の熱により溶融されて前記ピンホールから溶融フラックスが漏出される畏れがあることによる。
温度ヒューズがサーモプロテクタであり、保護しようとする機器の耐熱性が高いほど、動作温度の高い温度ヒューズが使用される。また、機器の耐熱性が高くなるほど、機器の常時使用温度の上限値も高くなる。
従って、動作温度の高い温度ヒューズには、高い常時使用温度に耐え得る耐熱性が要求され、例えば動作温度169℃の温度ヒューズでは、温度120℃のもとでの長時間加熱に耐え得ることが要求されている。
近来、電子・電気機器の耐熱性の向上により、動作温度が190℃以上の合金型温度ヒューズが提案されている。(特許文献1)
特開2001−243866号公報
動作温度190℃の合金型温度ヒューズに要求される常時使用温度の上限はほぼ130℃である。
しかしながら、本発明者の鋭意検討結果によれば、従来ケースタイプの合金型温度ヒューズの封止材として使用されている常温硬化型のビスフェノールA型エポキシ樹脂においては、130℃×2万時間の加熱エージングに耐えることができず、その封止材の耐熱性アップが要求される。
エポキシ樹脂においては、橋かけ密度を大きくするほど耐熱性が高くなることが知られている。
而るに、ノボラック型エポキシ樹脂は多官能であり、2官能であるビスフェノールA型エポキシ樹脂よりも橋かけ密度を高くできる。
エポキシ硬化物の耐熱性を向上させるには、硬化剤にも耐熱性に優れたものを使用する必要があり、ノボラック型エポキシ樹脂に対する耐熱性に優れた硬化剤としては、メチルナジック酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ジアミノジフェニルメタン等が知られている。
しかしながら、これらの硬化剤でノボラック型エポキシ樹脂を硬化させるには、高温加熱が必要であり、ケースタイプ合金型温度ヒューズの封止に使用すると、封止部に前記したケース内空気の膨張によるピンホールが発生し、ピンホールからフラックスが漏出する畏れがある。
従来、耐熱性の封止材として、シリコーンエマルジョンと触媒とを混合したものを滴下・硬化させること、すなわちシリコーン樹脂による封止することも知られているが、その硬化がシラノール基の脱水縮合反応による架橋に基づいており、水の発生があってフラックスに悪影響を及ぼすから、ケースタイプ温度ヒューズの封止には使用し難い。
本発明の目的は、動作温度が190℃〜240℃のケースタイプの合金型温度ヒューズを、その動作温度に見合った耐熱性を付与して良好な歩留りで製作することにある。
請求項1に係るケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法は、リード導体を接続した可溶合金片にフラックスを塗布し、このフラックス塗布可溶合金片を絶縁体ケース内に収容し、このケースの開口とリード導体との間を常温硬化型のエポキシ樹脂組成物で封止し、而るのち、該封止部を前記常温硬化型エポキシ樹脂組成物よりも耐熱性に優れた加熱硬化型エポキシ樹脂組成物で包囲することを特徴とする。
請求項2に係るケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法は、リード導体を接続した可溶合金片にフラックスを塗布し、このフラックス塗布可溶合金片を絶縁体ケース内に収容し、このケースの開口とリード導体との間を常温硬化型のエポキシ樹脂組成物で封止し、而るのち、該封止部をシリコーン樹脂組成物で包囲することを特徴とする。
請求項3に係るケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法は、請求項1または2のケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法において、絶縁体ケースとリード導体との間の常温硬化型のエポキシ樹脂組成物による封止を、60℃未満のもとでの予備硬化と60℃以上のもとでの本硬化により行うことを特徴とする。
請求項4に係るケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法は、リード導体を接続した可溶合金片にフラックスを塗布し、このフラックス塗布可溶合金片を絶縁体ケース内に収容し、このケースの開口とリード導体との間に常温硬化型のエポキシ樹脂組成物を塗布し、この塗布物を包囲してリード導体とケースとに跨り前記常温硬化型エポキシ樹脂組成物よりも耐熱性に優れた加熱硬化型エポキシ樹脂組成物を塗布し、これらの塗布層の硬化を60℃未満のもとでの予備硬化と60℃以上のもとでの本硬化により行うことを特徴とする。
請求項5に係るケースタイプ合金型温度ヒューズは、請求項1〜4何れかの製作方法により製作され、動作温度が190℃〜240℃とされていることを特徴とする。
請求項6に係るケースタイプ合金型温度ヒューズは、請求項1、3または4の製作方法により製作され、動作温度が190℃〜240℃とされ、加熱硬化型エポキシ樹脂組成物の耐熱性が160℃×2万時間の加熱に耐え得るものであることを特徴とする。
請求項7に係るケースタイプ合金型温度ヒューズは、請求項4〜6何れかのケースタイプ合金型温度ヒューズにおいて、可溶合金片がSn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Cu−Bi系、Sn−Ag−Cu−Sb系、Sn−In−Ag−Bi系、Sn−Zn系、Sn−Zn−Bi系の何れかであることを特徴とする。
常温硬化型のエポキシ樹脂組成物による封止を、常温〜60℃未満での予備硬化と60℃以上での本硬化とに行っており、予備硬化の硬化温度が常温〜60℃未満と低いために予備硬化をピンホールの発生なく行うことができ、本硬化時には、ケース内空気が相当に過熱されてかなりの圧力が発生されるが、この圧力が予備硬化状態の封止部で受圧され、支障にならない。この封止部を耐熱性の加熱硬化型エポキシ樹脂組成物により加熱のもとで包囲するとき、ケース内空気が加熱されて圧力が発生しても、この圧力を封止部で受圧して前記の包囲を支承なく円滑に行うことができる。
または、同上封止部を、滴下塗着させたシリコーンエマルジョンの脱水縮合反応による架橋物で包囲するとき、発生水を封止部によりフラックス塗布ヒューズエレメントから遮水でき、その包囲を支承なく良好に行うことができる。
このようにして製作したケースタイプ合金型温度ヒューズの封止部には、耐熱性エポキシ樹脂包囲層やシリコーン樹脂包囲層のために優れた耐熱性を付与でき、動作温度が190℃〜240℃に見合う耐熱性を保証できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1の(イ)〜図1の(ヘ)は本発明に係る筒状ケースタイプの合金型温度ヒューズの製作方法の一実施例を示す説明図である。
図1の(イ)〜図1の(ヘ)において、1,1は一対のリード導体であり、先端に鍔を加工してある。この鍔は省略することもできる。3は可溶合金片からなるヒューズエレメント、3はフラックス、5は筒状絶縁体ケース、6は常温でも硬化可能な常温硬化型エポキシ樹脂組成物からなる封止部、7は封止部6を包囲する、常温では硬化されずに加熱で硬化可能な耐熱性エポキシ樹脂組成物の包囲層である。
図1の(イ)〜図1の(ヘ)は製作過程の各ステージを順位列で示し、ターンテーブル方式で実施するすることができる。
まず、図1の(イ)に示すように、可溶合金片からなるヒューズエレメント2をリード導体1,1で突合せ状態にて挾持し、図1の(ロ)に示すようにリード導体端部を対電極4−4で挾んで通電加熱するか、レーザ照射で加熱し、この加熱でリード導体端面に接するヒューズエレメント端を溶融させ、突合せ界面を溶接する。
リード導体1には、銅線や銅被覆鉄線または銅被覆鋼線を使用でき、リード導体表面にSnやSn−Cu合金を溶融めっきすることができる。
次で、図1の(ハ)に示すように、ヒューズエレメント2にフラックス3を滴下塗布する。このフラックスには、ロジンを使用でき、ロジンに必要に応じ有機塩化物や有機臭化物等の活性剤を添加できる。
ロジンの組成は、アビエチン酸16〜29%,ネオアビエチン酸15〜20%,パラストリン酸18〜20%,イソピマル酸16〜18%,ピマル酸3〜4%,サンダラコピマル酸1〜2%,コムン酸3〜4%,デヒドロアビエチン酸4〜7%、その他2〜3%であり、軟化点は74〜76℃であって加熱により液状化して滴下塗布し、自然冷却により固化させることができる。
フラックスを塗布したのちは、図1の(ニ)に示すように、フラックス塗布ヒューズエレメント上に筒状絶縁体ケース5を挿通する。筒状絶縁体ケースには、セラミックス、ガラス等の無機質体、繊維補強フエノール樹脂等の繊維強化樹脂体を使用できる。
次で、図1の(ホ)に示すように、筒状ケース各端と各リード導体との間を液状の常温硬化型エポキシ樹脂組成物6の滴下塗装によって封止する。
この液状常温硬化型エポキシ樹脂組成物には、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、硬化剤としての脂肪族第一アミンと、無機質粉末とからなるものを使用できる。
無機質粉末は、充填剤として使用され、特に封止部を介してのケース外部からケース内部への熱伝達を高めるために有効であり、シリカ、アルミナ、雲母、炭酸カルシウム、ジルコニア、二酸化チタン等を使用できる。
滴下塗装に要求される粘度は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子量や無機質粉末の配合量等によって調整できる。
液状常温硬化型エポキシ樹脂組成物を滴下し、常温〜60度未満のもとで予備硬化を行い、60℃以上での本硬化によって硬化を終結させること望ましい。例えば、常温×1時間+55℃×3時間の予備硬化と90℃×3時間の本硬化または常温×1時間+40℃×13時間の予備硬化と60℃×2時間+90℃×1時間の本硬化が望ましい。
予備硬化の硬化温度が常温〜60℃未満と低いために予備硬化をピンホールの発生なく行うことができ、本硬化時には、ケース内空気が相当に加熱されてかなり高圧の圧力が発生するが、予備硬化のためにその加熱空気の圧力を安全に受圧でき、ピンホールの発生を防止でき、フラックスが溶融されてもその漏出を回避できる。
本硬化を高温で行っているために、全体として硬化時間を短縮でき製作能率を向上できる。
前記のようにして、筒状ケース各端と各リード導体との間を常温硬化型エポキシ樹脂組成物で封止したのちは、図1の(ヘ)に示すように封止部6上を、前記常温硬化型エポキシ樹脂組成物よりも優れた耐熱性のエポキシ樹脂組成物7で包囲する。
前記2官能のビスフェノールA型エポキシ樹脂よりも耐熱性に優れたエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができ、橋かけ物の耐熱性を保証するために、硬化剤にも耐熱性に優れたものを使用する必要があり、かかる硬化剤としては、メチルナジック酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ジアミノジフェニルメタン等を挙げることができる。
耐熱性のエポキシ樹脂組成物は、耐熱性エポキシ樹脂と硬化剤と無機質粉末とを含み、粘度を調整した溶剤溶液を滴下塗装し、塗布層を加熱のもとで硬化させて包囲層とする。
この加熱硬化時、ケース内の空気が加熱されて内圧が発生するが、既に硬化されている常温硬化型エポキシ樹脂組成物の封止部でその圧力を支障なく受圧できるから、その内圧が温度ヒューズの製作上支障となることはない。
前記耐熱性エポキシ樹脂組成物の包囲層7においては、封止部6の封止性能が熱劣化により失われてもケース内をケース外部に対し気密に保持し得るように、リード導体やケース端部とのかぶり代を設定してある。
前記封止部6の耐熱性エポキシ樹脂組成物7による包囲を、図2に示すようにケース外面を覆うようにして行うこともでき、この場合、前記滴下塗装に代え、型を使用しての注型により行うこともできる。
前記常温硬化型エポキシ樹脂組成物の封止部の硬化のまえに、前記の包囲層とされる耐熱性エポキシ樹脂組成物を塗布し、この未硬化内外層を常温〜60℃未満のもとでの予備硬化とこの予備硬化よりも高温度の本硬化とで硬化させるようにしてもよい。
前記耐熱性の加熱硬化型エポキシ樹脂組成物による包囲に代え、無機質粉末とシリコーンエマルジョンと触媒(錫、亜鉛、鉄、鉛等の塩類及び有機アミン酸)とを含む混合液を封止部上に滴下塗装するか、ケース外面をも含めて封止部上に注型し、常温または加熱下でシリコーンエマルジョンを硬化することもできる。この硬化物の組成は、無機質粉末80重量%以上、シリコーン樹脂1〜4重量%であり、無機質粉末には、粉末状のシリカ、アルミナ、雲母、シルコニア、二酸化チタン等を用いることができる。
シリコーンエマルジョンの硬化反応は、シラノール基の脱水縮合反応による架橋反応であり、水を発生する。しかしながら、ケース内のフラックス塗布ヒューズエレメントが即硬化の封止部により遮水されるから、その水の発生が温度ヒューズの製作上支障となるようなことはない。
前記筒状ケースタイプの合金型温度ヒューズの寸法は、通常、リード導体外径:0.5〜1.1mmφ、ヒューズエレメントの外径:0.4〜1.2mmφ、ヒューズエレメントの長さ:2〜4mm、筒状ケース長さ:4〜15mm、筒状ケース内径:0.8〜3.0mmφとされる。
本発明は図3の(イ)及び(ロ)〔図3の(イ)のロ−ロ断面図〕に示すように、扁平ケースタイプの合金型温度ヒューズにも適用できる。
図3の(イ)及び(ロ)において、1,1は一対の並行なリード導体、2はリード導体の先端部間に跨って溶接された可溶合金片からなるヒューズエレメント、3はヒューズエレメント2上に塗布されたフラックス、5はフラックス塗布ヒューズエレメントが収容された扁平絶縁体ケースであり、セラミックス、ガラス等の無機質絶縁体または繊維強化フエノール樹脂などの繊維強化樹脂体を使用できる。6はケース開口とリード導体との間を封止した無機質粉末充填常温硬化型エポキシ樹脂組成物からなる封止部、7は封止部6を包囲する無機質粉末充填耐熱性エポキシ樹脂組成物または無機質充填シリコーン樹脂の包囲層であり、ケース外面をも覆って被覆することもできる。
扁平ケースタイプの合金型温度ヒューズの寸法は、通常、リード導体外径:0.5〜1.1mmφ、ヒューズエレメントの外径:0.4〜1.2mmφ、ヒューズエレメントの長さ:3〜4mm、扁平ケースの開口の内郭:4.0〜6.0mm巾×1.0〜1.5mm高さ、扁平ケースの奥行き:3.0〜8.0mmとされる。
含めて包囲る。
本発明は動作温度が190℃〜240℃のケースタイプ合金型温度ヒューズの製作に特に有用である。
動作温度190℃〜240℃の合金型温度ヒューズに対する常時使用温度の上限は130℃〜160℃である。
而るに、ノボラック型エポキシ樹脂硬化物では、150℃×2万時間以上の加熱エージングに耐え、シリコーン樹脂ではこの加熱エージングに充分な余裕で耐え得るから、本発明に係るケースタイプ合金型温度ヒューズでは、動作温度190℃〜240℃に見合う耐熱性を保証できる。
かかるケースタイプ合金型温度ヒューズのヒューズエレメントには、次の合金を使用できる。
(1)Sn−0.3〜4.0Ag−0.3〜1.0Cu
例えば、Sn−0.3Ag−0.7Cu(固相線温度217℃、液相線温度226℃)、Sn−1.0Ag−4.0Cu(固相線温度217℃、液相線温度335℃)、Sn−2.0Ag−6.0Cu(固相線温度217℃、液相線温度373℃)、Sn−3.0Ag−0.5Cu(固相線温度217℃、液相線温度219℃)、Sn−2.8Ag−0.3Cu(固相線温度217℃、液相線温度221℃)、Sn−3.5Ag−0.7Cu(固相線温度217℃、液相線温度217℃)、Sn−3.8Ag−0.7Cu(固相線温度217℃、液相線温度217℃)、Sn−4.0Ag−0.9Cu(固相線温度217℃、液相線温度217℃)等。
(2)Sn−2.0〜3.0Ag−0.2〜0.8Cu−0.5〜1.5Bi
例えば、Sn−2.5Ag−0.5Cu−1.0Bi(固相線温度213℃、液相線温度218℃)。
(3)Sn−2.0〜3.0Ag−0.2〜0.8Cu−0.2〜1.0Sb
例えば、Sn−2.5Ag−0.7Cu−0.5Sb(固相線温度218℃、液相線温度240℃)。
(4)Sn−2.0〜10.0In−1.0〜5.0Ag−0.2〜0.8Bi
例えば、Sn−8.0In−3.5Ag−0.5Bi(固相線温度196℃、液相線温度206℃)、Sn−4.0In−3.5Ag−0.5Bi(固相線温度207℃、液相線温度212℃)等。
(5)Sn−7.0〜12.0Zn
例えば、Sn−9.0Zn(固相線温度198℃、液相線温度198℃)。
(6)Sn−7.0〜12.0Zn−1.0〜5.0Bi
例えば、Sn−8.0Zn−3.0Bi(固相線温度190℃、液相線温度196℃)。
リード導体には線径0.6mmφの銅線を使用し、ヒューズエレメントには線径が0.6mmφ,長さが3.0mm,固相線温度が217℃,液相線温度が219℃のSn−3.0Ag−0.5Cu合金片を使用し、筒状ケースには長さ9.0mm,内径1.4mmφのセラミックス筒を使用し、フラックスには軟化点74.5℃のロジンを使用した。
無機質粉末入りの常温硬化型エポキシ樹脂には、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂に粉末シリカを15重量%添加したものを使用し、封止部の硬化を常温×1時間+55℃×3時間の予備硬化と90℃×3時間の本硬化とで行った。
無機質粉末入りの加熱硬化型エポキシ樹脂には、シリカ量が15重量%,硬化条件が120℃/2時間+200℃/2時間のノボラック型エポキシ樹脂を使用し、封止部上を無機質粉末入り加熱硬化型エポキシ樹脂で包囲した。
封止部をピンホールの発生なく形成でき、封止部上を無機質粉末入り加熱硬化型エポキシ樹脂で包囲する間、ケース内が加熱されるにもかかわらず、次の通り所定動作温度のケースタイプ合金型温度ヒューズを製作できた。
すなわち、試料数を120箇とし、試料に0.1Aを通電しつつ1℃/1分の速度で昇温するオイル中に浸漬し動作時のオイル温度を測定して動作温度を求めたところ、平均動作温度が217.655℃、最大動作温度が217.9℃、最小動作温度が217.4℃であり、標準偏差が0.146であった。
なお、温度ヒューズの抵抗値は平均値で2.2556Ωであり、標準偏差が0.0287であった。
〔比較例1〕
無機質粉末入りの常温硬化型エポキシ樹脂で封止部を形成せずに、無機質粉末入り加熱硬化型エポキシ樹脂で封止部を形成することを試みたが、フラックスが溶融噴出して製作が不可であった。
本発明に係るケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法の一実施例を示す図面である。 本発明により製作されるケースタイプ合金型温度ヒューズの一例を示す図面である。 本発明により製作されるケースタイプ合金型温度ヒューズの上記とは別の例を示す図面である。 従来のケースタイプ合金型温度ヒューズを示す図面である。
符号の説明
1 リード導体
2 ヒューズエレメント
3 フラックス
5 ケース
6 常温硬化型エポキシ樹脂組成物
7 加熱硬化型エポキシ樹脂組成物

Claims (7)

  1. リード導体を接続した可溶合金片にフラックスを塗布し、このフラックス塗布可溶合金片を絶縁体ケース内に収容し、このケースの開口とリード導体との間を常温硬化型のエポキシ樹脂組成物で封止し、而るのち、該封止部を前記常温硬化型エポキシ樹脂組成物よりも耐熱性に優れた加熱硬化型エポキシ樹脂組成物で包囲することを特徴とするケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法。
  2. リード導体を接続した可溶合金片にフラックスを塗布し、このフラックス塗布可溶合金片を絶縁体ケース内に収容し、このケースの開口とリード導体との間を常温硬化型のエポキシ樹脂組成物で封止し、而るのち、該封止部をシリコーン樹脂組成物で包囲することを特徴とするケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法。
  3. 絶縁体ケースとリード導体との間の常温硬化型のエポキシ樹脂組成物による封止を、60℃未満のもとでの予備硬化と60℃以上のもとでの本硬化とにより行うことを特徴とする請求項1または2記載のケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法。。
  4. リード導体を接続した可溶合金片にフラックスを塗布し、このフラックス塗布可溶合金片を絶縁体ケース内に収容し、このケースの開口とリード導体との間に常温硬化型のエポキシ樹脂組成物を塗布し、この塗布物を包囲してリード導体とケースとに跨り前記常温硬化型エポキシ樹脂組成物よりも耐熱性に優れた加熱硬化型エポキシ樹脂組成物を塗布し、これらの塗布層の硬化を60℃未満のもとでの予備硬化と60℃以上のもとでの本硬化とにより行うことを特徴とするケースタイプ合金型温度ヒューズの製作方法。
  5. 請求項1〜4何れかの製作方法により製作され、動作温度が190℃〜240℃とされていることを特徴とするケースタイプ合金型温度ヒューズ。
  6. 請求項1、3または4の製作方法により製作され、動作温度が190℃〜240℃とされ、耐熱性の加熱硬化型エポキシ樹脂組成物の耐熱性が160℃×2万時間に耐え得るものであることを特徴とするケースタイプ合金型温度ヒューズ。
  7. 可溶合金片がSn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Cu−Bi系、Sn−Ag−Cu−Sb系、Sn−In−Ag−Bi系、Sn−Zn系、Sn−Zn−Bi系の何れかであることを特徴とする請求項4〜6何れか記載のケースタイプ合金型温度ヒューズ。
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