JP4623484B2 - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP4623484B2
JP4623484B2 JP2003391777A JP2003391777A JP4623484B2 JP 4623484 B2 JP4623484 B2 JP 4623484B2 JP 2003391777 A JP2003391777 A JP 2003391777A JP 2003391777 A JP2003391777 A JP 2003391777A JP 4623484 B2 JP4623484 B2 JP 4623484B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin composition
cured product
sheet
planar support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003391777A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005154484A (ja
Inventor
泰昌 赤塚
繁 茂木
政隆 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2003391777A priority Critical patent/JP4623484B2/ja
Publication of JP2005154484A publication Critical patent/JP2005154484A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4623484B2 publication Critical patent/JP4623484B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Description

本発明は耐熱性に優れ、しかもフィルム状に形成した場合、十分なフレキシビリティーを有する硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物およびその硬化物に関する。
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料など幅広い分野に利用されている。従来、最も一般的に使用されてきたエポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。また電気・電子部品分野ではより高い信頼性が要求されるため、オルソクレゾールノボラック型のエポキシ樹脂が広く使用されてきた。
しかしながら、前記したようなオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂は耐熱性には優れているものの、その硬化物は剛直であり、フレキシビリティーに欠ける。近年の電気・電子部品の形態は従来の大型パッケージやガラス繊維を基材とした基板だけではなく、ポリイミドやPET(ポリエチレングリコールテレフタレート)フィルム、金属箔上にワニスの状態で塗布した後溶剤を除去する、シート状の成形物が開発されている。この様な場合使用される樹脂には十分なフレキシビリティーが要求される。この様な用途に適した材料として高分子量のビスフェノール型樹脂(一般にポリヒドロキシポリエーテル樹脂と呼ばれる)(例えば特許文献1参照)が使用されることが多いが、この様なフェノキシ樹脂は実質的に熱可塑性樹脂であり、耐熱性には著しく劣る。
また、メタクレゾール由来の低分子量のノボラック型エポキシ樹脂やパラクレゾール由来の低分子量のノボラック型エポキシ樹脂は従来から知られているが、これらは重合度を高めることができず、フレキシビリティーのある樹脂を得ることができなかった。
特開2003−119370号公報
本発明は、耐熱性に優れ、シート状に成形しても十分なフレキシビリティーを有する硬化物を与えるエポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物を提供する事を目的とする。
本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究した結果、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明は
(1)下記式(1)
Figure 0004623484
(式中、メチル基はグリシジルエーテル基に対してメタ位もしくはパラ位に位置し、グリシジルエーテル基に対してメタ位にメチル基を有するフェニル基とパラ位にメチル基を有するフェニル基の存在割合は90:10〜10:90である。nは6〜30の整数を示す。)
で表され、軟化点が100℃以上であるエポキシ樹脂、
(2)メタクレゾールとパラクレゾール90〜10:10〜90と、ホルムアルデヒドを反応させて得られるクレゾールノボラック型樹脂を、エピハロヒドリンと反応させることにより得られ、軟化点が100℃以上であるエポキシ樹脂、
(3)(1)または(2)に記載のエポキシ樹脂と硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物、
(4)硬化促進剤を含有する(2)または(3)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(5)(3)または(4)に記載のエポキシ樹脂組成物を溶剤に溶解してなるワニス、
(6)(3)または(4)に記載のエポキシ樹脂組成物、または(5)に記載のワニスを硬化してなる硬化物、
(7)(3)または(4)に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるシート状の硬化物、
(8)平面状支持体の両面または片面に(3)または(4)に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物の層を有するシート、
(9)平面状支持体がポリイミドフィルムである(8)に記載のシート、
(10)平面状支持体が金属箔である(8)に記載のシート、
(11)平面状支持体が剥離フィルムである(8)に記載のシート、
(12)(5)に記載のワニスを基材に含浸させ加熱乾燥して得られるプリプレグ、
を提供するものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、薄膜状に成形した場合でも十分なフレキシビリティーを有し、しかも耐熱性に優れているため、成形材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジストなど広範囲の用途にきわめて有用である。
本発明の前記式(1)で表されるエポキシ樹脂は、下記式(2)
Figure 0004623484
(式中、メチル基はグリシジルエーテル基に対してメタ位もしくはパラ位に位置し、グリシジルエーテル基に対してメタ位にメチル基を有するフェニル基とパラ位にメチル基を有するフェニル基の存在割合は90:10〜10:90である。nは6〜30の整数を示す。)
で表され、軟化点が通常120〜180℃のクレゾールノボラック型樹脂を、アルカリ金属水酸化物の存在下でエピハロヒドリンと反応させることにより得ることが出来る。
前記式(2)で表され軟化点が通常120〜180℃のクレゾールノボラック型樹脂はメタクレゾール、パラクレゾール、ホルムアルデヒドを酸触媒の存在下で反応させることにより得ることが出来る。
メタクレゾールとパラクレゾールの仕込み比率は通常90〜10:10〜90であり、好ましくは80:20〜20:80である。
ホルムアルデヒドはホルマリン水溶液を用いても、重合体であるパラホルムアルデヒドを用いても良い。ホルムアルデヒドの仕込み比率はメタクレゾールとパラクレゾールの合計仕込みモル数に対して、ホルムアルデヒド換算のモル比で通常1:0.1〜1:0.95であり、好ましくは1:0.15〜0.9である。仕込み方法としてはホルマリン水溶液の場合、系中に滴下する方法が好ましく、パラホルムアルデヒドの場合は発熱に注意しながら所定量を徐々に分割添加する方法が好ましい。
使用しうる酸触媒の具体例としては、シュウ酸、塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。酸触媒の使用量はメタクレゾールとパラクレゾールの合計量100重量部に対して、通常0.01〜10重量部であり、好ましくは0.05〜5重量部である。
反応温度は、通常50〜180℃であり、好ましくは60〜150℃である。反応時間としてはGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)などを用いて分子量が変わらなくなった点を終点とすればよい。実際には、通常1〜20時間であり、好ましくは1.5〜15時間である。反応中に生成する水を、分留管などを用いて除去することは、反応を速やかに進行させる上において好ましい。
反応終了後、水洗(分液)などを行って酸触媒を除去する。水洗の際には有機溶媒を用いても良く、有機溶媒を用いなくてもよい。有機溶媒を用いる場合はメチルイソブチルケトン、トルエン、メチルエチルケトンなどが好ましい。有機溶媒の量は、仕込んだメタクレゾール、パラクレゾール、ホルマリンの合計重量に対して通常10〜300重量%であり、好ましくは20〜200重量%である。水洗後、エバポレーターなどを用いて加熱減圧下で未反応のクレゾール及び溶媒を除去する。
本発明のエポキシ樹脂を得る反応において、アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法でもよい。
通常これらの反応において使用されるエピハロヒドリンの量は式(2)で表される化合物の水酸基1当量に対し通常2〜12モル、好ましくは3〜10モルである。この際、化合物の溶解性を高め反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、もしくはジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ましい。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し通常2〜50重量%、好ましくは4〜40重量%であり、非プロトン性極性溶媒を使用する場合は通常5〜100重量%、好ましくは10〜90重量%である。
また式(2)で表される化合物とエピハロヒドリンの混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加し50〜150℃で0.5〜8時間反応させて得られる式(2)の化合物のハロヒドリンエーテル化物にアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、20〜120℃で1〜10時間反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でもよい。
この場合、4級アンモニウム塩の使用量は式(2)で表される化合物100重量部に対し0.1〜10重量部である。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した式(2)の化合物の水酸基1当量に対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂が得られる。
こうして得られるエポキシ樹脂は、式(1)におけるnは通常6〜30、好ましくは8〜30である。nの値は、GPCなどで測定した分子量から計算することができる。
このうち、軟化点が通常100〜180℃、好ましくは100〜170℃であるものが好ましい。また、式(1)におけるメチル基はグリシジルエーテル基に対してメタ位もしくはパラ位に位置し、メタ位とパラ位の割合は90:10〜10:90であり、好ましくは80:20〜20:80である。メタ位とパラ位の割合は、本発明のエポキシ樹脂を合成する際のメタクレゾールとパラクレゾールの割合が反映されていると考えられるが、NMRによってこれらの割合を求めることができる。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物において、前記式(1)で表される本発明のエポキシ樹脂を単独で、または他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。他のエポキシ樹脂を併用する場合、本発明の式(1)で表されるエポキシ樹脂が全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂と併用し得る他のエポキシ樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン・フェノール重縮合型エポキシ樹脂などが挙げられるがこれらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物が含有する硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られないおそれがある。
また本発明のエポキシ樹脂組成物には硬化促進剤を併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例としては例えば2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は必要により無機充填材を含有する。用いうる無機充填材の具体例としてはシリカ、アルミナ、タルク等が挙げられる。無機充填材は本発明のエポキシ樹脂組成物中において0〜90重量%を占める量が用いられる。更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は前記各成分を任意の順序で混合することによって得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物のワニスは、上記に説明したエポキシ樹脂組成物を溶剤に溶解したものである。
溶剤としてはトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いたシートは上記のワニスをそれ自体公知のグラビアコート法、スクリーン印刷、メタルマスク法、スピンコート法などの各種塗工方法により平面状支持体上に乾燥後の厚さが所定の厚さ、例えば5〜100μmになるように塗布後乾燥して得られるが、どの塗工法を用いるかは支持体の種類、形状、大きさ、塗膜の膜厚により適宜選択される。平面状支持体としては、例えばポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種高分子及び/またはその共重合体から作られるフィルム、或いは銅箔等の金属箔等が挙げられ、好ましくは、ポリイミド又は金属箔である。また更に加熱することによりシート状の硬化物を得ることが出来る。また、一度の加熱で、溶剤の乾燥工程と硬化工程を兼ねてもよい。本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記平面状支持体の両面または片面に上記方法で塗工、加熱することにより、該平面状支持体の両面または片面に本発明の組成物の硬化物の層を有することができる。
また本発明のワニスを、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形して硬化物を得ることもできる。
次に本発明を更に実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。
実施例1
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら、メタクレゾール108部、パラクレゾール108部、パラトルエンスルホン酸2部を加え、撹拌下で130℃にまで加熱し35%のホルマリン水溶液60部を30分かけて滴下した。更に130℃で3時間撹拌した後、メチルイソブチルケトン250部を加えて分液ローとを用いて3回水洗した。次いでエバポレーターを用いて油層から未反応のクレゾールとメチルイソブチルケトンを除去し、前記式(2)で表されるクレゾール樹脂140部を得た。得られたクレゾール樹脂の軟化点は140.6℃、水酸基当量は120g/eqであった。
得られた前記式(2)で表される化合物120部に対しエピクロルヒドリン370部、メタノール26部を加え撹拌下で溶解し、70℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム40部を100分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間撹拌し、後反応を行った。反応終了後水150部を加えて水洗を行った。油層からロータリーエバポレーターを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリンなどを留去した。残留物にメチルイソブチルケトン352部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30%の水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、1時間反応を行った後、水洗を3回行い、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下メチルイソブチルケトンを留去し、前記式(1)で表される本発明のエポキシ樹脂(A)157部を得た。得られたエポキシ樹脂における、グリシジルエーテル基に対してメチル基がメタ位であるものと、パラ位であるものの比率は、合成条件からみて1:1と考えられる。GPCで測定した分子量から求めたnの値は12であった。また、エポキシ当量は216g/eq、軟化点は114.2℃であった。
実施例2
実施例1で得られた本発明のエポキシ樹脂(A)108部に対し硬化剤としてフェノールノボラック53部(水酸基当量106g/eq、軟化点80℃)を、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)1部を、溶剤としてメチルエチルケトン162部を混合し本発明のワニスを得た。
上記の本発明のワニスをPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmになるように塗布し180℃で1時間加熱することにより、溶剤を乾燥、硬化せしめ、PETフィルムを除去してシート状のサンプルを得た。得られたサンプルは折り曲げてもひび割れることがなく十分なフィルム形成能を有していた。またこのサンプルのガラス転移温度をDMA(動的粘弾性測定装置)により測定したところ、231℃であった。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、薄膜状に成形した場合でも十分なフレキシビリティーを有し、しかもその硬化物は耐熱性に優れているため、成形材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジストなどの広範囲の用途にきわめて有用である。

Claims (10)

  1. メタクレゾールとパラクレゾール90〜10:10〜90と、ホルムアルデヒドを反応させて得られる軟化点が120〜180℃のクレゾールノボラック型樹脂をエピハロヒドリンと反応させ得られる、下記式(1)
    Figure 0004623484
    (式中、メチル基はグリシジルエーテル基に対してメタ位もしくはパラ位に位置し、グリシジルエーテル基に対してメタ位にメチル基を有するフェニル基とパラ位にメチル基を有するフェニル基の存在割合は90:10〜10:90である。nは6〜30の整数を示す。)で表され、軟化点が100℃以上であるエポキシ樹脂及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
  2. 硬化促進剤を含有する請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物を溶剤に溶解してなるワニス。
  4. 請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物、または請求項3に記載のワニスを硬化してなる硬化物。
  5. 請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるシート状の硬化物。
  6. 平面状支持体の両面または片面に請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物の層を有するシート。
  7. 平面状支持体がポリイミドフィルムである請求項6に記載のシート。
  8. 平面状支持体が金属箔である請求項6に記載のシート。
  9. 平面状支持体が剥離フィルムである請求項6に記載のシート。
  10. 請求項3に記載のワニスを基材に含浸させ加熱乾燥して得られるプリプレグ。
JP2003391777A 2003-11-21 2003-11-21 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Expired - Fee Related JP4623484B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003391777A JP4623484B2 (ja) 2003-11-21 2003-11-21 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003391777A JP4623484B2 (ja) 2003-11-21 2003-11-21 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005154484A JP2005154484A (ja) 2005-06-16
JP4623484B2 true JP4623484B2 (ja) 2011-02-02

Family

ID=34718688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003391777A Expired - Fee Related JP4623484B2 (ja) 2003-11-21 2003-11-21 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4623484B2 (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6155113A (ja) * 1984-08-24 1986-03-19 Mitsubishi Petrochem Co Ltd クレゾ−ルノボラツクエポキシ樹脂及びその製造方法
JPH04185623A (ja) * 1990-11-21 1992-07-02 Kuraray Co Ltd 組成物
JPH08176439A (ja) * 1994-08-09 1996-07-09 General Electric Co <Ge> ポリ(アリーレンスルフィド)樹脂とポリエーテルイミド樹脂のエポキシで変性されたブレンド
JP2000017055A (ja) * 1998-04-28 2000-01-18 Mitsui Chemicals Inc エポキシ樹脂組成物およびその用途
JP2001059010A (ja) * 1999-06-18 2001-03-06 Nippon Kayaku Co Ltd 高軟化点o−クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、これを含むエポキシ樹脂溶液、エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂の製造法
JP2002241475A (ja) * 2000-10-05 2002-08-28 Nippon Kayaku Co Ltd ポリフェノール樹脂、その製造方法、エポキシ樹脂組成物及びその用途
JP2003055437A (ja) * 2001-08-10 2003-02-26 Nippon Kayaku Co Ltd 光学材料用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2003183356A (ja) * 2001-12-20 2003-07-03 Japan Epoxy Resin Kk エポキシ樹脂組成物
JP2003286330A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Mitsui Chemicals Inc 硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物、その硬化物およびその用途

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6155113A (ja) * 1984-08-24 1986-03-19 Mitsubishi Petrochem Co Ltd クレゾ−ルノボラツクエポキシ樹脂及びその製造方法
JPH04185623A (ja) * 1990-11-21 1992-07-02 Kuraray Co Ltd 組成物
JPH08176439A (ja) * 1994-08-09 1996-07-09 General Electric Co <Ge> ポリ(アリーレンスルフィド)樹脂とポリエーテルイミド樹脂のエポキシで変性されたブレンド
JP2000017055A (ja) * 1998-04-28 2000-01-18 Mitsui Chemicals Inc エポキシ樹脂組成物およびその用途
JP2001059010A (ja) * 1999-06-18 2001-03-06 Nippon Kayaku Co Ltd 高軟化点o−クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、これを含むエポキシ樹脂溶液、エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂の製造法
JP2002241475A (ja) * 2000-10-05 2002-08-28 Nippon Kayaku Co Ltd ポリフェノール樹脂、その製造方法、エポキシ樹脂組成物及びその用途
JP2003055437A (ja) * 2001-08-10 2003-02-26 Nippon Kayaku Co Ltd 光学材料用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2003183356A (ja) * 2001-12-20 2003-07-03 Japan Epoxy Resin Kk エポキシ樹脂組成物
JP2003286330A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Mitsui Chemicals Inc 硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物、その硬化物およびその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005154484A (ja) 2005-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1770108A1 (en) Epoxy resin, epoxy resin composition, and cured product thereof
TWI445726B (zh) Epoxy resin, epoxy resin composition and hardened product thereof
JP5196625B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4529234B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2000178329A (ja) ナフトール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP3573530B2 (ja) エポキシ樹脂混合物、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JP3894628B2 (ja) 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4623484B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4702764B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4509539B2 (ja) エポキシ樹脂組成物シート
JP5579300B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP3907140B2 (ja) 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP5252671B2 (ja) 結晶性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4453899B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP4605420B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4463453B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH0920819A (ja) 変性フェノールノボラック樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4082668B2 (ja) フェノール樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4548647B2 (ja) 液状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4036289B2 (ja) 液状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4466907B2 (ja) 液状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP5390491B2 (ja) エポキシ樹脂、その製造方法、エポキシ樹脂組成物及び硬化物
JP2005112896A (ja) 液状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH10120758A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH10139854A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090930

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101027

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101027

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4623484

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees