JP4082668B2 - フェノール樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

フェノール樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性が高い硬化物を与え、しかも粘度の低いフェノール樹脂系硬化剤、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い分野に利用されている。従来工業的に最も使用されている液状エポキシ樹脂としてはビスフェノールAにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物が知られている。また、液状の硬化剤としては酸無水物や、アミン系の硬化剤が一般的に知られている。また電器・電子部品などの耐熱性が要求される分野ではクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と硬化剤としてフェノールノボラックとの組み合わせが広く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、酸無水物はエポキシ樹脂と硬化させた後でも、酸性やアルカリ条件下では加水分解される恐れがある。またアミン系硬化剤は、反応性に優れているが、逆に一液型のエポキシ樹脂組成物にした場合、貯蔵安定性などに問題がある。硬化物の信頼性、組成物の安定性などの観点からはフェノールノボラック型硬化剤が最も優れている。しかしながら、通常、フェノールノボラックは固体であり、液状組成物として使用するには作業性に問題がある。
一方、前記したビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂などは液状ではあるが2官能であるため耐熱性の面で劣る。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−291919号公報
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこうした実状に鑑み、その硬化物の耐熱性が高く、粘度の低いエポキシ樹脂、硬化剤を求めて鋭意検討した結果、特定の分子構造を有する樹脂及びその組成物がこれらの特性を満たすものであることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち本発明は
(1)下記式(1)
【0007】
【化3】
Figure 0004082668
【0008】
(式中、nは平均値であり0.01〜5の正数を表す。R、Rはそれぞれ独立して存在し水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基を表す。jは1もしくは2を表す。)
で表されるフェノール樹脂、
(2)下記式(2)
【0009】
【化4】
Figure 0004082668
【0010】
(式中、R、R及びjは式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で表されるエポキシ樹脂、
(3)(a)エポキシ樹脂
(b)上記(1)記載のフェノール樹脂
を含有してなるエポキシ樹脂組成物、
(4)(a)上記(2)記載のエポキシ樹脂
(b)硬化剤
を含有してなるエポキシ樹脂組成物、
(5)(a)上記(2)記載のエポキシ樹脂
(b)上記(1)記載のフェノール樹脂
を含有してなるエポキシ樹脂組成物、
(6)硬化促進剤を含有する上記(3)、(4)または(5)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物、
(7)無機充填剤を含有する上記(3)、(4)、(5)または(6)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物、
(8)上記(3)、(4)、(5)、(6)または(7)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物、
(9)オルソアリルフェノールとそれ以外のフェノール類とを酸触媒の存在下、反応させて得られるフェノール樹脂
(10)上記(9)記載のフェノール樹脂をアルカリ金属水酸化物の存在下、エピハロヒドリンと反応させて得られるエポキシ樹脂
を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において式(1)で表されるフェノール樹脂はオルソアリルフェノールとこれ以外のフェノール類とを酸触媒の存在下で付加重合反応させることにより得ることができる。
【0012】
式(1)のフェノール樹脂を得る反応において用いられるフェノール類としてはフェノール性水酸基を少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。用い得るフェノール類の具体例としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソブチルフェノール、キシレノール、メチルブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノールなどのアルキルフェノールの各種o−、m−、p−異性体、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げられる。
【0013】
オルソアリルフェノールとフェノール類の使用割合は通常、オルソアリルフェノール1モルに対してフェノール類0.1〜20モル、好ましくは0.2〜15モルである。
【0014】
オルソアリルフェノールとフェノール類との付加重合反応においては酸触媒を用いる。酸触媒として種々のものが使用できるが、三弗化ホウ素またはこれとエーテル類とのコンプレックス、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛、硫酸などが使用できる。これら酸触媒の使用量はオルソアリルフェノール1モルに対して通常0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
【0015】
反応温度は通常70〜180℃、好ましくは80〜160℃である。反応は、フェノール類に酸触媒を加えた状態でオルソアリルフェノールを滴下して行う。この場合、フェノール類の酸化を防ぐために窒素などの吹き込みを行うことは好ましい。オルソアリルフェノールの滴下時間は通常10分〜5時間であり、好ましくは20分〜4時間である。オルソアリルフェノール滴下終了後、同温で更に後反応を行うことは好ましい。後反応の時間としては通常30分〜10時間であり、好ましくは1時間〜8時間である。
【0016】
反応終了後、系内を中和、水洗などによってイオン性不純物を除去にした後、未反応のフェノール類を除去する。中和する場合、中和剤としてはアルカリ性を示すものであれば特に限定はされないが、具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0017】
水洗を行う場合、有機溶剤を加えて油層と水層とを分離しやすくすることもできる。用い得る有機溶剤としてはメチルイソブチルケトン、トルエン等が挙げられる。有機溶剤の使用量は反応に用いたオルソアリルフェノールとフェノール類との合計重量の0〜300重量%が好ましい。
【0018】
イオン性不純物を水洗などにより除去した後、加熱減圧下で過剰のフェノール類や溶剤類を除去することにより、本発明のフェノール樹脂を得ることができる。このようにして得られた本発明のフェノール樹脂は、主成分として式(1)のフェノール樹脂を含む。本発明のフェノール樹脂を調製する際に、オルソアリルフェノールに対するフェノール類の量が少ないと式(1)の化合物の他に、アリルフェノール由来の構造の両端にフェノール類が付加した構造や種々枝分かれした構造を有する化合物等が混在する。式(1)の化合物の量を多くするには付加重合反応の際にオルソアリルフェノール1モルに対し、フェノール類を少なくとも4モル使用するのが好ましい。なお、式(1)においてnは、通常0.01〜5の正数を、好ましく0.02〜5の正数を示し、この値はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
【0019】
本発明におけるエポキシ樹脂は、例えば本発明のフェノール樹脂とエピハロヒドリンの反応を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下で行うことにより得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂を得る反応において、アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを流出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法でもよい。エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられるが、工業的にはエピクロルヒドリンが好ましい。
【0020】
また本発明のフェノール樹脂とエピハロヒドリンの混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加し、50〜150℃で0.5〜8時間反応させて得られるフェノール樹脂のハロヒドリンエーテル化物にアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、20〜120℃で1〜10時間反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でもよい。
【0021】
通常これらの反応において使用されるエピハロヒドリンの量はフェノール樹脂の水酸基1当量に対し通常0.8〜12モル、好ましくは0.9〜11モルである。この際、反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ましい。
【0022】
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し通常2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの量に対し通常5〜150重量%、好ましくは10〜140重量%である。
【0023】
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用したフェノール樹脂の水酸基1当量に対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
【0024】
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂が得られる。
【0025】
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。上記(4)〜(7)記載の本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。
【0026】
本発明のエポキシ樹脂と併用し得る他のエポキシ樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などが挙げられるがこれらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0027】
上記(3)、(5)〜(7)記載の本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のフェノール樹脂は硬化剤として単独でまたは他の硬化剤と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のフェノール樹脂の全硬化剤中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。併用しうる他の硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。用い得る硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記(3)記載のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂としては上記他のエポキシ樹脂が挙げられる。
上記(4)記載のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤としては上記他の硬化剤が挙げられる。
【0028】
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
【0029】
また本発明のエポキシ樹脂組成物においては硬化促進剤を使用しても差し支えない。用い得る硬化促進剤の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
【0030】
本発明のエポキシ樹脂組成物は必要により無機充填材を含有しうる。用いうる無機充填材の具体例としてはシリカ、アルミナ、タルク等が挙げられる。無機充填材は本発明のエポキシ樹脂組成物中において0〜90重量%を占める量が用いられる。更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加することができる。
【0031】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えばエポキシ樹脂と硬化剤並びに必要により硬化促進剤、無機充填材及び配合剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融後注型あるいはトランスファ−成型機などを用いて成型し、さらに80〜200℃で2〜10時間加熱することにより硬化物を得ることができる。
【0032】
また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱半乾燥して得たプリプレグを熱プレス成型して硬化物を得ることもできる。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。
【0033】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。なお、合成例1、2、実施例1及び2は参考例である。
【0034】
合成例1
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、滴下ロート、撹拌器を取り付けたフラスコにフェノール470部を加え、窒素ガスパージを施しながら130℃で1時間撹拌し脱水を行った。次いで、BFジエチルエーテルコンプレックス1部を加え、滴下ロートを用いてオルソアリルフェノール134部を1時間かけて滴下した後、更に130℃で反応を行った。2時間後GPC分析によりオルソアリルフェノールのピークが完全になくなったことを確認した後、更に3時間130℃で反応を行った。反応終了後、トリポリリン酸ソーダ5部加えて中和した後、メチルイソブチルケトン470部、水250部を加え水洗を3回行った。油層からロータリーエバポレーターを用いて過剰のフェノール、メチルイソブチルケトンを留去し、下記式(3)
【0035】
【化5】
Figure 0004082668
【0036】
(式中n=1.5(平均値))
で表される本発明のフェノール樹脂(A)165部を得た。得られたフェノール樹脂は常温において半固形であり、水酸基当量は117g/eqであった。
【0037】
合成例2
合成例1で得られたフェノール樹脂117部、エピクロルヒドリン370部、ジメチルスルホキシド92.5部を仕込み撹拌下で45℃まで昇温し、溶解させた。次いでフレーク状水酸化ナトリウム40部を100分かけて分割添加し、その後、更に45℃で2時間、70℃で1時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターを使用して加熱減圧下、ジメチルスルホキシド及び過剰のエピクロルヒドリン等を留去し残留物に346部のメチルイソブチルケトンを加え溶解した。
【0038】
このメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10部を添加し、1時間反応させた後洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。更に水層は分離除去し、ロータリーエバポレーターを使用して加熱減圧下、メチルイソブチルケトンを留去することにより下記式(4)
【0039】
【化6】
Figure 0004082668
【0040】
(式中n=1.5(平均値))
本発明のエポキシ樹脂(B)164部を得た。得られたエポキシ樹脂は常温において高粘度の液体であり、エポキシ当量は188g/eqであった。
【0041】
合成例3
合成例1においてフェノール470部をレゾルシン550部に変えた以外は同様に反応を行い、下記式(5)
【0042】
【化7】
Figure 0004082668
【0043】
(式中n=1.3(平均値))
で表される本発明のフェノール樹脂(C)190部を得た。得られたフェノール樹脂(C)は常温において半固形であり、水酸基当量は85g/eqであった。
【0044】
実施例1〜3
実施例1、2としてエポキシ樹脂にビスフェノールF型液状エポキシ樹脂RE−304S(日本化薬(株)製、エポキシ当量165g/eq)及び合成例2で得られたエポキシ樹脂(B)、硬化剤として合成例1で得られたフェノール樹脂(A)、実施例3としてエポキシ樹脂RE−304Sに、硬化剤として合成例3で得られたフェノール樹脂(C)を用い、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を用い表1の組成の欄に示す重量比で配合し、液状組成物を得た。160℃で2時間、更に180℃で8時間硬化せしめて試験片を作成し、下記の条件でガラス転移温度、吸水率、及び発熱開始温度を測定し表1の硬化物の物性の欄に示した。
【0045】
ガラス転移点
熱機械測定装置(TMA):真空理工(株)製 TM−7000
昇温速度:2℃/min
発熱温度
示差熱走査分析計(DSC):セイコーインスツルメント製 DSC−220
昇温速度:10℃/min
5〜10mgのサンプルをアルミニウムセルに密封
【0046】
Figure 0004082668
【0047】
このように本発明のフェノール樹脂、エポキシ樹脂は粘度が低く、その組成物は高い貯蔵安定性(DSCにおける発熱開始温度が高い点から判断される)を有し、その硬化物は高い耐熱性(ガラス転移温度が高い点から判断される)を示した。
【0048】
【発明の効果】
本発明のフェノール樹脂及びエポキシ樹脂は、従来一般的に使用されてきたフェノール樹脂、エポキシ樹脂と比較して常温における粘度が低く、これらを含有するエポキシ樹脂組成物は貯蔵安定性に優れ耐熱性に優れた硬化物を与える。
従って、本発明のエポキシ樹脂組成物は電気・電子材料、成型材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジスト、光学材料などの広範囲の用途にきわめて有用である。

Claims (6)

  1. 下記式(1)
    Figure 0004082668
    (式中、nは平均値であり0.01〜5の正数を表す。R1、R2はそれぞれ独立して存在し水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基を表す。jは2を表す。
    で表されるフェノール樹脂。
  2. (a)エポキシ樹脂
    (b)請求項1記載のフェノール樹脂
    を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  3. 硬化促進剤を含有する請求項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 無機充填剤を含有する請求項2または3に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  6. オルソアリルフェノールとそれ以外のレゾルシンとを酸触媒の存在下、反応させて得られるフェノール樹脂。
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