JP4622875B2 - 通信ドライバ回路 - Google Patents
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Description
また、特許文献1には、例えばLINのような車載通信ネットワークを構成する標準仕様の通信において、IC内部で台形波,または台形波の立上り,立下りを鈍らせた波形を生成するように構成されるものがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より簡単な構成で、ノイズレベルを低減できる通信信号波形をIC内部で生成することが可能となる通信ドライバ回路を提供することにある。
以下本発明を、車両に搭載される電子機器間で行われるシリアル通信に適用した場合の第1実施例について図1及び図2を参照して説明する。図1は、通信ドライバ回路を中心とする構成を示すものである。通信ドライバ部11の電源線12には、車両のバッテリ電源VBより電源回路13を介して5Vの電源が供給されている。また、5V電源は、その他の周辺回路14にも供給されている。
即ち、コンデンサC1は、トランジスタQ8〜Q10によって構成される反転増幅回路19の入出力端子間に接続されているので、反転増幅回路19の出力レベルが変化する際には負帰還をかけるように作用する。また、コンデンサC1は、通信バス17側から見た容量がミラー効果により反転増幅回路19の電流増幅率倍となる。従って、コンデンサC1の容量が10pF程度であっても、上記のように通信バス17における通信信号波形の傾きを制御するのに十分となる。
加えて、電源遮断回路29は、コンパレータ20によりグランド電位が電源電圧を超えて上昇したことを検出すると電源の供給を遮断するので、グランド線15がオープン状態となった場合に、通信ドライバ回路27に流れる電流が反転増幅回路19を構成するトランジスタを介して通信線側に流れ込み、通信妨害が生じることを回避できる。
図3は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例の通信ドライバ回路31は、第1実施例の通信ドライバ回路27よりグランド線15がオープンになったことを検出するための電源遮断回路29が削除されている。
即ち、通信ドライバ部11に替わる通信ドライバ部32では、コンパレータ20,ダイオードD13〜15,定電流源CS7,CS8が削除されている。そして、グランド線15がオープン状態となった場合に、少なくとも通信線17に悪影響を与えることを防止するため、通信バス17に逆方向のダイオードD16を挿入している。そのため、トランジスタQ10がONした場合の通信バス17のロウレベルは略2VFとなっている。従って、約2Vのロウレベルが許容される通信仕様であれば適用が可能である。
図4及び図5は本発明の第3実施例を示すものであり、第2実施例と異なる部分について説明する。第3実施例の通信ドライバ回路33は、第2実施例の通信ドライバ部32より、ダイオードD6及び抵抗R2の直列回路を削除して通信ドライバ部34を構成したものである。そのため、図5に示すように、トランジスタQ10が飽和領域に移行することで動作が遅れ、通信バス17上の信号波形に歪が生じる場合があるが、その波形歪を許容できる場合に適用することができる。この場合、通信バス17のロウレベルは第1実施例と同様に略VFとなる。
図6は本発明の第4実施例を示すものであり、第2実施例と異なる部分について説明する。第4実施例の通信ドライバ回路35は、第2実施例の通信ドライバ回路31よりダイオードD17を削除したものであり、グランド線15がオープン状態となった際の対策が、特に要求されない仕様の場合に対応する構成である。
図7は本発明の第5実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分について説明する。第5実施例の通信ドライバ回路36は、第1実施例の通信ドライバ回路27より、グランド線15のオープン状態を検出するためのコンパレータ20を削除し、それに替えてパワーオンリセット回路37を備えている。そして、パワーオンリセット回路37の作用により、グランド線15がオープン状態になると第1実施例と同様に通信ドライバ回路36をスタンバイモードに設定する。ここで、電源回路13,ORゲート21及びフリップフロップ22,パワーオンリセット回路37は、電源遮断回路38を構成している。
VB=14+3+1=18(V)
未満であれば、パワーオンリセット回路37がパワーオンリセット:SLEEP2信号を出力して通信ドライバ回路をスタンバイモードにすることになる。そして、通常の車両のバッテリ電圧は12〜14V程度であるから、上記の条件が満たされる。
以上のように第5実施例によれば、電源回路13は、パワーオンリセット回路37がパワーオンリセット信号を出力すると電源の供給を遮断するので、第1実施例と同様に電流の回り込みを防止して通信妨害の発生を回避できる。
図8は本発明の第6実施例を示すものである。第6実施例は、第1,第5実施例のように電源遮断回路29,38を備える通信ドライバ回路27,36を、夫々同一の半導体基板上に形成してICとする場合に、各回路素子をSOI(Silicon On Insulator)基板上にトレンチ分離した形成領域内に形成することを示す。
図8は、例えばNPNトランジスタQ4付近の構造を、半導体基板の模式的な断面により示したものである。支持基板としてのP型シリコン基板41の上には、アイソレーション層としてのSiO2 膜42が形成され、その上にN+ シリコン層43、コレクタ領域として機能するN- シリコン層44が形成されており、これらはSOI基板45を構成している。そして、SOI基板45の表層部にベース領域46、エミッタ領域47、コレクタコンタクト領域48が形成されトランジスタQ4が構成されている。
上記のように、各回路素子をSOI基板45上にトレンチ分離でより形成された領域に形成することで、PN接合分離によって形成する場合のような寄生トランジスタが形成されることもない。従って、トランジスタQ4のエミッタからグランドに流れる漏れ電流は最小限に抑えられる。
各トランジスタは、適宜バイポーラトランジスタとMOSトランジスタとを入れ替えて構成しても良い。
反転増幅回路を構成するトランジスタのダーリントン接続段数は、3段以上でも良い。また、必ずしもダーリントン接続を用いて構成する必要はない。
抵抗R2は、必要に応じて接続すれば良い。
車両に搭載される電子機器間で行われるシリアル通信に適用するものに限らず、少なくとも、入力される送信信号に基づき反転増幅動作を行ない通信線上に通信信号を出力する、オープンコレクタタイプの反転増幅回路を備える通信ドライバ回路であれば適用が可能である。
Claims (9)
- 入力される送信信号に基づき反転増幅動作を行なうことでプルアップされている通信線上に通信信号を出力すると共に、出力段がオープンコレクタタイプで構成される反転増幅回路と、
この反転増幅回路の入出力端子間に接続される帰還コンデンサとを備えたことを特徴とする通信ドライバ回路。 - 前記反転増幅回路の入力端子に接続され、前記送信信号がロウからハイに変化すると、前記コンデンサを充電するように動作すると共に、前記送信信号がハイからロウに変化すると、前記コンデンサを放電させるように動作する充放電回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の通信ドライバ回路。
- 前記充放電回路は、
前記反転増幅回路の入力端子に接続され、前記コンデンサの充放電電流に相当する第1定電流をグランド側に流す第1定電流回路と、
前記反転増幅回路の入力端子に接続されると共に、前記第1定電流回路と直列に接続され、前記第1定電流の2倍相当の第2定電流を供給する第2定電流回路とを備え、
前記第2定電流回路は、前記送信信号のレベルがロウである場合に前記第2定電流を供給するように構成されることを特徴とする請求項2記載の通信ドライバ回路。 - 前記反転増幅回路は、
ベースが前記入力端子となるPNPトランジスタと、
このトランジスタのエミッタに初段のベースが接続され、最終段のコレクタが出力端子となるようにダーリントン接続される複数のNPNトランジスタとを備えて構成されることを特徴とする請求1乃至3の何れかに記載の通信ドライバ回路。 - 前記反転増幅回路の入力端子とグランドとの間に、入力信号のハイレベルを制限するレベル制限回路を接続したことを特徴とする請求項4記載の通信ドライバ回路。
- 電源と、前記反転増幅回路の出力端子となるトランジスタのコレクタとの間に、前記コレクタ電位のハイレベルを制限するレベル制限回路を接続したことを特徴とする請求項4又は5記載の通信ドライバ回路。
- 電源電圧とグランド電位とを比較する比較回路と、
この比較回路により前記グランド電位が前記電源電圧を超えて上昇したことが検出されると、前記電源の供給を遮断するように構成される電源遮断回路とを備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の通信ドライバ回路。 - 電源電圧レベルが所定電圧を下回った場合に、パワーオンリセット信号を出力するリセット信号出力回路と、
このリセット信号出力回路によって前記パワーオンリセット信号が出力されると、前記電源の供給を遮断するように構成される電源遮断回路とを備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の通信ドライバ回路。 - 前記各回路素子を同一の半導体基板上に形成する場合、
前記半導体基板はSOI(Silicon On Insulator)基板で構成され、
前記各回路素子の形成領域を、絶縁膜材料を用いたトレンチ分離により形成したことを特徴とする請求項7又は8記載の通信ドライバ回路。
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