JP4620986B2 - レンズ保持ユニットおよび画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶あるいはDMDなどのライトバルブに表示された像をスクリーンに拡大投影する画像表示装置に適した固定焦点タイプのレンズユニットおよびレンズ保持ユニットに関するものである。
光を画像信号により変調して画像を形成する光変調器(ライトバルブ)からの投影光を投写レンズによりスクリーンに背面から投写する、リア方式のプロジェクタ装置が知られている。リアプロジェクタ装置においては、液晶パネルやDMD(デジタルミラーデバイス)などのライトバルブと、画像を投影するスクリーンとの位置関係は固定されている。投影あるいは投写用のレンズは、それぞれが適切な位置に配置された複数枚のレンズの組合せによりレンズシステムを形成し、収差を補正して鮮明な像をスクリーンに結ぶように設計される。
特開平6−138386号公報
複数枚のレンズを備えたレンズユニットにおいて、それぞれのレンズが設計された通りに製造され、それらのレンズを設計された位置に固定するレンズ保持ユニットを用いれば、設計通りの性能が得られる。レンズにおいても、レンズ保持ユニットにおいても、製造公差は常にあるが、製造公差を小さくすることにより、ほぼ設計通りと考えられる性能が得られることが多い。
しかしながら、リアプロジェクタ用の投写用レンズにおいては、ライトバルブに形成された画像を拡大投影するために僅かな焦点のずれによりスクリーンに形成される画像の品質が劣化する。さらに、今後、リアプロジェクタは、ブラウン管、液晶表示板、プラズマディスプレイといったライトバルブを直視するタイプのディスプレイに代わる製品として期待されている。したがって、リアプロジェクタのスクリーンに投影される像に対しては、従来の直視型のディスプレイと同様の鮮明さが要求されている。このため、今後のリアプロジェクタ用の投写レンズユニットにおいては、製造公差などに起因する設計とのずれを補正するために、レンズユニットを構成する複数枚のレンズを適切な位置に設定し、所望の位置に鮮明な像が形成されるように焦点調節した後に、その状態でレンズユニットを構成する各レンズを固定する作業が必要となる。
レンズユニットを構成する複数のレンズの位置をそれぞれ調整することが可能である。この場合、レンズ保持ユニットに対して個々のレンズの位置が調整可能であり、さらに、調整した位置で個々のレンズが固定できる必要がある。また、個々のレンズの位置を微調整するためには時間を要し、さらに、調整した結果が良好に収束するとは限らないことを考慮すると、最も望ましい調整方法であるとは限らない。
また、複数枚のレンズが、光学設計において複数のグループに分けられることは公知であり、それらのレンズグループ間の距離を微調整する方法は好ましい調整方法の1つであると考えられる。この場合、それぞれのレンズグループを構成する複数枚のレンズを固定して保持するサブホルダを設け、メインのレンズホルダに対してサブホルダの位置が調整可能であり、さらに、調整した位置でサブホルダの位置が固定できれば良い。レンズユニットを構成する複数枚のレンズの内、位置調整が焦点の調整に対して敏感なレンズあるいはレンズグループと、鈍感なレンズあるいはレンズグループとがある。したがって、焦点調整においては、位置の感度の大きなレンズあるいはレンズグループの位置を調整することが望ましい。このため、そのような特性のレンズグループの位置調整と、レンズ単体の位置調整とを行うことが望ましいケースもある。本発明は、いずれのケースにおいても適用することができる。
図7にレンズを固定する方法の一例を示してある。このケースでは、筒状のレンズホルダ100の内部に、2枚のレンズ103を保持したサブレンズホルダ101を挿入し、サブレンズホルダ101の光軸方向の位置を調節した後、サブレンズホルダ101をメインのレンズホルダ100に固定している。固定する手段としてネジを用いることができる。
図7(a)および(b)に示したケースでは、レンズホルダ100の外周に光軸方向(スラスト方向)Lに延びる長孔105を形成し、サブレンズホルダ101の外周にネジ穴102を形成している。長孔105の光軸方向Lの長さ分だけサブレンズホルダ101の位置を微調整することができる。焦点調整によりサブレンズホルダ101の位置を決めた後、ネジ106を締め付けることにより、サブレンズホルダ101を引っ張り、サブレンズホルダ101とネジ106によりレンズホルダ100を挟み込むようにして、レンズホルダ101に対するサブレンズホルダ101およびその中のレンズ103の位置を固定する。
図8に示したケースでは、レンズホルダ100の中をスライドするように形成されたサブレンズホルダ101の位置を、焦点調整により決定する。その後、ネジ106を締めて、ネジ106によりサブレンズホルダ101を反対側に押し付けて、レンズホルダ100に対するサブレンズホルダ101およびその中のレンズ103の位置を固定する。その後、レンズホルダ101の位置が動かないようにするためには、1本のネジ106では強度が不足することが多い。したがって、角度の異なる位置に配置された複数本のネジでサブレンズホルダ101に対して外側から圧力をかけて位置を固定することになる。図7に示したケースでも同様であり、複数本のネジでサブレンズホルダ101を外側に引っ張って位置を固定することになる。
これらの方法は、レンズホルダ100に対してレンズ103の光軸方向の位置を固定するという点では十分な機能を果たしていると言えるはずである。しかしながら、本願発明者らがこの方法により焦点調整したところ、リアプロジェクタ用として十分な性能を得ることが難しいという結果が得られた。すなわち、上記のような方法では、焦点調整を行った後、その位置でレンズを固定すると、調整した段階と同じ高い精度の性能を得ることができず、リアプロジェクタ用として十分な性能を備えたレンズユニットを量産することが難しいことが分かった。
そこで、本発明においては、複数枚のレンズを備えたレンズユニットにおいて、焦点調整を高精度で行い、その性能を維持することができるレンズ保持ユニットおよびレンズユニットを提供することを目的としている。そして、リアプロジェクタ用に適した、あるいは十分な性能を備えたレンズユニットを量産することができる、レンズ保持ユニットおよびレンズユニットを提供することを目的としている。
レンズユニットの焦点調整のために移動して位置を調整することが好ましいレンズあるいはレンズグループは、焦点調整に対して感度の高い、すなわち効き量の高いレンズあるいはレンズグループである。
本発明の一態様は、第1のレンズ群を保持するプラスチック製の第1の保持部材と、第2のレンズ群を保持するプラスチック製の第2の保持部材であって、前記第1の保持部材に対して光軸方向にスライドするように挿入されるプラスチック製の第2の保持部材とを有し、前記第2の保持部材は外周面と、光軸の方向に沿った前後に位置し、外周面から突き出た第1の凸部および第2の凸部と、前記第1の凸部および前記第2の凸部との間に位置し、前記外周面から凹んだ溝とを含み、前記第1の凸部および第2の凸部が前記第1の保持部材の内周面に当たってスライドし、前記外周面は前記内周面から前記第1の凸部および前記第2の凸部によって規定された隙間を介して離れており、さらに、前記溝に対し差し込まれ、前記第1の保持部材に対する前記第2の保持部材の前記光軸方向の動きを規制する連結部材を有し、前記連結部材は、前記光軸に沿って延びた金属製の延設部分を含む、レンズ保持ユニットである。

第1の保持部材に対し光軸方向にスライド可能な状態で挿入され、レンズを光軸方向にはスライドしないように半径方向から固定する第2の保持部材を設けることにより、レンズを間接的にスライド可能な状態で、第1の保持部材に収納できる。
第2の保持部材により、レンズは単独で、あるいは他のレンズと共に保持され、第2の保持部材を第1の保持部材に取り付けることにより、レンズは、第1の保持部材により間接的に保持される。第2の保持部材は、光軸方向の位置決めを行った状態で連結部材により第1の保持部材に固定される。したがって、第1の保持部材に対するレンズの位置も、第2の保持部材を介して、光軸方向の位置決めを行った状態で連結部材により固定される。
本発明のレンズ保持ユニットでは、レンズは上述したようにスライド可能である。
一方、連結部材により第1の保持部材に対するレンズの光軸方向の位置を固定できる。
図7および図8に示した方法は、ネジによりホルダ同士を着けたり、離したりすることによりホルダ間の位置を固定している。したがって、レンズ、サブレンズホルダ、メインのレンズホルダの少なくともいずれかに歪みを発生させることによりレンズの位置を固定している。このため、レンズの位置が固定できたとしても、レンズを固定することによりレンズおよびレンズ保持ユニットを含めたレンズユニットのいずれかに余分な歪みが発生し、フォーカシングに影響を与える。
このレンズ保持ユニットにより少なくとも一枚のレンズを保持したレンズユニットにおいては、低コストで熱膨張の影響を抑制できる。したがって、焦点調整をした後に、高い性能を維持したレンズユニットを量産することが可能となる。
さらに、連結部材は光軸に沿って延設部分を備えている。連結部材の少なくとも延設部分を熱膨張係数の小さな金属製とすることにより、第1の保持部材の熱膨張による伸びまたは変形の基点を、延設部分が第1の保持部材に固定または取り付けられた部分にでき、低コストで熱膨張の影響を最小にすることができる。
特に、焦点調整において位置調整するレンズあるいはレンズグループは、効き量が大きいので、熱膨張による収差補正や結像位置などの光学特性に大きな影響を与える可能性があるが、延設部分が第1の保持部材に固定される部分を適切に選択することにより、効き量の大きなレンズまたはレンズグループの距離の熱変動を最小限に止めることができる。
したがって、本発明のレンズ保持ユニットを採用することにより、焦点調整された、高い結像性能を有するレンズユニットを歩留まり良く量産することが可能となる。このため、リアプロジェクタ装置のように収差補正や焦点距離のずれに対してシビアな光学設計をしている装置に対して最適なレンズ保持ユニットまたはレンズユニットを提供できる。そして、本発明のレンズユニットを用いることにより、レンズユニットを通してスクリーンに投影する画像を形成する光変調器と、スクリーンとを有する高画質の映像を投影可能な画像表示装置を提供できる。
第1の保持部材および第2の保持部材は、必ずしも筒型である必要はないが、遮光性能を考慮すると、筒型であることが望ましい。光軸方向に半割れにしたサブユニットを組み立てるクラムシェルタイプの保持部材を採用することが可能である。
また、がレンズの外周に沿って固定されていれば、その溝に沿ってレンズの回転方向の位置または回転角度を容易に調整できる。
さらに、連結部材は光軸に沿って延設部分を備えている。サイズが大きくなる第1の保持部材としては、プラスチックを用いることが経済的であるが、プラスチックは一般に熱膨張係数が大きい。したがって、連結部材の少なくとも延設部分を熱膨張係数の小さな金属製とすることにより、第1の保持部材の熱膨張による伸びまたは変形の基点を、延設部分が第1の保持部材に固定または取り付けられた部分にでき、低コストで熱膨張の影響を最小にすることができる。特に、焦点調整において位置調整するレンズあるいはレンズグループは、効き量が大きいので、熱膨張による収差補正や結像位置などの光学特性に大きな影響を与える可能性があるが、延設部分が第1の保持部材に固定される部分を適切に選択することにより、効き量の大きなレンズまたはレンズグループの距離の熱変動を最小限に止めることができる。
図1に、本発明のレンズユニットを備えたリアプロジェクタ装置1の概要を示してある。このリアプロジェクタ装置1は、ハウジング2の内部に、光源3と、光源3からの光を画像信号により変調して画像を形成する光変調器(ライトバルブ)4と、ライトバルブ4からの投影光8をスクリーン9に背面から投写する投写用のレンズユニット5と、投影光8を反射してスクリーン9に導くミラー7とを有している。そして、ハウジング2の表面にスクリーン9が配置されており、そのスクリーン9にライトバルブ4の画像が拡大して投影される。ライトバルブ4としては、液晶パネルやマイクロミラー素子によるDMDパネル等を採用することができる。
図2に、投写用のレンズユニット5の概略を示してある。レンズユニット5は、複数枚のレンズ20と、レンズユニット5の内部で光路を折り曲げるためのプリズム6と、これらを収納したレンズ保持ユニット10とを備えている。レンズ保持ユニット10は、全体としてL字型になっており、内蔵されたプリズム6によりレンズユニット5の内部で光を90度曲げてミラー7を介してスクリーン9に対し画像を形成するための光を導けるようになっている。複数枚のレンズ20は、スクリーン9の側から順に第1のレンズ群21と、第2のレンズ群22と、第3のレンズ群23に分かれて配置されている。第1のレンズ群21は、プリズム6のスクリーン側に配置され、第2のレンズ群22および第3のレンズ群23は、プリズム6のライトバルブ側に配置されている。
このレンズユニット5は、第2のレンズ群22に対して、第1のレンズ群21の位置(距離)と、第3のレンズ群23の位置(距離)とを調整することにより、焦点調整が可能な設計となっている。このため、レンズ保持ユニット10は、第1のレンズ群21を収納し保持する筒状の第1のホルダ11と、第2のレンズ群22を収納し保持する筒状の第2のホルダ12と、第3のレンズ群23を収納し保持する筒状の第3のホルダ13と、プリズム6を保持し光路が90度曲がった第4のホルダ14とを備えている。これらのホルダ(ハウジング)11〜14のうち、第3のホルダ13は第2のホルダ12のライトバルブ4の側に位置調整した後に固定されるようになっている。また、第4のホルダ14は第2のホルダ12のスクリーン9の側に固定されるようになっている。そして、第1のホルダ11は、第4のホルダ14の90度曲がったスクリーン9の側に位置調整した後に固定されるようになっている。
図3に、第2のホルダ12に対し、第3のホルダ13を差し込んで固定する構成を展開して示してある。第2のホルダ12はほぼ円筒状であり、その内部に、第2のレンズ群22の各レンズ20を所定の位置となるように保持している。第3のホルダ13もほぼ円筒状であり、その内部に、第3のレンズ群23の各レンズ20を所定の位置となるように保持している。
第3のホルダ13の外周面39には、光軸Lの方向の前後に、外周面39から半径方向Rに突き出た2つの凸部31および32と、これらの凸部31および32の間に位置する溝34とが形成されている。2つの凸部31および32、および溝34は、周方向に沿って連続的に延びている。第3のホルダ13を第2のホルダ12に挿入すると、これらの凸部31および32が第2のホルダ12の内面12aに接した状態となり、第3のホルダ13と第2のホルダ12の光軸Lが自動的に一致した状態で光軸Lの方向に移動可能となる。したがって、第3のホルダ13は、第2のホルダ12に対して光軸方向にスライド可能な状態で収納されるので、第2のホルダ12および第3のホルダ13は、本発明における第1の保持部材および第2の保持部材にそれぞれ対応する。
第3のホルダ13の外周面39の周方向に沿って延びる溝(凹部)34には、ほぼ直方体状で、ホルダ13の曲率に従って湾曲した連結部材35が半径方向Rにスライドするように挿入されている。連結部材35の外寸法35Lが、溝34の内寸法34Lに対してマイナス公差になると、連結部材35と溝34との間に隙間が開いて、第3のホルダ13を固定するときにがたつきが発生する可能性がある。したがって、連結部材35の光軸方向Lの外寸法35Lは、溝34の光軸方向Lの内寸法34Lに対して、0から若干プラス公差になるように製造されている。このため、公差によっては連結部材35を溝34に挿入するときに、若干圧入気味に嵌めこまれるケースもあるが、基本的には、連結部材35は、凹部である溝34に対しては光軸方向Lには動かず、半径方向Rにスライド可能になっている。また、連結部材35の高さ35hは、溝34の深さ34dと同じ程度になっており、連結部材35を溝34に挿入したときに連結部材35の表面が凸部31および32より半径方向Rの外側に張り出さないようになっている。
連結部材35の外側の面の略中央にネジ43をねじ込むことができるネジ穴35aが形成されており、第2のホルダ12には、第3のホルダ13を挿入したときに溝34が位置する付近に、ネジ43を差し込み可能な大きさで、光軸方向Lに延びた長孔41が形成されている。したがって、連結部材35は、長孔41の範囲で光軸方向Lに移動させることができ、その位置でネジ43により光軸方向Lに移動しないように第2のホルダ12に固定することができる。
図4に第2のホルダ12に対して第3のホルダ13が挿入された状態を示してある。図4(a)は平面的な構成を示し、図4(b)は光軸方向Lの断面で見た構成を示してある。図4(c)は半径方向Rの断面で見た構成を示している。これらの図から分かるように、第2のホルダ12には等角度間隔で3つのネジ止め用の長孔41が形成され、さらに、1つの長孔41と対称な位置に、1つの調整用の径の大きな孔42が形成されている。第3のホルダ13は、その溝34に等角度間隔で3つの連結部材35が挿入された状態で、第2のホルダ12に対しライトバルブ4の方向から挿入される。次に、調整用の孔42を介して偏芯ピン44のピン先44aを第3のホルダ13の溝34に挿入し、偏芯ピン44を回転して第3のホルダ13の光軸方向Lの位置を調整する。
このとき、第3のホルダ13は、その外周面39の凸部31および32が第2のホルダ12の内面12aに接した状態で光軸方向Lにスライドする。したがって、第2のホルダ(第1の保持部材)12および第3のホルダ(第2の保持部材)13の光軸が一致した状態、すなわち、第2のレンズ群22および第3のレンズ群23の間隔あるいは相対的な位置を光軸が一致した状態で調整できる。
さらに、連結部材35が挿入された溝34は、第3のホルダ13の外周に沿って連続して形成されている。そして、連結部材35は、溝34を溝の延びた方向に沿ってスライドさせることができる。このため、第3のホルダ13を第2のホルダ12に対して光軸Lを中心に回転させることが可能であり、第2のレンズ群12と第3のレンズ群13と焦点を調整する上で、相対的にレンズ群を回転させた方が良い場合は、ホルダ同士を回転させ、適当な角度で固定することができる。
このようにして、焦点調整のための第3のホルダ13の位置調整が終了すると、ネジ43を締めることにより、第2のホルダ12に対する連結部材35の位置を固定でき、連結部材35を介して第2のホルダ12に対する第3のホルダ13の位置を固定できる。ネジ43を締めると、連結部材35は第2のホルダ12に向かって半径方向外側に引っ張られるが、ネジ43は第3のホルダ13の溝34に対して半径方向Rにスライドする。したがって、ネジ43を締めても、第2のホルダ12を半径方向に引っ張る力は働かず、ネジ43を締めることによる歪みは第2のホルダ12に発生しない。このため、第2のホルダ12に保持されたレンズ20にも、ネジ43を締めることによる歪み、軸ずれ、傾きなどは発生しない。したがって、フォーカシングを調整したときの状態で、レンズ20の位置は固定され、適切な光学特性を備えたレンズユニット5を提供することができる。このため、焦点距離や収差補正に対してシビアな性能が要求されるレンズユニット5を、歩留まりよく、低コストで提供できる。
なお、この例では、3つの連結部材35が等角度間隔で配置されているが、第2のホルダ12に設ける長孔の数を増やすことにより、4つ以上の連結部材により第3のホルダ13の位置を固定することが可能である。また、2つ以下の連結部材35により第3のホルダ13の位置を固定することも可能である。本例のホルダ12および13はネジ43を締め付けるときに、歪みが発生しないメカニズムが採用されているので、ホルダ13の外側(凸部31および32)がほぼ全周にわたってホルダ12の内周に接した状態で位置が固定される。したがって、ホルダ13がホルダ12の内部でがたついたりすることはなく、原理的には1つの連結部材35によりホルダ13の位置を固定するだけで、十分に安定した状態を維持できる。しかしながら、環境温度の変化による熱膨張、レンズユニット5をリアプロジェクタなどの画像表示装置に組み込むときの衝撃などに対し、より安定させる点では、複数の連結部材35を用いて固定することが好ましい。
図5に、異なるタイプの連結部材45を用いて、第2のホルダ12および第3のホルダ13を固定する構造を示してある。図5(a)は平面的な構成を示し、図5(b)はその光軸方向Lの断面で見た構成を示してある。この連結部材45は鍵型あるいはL字形をしており、光軸Lに沿って延びる延設部分45bと、この延設部分45bからほぼ直角に半径方向内側に延びた挿入部分45aとを備えている。挿入部分45aは第2のホルダ12の長孔41を貫通して第3のホルダ13の溝34に挿入されるようになっており、溝34に対して上述した連結部材35と同様の大きさであり、上記と同様に、溝34に対して半径方向Rにスライドし、光軸方向Lには移動しない。
延設部分45bは、第2のホルダ12の外周面に沿ってライトバルブ4と反対側に延び、挿入部分45aと反対側の延設部分45bの端部45cは、ネジ47により第2のホルダ12に固定される。端部45cには、ネジ止め用に、光軸方向Lに長い長孔48が形成されている。したがって、第2のホルダ12に対する第3のホルダ13の光軸方向Lの位置は、この長孔48の範囲内で連結部材45を光軸方向Lに移動させて調整し、その位置で固定できる。ホルダ12および13が熱膨張係数の比較的大きなプラスチックにより形成されている場合、この連結部材45を熱膨張係数の比較的小さな鉄などの金属により形成することにより、ホルダ12および13の熱膨張による伸びの影響を抑制または相殺できる。
本例においては、連結部材45の延設部分45bの端部45cが第2のレンズ群22の側に設定されている。したがって、温度変化により、第2のホルダ12が熱膨張あるいは熱収縮した場合であっても、第3のホルダ13は、延設部分45bにより、第2のレンズ群22の近傍を基点として間隔が維持される。さらに、第3のホルダ13は、連結部材45の挿入部分45aにより、歪みが発生しない状態で第2のホルダ12に対し位置決めがされており、連結部材45との関係を除けば、第3のホルダ13は第2のホルダ12の内面に接しながらスライドできる状態となっている。このため、延設部分45bと第2のホルダ12とが熱膨張係数の差により膨張あるいは収縮に差が発生したとしても、それによる歪みがホルダ12および13に発生することはなく、逆に、第3のホルダ13が第2のホルダ12の内部でスライドするので、第2のレンズ群22の最もライトバルブ側のレンズ20と、第3のレンズ群23との距離は、温度変化があったときに他のレンズの間隔に比較して変動が小さくなる。したがって、第2のレンズ群22の最もライトバルブ側のレンズ20と、第3のレンズ群23との距離が、焦点調整において効き量が大きい場合は、温度変化によるフォーカシングの性能の変化を抑制することが可能となる。
また、レンズ保持ユニット10をリアプロジェクタ1に設置したときに、光源に近いなどの関係でレンズ保持ユニット10に温度差がある場合は、温度変化の小さな個所を、連結部材45の延設部分45bが取り付けられる基点に選ぶことにより、熱膨張・収縮によるフォーカシング性能の変動を最小限に止めることが可能となる。したがって、光軸方向Lに延びる延設部分45bを備えた連結部材45を用いた構造は、熱膨張による歪みの発生を防止でき、さらにレンズユニットの性能を安定して維持できる。それと共に、焦点などのレンズ性能に効き量の高いレンズまたはレンズグループの距離を連結部材45により調整することにより、熱膨張・収縮によるレンズユニットの性能の変化を改善することが可能となり、結像性能のいっそう良好なレンズユニット5を提供することができる。
なお、第3のホルダ13に周方向全体に延びた溝34を形成する代わりに、断続的な溝(凹部)49を複数個、周方向に形成しても良い。図6に示した構造では、第3のホルダ13の周方向に8つの凹部49を等角度間隔で断続的に形成している。そして、これらの凹部49のうち、一つおきに4つの凹部49に連結部材35を挿入して第2のホルダ12に対して第3のホルダ13の光軸方向の位置を固定している。また、図6に示した構造では、第2のホルダ12および第3のホルダ13は、同一形状のサブユニット12sおよび13sを、光軸Lに対して2つ接合することにより形成されるクラムシェルタイプのホルダが採用されている。
また、第3のホルダ13の外周面39に溝34の代わりに突条(凸部)を形成し、その突条が挿入できるような溝あるいは凹部を備えた連結部材を用い、ホルダ12および13に歪みが発生しないように光軸方向の位置を固定することも可能である。さらに、上記の例では、第3のホルダ13にレンズ20を保持し、第3のホルダ13の外周面39に連結部材35を挿入する溝を形成しているが、レンズ自体の外周面に同様の構造を形成することは可能であり、それぞれのレンズの位置を歪みを発生させることなく固定することができる。
また、上記では、レンズ保持ユニット10の内、第2のホルダ12に対して第3のホルダ13の位置を調整した後に固定する機構を説明しているが、第2のホルダ12に第4のホルダ14を固定し、この第4のホルダ14と直交した方向に取り付けられる第1のホルダ11との位置調整および固定する機構にも同様の構成を採用することができる。これらのホルダ11〜14は、レンズ20を保持する機能を満足することからすると筒状の部材に限定されない。しかしながら、遮光あるいは強度を考慮すると、筒状のホルダが望ましい。また、本発明のレンズ保持ユニットであると、ホルダ11〜14を固定するときに歪みが発生しない、あるいは歪みの発生を抑制できる。したがって、焦点を維持したり、収差性能を維持するために必要以上にホルダ11の強度を高くする必要はなく、低コストで軽量なレンズ保持ユニットにより、光学的な性能の高いレンズユニット5を提供することができる。
また、ネジで締め付けたり、引張たりすることによる変形がないので、それぞれのホルダ11〜14を均等な円筒状に成形して高い強度を持たせる要求はそれほど高くなく、光軸に沿って半割れ状態に成形したサブユニットを組み立てる、クラムシェルタイプの構造を採用しても十分に高い光学的性能を備えたレンズユニットを提供できる。
また、リアプロジェクタ装置、およびそれに適したレンズ保持ユニットおよびレンズユニットに基づき、本発明を説明しているが、本発明のレンズ保持ユニットおよびレンズユニットは固定焦点タイプの全てのレンズユニット(レンズシステム)に適用可能である。また、画像を投影する装置もリアプロジェクタに限定されることはないが、レンズユニットが収納されてしまい、一般のユーザが焦点調整を行う機会の少ない民生用の機器の代表はリアプロジェクタであり、本発明を適用するのに最も適した画像表示装置である。
リアプロジェクタの概略構成を示す図である。 本発明に係るレンズユニットの概略を示す図である。 第2のホルダに第3のホルダを位置調整した後に固定する部分の構成を展開して示す図である。 図4(a)は図3に示した部分の構成を示す平面図であり、図4(b)は光軸方向の断面図であり、図4(c)は半径方向の断面図である。 図5(a)は、異なるタイプの連結部材により固定された部分の構造を示す平面図であり、図5(b)は光軸方向の断面図である。 断続的な溝に連結部材が挿入される構造を示す図である。 本発明と比較し、レンズホルダ同士を固定する例を示す図であり、図7(a)は平面図、図7(b)は光軸方向の断面図である。 さらに、本発明と比較し、レンズホルダ同士を固定する異なる例を示す図である。
符号の説明
1 リアプロジェクタ装置
4 ライトバルブ(光変調器)
5 レンズユニット
9 スクリーン
10 レンズ保持ユニット
11 第1のホルダ
12 第2のホルダ(第1の保持部材)
13 第3のホルダ(第2の保持部材)
20 レンズ
31、32 凸部
34 溝
35、45 連結部材

Claims (5)

  1. 第1のレンズ群を保持するプラスチック製の第1の保持部材と、
    第2のレンズ群を保持するプラスチック製の第2の保持部材であって、前記第1の保持部材に対して光軸方向にスライドするように挿入されるプラスチック製の第2の保持部材とを有し、
    前記第2の保持部材は外周面と、光軸の方向に沿った前後に位置し、外周面から突き出た第1の凸部および第2の凸部と、前記第1の凸部および前記第2の凸部との間に位置し、前記外周面から凹んだ溝とを含み、前記第1の凸部および第2の凸部が前記第1の保持部材の内周面に当たってスライドし、前記外周面は前記内周面から前記第1の凸部および前記第2の凸部によって規定された隙間を介して離れており、
    さらに、前記溝に対し差し込まれ、前記第1の保持部材に対する前記第2の保持部材の前記光軸方向の動きを規制する連結部材を有し、前記連結部材は、前記光軸に沿って延びた金属製の延設部分を含む、レンズ保持ユニット。
  2. 請求項において、前記第1の保持部材および前記第2の保持部材は、クラムシェルタイプである、レンズ保持ユニット。
  3. 請求項1または2に記載のレンズ保持ユニットと、
    少なくとも1枚のレンズを含む前記第1のレンズ群と、
    少なくとも1枚のレンズを含む前記第2のレンズ群とを有するレンズユニット。
  4. 請求項に記載のレンズユニットと、
    このレンズユニットを通してスクリーンに投影する画像を形成する光変調器と、
    前記スクリーンとを有する画像表示装置。
  5. 請求項3に記載のレンズユニットと、
    このレンズユニットを通してスクリーンに投影する画像を形成する光変調器とを有する画像表示装置。
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