JPH06138386A - レトロフォーカス型レンズ及び投写型表示装置 - Google Patents

レトロフォーカス型レンズ及び投写型表示装置

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JPH06138386A
JPH06138386A JP4325317A JP32531792A JPH06138386A JP H06138386 A JPH06138386 A JP H06138386A JP 4325317 A JP4325317 A JP 4325317A JP 32531792 A JP32531792 A JP 32531792A JP H06138386 A JPH06138386 A JP H06138386A
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projection
lens group
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mirror
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    • G02B13/04Reversed telephoto objectives
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B13/00Optical objectives specially designed for the purposes specified below
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Lenses (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 投写型表示装置を小型化できる投写レンズ
と、この投写レンズを使用した小型の投写型表示装置を
提供する。 【構成】 投写レンズ4は、スクリーン5側から順に
負,正,正の屈折力の第1,2,3レンズ群を有し、以
下の3条件を満たし、第1,2レンズ群間にミラー41
を配置する。 1.8<D1/f<3.0, 1.1 <f2/f3<1.6, 1.5
<|f1|/f<2.3 (D1:第1,2レンズ群間の空気間隔,f1,f2,
f3,f:第1,2,3レンズ群,全系の焦点距離) 投写レンズ4に内蔵したミラー41にて立ち上げられた
投写光は、他のミラー160にてスクリーン5に入射す
る。投写器300はスクリーン5の中央より左半分の領
域内に設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写型表示装置を小型
化できる投写レンズ、及びそのレンズを用いた投写型表
示装置、及びコントラストと輝度とを可変できる投写型
表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図61は液晶パネルを用いた従来の投写
型表示装置の光学系の説明図であり、例えば特開平1ー
120192号公報に開示された装置である。図におい
て、1はランプ120と反射鏡130とから成る光源で
あり、光源1は照明光束2を出射する。ランプ120と
しては、例えばメタルハライドランプ,キセノンラン
プ,ハロゲンランプ等の白色光源が用いられる。反射鏡
130の反射面は典型的には放物面または球面であり、
公知のように放物面の焦点位置または球面の曲率中心位
置にランプ120の発光中心が位置決めされている。照
明光束2の出射方向には、青色光を反射し緑・赤色光を
透過するダイクロイックミラー14B、緑色光を反射し
赤色光を透過するダイクロイックミラー14G及び光を
全反射するミラー11aが配設されている。ダイクロイ
ックミラー14Bの反射方向には光を全反射するミラー
11cが配設され、ミラー11cの反射方向には液晶パ
ネル3Bが設けられている。ダイクロイックミラー14
Gの反射方向には液晶パネル3Gが設けられている。ミ
ラー11aの反射方向には光を全反射するミラー11b
が配設され、ミラー11bの反射方向には液晶パネル3
Rが設けられている。液晶パネル3R,3G,3Bに画
像を表示させる駆動回路については図示を省略してい
る。これらの液晶パネル3R,3G,3Bに囲まれて、
赤・青色光を選択的に反射し、緑色光を選択的に透過す
るダイクロイックプリズム15が設置されており、ダイ
クロイックプリズム15の出射方向には投写レンズ4が
設けられている。投写レンズ4以前の光学系を構成する
各部材は筐体200内に保持されていて、筐体200と
投写レンズ4とで投写器300が構成されている。
【0003】次に動作について説明する。光源1から出
射された照明光束2は、ダイクロイックミラー14B及
びダイクロイックミラー14Gによって赤・緑・青の3
原色に分解され、ミラー11a,11b,11cによっ
て折り曲げられて各原色に対応するモノクロ画像を表示
する液晶パネル3R,3G,3Bに照射される。液晶パ
ネル3R,3G,3Bに形成された画像で変調された光
束は、ダイクロイックプリズム15によって再び1本の
光束に合成されて、投写レンズ4により投写光110に
変換され、後述するようにスクリーン上に投写される。
投写レンズ4は良好な投写画像を得る為に各種収差を補
正する必要があり、複数枚の単レンズ(図示せず)を組
み合わせて構成される。そして、スクリーン上の投写画
像の焦点合わせは、投写レンズ4を構成するレンズの1
部もしくは投写レンズ4全体を光軸方向に駆動して行な
う。
【0004】また、図62は従来の液晶パネルを用いた
他の投写型表示装置の光学系の説明図であり、例えば特
開平1ー157688号公報に開示された装置である。
図において、131は光源12の前方に設けられたコン
デンサレンズであり、本例では、光源1がランプ120
と反射鏡130とコンデンサレンズ131とから構成さ
れている。なお、他の構成は前述の従来例(図61参
照)と同じであり、同一部分には同一番号を付して説明
を省略する。また、動作も前述の従来例と同様であるの
でその説明を省略する。
【0005】従来より、投写型表示装置としては投写レ
ンズより出射する投写光を反射型のスクリーンに結像さ
せるフロント方式の装置と、投写器をキャビネットに納
め投写光を透過型のスクリーンに結像させるリア方式の
装置が知られていた。図63に、実開平1ー11577
8号公報に開示されたリア方式の投写型表示装置の構成
を示す。図において、170は、筐体200と投写レン
ズ4とより構成される投写器300を収納するキャビネ
ットである。投写器300は図61または図62に示し
た投写器300と同様の構成であり、筐体200の内部
には光源1からダイクロイックプリズム15に至る光学
系(図示せず)が保持されている。キャビネット170
の側壁には、透過型のスクリーン5が設置されている。
また、キャビネット170内には、投写レンズ4から出
射された投写光110をスクリーン5に導くための折り
曲げミラー150,160が設けられている。
【0006】次に、図63に示した装置の動作について
述べる。投写レンズ4を出射した投写光110は折り曲
げミラー150,及び160で反射された後、スクリー
ン5に拡大画像として結像される。折り曲げミラー15
0,160は、投写レンズ4の先端からスクリーン5に
至る光路を折り曲げて、キャビネット170内に光学系
をコンパクトに収納するために用いられている。そし
て、観察者400はスクリーン5に対して、投写器30
0とは反対の方向から拡大画像を鑑賞する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のリア方式の投写
型表示装置では、図63のように折り曲げミラー150
及び投写器300がスクリーン5の下部に収納されてい
るためにキャビネット170のうち、スクリーン5の下
の部分171が大きい。このためにセットの高さHの低
減が困難であった。このために、高さHをほぼスクリー
ンの高さと同等にするには、折り曲げミラー150,1
60を省略し、投写光110をスクリーン後方より直接
投写する方法が用いられていた。この場合、セットの奥
行きDが大きくなり、キャビネット170の設置面積が
増加するといった問題点があった。
【0008】この他に、セットの小型化のためには投写
距離(投写レンズ4の出射端からスクリーン5までの中
心光線長)を短縮する事が有効であった。このために、
投写レンズ4を広角化する手法が用いられていた。しか
し、投写レンズ4を広角化して出射光110の発散角を
大きくすると、必然的に折り曲げミラー150が大形化
して、セット高さHの減少には限界があった。
【0009】従来より、例えば外光によるスクリーン面
の照度が高いと投写画像が相対的に暗くなって見えにく
くなるので、より輝度を上げて鑑賞したいという要求が
あった。逆に外光の照度が低い場合、投写画像の輝度は
抑え気味にして、コントラストを向上させて(特に黒レ
ベルの輝度をより下げて)鑑賞したいという要求があっ
た。しかし、従来の投写型表示装置では、装置の置かれ
た場所の照明状態に応じて輝度,コントラストを自動調
整する機能がないといった問題点があった。
【0010】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたものであり、その目的とするところは、小
型の投写型表示装置に適用でき、折り曲げミラーを内蔵
できるレトロフォーカス型レンズを提供することにあ
る。
【0011】また、他の目的は、装置の奥行きと高さと
を低減した小型の投写型表示装置を提供することにあ
る。更に他の目的は、装置の正面寸法をスクリーンの寸
法と同程度にでき、しかも奥行き寸法を小さくできる小
型の投写型表示装置を提供することにある。更に他の目
的は、小型の投写型表示装置用の投写器を複数個縦横に
配列した、奥行きが小さなマルチビジョン投写型表示装
置を提供することにある。
【0012】また、更に他の目的は、画像表示デバイス
として、画像の明暗に応じて素子の透明/散乱状態が切
り替わる機能を有する素子を用いた場合に、投写画像の
コントラスト比及び輝度を変化できる投写型表示装置を
提供することにある。また、更に他の目的は、投写画像
のコントラスト比及び/または輝度が、装置が置かれた
外光の明るさに応じて自動的に可変となる投写型表示装
置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るレトロ
フォーカス型レンズは、大きな共役側から、負の屈折力
の第1レンズ群、第1レンズ群と空気間隔D1だけ隔て
て配置された正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の
第3レンズ群の3群構成とし、これらの第1レンズ群,
第2レンズ群,第3レンズ群及び全レンズ系の焦点距離
をf1,f2,f3,fとするとき、 1.8<D1/f<3.0 1.1<f2/f3<1.6 1.5<|f1|/f<2.3 なる条件を満足するように構成する。
【0014】また、第1の発明において、第1レンズ群
と第2レンズ群との間に光路を折り曲げるミラー手段を
挿入する構成とする。
【0015】また、第1の発明において、第2レンズ群
の近傍で、かつ第3レンズ群の大きな共役側の焦点近傍
に絞り手段を配置する構成とする。
【0016】また、第1の発明において、第2レンズ群
の近傍で、かつ第3レンズ群の大きな共役側の焦点近傍
に絞り手段を配置し、絞り手段の開口径を調節可能に構
成する。
【0017】また、第1の発明において、第2レンズ群
の近傍で、かつ第3レンズ群の大きな共役側の焦点近傍
に絞り手段を配置し、絞り手段の開口径を変化させるモ
ータ手段を備えた構成する。
【0018】また、第1の発明において、第3レンズ群
を構成するレンズのうち、最も小さな共役側のレンズを
非球面レンズとする。
【0019】また、第1の発明において、第3レンズ群
を構成するレンズのうち、最も小さな共役側のレンズを
非球面レンズとし、この非球面レンズの焦点距離をf
4,全レンズ系の焦点距離をfとするとき、 |f4|/f>10 なる条件を満足するように構成する。
【0020】また、第1の発明において、第1レンズ群
を構成するレンズのうち、最も大きな共役側のレンズを
非球面レンズとする。
【0021】また、第1の発明において、第1レンズ群
を構成するレンズのうち、最も大きな共役側のレンズを
非球面レンズとし、この非球面レンズの焦点距離をf
5,全レンズ系の焦点距離をfとするとき、 |f5|/f>100 なる条件を満足するように構成する。
【0022】また、第1の発明において、第1レンズ群
を構成するレンズのうち最も小さな共役側のレンズと第
2レンズ群を構成するレンズとを共に非球面レンズとす
る。
【0023】また、第1の発明において、第3レンズ群
と小さな共役側の像面との間に、厚みの90%以上がプ
ラスチック製である平行平板を挿入した状態で、収差補
正をなすように構成する。
【0024】また、第1の発明において、第2レンズ群
の近傍で、かつ第3レンズ群の大きな共役側の焦点近傍
に絞り手段を配置し、第2レンズ群を光軸方向に移動し
て全レンズ系の焦点距離を変化させ、かつ第1レンズ
群,第2レンズ群,第3レンズ群を一体的に光軸方向に
移動して像面の移動を補償して投写倍率を変化させるべ
く構成する。
【0025】また、第1の発明において、第2レンズ群
の近傍で、かつ第3レンズ群の大きな共役側の焦点近傍
に絞り手段を配置し、第2レンズ群を光軸方向に移動し
て全系の焦点距離を変化させ、かつ前記第1レンズ群,
第2レンズ群,第3レンズ群の一体的な光軸方向への移
動と第1レンズ群の光軸方向への移動とを併用して像面
の移動を補償して投写倍率を変化させるべく構成する。
【0026】第2の発明に係る投写型表示装置は、投写
レンズ内に第1のミラーを内蔵し、投写手段の第1のミ
ラー以前の部分を装置正面から見てスクリーン中心より
左側もしくは右側に配置し、投写レンズの出射光を、第
1のミラーによって略鉛直方向に立ち上げた後、第2の
ミラーにて略水平方向に折り曲げてスクリーンに入射さ
せるような構成をなす。
【0027】また、第2の発明において、第1のミラー
で光路が立ち上げられる際に、スクリーン上で水平方向
に表示されるべき画像表示デバイスの表示方向が回転す
るのに対応して、スクリーンの水平方向に対応する画像
表示デバイスの方向を投写レンズの出射光の中心線方向
に合わせるべく構成する。
【0028】第3の発明に係る投写型表示装置は、第2
の発明と同様の第1,第2のミラーを備え、投写手段の
投写レンズ以前の光学系を収納する筐体を装置正面から
見てスクリーン中心より左側もしくは右側に配置し、投
写手段の第1のミラー以前の光学系を投写レンズの出射
光の中心光線と直交する平面内に配置し、この光学系が
配置される平面と略平行に設けられた筐体の底面部と、
筐体を収容するキャビネットの底面部とのなす角を所定
範囲内に設定した構成をなす。
【0029】また、第3の発明において、両底面部のな
す角を20°以下に設定する。
【0030】第4の発明に係る投写型表示装置は、投写
手段の投写レンズ内に光路を折り曲げるミラーを有し、
このミラーによって投写レンズから出射される投写光の
中心光線を略水平方向に折り曲げて透過型のスクリーン
に入射させるように構成し、投写手段のミラー以前の光
学系が投写レンズの出射光の中心光線と略直交する平面
内に配置されており、この光学系が配置される平面と略
平行に設けられた、この光学系を保持する筐体の底面部
がスクリーンと略平行となる構成をなす。
【0031】また、第4の発明において、複数個の投写
手段を縦・横に配列し、各投写手段の投写画像で単位画
面を形成し、隣合う単位画面を密に配列するように構成
する。
【0032】また、第2,3または4の発明において、
投写レンズの直前に、3原色の合成を行なうプラスチッ
ク製のダイクロイックプリズムを備えた構成をなす。
【0033】また、第2,3または4の発明において、
投写倍率が調整可能なズームレンズを投写レンズとして
使用した構成をなす。
【0034】第5の発明に係る投写型表示装置は、画像
表示デバイスが表示画像の明暗に応じて散乱/透明状態
が切り替わる機能を有し、画像表示デバイスより出射す
る光束の受容角を制限する絞りの開口径を制御する構成
をなす。
【0035】第6の発明に係る投写型表示装置は、装置
が置かれた場所の照明状態を検出し、その照明状態に応
じて、画像表示デバイスより出射する光束の受容角を制
限する絞りの開口径及び/または画像表示デバイスを照
明するランプの駆動電力を変化させる構成をなす。
【0036】また、第6の発明において、画像表示デバ
イスが、表示画像の明暗に応じて散乱/透明状態が切り
替わる機能を有する。
【0037】
【作用】第1の発明のレトロフォーカス型レンズによれ
ば、液晶投写型表示装置に必要な以下の性能を有する投
写レンズが得られる。 (A)ミラー挿入に必要な第1レンズ群〜第2レンズ群
の間隔を確保できる。 (B)レトロフォーカス構成なので比較的長いバックフ
ォーカスを確保できる。 (C)広角でありながら良好なテレセントリック性が得
られるので、液晶パネル側で軸外光束が光軸に略平行に
なり、色合成系の入射角依存性の影響を排除できる。 (D)広角でありながら良好な周辺照度比が得られる。
【0038】また、第1発明において、第1レンズ群の
スクリーン側のレンズまたは第3レンズ群の像面側のレ
ンズに非球面を導入することにより、広画角化による軸
外収差、特に歪曲収差,非点収差を良好に補正できる。
また、第1レンズ群の像面側のレンズ、及び第2レンズ
群のレンズに非球面を導入することにより、軸上,軸外
の収差をバランスよく高度に補正できる。しかもレンズ
の有効径が比較的小さいので非球面の作成が容易であ
る。
【0039】また、色合成用のダイクロイックプリズム
をPMMA等のプラスチック材料で作成することを想定
し、第3レンズ群と像面との間に平行平板を挿入し、そ
の厚みの大部分をプラスチック材料にして収差補正すれ
ば、本レンズを使用する投写型表示装置の軽量化,低価
格化が可能である。
【0040】また、第2レンズ群を光軸方向に移動可能
とすることにより全系の焦点距離を変化させ、これによ
って生じる像面ズレを第1・第2・第3レンズ群全系の
一体的な光軸方向への移動によって補償することで投写
レンズがズームレンズとなり、投写画像の大きさを微調
整できる。
【0041】第2の発明では、従来の装置と違って、ス
クリーンの正面中心から見て右手もしくは左手方向に投
写手段の大部分を収納し、装置の正面から見た面内及び
装置の横方向から見た面内で光路を折り曲げるので、装
置の高さと奥行きとの低減を同時に実現できる。しか
も、投写レンズ内部に第1のミラーを内蔵するので、広
角投写レンズを使用しても、第1のミラーの寸法が大き
くなることはない。
【0042】第3の発明では、投写手段の投写レンズ以
前の光学系を保持する筐体をスクリーンの正面中心から
見て右手もしくは左手方向に収納し、筐体内で投写手段
の底面に平行な平面内にその光学系を保持し、筐体の底
面を装置全体を保持するキャビネットの底面と適当な角
度関係で配置できるので、装置の高さと奥行きとを同時
に低減できる。しかも、投写レンズ内部に第1のミラー
を内蔵するので、広角投写レンズを使用しても第1のミ
ラーの寸法が大きくなることはない。
【0043】第4の発明では、スクリーンに入射する投
写光を投写レンズに内蔵したミラーによって水平方向に
折り曲げ、かつ投写レンズ以前の光学系をスクリーンに
略平行な平面内に配置できるので、装置の正面寸法をス
クリーン寸法と略同等にしながら装置の奥行きを小さく
できる。しかも、投写レンズ内部にミラーを内蔵するの
で、広角投写レンズを使用してもレンズの後にミラーを
配置する場合のようにミラーの寸法が大きくなることは
ない。
【0044】また、第4の発明では、上記のように装置
の正面寸法がスクリーン寸法と略同等に出来るので、縦
横に複数の投写手段を配置し、各投写手段の投写光によ
って形成する単位画面を縦横に密に配列することによ
り、奥行きが小さく、しかも単位画面間の継ぎ目が小さ
いマルチビジョン投写型表示装置を実現できる。
【0045】また、色合成用のダイクロイックプリズム
をPMMA等のプラスチック材料で作成すれば、従来公
知のガラス材料のダイクロイックプリズムを用いた装置
に比べて軽量化・低価格化が可能である。
【0046】また、投写倍率の微調整が可能なズームレ
ンズを用いることによって、スクリーンの周期構造と液
晶パネルの投写像の周期構造との寸法比が可変となるの
で、投写画像に重畳されるモアレを実用上問題のない低
視認の状態に調節可能である。さらに、マルチビジョン
投写型表示装置を構成する各投写手段の投写レンズをズ
ームレンズとすることにより、レンズの製造誤差,光学
部品の配置誤差等で単位画面間の投写倍率差が生じて
も、同一の投写倍率に調整可能となる。
【0047】第5の発明では、投写レンズ内部に開口径
可変に構成された絞りを設け、散乱/透明状態が切り替
わる画像表示デバイスの出射光の受容角を可変とするの
で、投写画像のコントラスト比及び輝度が観察者の好み
に応じて調節可能であり、従来の投写型表示装置にはな
い新たな機能を付加することができる。
【0048】第6の発明では、外光の明るさに応じて投
写レンズ内部の絞りの開口径が制御できるので、散乱/
透明状態が切り替わる画像表示デバイスより入射する光
束の受容角が可変となり、外光が変化した場合の投写画
像のコントラスト比,輝度を良好な状態に自動調節でき
る。さらに、外光の明るさに応じて画像表示デバイスを
照明するランプの駆動電力が可変となるので、外光が変
化した場合の投写画像の輝度をコントラスト比とは独立
に自動調節できる。以上により、従来の投写型表示装置
にはない新たな機能を付加することができる。
【0049】
【実施例】
<第1の発明>小型のリア方式の液晶投写型表示装置を
実現するためには、広角の投写レンズが必要である。従
来広角の画像用レンズとしては1眼レフレックスカメラ
用の広角レンズが知られている。しかし、本発明による
液晶投写型表示装置用の投写レンズは、1眼レフレック
スカメラ用の広角レンズに対して以下の追加仕様を考慮
している。
【0050】(A)折り曲げミラー挿入のために、レン
ズ系内に十分な空気間隔を確保できる構成であること。 (B)色合成用のダイクロイックプリズムを挿入するた
めに、長いバックフォーカスを確保できること。 (C)ダイクロイックプリズムに対して、軸外光の主光
線が傾いていると色むらが生じる。また、照明光を平行
光(テレセントリック照明)とする場合、液晶パネル側
の軸外光の主光線が傾いていると等価的に軸外のF値が
増加し周辺光量が低下する。このため、投写レンズとし
ては液晶パネル側の軸外光の主光線がレンズ光軸に平行
であること(テレセントリック性)。 (D)広角レンズであっても、周辺照度比を十分確保で
きること。 本発明による投写レンズは、上記の要求をみたし、かつ
十分な解像力を有するレンズの構成を提供する。さら
に、投写倍率を微小に変化させ投写画像のモアレ軽減、
画面サイズ微調整ができるズームレンズの構成を提供す
る。
【0051】以下、図面を参照しながら本発明の投写レ
ンズについて説明する。図1から図26は、後述する本
発明の数値実施例のうち代表的な構成に対応するレンズ
断面図である。図には記載していないが、図1,図3,
図4,図6,図8,図10,図12,図14,図16,
図18,図19,図20,図21,図23,図24,図
25の左方、及び図2,図5,図7,図9,図11,図
13,図15,図17,図22,図26の上方にスクリ
ーンがあるものとする。G1はスクリーン側(大きな共
役側)に位置し負の屈折力を有する第1レンズ群、G2
は正の屈折力を有する第2レンズ群、G3は液晶パネル
3側(小さな共役側)に位置し正の屈折力を有する第3
レンズ群である。第2レンズ群G2は、液晶パネル3側
の近傍で、かつ第3レンズ群G3のスクリーン側焦点近
傍に絞りASTを有する。また、第3レンズ群G3と液
晶パネル3との間には、従来例を示す図61または図6
2におけるダイクロイックプリズム15と液晶パネル3
のカバーガラス(図示せず)とを合わせた光学厚みを有
する平行平板L9(図18ではL9及びL10)が設け
られている。
【0052】なお、図1,図2は実施例1であり、図2
は図1と同一のレンズ系に傾角45°の折り曲げミラー
Mを挿入した状態を示している。図3は実施例2、図
4,図5は実施例3、図6,図7は実施例4、図8,図
9は実施例5、図10,図11は実施例6、図12,図
13は実施例7、図14,図15は実施例8、図16,
図17は実施例9〜12,14〜20、図18は実施例
13、図19は実施例21,22、図20は実施例2
3、図21,図22は実施例24、図23〜図26は実
施例25の各レンズ断面図である。
【0053】<レンズ群の構成> (実施例1〜実施例8)(図1,図3,図4,図6,図
8,図10,図12,図14参照):第1レンズ群G1
は、正の屈折力を持ち大きな共役側が凸面の第1レンズ
L1と、負の屈折力を持ち小さな共役側に強い凹面を向
けた第2レンズL2と、負の屈折力を持ち小さな共役側
に強い凹面を向けた第3レンズL3とにより構成されて
いる。第2レンズ群G2は正の屈折力を持った第4レン
ズL4により構成され、小さな共役側近傍で、かつ第3
レンズ群G3の大きな共役側の焦点近傍に絞りASTが
設けられている。第3レンズ群G3は、負の屈折力を持
ち小さい共役側に凹面を有する第5レンズL5と、正の
屈折力を持ち大きな共役側が凸面で第5レンズL5に接
合された第6レンズL6と、正の屈折力を持った第7,
第8レンズL7,L8とにより構成されている。
【0054】(実施例9〜実施例20)(図16,図1
8参照):第1レンズ群G1,第2レンズ群G2の構成
は、実施例1〜実施例8と同様である。第3レンズ群G
3は、負の屈折力を持ち小さい共役側に凹面を有する第
5レンズL5と、正の屈折力を持ち大きな共役側が凸面
で第5レンズL5に接合された第6レンズL6と、正の
屈折力を持った第7レンズL7と、中心部分の屈折力が
小さく、周辺部分が強い負の屈折力を有する非球面の第
8レンズL8とにより構成されている。
【0055】(実施例21,実施例22)(図19参
照):第1レンズ群G1の構成は、実施例1〜実施例2
0の構成に対して、大きな共役側に中心部分の屈折力が
弱く、周辺部分が強い正の屈折力を有する非球面レンズ
L0を追加している。第2レンズ群G2の構成は、実施
例1〜実施例20と同様である。第3レンズ群G3は、
実施例1〜実施例20と同様の第5,第6レンズL5,
L6と正の屈折力を持った球面レンズL7,L8とから
構成されている。
【0056】(実施例23)(図20参照):第1レン
ズ群G1の構成は、実施例1〜実施例20と同様である
が、第3レンズL3が非球面レンズとなっている。第2
レンズ群G2の構成は、実施例1〜実施例20と同様で
あるが、第4レンズL4は非球面レンズである。第3レ
ンズ群G3の構成は、実施例21,22と同様である。
【0057】(実施例24)(図21参照):第1レン
ズ群G1,第2レンズ群G2の構成は、実施例1〜実施
例20と同様である。また、第3レンズ群G3の構成
は、実施例21,22と同様である。
【0058】(実施例25)(図23〜図25参照):
第1〜第3レンズ群G1〜G3の構成は、実施例1〜実
施例20と同様である。但し、本実施例では、投写倍率
を微少変化させるズームレンズとなっている。このため
に、第2レンズ群G2の第4レンズL4を光軸方向に移
動して全レンズ系の焦点距離を可変とし、これによって
生じる像面の移動を第1〜第3レンズ群G1〜G3の光
軸方向の移動により補償する。
【0059】以上のとおり、各実施例は共に、負の屈折
力を持つ第1レンズ群G1と正の屈折力を持つ第2レン
ズ群G2と第3レンズ群G3とを組み合わせてレトロフ
ォーカス構成とし、第3レンズ群G3以降に厚い平行平
板L9(図18に示す実施例13ではL9とL10)を
挿入でき、かつ平行平板L9(図18に示す実施例13
ではL9とL10)の前後に適切な空気間隔がとれるだ
けの大きなバックフォーカスを確保している。また、絞
りASTは第3レンズ群G3のスクリーン側(大きな共
役側)の焦点近傍に配置され、液晶パネル3側(小さな
共役側)で軸外主光線を光軸に略平行に保つテレセント
リック構成としている。また、第1レンズ群G1と第2
レンズ群G2との間に大きな空気間隔を確保し、折り曲
げミラーMの挿入を可能としている。
【0060】前述した投写レンズの仕様(A)〜(D)
を達成するために、本レンズ系は第1,第2,第3レン
ズ群G1,G2,G3、及び全レンズ系の焦点距離をf
1,f2,f3,fとし、第1レンズ群G1と第2レン
ズ群G2との空気間隔をD1とするとき、以下の条件式
を満足している。 1.8<D1/f<3.0 (1) 1.1<f2/f3<1.6 (2) 1.5<|f1|/f<2.3 (3)
【0061】上記条件式の上限値,下限値の意味を以下
に説明する。まず第1群レンズ群G1,第2レンズ群G
2間距離D1と全レンズ系の焦点距離との比を定める
(1)式において、(1)式の上限値を越えるとミラー
Mの挿入には有利であるが、第1レンズ群G1の外径が
大きくなり、かつレンズ全長が不必要に大きくなる。逆
に(1)式の下限値を越えるとミラーMの挿入が困難に
なり、また、必要画角を満たすためには第1レンズ群G
1の負のパワーが強くなり、軸外収差の補正が困難にな
る。
【0062】第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との
焦点距離の比を定める(2)式の条件において、(2)
式の上限値を越えると第2レンズ群G2に比べて第3レ
ンズ群G3の正の屈折力分担が強くなりすぎるため、小
さな共役側で軸外主光線を光軸に略平行にしようとする
と、小さな共役側で見た軸外での歪曲収差が樽型に大き
く発生し、その補正が困難となる。逆に(2)式の下限
値を越えると第2レンズ群G2に比べて第3レンズ群G
3の正の屈折力分担が弱くなりすぎるので、レトロフォ
ーカス型の構成が弱くなってバックフォーカスを長く保
つことが困難となる。
【0063】ついで、(3)式は、第1レンズ群G1の
全レンズ系に対する焦点距離の比を定めている。(3)
式の上限値を越えると第1レンズ群G1の負の屈折力分
担が弱すぎ、レトロフォーカス型の構成が弱くなるので
バックフォーカスを長く保つことが困難となる。また、
(3)式の上限値を越える状態で第1レンズ群G1の屈
折力を保ち、長いバックフォーカスを確保するには、第
1レンズ群G1,第2レンズ群G2間の距離を不必要に
大きくとる必要があるので、レンズ全長が増加し、それ
に伴って第1レンズ群G1のレンズ外径が大きくなるの
で好ましくない。逆に、(3)式の下限値を越えると第
1レンズ群G1の負の屈折力が強くなりすぎ軸外で大き
な非点収差が発生しその補正が困難となる。
【0064】次に、本発明の数値実施例を示す。数値実
施例を示す表1ないし表25に記載した記号の意味は以
下の通りである。なお、焦点距離,倍率はe線(54
6.1nm)における値である。 f:投写レンズ全系の焦点距離 θ:投写半画角(大きな共役側) F:基準投写倍率における、実効F値(小さな共役側) β:基準投写倍率 f1:第1レンズ群G1の焦点距離 f2:第2レンズ群G2の焦点距離 f3:第3レンズ群G3の焦点距離 f4:非球面レンズL8の焦点距離(実施例9〜20,
25) f5:非球面レンズL0の焦点距離(実施例21,2
2) D1:第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間
隔 m:スクリーン側から順次数えた面番号 ri:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ面の曲
率半径 di:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ成分の
厚み及び空気間隔 ni:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ成分の
波長546.1nm(e線)に於ける屈折率(表1〜
8:実施例1〜8) ni:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ成分の
波長587.6nm(d線)に於ける屈折率(表9〜2
5:実施例9〜25) νi:スクリーン側から数えて第i番目のレンズ成分の
アッベ数 AST:絞り面
【0065】また、表9〜25中に*で示した非球面の
面形状は、面の中心を原点とし光軸方向をZ軸とした直
交座標系(X,Y,Z)において、rを中心曲率半径,
Kを円錐定数、A4,A6,A8,A10を各々4次,
6次,8次,10次の非球面係数とするとき、下記
(4),(5)式で表されるものとする。
【0066】
【数1】
【0067】<第1の発明,実施例1>図1は実施例1
を示す。また本実施例の数値データを表1に示す。図2
は図1と同じ構成のレンズに傾角45°の折り曲げミラ
ーMを挿入し光線を通した例である。図2において、第
1レンズ群最終面中心(C1)とミラーMの中心(C
2)との距離を44.06mmとした。また、絞りAS
Tは第2レンズ群G2を構成するレンズL4の小さな共
役側の面に密接して配置している。図2により、第1レ
ンズ群G1と第2レンズ群G2との間にミラーMの挿入
に十分な間隔を確保できていることがわかる。周辺照度
比は、軸外の瞳収差の効果により最大半画角(41.6
0°)において84.6%を得た。一般に投写型表示装
置では周辺照度比30%が必要とされているが、これに
比べて十分良好な値である。また、軸外の主光線角は
0.3°以下であった。また、図2よりレンズ系の内部
ではスクリーン側(大きな共役側)よりも軸外光の光軸
に対する傾角が小さくなることがわかる。このために、
ミラーMは投写レンズ外(スクリーン側)に配置する場
合よりも小型にできる。
【0068】
【表1】
【0069】<第1の発明,実施例2>図3は実施例2
を示す。また本実施例の数値データを表2に示す。本実
施例では第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔
d6(=D1)は68.93mmであり、実施例1より
も3.32mm大きい間隔を確保できており、ミラーM
の挿入には問題ない。
【0070】
【表2】
【0071】<第1の発明,実施例3>図4は実施例3
を示す。また本実施例の数値データを表3に示す。本実
施例では第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔
d6(=D1)は53.83mmであり、実施例1より
も11.78mm小さい間隔となっている。図5は図4
と同じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを挿入し光
線を通した例である。図5において、第1レンズ群G1
の最終面中心(C1)からミラーMの中心(C2)に至
る距離を34.6mmとした。また、絞りASTは第2
レンズ群G2を構成するレンズL4 の小さな共役側の面
に密接して配置している。図5により、第1レンズ群G
1と第2レンズ群G2との間に十分ミラーMを挿入でき
ることがわかる
【0072】
【表3】
【0073】<第1の発明,実施例4>図6は実施例4
を示す。また本実施例の数値データを表4に示す。本実
施例では第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔
d6(=D1)は47.65mmであり、実施例1より
も17.96mm小さい間隔となっている。図7は図6
と同じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを挿入し光
線を通した例である。図7において、第1レンズ群G1
の最終面中心(C1)からミラーMの中心(C2)に至
る距離を28.5mmとした。また、絞りASTは第2
レンズ群G2を構成するレンズL4の小さな共役側の面
に密接して配置している。図7により、第1レンズ群G
1と第2レンズ群G2との間にミラーMをコンパクトに
実装できることがわかる
【0074】
【表4】
【0075】<第1の発明,実施例5>図8は実施例5
を示す。また本実施例の数値データを表5に示す。図9
は図8と同じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを挿
入し光線を通した例である。図9において、第1レンズ
群最終面中心(C1)とミラーMの中心(C2)との距
離を37.00mmとした。また、絞りASTは第2レ
ンズ群G2を構成するレンズL4の小さな共役側の面の
後方1mmに配置している(表5の第9面)。図9によ
り、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間にミラ
ーMの挿入に十分な間隔を確保できていることがわか
る。周辺照度比は、軸外の瞳収差の効果により最大半画
角(43.30°)において81%を得た。一般に投写
型表示装置では周辺照度比30%が必要とされている
が、これに比べて十分良好な値である。また、軸外の主
光線傾角は0.6°以下であった。また、図9よりレン
ズ系の内部ではスクリーン側(大きな共役側)に出射す
る光束よりも軸外光の光軸に対する傾角が小さくなるこ
とがわかる。このために、ミラーMは投写レンズ外(ス
クリーン側)に配置する場合よりも小形にできる。
【0076】
【表5】
【0077】<第1の発明,実施例6>図10は実施例
6を示す。また本実施例の数値データを表6に示す。図
11は図10と同じ構成のレンズに傾角45°のミラー
Mを挿入し光線を通した例である。図11において、第
1レンズ群最終面中心(C1)とミラーMの中心(C
2)との距離を37.00mmとした。また、絞りAS
Tは第2レンズ群G2を構成するレンズL4の小さな共
役側の面の後方1mmに配置している(表6の第9
面)。図11により、第1レンズ群G1と第2レンズ群
G2との間にミラーMの挿入に十分な間隔を確保できて
いることがわかる。
【0078】
【表6】
【0079】<第1の発明,実施例7>図12は実施例
7を示す。また本実施例の数値データを表7に示す。本
実施例では第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間
隔d6(=D1)は50.44mmであり、実施例5よ
りも5.01mm小さい間隔となっている。図13は図
12と同じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを挿入
し光線を通した例である。図において、第1レンズ群G
1 の最終面中心(C1)からミラーMの中心(C2)に
至る距離を32.0mmとした。また、絞りASTは第
2レンズ群G2を構成するレンズL4の小さな共役側の
面に密接して配置している(表7の第9面)。図13に
より、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に十
分ミラーMを挿入できることがわかる。
【0080】
【表7】
【0081】<第1の発明,実施例8>図14は実施例
8を示す。また、本実施例の数値データを表8に示す。
本実施例では第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との
間隔d6(=D1)は45.13mmであり、実施例5
よりも10.32mm小さい間隔となっている。図15
は図14と同じ構成のレンズに傾角45°のミラーMを
挿入し光線を通した例である。図において、第1レンズ
群G1の最終面中心(C1)からミラーMの中心(C
2)に至る距離を28.0mmとした。また、絞りAS
Tは第2レンズ群を構成するレンズL4の小さな共役側
の面に密接して配置している(表8の第9面)。図15
により、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に
ミラーMをコンパクトに実装できることがわかる。
【0082】
【表8】
【0083】<第1の発明,実施例9>図16は実施例
9を示す。また本実施例の数値データを表9に示す。図
17は図16と同じ構成のレンズに傾角45°のミラー
Mを挿入し光線を通した例である。図17において、第
1レンズ群最終面中心(C1)とミラーMの中心(C
2)との距離を60.0mmとした。また、絞りAST
は第2レンズ群を構成するレンズL4の小さな共役側の
面の後方3.3mmに配置している(表9の第9面)。
図17により、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2と
の間にミラーMの挿入に十分な間隔を確保できているこ
とがわかる。軸外の主光線傾角は1°以下であり、良好
なテレセントリック性が得られている。また、図17よ
りレンズ系の内部(G1〜G2間)ではスクリーン側
(大きな共役側)に出射する光束よりも軸外光の光軸に
対する傾角が小さくなることがわかる。このために、ミ
ラーMは投写レンズ外(スクリーン側)に配置する場合
よりも小形にできる。周辺照度比は、軸外の瞳収差の効
果により最大半画角にて55%以上が得られている。一
般に投写型表示装置では周辺照度比30%が必要とされ
ているのが、これに比べて十分良好な値である。さら
に、非球面レンズL8は中心のパワーが小さく周辺が大
きな負のパワーを有しており、液晶パネル3側でみた周
辺部の負の歪曲収差と高次非点収差との補正をバランス
よく行っている。
【0084】なお、後述する実施例10〜20及び実施
例25を含めて、第3レンズ群G3の最終レンズL8を
非球面レンズとする構成では、L8の焦点距離f4と全
レンズ系の焦点距離fの比が(6)式の関係を満たすこ
とが望ましい。 |f4|/f>10 (6) (6)式の下限値を越えると、非球面レンズL8の軸上
屈折力が強くなりすぎる。この為、L8をプラスチック
材料で作成すると、温度・湿度等の環境変化による投写
画像の焦点ズレの問題が無視できなくなる。
【0085】
【表9】
【0086】<第1の発明,実施例10〜12>実施例
10〜12の数値データを表10〜12に示す。各実施
例のレンズ断面図は、実施例9を示す図16とほぼ同等
である。これら各実施例でも、第1レンズ群G1,第2
レンズ群G2間に実施例9と同程度の空気間隔を確保で
きており、ミラーMの挿入には問題ない。
【0087】
【表10】
【0088】
【表11】
【0089】
【表12】
【0090】<第1の発明,実施例13>図18は実施
例13のレンズ断面図である。また数値データを表13
に示す。本実施例でも、第1レンズ群G1,第2レンズ
群G2間に実施例9と同程度の空気間隔を確保できてお
り、ミラーMの挿入が可能である。また、本実施例で
は、第3レンズ群G3後の平行平板として厚さ70mm
のPMMA樹脂L9と、厚さ1mmのガラス板L10
(BSC7:HOYA(株)製)を挿入した状態で収差
補正を行なっている。これは、第4の発明に関連して後
述するように色合成用のダイクロイックプリズムをPM
MA樹脂を用いて作成することを想定したものである。
また、1mm厚のガラス板は液晶パネルの液晶封入用ガ
ラス基板を想定している。
【0091】本実施例の如くダイクロイックプリズムを
プラスチック化しても本発明のレトロフォーカスレンズ
は、良好に収差補正が可能であり、また本レンズを使用
する投写型表示装置の低価格化,軽量化を実現できる。
なお、ダイクロイックプリズム相当の平行平板L9は屈
折力を持たないので、温度・湿度等の環境変化によって
プラスチック材料の屈折率が変化しても投写画像の焦点
ずれには大きな影響がない。また、PMMA以外のプラ
スチック材料として、例えばPC,ZEONEX(日本
ゼオン(株)製),OZ1000(日立化成工業(株)
製)ARTON(日本合成ゴム(株)製),APO(三
井石油化学工業(株)製)等も使用可能である。また、
本実施例ではプラスチック平行平板L9の厚みは70m
mとしたが、従来の投写型表示装置を示す図61,図6
2より明らかなように、液晶パネル3の画面サイズに応
じて調節可能である。従って、70mm以下の寸法(例
えば15〜70mm程度)でも、本レンズ系と同等の構
成により十分収差補正可能である。また、L9の厚みが
70mmを越えても、液晶パネル3の配置に支障がない
限りにおいて同様に収差補正可能である。すなわち、平
行平板の全厚みの90%以上をプラスチック化しても本
発明のレトロフォーカスレンズは十分に収差補正可能で
ある。
【0092】
【表13】
【0093】<第1の発明,実施例14〜20>実施例
14〜20の数値データを表14〜20に示す。各実施
例のレンズ断面図は、実施例9を示す図16と類似して
いるので図示を省略する。これら各実施例でも、第1レ
ンズ群,第2レンズ群間に実施例9と同程度の空気間隔
を確保できており、ミラーMの挿入には問題ない。
【0094】
【表14】
【0095】
【表15】
【0096】
【表16】
【0097】
【表17】
【0098】
【表18】
【0099】
【表19】
【0100】
【表20】
【0101】<第1の発明,実施例21>図19は実施
例21のレンズ断面図である。実施例21の数値データ
を表21に示す。第1レンズ群G1,第2レンズ群G2
間に十分大きな空気間隔を確保できており、ミラーMの
挿入には全く問題ない。本実施例では、第1レンズ群G
1を4枚構成とし、大きな共役側のレンズL0を軸上の
屈折力が弱く、周辺部が強い正の屈折力を有する両面非
球面レンズとして、主として軸外の歪曲収差を補正して
いる。なお、非球面レンズL0は、後述する実施例22
を含めて、L0の焦点距離f5と全レンズ系の焦点距離
fとの比が(7)式の関係を満たすことが望ましい。 |f5|/f>100 (7) (7)式の下限値を越えると、非球面レンズL0の軸上
屈折力が強くなりすぎる。このため、L0をプラスチッ
ク材料で作成する場合、温度・湿度等の環境変化による
投写画像の焦点ズレの問題が無視できなくなる。
【0102】
【表21】
【0103】<第1の発明,実施例22>実施例22の
数値データを表22に示す。本実施例のレンズ断面図
は、実施例21を示す図19と類似している。本実施例
でも、第1レンズ群G1,第2レンズ群G2間に十分大
きな空気間隔を確保できており、ミラーMの挿入には問
題ない。また、本実施例では第1レンズ群のレンズL0
の大きな共役側の面だけを非球面として、主として軸外
の歪曲収差を補正している。
【0104】
【表22】
【0105】<第1の発明,実施例23>図20は実施
例23のレンズ断面図である。また、表23に本実施例
の数値データを示す。本実施例では、上記実施例21,
22よりもさらに大きな第1レンズ群G1,第2レンズ
群G2間の空気間隔を確保できており、ミラー挿入には
問題ない。また、第1レンズ群G1の液晶パネル3側の
レンズL3及び第2レンズ群G2のレンズL4を共に非
球面レンズとしており、軸上の球面収差と軸外の歪曲収
差,高次非点収差とを高度にバランスよく補正してい
る。本実施例では、比較的レンズ径が小さなL3とL4
とを非球面化しているので、非球面の作成が容易であ
る。
【0106】
【表23】
【0107】<第1の発明,実施例24>図21は実施
例24を示す。また本実施例の数値データを表24に示
す。図22は図21と同じ構成のレンズに傾角45°の
ミラーMを挿入し光線を通した例である。図22におい
て、第1レンズ群最終面中心(C1)とミラーMの中心
(C2)との距離を56.23mmとした。また、絞り
ASTは第2レンズ群を構成するレンズL4の小さな共
役側の面の後方1.64mmに配置している(表24の
第9面)。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との比
較的小さい間隔(88.23mm)にミラーMをコンパ
クトに挿入できることがわかる。なお、本実施例は全レ
ンズを球面レンズで構成しており、後に収差図を示すよ
うに比較的歪曲収差が大きいものの、TV画像の表示等
の用途には十分な性能であり、しかも非球面を使用しな
いので安価に製造可能である。
【0108】
【表24】
【0109】<第1の発明,実施例25>図23,図2
4,図25は実施例25を示す。本実施例はズームレン
ズであり、図23〜図25の順に焦点距離が大きくなっ
ている。また本実施例の数値データを表25に示す。図
26(a)〜図26(c)は図23〜図25と同じ構成
のレンズに傾角45°のミラーMを挿入し光線を通した
例である。図26において、第1レンズ群G1の最終面
中心(C1)とミラーMの中心(C2)との距離を5
3.00mmとした。また、絞りASTは第2レンズ群
G2を構成するレンズL4の小さな共役側の面の後方4
〜20mmに配置している(表25の第9面)。図26
により、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に
ミラーMを挿入できることがわかる。
【0110】本実施例では全レンズ系の焦点距離を変え
るために、第2レンズ群G2のレンズL4を単独で光軸
方向に移動している(表25のa,b)。これにより、
液晶パネル3側のテレセントリック性を保ったまま全レ
ンズ系の焦点距離を可変できる。そして、この焦点距離
変化にともなう液晶パネル3側の像面ズレを補償するた
めにレンズ群G1,G2,G3の全系を平行平板L9に
対して一体的に光軸方向に移動している(表25の
c)。以上のズーム操作により、投写倍率βを13.8
倍から15.3倍へ約11%調整できる。後述する投写
画像のモアレ軽減,マルチビジョンプロジェクタの倍率
調整には10%程度の倍率微調整機能が求められるが、
本レンズのズーム機能はこの要求を満たすものである。
なお、像面ズレの補償はレンズ群G1,G2,G3の一
体的移動と共に、レンズ群G1の単独移動(表25,図
23〜図25のd6を微調整)を併用してもよく、これ
によりさらに良好な結像特性が得られる。
【0111】
【表25】
【0112】図27〜図50は、それぞれ実施例1〜実
施例24に対応する小さな共役側でみた収差曲線図であ
る。また、図51〜図53は、実施例25の各ズーム状
態に対応する小さな共役側で見た収差曲線図である。球
面収差は (WL1=610nm,WL2=546.1n
m,WL1=470nm)の3波長について示し、非点
収差,歪曲収差は546.1nm (e線)について示してい
る。図27〜図53における各収差は十分実用に供され
るものである。
【0113】なお、以上の各実施例においては、絞りA
STは第2レンズ群G2のレンズL4の後方に独立して
設けたが、レンズL4の小さな共役側の面の外径で代用
してもよいし、レンズL4を保持する鏡筒(図示せず)
の構造により絞り機能を実現してもよい。特に、前述し
た実施例1〜4,7,8,22〜24の如く絞りが第4
レンズL4の直後に配置されるレンズ構成においては、
このような代替絞り手段が有効である。また、実施例1
〜25において、スクリーンから第1レンズL1(又は
L0)に至る距離が変化した場合のフォーカス調整は、
第1レンズ群G1全体を一体的に光軸方向に変位させる
か、レンズ群G1,G2,G3,を一体的に平行平板L
9に対して光軸方向に移動させる方法が有効である。
【0114】また、絞りASTは固定的に開口径を決め
る構成以外に、従来カメラレンズに等において公知のよ
うな開口径が可変の構成とし、実効F値を変化させるよ
うにしてもよい。絞り径を可変としたレンズは、第5,
6の発明に関連して図59,60を用いて説明するよう
に、透過光束の散乱状態と透明状態とを電気的に切り替
えるタイプの液晶パネル(PDLC,DSM液晶等)と
組み合わせることにより、投写画像のコントラスト比と
輝度とを適宜調節できるので効果的である。しかも、後
述するように絞りの開口径を公知の如くモータ等の手段
で電気的に調節可能とすれば、外光の明るさを検出する
光センサの出力をもとに、コントラスト比と輝度とを自
動的に調節できる。
【0115】<第2,第3の発明>図54は第2,第3
の発明による投写型表示装置の構成図であり、図54
(a)は側面図を示し、図54(b)は正面図を示す。
図において300は筐体200と投写レンズ4とにより
構成された投写器である。投写レンズ4には、第1の折
り曲げミラー41が内蔵されている。また、投写器30
0はキャビネット170内に収納されており、キャビネ
ット170は第2の折り曲げミラー160と透過型のス
クリーン5とを保持している。
【0116】また、図55は投写器300の内部構成を
表しており、図55(a)は平面図を示し、図55
(b)は正面図を示す。図において、1は、ランプ12
0と、ランプ120の電極121と、凹面鏡130と、
コンデンサレンズ131とにて構成される光源である。
ランプ120はメタルハライドランプ,キセノンラン
プ,ハロゲンランプ等の白色光源が用いられる。図では
メタルハライドランプ,もしくはキセノンランプを想定
して、一対の電極121間に放電ギャップを設けた構成
を描いている。凹面鏡130はランプ120の発光点に
曲率中心を有し、図中でランプ120の右側に効率よく
光束を送り込むために設けられている。凹面鏡130に
は必要に応じて赤外光を透過するコーティングが施さ
れ、液晶パネル側に熱が放射される割合を減少させてい
る。また、必要に応じてコンデンサレンズ131の屈折
面には赤外線、及び/又は紫外線を反射し可視光を透過
するコーティングが施してある。
【0117】光源1からの出射方向には可視光のみを透
過するフィルタ140が設けられ、フィルタ140の前
方には、青色光を反射し緑・赤色光を透過するダイクロ
イックミラー14Bと、赤色光を反射し緑色光を透過す
るダイクロイックミラー14Rとが、直交させた態様で
配設されている。ダイクロイックミラー14Rからの反
射光の光路には、光を全反射するミラー11b,11
c、画像表示部3rを有する液晶パネル3Rが設けら
れ、ダイクロイックミラー14Bからの反射光の光路に
は、光を全反射するミラー11a,11d、画像表示部
3bを有する液晶パネル3Bが設けられ、両ダイクロイ
ックミラー14B,14Rの透過光の光路には、画像表
示部3gを有する液晶パネル3Gが設けられている。液
晶パネル3R,3G,3Bの各表示部3r,3g,3b
に画像を表示させる駆動回路については図示を省略して
いる。これらの液晶パネル3R,3G,3Bに囲まれ
て、赤・青色光を選択的に反射し、緑色光を選択的に透
過する公知のダイクロイックプリズム15が設置されて
おり、ダイクロイックプリズム15の出射方向には投写
レンズ4が設けられている。投写レンズ4は、第1の折
り曲げミラー41及び絞りASTを内蔵しており、詳細
構成は第1の発明で述べた通りである。図55(b)で
は典型的な例として、折り曲げミラーの41の傾角が4
5°の場合を図示している。なお、第1の折り曲げミラ
ー41前後のレンズ系は図示省略している。
【0118】次に、実施例の動作について説明する。光
源1からの光(ランプ120の出射光及び凹面鏡130
の反射光)は、コンデンサレンズ131によって平行化
され、フィルタ140に入射する。フィルタ140は可
視光だけを透過し、不要な赤外・紫外光を反射もしくは
吸収する。フィルタ140を透過した光束は、ダイクロ
イックミラー14B,14Rに入射する。ダイクロイッ
クミラー14B,14Rによって照明光は赤(R),緑
(G),青(B)の3原色に分解される。青色光Bはミ
ラー11a,11dによって光路を曲げられて液晶パネ
ル3Bに照射され、赤色光Rはミラー11b,11cに
よって光路を曲げられて液晶パネル3Rに照射され、緑
色光Gは液晶パネル3Gに照射される。このように液晶
パネルはコンデンサレンズ131により平行光で照明さ
れる(テレセントリック照明系)ので、ダイクロイック
ミラー14R,14Bの分光特性に入射角依存性があっ
ても、均一な色度の光で照明が可能である。また、液晶
パネル3R,3G,3Bの表示特性に照明光の入射角依
存性がある場合にでも、照明光が平行なのでパネルの表
示面内で均一な表示特性が得られる。
【0119】液晶パネルの画像で変調された透過光は、
ダイクロイックプリズム15により合成され、投写レン
ズ4に送り込まれる。合成光束は折り曲げミラー41に
よって90°折り曲げられ、図55(b)のように投写
光110が投写レンズ4より出射される。なお、折り曲
げミラー41の傾角は45°以外でもなんら問題なく、
要はセットの全体を設計する上で最適な角度に設定して
よく、本発明の変形例の範疇である。
【0120】なお、液晶パネル3R,3G,3Bの各画
像表示部3r,3g,3bの寸法は等しく、NTSC方
式の投写型表示装置の場合4:3の寸法比の画像を、H
DTV方式の場合16:9の寸法比の画像を、各々長手
方向が水平方向になるよう投写する必要がある。しか
し、第1の折り曲げミラー41によって、液晶表示画面
の縦方向が横方向に変換される。そこで、画像表示部3
r,3g,3bはいずれも長手方向が正面図を示す図5
5(b)中で上下方向、すなわち投写レンズから出射さ
れる投写光束の中心光線111の方向と一致するように
配置されている。なおNTSC方式、HDTV方式では
投写画像の水平方向が長手方向であるが、OA用の投写
型ディスプレイ等では特別に投写画面の上下方向を長手
方向とすべき機種もある。このような場合には、液晶パ
ネルの表示面の短辺方向を図55(b)中で上下方向に
合わせて配置すべきである。なお、液晶パネルの表示方
向が上記のように入れ替わる現象は第1の折り曲げミラ
ー41の傾角が45°以外でも同様に生じるので、この
ミラーの傾角によらず水平に投写したい液晶の辺方向を
図55(b)の如く上下方向に合わせるように設定すべ
きである。
【0121】前述した通り、絞りASTは投写レンズ4
のF値を決め、かつ液晶パネルの各点から投写レンズ4
に入射する光束の主光線をレンズ光軸に平行にする働き
がある。従って、絞りASTの開口径を大きく設定し投
写レンズ4のF値を小さくすると、スクリーン5に投写
される光束が増加し、輝度が上がる。また、絞りAST
の開口径を小さくし投写レンズ4のF値を大きくする
と、スクリーン5に投写される光束が減少して輝度が下
がるが、投写レンズ4の収差が小さくなるので解像力は
改善される。また、絞りASTにより上記のように主光
線が平行になるので、ダイクロイックプリズム15を透
過する光束に入射角のむらがなくなり、ダイクロイック
プリズム15の分光特性の入射角依存性による投写画像
の色むらをなくすことができる。
【0122】次に、セット全体の動作について図54に
より説明する。投写器300のうち、第1の折り曲げミ
ラー41以前の部分(筐体200)は、スクリーン側か
ら見た正面図(図54(b))においてスクリーン5の
中央より左側半分に配置されている。第1の折り曲げミ
ラー41によって投写レンズ4内で折り曲げられた光束
は投写光110として鉛直上方向に立ち上げられて出射
し、側面図(図54(a))に示すように第2の折り曲
げミラー160によってスクリーン5側に折り曲げら
れ、スクリーン5上に拡大画像が形成される。
【0123】なお、第2の折り曲げミラー160は長方
形でもよいし、投写光110の入射範囲だけに反射面が
あればよい。そこで、図54(b)に破線で示したよう
に台形状のミラーを使用すれば、最小限のミラー面積に
できるのでセットの軽量化に有効である。前述した通
り、折り曲げミラーをレンズ内に実装するとレンズ系内
部での軸外光の光軸に対する傾角はレンズ出射光の光軸
に対する傾角よりも小さくできるので、第1の折り曲げ
ミラー41を小型にできる。しかも筐体200をスクリ
ーン5の中央よりも左半分に収納すれば、キャビネット
170のスクリーン5よりも下の部分171が小さくで
きるので、セット高さHの低減が容易である。
【0124】奥行きDを小さくする点については、第2
の折り曲げミラー160の垂直線に対する角度θ1(図
54(a))を45°以下にすることが有効である。そ
のためには、筐体200の底面201とキャビネットの
底面172(水平線に一致)とのなす角θ2を、一点鎖
線で示す投写光束の中心線111が垂直よりもセット後
方に傾くように設定すべきである。このためにはθ2 ≧
0°とすればよい。図54では便宜上スクリーン5に入
射する投写光の中心線を水平方向に一致するように描い
たが、必ずしもこの限りではなく、中心線の延長線が鑑
賞者の目の位置となるように設定することが好ましい。
【0125】高さHを小さくするには、筐体200をで
きるだけ薄くすることが必要である。このために、図5
5の実施例では光源1からダイクロイックプリズム15
に至る光学系を投写レンズ4の出射光の中心光線111
と直交する平面(図55(a))内に配置し、筐体20
0の厚みHp を小さくしている。なお図55(b)で、
201は筐体200の底面であり、投写光の中心光線1
11と直交している。つまり、底面201は平面図を示
す図55(a)と平行な面内に配置されている。図55
と同一の光学部品を用いて、筐体200を投写レンズ4
の光軸回りに90°回転した光学系の配置も考えられる
が、この場合筐体200の幅Wp が高さHp よりも大き
いので、図54の構成に適用して投写型表示装置全体の
高さを小さくする上には不利である。
【0126】また、スクリーン5はNTSC方式の装置
では4:3、HDTV方式の装置では16:9の寸法比
を有しており長手方向が水平方向に設定されている。図
55(b)に示したように、投写器300内部で液晶パ
ネルの画像表示面の長手方向が上下方向となるように配
置すれば、第1の折り曲げミラー41での反射によって
投写画像の長手方向がスクリーンの長手方向(水平方
向)と一致するように方向が変換されるので都合がよ
い。さらに、図54ではスクリーン5の中央よりも左半
分に筐体200を配置する例を示したが、筐体200を
スクリーン5の中央よりも右半分に配置しても本発明の
効果には変わりはない。
【0127】以上のような筐体内の光学系配置のもと
で、セット全体の高さを低減するには図54中で筐体2
00の底面201とキャビネット170の底面172
(図では便宜上水平線の方向と一致させている)とのな
す角θ2を適当に設定する必要がある。図54は、第1
の発明(実施例1)の投写レンズを用いて、画面サイズ
40インチ(縦横比3:4)の装置を構成した例であ
り、図中θ1=38°,θ2=14°としして描いてい
る。この条件ではセット高さH=712mm,奥行きD
=360mmが得られた。また、同じく40インチ画面
でθ1=45°,θ2=0°とすることにより、高さH
=636mm,奥行きD=432mmとなり、奥行きは
上記例よりも増加するが、セット高さが低減できること
がわかった。但し、この例では投写器底面が水平方向と
一致するので、セットの組立,検査等が容易になり、奥
行きの増加を許容できれば、製造上好ましい構成といえ
る。前述のセットの奥行きを小さくする条件(θ2 ≧0
°)を勘案すると、セットの奥行きと高さとをバランス
よく低減するためには以下の条件式を満たすことが望ま
しい。 0°≦θ2 ≦20° (8) 条件式(8)の下限値を越えるとセットの奥行きが不必
要に大きくなる。また、条件式(8)の上限値を越える
と、セット高さが不必要に増加する、筐体200がスク
リーン5への入射光束を遮る、スクリーン5の面を越え
て筐体200がセット前方にはみ出す等の不都合が生ず
る。
【0128】<第4の発明>図56は第4の発明による
投写型表示装置の構成図であり、図56(a)は平面図
を、図56(b)は正面図を、図56(c)は側面図を
示す。図において、図54と同一番号を付した部分は同
一または相当部分を示すので、それらの説明は省略す
る。図において41は投写レンズ4内に内蔵された、第
2,3の発明の第1の折り曲げミラー41と同等の折り
曲げミラーである。また、図57は投写器300の内部
構成であり、図57(a)は投写レンズ4以前の光学系
が配置された面の平面図、図57(b)は側面図であ
る。図において、図55と同一番号を付した部分は同一
または相当部分を示すので、それらの説明は省略し、5
1は光センサ、52は増幅器、53はモータ/ランプ制
御回路、54はモータである。
【0129】次に、実施例の動作について説明する。光
源1からの光は、コンデンサレンズ131によって平行
化され、フィルタ140にて可視光だけが透過される。
フィルタ140を透過した光束は、ダイクロイックミラ
ー14B,14Gに入射する。ダイクロイックミラー1
4B,14Gによって照明光は赤(R),緑(G),青
(B)の3原色に分解される。青色光はミラー11aに
よって光路を曲げられて液晶パネル3Bに照射され、赤
色光はミラー11b,11cによって光路を曲げられて
液晶パネル3Rに照射され、緑色光はダイクロイックミ
ラー14Gで反射されて液晶パネル3Gに照射される。
このように液晶パネルはコンデンサレンズ131により
平行光で照明される(テレセントリック照明系)ので、
ダイクロイックミラー14B,14Gの分光特性に入射
角依存性があっても、均一な色度の光で照明が可能であ
る。また、液晶パネル3R,3G,3Bの表示特性に照
明光の入射角依存性がある場合にでも、照明光が平行な
のでパネルの表示面内で均一な表示が得られる。
【0130】液晶パネルの画像で変調された透過光は、
ダイクロイックプリズム15により合成され、投写レン
ズ4に入射する。第1の発明に関連して詳述したとお
り、投写レンズ4の内部には折り曲げミラー41が内蔵
されており、ミラーの前後にレンズ系を有している(レ
ンズ系は図示省略)。図57(b)では典型的な例とし
て、折り曲げミラー41の傾角が45°の場合を図示し
た。上記合成光束は折り曲げミラー41によって90°
折り曲げられ、図57(b)のように投写光110が投
写レンズ4より出射される。なお、投写レンズ4以前の
光学系(光源1からダイクロイックプリズム15までの
光学系)は、図57(a)に平面図を示すように、筐体
200の底面201(図57(b)参照)に平行な平面
内に配置されている。
【0131】第2,3発明と同様に、絞りASTは投写
レンズ4のF値を決め、かつ液晶パネルの各点から投写
レンズ4に入射する光束の主光線をレンズ光軸に平行に
する働きがある。従って、絞りASTの開口径を大きく
設定し投写レンズ4のF値を小さくすると、スクリーン
5に投写される光束が増加し、輝度が上がる。また、絞
りASTの開口径を小さくし投写レンズ4のF値を大き
くすると、スクリーン5に投写される光束が減少して輝
度が低下するが、投写レンズ4の収差が小さくなるので
解像力は改善される。又、絞りASTにより上記のよう
に主光線が平行になるので、ダイクロイックプリズム1
5を透過する光束に入射角のむらがなくなり、ダイクロ
イックプリズム15の分光特性の入射角依存性による投
写画像の色むらをなくすことができる。
【0132】次に、セット全体の動作について図56に
より説明する。投写器300のうち、折り曲げミラー4
1以前の部分(筐体200)は、装置を上方から見た平
面図(図56(a))においてスクリーン5の中央より
左側半分に配置されており、筐体200の底面201は
スクリーン5と略平行に配置されている。折り曲げミラ
ー41によって投写レンズ4内で折り曲げられた光束は
投写光110としてスクリーン5上に入射し拡大画像が
形成される。本実施例では、投写レンズ4から出射する
中心光線111は水平方向に進行し、スクリーン5にほ
ぼ垂直に入射する。
【0133】第1の発明に関連して前述した通り、折り
曲げミラー41をレンズ内に配置すると、レンズ系内部
での軸外光の光軸に対する傾角をレンズ出射光の光軸に
対する傾角よりも小さくできる。このため、投写レンズ
4の外部にミラーを配置する場合に比べてミラーの寸法
を小さくできる。筐体200をスクリーン5の中央より
も左半分に収納することによって、キャビネット170
の正面寸法(図56(b)のW,H)をほぼスクリーン
5の寸法と略同等にできる。しかも、第1の発明で示し
たような広角の投写レンズ4を用いることでキャビネッ
ト170の奥行き(図56(c)のD)も小さくでき
る。
【0134】以上のように、筐体の底面201をスクリ
ーン5に略平行に配置し、投写光110の中心光線11
1が水平方向に出射するように配置することにより、装
置の正面寸法W,Hを最小化しながら、奥行きDを小さ
くできる。図57と同一の投写器を用いて、図56
(b)において筐体200を中心光線111の回りに9
0°回転した配置も考えられる。このような投写器の配
置も本発明の変形例であることもちろんである。また、
図56はスクリーン5の中心より左半分側に筐体200
を配置する構成を示したが、右半分側に配置する構成で
も問題はない。
【0135】次に、以上に説明した第4の発明の変形例
を図58により説明する。図58は、図57に示した投
写器300を縦横に複数個配列し、マルチビジョンプロ
ジェクタを構成した例である。図において、300a〜
300dは各々図57に示したのと同様の投写器であ
る。図では縦3×横4の配列を示しているが、下2段の
投写器300e〜300l、及び投写レンズ4e〜4l
は簡単のために図示を省略している。5a〜5lはスク
リーンであり、各スクリーン上に投写レンズ4a〜4l
より出射する投写光が入射し、単位投写画面を形成す
る。各投写器は、隣接する単位画面が密に配列してスク
リーン5a〜5l上に形成されるように配置されてい
る。各単位投写器300a〜300lの筐体の底面は図
56の場合と同様にスクリーン5a〜5lと平行に配置
されていている。170a〜170lは、各投写器30
0a〜300lを内蔵し、スクリーン5a〜5lを保持
するキャビネットである。
【0136】各スクリーン5a〜5lは単位画面毎に別
個のスクリーンを縦・横に配列してもよいし、全体が一
体でもよい。また部分的に、例えば2×2個等の単位画
面の集合に対応するスクリーンを一体化してあってもか
まわない(例:{5a,5b,5e,5f},{5c,
5d,5g,5h}が各々一体スクリーンで、{5i,
5j},{5k,5l}が各々一体スクリーン)。ま
た、キャビネット170a〜170lは、各々が別体の
箱状のものを縦横に配列してもよいし、隣接する何個か
を箱状に一体化してこれらを配列した構造、又は全体を
箱状に一体化した構造であってもかまわない。
【0137】以上のように、図58のマルチビジョンプ
ロジェクタは、図56に示す正面寸法W,Hがスクリー
ン5の寸法と同等で、奥行きDが小さい投写型表示装置
を縦・横に複数個配列した構成をなすので、単位画面間
の継ぎ目が小さくでき、しかも奥行きDが小さい装置と
なる。単位画面の配列個数は、図58は横4×縦3の例
であるが、これ以外の構成であっても問題ない。本実施
例はマルチビジョン構成なので、全体として超大画面、
かつ高解像度,高輝度な装置が容易に実現できる。
【0138】また、図58の構成において投写レンズ4
a〜4lをズームレンズにすることで、各画面の投写倍
率に差があっても容易に同一の投写倍率に調整でき単位
画面間の画像の不連続を最小にできる。
【0139】なお、上述の第2,3,4発明におけるダ
イクロイックプリズム15は、ガラス材料で作成しても
よいが、第1の発明の実施例13で述べたようにプラス
チック材料(PMMA,PC,ZEONEX,OZ10
00,ARTON,APO等)を用いることにより装置
の軽量化,低価格化が可能である。
【0140】また、投写レンズ4を第1の発明の実施例
25で述べたズームレンズとすることにより、投写画像
の寸法を調整出来るようになる。公知のように、スクリ
ーン5は水平方向に周期構造を有するレンチキュラース
クリーンが用いられ、液晶パネル3はマトリクス状の電
極による周期構造を有しているので、拡大投写画像にも
水平・垂直方向に周期構造が観察される。これらの周期
構造のうち、スクリーン5と液晶投写像との水平周期構
造の干渉によって縦縞モアレが発生し、画像鑑賞の妨げ
になることが知られている。この縦縞モアレは、スクリ
ーン5の水平周期と液晶パネルの投写像の水平周期との
比を最適化することで視認性を下げ、画像鑑賞への影響
を最小化できることが公知である。そこで、上記のよう
に投写レンズ4をズームレンズとし、投写倍率を調整す
れば投写画像に重畳されるモアレを最も見えにくい状態
に調整できる。
【0141】<第5の発明>投写型表示装置に用いる液
晶パネルには、従来より公知のTN(Twisted Nematic)
液晶,PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal),
DSM(Dynamic Scattering Mode) 液晶をはじめ、各種
の動作原理にもとづく液晶材料が適用可能である。上記
PDLC,DSM液晶は液晶の状態が画素への印加電圧
に応じて散乱状態と透明状態とが切り替わることが知ら
れている。従って、投写レンズ4で投写画像を形成する
場合、液晶パネルが散乱状態では、投写光束が図55の
投写レンズ4の内部に設けられた絞りASTによって遮
断されるので、投写画像は暗レベルとなる。一方、液晶
パネルが透明状態の場合、パネルを透過した平行光束は
投写レンズ4をほぼ損失なく透過して投写されるので投
写画像は明レベルとなる。
【0142】上記PDLC,DSM液晶を用いた投写型
表示装置で、絞りASTの開口径を可変できるように構
成することが第5の発明の投写型表示装置の構成上の特
徴である。この構成によってもたらされる新規な効果に
ついて、第5の発明の原理を説明する模式図である図5
9を用いて以下に説明する。図59でEPは絞りAST
の開口径で変化する投写レンズ4の入射瞳を示してお
り、液晶パネル3は説明の便宜上1枚だけとしている。
図59(b)は絞りASTの開口径を大きくした場合で
あり、図59(a)は絞りASTの開口径を小さくした
場合を示している。
【0143】液晶として透明/散乱状態を切り替えるタ
イプの液晶(PDLC,DSM等)を想定して図59を
説明する。液晶パネル3が透明状態の場合、照明光Iin
は平行な透過光It となり、損失なく入射瞳EPを透過
し投写光束となる。一方、液晶パネル3が散乱状態の場
合には、透過光は拡散光束Id となり、入射瞳の受容角
θ0 内の光束は透過して投写光束となるが、斜線で示し
た受容角θ0外の光束は投写されない。絞りASTの開
口径の調節により入射瞳EPの開口径を変化させること
により、液晶パネル3が散乱状態の場合の投写光の強度
(暗レベル)が変化し、コントラスト比(投写画像の明
/暗の輝度比)が変化することがわかる。
【0144】また、現実的には液晶パネルの照明光(図
59のIin)は完全な平行光ではないので、絞りAST
の開口径を変化させることによって、液晶パネルが透明
状態の場合の投写画像輝度(明レベル)も変化すること
になる。より具体的には、第1の発明の投写レンズにお
ける絞りASTの開口径D(投写レンズの有効F値)を
公知の絞り羽根42等で可変できるように構成すること
により、投写画像のコントラスト比,輝度レベルを液晶
パネルの光学特性及び鑑賞者の好みに応じて最適に調節
可能である。なお、液晶パネルがTN液晶のように透明
/散乱状態を切り替えるタイプでない場合にでも、上述
したように照明光が完全に平行ではないので、主に投写
画像の輝度(明レベル)を変化させることは可能であ
り、本発明の適用対象となることもちろんである。ま
た、絞りASTの開口径を小さくすると、投写レンズの
収差が小さくなるので投写画像はより高解像に形成され
る。
【0145】なお、以上の第5の発明の実施例は、第
2,3の発明の投写器構成を示す図55を構成の1例と
して説明した。しかし、第2,3の発明において必須の
構成要素であった投写レンズ4内の第1の折り曲げミラ
ー41は必ずしも必要ではなく、公知の直管鏡筒構造を
有する投写レンズとしてもよい。また、投写方式もリア
方式に限らず、反射型スクリーンを用いるフロント方式
でもよい。
【0146】<第6の発明>第6の発明による投写型表
示装置では、絞りASTの開口径及び/またはランプの
駆動電力を装置が置かれた場所の外光の明るさを検知す
る光センサの出力に応じて制御し、外光の状態に対応し
て投写画像の輝度、及び/またはコントラスト比を自動
的に調節する。絞りASTの開口径を調節する基本的な
概念は、前述の第5の発明と同様であり、図60(b)
は絞りASTの開口径を大きくした場合であり、図60
(a)は絞りASTの開口径を小さくした場合を示して
いる。この第6の発明では、モータ54を通じて絞り羽
根42を駆動して開口径Dを可変とすることによって投
写画像のコントラスト比,輝度レベルを最適に調節す
る。
【0147】第6の発明による投写器の動作について、
第4の発明の説明に用いたのと共通の図57により説明
する。光センサ51は投写型表示装置が設置された環境
の外光を検出し、外光の明るさに応じて電気信号を出力
する。増幅器52は、光センサの出力を増幅し、続いて
モータ/ランプ制御回路53にてモータ54の駆動信
号、及びランプ120の駆動電力信号を生成する。モー
タ54は制御回路53の出力に応じて絞りASTの開口
径を調節する。具体的には、外光が明るいときには絞り
ASTの開口径を大きくし、外光が暗くなるに従って絞
りASTの開口径を小さくする。液晶パネル3R,3
G,3Bの液晶としてPDLC,DSM等の透過/散乱
状態を切り替えるタイプの材料を用いた場合、このよう
な絞りASTの制御により、外光が明るい場合にはコン
トラスト比と解像度とを下げながら高輝度の投写画像を
形成し、外光が暗い場合にはより低輝度で高コントラス
ト比,高解像度の投写画像を形成することができる。な
お、液晶パネル3R,3G,3Bの液晶としてTN液晶
のような透過/散乱状態を切り替えないタイプの液晶を
使用した場合には、絞りASTの開口径変化によって主
に投写画像の輝度と解像度とだけを制御できる。
【0148】図57の装置では、絞りASTの開口径制
御と共に、制御回路53の出力によりランプ120の駆
動電力も制御している。すなわち、外光が明るい場合に
はランプ120の駆動電力を増してより高輝度の投写画
像にし、外光が暗い場合にはランプ120の駆動電力を
下げてより低輝度のまぶしくない投写画像にする。な
お、以上の絞り制御とランプ駆動電力制御とは両方行っ
てもよいし、片方だけでもかまわない。
【0149】次に、図56により上記光センサ51の実
装について説明する。図中光センサ51はスクリーン5
の端に受光面をキャビネット170の外側を向けて配置
している。これにより、スクリーン5の面の外光の明る
さを検出でき、図57の増幅器52以降の処理が行え
る。
【0150】なお、以上の第6の発明の実施例は、第4
の発明の投写器構成を示す図57を構成の1例として説
明した。しかし、第4の発明において必須の構成要素で
あった投写レンズ内のミラー41は必ずしも必要ではな
く、ミラーを内蔵しない直管鏡筒構造を有する投写レン
ズとしてもよい。又、投写方式もリア方式に限らず、フ
ロント方式でもよい。フロント方式投写の場合、光セン
サ51は反射型スクリーンに設置するか、筐体200の
一部もしくはその近傍に設置するかのいずれかの形態が
好適である。
【0151】
【発明の効果】以上に詳述したように、第1の発明によ
れば、大きな共役側より負の屈折力の第1レンズ群と、
小さな共役側の近傍に絞りを有する正の屈折力の第2レ
ンズ群と、正の屈折力の第3レンズ群で構成したレトロ
フォーカス型レンズの屈折力配置を特定することによ
り、折り曲げミラーを第1レンズ群,第2レンズ群間に
挿入可能とし、ダイクロイックプリズムの挿入に十分な
バックフォーカスを確保し、小さな共役側の軸外光束が
光軸に対して略平行で、かつ十分な周辺照度比を持った
広角投写レンズを得ることができる。
【0152】また、実施例中に詳述した通り、第1の発
明の折り曲げミラーを内蔵した投写レンズを第2,3,
4の発明の投写型表示装置に適用することにより、高さ
と奥行きとを低減した小型の投写型表示装置を実現でき
る。
【0153】また、第1レンズ群の大きな共役側のレン
ズ、または第3レンズ群の小さな共役側のレンズ、また
は第1レンズ群の小さな共役側のレンズと第2レンズ群
のレンズとを非球面レンズとすることにより広画角性と
高度な結像特性とを両立できる。また、本発明のレトロ
フォーカス型レンズは、ダイクロイックプリズムをプラ
スチック材料で構成しても、良好に収差補正可能であ
る。しかもダイクロイックプリズムをプラスチック化す
ることにより、装置の軽量化,低価格化が可能である。
また第2レンズ群を単独に光軸方向に移動して焦点距離
を変化させると同時に、第1,第2,第3レンズ群を一
体的に光軸方向に移動して像面移動を補償することによ
ってテレセントリック性を保ったままズームレンズ化で
き、投写倍率の調整が可能となる。
【0154】第2の発明によれば、広角投写レンズ内部
に第1の折り曲げミラーを配置し、かつスクリーンの正
面中心からみて右手もしくは左手方向に第1の折り曲げ
ミラー以前の投写光学系を配置し、第1の折り曲げミラ
ーで上方向に立ち上げた投写光を第2の折り曲げミラー
で略水平方向に折り曲げる構成とし、さらに液晶パネル
表示面の配置方向を適切に設定したので、高さ方向及び
奥行き方向の小さなリア方式投写型表示装置を実現でき
る。
【0155】第3の発明によれば、広角投写レンズ内部
に第1の折り曲げミラーを配置し、かつスクリーンの正
面中心からみて右手もしくは左手方向に第1の折り曲げ
ミラー以前の投写光学系を収納した筐体を配置し、第1
の折り曲げミラーで上方向に立ち上げた投写光を第2の
折り曲げミラーで略水平方向に折り曲げる構成とし、投
写器の筐体内の光源からダイクロイックプリズムに至る
光学系を投写レンズ出射光の中心光線と直交する平面内
に配置して、この平面と略平行な筐体底面とキャビネッ
ト底面とのなす角を適切に設定することにより、高さ方
向及び奥行き方向の小さなリア方式投写型表示装置を実
現できる。
【0156】第4の発明によれば、投写レンズ内部に折
り曲げミラーを配置し、折り曲げミラーで投写レンズよ
り出射する投写光の中心光線を略水平方向に折り曲げて
透過型のスクリーンに入射させる構成とし、投写器の筐
体内の光源からダイクロイックプリズムに至る光学系を
投写レンズ出射光の中心光線と直交する平面内に配置し
て、この平面と略平行な筐体底面とスクリーンとが略平
行となるように構成することにより、装置の正面寸法が
スクリーンの寸法と略同等にでき、しかも奥行きが短い
投写型表示装置を実現できる。
【0157】また、色合成用のダイクロイックプリズム
をプラスチック材料で構成することにより、装置の軽量
化,低価格化が実現できる。さらに、各投写器の投写光
によって投写される単位画面が密に配列するように、縦
横に複数個の投写器を配置することによって、奥行きが
小さくしかも単位画面間の継ぎ目が小さなマルチビジョ
ン投写型表示装置を実現できる。さらに、投写レンズと
して投写倍率の調整が可能なズームレンズを用いること
によって、投写画像に重畳されるモアレを実用上問題な
い低視認状態に調整できる。また、マルチビジョン投写
型表示装置の各投写レンズをズームレンズとすることに
より、各単位画面の投写倍率に製造上の差があっても同
一の投写倍率に調整可能である。
【0158】第5の発明によれば、液晶パネルの液晶材
料としてパネルの透明/散乱状態を切り替えるタイプの
材料(PDLC,DSM液晶等)を用い、絞りの開口径
を可変できる投写レンズで拡大投写画像を形成するよう
に構成し、絞りの開口系の調節によって投写レンズの実
効F値を変化させることによって投写画像のコントラス
ト比と輝度とを可変出来るので、パネルの光学特性及び
鑑賞者の好みに応じて最適な状態で画像を鑑賞できる。
【0159】第6の発明によれば、光センサによって外
光の明るさを検出し、センサの出力に応じてモータを駆
動して投写レンズ内の絞りの開口径を制御するように構
成したので、外光状態に応じて輝度,解像度,コントラ
スト比が自動調節可能な投写型表示装置を実現できる。
また、この光センサの出力に応じて液晶パネルを照明す
るランプの駆動電力を可変とすることにより、外光に対
応して投写画像の輝度を自動的に調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明(実施例1)によるレトロフォーカ
ス型レンズの断面図である。
【図2】第1の発明(実施例1)によるレトロフォーカ
ス型レンズの断面図である。
【図3】第1の発明(実施例2)によるレトロフォーカ
ス型レンズの断面図である。
【図4】第1の発明(実施例3)によるレトロフォーカ
ス型レンズの断面図である。
【図5】第1の発明(実施例3)によるレトロフォーカ
ス型レンズの断面図である。
【図6】第1の発明(実施例4)によるレトロフォーカ
ス型レンズの断面図である。
【図7】第1の発明(実施例4)によるレトロフォーカ
ス型レンズの断面図である。
【図8】第1の発明(実施例5)によるレトロフォーカ
ス型レンズの断面図である。
【図9】第1の発明(実施例5)によるレトロフォーカ
ス型レンズの断面図である。
【図10】第1の発明(実施例6)によるレトロフォー
カス型レンズの断面図である。
【図11】第1の発明(実施例6)によるレトロフォー
カス型レンズの断面図である。
【図12】第1の発明(実施例7)によるレトロフォー
カス型レンズの断面図である。
【図13】第1の発明(実施例7)によるレトロフォー
カス型レンズの断面図である。
【図14】第1の発明(実施例8)によるレトロフォー
カス型レンズの断面図である。
【図15】第1の発明(実施例8)によるレトロフォー
カス型レンズの断面図である。
【図16】第1の発明(実施例9〜12,14〜20)
によるレトロフォーカス型レンズの断面図である。
【図17】第1の発明(実施例9〜12,14〜20)
によるレトロフォーカス型レンズの断面図である。
【図18】第1の発明(実施例13)によるレトロフォ
ーカス型レンズの断面図である。
【図19】第1の発明(実施例21,22)によるレト
ロフォーカス型レンズの断面図である。
【図20】第1の発明(実施例23)によるレトロフォ
ーカス型レンズの断面図である。
【図21】第1の発明(実施例24)によるレトロフォ
ーカス型レンズの断面図である。
【図22】第1の発明(実施例24)によるレトロフォ
ーカス型レンズの断面図である。
【図23】第1の発明(実施例25)によるレトロフォ
ーカス型レンズの断面図である。
【図24】第1の発明(実施例25)によるレトロフォ
ーカス型レンズの断面図である。
【図25】第1の発明(実施例25)によるレトロフォ
ーカス型レンズの断面図である。
【図26】第1の発明(実施例25)によるレトロフォ
ーカス型レンズの断面図である。
【図27】第1の発明(実施例1)によるレトロフォー
カス型レンズの諸収差図である。
【図28】第1の発明(実施例2)によるレトロフォー
カス型レンズの諸収差図である。
【図29】第1の発明(実施例3)によるレトロフォー
カス型レンズの諸収差図である。
【図30】第1の発明(実施例4)によるレトロフォー
カス型レンズの諸収差図である。
【図31】第1の発明(実施例5)によるレトロフォー
カス型レンズの諸収差図である。
【図32】第1の発明(実施例6)によるレトロフォー
カス型レンズの諸収差図である。
【図33】第1の発明(実施例7)によるレトロフォー
カス型レンズの諸収差図である。
【図34】第1の発明(実施例8)によるレトロフォー
カス型レンズの諸収差図である。
【図35】第1の発明(実施例9)によるレトロフォー
カス型レンズの諸収差図である。
【図36】第1の発明(実施例10)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図37】第1の発明(実施例11)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図38】第1の発明(実施例12)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図39】第1の発明(実施例13)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図40】第1の発明(実施例14)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図41】第1の発明(実施例15)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図42】第1の発明(実施例16)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図43】第1の発明(実施例17)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図44】第1の発明(実施例18)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図45】第1の発明(実施例19)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図46】第1の発明(実施例20)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図47】第1の発明(実施例21)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図48】第1の発明(実施例22)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図49】第1の発明(実施例23)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図50】第1の発明(実施例24)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図51】第1の発明(実施例25)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図52】第1の発明(実施例25)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図53】第1の発明(実施例25)によるレトロフォ
ーカス型レンズの諸収差図である。
【図54】第2の発明、第3の発明、及び第5の発明に
よる投写型表示装置の全体構成図である。
【図55】第2の発明、第3の発明、及び第5の発明に
よる投写型表示装置を構成する投写器の構成図である。
【図56】第4の発明、及び第6の発明による投写型表
示装置の全体構成図である。
【図57】第4の発明、及び第6の発明による投写型表
示装置を構成する投写器の構成図である。
【図58】第4の発明によるマルチビジョン投写型表示
装置の全体構成図である。
【図59】第5の発明において、投写レンズの絞りの開
口径を可変とする場合の効果の説明図である。
【図60】第6の発明において、投写レンズの絞りの開
口径を可変とする場合の効果の説明図である。
【図61】従来の液晶投写型表示装置の投写器の構成図
である。
【図62】従来の液晶投写型表示装置の投写器の構成図
である。
【図63】従来の投写型表示装置の全体構成図である。
【符号の説明】
3R,3G,3B 液晶パネル 4 投写レンズ 5 透過型スクリーン 15 ダイクロイックプリズム 41 第1の折り曲げミラー 51 光センサ 52 増幅器 53 モータ/ランプ制御回路 54 モータ 160 第2の折り曲げミラー 170 キャビネット 200 筐体 300 投写器 M 折り曲げミラー AST 絞り G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群 G3 第3レンズ群

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大きな共役側から、負の屈折力の第1レ
    ンズ群、該第1レンズ群と空気間隔D1をおいて配置さ
    れた正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レン
    ズ群の3群構成とし、前記第1レンズ群,第2レンズ
    群,第3レンズ群及び全レンズ系の焦点距離をf1,f
    2,f3,fとするとき、 1.8<D1/f<3.0 1.1<f2/f3<1.6 1.5<|f1|/f<2.3 なる条件を満足することを特徴とするレトロフォーカス
    型レンズ。
  2. 【請求項2】 前記第1レンズ群と第2レンズ群との間
    に光路を折り曲げるミラー手段が挿入されていることを
    特徴とする請求項1記載のレトロフォーカス型レンズ。
  3. 【請求項3】 前記第2レンズ群の近傍で、かつ前記第
    3レンズ群の大きな共役側の焦点近傍に絞り手段が配置
    されていることを特徴とする請求項1記載のレトロフォ
    ーカス型レンズ。
  4. 【請求項4】 前記第2レンズ群の近傍で、かつ前記第
    3レンズ群の大きな共役側の焦点近傍に絞り手段が配置
    され、該絞り手段の開口径を調節可能に構成したことを
    特徴とする請求項1記載のレトロフォーカス型レンズ。
  5. 【請求項5】 前記第2レンズ群の近傍で、かつ前記第
    3レンズ群の大きな共役側の焦点近傍に絞り手段が配置
    され、該絞り手段の開口径を変化させるモータ手段を備
    えたことを特徴とする請求項1記載のレトロフォーカス
    型レンズ。
  6. 【請求項6】 前記第3レンズ群を構成するレンズのう
    ち、最も小さな共役側のレンズが非球面レンズであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のレトロフォーカス型レン
    ズ。
  7. 【請求項7】 前記第3レンズ群を構成するレンズのう
    ち、最も小さな共役側のレンズが非球面レンズであり、
    該非球面レンズの焦点距離をf4,全レンズ系の焦点距
    離をfとするとき、 |f4|/f>10 なる条件を満足することを特徴とする請求項1記載のレ
    トロフォーカス型レンズ。
  8. 【請求項8】 前記第1レンズ群を構成するレンズのう
    ち、最も大きな共役側のレンズが非球面レンズであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のレトロフォーカス型レン
    ズ。
  9. 【請求項9】 前記第1レンズ群を構成するレンズのう
    ち、最も大きな共役側のレンズが非球面レンズであり、
    該非球面レンズの焦点距離をf5,全レンズ系の焦点距
    離をfとするとき、 |f5|/f>100 なる条件を満足することを特徴とする請求項1記載のレ
    トロフォーカス型レンズ。
  10. 【請求項10】 前記第1レンズ群を構成するレンズの
    うち最も小さな共役側のレンズと、前記第2レンズ群を
    構成するレンズとが、共に非球面レンズであることを特
    徴とする請求項1記載のレトロフォーカス型レンズ。
  11. 【請求項11】 前記第3レンズ群と小さな共役側の像
    面との間に、その厚みの90%以上がプラスチック材料
    からなる平行平板を挿入した状態で、収差補正がなされ
    るべく構成したことを特徴とする請求項1記載のレトロ
    フォーカス型レンズ。
  12. 【請求項12】 前記第2レンズ群の近傍で、かつ前記
    第3レンズ群の前記大きな共役側の焦点近傍に絞り手段
    が配置され、前記第2レンズ群を光軸方向に移動して全
    レンズ系の焦点距離を変化させ、かつ前記第1レンズ
    群,第2レンズ群,第3レンズ群を一体的に光軸方向に
    移動して像面の移動を補償して投写倍率を変化させるよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1記載のレトロフ
    ォーカス型レンズ。
  13. 【請求項13】 前記第2レンズ群の近傍で、かつ前記
    第3レンズ群の前記大きな共役側の焦点近傍に絞り手段
    が配置され、前記第2レンズ群を光軸方向に移動して全
    系の焦点距離を変化させ、かつ前記第1レンズ群,第2
    レンズ群,第3レンズ群の一体的な光軸方向への移動と
    前記第1レンズ群の光軸方向への移動とを併用して像面
    の移動を補償して投写倍率を変化させるように構成した
    ことを特徴とする請求項1記載のレトロフォーカス型レ
    ンズ。
  14. 【請求項14】 画像表示デバイスを内蔵し、該画像表
    示デバイスに表示された画像を拡大投写する投写手段
    と、該投写手段の出射部に設けられた投写レンズと、該
    投写レンズの内部に設けられ、光を反射する第1のミラ
    ーと、前記投写レンズから出射された投写光を反射する
    第2のミラーと、該第2のミラーにて反射された投写光
    が入射して、拡大画像を形成する透過型のスクリーン
    と、前記投写手段を内蔵し、かつ前記第2のミラー,ス
    クリーンを保持するキャビネットとを備え、 前記投写手段の前記第1のミラー以前の部分が前記スク
    リーンの中央部よりも一側側に実装され、前記投写レン
    ズから出射された投写光を前記第1のミラーによって略
    鉛直方向に立ち上げた後、前記第2のミラーにてその光
    路を略水平方向に折り曲げて前記スクリーンに入射させ
    るべく構成したことを特徴とする投写型表示装置。
  15. 【請求項15】 前記スクリーンの水平方向に対応する
    前記画像表示デバイスの方向を、前記投写レンズからの
    出射光の中心線の方向に一致すべく構成したことを特徴
    とする請求項14記載の投写型表示装置。
  16. 【請求項16】 画像表示デバイスを内蔵し、該画像表
    示デバイスに表示された画像を拡大投写する投写手段
    と、該投写手段の出射部に設けられた投写レンズと、前
    記投写手段の前記投写レンズ以前の光学系を保持する筐
    体と、前記投写レンズの内部に設けられ、光を反射する
    第1のミラーと、前記投写レンズの内部に設けられ、前
    記画像表示デバイスから出射される光束の受容角を制限
    する絞り手段と、前記投写レンズから出射された投写光
    を反射する第2のミラーと、前記第2のミラーにて反射
    された投写光が入射して、拡大画像を形成する透過型の
    スクリーンと、前記筐体を内蔵し、かつ前記第2のミラ
    ー,スクリーンを保持するキャビネットとを備え、 前記筐体が前記スクリーンの中央部よりも一側側に実装
    され、前記投写レンズから出射された投写光を前記第1
    のミラーによって略鉛直方向に立ち上げた後、前記第2
    のミラーにてその光路を略水平方向に折り曲げて前記ス
    クリーンに入射させるべく構成され、前記投写手段の前
    記第1のミラー以前の部分の光学系が前記投写レンズの
    出射光の中心光線と直交する同一平面内に配置されてお
    り、該光学系が配置される平面と略平行に設けられた前
    記筐体の底面部と、前記キャビネットの底面部とのなす
    角θが所定の角度範囲内に設定されていることを特徴と
    する投写型表示装置。
  17. 【請求項17】 前記角度θの設定により、前記投写レ
    ンズの出射光の中心光線が鉛直方向か鉛直方向よりも装
    置の背面側に傾いて出射するべく構成され、前記θが、 0°≦θ≦20° なる条件を満足することを特徴とする請求項16記載の
    投写型表示装置。
  18. 【請求項18】 画像表示デバイスを内蔵し、該画像表
    示デバイスに表示された画像を拡大投写する投写手段
    と、該投写手段の出射部に設けられた投写レンズと、前
    記投写手段の前記投写レンズ以前の光学系を保持する筐
    体と、前記投写レンズの内部に設けられ、光を反射する
    ミラーと、前記投写レンズから出射された投写光が入射
    して、拡大画像を形成する透過型のスクリーンと、前記
    投写手段を内蔵し、かつ前記スクリーンを保持するキャ
    ビネットとを備え、 前記投写レンズから出射される投写光の中心光線を前記
    ミラーによって略水平方向に折り曲げて前記スクリーン
    に入射させるように構成し、前記投写手段の前記ミラー
    以前の部分の光学系が前記投写レンズの出射光の中心光
    線と略直交する平面内に配置されており、この光学系が
    配置される平面と略平行に設けられた前記筐体の底面部
    が前記スクリーンと略平行であることを特徴とする投写
    型表示装置。
  19. 【請求項19】 前記投写手段をマトリックス状に複数
    個配列し、各投写手段の投写画像で単位画面を形成すべ
    く構成したことを特徴とする請求項18記載の投写型表
    示装置。
  20. 【請求項20】 前記投写レンズの直前に、3原色の合
    成を行なうプラスチック製のダイクロイックプリズムを
    備えたことを特徴とする請求項14,16または18記
    載の投写型表示装置。
  21. 【請求項21】 前記投写レンズとして、投写倍率が調
    整可能なズームレンズを使用したことを特徴とする請求
    項14,16または18記載の投写型表示装置。
  22. 【請求項22】 画像表示デバイスを内蔵し、該画像表
    示デバイスに表示された画像を拡大投写する投写手段
    と、該投写手段の出射部に設けられた投写レンズと、該
    投写レンズの内部に設けられ、前記画像表示デバイスか
    ら出射される光束の受容角を制限する絞り手段と、前記
    投写レンズから出射される投写光が入射して、拡大画像
    を形成するスクリーンとを備え、 前記画像表示デバイスが、表示画像の明暗に応じて表示
    面内の光学特性が散乱状態と透明状態との間で切り替わ
    る機能を有し、前記絞り手段の開口径を調節可能とすべ
    く構成したことを特徴とする投写型表示装置。
  23. 【請求項23】 画像表示デバイス及び該画像表示デバ
    イスを照明するランプを内蔵し、前記画像表示デバイス
    に表示された画像を拡大投写する投写手段と、該投写手
    段の出射部に設けられ、前記画像表示デバイスの表示画
    像を拡大投写する投写レンズと、該投写レンズの内部に
    設けられ、前記画像表示デバイス側から投写レンズに入
    射される光束の受容角を制限する絞り手段と、前記投写
    レンズから出射される投写光が入射して、拡大画像を形
    成するスクリーンと、前記絞り手段の開口径を変化させ
    るモータと、入射光量に応じて電気信号を出力する光セ
    ンサと、該光センサの出力を増幅する増幅回路と、該増
    幅回路の出力より前記モータの駆動制御信号及び/また
    は前記ランプの駆動電力制御信号を生成する制御回路と
    を備え、 前記光センサにより検出された照明状態に応じて、前記
    絞り手段の開口径及び/または前記ランプの駆動電力を
    変化させるべく構成したことを特徴とする投写型表示装
    置。
  24. 【請求項24】 前記画像表示デバイスが、表示画像の
    明暗に応じて表示面内の光学特性が散乱状態と透明状態
    との間で切り替わる機能を有することを特徴とする請求
    項23記載の投写型表示装置。
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