JP2011022498A - 投写レンズ装置及びプロジェクタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度変化に起因する異常分散レンズのピント位置のズレを高い精度で補正する。
【解決手段】投写レンズ装置10は、第1〜第3レンズ群16〜18からなる投写レンズ系13と、第1〜第3鏡筒部19〜21からなるレンズ鏡筒14と、連結部材15とを備える。第3レンズ群18は、異常分散レンズ22が含まれ、第3鏡筒部21に保持される。連結部材15は、熱膨張率が小さいインバー材からなり、筐体11のマウント部12の端面12aから光軸L1に沿って延び第3鏡筒部21の後端にネジ止めされ、異常分散レンズ22の温度変化に起因するピント位置のズレ量を、第3鏡筒部21の温度変化に起因する異常分散レンズ22の移動量で相殺するように、軸方向寸法Aが設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、投写レンズ装置及びこれを用いたプロジェクタ装置に関する。
近年、プレゼンテーションなどの際、液晶パネルなどのライトバルブに表示した画像を拡大投写するプロジェクタ装置が用いられることが多い。このプロジェクタ装置では、パソコン等から供給される画像の高解像度化に伴い、ライトバルブの画素ピッチが細かくなってきている。ライトバルブの高精細化が進むことで、これまで問題とならなかったプロジェクタ装置用の投写レンズ装置の色収差による画素ズレが顕著になってきており、この画素ズレを防ぐため、投写レンズ装置の色収差性能の向上が求められている。
プロジェクタ装置用の投写レンズ装置において、色収差を改善するための技術として、異常分散性を有する正レンズを用いることが効果的である。ところが、異常分散性を有するレンズは、通常の硝材を用いたレンズと比べて屈折率の温度係数の符号が逆であるため、温度上昇に起因するピント位置のズレ量を補正することが難しい。そこで、特許文献1記載のレンズ装置では、異常分散性を有する正レンズのピント位置の変動分を相殺することを目的として、異常分散性を有する負レンズを接合している。
一方、ピント位置のズレを補正するための別の方法としては、レンズ鏡胴とレンズ保持部材との間に介在させた補正部材の温度変化に起因する伸縮量で、ピント位置の移動量を相殺する構造が知られている(例えば、特許文献2、3)。
特開2008−46259号公報 特開2005−308779号公報 特開2006−48013号公報
上記特許文献1記載の投写型ズームレンズでは、ピント位置の補正のために異常分散性の硝材を用いた負レンズを備えているが、色収差の改善には、異常分散性の硝材を用いた正レンズがあれば十分であり、上記特許文献1のように負レンズにまで異常分散性の硝材を用いることはコスト増加の原因となる。
上記特許文献2では、レンズを保持するレンズ鏡胴や、保持枠の熱膨張に起因するピント位置を補正する構造については考慮されている。しかしながら、異常分散レンズを含むレンズ群の温度変化に起因するピント位置のズレ補正については考慮されていない。
さらに、上記特許文献3では、異常分散レンズを含むレンズ群の各レンズに加えて、画像を表示するライトバルブもレンズ鏡筒に保持しているため、レンズ鏡筒やレンズ保持枠の伸縮で、ライトバルブに対するレンズ群の相対位置も変動することとなり、レンズ群のバックフォーカス、すなわちレンズ群の光源側端面からライトバルブの光出射面までの距離が伸縮してピントが合わなくなることがある。
本発明は、温度変化に起因する異常分散レンズのピント位置のズレを高い精度で補正することが可能な投写レンズ装置及びこれを用いたプロジェクタ装置をローコストに提供することを目的とする。
本発明の投写レンズ装置では、ライトバルブに形成された画像を光源から投写される光によってスクリーン上に拡大投写する投写レンズ系であって、この投写レンズ系のなかで最も光源側に位置する光源側レンズ群に、正の屈折力を有する異常分散レンズが含まれる投写レンズ系と、前記投写レンズ系を保持し、プロジェクタ装置の筐体に設けられたマウント部を通して、前記光源側レンズ群の少なくとも一部のレンズが前記筐体の内部に配される位置まで挿入されるレンズ鏡筒と、前記マウント部及び前記レンズ鏡筒の間を連結し、前記マウント部から前記光源側レンズ群の光源側端面までの寸法を規制するとともに、前記異常分散レンズの温度変化に起因するピント位置のズレ量を、前記レンズ鏡筒の温度変化に起因する前記異常分散レンズの移動量で相殺するように前記マウント部からの軸方向寸法が設定されたインバー材からなる連結部材とを備えたことを特徴とする。
前記連結部材の軸方向寸法は、前記異常分散レンズの温度変化に起因するピント位置のズレ量が、前記レンズ鏡筒の温度変化によって伸縮する伸縮量から、前記連結部材の温度変化によって伸縮する伸縮量を引いた値に等しくなるように設定されることが好ましい。
前記レンズ鏡筒は、互いに線膨張係数の異なる第1及び第2の筒状体部材からなり、第1及び第2の筒状体部材を前記光源側レンズ群の光軸と同心円上に重ねて配置し、前記第2の筒状体部材は、前記第1の筒状体部材よりも線膨張係数が大きく、前記第2の筒状体部材の軸方向寸法は、前記第1の筒状体部材が伸縮して前記光源側端面が変位する分を相殺するように前記第2の筒状体部材が伸縮して前記光源側端面の位置を規制するように設定されており、前記連結部材の軸方向寸法は、前記異常分散レンズの温度変化に起因するピント位置のズレ量が、前記第2の筒状体部材が温度変化によってスクリーン側へ伸縮する伸縮量と、前記第1の筒状体部材が温度変化によって光源側へ伸縮する伸縮量との差から、さらに前記連結部材の温度変化によって伸縮する伸縮量を引いた値に等しくなるように設定されることが好ましい。
本発明のプロジェクタ装置は、光源と、ライトバルブと、これらを内部に収納し、マウント部を設けた筐体と、上記投写レンズ装置とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、マウント部及びレンズ鏡筒の間を連結する連結部材が、マウント部から光源側レンズ群の光源側端面までの寸法を規制するとともに、異常分散レンズの温度変化に起因するピント位置のズレ量を、レンズ鏡筒の温度変化に起因する異常分散レンズの移動量で相殺するようにマウント部からの軸方向寸法が設定されているので、温度変化に起因する異常分散レンズのピント位置のズレを高い精度で補正することを可能とし、且つローコスト化を図ることができる。
投写レンズ装置の構成を示す要部断面図である。 プロジェクタ装置の一例を示すブロック図である。 第2実施形態の投写レンズ装置の構成を示す要部断面図である。
図1は、本発明の第1実施形態を適用した投写レンズ装置がプロジェクタ装置本体に取り付けられた状態を示す要部断面図である。投写レンズ装置10は、プロジェクタ装置本体の筐体11前面に設けられたマウント部12に取り付けられている。なお、マウント部12は、例えばネジ止めにより筐体11に固定され、投写レンズ装置10が挿入される開口が形成されている。また、スクリーン(図示せず)は、投写レンズ装置10の前方に配置される。
投写レンズ装置10は、投写レンズ系13と、レンズ鏡筒14と、連結部材15とからなる。また、筐体11の内部には、投写レンズ装置10の後方に、ダイクロイックプリズム47、ライトバルブ46が配設され、さらにライトバルブ46の後方に図示しない光源が配置される。ここで図中L1は光軸を表している。ライトバルブ46としては、例えば液晶パネルを用いる。
投写レンズ系13は、前方から後方、すなわちスクリーン側から光源側へ順に、負の屈折力を有する第1レンズ群16、各々正の屈折力を有する第2レンズ群17、第3レンズ群18(光源側レンズ群)から構成され、ライトバルブ46に形成された画像を光源から投写される光によってスクリーン上に拡大投写する。
レンズ鏡筒14は、第1〜第3レンズ群16〜18をそれぞれ保持する第1〜第3鏡筒部19〜21からなる。第3鏡筒部21は、前端部が第2鏡筒部20と結合されている。レンズ鏡筒14は、第2鏡筒部20がマウント部12を貫通し、第3鏡筒部21ひいては第3レンズ群18が筐体11の内部に収納される位置まで挿入されている。
第1鏡筒部19は、第2及び第3鏡筒部20,21に対して光軸方向に移動自在に取り付けられている。また、第2鏡筒部20は、第3鏡筒部21と結合される固定筒20aと、この固定筒20aに対して光軸方向に移動自在に取り付けられた移動筒20bからなり、移動筒20bは第2レンズ群17を保持する。本実施形態では、投写レンズ装置10は、第1鏡筒部19、ひいては第1レンズ群16を光軸方向に移動させることにより、ズーム倍率を変更する変倍調節機能を有している。また、投写レンズ装置10は、移動筒20b、ひいては第2レンズ群17を光軸方向に移動させることにより、ピント調節を行うことができる。なお、これらの変倍調整及びピント調節機能については、周知の機構を用いており説明を省略する。
本実施形態の投写レンズ装置10は、色収差性能の改善のために、投写レンズ系13ののなかで、最も光源側に位置する第3レンズ群18に、正の屈折率を有する異常分散レンズ22が含まれる。この異常分散レンズ22は、アッベ数が70以上の異常分散性を有する硝材からなる。異常分散レンズ22を除く第3レンズ群18の各レンズ、第1及び第2レンズ群16,17の各レンズについては、通常の分散性を有する硝材からなる。なお、異常分散レンズ22は、第3レンズ群18の中でスクリーン側に位置しているが、異常分散レンズ22の位置はこれに限らず、第3レンズ群18の中であればどの位置でもよい。
連結部材15は、第3鏡筒部21より一回り大きく、マウント部12の後端面すなわち光源側端面12aから第3レンズ群18の光軸L1に沿って第3鏡筒部21の後端まで延びる筒部15aと、この筒部15aから、光軸L1と直交するように屈曲して、第3鏡筒部21の後端面に回り込む後端規制部15bとからなる。連結部材15は、後端規制部15bがネジ23によって第3鏡筒部21の後端にネジ止めされるとともに、筒部15aの前端がネジ24によってマウント部12の端面12aに当接した状態でネジ止めされる。これにより、第3鏡筒部21は、連結部材15を介して筐体11に固定されるため、後端の位置が規制される。
この連結部材15は、熱膨張率が小さいインバー材からなる。インバー材としては、例えばニッケル36%、鉄64%からなる合金を使用し、その線膨張係数は、0.14×10−5(/°C)である。第3鏡筒部21は、安価な金属またはプラスチックなどからなる。本実施形態では、第3鏡筒部21は、アルミニウム製の1つの部材からなる。アルミニウム製の第3鏡筒部21は、線膨張係数が2.3×10−5となっている。
連結部材15を介して第3鏡筒部21を筐体11のマウント部12に固定したことで、マウント部12の端面12aから第3鏡筒部21の後端、ひいては第3レンズ群18の最も光源側の端面18aまでの寸法(FB−BF)が規制される。さらに、マウント部12からライトバルブ46の光出射面46aまでのフランジバック寸法FBが精度良く位置決めして固定されている場合、第3レンズ群18の端面18aからライトバルブ46の光出射面46aまでのバックフォーカス寸法BFが略変動せず、規制された状態となる。
連結部材15は、異常分散レンズ22の温度変化に起因するピント位置のズレ量を、第3鏡筒部21の温度変化に起因する異常分散レンズ22の移動量で相殺するように、マウント部12の端面12aからの軸方向寸法が設定されている。
本実施形態で用いる異常分散レンズ22では、ライトバルブ46の光出射面46aを基準とする異常分散レンズ22のピント位置が、20°Cの温度上昇で70μm後方へ移動する。よって、異常分散レンズ22が20°の温度上昇で70μm前方へ移動するように連結部材15の寸法を決定する。本実施形態では、上述したように連結部材15によってマウント部12の端面12aから第3レンズ群18の端面18aまでの寸法(FB−BF)が規制されるとともに、第3鏡筒部21が、アルミニウム製の1つの部材からなるため、異常分散レンズ22の移動量は、第3鏡筒部21の伸縮量から連結部材15の伸縮量を引いた値に等しくなる。よって、連結部材15の寸法を求める式(1)は以下のように表される。なお、Aは連結部材15の軸方向寸法を示す。
((2.3×10−5)−(0.14×10−5))×20×A=0.070・・・(1)
上記式(1)から、連結部材15の軸方向寸法はA=162mmとなる。
次に本発明に係るプロジェクタ装置の実施形態について説明する。図2に示すプロジェクタ装置25では、光源部26と、この光源部26から入射される光から情報光を生成する情報光生成部27と、投写レンズ装置10とを備える。
光源部26は、ランプ31、反射鏡32、UVカットフィルタ33、インテグレータ34、リレーレンズ37、コリメートレンズ38、偏光子39などから構成される。
ランプ31は、例えばキセノンランプなどの高輝度光源であり、特定の偏光方向を持たない自然な白色光を発する。このランプ31から発せられた白色光は、UVカットフィルタ33によって紫外光が除去され、インテグレータ34に導かれる。反射鏡32は、例えば楕円曲面状の鏡であり、ランプ31から発せられる白色光を効率よくインテグレータ34に導く。
インテグレータ34は、例えば、ガラスロッドと、このガラスロッドの端面に設けられるマイクロレンズアレイなどから構成され、ランプ31から発せられる白色光を集光し、リレーレンズ37を介してコリメートレンズ38へと導く。また、インテグレータ34は、ランプ31から入射する不均一な光量分布の光を、光源光軸L2を中心として必要な範囲で略均一な光量分布となるように調節する。これにより、投映像はスクリーン40の全面で略均一な明るさの像となる。コリメートレンズ38は、インテグレータ34から入射する光を光源光軸L2に平行な光に整えて偏光子39へと入射させる。偏光子39は、コリメートレンズ38から入射する光を直線偏光に整え、反射鏡41などを介して情報光生成部27のダイクロイックミラー42へと導く。
情報光生成部27は、ダイクロイックミラー42,43、ライトバルブとしての透過型の液晶パネル46R,46G,46B、ダイクロイックプリズム47などから構成される。
ダイクロイックミラー42は、その表面の法線方向と入射する光の光軸とのなす角が45度と成るように設けられる。また、ダイクロイックミラー42は、光源部26から入射する直線偏光の白色光から赤色光成分を透過し、反射鏡49へと導く。この反射鏡49は、ダイクロイックミラー42から入射する赤色光を液晶パネル46Rへと入射させる。
一方、ダイクロイックミラー42は、光源部26から入射する白色光のうち、緑色光成分と青色光成分とを反射し、ダイクロイックミラー43へと導く。ダイクロイックミラー43は、その表面の法線方向と入射する光の光軸とのなす角が45度となるように配置される。また、ダイクロイックミラー43は、ダイクロイックミラー42から入射する光のうち、緑色光成分を反射して液晶パネル46Gへと入射させる。
さらに、ダイクロイックミラー43は、ダイクロイックミラー42から入射する光のうち、青色光成分を透過して反射鏡44へと導く。この青色光は、反射鏡44及び反射鏡45に反射されて液晶パネル46Bへと入射する。
液晶パネル46Rは、コンピュータなどから受信した画像などの投映像データのうち、赤色で表示する成分をグレースケールで表示する。したがって、反射鏡49から入射する赤色光は、液晶パネル46Rを透過すると、投映像の赤色成分の情報を持つ赤色の情報光となる。
同様に、液晶パネル46Gは、投映像データのうち緑色で表示する成分をグレースケールで表示する。したがって、ダイクロイックミラー43から入射する光は、液晶パネル46Gを透過すると投映像の緑色成分の情報を持つ緑色の情報光となり、クロスダイクロイックプリズム47へと入射する。
さらに同様にして、液晶パネル46Bは、投映像データのうち青色で表示する成分をグレースケールで表示する。したがって、反射鏡45から入射する光は、液晶パネル46Bを透過すると、投映像の青色成分の情報を持つ青色の情報光となり、クロスダイクロイックプリズム47へと入射する。
ダイクロイックプリズム47は、ガラスなどの透明素材を用いて略立方体形状につくられ、内部に互いに交差するダイクロイック面47aとダイクロイック面47bとを備える。ダイクロイック面47aは赤色光を反射し、緑色光を透過する。一方、ダイクロイック面47bは、青色光を反射し、緑色光を透過する。したがって、ダイクロイックプリズム47は、液晶パネル46R,46G,46Bからそれぞれ入射する赤色,緑色,青色の情報光を合わせて投写光とし、この投写光を投写レンズ装置10へと導くことで、スクリーン40に拡大投写された映像をフルカラーで表示させる。
なお、図2に示すプロジェクタ装置は、本発明の一実施形態を示すものであって、種々の態様の変更が可能である。例えば、透過型液晶に替えて、LCOS(反射型液晶)やDMD等の他のライトバルブを用いることが可能であり、また、単板のライトバルブを用いて色順次操作を行うように変更することも可能である。
上記構成の作用について説明する。プロジェクタ装置25を使用するときは、コンピュータなどを接続して、液晶パネル46R,46G,46Bに投映像データを供給するとともに、光源部26をオンして照明光を出射させる。これにより、ダイクロイックミラー42,43によって分離された各色光が液晶パネル46R,46G,46Bを透過して、ダイクロイックプリズム47により合成されたフルカラーの映像が投写レンズ装置10によってスクリーン40に投写される。
プロジェクタ装置25の使用を継続しているうちに、光源部26などの発熱により投写レンズ装置10の温度が上昇して、異常分散レンズ22の厚みが膨張し、屈折率が変化してくる。このとき、連結部材15によってマウント部12の端面12aから第3レンズ群18の端面18aまでの寸法(FB−BF)が規制されるとともに、異常分散レンズ22の温度変化に起因するピント位置のズレ量を、第3鏡筒部21の温度変化に起因する異常分散レンズ22の移動量で相殺するように、連結部材15の軸方向寸法Aが設定されているため、温度変化に起因する異常分散レンズ22のピント位置のズレを補正することができる。また、投写レンズ装置10に使用する異常分散レンズ22は1つだけでよいことから、投写レンズ装置10のローコスト化を図ることが可能となる。
上記第1実施形態では、第3鏡筒部を1つの部材から形成し、この第3鏡筒部で異常分散レンズを含む第3レンズ群(光源側レンズ群)を保持させるとともに、連結部材を介してマウント部に固定させる構成としていが、本発明はこれに限るものではなく、以下で説明する本発明の第2実施形態では、第3鏡筒部を、互いに線膨張係数の異なる第1及び第2の筒状体部材から形成する。
第2実施形態を適用した投写レンズ装置について、図3を用いて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の部品を用いたものについては同符号を付して説明を省略する。図3に示す投写レンズ装置60は、第1〜第3レンズ群16〜18からなる投写レンズ系13を備え、第1〜第3レンズ群16〜18がそれぞれ組み込まれた第1鏡筒部19、第2鏡筒部20、及び第3鏡筒部62からなるレンズ鏡筒61と、連結部材63とが設けられている。
第3鏡筒部62は、連結部材63と接続する結合部材64と、第3レンズ群18を保持するレンズ保持部材65と、結合部材64とレンズ保持部材65との間を連結する中間部材66とからなる。この第3鏡筒部62は、光軸L1と同心円上に位置し、線膨張係数が互いに異なる第1及び第2の筒状体部材から構成されるが、上述した結合部材64とレンズ保持部材65とが第1の筒状体部材であり、中間部材66が第2の筒状体部材である。また、結合部材64の前端は、第2鏡筒部20の後端に結合される。
本実施形態では、第1の筒状体部材としての結合部材64及びレンズ保持部材65は同じアルミニウム製で線張係数が2.3×10−5(/°C)、第1の筒状体部材よりも線膨張係数の大きい第2の筒状体部材としての中間部材66はプラスチック製で線膨張係数が7.0−5(/°C)で、連結部材63は、上記第1実施形態と同様のインバー材を使用し、線膨張係数が0.14×10−5(/°C)となっている。
中間部材66は、前端部がレンズ保持部材65の前端に、例えば接着などにより固定されるとともに、後端部が結合部材64の後端に、例えばネジ止めなどにより接続される。結合部材64の後端は、レンズ保持部材65の後端及び第3レンズ群18の光源側の端面18aに位置を合わせて配設されている。
連結部材63は、前端がマウント部12の光源側端面12aに当接した状態で固定され、マウント部12から光軸L1に沿って延びる筒状で、後端が結合部材64と結合されている。結合部材64は、マウント部12の端面12aから第3レンズ群18の端面18aまでの間の位置に、光軸L1と直交するように突出する突出部64aが形成されている。結合部材64は、突出部64aが、例えばネジ止めされることにより連結部材63に固定されている。第3鏡筒部62が温度上昇するとき、結合部材64は、連結部材63に対して前端側は前方(スクリーン側)へ膨張し、後端側は後方(光源側)へ膨張する。そして、中間部材66は、結合部材64に対して前方(スクリーン側)へ膨張し、レンズ保持部材65は、中間部材66に対して後方(光源側)へ膨張する。
第3レンズ群18は、上記第1実施形態と同様に異常分散レンズ22のピント位置が20°Cの温度上昇で70μm後方へズレる。この第2実施形態では、第3鏡筒部62が線膨張係数の異なる第1及び第2の筒状体部材から構成されるため、異常分散レンズ22の移動量は、中間部材66(第2の筒状体部材)がスクリーン側へ伸縮する伸縮量と、結合部材64及びレンズ保持部材65(第1の筒状体部材)が光源側へ伸縮する伸縮量との差から、さらに連結部材63の伸縮量を引いた値に等しくなる。
この異常分散レンズ22の移動量を求めるとき、先ずは、中間部材66(第2の筒状体部材)の軸方向寸法について考慮しなくてはならない。この第2実施形態では、先ず、結合部材64及びレンズ保持部材65(第1の筒状体部材)が光源側に伸縮して、第3レンズ群18の端面18aが変位する分を,中間部材66(第2の筒状体部材)がスクリーン側に伸縮することで相殺して第3レンズ群18の端面18aの位置を規制するとともに、上述した異常分散レンズ22のピント位置のズレ量を相殺するように(異常分散レンズ22が20°の温度上昇で70μm前方へ移動するように)、中間部材66を伸縮させなければならない。このため、中間部材66を以下の式で求められる寸法にする。なお、Bは中間部材66の軸方向寸法を示す。
((7.0×10−5)−(2.3×10−5))×20×B=0.070・・・(2)
上記式(2)から、中間部材66の軸方向寸法はB=74.5mmとなる。中間部材66の軸方向寸法をこのように設定することで、レンズ保持部材65及び結合部材64が光源側に伸縮した分を中間部材66がスクリーン側に伸縮して相殺するので、マウント部12からレンズ保持部材65の後端まで、すなわち第3レンズ群18の結像側端面18aまでの寸法が規制された状態となる。
そして、中間部材66(第2の筒状体部材)がスクリーン側へ伸縮する伸縮量と、レンズ保持部材65(第1の筒状体部材)が光源側へ伸縮する伸縮量との差は、線膨張係数の差(7.0×10−5)−(2.3×10−5)=4.7×10−5(/°C)に基づいて求められる。さらに、第3鏡筒部62の全体における異常分散レンズ22の移動量は、中間部材66及びレンズ保持部材65の伸縮による移動量から、結合部材64及び連結部材63の伸縮量を引いた値(すなわち中間部材66(第2の筒状体部材)がスクリーン側へ伸縮する伸縮量と、結合部材64及びレンズ保持部材65(第1の筒状体部材)が光源側へ伸縮する伸縮量との差から、さらに連結部材63の伸縮量を引いた値)となる。よって、連結部材63の寸法を求める式(3)は以下のように表される。なお、Cは連結部材63の軸方向寸法を示す。
((4.7×10−5)−(2.3×10−5)−(0.14×10−5))×20×C=0.070・・・(3)
上記式(3)から、連結部材63の軸方向寸法はC=155mmとなる。
以上の構成により、上記第1実施形態と同様に、温度変化に起因する異常分散レンズ22のピント位置のズレを補正することができる。また、高価なインバー材からなる連結部材63の形状を上記第1実施形態よりも簡単な形状で形成することができるため、さらなるローコスト化を図ることができる。
10,60 投写レンズ装置
11 筐体
12 マウント部
13 投写レンズ系
14 レンズ鏡筒
15,63 連結部材
18 第3レンズ群(光源側レンズ群)
21,62 第3鏡筒部
22 異常分散レンズ
25 プロジェクタ装置
40 スクリーン
46 ライトバルブ
64 結合部材
65 レンズ保持部材
66 中間部材

Claims (4)

  1. ライトバルブに形成された画像を光源から投写される光によってスクリーン上に拡大投写する投写レンズ系であって、この投写レンズ系のなかで最も光源側に位置する光源側レンズ群に、正の屈折力を有する異常分散レンズが含まれる投写レンズ系と、
    前記投写レンズ系を保持し、プロジェクタ装置の筐体に設けられたマウント部を通して、前記光源側レンズ群の少なくとも一部のレンズが前記筐体の内部に配される位置まで挿入されるレンズ鏡筒と、
    前記マウント部及び前記レンズ鏡筒の間を連結し、前記マウント部から前記光源側レンズ群の光源側端面までの寸法を規制するとともに、前記異常分散レンズの温度変化に起因するピント位置のズレ量を、前記レンズ鏡筒の温度変化に起因する前記異常分散レンズの移動量で相殺するように前記マウント部からの軸方向寸法が設定されたインバー材からなる連結部材とを備えたことを特徴とする投写レンズ装置。
  2. 前記連結部材の軸方向寸法は、前記異常分散レンズの温度変化に起因するピント位置のズレ量が、前記レンズ鏡筒の温度変化によって伸縮する伸縮量から、前記連結部材の温度変化によって伸縮する伸縮量を引いた値に等しくなるように設定されることを特徴とする請求項1記載の投写レンズ装置。
  3. 前記レンズ鏡筒は、互いに線膨張係数の異なる第1及び第2の筒状体部材からなり、第1及び第2の筒状体部材を前記光源側レンズ群の光軸と同心円上に重ねて配置し、前記第2の筒状体部材は、前記第1の筒状体部材よりも線膨張係数が大きく、
    前記第2の筒状体部材の軸方向寸法は、前記第1の筒状体部材が伸縮して前記光源側端面が変位する分を相殺するように前記第2の筒状体部材が伸縮して前記光源側端面の位置を規制するように設定されており、
    前記連結部材の軸方向寸法は、前記異常分散レンズの温度変化に起因するピント位置のズレ量が、前記第2の筒状体部材が温度変化によってスクリーン側へ伸縮する伸縮量と、前記第1の筒状体部材が温度変化によって光源側へ伸縮する伸縮量との差から、さらに前記連結部材の温度変化によって伸縮する伸縮量を引いた値に等しくなるように設定されることを特徴とする請求項1記載の投写レンズ装置。
  4. 光源と、ライトバルブと、これらを内部に収納し、マウント部を設けた筐体と、請求項1ないし3いずれか記載の投写レンズ装置とを備えたことを特徴とするプロジェクタ装置。
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WO2023119546A1 (ja) * 2021-12-23 2023-06-29 Cellid株式会社 マイクロプロジェクタ光学系及び眼鏡型端末

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