JP4617548B2 - 水和物スラリーの製造方法、水和物スラリーの製造装置および水溶液 - Google Patents

水和物スラリーの製造方法、水和物スラリーの製造装置および水溶液 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲスト化合物を含んだ水溶液を冷却して水和物スラリーを製造する方法および装置に関する。さらに特定すれば、本発明は上記の水溶液を冷却して水和物を生成する際の過冷却を防止し、水和物スラリーを確実かつ効率的に製造する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、テトラn−ブチルアンモニウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テトラiso−ブチルフォスフォニウム塩、トリiso−アミルサルフォニウム塩のような各種の塩類等のゲスト化合物を含んだ水溶液を冷却すると、水和物が生成されることが知られている。この水和物は、0℃以上の温度で生成でき、また微細な粒子となって水溶液中に浮遊して流動性の高い水和物スラリーを形成するので、空調設備等の貯冷材、または冷熱の搬送媒体として好ましい特性を有している。
【0003】
ところで、上記のような水溶液を冷却してゆくと、水和物が生成されるべき温度になっても水和物が生成されず、この温度より低温まで冷却された後に水和物が生成されるいわゆる過冷却が生じることが知られている。
【0004】
このような過冷却は、水和物を生成する際に、不所望に低い温度まで冷却する必要を生じ、これを冷却する冷凍装置の効率を低下させるばかりでなく、この過冷却された水溶液が装置の各部で不所望に水和物を生成し、装置の配管や弁等を閉塞するという不具合を生じる。
【0005】
このため、従来から、この過冷却を防止する各種の技術が開発されている。
【0006】
この過冷却防止技術の代表的なものは、この水溶液中に各種の過冷却防止用の薬剤を添加するものである。しかし、このような薬剤を添加しても、なおかつ過冷却を効果的に防止することはできず、また添加する薬剤の種類によっては水溶液の腐食性が高くなる等の不具合を生じるものがある。
【0007】
また、このような過冷却は、水溶液を部材の表面や金網等に衝突させる等、水溶液に機械的な刺激を与えることにより軽減されることも知られている。しかし、このような方法は、その過冷却防止の効果が低く、また上記の部材の表面や金網上に水和物が生成されてしまう。このため、この金網や管路が閉塞されてしまうという不具合を招き、また微細な水和物粒子の生成が困難となり、水和物スラリーの製造には適さないという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の事情に基づいてなされたもので、過冷却を効果的に防止するとともに、微細な水和物粒子の生成を容易とし、流動性に優れた水和物スラリーを効率的に製造することができる水和物スラリーの製造方法および装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された本発明の方法は、テトラn−ブチルアンモニウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テトラiso−ブチルフォスフォニウム塩及びトリiso−アミルサルフォニウム塩のいずれかのゲスト化合物を含んだ水溶液を冷却して水和物粒子を生成する際に、水和物粒子の核となる核粒子を水溶液と接触させることにより水溶液の過冷却を防止して水和物粒子を生成し水和物スラリーを製造する方法であって、水溶液として水道上水又は工業用水を用い、核粒子として水道上水又は工業用水に含まれる微粒子を用いることを特徴とするものである。
【0010】
このような水溶液が伝熱面を介して冷却され、かつこの水溶液に粒子が接触した場合には、極めて効果的に過冷却が防止され、また水溶液中の微細な水和物粒子が生成されやすくなり、流動性の高い水和物スラリーが製造される。
【0011】
すなわち、このような水溶液は、その微小部分が次々に伝熱面と接触し、この微小部分が順次過冷却状態に冷却されてゆく。もちろん、ある程度の時間が経過すると、この水溶液の微小部分は混合されて均一な温度となるものであるが、この水溶液中に核となる粒子が接触、たとえば分散浮遊していると、この核となる粒子が過冷却状態にある水溶液の微小部分にただちに接触し、その過冷却を解消して水和物の粒子を生成する。
【0012】
したがって、この水溶液の全体が過冷却の状態に至る前に、過冷却状態が解消されるので、過冷却を効果的に防止でき、また水和物粒子が生成されてゆくので流動性の高い水和物スラリーを効率的に製造することができる。
【0027】
また、請求項2に記載の装置は、テトラn−ブチルアンモニウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テトラiso−ブチルフォスフォニウム塩及びトリiso−アミルサルフォニウム塩のいずれかのゲスト化合物を含んだ水溶液を冷却して水和物粒子を生成させて水和物スラリーを製造する装置であって、上記の水溶液を貯蔵する水溶液タンクと、該水溶液タンクから供給される水溶液を冷却する生成熱交換器と、上記の水溶液を上記の生成熱交換器に供給する供給口より上流側で、上記の生成熱交換器に供給される水溶液に上記の水和物粒子の核となる核粒子を供給する核粒子供給機構とを備え、上記の生成熱交換器は、伝熱面を有し上記の水溶液をこの伝熱面に接触させて冷却し、過冷却状態にある上記の水溶液の微小部分に上記の核粒子を接触させることにより過冷却状態を解消し水和物粒子を生成するものであり、上記の水溶液は、上記のゲスト化合物を含んだ水道上水又は工業用水であり、上記の核粒子は水道上水又は工業用水に含まれる微粒子であることを特徴とするものである。
【0028】
また、請求項3に記載の水溶液は、冷却されて、テトラn−ブチルアンモニウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テトラiso−ブチルフォスフォニウム塩及びトリiso−アミルサルフォニウム塩のいずれかをゲスト化合物とする水和物粒子を生成する水溶液であって、上記の水和物のゲスト化合物を含んだ水道上水又は工業用水であり、前記水道上水又は工業用水に含まれる微粒子が上記の水和物粒子の核となり水溶液の過冷却を防止する核粒子となることを特徴とするものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
水和物スラリーを製造する場合に、過冷却を防止するために水和物粒子の核となる核粒子を水溶液に分散浮遊させることが効果的である。核粒子として、その粒径が10μm以下の微粒子を用いることが特に効果的である。このような微粒子は水溶液中で容易に分散浮遊するので、水和物粒子の核となり過冷却を防止する効果が極めて高い。粒径が10μm以下の核粒子の水溶液中の濃度は、0.1mg/L以上であれば、核粒子が水溶液とよく接触し、過冷却防止に有効である。一般的な水道上水はカオリン1mg/Lを濁度1度と定義する濁度が1度、工業用水では20度程度であるので、微粒子を0.1mg/L以上の濃度で含んでいる。したがって、ゲスト化合物を含む水溶液の水として水道上水あるいは工業用水を用いることにより、過冷却を防止することができる。粒径が10μ以下の微粒子を核粒子として用いる場合、水溶液中の濃度の上限は100mg/L程度である。上限濃度以上に多量に微粒子が分散浮遊していると、熱交換器の伝熱性能が低下するので好ましくない。
【0035】
また、核粒子として、その粒径が100μm以下の微粒子を用いる場合には、水溶液を攪拌することにより、核粒子を水溶液中に分散浮遊させ、過冷却を防止する効果が高い。攪拌する手段として、水溶液中に噴流を生じさせる手段や攪拌羽根を回転して攪拌する手段などを用いる。水溶液中の濃度の好ましい範囲は1mg/Lから5g/Lの範囲である。上限値より濃度が高いと水和物スラリー生成装置内で吹きだまりやよどみを生じるので好ましくない。下限値より濃度が低いと過冷却を防止する効果が低くなる。
【0036】
また、核粒子として、その粒径が300μm以下の微粒子を用いる場合には、核粒子を水和物スラリー生成装置内の内壁、攪拌翼など水溶液と接触する面に付着させて、核粒子を水溶液に接触することにより、過冷却を防止する。水溶液に対して核粒子を1g/L以上の濃度となるように付着させる。水溶液と接触する面全体に付着してもよい。
【0037】
また、微粒子として、その比重が水溶液の比重より大きい微粒子を用いて、水溶液中に分散浮遊することにより、過冷却を防止することができる。この核粒子は、水溶液中で沈降するので、水溶液とよく接触し、水和物粒子の核となりやすい。水和物生成装置内の水溶液中を微粒子が沈降する時間と水和物スラリーを生成する時間とを適切になるように装置の設計や運転方法を定めることにより、安定して水和物スラリーを製造できる。
【0038】
上記のような各種の核粒子を水溶液と接触させることにより水和物粒子を生成し、過冷却を防止する方法は単独で用いて効果の高いものであるが、二つまたは三つを併用しても高い効果が得られる。
【0039】
以下、図を参照して本発明の方法およびこれを実施する装置の一実施形態について説明する。この実施形態のものは、ゲスト化合物として臭化テトラn−ブチルアンモニウム(TBAB)を含んだ水溶液を冷却して水和物スラリーを製造するものである。なお、この実施形態では、説明および理解を容易にするために、本発明の特徴を備えた複数の態様の機構を併用し、かつ本発明の方法の複数の態様を実施するように構成されているが、実際の装置および方法では、これら全てを併用する必要は必ずしもない。
【0040】
図1中の符号1は、上記の水溶液を冷却して水和物スラリーを生成する生成熱交換器を示す。この実施形態の場合、図2に示すように、この生成熱交換器1は円筒状をなし、その内周面が伝熱面1aとして形成され、この伝熱面1aの周囲は冷却媒体が流通される冷却ジャケット8で囲まれている。そして、この冷却ジャケット8には、冷凍装置2からポンプ3により冷却媒体が循環され、上記の伝熱面1aを介して内部の水溶液を冷却し、水和物を生成するように構成されている。
【0041】
また、この生成熱交換器1の内部中心には、回転軸5が配置されており、この回転軸5は駆動機構4により所定の速度で回転駆動される。また、この回転軸5には、螺旋形をなす剥離羽根部材9が取付けられており、この剥離羽根部材9は上記の伝熱面1aに摺接しながら上記の回転軸5とともに回転し、この伝熱面1aに付着した水和物を剥離してこの伝熱面1aの熱交換効率の低下を防止するとともに、剥離した水和物を水溶液中に分散させ、より均一な水和物スラリーを生成する。
【0042】
また、上記の剥離羽根部材9は、上記のような作用とともに、この生成熱交換器1内の水溶液を攪拌して流動状態とする。なお、この水溶液を流動状態とする手段は、このようなものには限らず、この水溶液が層流状態で伝熱面1aに接触しながら流れてこの伝熱面1aに接触する微小部分が入れ替わらないような状態が発生するのを防止するように、この水溶液を流動状態に維持する手段であれば、どのようなものでも良い。
【0043】
そして、上記の剥離羽根部材9の表面には、図3に示すように、核粒子を付着した面10が設けられている。この核粒子付着面10は、微粒子、たとえば溶鉱炉のスラグに水を噴射して微細に破砕した水砕スラグ粒子を適切なバインダと混和して塗布したものである。なお、この核粒子付着面10は、上記のような剥離羽根部材の表面に設けられているものには限定されず、流動状態の水溶液が接触する部材の表面であれば、どこでも良い。
【0044】
次に、上記の生成熱交換器1に水溶液を供給して循環する機構を説明する。図中の11は、この水溶液を貯蔵する水溶液タンクであって、この水溶液タンク11内の水溶液は、ポンプ13により供給配管15、混合器16を介して上記の生成熱交換器1の供給口6に供給される。
【0045】
そして、この生成熱交換器1内で冷却されて生成された水和物スラリーは、排出口7から排出され、分配器21を介して水和物スラリータンク22に送られ、貯蔵される。なお、この水和物スラリータンク22および前記の水溶液タンク11には、攪拌装置12が設けられている。
【0046】
この水和物スラリータンク22内の水和物スラリーは、このタンクの底部から取り出され、水和物濃度調節器23に送られる。この水和物濃度調節器23には、前記の水溶液タンク11からポンプ28により配管29を介して水溶液が送られ、この水和物スラリーと適宜混合されてこの水和物スラリーの固相分率等濃度が調節され、ポンプ24により送り配管25を介して空調機器等の負荷側機器26に供給される。そして、この負荷側機器26で利用された後の水溶液は、戻り配管27を介して前記の水溶液タンク11に戻される。
【0047】
次に、上記のような管路に設けられ、過冷却を防止する核粒子供給機構を説明する。まず、この系統を流通する水溶液には、あらかじめ所定量の核粒子が混入されている。この核粒子は、各種のものが使用できる。前述した水砕スラグ粒子が好ましく、この水砕スラグ粒子は、安価であるとともに、特性が安定し、また過冷却を防止する効果が高い。なお、この水砕スラグ粒子はその比重が水溶液より大きく、沈降性を有している。
【0048】
そして、まず第1に、上記の生成熱交換器1の排出口7から排出された水和物スラリーの一部は、前記の分配器21から配管31を介してポンプ32により前記の混合器16に供給され、水溶液とともに上記の生成熱交換器1の供給口6に送られるように構成されている。
【0049】
また、上記の水和物スラリータンク22の底部から取り出された水和物スラリーの一部は、配管33を介して過冷却防止用の水和物粒子タンク34に送られ、貯蔵される。この水和物粒子タンク34は、たとえば断熱タンクであり、送られて来た水和物スラリーを、その水和物粒子を融解させずに所定期間貯蔵する能力を有している。
【0050】
そして、この水和物粒子タンク34内の水和物スラリーは、ポンプ35により配管36を介して前記の混合器16に送られ、水溶液とともに上記の生成熱交換器1の供給口6に送られるように構成されている。
【0051】
また、この装置には、水和物粒子生成機構14が設けられている。この水和物粒子生成機構は、上記の生成熱交換器を含むこの水和物製造装置とは独立して運転が可能なもので、少量の水和物粒子を含む水和物スラリーを製造する能力を有している。
【0052】
そして、この水和物粒子生成機構14で製造された水和物スラリーは、上記の混合器16に送られ、水溶液とともに上記の生成熱交換器1の供給口6に送られるように構成されている。
【0053】
次に、上記のような装置の作用、および本発明の過冷却防止の方法を説明する。まず、この装置が運転されると、前述のように生成熱交換器1内で水溶液が流動状態で伝熱面1aに接触し、冷却される。この場合に、この水溶液の微小部分は伝熱面1aに接触して過冷却の状態となっても、この微小部分は直ちに流動し、前述した剥離羽根部材9の核粒子付着面10に接触する。そして、この核粒子付着面10の核粒子すなわち水砕スラグ粒子との接触により、この微小部分の過冷却が解消され、水和物の粒子が生成される。これにより、この生成熱交換器1内の水溶液全体が過冷却になることはなく、過冷却が効果的に防止される。
【0054】
また、前述したように、この水溶液中には水砕スラグ粒子等の核粒子が混入されており、その一部がこの水溶液とともに生成熱交換器1内に流入する。したがって、この核粒子がこの水溶液の過冷却状態の微小部分と接触することにより、上記のように過冷却を解消して水和物の粒子を生成する。
【0055】
上記のような核粒子は、これを核として水和物粒子が生成されると、この生成された粒子から排除される。したがって、この水溶液中の核粒子は、生成された水和物スラリーとともに水和物スラリータンク22に送られ、このタンク内で分離してその底部に沈殿してゆく。よって、この装置の運転を続けると、この核粒子は次第にこの水和物スラリータンク22の底部に沈殿堆積してゆき、水溶液中に浮遊する核粒子の量が減少してゆく。
【0056】
そして、このような場合に対処するために、前記の配管31を介して、排出される水和物スラリーの一部がポンプ32により混合器16を介して生成熱交換器1内に供給される。この水和物スラリー中の水和物粒子は、前記の核粒子と同様に、過冷却を解消し、水和物粒子を生成する。この水和物粒子は、生成すべき水和物と同種の水和物であるので、この水和物生成の核としては最も効果的で、過冷却防止の効果が極めて高い。
【0057】
また、この装置が運転を休止した後、再起動するような場合には、上記のような生成熱交換器1から排出される水和物スラリーが得られない。このような場合には、前記の水和物粒子貯蔵タンク34内に貯蔵されている水和物スラリーを配管36を介して生成熱交換器1の供給口6に供給する。
【0058】
なお、この水和物粒子貯蔵タンク34内の水和物粒子がすべて融解してしまった場合でも、このタンク内の水溶液を生成熱交換器1に供給することにより、過冷却防止の効果が得られる。すなわち、上記のように、核粒子は上記の水和物スラリータンク22の底部に堆積しているので、この核粒子は上記の水和物粒子貯蔵タンク34内に回収されている。したがって、この核粒子を水溶液とともに生成熱交換器1に供給することにより、過冷却を防止することができる。したがって、この水和物粒子貯蔵タンク34およびこれに関連した管路は、核粒子の回収、再供給機構を兼用している。
【0059】
また、この装置の起動の際に、上記の水和物粒子貯蔵タンク34からの水和物スラリーの供給ができない場合には、前記の水和物粒子生成機構14を独立して先に運転し、生成された水和物スラリーを上記の生成熱交換器1に供給することにより、過冷却を防止することができる。
【0060】
前述のように、この装置の運転を続けると、核粒子が水和物スラリータンク22の底部に堆積して水溶液中に浮遊する核粒子がほとんど無くなってしまうことがある。このような状態でこの装置を再起動する場合には、極めて大きな過冷却が生じてしまうことがあるが、上記のように、水和物粒子生成機構からあらかじめ水和物粒子を生成熱交換器1に供給しておくことにより、過冷却を効果的に防止することができる。
【0061】
なお、説明すべき実施形態の数が不所望に多くなるのを避けるために、前述のようにこの実施形態には本発明の装置の各機構の態様、方法の態様を複数兼備して説明してあるが、上記の機構や方法の態様をすべて兼備する必要はなく、実際の装置では、いずれかひとつまたは複数のものを採用すれば良い。
【0062】
次に、上記の各方法および機構の態様の効果を確認するためにおこなった実験の結果を図4ないし図7を参照して説明する。この実験は、TBABの水溶液を冷却しながら攪拌し、上記の各手段、すなわち核粒子として粒径100μm以下の水砕スラグ粒子を水溶液中に濃度1mg/L以上となるように混入した場合、容器内に核粒子として粒径300μm以下の水砕スラグ粒子を被着した部材を浸漬した場合、水和物粒子を混入した場合等の効果を確認したものである。
【0063】
なお、参考例として、水溶液を攪拌せずに冷却した場合についての過冷却の状態を測定するため、TBABの濃度25wt%の水溶液を攪拌せずに冷却し、示差熱量計を用いて測定をした。この結果、水溶液は−16℃まで冷却されてから過冷却が解除された。
【0064】
図4は、水溶液中に核粒子を混入しなかった場合のものである。この図から明らかなように、水溶液濃度が40%、19.8%のいずれの場合も、約−2℃まで過冷却が生じた。
【0065】
図5は、水溶液中に核粒子として粒径100μm以下の水砕スラグ粒子を混入した場合のものである。この図から明らかなように、過冷却は水溶液濃度が40%の場合は約5℃まで、19.8%の場合は6℃までで、過冷却防止の効果が高いことが示されている。
【0066】
また、図6は、核粒子として粒径300μm以下の水砕スラグ粒子を付着させたガラス棒を水溶液中に浸漬した場合のもので、濃度が19.8%の場合は約1℃まで過冷却が生じたが、濃度40%の場合には約6℃程度の過冷却であり、濃度によっては過冷却防止の効果が高いことが示されている。
【0067】
また、図7は、水溶液中に水和物粒子を混入した場合のものである。なお、この場合は、参考のために水溶液の調製に蒸留水と上水を使用した場合の両方の結果を示してある。この図から明らかなように、いずれの場合も、濃度19.8%の場合は、約7℃、濃度40%の場合は10℃までしか過冷却が生じておらず、極めて高い効果が得られている。
【0068】
なお、本発明は上記の実施形態には限定されない。たとえば、上記の実施形態では、剥離羽根部材を備えた冷却胴形の生成熱交換器を使用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、たとえばシェルアンドチューブ型の生成熱交換器を使用した場合にも適用できる。
【0069】
また、本発明で使用する核粒子は、比重の大きいものには限らず、たとえば水溶液の比重と略等しい比重の核粒子を使用しても良い。このような核粒子は、水溶液とともに流通し、沈降することがないので、この核粒子の沈殿に起因する各種の不具合を防止することができる。
【0070】
【発明の効果】
上述のように、本発明の方法および装置によれば、水溶液を冷却して水和物スラリーを製造する場合の過冷却を極めて効果的に防止することができ、また本発明の方法および装置は簡単かつ容易に実施することができる等、その効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の装置の概略構成図。
【図2】一実施形態の生成熱交換器の一部の縦断面図。
【図3】図2の3−3線に沿う剥離羽根部材の断面図。
【図4】本発明の効果を確認するために実施した実験結果を示す線図。
【図5】本発明の効果を確認するために実施した実験結果を示す線図。
【図6】本発明の効果を確認するために実施した実験結果を示す線図。
【図7】本発明の効果を確認するために実施した実験結果を示す線図。
【符号の説明】
1 生成熱交換器
1a 伝熱面
9 剥離羽根部材
10 核粒子付着面
14 水和物粒子生成機構
22 水和物スラリータンク
34 水和物粒子タンク

Claims (3)

  1. テトラn−ブチルアンモニウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テトラiso−ブチルフォスフォニウム塩及びトリiso−アミルサルフォニウム塩のいずれかのゲスト化合物を含んだ水溶液を冷却して水和物粒子を生成する際に、水和物粒子の核となる核粒子を水溶液と接触させることにより水溶液の過冷却を防止して水和物粒子を生成し水和物スラリーを製造する方法であって、水溶液として水道上水又は工業用水を用い、核粒子として水道上水又は工業用水に含まれる微粒子を用いることを特徴とする水和物スラリーの製造方法。
  2. テトラn−ブチルアンモニウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テトラiso−ブチルフォスフォニウム塩及びトリiso−アミルサルフォニウム塩のいずれかのゲスト化合物を含んだ水溶液を冷却して水和物粒子を生成させて水和物スラリーを製造する装置であって、上記の水溶液を貯蔵する水溶液タンクと、該水溶液タンクから供給される水溶液を冷却する生成熱交換器と、上記の水溶液を上記の生成熱交換器に供給する供給口より上流側で、上記の生成熱交換器に供給される水溶液に上記の水和物粒子の核となる核粒子を供給する核粒子供給機構とを備え、上記の生成熱交換器は、伝熱面を有し上記の水溶液をこの伝熱面に接触させて冷却し、過冷却状態にある上記の水溶液の微小部分に上記の核粒子を接触させることにより過冷却状態を解消し水和物粒子を生成するものであり、上記の水溶液は、上記のゲスト化合物を含んだ水道上水又は工業用水であり、上記の核粒子は水道上水又は工業用水に含まれる微粒子であることを特徴とする水和物スラリーの製造装置。
  3. 冷却されて、テトラn−ブチルアンモニウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テトラiso−ブチルフォスフォニウム塩及びトリiso−アミルサルフォニウム塩のいずれかをゲスト化合物とする水和物粒子を生成する水溶液であって、上記の水和物のゲスト化合物を含んだ水道上水又は工業用水であり、前記水道上水又は工業用水に含まれる微粒子が上記の水和物粒子の核となり水溶液の過冷却を防止する核粒子となることを特徴とする水溶液。
JP2000246333A 1999-11-26 2000-08-15 水和物スラリーの製造方法、水和物スラリーの製造装置および水溶液 Expired - Fee Related JP4617548B2 (ja)

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