JP4616427B2 - 珪素含有熱延板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機器の鉄心材料として用いられる、磁束密度が高く、鉄損が低い優れた磁気特性を有する無方向性電磁鋼板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、無方向性電磁鋼板がその鉄心材料として使用される回転機においては、世界的な電力、エネルギー節減、環境保全の動きの中で、高効率化の動きが急速に広まりつつある。このため、無方向性電磁鋼板に対しても、その特性向上、すなわち、高磁束密度かつ低鉄損化への要請がますます強まってきている。また、世界的大競争時代に突入しつつある中、需要家からは低コストで磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の提供を強く求められている。
【0003】
ところで、無方向性電磁鋼板においては、従来、低鉄損化の手段として一般に、電気抵抗増大による渦電流損低減の観点からSiあるいはAl等の含有量を高める方法がとられてきた。しかし、この方法では反面、磁束密度の低下は避け得ないという問題点があった。このような問題点の克服のために、熱延板結晶粒径を粗大化することで磁束密度と鉄損の両方を改善させる方法が行われてきた。
【0004】
従来技術による無方向性電磁鋼板の冷延前結晶組織を安価に粗大化する技術として、再結晶および粒成長の進行の緩慢な高Si系成分のハイグレード無方向性電磁鋼板の磁気特性を制御熱延により改善する技術として、特開昭59−74222号公報には、仕上熱延最終スタンドの圧下率を20%以上として、熱延板の巻取温度を700℃以上とする技術が開示されている。この出願においては、最終スタンド圧下率を高めて巻取温度を上昇させることにより熱延終了後の熱延組織の再結晶および粒成長を促進し、結果として磁気特性を改善することを狙っている。しかしながら鋼板中のSi含有量が高い場合、この技術では熱延板の再結晶は促進されるものの、その後の粒成長が不十分であり、粒成長を十分に進行させるためには巻取後のコイルを長時間高温で保持する必要があり、この高温での保持中に内部酸化が進行し鉄損が悪化する。このため従来の技術ではSi含有量の高いハイグレード無方向性電磁鋼板における高磁束密度と低鉄損の両立は困難であった。
【0005】
また、特開昭54−76422号公報には仕上熱延後の熱延板を700℃から1000℃の高温で巻取り、これをコイルの保有熱で焼鈍する自己焼鈍法が開示されている。
【0006】
しかしながらこの技術においてはコイルを高温で巻き取ることによるコイル内温度不均一によるコイル長手方向の磁気特性の変動、また長時間の自己焼鈍中に生じる内部酸化層の発生により仕上焼鈍時の結晶粒成長が不十分となり、結果として鉄損が悪化するという問題点があった。
【0007】
このほかにも、冷間圧延を一回施すことにより最終板厚に仕上げる一回法では、熱延板焼鈍、二回法では一回目と二回目の冷延の間に中間焼鈍を実施し、冷延前結晶粒径の粗大化をはかる方法が公知である。しかし、これらの方法では冷延前結晶粒径を粗大化するために熱延板焼鈍を施す必要があるが、これが製品コストの上昇を招き、需要家の素材への低コスト化要求に応えることが出来なかった。
【0008】
また従来技術による高磁束密度化方法によると、製品のL方向の磁束密度の値は高くなるが、他の方向の磁束密度は冷延前結晶粒径を粗大化しない場合とほとんど変化せず、無方向性電磁鋼板としての磁気特性の異方性が増大する。
【0009】
その結果として、この様な従来技術による高磁束密度無方向性電磁鋼板を、特に回転機として使用に供する場合、モーターの回転むらであるコギング発生を防止するためにロータ、ステータの鉄心を回し積みにしなければならず、需要家での作業コストの上昇を招くという問題があった。
【0010】
この様な従来技術による高磁束密度無方向性電磁鋼板における課題に対処するには、鉄の磁化容易軸である<100>方向を板面内に有する結晶粒をより多く含有する無方向性電磁鋼板の開発が待たれていた。また、昨今のメガコンペティションの時代においては、磁気特性に優れるだけでなく、安価な製造方法の開発が待たれていた。
【0011】
一方で、鉄損低減の為に、単にSiあるいはAl等の含有量を高めるのみではなく、鋼を高純度化する技術として、Si含有量が2.5%〜4.0%である鋼において、特開昭59−74258号公報にはS≦15ppm、O≦20ppm、N≦25ppmの高純度鋼化を図る方法が、特開昭59−74257号公報にはS≦15ppm、O≦20ppm、N≦25ppmに加えてTi+Zr+Ce+Ca≦150ppmとする方法が、特開昭59−74223号公報にはS≦15ppm、O≦20ppm、N≦25ppmに加えて仕上焼鈍時の昇温速度を300℃/S以上とする技術が、特開昭59−74224号公報には一回冷延法においてS≦15ppm、O≦20ppm、N≦25ppmに制限する規定に加えて熱延板焼鈍条件を規定しかつ冷間圧延率を65%以上に規定する技術が、特開昭59−74225号公報には二回冷延法においてS≦15ppm、O≦20ppm、N≦25ppmの規定に加えて中間焼鈍条件を規定しかつ二回目の冷間圧延率を70%以上に規定する技術がそれぞれ開示されている。
【0012】
これらのS、O、Nの低減を中心とした技術では、Si含有量の高いハイグレード無方向性電磁鋼板の制御熱延による冷延前結晶組織粗大化が不十分であるという課題があった。このため、これらの技術においては一回法では熱延板焼鈍、二回法では一回目と二回目の冷延の間に中間焼鈍を実施し、冷延前結晶粒径の粗大化をはかる必要があった。このため製造コストの増大を招く問題があった。さらに、介在物制御、ならびにS、O、N等の不純物を低減するために製鋼のコストが増大するという難点があり、需要家からの低コスト材提供の要求に応えることが出来なかった。
【0013】
また、低コスト無方向性電磁鋼板を提供する手段として、特開平9−194939号公報には、粗熱間圧延後、シートバーを巻取り均熱処理を施した後、板厚1mm以下のホットファイナル無方向性電磁鋼板を製造する技術が開示されている。しかしながらシートバーの巻取りによるシートバー自身の均熱化のみで薄手熱延板を安定製造することには限界があり、薄手材を製造した場合に、仕上熱延の圧下率が増大することからシートバー噛み込み時にスタンド間で上反りが生じやすく、結果として圧延を停止せざるを得なかった。また、仕上熱延の圧下率低減のためにシートバーを薄手化すると、シートバー巻取りを行ったとしても、シートバーの温度むら生じるため、成品の特性がコイル採取位置に対して安定せず、限界があった。この様に、薄手ホットファイナル無方向性電磁鋼板の製造には大きな課題を残していた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のコスト増を招く高磁束密度無方向性電磁鋼板製造法の問題点を解決し、安価で磁気特性に優れた珪素含有熱延板及びその鋼板を安定して製造する方法を提供することを主目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1) 重量%で、
0.31%≦Si≦4.0%、
0.05%≦Mn≦1.5%
酸可溶性Alを0.001%以上0.0020%以下
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる熱延板において、板厚が0.8mm以下であり、圧延方向に対し45°、135°方向の磁束密度が、他の方向に比べ高いことを特徴とする珪素含有熱延板。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の請求項1においては、圧延方向に対し45°、135°の方向の励磁電流5000A/mにおける磁束密度B50の値が他の方向に対し高いことを特徴としている。その測定方法としては、圧延方向に対しそれぞれ0°、22.5°、45°、67.5°、90°、112.5°、135°、157.5°、180°の方向にJISC2550に定められたエプスタイン試験片を切り出し、それぞれの方向のみの試料を用いて測定したエプスタインデータを用いて発明の範囲に適合するかどうかの判定を行う。また、その測定は圧延方向に対しそれぞれ0°、22.5°、45°、67.5°、90°、112.5°、135°、157.5°、180°の方向に切り出した試料を用いてシングルシートテスター、略称SSTを用いて行う簡便法によっても判定しても良い。
【0017】
発明者らは、低鉄損と高磁束密度を同時に達成すべく従来技術における問題点を鋭意検討を重ねた結果、重量%でSiを0.31%以上4.0%以下、Mnを0.05%以上1.5%以下、Alを0.001%以上0.002%以下含有する鋼にあって、仕上熱間圧延時の熱延ロールと鋼板との平均摩擦係数を0.25以下とすることにより、薄手ホットファイナル無方向性電磁鋼板の圧延を安定して行うことができることを見出すと共に、板面内の磁束密度の高い方向を4方向有し、特に回転機にとり極めて好ましい磁束密度の異方性を有するホットファイナル無方向性電磁鋼板ならびにその製造法を見出し、発明の完成に至った。また、本発明の様な低摩擦率の仕上熱間圧延を安定的に行うために、粗圧延後のシートバーを、先行するシートバーに接合し、仕上熱間圧延を連続的に行うことで、低摩擦圧延時のロールのスリップを防止し、スリップ疵等のない表面性状の優れた鋼板を製造することが可能であることも見いだした。
また、この無方向性電磁鋼板の鉄損のグレード作り分けには、仕上熱延の終了温度を制御することが最も有効であることをも見出した。
【0018】
以下に、本発明の詳細について説明する。
まず、成分について説明すると、Siは鋼板の固有抵抗を増大させ渦流損を低減させ、鉄損値を改善するために添加される。Si含有量が0.31%未満であると本発明が目的とする低鉄損無方向性電磁鋼板に必要な固有抵抗が十分に得られないので0.31%以上の量を添加する必要がある。一方、Si含有量が4.0%を超えると圧延時の耳割れが著しく増加し、圧延が困難になるので4.0%以下とする必要がある。
【0019】
鋼中のAlは不純物レベルであってもなんら問題はないが、AlはSiと同様に鋼板の固有抵抗を増大させ渦電流損を低減させる効果を有するので、特に低鉄損を得たい場合には0.001%以上0.002%以下添加するのが好ましい。多量にAl添加した場合には、磁束密度が低下し、コスト高ともなるので1.5%以下とする。
【0020】
Mnは、Al、Siと同様に鋼板の固有抵抗を増大させ渦電流損を低減させる効果を有する。この目的のため、Mn含有量は0.05%以上とする必要がある。一方、Mn含有量が1.5%を超えると熱延時の変形抵抗が増加し熱延が困難となるとともに、熱延後の結晶組織が微細化しやすくなり、製品の磁気特性が悪化するので、Mn含有量は1.5%以下とする必要がある。
【0021】
また、Mn添加量は仕上げ熱延前の高温のシートバー接合部の強度確保の点からもきわめて重要である。なぜなら、低融点の硫化物が結晶粒界に存在することによるシートバー接合部の熱間脆化を防止するために、MnとSとの重量濃度の比であるMn/Sの値を20以上とすることが必要であるからである。本発明に規定する成分範囲では、Mn含有量が0.05%以上であり、S含有量は0.005%以下とすれば、Mn/Sの値は20以上に保たれ、この観点からは問題がない。
【0022】
また、製品の機械的特性の向上、磁気的特性、耐錆性の向上あるいはその他の目的のために、P、B、Ni、Cr、Sb、Sn、Cuの1種または2種以上を鋼中に含有させても本発明の効果は損なわれない。
【0023】
C含有量が0.005%を超えると使用中の磁気時効により鉄損が悪化して使用時のエネルギーロスが増加するため、0.005%以下に制御することが好ましい。
【0024】
S、Nは熱間圧延工程におけるスラブ加熱中に一部再固溶し、熱間圧延中にMnS等の硫化物、AlN等の窒化物を形成する。これらが存在することにより熱延組織の粒成長を妨げるとともに仕上げ焼鈍時の結晶粒成長を妨げ鉄損が悪化するのでSは0.005%、Nは0.005%以下にすることが好ましい。
【0025】
次に本発明のプロセス条件について説明する
【0026】
削除
【0027】
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【0028】
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【0029】
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【0033】
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【0034】
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【0035】
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【0036】
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【0037】
本発明のごとく仕上熱間圧延で薄手仕上げする場合、仕上熱延機へのシートバーの噛み込み時に、スタンド間におけるシートバーの上ぞりによるシートバーの噛み込み不良の発生や、仕上熱延中にロールと鋼板の間にスリップが生じ、圧延ロールの寿命を著しく縮めるとともに、鋼板表層に深い圧延疵を生じせしめる場合があるという問題が明らかになった。この様な薄手材の仕上熱間圧延における問題点を解決し、安定的に操業を行う方法として、粗圧延後のシートバーを、仕上熱間圧延前に先行するシートバーに接合し、当該シートバーを連続して仕上熱間圧延に供することが有効である。この方法は、潤滑油中の油脂濃度を上昇させて摩擦係数を低減させた場合に、ロールのスリップを防ぎ、圧延疵を防止することに対して特に効果的である。
【0038】
削除
【0039】
削除
【0040】
削除
【0041】
図1に仕上げ熱延終了温度と鉄損W15/50 ROUND との関係を示す。図1から、ホットファイナル無方向性電磁鋼板の鉄損の値が、仕上げ熱延終了温度を制御することによりコントロールすることが出来る。金属組織観察の結果、800℃未満の低温側では圧延組織の歪の解放が不十分で鉄損が悪化することが判明した。また、875℃超の高温側では、熱延終了後冷却過程でγ相からα相への変態が進行した結果、得られたホットファイナル無方向性電磁鋼板の結晶組織が微細化してしまい、鉄損が悪化したことが判明した。800℃以上875℃以下の範囲においては、仕上げ熱延終了温度を上昇させることにより、鉄損の値の制御が可能である。この様に、ホットファイナル無方向性電磁鋼板製造においては、仕上げ熱延の終了温度を変化させることにより、鉄損の改善が可能であるばかりでなく、鉄損のグレードそのものの造り分けも可能であることが図1よりわかる。
【0042】
仕上熱延時にロール冷却水に混入する油脂の量は体積比で0.5%以上20%以下とする。油脂と冷却水が分離することを防止するために必要に応じ界面活性剤を加えてもよい。ロール冷却水中の油脂量が0.5%未満ではその効果が得られず、20%超ではその効果が飽和し、不経済であるので20%以下とする。
【0043】
このようにして得られた熱延板は酸洗後、さらにスキンパス圧延工程を付加して製品としてもよい。スキンパス圧延率は2%未満ではその効果が得られず、20%超では磁気特性が悪化するため2%から20%とする。
【0044】
【実施例】
次に、本発明の実施例について述べる。
[実施例1]
本発明の最たる特徴である、回転機として優れた磁気特性の異方性について実施例を示す。表4に示す成分の鋼を溶製し仕上げ熱延を実施した。比較例では仕上熱延の板厚を2.5mmとし、冷間圧延により0.65mmに仕上げ、950℃、30秒の仕上げ焼鈍を施した。本発明例では、仕上げ熱間圧延により0.65mmの薄手に仕上げ、酸洗を施した。仕上げ熱間圧延の終了温度は850℃とした。両者の試料から、それぞれ圧延方向に対し0°、22.5°、45°、67.5°、90°、112.5°、135°、157.5°、180°方向のエプスタイン試料を切り出し、それぞれの磁束密度を測定した。測定結果を表5に示す。
【0045】
【表4】
Figure 0004616427
【0046】
【表5】
Figure 0004616427
【0047】
表5より、本発明のホットファイナル無方向性電磁鋼板では45°、135°方向の磁束密度が比較材のL方向の磁束密度よりも高いことが分かる。また、比較材では圧延方向に対して0°方向と、その逆方向である180°方向の磁束密度が最も高いが、本発明のホットファイナル無方向性電磁鋼板では圧延方向に45°方向、135°方向の磁束密度が最も高くなっている。これにより、本発明のホットファイナル無方向性電磁鋼板は、圧延方向から一周回転していってみた場合に、磁束密度の高い方向を4方向有することになる。これに対し、比較材では、磁束密度の高い方向は、圧延方向とその逆方向である180°の2方向のみに限られる。また、その値も本発明に比べて劣っていることが分かる。
【0048】
この様に、本発明によれば、磁束密度の値が圧延方向に対して4方向高いホットファイナル無方向性電磁鋼板を提供できるだけでなく、その値も従来の冷延電磁鋼板と比較して高磁束密度であることが分かる。
【0049】
[実施例2]
製品板厚と磁束密度の関係について明らかにするため、下記の実験を行った。表6の成分の鋼にて、ホットファイナル無方向性電磁鋼板を板厚を変えて製造し、内径20mm、外径40mmのリング試料を採取し、磁束密度を測定し、板厚との関係を調査した。また、本実験では仕上げ熱延のロール冷却水に50℃での動粘性係数が400cSt(センチストークス)の潤滑油を体積にて3%混入して仕上げ熱延を行った。潤滑油を混入した冷却水の温度は50℃とした。仕上げ熱延時の鋼板とロールの摩擦係数は0.20〜0.23であった。
【0050】
【表6】
Figure 0004616427
【0051】
その後、酸洗を施し、0°から180°まで22.5°おきにエプスタイン試料に切断し、各方向でのエプスタイン測定値から、下記の式に従ってB50ROUND を測定した。表7に本発明と比較例の板厚と磁気測定結果をあわせて示す。
B50ROUND={B50+(B5022.5+B5045+B5067.5+B5090
+B50112.5+B50135+B50157.5)×2 +B50180 }/16
【表7】
Figure 0004616427
【0052】
表7より、板厚1.20mm以下では高い磁束密度が得られることが分かる。また、板厚0.80mm以下では更に高い磁束密度を得ることが可能であることが分かる。
【0053】
削除
【0055】
削除
【0056】
削除
【0057】
削除
【0058】
削除
【0059】
[実施例4]
表10に示した成分を有するスラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延機により厚み30mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上げ熱延機により1.0mmに仕上げた。仕上げ熱延機のロール冷却水に油脂をエマルジョン状態で混入し、その混入量を変えることにより摩擦係数を調整した。摩擦係数は各スタンドにおける実測の先進率より計算した。また、仕上熱間圧延時に鋼板とワークロール間にスリップが生じ鋼板の表面に疵が形成されることを防止するために、粗圧延後のシートバーを先行するシートバーに溶接し、仕上熱間圧延を連続して行った。この時、熱延仕上げ温度は860℃とした。
【0060】
【表10】
Figure 0004616427
【0061】
その後、酸洗を施し、0°から180°まで22.5°おきにエプスタイン試料に切断し、各試料でのエプスタイン測定値から、下記の式に従ってB50ROUND を測定した。表11に本発明と比較例の成分と磁気測定結果をあわせて示す。
B50ROUND ={B50+(B5022.5+B5045+B5067.5+B5090
+B50112.5+B50135 +B50157.5)×2+B50180}/16
【表11】
Figure 0004616427
【0062】
このように仕上げ熱延時に少なくとも1パスの圧延ロールと鋼板との間の摩擦係数を0.25以下に低減すれば、磁束密度の値が高い磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板を得ることが可能である。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、磁気特性の優れた珪素含有熱延板を供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図】 熱間圧延仕上温度と鉄損との関係を示す図表である。

Claims (1)

  1. 重量%で、
    0.31%≦Si≦4.0%、
    0.05%≦Mn≦1.5%
    酸可溶性Alを0.001%以上0.0020%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる熱延板において、板厚が0.8mm以下であり、圧延方向に対し45°、135°方向の磁束密度が、他の方向に比べ高いことを特徴とする珪素含有熱延板。
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