JP4611704B2 - 熱間プレス用金属板の加熱装置 - Google Patents

熱間プレス用金属板の加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4611704B2
JP4611704B2 JP2004297046A JP2004297046A JP4611704B2 JP 4611704 B2 JP4611704 B2 JP 4611704B2 JP 2004297046 A JP2004297046 A JP 2004297046A JP 2004297046 A JP2004297046 A JP 2004297046A JP 4611704 B2 JP4611704 B2 JP 4611704B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
metal plate
transfer body
heating
lower fixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004297046A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006110549A (ja
Inventor
克則 石黒
正樹 古橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Takaoka Co Ltd
Original Assignee
Aisin Takaoka Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Takaoka Co Ltd filed Critical Aisin Takaoka Co Ltd
Priority to JP2004297046A priority Critical patent/JP4611704B2/ja
Publication of JP2006110549A publication Critical patent/JP2006110549A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4611704B2 publication Critical patent/JP4611704B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Description

本発明は、熱間プレス成形に用いられる金属板をプレス前に加熱するための加熱装置に関する。
機械部品等の分野では、数百℃の高温状態に加熱した高張力鋼板を熱間プレスして所望形状の製品を得る熱間プレス成形法が知られている(特許文献1,2参照)。特に特許文献2は、所定の高張力鋼板を電気加熱炉で850〜1050℃の温度に予め加熱し、その鋼板を成形用プレスに高速搬送して高温状態のままの鋼板を相対的に低温のプレス型でプレスすることにより、付形と焼入れとを同時に行って、成形性や引張強度等に優れた部品(車輌用衝突補強材)を製造する方法を開示する。
しかしながら、特許文献2では、連続式の電気加熱炉を用いて高張力鋼板を加熱しているため、鋼板の温度を850℃以上とするのに少なからぬ時間(例えば3〜5分)を要するのみならず、鋼板が電気加熱炉内に滞在する時間を正確に管理しないと、鋼板の温度が望ましい温度範囲を逸脱するおそれがある。例えば、一時的なトラブルで製造ラインが一時停止しただけで、鋼板が加熱超過状態に陥り使用できなくなるという不便さや不自由さがあった。また、連続式電気加熱炉の場合、その内部を極力不活性ガスで満たすよう配慮しても、加熱炉から鋼板を取り出す際に炉内に不可避的に進入する空気により、まだ炉内で加熱中の他の鋼板の表面が酸化してしまうのを避け難い。本発明はこれらの事情に鑑みてなされたものである。
尚、本件出願前の先行技術調査では特許文献3も発見された。但し、特許文献3は、被加熱物として木材合板等を想定したホットプレスの加熱装置に関するものであり、これは積層された薄板材等を接着剤で貼り合わせる際の加熱押圧を意図した技術である。
特開2001−314923号公報(要約) 特開2002−102980号公報 特開平11−114907号公報
本発明の目的は、高張力鋼板等の熱間プレス用金属板を比較的短時間で高温度に加熱することができると共に、加熱時において金属板表面の酸化を極力防止することができる熱間プレス用金属板の加熱装置を提供することにある。
請求項1の発明は、金属板をほぼ水平に載置可能な載置面を兼ねた、金属板の下面の一部に面接触可能な加熱面を有し、その加熱面を介して熱源の熱を金属板に伝達する下側固定伝熱体と、前記下側固定伝熱体に隣接して設けられると共に、金属板の下面の一部に面接触可能な加熱面を有し、その加熱面を介して熱源の熱を金属板に伝達する下側可動伝熱体と、前記下側固定伝熱体及び下側可動伝熱体の上方においてこれらに接近離間可能に設けられると共に、金属板の上面に面接触可能な加熱面を有し、その加熱面を介して熱源の熱を金属板に伝達する上側可動伝熱体とを備え、前記下側可動伝熱体は、その加熱面が前記下側固定伝熱体の載置面を兼ねた加熱面に載置された金属板の下面に接触する加熱位置と、当該加熱面が前記加熱位置よりも下方又は側方に位置することになる退避位置との間を移動可能となっていることを特徴とする熱間プレス用金属板の加熱装置である。
請求項1によれば、金属板の加熱時には、下側固定伝熱体の載置面を兼ねた加熱面上に金属板をほぼ水平に載置(及び面接触)させると共に、加熱位置に配置された下側可動伝熱体の加熱面を金属板の下面の一部に面接触させた状態で、上側可動伝熱体の加熱面を金属板の上面に面接触させる。このように本加熱装置による金属板の加熱は、下側固定伝熱体及び下側可動伝熱体からなる下側伝熱体群と上側可動伝熱体との間に金属板を挟み込み、その上下両面を各伝熱体の加熱面に接触させることによる固体間熱伝導によって行われる。このため、対流伝熱や放射伝熱を基調とした従来の加熱装置に比べて、金属板を目標温度に加熱するまでの時間が大幅に短縮される。また、金属板の両面は、各伝熱体の加熱面に面接触することで空気(酸化性ガス)との接触を遮断され、あるいは空気露出面積が最小限にとどめられるため、金属板表面の酸化が極力防止される。
更に金属板の非加熱時、即ち金属板を下側固定伝熱体の載置面を兼ねた加熱面上に搬入し又はそこから搬出する際には、上側可動伝熱体を下側固定伝熱体から離間配置することで、上下両伝熱体間に金属板の搬送装置が進入する空間を確保できる。それと同時に下側可動伝熱体を加熱位置から退避位置に切替え配置することで、その下側可動伝熱体の加熱面が面接触し得る金属板下面部分の直下にも、金属板の搬送装置の一部(例えば後述するキャッチハンド42の類)が下側伝熱体と干渉せずに入り込む空間が生まれる。それ故、請求項1の装置によれば、搬送装置による金属板の把持や搬送が非常に楽になり、金属板を加熱装置に搬入又は搬出する際の位置決め精度が向上するのみならず、高温状態にある金属板を次工程のプレス機に搬送する時間が短縮される。
なお、請求項1における「下方」とは、直下方のみならず斜め下方をも含む。
請求項2の発明は、請求項1に記載の熱間プレス用金属板の加熱装置において、前記熱源の少なくとも一つは、ブロックヒータであることを特徴とする。
請求項2によれば、熱源の小型化又は薄型化が図られ、ひいては加熱装置の小型化を図ることができる。また、ブロックヒータは電気加熱器であるため、金属板の温度管理がし易いという利点がある。
請求項3の発明は、請求項1に記載の熱間プレス用金属板の加熱装置において、前記伝熱体の少なくとも一つは、熱源としてのカートリッジヒータを内蔵したブロックヒータによって構成されることを特徴とする。
請求項3によれば、熱源としてのカートリッジヒータを内蔵したブロックヒータで伝熱体を構成することにより、加熱装置の更なる小型化を図ることができる。また、ブロックヒータによれば、その加熱面全体に広い均熱エリアを確保でき熱再現性にも優れるため、金属板の温度管理がし易いという利点がある。
請求項1〜3の熱間プレス用金属板の加熱装置によれば、熱間プレス用金属板を比較的短時間で高温度に加熱することができ、且つ加熱時において金属板表面の酸化を極力防止することができる。加えて、本発明の熱間プレス用金属板の加熱装置によれば、下側可動伝熱体を加熱位置から退避位置に切替え配置可能としたことで、下側可動伝熱体の加熱面が面接触し得る金属板下面部分の直下にも、金属板の搬送装置の一部が下側伝熱体と干渉せずに入り込む空間を生み出すことができるため、搬送装置による金属板の把持や搬送が非常に楽になり、金属板を加熱装置に搬入又は搬出する際の位置決め精度が向上すると共に、高温状態にある金属板を次工程のプレス機に搬送する時間の短縮が容易になる。
本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態の加熱装置は、工場等の設置面上に固定設置される下側ユニット10と、その下側ユニット10の上方において該下側ユニット10に対し接近離間可能に設けられた上側ユニット20とから構成されている。
下側ユニット10は、上方に開口した下側耐火性枠体11、下側固定伝熱体12及びその熱源13、並びに、その下側固定伝熱体12の左右両側にそれぞれ隣接する下側可動伝熱体14、その熱源15及び垂直駆動機構16を備えている。
下側耐火性枠体11の底壁部11aの中央には架台部11bが設けられており、その架台部11b上には、下側固定伝熱体12及びその熱源13が固定設置されている。下側固定伝熱体12は、概して平盤状の金属直方体であって、銅、銀、金又はアルミニウム等の高熱伝導性金属(後述するブロックヒータのブロック本体よりも熱伝導率が高い金属)で作られている。下側固定伝熱体12の上端面12aは水平で平滑な面となっている。この上端面12aは、被加熱物たる金属板を水平に載置可能な載置面を兼ねた、金属板の下面の一部に面接触可能な加熱面12aを提供する。
架台部11bと下側固定伝熱体12との間に設けられた熱源13は、ブロックヒータで構成されている。ブロックヒータとは、ステンレス鋼等の耐熱性金属からなる略直方体形状のブロック本体の内部に、カートリッジヒータ等の電気発熱素子を複数個組み込んで構成したヒータユニットであって、ブロック本体の少なくとも一面(通常は上面)を加熱面又は伝熱面として機能させるものをいう(例えば特開平11−145166号参照)。ブロックヒータ13の上面は下側固定伝熱体12の下端面に密接しており、下側固定伝熱体12はブロックヒータが発生する熱を受け、その熱を加熱面12aを介して下側固定伝熱体12上に載置された金属板に伝達する。
下側耐火性枠体11内には、中央の架台部11bと左右側壁部11cとの間において、下側可動伝熱体14を設置し且つその垂直動を許容するための設置スペースが確保されている。左右の各設置スペースには垂直駆動機構16が設けられ、その垂直駆動機構16の上部には、下側可動伝熱体14及びその熱源15が設けられている。各下側可動伝熱体14は、前記下側固定伝熱体12と同様の金属直方体であって、その上端面14aは水平で平滑な面となっており、金属板の下面の一部に面接触可能な加熱面14aを提供する。また、各熱源15は、前記熱源13と同様のブロックヒータで構成されている。
垂直駆動機構16は、例えば油圧シリンダで構成されており、下側可動伝熱体14及びその熱源15を垂直方向に移動させる。垂直駆動機構16による下側可動伝熱体14及びその熱源15の移動可能範囲は、下側可動伝熱体の加熱面14aが下側固定伝熱体の加熱面12aと面一なる加熱位置(図1及び図2参照)を上限とし、下側可動伝熱体の加熱面14aが前記加熱位置よりも下方に後退した退避位置(図3参照)を下限とする範囲である。下側可動伝熱体14が加熱位置に配置されると、その加熱面14aは、下側固定伝熱体12上に載置された金属板30の左右にはみ出した各端部の下面に接触可能となる。
尚、上記加熱位置と退避位置との高低差(即ち下側可動伝熱体14の可動ストローク)は、後述する金属板の搬送装置40が備えるキャッチハンド42の大きさや必要な可動スペース等を考慮して適宜定められる。また、図5(A)に示唆するように、下側固定伝熱体の加熱面12aの面積は、各下側可動伝熱体の加熱面14aの面積よりも大きく設定されている。各下側可動伝熱体の加熱面14aの面積や形状は、後述する金属板の搬送装置40が備えるキャッチハンド42の大きさ等を考慮して定められる。
他方、図1に示すように、上側ユニット20は、下方に開口した上側耐火性枠体21、並びに、上側可動伝熱体22及びその熱源23を備えている。
上側耐火性枠体21の天井部21aの下面側には、熱源23が固定され、その熱源23の下側には上側可動伝熱体22が固定されている。熱源23は、前記熱源13と同様のブロックヒータで構成されている。上側可動伝熱体22は、前記下側固定伝熱体12と同様の金属直方体であって、その下端面22aは水平で平滑な面となっており、金属板の上面に面接触可能な加熱面22aを提供する。上側可動伝熱体22は、その加熱面22aを介して熱源23の熱を金属板に伝達する。
上側可動伝熱体の加熱面22aと、前記下側固定伝熱体の加熱面12a及び2つの下側可動伝熱体の加熱面14aとは対向関係にあり、上側可動伝熱体加熱面22aの面積及び形状は、下側固定伝熱体加熱面12aと2つの下側可動伝熱体加熱面14aとを合わせた面積及び形状に対応する。上側耐火性枠体21、上側可動伝熱体22及びその熱源23からなる上側ユニット20は、図示しない垂直駆動機構によって前記下側ユニット10に対し接近離間可能となっている。
なお、図1〜図3の加熱装置では、熱源としてのブロックヒータ(13,15,23)と各伝熱体(12,14,22)とを別個のものとしたが、各伝熱体を省略し、ブロックヒータ(13,15,23)の上面を金属板に直接接触する加熱面としてもよい。つまり各ブロックヒータ(13,15,23)を、熱源であると同時に熱源としてのカートリッジヒータを内蔵した伝熱体そのものとして使用してもよい。
次に、上記加熱装置の使用方法を説明する。なお、本実施形態では、被加熱物たる金属板30として図4に示すような高張力鋼板を使用した。図4の金属板30は、長手方向中央位置31で最も幅広となり、両端部32,32に向かうほど次第に幅狭となるような、長手方向にも幅方向にも対称な形状の平板である。金属板30の厚さは0.5〜4.0mm程度である。
また、図4の金属板30を加熱装置に搬入し、加熱完了後に加熱装置から搬出するための装置として、図3並びに図5(A)及び(B)に示すような搬送装置40を使用した。この搬送装置40は、金属板30の長手方向に沿って延びるやや長尺な装置本体41と、その装置本体41の四隅に設けられた合計4つのキャッチハンド42とを備えている。図5(B)に示すように、各キャッチハンド42は略L字状に構成されると共に、装置本体41に対し軸43を中心として回動可能に装着されている。各キャッチハンド42は、その先端部が金属板30の下面側に潜り込む把持位置(図5(B)に実線で示す位置)と、その把持位置から90°外方向に回動した解放位置(図5(B)に仮想線で示す位置)との間で切替え配置可能となっている。つまり図5に示すように、金属板30の両端部32付近の4箇所を把持位置に配置された4つのキャッチハンド42で把持することで、搬送装置40は金属板30を搬送可能となっている。
加熱装置の使用に際しては先ず、各熱源13,15及び23を構成するブロックヒータに電力を供給し、各伝熱体の加熱面12a,14a及び22aを900〜950℃に予め加熱する。伝熱体12,14及び22は、それぞれが所定の熱容量を持ち蓄熱材としても機能するため、一旦予熱昇温を完了すれば容易に冷めることはない。なお、予熱時には、下側伝熱体12及び14と上側伝熱体22とを接合しておくことは好ましい(大気中への放熱が少なく早期昇温を図り易く、又、伝熱体間で均温化を図り易いため)。
続いて図3に示すように、上側ユニット20を上動させて上側可動伝熱体22を下側固定伝熱体12及び下側可動伝熱体14から離間させると共に、左右の下側可動伝熱体14を退避位置に下降後退させる。そして、金属板30を把持した搬送装置40を下側ユニット10と上側ユニット20との間に進入させ、搬送装置40により、金属板30の中央部下面が下側固定伝熱体12の加熱面12aに対して正しい位置で接触するように位置決めしながら、金属板30を加熱面12a上に載置する。このとき、左右の下側可動伝熱体14は退避位置にあるため、金属板30の両端部32付近を把持している各キャッチハンド42が左右の下側可動伝熱体14と干渉することはない。
金属板30の下側固定伝熱体12上への載置が完了すると、搬送装置40の全てのキャッチハンド42が把持位置から解放位置に切替え配置され、金属板30が搬送装置40から解き放たれる。そして、搬送装置40を上下ユニット10,20間から退出させた後、垂直駆動機構16により各下側可動伝熱体14が退避位置から加熱位置に切替え配置される。その結果、下側固定伝熱体12の左右に位置する両下側可動伝熱体14の各加熱面14aが、下側固定伝熱体の加熱面12aに対して隣り合わせに面一になると共に、下側固定伝熱体12から左右にはみ出した金属板の端部32の下面に面接触する。
続いて図2に示すように、上側ユニット20を下動させて上側可動伝熱体22の加熱面22aを、下側固定伝熱体12上に載置された金属板30の上面に面接触させる。このように下側固定伝熱体12及び2つの下側可動伝熱体14と上側可動伝熱体22との間に金属板30を挟み込むことにより、当該金属板30をその上下両面から加熱する。すると、金属板30は極めて短時間(例えば5〜20秒)で目標温度(900℃)に達する。
金属板30が目標温度に加熱されたら、上側ユニット20を上動させて上側可動伝熱体22を下側固定伝熱体12及び下側可動伝熱体14から離間させると共に、左右の下側可動伝熱体14を退避位置に下降後退させる。そして、即座に搬送装置40を上下ユニット10,20間に進入させて金属板30の上方に移動させ、4つのキャッチハンド42を解放位置から把持位置に切り替えて金属板端部32の下面側に潜り込ませる。このとき、左右の下側可動伝熱体14は退避位置にあるため、切替え回動するキャッチハンド42が左右の下側可動伝熱体14と干渉することはない。
搬送装置40のキャッチハンド42で金属板30をその下面側からすくい上げるようにして把持したら、そのまま搬送装置40を水平移動させ、加熱装置の上下ユニット10,20間から次工程のプレス機に向けて高速搬送する。プレス機において、850℃以上の高温状態にある金属板30を水冷されたプレス型(内部に水冷手段を備える)でプレスすることにより、金属板30に対する付形と焼入れとが同時に行われ、成形性や引張強度等に優れたプレス成形品が得られる。
(実施形態の効果):
本実施形態によれば、金属板30の加熱は、下側固定伝熱体12及び下側可動伝熱体14からなる下側伝熱体群(第1の伝熱体)と上側可動伝熱体22(第2の伝熱体)との間に金属板30を挟み込み、その上下両面を各伝熱体の加熱面(12a,14a,22a)に接触させることによる固体間熱伝導によっている。このため、対流伝熱や放射伝熱を基調とした従来の加熱装置に比べて、金属板30を目標温度に加熱するまでの時間を大幅に短縮することができる。
また、金属板30の上下両面は、各伝熱体の加熱面(12a,14a,22a)に面接触することで空気との接触を遮断されるため、金属板表面の酸化(即ち酸化スケール等の発生)を極力防止することができる。
各伝熱体(12,14,22)に対応する熱源(13,15,23)として、比較的小型で薄型化も可能なブロックヒータを採用しているので、加熱装置の小型化及び工場内での設置面積の縮小を図ることができる。また、ブロックヒータは電気加熱器であること、及び、ブロックヒータの加熱面全体に広い均熱エリアを確保でき熱再現性にも優れていることのために、金属板30の温度管理がし易いという利点がある。このため、本実施形態の加熱装置は、プレス前の金属板30の温度設定が極めて重要な要素となる熱間プレス成形のための事前加熱器として優れた適性を有する。
更に、金属板30を下側固定伝熱体12の載置面を兼ねた加熱面12a上に搬入し又はそこから搬出する際には、上側可動伝熱体22を下側固定伝熱体12から離間配置することで、上下両伝熱体間に金属板の搬送装置40が進入する空間を確保できる。それと同時に各下側可動伝熱体14を加熱位置から退避位置に切替え配置することで、各下側可動伝熱体の加熱面14aが面接触し得る金属板30の下面部分の直下にも、搬送装置40のキャッチハンド42が下側可動伝熱体14と干渉せずに入り込む余地が生まれる。それ故、本実施形態によれば、搬送装置40による金属板30の把持や搬送が非常に楽になり、金属板30を加熱装置に搬入又は搬出する際の位置決め精度が向上するのみならず、高温状態にある金属板30を次工程のプレス機に搬送する時間を短縮できる。
(変更例):上記実施形態では、下側可動伝熱体14及びその熱源15を垂直駆動機構16によって垂直方向に移動させることにより、加熱位置と退避位置との切替えを行ったが、垂直駆動機構16に代えて水平移動機構を採用し、下側可動伝熱体14及びその熱源15を前記加熱位置と、その加熱位置の「側方に」位置することになる退避位置との間で水平移動可能としてもよい。つまり、下側可動伝熱体14の退避位置は、加熱位置の直下である必要はなく、加熱位置の斜め下方や側方(横)であってもよい。
(変更例):上記実施形態では、各熱源(13,15,23)をブロックヒータで構成したが、熱源の全て又は一部を火炎式加熱器等の他の発熱手段で置換してもよい。
(変更例):上側可動伝熱体22と対向する下側伝熱体(下側固定伝熱体12及び下側可動伝熱体14)の分割関係については、上記実施形態に限定されるものではなく、図6又は図7に示すような分割関係を採用してもよい。
図6の例では、下側固定伝熱体12を金属板30よりも長尺とし、その四隅に相当する各位置に下側可動伝熱体14(計四つ)を配置している。つまり、下側固定伝熱体12の加熱面12aの平面視形状(図に梨地模様を付す)を十二角形としている。
図7の例では、下側固定伝熱体12及び下側可動伝熱体14を金属板30よりも長尺とし、金属板30の幅方向に沿って下側固定伝熱体12及び二つの下側可動伝熱体14を前者を後者間に挟んで並列配置している。また図7では、搬送装置40の本体を左側本体部41A及び右側本体部41Bに分割し、両者を併せて一つの搬送装置40としている。
一実施形態に従う加熱装置の概要を示す断面図。 金属板加熱時における加熱装置の断面図。 金属板を搬入又は搬出するときの加熱装置の断面図。 金属板の一例を示す平面図。 金属板と搬送装置との関係を示し、(A)は平面図、(B)は左又は右から見た側面図。 一変更例を示す図5(A)相当の平面図。 一変更例を示す図5(A)相当の平面図。
符号の説明
10…下側ユニット、11…下側耐火性枠体、12…下側固定伝熱体(第1の伝熱体)、12a…上端面(載置面を兼ねた加熱面)、13…熱源、14…下側可動伝熱体(第1の伝熱体)、14a…上端面(加熱面)、15…熱源、16…垂直駆動機構、20…上側ユニット、21…上側耐火性枠体、22…上側可動伝熱体(第2の伝熱体)、22a…下端面(加熱面)、23…熱源、30…金属板、40…金属板の搬送装置、42…キャッチハンド。

Claims (3)

  1. 金属板をほぼ水平に載置可能な載置面を兼ねた、金属板の下面の一部に面接触可能な加熱面を有し、その加熱面を介して熱源の熱を金属板に伝達する下側固定伝熱体と、
    前記下側固定伝熱体に隣接して設けられると共に、金属板の下面の一部に面接触可能な加熱面を有し、その加熱面を介して熱源の熱を金属板に伝達する下側可動伝熱体と、
    前記下側固定伝熱体及び下側可動伝熱体の上方においてこれらに接近離間可能に設けられると共に、金属板の上面に面接触可能な加熱面を有し、その加熱面を介して熱源の熱を金属板に伝達する上側可動伝熱体とを備え、
    前記下側可動伝熱体は、その加熱面が前記下側固定伝熱体の載置面を兼ねた加熱面に載置された金属板の下面に接触する加熱位置と、当該加熱面が前記加熱位置よりも下方又は側方に位置することになる退避位置との間を移動可能となっていることを特徴とする熱間プレス用金属板の加熱装置。
  2. 前記熱源の少なくとも一つは、ブロックヒータであることを特徴とする請求項1に記載の熱間プレス用金属板の加熱装置。
  3. 前記伝熱体の少なくとも一つは、熱源としてのカートリッジヒータを内蔵したブロックヒータによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の熱間プレス用金属板の加熱装置。
JP2004297046A 2004-10-12 2004-10-12 熱間プレス用金属板の加熱装置 Expired - Fee Related JP4611704B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004297046A JP4611704B2 (ja) 2004-10-12 2004-10-12 熱間プレス用金属板の加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004297046A JP4611704B2 (ja) 2004-10-12 2004-10-12 熱間プレス用金属板の加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006110549A JP2006110549A (ja) 2006-04-27
JP4611704B2 true JP4611704B2 (ja) 2011-01-12

Family

ID=36379495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004297046A Expired - Fee Related JP4611704B2 (ja) 2004-10-12 2004-10-12 熱間プレス用金属板の加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4611704B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4812785B2 (ja) * 2008-01-25 2011-11-09 アイシン高丘株式会社 被加熱材の加熱装置及び加熱方法
JP2011255413A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Toyoda Iron Works Co Ltd 鋼板の加熱装置、プレス成形品の製造方法、およびプレス成形品
JP5978533B2 (ja) * 2011-03-18 2016-08-24 有限会社リナシメタリ 金属加工方法
JP6523013B2 (ja) * 2015-03-30 2019-05-29 大阪瓦斯株式会社 蓄熱式加熱装置
EP4400608A2 (en) * 2016-08-09 2024-07-17 Autotech Engineering, S.L. Centering and selective heating
JP7484841B2 (ja) 2021-07-30 2024-05-16 Jfeスチール株式会社 ハンドリング治具

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000042652A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Amada Co Ltd パンチプレス
JP2000117338A (ja) * 1998-10-09 2000-04-25 General Motors Corp <Gm> 時効硬化されたアルミニウム合金を成形するための伸長プロセス
JP2001252729A (ja) * 2000-03-10 2001-09-18 Aida Eng Ltd プレス加工装置
JP2003053437A (ja) * 2001-08-10 2003-02-26 Niigata Prefecture マグネシウム合金の連続プレス加工装置
JP2004098125A (ja) * 2002-09-10 2004-04-02 Komatsu Sanki Kk プレス成形方法およびプレス成形装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000042652A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Amada Co Ltd パンチプレス
JP2000117338A (ja) * 1998-10-09 2000-04-25 General Motors Corp <Gm> 時効硬化されたアルミニウム合金を成形するための伸長プロセス
JP2001252729A (ja) * 2000-03-10 2001-09-18 Aida Eng Ltd プレス加工装置
JP2003053437A (ja) * 2001-08-10 2003-02-26 Niigata Prefecture マグネシウム合金の連続プレス加工装置
JP2004098125A (ja) * 2002-09-10 2004-04-02 Komatsu Sanki Kk プレス成形方法およびプレス成形装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006110549A (ja) 2006-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006289425A (ja) 熱間プレス成形方法およびその装置
JP5934801B2 (ja) 成形装置
JP5201003B2 (ja) 熱間プレス成形用鋼板の加熱装置及び加熱方法
CN104946861B (zh) 用于导电式加热金属板坯的加热装置
JP4611704B2 (ja) 熱間プレス用金属板の加熱装置
CN112118922B (zh) 用于热成型的板材的传导预热
JP5819156B2 (ja) Mg合金板のV曲げ加工を行なうプレス曲げ装置およびプレス曲げ方法
KR20190049050A (ko) 성형 장치
JP2008296237A (ja) 多段式加熱装置
CA2816172A1 (en) Method and installation for producing a component from sheet magnesium
JPH04119931A (ja) ガラス板の曲げ成形方法
CN105776828A (zh) 热弯机
JP6116366B2 (ja) 金型組
JP7463972B2 (ja) ガラス板の成形装置
JP2013086097A (ja) Mg合金板のプレス曲げ装置およびプレス曲げ方法
CN109661281B (zh) 热压装置
JP2011031285A (ja) 金型の加熱構造
EP1854617A1 (en) Machining method of microstructure and machining system of microstructure
US9840748B2 (en) Process and furnace for treating workpieces
JP5814669B2 (ja) ホットプレス用搬送装置
KR101382182B1 (ko) 핫 스탬핑 소재의 가열장치
CZ20023991A3 (cs) Zařízení a způsob pro tvarování skleněných tabulí
KR100778798B1 (ko) 무금형 점진 판재 성형용 가열장치
JP5994055B2 (ja) 金属部品の製造方法および金属部品の製造装置
TWI830868B (zh) 玻璃板之成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070702

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070628

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070821

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20071203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101005

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101014

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4611704

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees