JP5978533B2 - 金属加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属の加工方法に関する。
従来より、所望する強度や延性の鉄鋼材を得るために、同鉄鋼材に熱処理を施す金属加工が行われている。
このような熱処理を行う装置として、例えば、温度制御可能に構成したバーナーを備える炉を複数連結して、長いトンネル状とした熱処理炉が用いられている。
このような熱処理炉にて処理した鉄鋼材は、温度を適宜調整することにより、所望の強度や延性を有する鉄鋼材とすることができる。
特開平05−118764号公報
しかしながら、従来の金属加工方法では、プレス成型を行いつつ、十分な強度及び延性を備えた鉄鋼材とするのは困難であった。
すなわち、熱処理によって所望の強度や延性を有する鉄鋼材が得られたとしても、個別にプレス加工を行った場合、プレス加工時にこの鉄鋼材が有する強度や延性が一部失われてしまい、製品としての強度や延性が不足するという問題があった。
特に、自動車等のボディーに使用される鉄鋼材は、強度と延性を兼ね備えることが求められているが、プレス加工によって強度や延性が一部失われたパーツの使用を余儀なくされているという実情がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、高い強度を備えながらも、延性に富んだプレス加工品を製造することのできる金属加工方法を提供する。
上記従来の課題を解決するために、請求項1に係る本発明では、金属加工方法において、予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材を、少なくとも一方が温度調節可能に構成された雄金型と雌金型とで挟圧し、前記鉄鋼材にプレス変形加工を施すプレス工程を有する金属加工方法であって、前記プレス工程にて前記鉄鋼材を前記雄金型と雌金型とで挟圧した際に、同雄金型及び雌金型と鉄鋼材との間で熱の授受を行って、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度で、マルテンサイト変態開始温度からマルテンサイト変態終了温度までの温度帯に至るまで冷却し、挟圧状態のままこの所定の温度帯にて所定時間保持した後に前記両金型より離型して再度冷却を開始し、しかも前記所定の温度帯と前記所定時間をそれぞれ調整することにより、前記鉄鋼材の成型を行うと同時に同鉄鋼材中のマルテンサイト、ベーナイト、フェライト、オーステナイトの比率を変えて、前記鉄鋼材の強度と伸びを変化させることとした。
また、請求項2に係る本発明では、金属加工方法において、予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材を、少なくとも一方が温度調節可能に構成された雄金型と雌金型とで挟圧し、前記鉄鋼材にプレス変形加工を施すプレス工程を有する金属加工方法であって、前記予熱を行う予熱工程を有し、同予熱工程では、温度制御可能に構成された上部発熱体と下部発熱体とにより前記鉄鋼材を挟んだ状態とし、上部発熱体には吸引手段が設けられており、前記鉄鋼材を前記上部発熱体に吸着させて予熱し、前記プレス工程にて前記鉄鋼材を前記雄金型と雌金型とで挟圧した際に、同雄金型及び雌金型と鉄鋼材との間で熱の授受を行って、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度でノーズ頂点温度からマルテンサイト変態終了温度までの温度帯に含まれる所定の温度帯に至るまで冷却し、挟圧状態のままこの所定の温度帯にて所定時間保持した後に前記両金型より離型して再度冷却を開始し、しかも前記所定の温度帯と前記所定時間をそれぞれ調整することにより、前記鉄鋼材の成型を行うと同時に同鉄鋼材中のマルテンサイト、ベーナイト、フェライト、オーステナイトの比率を変えて、前記鉄鋼材の強度と伸びを変化させることとした。
また、請求項3に係る本発明では、請求項2に記載の金属加工方法において、前記所定の温度帯は、マルテンサイト変態開始温度よりも20℃〜200℃だけ高いMs直上温度帯とし、前記所定の時間は、前記恒温変態線図におけるベーナイト変態開始点に至るまでの時間よりも長い時間とすることで、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の予熱前の状態に比して強度と伸びを向上させることに特徴を有する。
また、請求項4に係る本発明では、請求項2に記載の金属加工方法において、前記所定の温度帯を、マルテンサイト変態開始温度とマルテンサイト変態終了温度との間の温度帯として、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の予熱前の状態に比して強度と伸びを向上させることに特徴を有する。
また、請求項5に係る本発明では、請求項2に記載の金属加工方法において、前記所定の温度帯は、マルテンサイト変態開始温度よりも20℃〜200℃だけ高いMs直上温度帯とし、前記所定時間は、前記恒温変態線図におけるベーナイト変態開始点に至るまでの時間よりも短い時間とすることで、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の予熱前の状態に比して強度と伸びを向上させることに特徴を有する。
また、請求項6に係る本発明では、請求項1に記載の金属加工方法において、前記予熱を行う予熱工程を有し、同予熱工程では、温度制御可能に構成された上部発熱体と下部発熱体とにより前記鉄鋼材を挟んだ状態で予熱を行うことに特徴を有する。
また、請求項7に係る本発明では、請求項6に記載の金属加工方法において、前記上部発熱体には吸引手段が設けられており、前記鉄鋼材を前記上部発熱体に吸着させて予熱することに特徴を有する。
また、請求項8に係る本発明では、請求項1〜7いずれか1項に記載の金属加工方法において、前記雄金型及び/又は雌金型にはヒータユニットが備えられており、同ヒータユニットは、表面に複数のヒータ線が水平方向に所定間隔を空けて敷設されたヒータプレートを複数段積層し、各ヒータプレートに敷設されたヒータ線を、垂直・水平方向に分散設置したことに特徴を有する。
また、請求項9に係る本発明では、請求項8に記載の金属加工方法において、ヒータプレート表面にヒータ線を敷設するための溝部を刻設し、溝部中にヒータ線を収納敷設したことに特徴を有する。
請求項1〜5に係る発明によれば、高い強度を備えながらも、延性に富んだプレス加工品を製造することのできる金属加工方法を提供することができる。
また、請求項6に係る発明によれば、前記予熱を行う予熱工程を有し、同予熱工程では、温度制御可能に構成された上部発熱体と下部発熱体とにより前記鉄鋼材を挟んだ状態で予熱を行うこととしたため、予熱工程においても加熱効率が良く、また、加熱炉の設置スペースを可及的小さくすることができる。
また、請求項7に係る発明によれば、前記上部発熱体には吸引手段が設けられており、前記鉄鋼材を前記上部発熱体に吸着させて予熱することとしたため、予熱工程における加熱効率を更に向上させることができる。
また、請求項8に係る発明によれば、前記雄金型及び/又は雌金型にはヒータユニットが備えられており、同ヒータユニットは、表面に複数のヒータ線が水平方向に所定間隔を空けて敷設されたヒータプレートを複数段積層し、各ヒータプレートに敷設されたヒータ線を、垂直・水平方向に分散設置したため、各ヒータプレートのヒータ線を均熱化することで、個々のヒータ線の発熱量を最小限に留めることが可能となり、金属素材に必要な熱量を加えながらも、各ヒータプレートの加熱軟化を防ぐことができる。
また、請求項9に係る発明では、ヒータプレート表面にヒータ線を敷設するための溝部を刻設し、溝部中にヒータ線を収納敷設したため、ヒータプレートに対するヒータ線の接触面積を拡大することができ、ヒータ線から発せられる熱の伝導効率を向上させることができる。
本実施形態における予熱工程を行うための予熱装置の要部を示した説明図である。 予熱工程の手順を示す説明図である。 上下の発熱体で金属素材を挟み込む様子を示した説明図である。 本実施形態におけるプレス工程を行うためのプレス装置の要部を示した説明図である。 ヒータプレートの構造を示した説明図である。 熱履歴及び強度の変化を示した説明図である。 各プレス加工品の熱履歴を恒温変態線図上に示した説明図である。 試験片の形状を示した説明図である。 プレス加工品の熱履歴を恒温変態線図上に示した説明図である。 各試験片の引張試験の結果を示した説明図である。 各試験片の引張試験の結果を示した説明図である。 各試験片の引張試験の結果を示した説明図である。
本発明は、予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材を、温度調節可能に構成された雄金型と雌金型とで挟圧し、前記鉄鋼材にプレス変形加工を施すプレス工程を有する金属加工方法であって、前記鉄鋼材を前記雄金型と雌金型とで挟圧した際に、同雄金型及び雌金型と鉄鋼材との間で熱の授受を行って、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度で所定の温度帯に至るまで冷却し(以下、第1冷却工程ともいう。)、挟圧状態のままこの所定の温度帯にて一定時間保持し(以下、保持工程ともいう。)、その後に前記両金型より離型して再度冷却を開始し(以下、第2冷却工程ともいう。)、しかも前記所定の温度帯と前記所定の保持時間とをそれぞれ調整することにより、前記鉄鋼材の成型を行うと同時に同鉄鋼材中のマルテンサイト、ベーナイト、フェライト、オーステナイトの比率を変えて、前記鉄鋼材の強度と伸びを変化させる金属加工方法を提供するものである。
本実施形態に係る金属加工方法によれば、鉄鋼材にプレス加工を施すと同時に、鉄鋼材の金属組織を、マルテンサイトとベーナイト・フェライトとオーステナイトの混合組織としつつ、硬いマルテンサイトと軟らかいフェライトやベーナイト・オーステナイトの存在比率を調整して、硬度(強度、強さ等ともいう。)と伸び(延性、靱性等ともいう。)を変化させることができる。
また本実施形態に係る金属加工方法は、鉄鋼材にプレス加工を施すと同時に、第1冷却工程において冷却する温度帯と、保持工程にてその温度帯を保持する保持時間とをそれぞれ調整することにより、鉄鋼材の強度や伸びを所望する強度や伸びにコントロールして、プレス成形後でありながらもそのプレス成型品に十分な延性や靱性を残存させるといった技術思想についても包含するものである。
強度と伸びは、鉄鋼材の熱処理の分野において、それぞれ相反しやすく、両立させるのは難しい性質であると言えるが、本実施形態に係る金属加工方法によれば、鉄鋼材の成型と改質との両者を同時に行うことができ、しかも、強度と伸びを両立させたプレス加工品を製造することも可能となる。
ここで、鉄鋼材を挟圧する雄金型と雌金型は、少なくとも一方が温度調節可能に構成されたものを用いることとしている。これは、上述の第1冷却工程や保持工程において鉄鋼材を所定の温度とするための構成であり、プレス加工する鉄鋼材の厚みに応じて、雄金型又は雌金型のいずれか一方又は両方を温度調節可能とすれば良い。
また、雄金型と雌金型は、金型を構成する相補的な2つの金型片を意図したものであり、かならずしも雄金型の凸部、雌金型に凹部が設けられる必要はない。すなわち、雄金型と雌金型のいずれ又は双方に凹部や凸部が設けられていても良く、また、いずれが可動側金型又は固定側金型であっても良い。
予熱は、鉄鋼材がオーステナイト状態となる温度(γ化温度)に達していれば良く、鉄鋼材の組成等によってその温度は異なるものの、概ね850℃以上、例えば900〜950℃程度に加熱すれば良い。
このような温度に予熱された鉄鋼材を、本実施形態に係る金属加工方法では、両金型によって挟圧し、鉄鋼材を所定の形状に成型しつつ第1冷却工程を行う。
第1冷却工程では、鉄鋼材を同鉄鋼材の恒温変態線図(isothermal transformation diagram)におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度で冷却を行うようにしている。
また、この第1冷却工程にて到達させる温度帯(以下、第1冷却到達温度帯ともいう。)は、例えば、加工対象の鉄鋼材の恒温変態線図において、ノーズ頂点温度からマルテンサイト変態終了温度(Mf)までの間の温度帯とすることができる。
特に、第1冷却到達温度帯を、マルテンサイト変態開始温度(Ms)よりも20℃〜200℃だけ高い温度帯(以下、Ms直上温度帯ともいう。)とすることにより、その後に行われる保持工程の保持時間を制御(調整)することで、鉄鋼材の強度と伸びを向上させながらも靱性重視の組織としたり、強度重視の組織とすることができる。
また、第1冷却到達温度帯を、マルテンサイト変態開始温度とマルテンサイト変態終了温度との間の温度帯(以下、Ms−Mf間温度帯ともいう。)としても良い。このような温度帯とすることにより、その後に行われる保持工程の保持時間を制御(調整)することで、鉄鋼材の強度と伸びを向上させながらも衝撃値を向上させた組織としたり、強度重視の組織とすることができる。
保持工程では、鉄鋼材を両金型で挟持したままの状態で、それぞれ所定の温度帯にて所定時間保持する。
例えば、第1冷却温度帯をMs直上温度帯とし、保持工程における保持時間をベーナイト変態が開始するよりも短い時間、すなわち、処理対象の鉄鋼材の恒温変態線図におけるベーナイト変態開始点に至るまでの時間よりも短い時間とし、第2冷却工程を行うようにしても良い。
さらに換言するならば、予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材を、少なくとも一方が温度調節可能に構成された雄金型と雌金型とで挟圧し、前記鉄鋼材にプレス変形加工を施すプレス工程を有する金属加工方法であって、前記鉄鋼材を前記雄金型と雌金型とで挟圧した際に、同雄金型及び雌金型と鉄鋼材との間で熱の授受を行って、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度でマルテンサイト変態開始温度よりも20℃〜200℃だけ高いMs直上温度帯に至るまで冷却し、挟圧状態のまま前記Ms直上温度帯にて一定時間保持した後にベーナイト変態開始前に前記両金型より離型して前記マルテンサイト変態開始温度及びマルテンサイト変態終了温度を通過させつつ冷却するようにしても良い。
そして、前記鉄鋼材の成型を行うと同時に、同鉄鋼材の予熱前の状態に比して強度と伸びを向上させるようにしても良いし、同鉄鋼材のプレス加工前の状態に比して強度や伸びのバランスを変化させるようにしても良い。
このような工程を経ることにより、マルテンサイト変態開始温度以上の温度で保持して、ベーナイト変態開始点前に冷却されることとなり、鉄鋼材はマルテンサイト変態が生じることとなる。このようにして処理された鉄鋼材は、本実施形態に係る金属加工方法にて加工された鉄鋼材のなかで最も延性の高い鉄鋼材よりは若干延性が低下するものの、一般的な焼入れ加工を行った場合に比して極めて良好な強度及び延性を付与することができる。
また例えば、第1冷却温度帯をMs直上温度帯とし、保持工程における保持時間をベーナイト変態開始点よりも長い時間、すなわち、処理対象の鉄鋼材の恒温変態線図におけるベーナイト変態開始点に至るまでの時間よりも長い時間とし、第2冷却工程を行うようにしても良い。
換言すれば、予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材を、少なくとも一方が温度調節可能に構成された雄金型と雌金型とで挟圧し、前記鉄鋼材にプレス変形加工を施すプレス工程を有する金属加工方法であって、前記鉄鋼材を前記雄金型と雌金型とで挟圧した際に、同雄金型及び雌金型と鉄鋼材との間で熱の授受を行って、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度でマルテンサイト変態開始温度よりも20℃〜200℃だけ高いMs直上温度帯に至るまで冷却し、挟圧状態のまま前記Ms直上温度帯にて一定時間保持し、ベーナイト変態開始後に前記両金型より離型して常温に至るまで冷却するようにしても良い。
そして、前記鉄鋼材の成型を行うと同時に、同鉄鋼材の予熱前の状態に比して強度と伸びを向上させるようにしても良いし、同鉄鋼材のプレス加工前の状態に比して強度や伸びのバランスを変化させるようにしても良い。
このような工程を経ることにより、優れた強度と伸びを有しつつ、高靱性のベーナイト組織を備えた鉄鋼材とすることができる。また、保持工程においてベーナイト変態終了点に至るまでの時間よりも長い時間保持を行っても良く、この場合、鉄鋼材にベーナイト変態を生起させることができ、靱性を重視した組織が得られることとなる。
また例えば、第1冷却温度帯をMs−Mf間温度帯とし、保持工程の後に第2冷却工程を行うようにしても良い。
換言すれば、予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材を、少なくとも一方が温度調節可能に構成された雄金型と雌金型とで挟圧し、前記鉄鋼材にプレス変形加工を施すプレス工程を有する金属加工方法であって、前記鉄鋼材を前記雄金型と雌金型とで挟圧した際に、同雄金型及び雌金型と鉄鋼材との間で熱の授受を行って、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度でマルテンサイト変態開始温度とマルテンサイト変態終了温度との間の温度帯に至るまで冷却し、挟圧状態のまま前記温度帯にて所定時間保持し、その後前記両金型より離型して常温に至るまで冷却する様にしても良い。
そして、前記鉄鋼材の成型を行うと同時に、同鉄鋼材の予熱前の状態に比して強度と伸びを向上させるようにしても良いし、同鉄鋼材のプレス加工前の状態に比して強度や伸びのバランスを変化させるようにしても良い。
このような工程を経ることにより、優れた強度と伸びを有しつつ、衝撃値が向上した鉄鋼材を得ることができる。
なお、第1冷却工程においてMs−Mf間温度帯を採用した場合における保持工程での保持時間は、時間の長短により組織中にベーナイト変態の有無が変わる場合には、このベーナイト変態が生じる時間(ベーナイト変態開始点に至る時間)よりも短い時間や長い時間とすることで、伸びや強度の異なるプレス加工品を製造しても良い。例えば、ベーナイト変態開始のタイミングよりも短い時間保持することで、鉄鋼材の組織を部分的にマルテンサイト化しても良い。
また、Ms−Mf間温度帯の中間の温度で、Ms−Mf温度帯を上下二つの温度帯に分け、それぞれの分割された温度帯で保持工程を行うようにしても良い。すなわち、Ms−Mf間温度帯のうち、中間の温度よりも上の温度帯であるMs−Mf上部温度帯で保持工程を行っても良く、また、中間の温度よりも下の温度帯であるMs−Mf下部温度帯で保持工程を行っても良い。
例えば、Ms−Mf上部温度帯にて保持工程を行えば、中間の温度にて保持工程を行った場合に比して伸びに富んだプレス加工品とすることができ、また、Ms−Mf下部温度帯にて保持工程を行えば、強度に富んだプレス加工品とすることができる。
このように、本実施形態に係る金属加工方法によれば、高い強度を備えながらも、延性に富んだプレス加工品を製造を可能とすることができる。
また、上述のように、本実施形態に係る金属加工方法は、第1冷却工程にて到達させる第1冷却温度帯と、保持工程にて第1冷却温度帯を保持する時間とを調整することにより、鉄鋼材の延性や強度を制御する技術であると解することもできる。
また、本実施形態に係る金属加工方法では、前記予熱を行う予熱工程を有し、同予熱工程では、温度制御可能に構成された上部発熱体と下部発熱体とにより前記鉄鋼材を挟んだ状態で予熱を行うようにしても良い。
従来、プレス加工を行うにあたり、鉄鋼材などの金属素材を予熱するためには、トンネル状の長い炉内を移動させることにより加熱する方式が一般的である。
しかしながら、このような方法では、金属素材を予熱するための炉を設置するためのスペースが非常に大きくなってしまうと言う問題があった。
また、加熱効率は必ずしも良いとは言えず、加熱処理に時間を要することから、高温となった金属が大気(酸素)に暴露され続けることとなり、金属表面の酸化が進行してしまうという問題もあった。
一方、本発明では、金属素材を挟圧しながら予熱することにより、前述の設置スペースの問題を回避することができ、また、金属素材に直接的に発熱体を接触させることで加熱効率を向上させるようにしている。
しかも、金属素材は、上部発熱体と下部発熱体とで挟んだ状態で予熱することとしているため、板状の金属素材の表面積の大半が加熱するための領域となり、放熱する領域を可及的少なくして加熱効率をさらに向上させることができる。
また、上部発熱体には吸引手段が設けられており、前記金属素材を前記上部発熱体に吸着させて予熱するよう構成している。したがって、発熱体に金属素材を密着させることができ、発熱体の熱を効率よく金属素材に伝達させることができる。
ところで、高温で予熱されている金属素材の表面は、空気中の酸素により酸化されるため酸化被膜が生成している。この酸化被膜が剥落してスケールとなると、上下の発熱体で金属素材を高い圧力で挟圧している場合、金属素材と下部発熱体との間に入り込んだスケールが、金属素材に食い込んで金属素材の品質を低下させてしまうおそれがある。
そこで、本発明では、吸引手段を上部発熱体に設けることとしている。従って、金属素材を上部発熱体に密着させて効率よく熱を伝達させることができるため、金属素材を下部発熱体に押しつける必要がなく、スケールが金属素材の下面に食い込むことを防止することができる。なお、このとき、上部発熱体と金属素材との密着度合いは、下部発熱体と金属素材との密着度合いよりも高くなるため、下部発熱体に比して上部発熱体の温度を低下させても良い。このような温度調整を行うことにより、使用する電力をさらに低減させて効率よく予熱を行うことができる。
また、プレス工程にて用いられる雄金型及び/又は雌金型にはヒータユニットが備えられており、同ヒータユニットは、表面に複数のヒータ線が水平方向に所定間隔を空けて敷設されたヒータプレートを複数段積層し、各ヒータプレートに敷設されたヒータ線を、垂直・水平方向に分散設置した構成としている。
後に詳述するが、このような構成とすることにより、各ヒータプレートのヒータ線を均熱化することで、個々のヒータ線の発熱量を最小限に留めることが可能となり、金属素材に必要な熱量を加えながらも、各ヒータプレートの加熱軟化を防ぐことができる。
また、ヒータプレート表面には、ヒータ線を敷設するための溝部が刻設されており、溝部中にヒータ線が収納敷設されている。それゆえ、ヒータプレートに対するヒータ線の接触面積を拡大することができ、ヒータ線から発せられる熱の伝導効率を向上させることができる。
以下、本実施形態に係る金属加工方法について、図面を参照しながら更に詳説する。なお、以下の説明では、まず予熱工程について説明し、次いでプレス工程の説明を行って、その後各種試験及び結果について言及する。
〔予熱工程〕
図1は予熱工程を行うための予熱装置の要部を示した説明図である。図1(a)に示すように、予熱装置は、金属素材を加熱するための予熱部1が備えられている。
予熱部1は、基台2に配設された下部支持体3と、同下部支持体3に対向して配設された上部支持体4とを備えている。
下部支持体3には、その上面に通電により発熱する下部発熱体5が備えられており、同下部発熱体5上に載置した金属素材を下方から加熱可能に構成している。
上部支持体4は、図示しない昇降機構により上下方向に移動する昇降支柱6の下端部に配設されており、下部支持体3に対して接近・離隔可能に構成している。
上部支持体4の下面には、通電により発熱する上部発熱体7が備えられており、前述の下部発熱体5上に載置した金属素材を上方から加熱可能としている。
また、昇降支柱6の内部には、図示しない吸引機構に連通した吸引管10を配設している。
この吸引管10は、昇降支柱6の下部近傍にて左右に分岐し、さらに前後にそれぞれ枝分かれさせており、枝分かれした各吸引枝管11は、上部支持体4の内方へ伸延させている。
各吸引枝管11は上部支持体4を貫通し、図1(b)に示すように、その端部開口12を上部発熱体7の表面に臨ませている。
また、上部発熱体7には、金属素材と接触する面に格子状の吸引溝8を形成しており、各吸引枝管11の端部開口12は、この吸引溝8上に形成されるよう構成している。
また、上部支持体4には、上部発熱体7の外周縁に沿ってパッキン9が配設されている。このパッキン9は、耐熱性を有する弾性素材によって形成されており、上部支持体4を金属素材に吸着させた際の気密性を保つ役割を有している。
また、上部発熱体7及び下部発熱体5は、図示しない制御装置に電気的に接続されており、同制御装置によってその表面を所定の温度にそれぞれ別個に制御可能としている。
そして、予熱工程では、このような構成を有する予熱装置により、金属素材の予熱を行う。
具体的には、図2(a)に示すように、まず、金属素材13を下部支持体3と上部支持体4との間に挿入し、下部発熱体5上に載置する。
次いで、図2(a)及び(b)に示すように、昇降機構を駆動して昇降支柱6を下降させ、下部発熱体5上に載置した金属素材13に上部から上部発熱体7を接触させる。
このとき、上部発熱体7の周縁に配設したパッキン9は、図3に示すように金属素材13との接触により変形し、環状に配設したパッキン9の内側領域の気密性を保持する。
次に、制御装置により温度制御を行いながら上部発熱体7及び下部発熱体5に通電を行い、両発熱体7,8の加熱を行うと共に、金属素材13の予熱を開始する。なお本実施形態では、金属素材を鉄鋼とし、約950℃の温度で加熱している。また、両発熱体7,8へ通電は、金属素材13の下部発熱体5上への載置前より予め行っていても良い。
また、これと同時に、吸引機構を稼働させて、吸引管10から吸引溝8に至る部位を陰圧とし、金属素材13を吸引して上部発熱体7に金属素材13を密着させる。
これにより、徐々に金属素材13の予熱が行われることとなる。このような予熱部1を有する予熱装置によれば予熱中に金属材料を移動させることがないため、複数の単位炉を連結してトンネル状とした加熱炉に比して設置スペースを小さくすることができる。しかも、金属素材13は、下部発熱体5と上部発熱体7とに接触した状態で予熱が行われるため、両発熱体7,8から発せられる熱の伝導効率が極めて良く、金属素材13を効率的に予熱することができる。
また、金属素材13の材質によって発生量は異なるが、高温となった金属素材13の表面が、空気中の酸素によって酸化されスケールが生じた場合であっても、金属素材13は上部支持体4側へ吸引されているため、下部支持体3に対しては接触している程度であり、金属素材13から剥落したスケールが下部発熱体5と金属素材13のと間に侵入しても、軟化した金属素材13の底面に食い込んで品質が低下するのを防止することができる。
次に、金属素材13が所望の温度に達すると、吸引機構を停止して吸引管10から端部開口12までの管内を大気開放して常圧となし、上部発熱体7に吸着している金属素材13を外すとともに、必要に応じて両発熱体7,8への電力供給を停止する。
そして、図2(c)に示すように、再び昇降機構を駆動させて昇降支柱6を上昇させ、下部発熱体5上に載置した金属素材13を予熱部1より取出すこととなる。
なお、次に述べるプレス工程では、本工程にて予熱した金属素材13を用いるが、この金属素材13は、予熱が行われた直後の比較的温度の高い状態であってもよく、また、常温程度に一度冷却されたものであっても良い。すなわち、予熱は、後のプレス工程での加工性を良好とするために行っても良く、また、金属素材13の結晶構造を所定の構造とするために行うものであっても良い。
〔プレス工程〕
次に、プレス工程について説明する。図4はプレス工程を行うためのプレス装置の要部を示した説明図である。プレス装置は図4に示すように、金属素材にプレス加工を施すプレス部30が備えられている。
プレス部30には、内部に所定の成型凹部31aを形成した金型31が、上方を開口状態として金型基台33上に載置されている。
金型31の開口部分には、金属素材13が平面的に載置されており、その上方には、金型31の成型凹部31aに上方から降下嵌入自在とした雄金型32が配設されている。
金型31及び雄金型32の内部には、両金型31,32を介して金属素材13を所定温度とするためのヒータユニット35が配設されている。
ヒータユニット35は、複数枚(例えば、2〜3枚)のヒータプレート37を重複して積層した構成としており、各ヒータプレート37には複数のヒータ線41が収納されている。
ここで、ヒータユニット35及びヒータプレート37の構成について具体的に説明すると、ヒータプレート37は、図5に示すように、プレート単体の下面に環状ヒータ溝40を同心円状に所定間隔をおいて三廻り刻設し、その中にヒータ線41を収納して構成している。なお、図中符号44は、ヒータプレート37内に配設した各ヒータ線41に電力を供給するための電線44である。
そして、これらのヒータプレート37を多数段積層して密着させ、ヒータユニット35を構成する(図4参照)。かかるヒータプレート37を多数段(本実施形態では2段又は3段)積層することにより熱源部を構成する。
このように、熱源部としてヒータプレート37を多数段積層した構成することにより、ヒータプレート37に収納されたヒータ線41は、垂直・水平方向に分散設置されることとなり、各ヒータプレート37のヒータ線41を均熱化することで、個々のヒータ線41の発熱量を最小限に留める事が可能となり、各ヒータプレート37の加熱軟化を防ぐことができる。
そして、このようなヒータユニット35に収納されているヒータ線41に電線44を介して通電して加熱することにより、両金型31,32を介して金属素材13に熱伝導して金属素材13を所定の温度とするように構成している。なお、電線44は、図示しない制御装置に電気的に接続されており、同制御装置によって各ヒータユニット35を所定の温度に制御可能としており、特に本実施形態では、図6に示すように金属素材13の温度を300〜500℃のベーナイト化温度(以下、「オーステンパー処理温度」という。)となるようにしている。なお、このベーナイト化温度は、金属素材13中の炭素等量で変化するものであり、マルテンサイト(Ms点)基準の場合には、Ms点直上からMs点より300℃程度高い温度の範囲となる。ここでは実線で示すような熱履歴にて加工を行っているが、一点鎖線で示すような熱履歴にて加工を施しても良い。
このように、プレス工程においては、金属素材13をプレスした際に、金属素材13の温度を所定の温度(本実施形態ではオーステンパー処理温度)とすることができ、前述の予熱工程にて予熱した金属素材13を直ちにプレス工程に供することで、金属素材13をプレス加工しながらオーステンパー処理を施すことができる。
また、両金型31,32内に配置した加熱部であるヒータユニット35は、それぞれ複数のヒータ線41を収納した複数枚(例えば、2〜3枚)のヒータプレート37を重複して積層し、ヒータ線41を垂直・水平方向に分散して設置する構成としたため、ヒータユニット35の局所的な加熱を避けて均熱化することができ、ヒータユニット35の加熱軟化を防ぐことを可能としている。
しかも、ヒータプレート37の表面に、ヒータ線41を敷設するための溝部(環状ヒータ溝40)を刻設し、溝部中にヒータ線41を収納敷設したため、ヒータプレート37に対するヒータ線41の接触面積を拡大することができ、ヒータ線41から発せられる熱の伝導効率を向上させることができる。
また、本プレス工程にて使用する金属素材13は、予熱工程を経た金属素材13である。したがって、予熱されたままの状態の金属素材13を本プレス工程に供した場合には、金属素材13の加工性を飛躍的に向上することができる。
また、前述の予熱工程と本プレス工程との一連の流れに着目すれば、発熱体7,8やヒータユニット35を金属素材13に接触させることとしているため、金属素材13の加熱効率が極めて良く、熱の利用効率が飛躍的に向上されることとなる。
したがって、例えば電力により加熱を行う場合には、金属素材13の加工を施すのに必要とされる電力を削減することができ、製造コストの低減を図ることができる。
〔従来技術との比較試験〕
次に、本実施形態に係る金属加工方法と、従来のプレス加工方法との比較試験について述べる。
本実施形態に係る金属加工方法では、次に示すように処理を行った。
予熱工程:縦500mm×横1000mm×厚み2.3mmの金属素材を、前述の予熱工程に供し、全体の温度が950℃になるまで加熱を行った。
プレス工程:予熱工程を経た金属素材を、直ちに前述のプレス工程に供し、金属素材に窪みを形成した。
一方、従来のプレス加工方法は、次に示すように処理を行った。
予熱工程:縦500mm×横1000mm×厚み2.3mmの金属素材を、連続電気加熱トンネル炉に挿入し、全体の温度が950℃になるまで5時間加熱を行った。
プレス工程:予熱工程を経た金属素材を、直ちにプレス装置に供し、金属素材に窪みを形成した。
本比較試験では、使用電力量、製品特性(延性・強度)、使用材料の汎用性、設備投資、生産性の5点に着目し、プレス加工の熟練者5名により評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005978533
表1にも示すように、使用電力量、製品特性(延性・強度)、使用材料の汎用性、設備投資、生産性のいずれにおいても、本実施形態に係る金属の加工方法は、従来の加工方法に比して優れていることが示された。
特に、本願発明を実施するにあたり使用された電力量は50kWhであり、従来の方法で使用された電力量は300kWhであったことから、少ない電力量で同様の加工を施すことが可能であることが示された。また、製品特性について検討したところ、強度については、従来の方法と比較して同等の優れた強度を有しており、さらに延性が向上していることが示された。
また、加工性及び品質について検討したところ、従来の方法では、一般鋼材を加熱した場合に全面が酸化膜で覆われ、この酸化膜が金型内にも落下して大きな品質低下を引き起こすため、特殊表面処理を施した特殊材を使用する必要があった。一方、本法では、酸化膜は非常に薄く次工程で容易に除去する事が可能なレベルとなったため、安価で入手性の良い汎用鋼材を使用する事が可能となった。
併せて、従来の方法に比して少ないスペースでありながら、従来と同等以上の優れた加工品質を提供できることから、設備投資的な観点からも良好であると言え、また、従来の方法に比して短時間で金属素材を昇温、降温、加工を行うことができることから、生産性に優れていると言える。
〔引張試験による鉄鋼材の検証〕
次に、本実施形態に係る金属加工方法にて処理を行った鉄鋼材を引張試験に供して、同鉄鋼材の強度及び伸びについて検証を行った。
試験は前述の予熱装置により予備加熱を行った後に、前述のプレス装置にて幅50mm×長さ190mm×厚さ1.6mmのハット状に成型し、この成型品の所定位置から図7に示す試験片を切り出して行った。試験に供した鉄鋼材の組成を表2に示す。
Figure 0005978533
この組成から、本試験に供する鉄鋼材は、マルテンサイト変態開始温度が420℃、マルテンサイト変態終了温度が220℃、ベーナイト変態終了時間が約100秒であると予測され、また、ノーズ頂点温度は550℃、Ms−Mf間温度帯は420℃〜200℃、Ms直上温度帯は440〜640℃と求められた。ただし、ノーズ頂点温度が550℃であることから、Ms直上温度帯は440〜550℃(Ms+20℃〜Ms+130℃)となるが、本試験ではより安定した温度条件で試験すべく、Ms直上温度帯を450±10℃(Ms+20℃〜Ms+40℃)に設定した。
まず、予熱工程では、鉄鋼材を900〜950℃に加熱することでオーステナイト状態とした。
次に、プレス工程では、下記の5通りの異なる熱処理を行うことで、熱履歴がそれぞれ異なる5つのプレス加工品を得た。それぞれのプレス加工品の熱履歴について、図7を参照しながら説明する。図7は、各プレス加工品の熱履歴を恒温変態線図上に示した説明図である。
図7の左上の恒温変態線図にて示すように、プレス加工品1は、予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材をプレス装置で挟圧し、同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度でMs直上温度帯に至るまで冷却し、挟圧状態のまま前記Ms直上温度帯にて一定時間保持し、ベーナイト変態終了後に金型より離型して常温に至るまで空冷又は水冷によって冷却することにより成型したものである。このプレス加工品1の作成においては、保持時間を100秒として空冷したもの(プレス加工品1a)、保持時間を150秒として空冷したもの(プレス加工品1b)、保持時間を100秒として水冷したもの(プレス加工品1c)、保持時間を150秒として水冷したもの(プレス加工品1d)の4種を作成した。これらのプレス加工品1a〜1dより、図8に示すような試験片を切り出して、それぞれ試験片1a〜1dとした。
また、図8の右上の恒温変態線図にて示すように、プレス加工品2は、予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材をプレス装置で挟圧し、同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度でMs−Mf間温度帯に至るまで冷却し、挟圧状態のまま前記温度帯にてベーナイト変態が生じるまで一定時間保持し、その後金型より離型して常温に至るまで空冷又は水冷によって冷却することにより成型したものである。このプレス加工品2の作成においては、保持時間を100秒として空冷したもの(プレス加工品2a)、保持時間を150秒として空冷したもの(プレス加工品2b)、保持時間を100秒として水冷したもの(プレス加工品2c)、保持時間を150秒として水冷したもの(プレス加工品2d)の4種を作成した。これらのプレス加工品2a〜2dより、図8に示すような試験片を切り出して、それぞれ試験片2a〜2dとした。
また、図8左下の恒温変態線図に示すように、プレス加工品3は、予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材をプレス装置で挟圧し、同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度でMs直上温度帯に至るまで冷却し、挟圧状態のまま前記Ms直上温度帯にて一定時間保持した後にベーナイト変態開始前に金型より離型してマルテンサイト変態開始温度及びマルテンサイト変態終了温度を通過させつつ常温に至るまで空冷又は水冷によって冷却することにより成型したものである。このプレス加工品3の作成においては、保持時間を10秒として空冷したもの(プレス加工品3a)、保持時間を20秒として空冷したもの(プレス加工品3b)、保持時間を10秒として水冷したもの(プレス加工品3c)、保持時間を20秒として水冷したもの(プレス加工品3d)の4種を作成した。これらのプレス加工品3a〜3dより、図8に示すような試験片を切り出して、それぞれ試験片3a〜3dとした。
また、図8右下の恒温変態線図に示すように、プレス加工品4は、予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材をプレス装置で挟圧し、同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度でMs−Mf間温度帯に至るまで冷却し、挟圧状態のまま前記温度帯にて一定時間保持した後にベーナイト変態開始前に金型より離型してマルテンサイト変態終了温度を通過させつつ常温に至るまで空冷又は水冷によって冷却することにより成型したものである。このプレス加工品4の作成においては、保持時間を10秒として空冷したもの(プレス加工品4a)、保持時間を20秒として空冷したもの(プレス加工品4b)、保持時間を10秒として水冷したもの(プレス加工品4c)、保持時間を20秒として水冷したもの(プレス加工品4d)の4種を作成した。これらのプレス加工品4a〜4dより、図8に示すような試験片を切り出して、それぞれ試験片4a〜4dとした。
また、比較サンプルとして、図9の恒温変態線図に示すように、プレス加工品5は、予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材をプレス装置で挟圧し、直ちに金型より離型して、同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度で常温に至るまで冷却したものである。このプレス加工品5より切り出された試験片を比較サンプル片とした。なお、この比較サンプル片は、所謂プレスハードニングの処理が施されたものであると言える。
このようにして切り出した各試験片及び比較サンプル片を、引張試験に供して伸び及び強度の検証を行った。その結果を図10及び図11に示す。なお、図中において引張強さの結果を棒グラフで示し、伸びの結果を黒丸で示す。
予熱前の鉄鋼材より切り出した試験片の引張試験の結果、引張強さは600MPa、伸びは18%であったが、本実施形態に係る金属加工方法に供した各試験片は、図10及び図11からも分かるように、いずれも引張強さ(強度)や伸びが向上していることが示された。
図12は、本実施形態に係る金属加工方法に供した各試験片と、従来より知られている各鉄鋼材料との比較を行った説明図である。図12からも分かるように、本実施形態に係る金属加工方法に供した試験片は、プレス成形後であるにもかかわらず、スーパーハイテンやプレスハードニングされた鉄鋼材等の従来品に比して優れた伸びや強度の両立がなされていることが分かる。
すなわち、440〜780MPa級のスーパーハイテンや、990MPa級のスーパーハイテン、プレスハードニングされた鉄鋼材のそれぞれの伸び及び強度をプロットした点を滑らかに結んで描かれる伸び−強度相関線よりも上方にプロットされる伸びと強度を兼ね備えたプレス加工品を成型可能な金属加工方法を提供することができる。
付言すれば、15%〜35%、より限定的には20%〜35%の伸びを有しつつ、700〜1300MPa、より限定的には700〜1250Mpaの強度を兼ね備えたプレス加工品を成形可能な金属加工方法を提供することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
1 予熱部
5 下部発熱体
7 上部発熱体
13 金属素材
30 プレス部
31 金型
32 雄金型
35 ヒータユニット
37 ヒータプレート
40 環状ヒータ溝
41 ヒータ線

Claims (9)

  1. 予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材を、少なくとも一方が温度調節可能に構成された雄金型と雌金型とで挟圧し、前記鉄鋼材にプレス変形加工を施すプレス工程を有する金属加工方法であって、
    前記プレス工程にて前記鉄鋼材を前記雄金型と雌金型とで挟圧した際に、同雄金型及び雌金型と鉄鋼材との間で熱の授受を行って、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度で、マルテンサイト変態開始温度からマルテンサイト変態終了温度までの温度帯に至るまで冷却し、挟圧状態のままこの所定の温度帯にて所定時間保持した後に前記両金型より離型して再度冷却を開始し、しかも前記所定の温度帯と前記所定時間をそれぞれ調整することにより、前記鉄鋼材の成型を行うと同時に同鉄鋼材中のマルテンサイト、ベーナイト、フェライト、オーステナイトの比率を変えて、前記鉄鋼材の強度と伸びを変化させることを特徴とする金属加工方法。
  2. 予熱してオーステナイト状態とした鉄鋼材を、少なくとも一方が温度調節可能に構成された雄金型と雌金型とで挟圧し、前記鉄鋼材にプレス変形加工を施すプレス工程を有する金属加工方法であって、
    前記予熱を行う予熱工程を有し、同予熱工程では、温度制御可能に構成された上部発熱体と下部発熱体とにより前記鉄鋼材を挟んだ状態とし、上部発熱体には吸引手段が設けられており、前記鉄鋼材を前記上部発熱体に吸着させて予熱し、
    前記プレス工程にて前記鉄鋼材を前記雄金型と雌金型とで挟圧した際に、同雄金型及び雌金型と鉄鋼材との間で熱の授受を行って、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の恒温変態線図におけるノーズを通過する速度よりも大きい冷却速度でノーズ頂点温度からマルテンサイト変態終了温度までの温度帯に含まれる所定の温度帯に至るまで冷却し、挟圧状態のままこの所定の温度帯にて所定時間保持した後に前記両金型より離型して再度冷却を開始し、しかも前記所定の温度帯と前記所定時間をそれぞれ調整することにより、前記鉄鋼材の成型を行うと同時に同鉄鋼材中のマルテンサイト、ベーナイト、フェライト、オーステナイトの比率を変えて、前記鉄鋼材の強度と伸びを変化させることを特徴とする金属加工方法。
  3. 前記所定の温度帯は、マルテンサイト変態開始温度よりも20℃〜200℃だけ高いMs直上温度帯とし、前記所定の時間は、前記恒温変態線図におけるベーナイト変態開始点に至るまでの時間よりも長い時間とすることで、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の予熱前の状態に比して強度と伸びを向上させることを特徴とする請求項2に記載の金属加工方法。
  4. 前記所定の温度帯を、マルテンサイト変態開始温度とマルテンサイト変態終了温度との間の温度帯として、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の予熱前の状態に比して強度と伸びを向上させることを特徴とする請求項2に記載の金属加工方法。
  5. 前記所定の温度帯は、マルテンサイト変態開始温度よりも20℃〜200℃だけ高いMs直上温度帯とし、前記所定時間は、前記恒温変態線図におけるベーナイト変態開始点に至るまでの時間よりも短い時間とすることで、前記鉄鋼材を同鉄鋼材の予熱前の状態に比して強度と伸びを向上させることを特徴とする請求項2に記載の金属加工方法。
  6. 前記予熱を行う予熱工程を有し、同予熱工程では、温度制御可能に構成された上部発熱体と下部発熱体とにより前記鉄鋼材を挟んだ状態で予熱を行うことを特徴とする請求項1に記載の金属加工方法。
  7. 前記上部発熱体には吸引手段が設けられており、前記鉄鋼材を前記上部発熱体に吸着させて予熱することを特徴とする請求項6に記載の金属加工方法。
  8. 前記雄金型及び/又は雌金型にはヒータユニットが備えられており、同ヒータユニットは、表面に複数のヒータ線が水平方向に所定間隔を空けて敷設されたヒータプレートを複数段積層し、各ヒータプレートに敷設されたヒータ線を、垂直・水平方向に分散設置したことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の金属加工方法。
  9. ヒータプレート表面にヒータ線を敷設するための溝部を刻設し、溝部中にヒータ線を収納敷設したことを特徴とする請求項8に記載の金属加工方法。
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