JP4611489B2 - 反射防止成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話、ビデオカメラ、デジタルカメラ、自動車用機器などのディスプレイ部分のカバー部品などに用いることができる反射防止成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、ビデオカメラ、デジタルカメラ、自動車用機器などにおいて、ディスプレイ部分は、液晶パネルあるいは有機ELパネルとの組み合わせなどにより構成されている。ディスプレイ部分は、液晶パネルの破損を防止したり、液晶パネルの表示を拡大したり、液晶パネル近辺を装飾したりすることを目的として、レンズ状に成形した透明基板や縁取りなどの図柄が形成された透明基板により構成されるカバー部品により覆われている。
【0003】
液晶パネルとの間に空間を設けて設置するカバー部品の場合は、液晶パネルとカバー部品との間に空気層が存在するため、液晶パネルからの光がカバー部品を透過する際、カバー部品の裏面で反射が生じる。このようなカバー部品において、透明基板がアクリル樹脂からなる場合、アクリル樹脂の屈折率が1.48であり空気層の屈折率1.0に比べ高屈折なため、カバー部品の片面で4〜5%の反射率を示すものであった。したがって、カバー部品の裏面からの外光が反射して写り込み視認性が落ちるため、反射光をできるだけ抑えたいという要求がある。
【0004】
また、液晶パネルのカラー化が進むに伴い、カバー部品の裏面からの反射光がディスプレイ表示のコントラストに影響を及ぼし表示品質を落とすことから、裏面の反射の少ないカバー部品が求められている。
【0005】
また、透過光のロスをできるだけ少なくするには、液晶パネルと対向する裏面の反射を抑える必要がある。特に、カラー液晶パネルの場合はカラーフィルターを使用しているため透過光の30%程度をロスしていることになり、明るい映像を表現するためにはモノクロ液晶パネルを用いた場合よりもバックライトの輝度を高めることが必要となる。これは、電力消費がモノクロ液晶パネルを用いた場合より大きくなるので、バッテリーを電力供給源とする携帯機器にとって重要な問題である。
【0006】
そこで、カバー部品の反射率を低くするため、カバー部品の裏面に低反射処理が施されている。
【0007】
低反射処理の方法としては、低反射フィルムを貼りつける方法がある。また、多重干渉を利用し、低屈折材料と高屈折材料とを交互に積層して透明低反射層を設ける方法がある。また、フッ素化合物などの有機系の低屈折物質あるいは常温硬化する無機系酸化物の低屈折物質を溶液化してコーティングする方法がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、低反射フィルムを貼りつける方法は、液晶パネルなどの表示装置に一般的に使用されている方法であるが、貼り合わせ工程や脱泡工程が必要となって工程数が多くなり、また、これに伴いゴミ噛みなどのために歩留まりも低下するという問題があった。
【0009】
また、低屈折材料と高屈折材料とを交互に積層する方法は、性能のよい膜を形成できるため低反射効果は優れているものの、大がかりな装置を用いて透明基板に加工する必要があるので、コストが高くなるという問題があった。さらに、透明基板の裏面は、通常、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂が露出しているため、無機酸化物系の低屈折材料との密着性が低いという問題があった。密着性を高めるためにアンカー層を設けることも考えられるが、工程が増加しコストアップの要因となってしまうため適当ではない。
【0010】
また、低反射効果を有する材料を溶液化しコーティングして透明低反射層を形成する方法は、成形品が平板の場合は可能であるが、カバー部品のように二次元あるいは三次元の曲面形状を有する成形品の場合は、低反射の機能を発揮する厚さ10nm〜数百nmの薄膜を形成することが困難であるという問題があった。
【0011】
したがって、この発明は、上記のような欠点を解消し、透明基板の裏面に透明低反射層を形成せずとも優れた反射防止効果を有する反射防止成形品を容易に製造することができる方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の反射防止成形品の製造方法は、上記の目的を達成するために、つぎのように構成した。
【0013】
すなわち、この発明の反射防止成形品の製造方法は、ディスプレイのカバー部材に用いられ裏面に凹部を有する反射防止成形品の製造方法において、金型内に基体シートと前記基体シートの上に形成され、JIS K7105でヘーズ値が0.1〜8.0であり、JIS K7105でグロス(60°)値が10〜130であるの微細凹凸形状を転写物に付与する微細凹凸層とを備える裏面用加飾シートを進入させ、前記裏面用加飾シートの基体シート側が前記金型のキャビティー面に接するように設置させる第一工程と、前記金型の固定型とキャビティー型が型閉めされ、前記固定型側から透明な溶融樹脂が射出される第二工程と、前記溶融樹脂からなり裏面に凹部を有する透明部材と前記透明部材の凹部に形成される裏面用加飾シートとを備えた一体化物を得る第三工程と、前記金型を型開きした後、前記一体化物から前記裏面用加飾シートを剥離して、前記透明部材の凹部に微細凹凸形状を備えた反射防止成形品を得る第四工程とを備えるように構成した。
【0014】
また、ディスプレイのカバー部材に用いられ裏面に凹部を有する反射防止成形品の製造方法において、金型内に基体シートと前記基体シートの上に形成され、JIS K7105でヘーズ値が0.1〜8.0であり、JIS K7105でグロス(60°)値が10〜130であるの微細凹凸形状とを備える裏面用加飾シートを進入させ、前記裏面用加飾シートの基体シート側が前記金型のキャビティー面に接するように設置させる第一工程と、前記金型の固定型とキャビティー型が型閉めされ、前記固定型側から透明な溶融樹脂が射出される第二工程と、前記溶融樹脂からなり裏面に凹部を有する透明部材と前記透明部材の凹部に形成される裏面用加飾シートとを備えた一体化物を得る第三工程と、前記金型を型開きした後、前記一体化物から前記裏面用加飾シートを剥離して、前記透明部材の凹部に前記微細凹凸形状が写し取られた反射防止成形品を得る第四工程と、を備えるように構成した。
【0015】
また、上記の発明において、基体シート上に少なくとも図柄層が形成された表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に基体シートが接するように金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物が得られた後に、表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートの基体シートを剥離して、透明基板の表面に図柄層を形成するように構成してもよい。
【0016】
また、上記の発明において、基体シート上に少なくとも図柄層が形成された表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に図柄層側の面が接するように金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物を得、透明基板の表面に図柄層を形成するように構成してもよい。
【0017】
また、上記の発明において、基体シート上に少なくとも保護層が形成された表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に基体シートが接するように金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物が得られた後に、表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートの基体シートを剥離して、透明基板の表面に保護層を形成するように構成してもよい。
【0018】
また、上記の発明において、基体シート上に少なくとも保護層が形成された表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に保護層側の面が接するように金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物を得、透明基板の表面に保護層を形成するように構成してもよい。
【0019】
また、上記の発明において、基体シート上に少なくとも透明低反射層が形成された表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に基体シートが接するように金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物が得られた後に、表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートの基体シートを剥離して、透明基板の表面に透明低反射層を形成するように構成してもよい。
【0020】
また、上記の発明において、基体シート上に少なくとも透明低反射層が形成された表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に透明低反射層側の面が接するように金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物を得、透明基板の表面に透明低反射層を形成するように構成してもよい。
【0021】
また、上記の発明において、透明基板の表面に、印刷法、コーティング法、浸漬法または蒸着法により透明低反射層を形成するように構成してもよい。
【0022】
また、上記の発明において、透明基板の表面に、印刷法、コーティング法、浸漬法または蒸着法により防汚層を形成するように構成してもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0024】
図1〜4は、この発明の反射防止成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。図5〜8は、この発明の反射防止成形品の製造方法によって得られる反射防止成形品の一実施例を示す断面図である。図中、1は金型、2は透明基板、3は透明低反射層、4は防汚層、5は反射防止成形品、6は微細凹凸形状、10は裏面用加飾シート、11は基体シート、12は微細凹凸層、13は剥離層、14は図柄層、15は接着層、20は表面用加飾シート、21は基体シート、22は保護層、23は図柄層、24は接着層である。
【0025】
この発明の反射防止成形品5の製造方法は、基体シート11上に少なくとも微細凹凸層12が形成された裏面用加飾シート10を基体シート11側がキャビティ面に接するように金型1内に設置し、金型1内に透明な溶融樹脂を射出して加飾シートと樹脂からなる透明基板2との一体化物を得、次いで裏面用加飾シート10の基体シート11を剥離して、透明基板2の表面が平滑であり裏面が微細凹凸形状6を有する成形品を得る方法である(図1〜3参照)。
【0026】
このように構成することにより、裏面の微細凹凸形状6により裏面からの反射が拡散され、防眩が可能となる反射防止成形品5を容易に得ることができる。
【0027】
反射防止成形品5の裏面に微細凹凸形状6を形成するために、基体シート11上に少なくとも微細凹凸層12が形成された裏面用加飾シート10を利用する。
【0028】
基体シート11の材質としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シートなどを使用することができる。
【0029】
基体シート11からの転写層の剥離性がよい場合には、基体シート11上に転写層を直接設ければよい。基体シート11からの転写層の剥離性を改善するためには、基体シート11上に転写層を設ける前に、離型層を全面的に形成してもよい。
【0030】
微細凹凸層12は、反射防止成形品5の裏面に微細凹凸形状6を表現するための層である。微細凹凸層12は、基体シート11または離型層上に部分的または全面的に形成する。微細凹凸層12は、転写層の表面を微細凹凸形状6にする層であり、転写後は基体シート11とともに除去されてもよい。微細凹凸層12としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂などに、シリカ、アルミナなどの体質顔料や、樹脂ビーズ、多孔質シリカ、多孔質アルミナ、あるいは、MgFなどの低屈折フィラーなどを分散させたものを用いるとよい。微細凹凸層12の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの印刷法がある。
【0031】
また、基体シート11とともに微細凹凸層12が除去されることによって透明基板2側に転写された層の表面に凹凸形状が写し取られて微細凹凸形状6を表現するのではなく、微細凹凸層12が基体シート11と他の層との両方に密着することにより、基体シート11が剥離される際に微細凹凸層12の内面で層間剥離が生じ、その剥離面により微細凹凸形状6を表現するように構成してもよい。
【0032】
また、微細凹凸層12が基体シート11との界面で剥離して透明基板2側に転写され、微細凹凸層12を構成する樹脂成分が収縮することによりその表面が微細凹凸形状6を表現するように構成してもよい。
【0033】
また、微細凹凸層12を基体シート11上に形成する代わりに、基体シート11の一方の面を微細凹凸形状6とすることにより、その微細凹凸形状6が転写層に写し取られて微細凹凸形状6を表現するように構成してもよい。
【0034】
転写層の剥離性を高めるとともに微細凹凸層12の微細凹凸形状6を写し取って微細凹凸形状6を表現するためには剥離層13を形成するとよい。剥離層13の材質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用いるとよい。剥離層13の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0035】
また、透明基板2の上に上記の各層を接着するために接着層15を形成するとよい。接着層15としては、透明基板2の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。
【0036】
たとえば、透明基板2の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、透明基板2の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、透明基板2の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層15の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。また上記材質よりなる接着性を持つシートをラミネート法などにより貼り合せて接着層15とすることも可能である。
【0037】
なお、転写層の構成は、上記した態様に限定されるものではない。たとえば、剥離層13の材質として透明基板2との接着性に優れたものを使用する場合には、接着層15を省略することができる。
【0038】
また、反射防止成形品5を加飾するために転写層として図柄層14を形成してもよい。図柄層14は、剥離層13の上に形成するとよい。
【0039】
図柄層14は、通常は印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。印刷層は、通常は、部分的に設ける。
【0040】
また、図柄層14は、金属薄膜層からなるもの、あるいは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからなるものでもよい。金属薄膜層は、図柄層14として金属光沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用する。金属薄膜層は、通常は、部分的に形成する。また、金属薄膜層を設ける際に、他の層との密着性を向上させるために、前アンカー層や後アンカー層を設けてもよい。
【0041】
次に、前記した裏面用加飾シート10を用い、透明基板2の裏面に微細凹凸形状6を形成する方法について説明する(図1〜3参照)。
【0042】
まず、可動型と固定型とからなる成形用金型1内に、裏面用加飾シート10を基体シート11側がキャビティ面に接するように送り込む(図1参照)。その際、枚葉の裏面用加飾シート10を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の裏面用加飾シート10の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の裏面用加飾シート10を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、裏面用加飾シート10の微細凹凸層12や図柄層14などと成形用金型1との見当が一致するようにするとよい。また、裏面用加飾シート10を間欠的に送り込む際に、裏面用加飾シート10の位置をセンサーで検出した後に裏面用加飾シート10を可動型と固定型とで固定するようにすれば、常に同じ位置で裏面用加飾シート10を固定することができ、図柄層14の位置ずれが生じないので便利である。
【0043】
成形用金型1を閉じた後、固定型に設けたゲートより溶融樹脂を金型1内に射出充満させ、透明基板2を形成するのと同時に裏面用加飾シート10を接着させ一体化する(図2参照)。
【0044】
成形樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。
【0045】
透明基板2である樹脂成形品を冷却した後、成形用金型1を開いて樹脂成形品を取り出す。最後に、裏面用加飾シート10の基体シート11を剥離する(図3参照)。このようにして、転写層のみを透明基板2に転移するとともに微細凹凸形状6を形成することができる(図5参照)。
【0046】
上記のようにして反射防止成形品5を得ることができる。
【0047】
反射防止成形品5の形状は、平板状のものであっても、二次元あるいは三次元の曲面を有するものであってもよい(図5〜8参照)。その表側は平滑面となり、裏側は微細凹凸形状6を有する面となる。
【0048】
微細凹凸形状6は、光拡散させるためのものでヘイズが発生しない程度であれば、その表面粗度は特に限定されない。好ましくは、ヘイズ値が0.1〜8.0(JIS K7105準拠)になるよう調整した方がよい。ヘイズ値が0.1に満たないと、光拡散効果が十分に得られず、反射防止成形品5の裏面の反射を防止できない。また、ヘイズ値が8.0を越えると、白濁が著しくなり、反射防止機能が優れていても反射防止成形品5の裏面に配置されるディスプレイの文字や画像がにじんでみえることになるので好ましくない。ヘイズ値は、0.1〜3.0の範囲であるのが特に好ましい。この範囲内にあると、反射防止成形品5の透明感が増し、コントラストがより高くなり文字や画像のにじみも減少する。
【0049】
また、グロス(60°)値は10〜130(JIS K7105準拠)であるのが好ましい。10に満たないと濁りが激しくなるので不適当である。また、130を越えると外光の照り返しが大きくなり、ぎらつきが大きくなる。特に、グロス(60°)値は30〜100であるのが好ましい。この範囲であると反射防止効果が高く濁りが減少し、文字や画像の認識が良好となる。
【0050】
また、反射防止成形品5の表面には、必要に応じて、図柄層23、保護層22、透明低反射層3、防汚層4などを形成してもよい(図4〜8参照)。
【0051】
図柄層23は、裏面用加飾シート10に形成する場合と同様にして、透明基板2の表面に直接形成することができる。また、後述する表面用加飾シート20を用いて形成することができる。
【0052】
保護層22は、反射防止成形品5の表面強度を高めるための層である。保護層22は、透明基板2の表面に直接形成することができる。また、後述する表面用加飾シート20を用いて形成することができる。
【0053】
保護層22としては、重合性二重結合を有するプレポリマーまたはオリゴマーあるいはエポキシ基を有するプレポリマーまたはオリゴマーの組成物に反応型希釈剤を混合し、必要により光重合開始剤を添加した化合物を用いるとよい。具体的には、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂として用いられる樹脂を用いるとよい。保護層22の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0054】
透明低反射層3は、透明基板2の反射を防止するための層である。透明低反射層3は、透明基板2の表面に直接形成することができる。また、後述する表面用加飾シート20を用いて形成することができる。
【0055】
透明低反射層3に用いる低屈折材料としては、フッ化マグネシウム、酸化ケイ素などの金属酸化物を用いることができる。また、シリカあるいはオルガノポリシロキサンの少なくとも1種を含む有機金属化合物を用いることもできる。また、これらの有機金属化合物の多孔体を用いることもできる。また、フッ素系合成樹脂などの有機化合物を用いることも可能である。
【0056】
透明低反射層3の構成としては、微細孔を有する酸化ケイ素あるいは酸化アルミウムを、酸化ケイ素に分散し単層として使用したり、フッ化マグネシウムを単層として用いるほか、酸化チタン層/酸化ケイ素層の2層構成の透明低反射層3として使用したり、酸化チタン層/酸化ケイ素層/酸化チタン層/酸化ケイ素層のように4層構成の透明低反射層3など多重干渉を利用した多層構成の透明低反射層3としてもよい。
【0057】
これらの透明低反射層3の製造方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などがある。あるいは金属アルコラート、金属キレートなどの有機金属化合物を浸積法あるいは印刷法、コーティング法などにより透明基板2上に塗布し、その後、光照射あるいは乾燥により金属酸化物皮膜を形成して透明低反射層3を得る方法もある。また、後述する表面用加飾シート20を用いた転写法またはインサート法により形成することもできる。
【0058】
透明低反射層3の厚さは、0.01〜2μmの範囲で適宜選択するとよい。これらの膜厚は、低屈折材料の屈折率により、一般式n×d=λ/4または一般式n×d=3λ/4(ただし、nは低屈折材料の屈折率、dは低屈折材料の膜厚、λは低反射中心波長をそれぞれ示す)を満たすように適宜選択するとよい。
【0059】
このように透明基板2の最表面には透明低反射層3が形成され、裏面には微細凹凸形状6が形成されていることにより、反射防止成形品5の表側から入射する光は透明低反射層3の機能により反射が抑えられ、裏側での反射は微細凹凸形状6の光拡散作用により反射が抑えられ、反射防止成形品5全体として高い光透過率を示すものとなる。
【0060】
また、必要に応じて防汚層4を設けてもよい。防汚層4は、反射防止成形品5の汚染を防ぐために透明低反射層3の上に設けられる層である。防汚層4としては、末端基にフッ素を有する界面活性剤などを用いるとよい。防汚層4を設けるには、コーティング法、浸漬法、真空蒸着法などによるとよい。防汚層4の膜厚は、できる限り薄い方が好ましい。防汚層4の厚さが大きいと反射防止成形品5の光透過率が低くなるからである。
【0061】
透明基板2の表面に、図柄層23や保護層22などを形成するために、表面用加飾シート20を利用してもよい。表面用加飾シート20を用いることにより、透明基板2の裏面に微細凹凸形状を形成するのと同時に、透明基板2の表面に、図柄層23や保護層22などを形成することができる。
【0062】
表面用加飾シート20は、転写材あるいはインサート材として構成される。
【0063】
表面用加飾シート20として転写材を用いる場合、表面用加飾シート20は、基体シート21上に、図柄層23や保護層22などが転写層として構成される。
【0064】
基体シート21としては、裏面用加飾シート10の場合と同様のものを用いることができる。必要に応じて、離型層や剥離層を形成する。
【0065】
保護層22は、基体シート21または離型層上に全面的に形成する。保護層22は、成形同時転写後に基体シート21を剥離した際に、基体シート21または離型層から剥離して被転写物の最外面となり、反射防止成形品5の表面強度を高める層となる。保護層22の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0066】
図柄層23は、裏面用加飾シート10の場合と同様にして形成するとよい。
【0067】
透明低反射層3は、保護層22または剥離層の上に形成する。透明低反射層3は先に記載した構成のものとすればよい。
【0068】
また、必要に応じて、接着層24などを形成してもよい。
【0069】
なお、透明基板2の表面側に形成するすべての層を転写材によって形成するのではなく、転写材によって形成するのが好適な層のみを転写材によって形成し、その他の層は先に述べた方法により別途形成するようにしてもよい。特に、図柄層23および保護層22は転写材によって形成するのに適している。一方、防汚層4は転写材によって形成するのに適していない。
【0070】
上記のように構成した表面用加飾シート20である転写材を、裏面用加飾シート10と対向するキャビティ面に基体シート21が接するように金型1内に設置し(図1参照)、金型1内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シート20および裏面用加飾シート10と樹脂とからなる透明基板2との一体化物が得られた後に(図2参照)、表面用加飾シート20および裏面用加飾シート10の基体シート11、21を剥離する(図3参照)。このようにして、透明基板2の表面に、図柄層14、23や保護層22などを形成することができる(図5参照)。
【0071】
表面用加飾シート20としてインサート材を用いる場合、表面用加飾シート20は、基体シート21上に、図柄層23や保護層22などが形成されたものとなる。
【0072】
基体シート21は、裏面用加飾シート10の場合と同様のものを用いることができる。
【0073】
図柄層23は、裏面用加飾シート10の場合と同様のものを用いることができる。
【0074】
保護層22および透明低反射層3は、表面用加飾シート20として用いる転写材の場合と同様のものを用いることができる。
【0075】
また、必要に応じて、接着層24などを形成してもよい。
【0076】
なお、インサート法の場合は基体シート21を剥離除去しないので、基体シート21の一方の面に保護層22を形成し、他方の面に接着層24を形成することになる。図柄層23は、いずれの面に形成してもよい。
【0077】
また、反射防止成形品5の透明基板2の上に形成するすべての層をインサート材によって形成するのではなく、インサート材によって形成するのが好適な層のみを成形同時転写法によって形成し、その他の層は別途形成するようにしてもよいのは転写材を用いる場合と同様である。
【0078】
上記のように構成した表面用加飾シート20であるインサート材を、裏面用加飾シート10と対向するキャビティ面に保護層22側の面が接するように金型1内に設置し、金型1内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シート20および裏面用加飾シート10と樹脂とからなる透明基板2との一体化物を得る。このようにして、透明基板2の表面に、図柄層23や保護層22などを形成することができる(図6参照)。
【0079】
【実施例】
厚さ33μmのポリエステルフィルム(帝人株式会社製G2N)を基体シートとし、その上に酸化ケイ素を12重量%含有するエポキシ系樹脂からなる微細凹凸層、アクリル系樹脂からなる剥離層、ビニル系樹脂からなる接着層を順次グラビア印刷法で形成して裏面用加飾シートを得た。各層の厚さは1.0μmとなるようにした。
【0080】
また、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを基体シートとし、その上に紫外線硬化樹脂からなる保護層、アクリル系樹脂からなる図柄層、ビニル系樹脂からなる接着層を順次グラビア印刷法で形成して表面用加飾シートを得た。
【0081】
携帯電話のディスプレイ部分のカバー部品を成形する成形用金型に、裏面用加飾シートを基体シート側がキャビティ面に接するように金型内に設置した。また、表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に基体シートが接するように金型内に設置した。
【0082】
次いで、金型内に透明なアクリル系樹脂(住友化学工業株式会社製スミペックスHT−55X)を射出し、表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物を得た。
【0083】
次いで、表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートの基体シートを剥離したところ、透明基板の表面には、接着層、図柄層、保護層が順次積層され、平滑面が形成された。また、透明基板の裏面には、接着層と剥離層が順次形成され、基体シートとともに除去された微細凹凸層の凹凸形状が剥離層に写し取られ、剥離層表面に微細凹凸形状が形成された。
【0084】
このようにして得た携帯電話のディスプレイ部分のカバー部品である反射防止成形品は、微細凹凸形状の表面粗度(Ra)が2.8μmとなり、裏面の反射防止効果に優れたものであった。
【0085】
【発明の効果】
この発明は、以上のような構成を採るので、以下のような効果を奏する。
【0086】
この発明の反射防止成形品の製造方法は、ディスプレイのカバー部材に用いられ裏面に凹部を有する反射防止成形品の製造方法において、金型内に基体シートと前記基体シートの上に形成され、JIS K7105でヘーズ値が0.1〜8.0であり、JIS K7105でグロス(60°)値が10〜130であるの微細凹凸形状を転写物に付与する微細凹凸層とを備える裏面用加飾シートを進入させ、前記裏面用加飾シートの基体シート側が前記金型のキャビティー面に接するように設置させる第一工程と、前記金型の固定型とキャビティー型が型閉めされ、前記固定型側から透明な溶融樹脂が射出される第二工程と、前記溶融樹脂からなり裏面に凹部を有する透明部材と前記透明部材の凹部に形成される裏面用加飾シートとを備えた一体化物を得る第三工程と、前記金型を型開きした後、前記一体化物から前記裏面用加飾シートを剥離して、前記透明部材の凹部に微細凹凸形状を備えた反射防止成形品を得る第四工程とを備えるように構成したので、透明基板の裏面に透明低反射層を形成せずとも優れた反射防止効果に加え、高いコントラスト性と濁りの少ない反射防止成形品を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の反射防止成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図2】この発明の反射防止成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図3】この発明の反射防止成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図4】この発明の反射防止成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図5】この発明の反射防止成形品の製造方法によって得られる反射防止成形品の一実施例を示す断面図である。
【図6】この発明の反射防止成形品の製造方法によって得られる反射防止成形品の一実施例を示す断面図である。
【図7】この発明の反射防止成形品の製造方法によって得られる反射防止成形品の一実施例を示す断面図である。
【図8】この発明の反射防止成形品の製造方法によって得られる反射防止成形品の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金型
2 透明基板
3 透明低反射層
4 防汚層
5 反射防止成形品
6 微細凹凸形状
10 裏面用加飾シート
11 基体シート
12 微細凹凸層
13 剥離層
14 図柄層
15 接着層
20 表面用加飾シート
21 基体シート
22 保護層
23 図柄層
24 接着層
Claims (10)
- ディスプレイのカバー部材に用いられ裏面に凹部を有する反射防止成形品の製造方法において、
金型内に基体シートと前記基体シートの上に形成され、JIS K7105でヘーズ値が0.1〜8.0であり、JIS K7105でグロス(60°)値が10〜130であるの微細凹凸形状を転写物に付与する微細凹凸層とを備える裏面用加飾シートを進入させ、前記裏面用加飾シートの基体シート側が前記金型のキャビティー面に接するように設置させる第一工程と、
前記金型の固定型とキャビティー型が型閉めされ、前記固定型側から透明な溶融樹脂が射出される第二工程と、
前記溶融樹脂からなり裏面に凹部を有する透明部材と前記透明部材の凹部に形成される裏面用加飾シートとを備えた一体化物を得る第三工程と、
前記金型を型開きした後、前記一体化物から前記裏面用加飾シートを剥離して、前記透明部材の凹部に微細凹凸形状を備えた反射防止成形品を得る第四工程と、
を備えた反射防止成形品の製造方法。 - ディスプレイのカバー部材に用いられ裏面に凹部を有する反射防止成形品の製造方法において、
金型内に基体シートと前記基体シートの上に形成され、JIS K7105でヘーズ値が0.1〜8.0であり、JIS K7105でグロス(60°)値が10〜130であるの微細凹凸形状とを備える裏面用加飾シートを進入させ、前記裏面用加飾シートの基体シート側が前記金型のキャビティー面に接するように設置させる第一工程と、
前記金型の固定型とキャビティー型が型閉めされ、前記固定型側から透明な溶融樹脂が射出される第二工程と、
前記溶融樹脂からなり裏面に凹部を有する透明部材と前記透明部材の凹部に形成される裏面用加飾シートとを備えた一体化物を得る第三工程と、
前記金型を型開きした後、前記一体化物から前記裏面用加飾シートを剥離して、前記透明部材の凹部に前記微細凹凸形状が写し取られた反射防止成形品を得る第四工程と、
を備えた反射防止成形品の製造方法。 - 基体シート上に少なくとも図柄層が形成された表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に基体シートが接するように金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物が得られた後に、表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートの基体シートを剥離して、透明基板の表面に図柄層を形成する請求項1〜2のいずれかに記載の反射防止成形品の製造方法。
- 基体シート上に少なくとも図柄層が形成された表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に図柄層側の面が接するように金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物を得、透明基板の表面に図柄層を形成する請求項1〜2のいずれかに記載の反射防止成形品の製造方法。
- 基体シート上に少なくとも保護層が形成された表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に基体シートが接するように金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物が得られた後に、表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートの基体シートを剥離して、透明基板の表面に保護層を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止成形品の製造方法。
- 基体シート上に少なくとも保護層が形成された表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に保護層側の面が接するように金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物を得、透明基板の表面に保護層を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止成形品の製造方法。
- 基体シート上に少なくとも透明低反射層が形成された表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に基体シートが接するように金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物が得られた後に、表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートの基体シートを剥離して、透明基板の表面に透明低反射層を形成する請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止成形品の製造方法。
- 基体シート上に少なくとも透明低反射層が形成された表面用加飾シートを、裏面用加飾シートと対向するキャビティ面に透明低反射層側の面が接するように金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂が射出されて表面用加飾シートおよび裏面用加飾シートと樹脂とからなる透明基板との一体化物を得、透明基板の表面に透明低反射層を形成する請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止成形品の製造方法。
- 透明基板の表面に、印刷法、コーティング法、浸漬法または蒸着法により透明低反射層を形成する請求項1〜8のいずれかに記載の反射防止成形品の製造方法。
- 透明基板の表面に、印刷法、コーティング法、浸漬法または蒸着法により防汚層を形成する請求項1〜9のいずれかに記載の反射防止成形品の製造方法。
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