JP4611038B2 - 排ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒の製造方法 Download PDF

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本発明は、ディーゼルエンジン等から排出される排ガス中の窒素酸化物を分解処理する排ガス浄化用触媒の製造方法に関する。
ディーゼルエンジン等から排出される排ガス中の窒素酸化物を分解処理する排ガス浄化用触媒としては、酸化チタン等の金属酸化物からなる担体にPt,Pd,Au,Rh,Ag,Ir等の金属粒子を単独又は組み合わせて担持させたものが用いられている。
このような排ガス浄化用触媒としては、例えば、担体に金属粒子を付着させた後、当該金属粒子と異なる種類の金属相を当該金属粒子の表面の一部を被覆するように当該金属粒子の表面に還元析出させたものが知られている(例えば、下記特許文献1,2等参照)。
特開平11−156193号公報 特開平11−347424号公報
ところで、ディーゼルエンジン等から排出される排ガスは、ディーゼルエンジン等の負荷具合により温度が幅広く変動する(約250〜450℃)。このため、ディーゼルエンジン等から排出される排ガス中の窒素酸化物を分解処理する排ガス浄化用触媒においては、当該ディーゼルエンジン等から排出される排ガスの温度領域全体にわたって効率よく作用できることが強く求められる。しかしながら、前述したような特許文献1,2等に記載されている排ガス浄化用触媒においては、上述したような幅広い温度領域全体にわたって窒素酸化物の分解処理を効率よく発現することができていなかった。
このようなことから、本発明は、ディーゼルエンジン等から排出される排ガスの温度領域全体にわたって窒素酸化物の分解処理を効率よく発現することができる排ガス浄化用触媒の製造方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための、本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、酸化物からなる担体と、前記担体に担持され、複数の金属成分を固溶させた合金粒子とを備え、前記合金粒子の粒径が100nm以下である排ガス用浄化触媒の製造方法であって、酸化物からなる前記担体のアモルファス状態の前駆体に、金属成分の溶解した溶液を含有させて当該前駆体に複数の金属成分を保持させた後、当該前駆体を非酸化雰囲気中で加熱処理して構造変化させることにより、酸化物からなる前記担体に、複数の前記金属成分を固溶させた前記合金粒子を担持させることを特徴とする。
また、本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、上述において、前記非酸化雰囲気が、還元性ガス及び不活性ガスの少なくとも一方からなることを特徴とする。
また、本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、上述において、前記非酸化雰囲気が、水蒸気を含有していることを特徴とする。
また、本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、上述において、前記担体が、TiO 2 ,SiO 2 ,Al 2 3 ,ZrO 2 ,CaO,MgO,SnO 2 ,ZnOのうちの少なくとも二種以上の複合酸化物からなることを特徴とする。
また、本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、上述において、前記合金粒子が、Pt,Ir,Pd,Rh,Ru,Au,Agのうちの少なくとも二種以上の固溶体であることを特徴とする。
また、本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、上述において、前記合金粒子が、少なくともIrを含む二種の金属成分の固溶体であると共に、10nm以上の粒径を有していることを特徴とする。
また、本発明に係る排ガス浄化用触媒は、上述において、前記合金粒子が、前記担体に対して0.1〜5wt%の割合で担持されていることを特徴とする。
発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法によれば、250〜450℃の広い温度領域全体にわたって窒素酸化物の分解処理を効率よく行うことができる排ガス浄化用触媒を容易に製造することができる。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法の実施形態を図1,2に基づいて説明する。図1は、排ガス浄化用触媒の製造方法の手順を表わすフロー図、図2は、排ガス浄化用触媒の製造方法の説明図である。
本実施形態に係る排ガス浄化用触媒は、酸化物からなる担体と、担体に担持されて複数の金属成分を固溶させた合金粒子とを備え、合金粒子の粒径が100nm以下(より好ましくは50nm以下)となっているものである。
ここで、上記合金粒子の粒径が、100nmを超えると、合金粒子の重量増加に対する表面積が少なくなり過ぎてしまい、流動する排ガス中の窒素酸化物を分解処理するにあたって十分な触媒機能を発現することができなくなってしまうため、適用することができない。
また、上記担体が、TiO2,SiO2,Al23,ZrO2,CaO,MgO,SnO2,ZnOのうちの少なくとも二種以上の複合酸化物からなると好ましく、特に、上記酸化物のうちの二種を組み合わせて、一方を5〜95mol%とし、他方を残りの割合とすると、安定した複合酸化物を得ることができるので好ましい。
さらに、TiO2とZrO2との組み合わせや(特に、45〜55mol%:45〜55mol%の割合の場合)、TiO2とSiO2との組み合わせ(特に、85〜95mol%:5〜15mol%の割合の場合)であると、複合化による酸点の増加が非常に大きくなり、脱硝性能を大きく向上できるため、非常に好ましい。
また、上記合金粒子が、Pt,Ir,Pd,Rh,Ru,Au,Agのうちの少なくとも二種以上の固溶体であると好ましく、特に、上記金属成分のうちの二種を組み合わせて、一方を20〜80wt%とし、他方を残りの割合とすると、安定した合金粒子を得ることができるので好ましい。
さらに、上記合金粒子が、少なくともIrを含む二種の金属成分の固溶体、例えば、IrとPtとの組み合わせや(特に、50〜80wt%:20〜50wt%の割合の場合)、IrとRhとの組み合わせ(特に、50〜80wt%:20〜50wt%の割合の場合)であると、350℃以上の高温での脱硝性能を大きく向上できるため、非常に好ましい。なお、Irを含む合金粒子の場合には、当該合金粒子の粒径が10nm以上であると、触媒活性が特に高くなるため、非常に好ましい。
また、上記合金粒子が、上記担体に対して0.1〜5wt%の割合で担持されていると好ましく、特に、1〜3wt%の割合であると非常に好ましい。なぜなら、担体に対する合金粒子の担持量が、0.1wt%未満であると、触媒としての機能を十分に発現することが難しくなり、5wt%を超えると、触媒作製の際に合金粒子の粒径が100nmを超える可能性が非常に高くなってしまうからである。
このような本実施形態に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、図1,2に示すように、酸化物からなる担体のアモルファス状態の前駆体111aを作製し(図1のS1、図2の(a))、複数の金属成分112a,112bの溶解した溶液を当該前駆体111aに含浸させて乾燥させることにより、前駆体111aに複数の金属成分112a,112b(粒径1nm以下)をそれぞれ保持させた後(図1のS2、図2の(b))、当該前駆体111aを非酸化雰囲気中で加熱処理して構造変化させることにより(図1のS3)、酸化物からなる担体111に、複数の前記金属成分112a,112bが固溶した合金粒子112(粒径100nm以下)を担持させた排ガス浄化用触媒110を容易に得ることができる(図2の(c))。
ここで、上記担体の原料(前駆体の原料)としては、例えば、各種の塩化物や硝酸塩や硫酸塩等が挙げられる。具体的には、例えば、TiO2の場合には、TiCl4,TiOSO3等が挙げられ、SiO2の場合には、水ガラスやシリカゾル等が挙げられ、Al23の場合には、AlCl3等が挙げられ、ZrO2の場合には、ZrOCl2等が挙げられ、CaOの場合には、CaCl2,Ca(NO32等が挙げられ、MgOの場合には、MgCl2,Mg(NO32等が挙げられ、SnO2の場合には、SnCl2等が挙げられ、ZnOの場合には、ZnCl2等が挙げられる。
これら原料を水中に所定の割合で混合溶解し、アンモニア水等を加えて撹拌することにより、これら原料の複合水酸化物と推察される沈殿物(担体のアモルファス状態の前駆体)が生成し、固液分離して固体分を乾燥させることにより、担体のアモルファス状態の前駆体を得ることができる。
また、上記金属成分の原料としては、例えば、各種の塩化物や硝酸塩やアンモニウム塩等が挙げられる。具体的には、例えば、Ptの場合には、H2PtCl6,Pt(NH34(OH)2等が挙げられ、Irの場合には、H2IrCl6,Ir(NH36Cl3等が挙げられ、Pdの場合には、H2PdCl4,Pd(NH32(NO22aq,Pd(NO3)等が挙げられ、Rhの場合には、H2RhCl6,Rh(NO33等が挙げられ、Ruの場合には、H2RuCl5,Ru(NO33等が挙げられ、Auの場合には、HAuCl4aq等が挙げられ、Agの場合には、AgNO3等が挙げられる。
これら原料を水中に所定の割合で混合溶解し、当該水溶液を前記前駆体に含浸させて当該前駆体を乾燥させることにより、当該前駆体に前記原料が保持され、これを加熱処理(予熱処理)することにより、前駆体に各金属成分(粒径1nm以下)を保持させることが容易にできる。
なお、上記非酸化雰囲気とは、酸素ガスを含まないガス雰囲気のことであり、例えば、水素ガス等の還元性ガスや、窒素ガスやヘリウムガスやアルゴンガス等の不活性ガスや、これら還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスや、これらガスに水蒸気を加えたもの等が挙げられる。
このようにして製造される本実施形態に係る排ガス浄化用触媒においては、ディーゼルエンジン等から排出される排ガスと接触することにより、当該排ガス中の窒素酸化物を分解処理することができる。
このとき、ディーゼルエンジン等から排出される排ガスは、ディーゼルエンジン等の負荷具合により温度が幅広く変動するものの(約250〜450℃)、本実施形態に係る排ガス浄化用触媒においては、当該排ガスの温度領域(約250〜450℃)全体にわたって窒素酸化物を効率よく分解処理することができる。この理由を以下に説明する。
触媒活性を示す金属成分は、活性を発現する温度が元素の種類ごとに異なっている。このような活性発現温度が異なる複数種の金属成分を固溶化させた合金粒子においては、これら金属成分が相溶して異なる結晶構造となるため、その組成成分の各元素の活性発現温度と異なる温度で活性を発現するが、その活性発現温度幅はほとんど変化しないものと考えられていた。
ところが、本願発明者らが鋭意研究を行ったところ、活性発現温度が異なる複数種の金属成分を固溶化させた合金粒子においては、その合金粒子の組成成分の各元素の活性発現温度と異なる温度で活性を発現するばかりか、その活性発現温度幅が著しく増大するという知見を得ることができた。
よって、このように活性発現温度幅が著しく増大した合金成分を担体に担持させた触媒を、ディーゼルエンジン等から排出される排ガスのように温度が幅広く変動するガス中の窒素酸化物の分解処理に利用することにより、当該排ガスの温度領域(約250〜450℃)全体にわたって窒素酸化物を効率よく分解処理することが可能となるのである。
ところで、ディーゼルエンジン等から排出される排ガス中の窒素酸化物等を分解処理する触媒においては、比較的高速度で流動排出される排ガスと効率よく接触して窒素酸化物を分解処理しなければならないため、合金粒子が非常に大きな表面積、すなわち、非常に小さい粒径、具体的には100nm以下である必要がある。
しかしながら、100nm以下の非常に小さい粒径の合金粒子を作製することは非常に難しいのはもちろんのこと、100nm以下の粒径の合金粒子をたとえ作製したとしても、合金粒子を凝集させることなく担体にムラなく担持させることが極めて困難になってしまう。
そこで、本願発明者らがさらに鋭意研究を行った結果、先ず、酸化物からなる担体のアモルファス状態の前駆体を作製し、金属成分の溶解した溶液を当該前駆体に含有させて複数の金属成分を保持させた後、当該前駆体を非酸化雰囲気中で加熱処理して構造変化させると、酸化物からなる担体に、複数の前記金属成分の固溶した100nm以下の粒径の合金粒子が担持された排ガス浄化用触媒を容易に得られることを見出したのである。
このような製造方法により、酸化物からなる担体に、複数の金属成分の固溶した100nm以下の粒径の合金粒子を担持した排ガス浄化用触媒が容易に得られる理由は定かではないが、金属成分の溶解した溶液を前駆体に含有させることにより、前駆体に微小な金属成分(1nm以下)が保持され、この前駆体を構造変化させるように加熱処理すると、当該前駆体の分子構造の変移(結晶化)に伴って、当該金属成分が移動して、近傍に位置する金属成分と相溶して、適切な粒径(100nm以下)の合金粒子となるからではないか、と推察される。
また、上記加熱処理を酸化雰囲気(酸素ガスを含有する雰囲気)で行うと、合金粒子が生成せず、各金属成分が単に成長した各金属成分の粒子が生成するだけとなってしまう。この理由も定かではないが、上記加熱処理を酸化雰囲気(酸素ガスを含有する雰囲気)で行うと、各金属成分の表面に酸化被膜が形成されて、種類の異なる金属成分間での相溶性が著しく低下してしまうからではないか、と推察される。
したがって、本実施形態に係る排ガス浄化用触媒によれば、250〜450℃の広い温度領域全体にわたって窒素酸化物の分解処理を効率よく行うことができ、本実施形態に係る排ガス浄化用触媒の製造方法によれば、本実施形態に係る排ガス浄化用触媒を容易に製造することができ、本実施形態に係る排ガス浄化方法によれば、負荷具合により温度が幅広く変動するディーゼルエンジン等からの排ガスであっても、当該排ガスの温度領域全体にわたって窒素酸化物を効率よく分解処理することができるのである。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法の効果を確認するため、以下のような実験を行った。
[A.触媒の製造]
〈試験体1〉
TiとZrとのモル比が50:50となるように、TiCl4水溶液とZrOCl2水溶液とを混合してアンモニア水溶液を加えて撹拌し、生成した沈殿物を濾別して乾燥(120℃×2時間)することにより、酸化物からなる担体のアモルファス状態の前駆体(TiO2−ZrO2の水酸化物)を作製する。
続いて、担体の重量に対して、Irが1wt%、Ptが0.5wt%となる割合でH2IrCl6とH2PtCl6とを混合溶解した水溶液を上記前駆体に含浸させて乾燥(100℃×24時間)させることにより、上記前駆体にIr及びPtをそれぞれ保持させる。
次に、上記前駆体を空気雰囲気中で予熱処理(500℃×5時間)することにより、残存する各種原料中の塩素分等の腐食性成分を先に除去した後、当該前駆体を非酸化雰囲気(10%H2O含有窒素ガス)中で加熱処理(750℃×6時間)することにより、当該前駆体を構造変化させて結晶化させて、排ガス浄化用触媒の試験体1(粒径0.5〜1mm)を得た。
〈試験体2〉
上記試験体1の製造方法において、加熱処理の非酸化雰囲気を変更(10%H2O+1%H2含有窒素ガス)する以外は上記試験体1の製造方法と同一の条件に基づいて試験体2を作製した。
〈試験体3〉
上記試験体1の製造方法において、加熱処理の時間を変更(18時間)する以外は上記試験体1の製造方法と同一の条件に基づいて試験体3を作製した。
〈試験体4〉
上記試験体1の製造方法において、加熱処理の非酸化雰囲気を変更(窒素ガスのみ)すると共に、加熱処理の温度及び時間を変更(800℃×5時間)する以外は上記試験体1の製造方法と同一の条件に基づいて試験体4を作製した。
〈試験体5〉
上記試験体1の製造方法において、加熱処理の非酸化雰囲気を変更(窒素ガスのみ)すると共に、加熱処理の温度及び時間を変更(900℃×5時間)する以外は上記試験体1の製造方法と同一の条件に基づいて試験体5を作製した。
〈比較体1:Irのみ〉
上記試験体1の製造方法と同様にして、酸化物からなる担体のアモルファス状態の前駆体(TiO2−ZrO2の水酸化物)を作製した後、担体の重量に対して、Irが1wt%となる割合でH2IrCl6を溶解した水溶液を上記前駆体に含浸させて乾燥(100℃×24時間)させることにより、上記前駆体にIrを保持させる。以下、上記試験体1の製造方法と同様に操作することにより、排ガス浄化用触媒の比較体1を得た。
〈比較体2:Ptのみ〉
上記試験体1の製造方法と同様にして、酸化物からなる担体のアモルファス状態の前駆体(TiO2−ZrO2の水酸化物)を作製した後、担体の重量に対して、Ptが2wt%となる割合でH2PtCl4を溶解した水溶液を上記前駆体に含浸させて乾燥(100℃×24時間)させることにより、上記前駆体にPtを保持させる。以下、上記試験体1の製造方法と同様に操作することにより、排ガス浄化用触媒の比較体2を得た。
〈比較体3:酸化雰囲気下での加熱処理〉
上記試験体1の製造方法において、加熱処理を酸化雰囲気(大気)とする以外は上記試験体1の製造方法と同一の条件に基づいて比較体3を作製した。
〈比較体4:担体への金属成分直接保持〉
担体の重量に対して、Irが1wt%、Ptが0.5wt%となる割合でH2IrCl6とH2PtCl6とを混合溶解した水溶液をSiO2からなる担体(粒径0.5〜1mm)に含浸させて乾燥(100℃×24時間)させることにより、当該担体にIr及びPtをそれぞれ直接保持させる。以下、上記試験体1の製造方法と同様に操作することにより、排ガス浄化用触媒の比較体4を得た。
〈比較体5:担体への合金粒子直接保持〉
担体の重量に対して、Irが1wt%、Ptが0.5wt%となる割合で金属Ir片と金属Pt片とを混合してアーク溶解して粉砕微粒化し、得られた合金粒子を水に分散させて、SiO2からなる担体(粒径0.5〜1mm)に含浸させて乾燥(100℃×24時間)させた後、大気中で加熱処理(500℃×2時間)することにより、当該担体にIr−Pt系の合金粒子を直接保持させた排ガス浄化用触媒の比較体5を得た。
〈比較体6:特許文献1,2の記載に基づく触媒〉
担体の重量に対して、Irが1wt%となる割合でH2IrCl6を溶解した水溶液にTiO2からなる担体(粒径0.5〜1mm)を含浸させて乾燥(120℃×24時間)させた後、大気中で加熱処理(300℃×2時間)ことにより、当該担体にIrを担持させる。
次に、上記担体をイオン交換水中に分散させ、当該担体の重量に対して、0.5wt%となる割合のPt(NO22(NH32を添加すると共に、Na2SO3・5H2O,Na2SO3,C67NaO6・H2Oを添加してpH調整して(pH=6.21)、撹拌(24時間)した後、濾過、水洗、乾燥(120℃×2時間)することにより、Ptを還元析出させ、続いて、大気中で加熱処理(500℃×2時間)することにより、Irの表面の一部にPtを積層した排ガス浄化用触媒の比較体6を得た。
[B.実験方法]
〈a.活性成分の固溶合金化の有無及び平均粒径値〉
前記試験体1〜5及び比較体1〜6の活性成分の固溶合金化の有無及び平均粒径値をXRDでの測定結果に基づいて求めた。すなわち、XRDにより測定されたピーク位置に基づいて、面間隔(d(111))を求め、Ir及びPtの面間隔(文献値)とを比較して、その大きさや位置等から活性成分の固溶合金化の有無を求め、XRDにより測定されたピークの半値幅解析(Scherrerの式)によって活性成分の平均粒径値を求めた。なお、比較体5においては、作製した合金粒子を担体に担持させる前にXRDで測定して求めた。
〈b.脱硝率〉
上述したようにして製造した試験体1〜5及び比較体1〜6の各試料(2cm3)に対して、下記の組成の試験ガスを下記の条件で流通させながら所定の温度に加熱し、当該試料を流通した試験ガス中の窒素酸化物濃度を計測して、当該試料を流通させる前の試験ガス中の窒素酸化物濃度に基づいて、そのときの温度における脱硝率を求めた。
《試験ガス組成》
・NO:900ppm
・SO2:900ppm
・C36:900ppm
・O2:15%
・H2O:5%
・N2:残
《試験ガス送給条件》
・GHSV:6500h-1
・AV:5.5Nm3/m2
[C.実験結果]
〈a.活性成分の固溶合金化の有無及び平均粒径値〉
上述したようにして求めた活性成分の固溶合金化の有無及び平均粒径値を下記の表1に示す
Figure 0004611038
上記表1からわかるように、試験体1〜5においては、XRDの測定結果から求められた面間隔(d(111))がIr及びPtの面間隔(文献値)と明らかに異なることから、活性成分が固溶合金化していることが確認されると共に、平均粒径が10〜50nmの範囲内であることが確認された。
これに対し、比較体5においては、活性成分が固溶化した合金粒子ではあるものの、平均粒径をμmレベルにしかできず、比較体1〜4,6においては、活性成分の平均粒径が10〜50nmの範囲内であるものの、XRDの測定結果から求められた面間隔(d(111))がIr又はPtの面間隔(文献値)と略同じであることから、活性成分が固溶化した合金粒子とならずに存在していることが確認された。なお、比較体3,4,6において、Ptは、Irよりもピーク強度が非常に小さかったため計測することができなかった。
〈b.脱硝率〉
次に、脱硝率の測定実験結果を図3〜13に示す。
これら図3〜13から明らかなように、試験体1〜5においては、250〜450℃の温度領域全体にわたって10%以上の脱硝率で窒素酸化物を分解処理できることが確認された。他方、比較体1〜6においては、250〜450℃の温度領域全体にわたって10%以上の脱硝率で窒素酸化物を分解処理できないことが確認された。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、250〜450℃の広い温度領域全体にわたって窒素酸化物の分解処理を効率よく行うことができ排ガス浄化用触媒を容易に製造することができので産業上、極めて有益に利用することができる。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法の実施形態の手順を表わすフロー図である。 本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法の実施形態の説明図である。 試験体1における温度と脱硝率との関係を表わすグラフである。 試験体2における温度と脱硝率との関係を表わすグラフである。 試験体3における温度と脱硝率との関係を表わすグラフである。 試験体4における温度と脱硝率との関係を表わすグラフである。 試験体5における温度と脱硝率との関係を表わすグラフである。 比較体1における温度と脱硝率との関係を表わすグラフである。 比較体2における温度と脱硝率との関係を表わすグラフである。 比較体3における温度と脱硝率との関係を表わすグラフである。 比較体4における温度と脱硝率との関係を表わすグラフである。 比較体5における温度と脱硝率との関係を表わすグラフである。 比較体6における温度と脱硝率との関係を表わすグラフである。
符号の説明
110 排ガス浄化用触媒
111 担体
111a 前駆体
112 合金粒子
112a,112b 金属成分

Claims (7)

  1. 酸化物からなる担体と、前記担体に担持され、複数の金属成分を固溶させた合金粒子とを備え、前記合金粒子の粒径が100nm以下である排ガス用浄化触媒の製造方法であって、
    酸化物からなる前記担体のアモルファス状態の前駆体に、金属成分の溶解した溶液を含有させて当該前駆体に複数の金属成分を保持させた後、当該前駆体を非酸化雰囲気中で加熱処理して構造変化させることにより、酸化物からなる前記担体に、複数の前記金属成分を固溶させた前記合金粒子を担持させる
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法
  2. 請求項において、
    前記非酸化雰囲気が、還元性ガス及び不活性ガスの少なくとも一方からなる
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
  3. 請求項において、
    前記非酸化雰囲気が、水蒸気を含有している
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
    前記担体が、TiO2,SiO2,Al23,ZrO2,CaO,MgO,SnO2,ZnOのうちの少なくとも二種以上の複合酸化物からなる
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法
  5. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
    前記合金粒子が、Pt,Ir,Pd,Rh,Ru,Au,Agのうちの少なくとも二種以上の固溶体である
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法
  6. 請求項において、
    前記合金粒子が、少なくともIrを含む二種の金属成分の固溶体であると共に、10nm以上の粒径を有している
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法
  7. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
    前記合金粒子が、前記担体に対して0.1〜5wt%の割合で担持されている
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法
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