JP5003954B2 - 排ガス浄化用酸化触媒、その製造方法、および排ガス浄化用酸化触媒を用いた排ガスの浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化用酸化触媒、その製造方法、および排ガス浄化用酸化触媒を用いた排ガスの浄化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5003954B2
JP5003954B2 JP2007298951A JP2007298951A JP5003954B2 JP 5003954 B2 JP5003954 B2 JP 5003954B2 JP 2007298951 A JP2007298951 A JP 2007298951A JP 2007298951 A JP2007298951 A JP 2007298951A JP 5003954 B2 JP5003954 B2 JP 5003954B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
catalyst
oxidation
noble metal
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007298951A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009119430A (ja
Inventor
彰 森川
明彦 須田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2007298951A priority Critical patent/JP5003954B2/ja
Publication of JP2009119430A publication Critical patent/JP2009119430A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5003954B2 publication Critical patent/JP5003954B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

本発明は、低温での触媒活性に優れたCeOを含む酸化触媒、その製造方法、および前記酸化触媒を用いた排ガスの浄化方法に関する。
従来より排ガス浄化用触媒として、排ガス中の一酸化炭素(CO)および炭化水素(HC)の酸化と窒素酸化物(NOx)の還元とを同時に行なって浄化する三元系触媒が用いられている。このような三元系触媒としては、例えば、コージェライトなどからなる耐熱性ハニカム基材にγ−Alなどからなる担体層を形成し、その担体層に白金(Pt)やロジウム(Rh)などの触媒金属を担持させたものが知られている。
このような排ガス浄化用触媒に用いられる担体としては、比表面積が大きく耐熱性が高いものが好ましく、一般的には、Al、SiO、ZrO、またはTiOなどが用いられることが多い。また、排ガスの雰囲気変動を緩和するために助触媒としてCeOが併用されることも多い。
また、近年の排ガス規制の強化により、エンジン始動からごく短時間においても排ガスを浄化せしめる必要性が極めて高くなってきており、より低温で優れた酸化活性を示す触媒が求められている。このような低温での酸化活性に優れた触媒としてCeOにPtを担持した触媒が知られているが、この触媒は、実際の排ガス中における耐久性が劣るものであり、また、熱によりCeOがシンタリングするのに伴ってPtが粒子成長して触媒活性が低下するという問題があった。
そこで、これらの問題を解決するため、例えば、特開2003−265958号公報(特許文献1)には、CeOとZrOとを主成分とする複合酸化物を含む担体に貴金属を担持した後、還元性雰囲気中、600〜1000℃の温度で熱処理されてなる排ガス浄化用触媒が開示されている。この排ガス浄化用触媒では、前記熱処理により担体のCeカチオンおよびZrカチオンの規則性が向上し、貴金属の粒子径が揃い、粒子成長が抑制されるため、耐久性が向上する。しかしながら、排ガス規制がより強化されるとエンジン始動からさらに短い時間においても排ガスの浄化が必要になり、より低温での酸化活性に優れた排ガス浄化用触媒が求められている。
また、特開2001−187343号公報(特許文献2)には、還元処理によって酸素欠損が導入された酸化物に貴金属を担持してなる常温浄化触媒が開示されている。この触媒により一酸化炭素などの環境負荷物質を浄化せしめることは可能であるが、この触媒は常温での浄化を目的とするものであり、200℃以上で使用すると酸素欠損が消失して触媒活性が失われるため、ディーゼル排ガスの浄化など低温から高温の広い温度範囲において使用される触媒には不向きである。
さらに、特開平9−103687号公報(特許文献3)には、触媒金属を担持した触媒担体に、酸化処理と非酸化処理とを交互に繰り返し施して、担持された前記触媒金属の粒子径を制御する方法が開示されている。この方法は、触媒金属が酸化雰囲気で担体上を移動しやすく凝集しやすいという性質と、還元雰囲気では担体上を移動しにくく粒子径が均一となりやすいという性質とを利用したものである。
特開2003−265958号公報 特開2001−187343号公報 特開平9−103687号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも低温域(100〜130℃)においても排ガスなどの浄化が可能である低温活性に優れた酸化触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、貴金属を担持した担体に還元処理と酸化処理と還元処理とを順次施して(以下、これらを「一連の還元酸化処理」という。)前記担体上に前記貴金属の粒子を形成させる場合に、担体としてCeOを含む金属酸化物からなるものを使用し且つ特定の温度で前記一連の還元酸化処理を施すことにより、前記貴金属粒子の粒子径を小さく且つ均一に制御することができることを見出し、さらに粒子径が小さく且つ均一に制御された前記貴金属粒子を含有する触媒が低温での酸化活性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の排ガス浄化用酸化触媒(低温酸化触媒は、CeO およびZrO を含む複合酸化物からなる担体にPt、PdおよびRhからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属を担持せしめ、該貴金属を担持せしめた担体に、先ず、還元性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で還元処理を施し、次いで、該還元処理を施した担体に、酸化性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で酸化処理を施し、さらに、該酸化処理を施した担体に、還元性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で還元処理を施してなり、100〜130℃においても排ガス中の炭化水素および一酸化炭素を酸化除去して該排ガスを浄化することが可能な排ガス浄化用酸化触媒であって、前記排ガス浄化用酸化触媒中の貴金属粒子のCOパルス法により測定した平均粒子径が2〜8nmであり、前記貴金属粒子のXRDにより測定した粒度分布における最大粒子径に対するCOパルス法により測定した平均粒子径の誤差が35%以内である、ことを特徴とするものである。
前記排ガス浄化用酸化触媒(低温酸化触媒中の貴金属粒子のXRDにより測定した粒度分布における最大粒子径に対するCOパルス法により測定した平均粒子径の誤差は20%以内であることが好まし
本発明の排ガス浄化用酸化触媒(低温酸化触媒の製造方法は、CeO およびZrO を含む複合酸化物からなる担体にPt、PdおよびRhからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属を担持せしめ、該貴金属を担持せしめた前記担体に、先ず、還元性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で還元処理を施次いで、前記還元処理が施された前記担体に、酸化性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で酸化処理を施さらに、前記酸化処理が施された前記担体に、還元性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で還元処理を施す、ことを特徴とするものである。
本発明の排ガスの浄化方法は、排ガスを本発明の排ガス浄化用酸化触媒(低温酸化触媒を用いて浄化せしめることを特徴とするものである。
なお、本発明の触媒の製造方法によって触媒に含まれる貴金属粒子が粒子径が小さく且つ均一に制御されたものとなる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、貴金属を担持したCeOを含む前記担体を、還元性雰囲気下、特定の温度で還元処理すると前記貴金属がある程度粒子成長するとともにCeOに酸素空孔が形成される。次に、この担体を酸化性雰囲気下、特定の温度で酸化処理すると前記酸素空孔に酸素が導入されるとともに前記貴金属粒子は酸素原子を介してCe原子と結合して分散し、貴金属の酸化物として微粒子化される。その後、2回目の還元処理を施すと、再度酸素空孔が形成されるとともに前記貴金属粒子が還元され、貴金属粒子となる。これにより、安定した酸素空孔が形成されるとともに、粒子径が小さく且つ均一に制御された貴金属粒子が形成されるものと推察する。
本発明によれば、担体に、粒子径が小さく且つ均一に制御された貴金属粒子を担持することが可能となる。また、従来よりも低温域(100〜130℃)においても排ガスなどを浄化せしめることが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の低温酸化触媒について説明する。本発明の低温酸化触媒は、CeOを含む金属酸化物からなる担体に貴金属を担持せしめた後、還元性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で熱処理(還元処理)を施し、次いで酸化性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で熱処理(酸化処理)を施し、さらに還元性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で熱処理(還元処理)を施してなることを特徴とするものである。
本発明に用いる担体はCeOを含む金属酸化物からなるものである。担体としてCeOを含む金属酸化物からなるものを用いると、担体上に粒子径が小さく且つ均一に制御された貴金属粒子を形成することができる。前記担体中のCe原子の含有率は、前記担体中の全金属原子量の10原子%以上であることが好ましい。Ce原子の含有率が上記下限未満になると粒子径が小さく且つ均一に制御された貴金属粒子を形成することが困難になり、触媒の酸化活性が低下する傾向にある。
前記CeOを含む金属酸化物としては、CeO単独のもの、CeOと他の金属酸化物とを含む混合酸化物、CeOと他の金属酸化物との複合酸化物およびその混合物、ならびにCeOと他の金属酸化物と前記複合酸化物との混合物などが挙げられる。これらのうち、触媒の耐熱性が向上し、また、比表面積の低下を抑制することができ、触媒の酸化活性の低下を抑制することができる点でCeOと他の金属酸化物との複合酸化物を含むものが好ましい。
前記他の金属酸化物としては、ZrO、Al、TiO、SiO、Y、La、およびこれらの複合酸化物などが挙げられる。これらの他の金属酸化物は1種または2種以上含まれていてもよい。前記他の金属酸化物のうち、CeOと固溶して耐熱性を向上させることができるという観点ではZrOがより好ましく、耐熱性に優れる金属酸化物を加えて複合酸化物の耐熱性を向上させることができるという観点ではAlがより好ましく、さらに、低温での酸化活性に優れた触媒が得られる点でZrOとAlとの複合酸化物が特に好ましい。したがって、これらの観点から本発明に用いるCeOを含む金属酸化物としては、CeOとZrOとの複合酸化物が好ましく、CeOとZrOとAlとの複合酸化物が特に好ましい。
前記CeOと他の金属酸化物との複合酸化物において、前記複合酸化物中のCe原子と他の金属原子との比(Ce/他の金属)は1/9〜9/1であることが好ましく、3/7〜7/3であることがより好ましい。前記原子比が上記下限未満になると粒子径が小さく且つ均一な貴金属粒子を形成することが困難になり、触媒の酸化活性が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると前記複合酸化物の安定性が低下して触媒の酸化活性が低下する傾向にある。
なお、本発明では、CeOと他の金属酸化物との複合酸化物には、CeO微粒子と前記他の金属酸化物の微粒子との凝集粒子であり且つCeOと前記他の金属酸化物とのそれぞれ少なくとも一部が互いに固溶したものが包含される。
前記CeOと他の金属酸化物との複合酸化物がCeOとZrOと他の金属酸化物との三元系複合酸化物である場合、還元性雰囲気下での還元処理によりパイロクロア相などの規則相が形成され、CeカチオンおよびZrカチオンのうちの少なくとも一部は規則的に配列する。これにより、前記他の金属酸化物がCeOとZrOと間に介在するため、還元性雰囲気下での還元処理においてCeO−ZrO複合酸化物と前記他の金属酸化物とが互いに障壁となって互いの粒子の成長が抑制される。また、格子の歪みが小さいため、酸素原子が放出されやすく、高い酸化活性を有する触媒が得られる。
前記三元系複合酸化物において、他の金属原子とCe原子およびZr原子との比(他の金属/(Ce+Zr))は1/5〜5/1であることが好ましく、1/3〜3/1であることがより好ましい。前記原子比が上記下限未満になると比表面積が小さくなり触媒の酸化活性が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると相対的にCeOの含有量が減少して粒子径が小さく且つ均一な貴金属粒子を形成することが困難になり、触媒の酸化活性が低下する傾向にある。
また、前記三元系複合酸化物において前記他の金属酸化物がAlを含むものである場合、前記他の金属酸化物にはさらに希土類元素酸化物が含まれていてもよい。前記担体中に含まれる希土類元素酸化物のうちの70モル%以上はAl中に固溶していることが好ましく、90モル%以上が固溶していることがより好ましい。これによりAlの耐熱性が向上して触媒の酸化活性の低下を抑制することができる。前記希土類元素としては、La、Nd、Sm、およびPrなどが挙げられる。これらの希土類元素は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのうち、前記観点からLaが特に好ましい。
本発明に用いるCeOを含む金属酸化物からなる担体は、特開2003−265958号公報に記載された共沈法などの公知の方法により製造することができる。また、前記金属酸化物を安定させるために、貴金属を担持する前に前記担体に焼成処理を施すことが好ましい。この製造方法により得られる担体は、一般に平均粒子径が50nm以下の金属酸化物微粒子が凝集したものであり、凝集粒子の平均粒子径は通常20μm以下である。凝集粒子が複合酸化物粒子の場合、CeOと他の金属酸化物とは少なくとも一部が互いに固溶している。
本発明に用いる貴金属としては、Pt、Pd、Rh、Ir、およびRuなどが挙げられる。これらの貴金属は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのうち、酸化活性が高く、且つ劣化が進行しにくいという観点からPt、Pd、およびRhが好ましい。前記貴金属を前記担体に担持せしめる方法としては吸着担持法、吸水担持法など公知の方法が挙げられる。貴金属担持量は特に制限はなく、触媒の用途、使用環境に応じて適宜設定することができる。
このようにして貴金属を担持した担体に、先ず、還元性雰囲気下、600℃〜800℃の範囲の温度で1回目の還元処理を施す。前記還元性雰囲気としては、HまたはCOなどの還元性ガス雰囲気が挙げられる。前記還元性ガス雰囲気は、還元性ガスと窒素などの不活性ガスとの混合ガス雰囲気でもよい。
前記1回目の還元処理により、担持された前記貴金属がある程度粒子成長するとともにCeOに酸素空孔が形成される。前記1回目の還元処理の温度が上記下限未満になると、この酸素空孔が十分に形成されず、得られる触媒は酸化活性に劣るものとなる。他方、前記還元処理温度が上記上限を超えると貴金属粒子の粒子径が大きく且つ不均一になり、得られる触媒は低温での酸化活性に劣るものとなる。
また、1回目の還元処理時間は、前記担体を十分に還元できる時間であれば特に限定されないが、10分以上であることが好ましく、30分以上であることがより好ましい。1回目の還元処理時間が上記下限より短いと酸素空孔が十分に形成されず、得られる触媒の酸化活性が劣る傾向にある。一方、過剰な粒成長を抑制するという観点から1回目の還元処理時間は120分以下であることが好ましい。
次に、前記還元処理が施された前記担体に、酸化性雰囲気下、600℃〜800℃の範囲の温度で酸化処理を施し、この酸化処理が施された担体に、還元性雰囲気下、600℃〜800℃の範囲の温度で2回目の還元処理を施す。
前記酸化性雰囲気としては、Oなどの酸化性ガス雰囲気が挙げられる。また、酸化性ガス雰囲気は、酸化性ガスと窒素などの不活性ガスとの混合ガス雰囲気でもよい。前記還元性雰囲気としては前記1回目の還元処理において例示した還元性雰囲気と同様のものが挙げられる。
前記酸化処理と2回目の還元処理とにより、前記担体上の貴金属粒子は、粒子径が小さく且つ均一なものとなり、この貴金属微粒子を備える触媒は低温での酸化活性に優れたものとなる。前記酸化処理および2回目の還元処理の温度が上記下限未満になると、前記担体上の貴金属粒子は、粒子径は小さいが不均一なものとなり、触媒は低温での酸化活性に劣るものとなる。他方、上記上限を超えると貴金属粒子の粒子径が大きく且つ不均一になり、触媒は低温での酸化活性に劣るものとなる。
酸化処理時間は、前記担体を十分に酸化できる時間であれば特に限定されないが、10分以上であることが好ましく、30分以上であることがより好ましい。酸化処理時間が上記下限より短いとCe−O−貴金属という結合が十分に形成されず、貴金属酸化物が十分に再分散されない傾向にある。一方、触媒調製に掛かるコストと時間の観点から酸化処理時間は300分以下であることが好ましい。
また、2回目の還元処理時間は、前記担体を十分に還元できる時間であれば特に限定されないが、10分以上であることが好ましく、30分以上であることがより好ましい。2回目の還元処理時間が上記下限より短いと前記酸化処理で生成した貴金属酸化物が十分にメタル状態に還元されない傾向にある。一方、貴金属の過剰な粒成長を抑制するという観点から2回目の還元処理時間は120分以下であることが好ましい。
1回目の還元処理において形成された前記酸素空孔には前記酸化処理において酸素が導入されるが、2回目の還元処理において再び酸素空孔が形成される。この酸素空孔は気相中の酸素を活性化し、貴金属粒子上に吸着した一酸化炭素などの排ガスの酸化処理を促進する機能を備える。したがって、高い酸化活性を得るためには、1回目の還元処理において十分な酸素空孔を形成することが好ましい。
このようにして製造された触媒は粒子径が小さく且つ均一な貴金属粒子を備えるものである。本発明の低温酸化触媒では、前記貴金属粒子は、COパルス法により測定した平均粒子径が2〜8nmのものであることが好ましい。また、XRDにより測定した粒度分布における最大粒子径に対するCOパルス法により測定した平均粒子径の誤差が35%以内であることが好ましく、20%以内であることがより好ましく、15%以内であることが特に好ましい。このような粒子径が小さく且つ均一な貴金属粒子を備える酸化触媒は低温(100〜130℃)での酸化活性に優れている。
なお、前記誤差は下記式:
誤差[%]=(最大粒子径−平均粒子径)/最大粒子径×100
により算出される値である。
したがって、エンジン始動から極短時間の低温時にも、本発明の低温酸化触媒に排ガスを接触せしめることによって、排ガスを浄化せしめることが可能となる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
純水に硝酸セリウムと硝酸ジルコニウムとをCe/Zr=5/1のモル比で溶解して水溶液を調製し、この水溶液にアンモニア水を攪拌しながら滴下して中和し、CeO−ZrO複合酸化物を含むスラリーを得た。
このスラリーを用いて見掛け容積35cmのコージェライト製ハニカム基材(セル密度:400セル/inch、セル壁厚さ:114μm)に前記CeO−ZrO複合酸化物をウォッシュコーティングした。このウォッシュコーティングを、最終的なCeO−ZrO複合酸化物のコーティング量が前記ハニカム基材1L当たり約100gとなるように繰り返した。その後、この基材を大気中、500℃で1時間焼成してCeO−ZrO複合酸化物層(以下、「CeZr層」という。)を安定化させた。
次に、前記CeZr層を備えた前記基材にジニトロジアミン白金(II)硝酸水溶液を含浸させた後、この基材を大気中、300℃で3時間焼成して前記CeO−ZrO複合酸化物100g当たり約2gのPtを担持した。
次に、Pt担持CeZr層(以下、「Pt−CeZr層」という。)を備えた前記基材を管状炉に入れ、H/N混合ガス(H:5体積%、流量:1L/分)中、700℃で1時間熱処理(還元処理)を施した。次いで、O/N混合ガス(O:20体積%、流量:1L/分)中、700℃で1時間熱処理(酸化処理)を施し、さらにH/N混合ガス(H:5体積%、流量:1L/分)中、700℃で1時間熱処理(還元処理)を施し、Pt担持CeO−ZrO複合酸化物からなる触媒層を備える基材を得た。
(実施例2)
純水に硝酸アルミニウムと硝酸セリウムと硝酸ジルコニウムとをAl/Ce/Zr=1/0.9/1のモル比で溶解して水溶液を調製し、この水溶液にアンモニア水を攪拌しながら滴下して中和し、Al−CeO−ZrO複合酸化物を含むスラリーを得た。
前記CeO−ZrO複合酸化物を含むスラリーの代わりにこのAl−CeO−ZrO複合酸化物を含むスラリーを用いた以外は実施例1と同様にしてPt担持Al−CeO−ZrO複合酸化物からなる触媒層を備える基材を得た。なお、Al−CeO−ZrO複合酸化物のコーティング量は前記ハニカム基材1L当たり約100gであり、Pt担持量はAl−CeO−ZrO複合酸化物100g当たり約2gであった。
(比較例1)
実施例1と同様にして作製したPt−CeZr層を備えた前記基材を管状炉に入れ、H/N混合ガス(H:5体積%、流量:1L/分)中、700℃で1時間の熱処理(還元処理)のみを施し、Pt担持CeO−ZrO複合酸化物からなる触媒層を備える基材を得た。
(比較例2)
前記2回の還元処理および前記酸化処理の温度をいずれも700℃から500℃に変更した以外は実施例1と同様にしてPt担持CeO−ZrO複合酸化物からなる触媒層を備える基材を得た。
(比較例3)
前記2回の還元処理および前記酸化処理の温度をいずれも700℃から900℃に変更した以外は実施例1と同様にしてPt担持CeO−ZrO複合酸化物からなる触媒層を備える基材を得た。
(比較例4)
Laを少量含有するAl粉末(以下、「La安定化Al粉末」という。)を純水に添加してスラリーを得た。前記CeO−ZrO複合酸化物を含むスラリーの代わりにこのLa安定化Al粉末を含むスラリーを用いた以外は実施例1と同様にしてPt担持La安定化Alからなる触媒層を備える基材を得た。なお、La安定化Alのコーティング量は前記ハニカム基材1L当たり約100gであり、Pt担持量はLa安定化Al100g当たり約2gであった。
<触媒性能評価>
実施例1〜2および比較例1〜4で得た触媒層を備える基材をそれぞれ固定床流通式評価装置に設置し、排気モデルガス(O:6vol%、CO:0.8vol%、C:0.18vol%、CO:10vol%、HO:10vol%、残りはN)を供給しながら前記触媒層を400℃で10分間加熱した。その後、前記触媒層を60℃まで冷却した後、前記排気モデルガスを30L/分の流量で供給しながら前記触媒層を昇温速度15℃/分で60℃から300℃まで加熱し、浄化処理を実施した。このとき、供給した排気モデルガス中のCおよびCOが50%浄化された温度(以下、「T50」と表す。)を測定した。その結果を表1に示す。
また、X線回折装置((株)リガク製「RINT−TTR」)を用いて実施例1〜2および比較例1〜4で得た触媒層についてXRD分析を実施してPt粒子の粒度分布を測定し、最大粒子径を求めた。また、触媒学会推奨のCOパルス法(「触媒を用いた測定法の標準化、2.COパルス法による金属表面積測定法」、触媒、(1986)、28−46頁を参照。)によって実施例1〜2および比較例1〜4で得た触媒層のPt粒子の平均粒子径を求めた。これらの結果を表1に示す。
Figure 0005003954
表1に示した結果から明らかなように、還元処理の後、酸化処理と還元処理とを施した本発明の触媒を用いた場合(実施例1)には、1回の還元処理のみを施した従来の触媒を用いた場合(比較例1)に比べて、CおよびCOの50%浄化温度T50が低く、本発明の触媒は低温活性に優れることが確認された。
また、触媒層のPt粒子の粒子径について見ると、本発明の触媒層中のPt粒子の最大粒子径と平均粒子径との誤差は17%であり、比較例1のPt粒子の場合(誤差:46%)に比べて小さく、本発明の触媒には均一なPt粒子が形成されていることが確認された。すなわち、還元処理の後、酸化処理と還元処理とを施すことによりPt粒子の粒子径が均一になることが確認された。本発明者らは、このPt粒子径の均一性が前記触媒の低温活性に大きく寄与しているものと推察する。
還元酸化処理温度の影響について見ると、500℃または900℃で一連の還元酸化処理を施した場合(比較例2〜3)には、700℃で一連の還元酸化処理を施した場合(実施例1)に比べて、触媒層中のPt粒子の粒子径の均一性が劣り、CおよびCOについてのT50が高く、触媒の低温活性も劣るものであった。
コーティング層がAl−CeO−ZrO複合酸化物からなる層である場合(実施例2)には、CeO−ZrO複合酸化物からなるコーティング層の場合(実施例1)に比べて、C ついてのT50がより低くなことが確認された。これは、コーティング層の耐熱性が向上し、一連の還元酸化処理におけるコーティング層の熱劣化が抑制されたことによるものと推察する。
また、コーティング層が、La安定化Alからなり、CeOおよびZrOを含まない層である場合(比較例4)には、Al−CeO−ZrO複合酸化物からなるコーティング層の場合(実施例2)に比べて、触媒層中のPt粒子の粒子径の均一性が劣り、CおよびCOについてのT50が高く、触媒の低温活性も劣るものであった。すなわち、本発明にかかる一連の還元酸化処理は、CeOおよびZrOを含む触媒に有効であることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、粒子径が小さく且つ均一な貴金属粒子を備える酸化触媒を製造することが可能となる。
したがって、本発明の酸化触媒は、低温での酸化活性に優れるため、エンジン始動からの極短時間においても排ガスを浄化せしめることが可能となり、排ガス規制の強化に対応した排ガス浄化用触媒などとして有用である。特に、酸素過剰雰囲気で炭化水素含有量が少なく、排ガス温度が低い(100〜300℃)ディーゼル排ガスの浄化用触媒として有用である。

Claims (4)

  1. CeO およびZrO を含む複合酸化物からなる担体にPt、PdおよびRhからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属を担持せしめ、該貴金属を担持せしめた担体に、先ず、還元性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で還元処理を施し、次いで、該還元処理を施した担体に、酸化性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で酸化処理を施し、さらに、該酸化処理を施した担体に、還元性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で還元処理を施してなり、100〜130℃においても排ガス中の炭化水素および一酸化炭素を酸化除去して該排ガスを浄化することが可能な排ガス浄化用酸化触媒であって、
    前記排ガス浄化用酸化触媒中の貴金属粒子のCOパルス法により測定した平均粒子径が2〜8nmであり、
    前記貴金属粒子のXRDにより測定した粒度分布における最大粒子径に対するCOパルス法により測定した平均粒子径の誤差が35%以内である、
    ことを特徴とする排ガス浄化用酸化触媒
  2. 前記排ガス浄化用酸化触媒中の貴金属粒子のXRDにより測定した粒度分布における最大粒子径に対するCOパルス法により測定した平均粒子径の誤差が20%以内であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用酸化触媒
  3. CeO およびZrO を含む複合酸化物からなる担体にPt、PdおよびRhからなる群から選択される少なくとも1種の貴金属を担持せしめ
    貴金属を担持せしめた前記担体に、先ず、還元性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で還元処理を施
    次いで、前記還元処理が施された前記担体に、酸化性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で酸化処理を施
    さらに、前記酸化処理が施された前記担体に、還元性雰囲気下、600〜800℃の範囲の温度で還元処理を施す
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス浄化用酸化触媒の製造方法。
  4. 排ガスを請求項1または2に記載の排ガス浄化用酸化触媒を用いて浄化せしめることを特徴とする排ガスの浄化方法。
JP2007298951A 2007-11-19 2007-11-19 排ガス浄化用酸化触媒、その製造方法、および排ガス浄化用酸化触媒を用いた排ガスの浄化方法 Expired - Fee Related JP5003954B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007298951A JP5003954B2 (ja) 2007-11-19 2007-11-19 排ガス浄化用酸化触媒、その製造方法、および排ガス浄化用酸化触媒を用いた排ガスの浄化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007298951A JP5003954B2 (ja) 2007-11-19 2007-11-19 排ガス浄化用酸化触媒、その製造方法、および排ガス浄化用酸化触媒を用いた排ガスの浄化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009119430A JP2009119430A (ja) 2009-06-04
JP5003954B2 true JP5003954B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=40812191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007298951A Expired - Fee Related JP5003954B2 (ja) 2007-11-19 2007-11-19 排ガス浄化用酸化触媒、その製造方法、および排ガス浄化用酸化触媒を用いた排ガスの浄化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5003954B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5402334B2 (ja) * 2009-07-09 2014-01-29 トヨタ自動車株式会社 排ガス浄化触媒
JP5664918B2 (ja) * 2011-04-08 2015-02-04 トヨタ自動車株式会社 排ガス浄化用触媒
WO2012137930A1 (ja) * 2011-04-08 2012-10-11 トヨタ自動車株式会社 排ガス浄化用酸化触媒
JP6464791B2 (ja) * 2015-02-13 2019-02-06 新日鐵住金株式会社 排ガス浄化用又は燃料電池電極用触媒の製造方法及び排ガス浄化用又は燃料電池電極用触媒
JP6407349B1 (ja) 2017-05-11 2018-10-17 株式会社キャタラー 排ガス浄化触媒装置
CN113457674B (zh) * 2021-05-31 2022-12-27 广西科技大学 一种提高Pt-CeO2催化剂氧化反应低温活性和耐久性的方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3441267B2 (ja) * 1995-10-11 2003-08-25 株式会社豊田中央研究所 触媒の製造方法
JP3799945B2 (ja) * 1999-03-29 2006-07-19 株式会社豊田中央研究所 常温浄化触媒およびその使用方法
JP3855262B2 (ja) * 2002-03-18 2006-12-06 株式会社豊田中央研究所 排ガス浄化用触媒
JP2004114014A (ja) * 2002-09-30 2004-04-15 Nissan Motor Co Ltd 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP4265276B2 (ja) * 2003-05-16 2009-05-20 株式会社豊田中央研究所 排ガス浄化用触媒
JP4199691B2 (ja) * 2004-03-25 2008-12-17 田中貴金属工業株式会社 触媒

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009119430A (ja) 2009-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5216189B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2018528847A (ja) 排気システム用の亜酸化窒素除去触媒
JP5889756B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒担体
US20190126248A1 (en) Exhaust gas purifying catalyst
EP2689842A1 (en) Catalyst for exhaust gas purification, method for producing same, and exhaust gas purification method using same
JP5003954B2 (ja) 排ガス浄化用酸化触媒、その製造方法、および排ガス浄化用酸化触媒を用いた排ガスの浄化方法
JP5533783B2 (ja) 内燃機関の排気浄化用触媒
WO2006134787A1 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP5754691B2 (ja) 排ガス浄化三元触媒
JP4352300B2 (ja) 複合酸化物とその製造方法及び排ガス浄化用助触媒
WO2006134976A1 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP5106748B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP5078125B2 (ja) 排ガス浄化用触媒及びその再生方法
EP2954950B1 (en) Catalyst for purifying nox occlusion reduction-type exhaust gas and exhaust gas purification method using said catalyst
JP4730947B2 (ja) 排ガス浄化用触媒の再生方法
WO2007122917A1 (ja) 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
EP2823887B1 (en) Oxidation catalyst and exhaust gas purification method using same
JP3855262B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP4979087B2 (ja) 複合酸化物粉末、その製造方法及び製造装置、並びに排ガス浄化用触媒
JP5196656B2 (ja) 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP4775953B2 (ja) 排ガス浄化用触媒及びその再生方法
JP2008230937A (ja) 複合酸化物及び複合酸化物担持体、並びにそれらを用いた排ガス浄化用触媒の製造方法
JP5030573B2 (ja) 複合酸化物粉末及びその製造方法
JP4830293B2 (ja) 複合酸化物とその製造方法及び排ガス浄化用触媒
JP4697796B2 (ja) 排ガス浄化用触媒及びその再生方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111216

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120130

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120130

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120426

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120509

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees