JP4608807B2 - ミシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水平釜機構を備えるミシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特許2985256号のように、ミシン100においては(図16参照)、ベッド110の上面には、針の通過を許容する針板120が着脱自在に通常のネジで取り付けられ、ベッド110の内部には水平釜機構が備えられている。この針板120には、ボビン投入蓋130が着脱自在に取り付けられ、ボビン投入蓋130が取り外されると、ボビンの投入のための開口が生じるようにミシン100は構成されている。
【0003】
また、糸が水平釜機構やその周辺部分に絡んだ場合には、ボビン投入蓋130が取り外されたときの開口だけでは、水平釜機構及びその周辺部が露出しないので、通常のネジがゆるめられ、針板120が取り外されて、絡んだ糸が水平釜機構等から使用者によって除去される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、針板120が上述したような何らかの理由(糸絡みや清掃等)で取り外された後に、針板120がベッド110に正確に取り付けられていないと、針が針板120と衝突して、針板120や針が破損するおそれがある。また、針板120を基準としてミシン100の各所(針揺動の位置等)を調整している場合もあり、針板120が正確に取り付けられないと、その調整の基準自体がずれてしまうというおそれがある。上述したように、針板120はできるだけ取り外しを避けるべき部材であるにも関わらず、何らかの理由によってその取り外しが余儀なくされているという問題点があった。
【0005】
尚、ボビン投入蓋130が取り外されれば、水平釜機構及びその周辺部が露出するように構成することも考えられるが、ボビンの投入の度に水平釜機構及びその周辺部すべてが露出すると、その水平釜機構やその周辺部に異物が混入するおそれがあるので、ボビン投入蓋130が取り外されても、ボビンの投入のための最小限の開口だけが開くようにすることが望ましいと考えられる。
【0006】
更に、ボビン投入蓋130の下方に、ボビン投入蓋130及び針板120とは別の蓋部材を着脱自在に配置し、その別の蓋部材が取り外されると、水平釜機構及びその周辺部が露出するように構成することも考えられるが、糸が水平釜機構やその周辺部分に絡んだ場合には、ボビン投入蓋130を取り外し、その後に、その別の蓋を取り外すという2段階の作業となり、その作業が手間であり、ボビン投入蓋130が紛失するおそれがあると考えられる。
【0007】
本発明の目的は、針板を取り外さなくても、ミシンのベットの内部についての作業を行えるミシンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明の請求項1記載のミシンのベッドの内部に配置された水平釜機構と、ベッドの上面に配置され、針穴が形成された針板と、針板とは別の部材であって水平釜機構の上方に配置され、針板を移動させることなくベッドに着脱自在に設けられ、装着状態において針板とともに略水平面を形成し、ベッドの上方から水平釜機構に下糸ボビンを投入するためのボビン投入開口が形成された第1の蓋と、第1の蓋のボビン投入開口に着脱自在に取り付けられ、装着状態において第1の蓋とともに略水平面を形成する第2の蓋とを備えている。
【0009】
従って、第1の蓋が取り外されると、第2の蓋がともにミシンから取り外され、針板がミシンに設けられた状態でベットの内部の構成が露出する。
【0010】
請求項2記載のミシンは、ベッドに取り付けられた針板のミシン手前側及び左側にわたって伸展するように構成された第1の蓋と、針板のミシン手前側に配置されている水平釜機構とを備えている。従って、第1の蓋が取り外された状態では、水平釜機構の剣先とミシンの針との交差の状況が、ミシンの左側より確認可能となる。
【0011】
請求項3記載のミシンは、第1の蓋には、水平釜機構に投入された下糸ボビンから引き出された下糸を切断する切断刃が備えられ、第1の蓋が取り外されれば、切断刃が備えられた第1の蓋がミシンから離脱する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下に述べる前後左右等の方向は図1での方向である。
【0013】
図1に示すように、ミシン10は、布を載置するベッド部20、ベッド部20の右方から立設する脚柱部22、脚柱部22の上部から左方に伸長するアーム部24、アーム部24の左端のヘッド部26から構成されている。ヘッド部26には、布を押さえるための押え棒28、上下動する針棒30が設けら、針棒30の先端に針32が着脱自在に装着される。この針棒30は上下方向の他に、必要に応じて公知の針揺動機構によって左右方向に揺動される。図示していないが、ミシン10には、針棒30を上下動するミシンモータ、針棒30を駆動する針棒駆動機構、天秤、天秤を駆動する天秤駆動機構、回転釜を駆動する釜駆動機構等が設けられている。
【0014】
図2に示すように、ベッド部20の内部には、公知の水平釜機構が設けられている。その水平釜機構は略垂直方向の回転軸を中心に回転する外釜34と、その外釜34に収納される内釜36とから構成されている。この水平釜機構では、外釜34が針32の上下動に対して所定のタイミングで公知の動力伝達機構によって回転して、外釜34の剣先34a(図14参照)が針32の目孔の糸を捕捉するように構成されている。尚、針32の先端と剣先34aの位置が所定の交差状態にないと、外釜34の剣先34aが糸を捕捉できないので、出荷前にその調整が行われている(いわゆる針32と剣先34aの出合調整である)。
【0015】
内釜36は略お椀状であり、下糸を巻回された公知のフランジ状の下糸ボビン40が格納されるように、凹んでいるボビン格納部36aがその略中央に形成されている。このボビン格納部36aは、平面形状が円形である外釜34の中心部よりやや手前側に位置する。
【0016】
ベッド部20の上部には、略正方形の開口20aがあり、その開口20aの右後側には、金属製の針板42がベッド部20の内部の取付部材(図示せず)に取り付けられている。この針板42には、平面形状が直線状の歯通過部42aが6本形成されており、針32の上下動に対して所定のタイミングで、送り歯がその歯通過部42aから突出して、布を前後及び左右の水平方向に移動するように構成されている。
【0017】
更に、図3及び図4に示すように、針板42の歯通過部42aが集中した部分の中央には、小判形状(左右に細長い略楕円)の貫通した針穴42bが形成ており、針32の針板42の下方への通過を許容している。この針穴42bの左端部には、後方に伸長し、その深さが後方に行くほど浅くなると共に左右の幅が狭くなる溝42cが形成されており、下糸をできるだけ左方に寄せて、ヒッチ目を防止して良好に縫製を行うように針板42は構成されている。この下糸の左方に寄せることが、十分でないと、縫製時にヒッチ目が生じてしまうので、針板42は出荷時のままの状態を維持することが望ましい。この針穴42bの下方で外釜34の剣先34aが通過するように構成されており(図14参照)、針板42は外釜34及び内釜36の後側の一部の上方を覆っている。即ち、水平釜機構の一部は針板42よりミシン10の手前側に配置されている。
【0018】
尚、この針板42は、それに形成された段付きの貫通穴42dにネジが螺合されて、ベッド部20に上方より固定されるが、このネジの頭部に形成された工具との係合穴(凹み)は、特殊な平面形状(例えば、星形)であり、そのネジは単なるプラスやマイナスのドライバーではゆるめることができない。更に、そのネジの上端は、針板42の上面よりわずかに下方にあり、ペンチ等ではネジを掴めないように構成されている。即ち、特殊な工具が針板42の取り外しには必要であり、針板42は容易には取り外しできないように取り付けられ、使用者が安易に針板42を取り外さないように構成されている。
【0019】
また、ベッド部20の上面の開口20aには、針板42とは別体の第1の蓋44がベッド部20に対して着脱自在に取り付けられている。この第1の蓋44は、針板42の手前側(使用者側)及び左側に伸展ような形状(略L字形状)の樹脂製の部材である。更に、この第1の蓋44の左右中央付近の後端には、第2の蓋46が着脱自在に取り付けられ、第1の蓋44は、針板42及び第2の蓋46と共に布を載置する面を構成する。
【0020】
この第2の蓋46は、ボビン格納部36aの上方を覆うように構成され、第2の蓋46が第1の蓋44から取り外された後に生じるボビン投入開口Aから、下糸ボビン40がベッド部20の上方よりボビン格納部36aへ投入される。図5に示すように、この第2の蓋46は、その一部が透明な樹脂製の板形状のものであり、ベッド部20の上方より第2の蓋46を取り外さなくても、使用者が下糸の残量を視認できるように構成されている。
【0021】
この第2の蓋46は、下糸ボビン40の通過を許容するが、内釜36の一部を露出させるに程度の面積に過ぎず、水平釜機構の全体を露出させる程度の大きさではない。即ち、第2の蓋46の面積は、必要最低限の開口を形成するための面積である。尚、針板42を外さなくても、第2の蓋46だけを着脱自在なように、且つ、針板42の手前側に位置するように、第2の蓋46は上記第1の蓋44に取り付けられている。
【0022】
図6乃至図9に示すように、第1の蓋44の下面には、ベット部20への取付のための爪44aが樹脂で一体的に4カ所形成されている。爪44aは、ベッド部20の上面と同じ高さになる板状部分の下面から下方に伸展する垂直部と、垂直部の下端から後方へ略水平に伸展する水平部とから構成されている。爪44aは、左方から見ると(図8参)、L字を左右反転させたような形状である。その爪44aの水平部がベッド部20に水平方向の凹みとして設けられた(図略)受け部に挿入されて、第1の蓋44の上方への移動が不可能となる。
【0023】
尚、第1の蓋44を針板42に接して取り付けると、第1の蓋44の手前には開口20aの壁面との間に数ミリの左右方向に伸長する直線状の隙間があくが、これは第1の蓋44を取り出すための隙間であり、布の摺動に差し障りがない程度のものである。使用者が第1の蓋44を手前に数ミリ引き、爪44aの水平部と凹みの係合が解除されると、第1の蓋44の上方への移動が可能となる。第1の蓋44の右側の後端には、半円弧状の切り欠け44bが形成され、針板42の右側の前端の半円弧状の前方に突出した突起42eと係合して左右方向のガタ止めとなり、第1の蓋44がベッド部20に着脱可能に取り付けられる。即ち、工具を用いずとも、第1の蓋44のベッド部20への着脱ができるように構成されている。
【0024】
第1の蓋44の左右中央の後側端部には、ベッド部20の内部に下糸ボビン40を投入するために、水平面において手前に凹んだのボビン通過部44cがあり、そこには第2の蓋46が着脱自在に取り付けられる。そのボビン通過部44cの周辺部には、第2の蓋46の下面と接触する水平な第2蓋支持部44d、第2の蓋46を一時的に移動不能にする保持部材50を(図12参照)取り付けるための保持部材取付部44e、上記保持部材50と協動して第2の蓋46を保持する保持補助部材52(図13参照)を取り付けるための保持補助部材取付部44f、下糸ボビン40からの下糸を左方にガイドする糸ガイド部44g、後述の覆い蓋54を取り付けるために上面が下方へ凹んでいる覆い蓋取付部44hが樹脂で一体に形成されている。
【0025】
第2蓋支持部44dは、第1の蓋44の上面から第2の蓋46の上下方向の厚さ分だけ一段下がった位置にある。保持部材取付部44eはボビン通過部44cの右側に形成され、保持部材取付部44eは第1の蓋44の下面を上方に凹ませてた部分と上下方向に貫通させた部分、その部分の壁面を左方に上記第2蓋支持部44dへ向かって貫通させ、上記ボビン通過部44cへ連通させた部分とから構成されている。保持部材取付部44eの下方は開口し、保持部材取付部44eに弾性を有するように形成された保持部材50が、第2の蓋46の右端を左方に向かって押すように取り付けられる。尚、保持部材50は、保持部材取付部44eに対して摺動可能に取り付けられている。
【0026】
保持補助部材取付部44fは、ボビン通過部44cの左側(上記保持部材取付部44eとは左右反対側)に形成され、保持補助部材取付部44fは、第1の蓋44の下面を上方に凹ませた部分と、その凹ませた部分の左部分を上下方向に貫通させると共に上記第2蓋支持部44dへ向かって貫通させた部分、上面を下方へ凹ませた部分とから構成されている。保持補助部材52の左端の下方は開口し、保持補助部材取付部44fには、第2の蓋46の左方の突起部46aの上面を下方に押し上げる金属の板バネである保持補助部材52が固定されている。
【0027】
即ち、保持部材50とボビン通過部44cの周囲の左段部によって第2の蓋46は挟持され、保持補助部材52は第2の蓋46左側の突起46aの上面を押さえられると共に、保持部材50の水平方向の弾性力によって保持されているのである。尚、使用者が保持部材50を右方に摺動すると、第2の蓋46と保持部材50は離間する。
【0028】
糸ガイド部44gは、上記第2蓋支持部44dと同様に、第1の蓋44の上面から第2の蓋46の上下の厚さ分だけ一段下がった位置にある。糸ガイド部の前側には、円弧の曲線状の第1案内溝44iが形成され、平面形状が略三日月形状である。この第1案内溝44iは、ボビン通過部44cがなす、ボビン投入開口Aと連通している。
【0029】
覆い蓋取付部44hも、第1の蓋44の上面から覆い蓋54の取付のためにすりばち状に下がった形状である。覆い蓋取付部44hの中央には、平面形状が略台形の凹み部が形成され、その略台形の凹み部の周囲には円形の貫通部44jが3つ形成されている。
【0030】
この覆い蓋取付部44hには、図に10示す樹脂製の覆い蓋54が取り付けられ、その覆い蓋54の周囲には、覆い蓋取付部44hの壁面(垂直面及び水平面)との間には、水平方向及び下方に間隙が生じる。この覆い蓋54は下方に突出する3つの間隔維持部54a、54b、54cが一体的に樹脂で形成されている。それらの間隔維持部54a、54b、54cのうち、左端、中央の間隔維持部54a、54bは略円柱状であり、右端の間隔維持部54cは円柱の4分の一(角度90度分)の側面を成し、その下端が外周方向に水平に突出するように形状されている。左端の間隔維持部54aは中央の間隔維持部54bより長く、左端の間隔維持部54aは第1の蓋44の下面から突出する。これら間隔維持部54a、54b、54cは第1の蓋44の貫通部44jにそれぞれ挿入され、左端の間隔維持部54aの下端には、略円形状の金属のいわゆるプッシュナットp(図11参照)が取り付けられる。
【0031】
この覆い蓋54の下面でもある間隔維持部54a、54b、54cの付け根部分の平坦部が、覆い蓋取付部44hの貫通部44jの周囲の盛り上がったリブの上面に接触して、覆い蓋54と第1の蓋44との上下方向の間隙が規定されるのである。
【0032】
即ち、覆い蓋54と第1の蓋44との水平方向の間隙(第2案内溝60)を維持するための部分と、覆い蓋54を第1の蓋44に取付のための固定部分とが兼用されるように、樹脂で一体に覆い蓋54に形成されている。尚、図10(a)における平面図は、図1における組み付け状態とは左右反転された状態である。
【0033】
こうして、覆い蓋54は第1の蓋44に固定されて、覆い蓋54がその下方に空間をあけて第1の蓋44に支持される。この覆い蓋54は、その上部の板状部54dは第1の蓋44の覆い蓋取付部44hの壁面に対して、垂直方向及び水平方向の一定の間隔をあけて位置する。これにより、覆い蓋54と第1の蓋44の覆い蓋取付部44hの壁面とで第2案内溝60が構成される。この第2案内溝60は、第1案内溝44iの左端部と覆い蓋54の下方で連通している。
【0034】
この3つの間隔維持部材54a、54b、54cの中央位置には、平面形状(下方から見たときに)が略平行四辺形の上方へ向かって凹んだ刃取付凹み部54eが樹脂で一体に形成されている。この刃取付凹み部54eは、略平行四辺形の金属製の切断刃62とほぼ同じ形状に形成されている。この刃取付凹み部54eの上下方向の深さは、略平行四辺形の切断刃62の厚さとほぼ同じ程度である。この刃取付凹み部54eの右手前において下糸を切断するように、第2案内溝60と連通するように構成されている。この刃取付凹み部54eは、第1の蓋44の覆い蓋取付部44hの上面の略台形の凹みの上方に切断刃62をはさんで位置する。その覆い蓋取付部44hの上面の略台形の凹みの左端部は、刃取付凹み部54eと同様に奥側角が鋭角で、手前角が鈍角であるように、切断刃62の左端に合わせて形成されている。
【0035】
この切断刃62は覆い蓋54を上下逆(水平な板状部54dを下)にして、刃取付凹み部54eが上方に開口した状態(図10(d)参照)で、刃取付凹み部54eに上方から載置され、次に、覆い蓋54の間隔維持部材54a、54b、54cが第1の蓋44の貫通部44jに挿入されるように、第1の蓋44が覆い蓋54の上方から押し付けられ、上述のようにプッシュナットpが上方より間隔維持部54aに取り付けられる。
【0036】
こうして切断刃62のほとんどの上方を覆い蓋54に覆われるように、且つ、刃取付凹み部54eに格納された状態で、切断刃62が覆い蓋54に組み付けられる。即ち、従来のように切断刃62の刃部62aが持たれてその長手先端方向から狭いスリットに圧入されるような行程を経ずに、本実施の形態では切断刃62がその側面方向から覆い蓋54に組み付けられている。
【0037】
この刃取付凹み部54eの左端部は前後方向に対して斜めになっており、凹みが上方から見て左方に張り出すように構成されている。そのため、切断刃62が仮に糸切断時の左方の負荷によって左方に移動したとしても、平行四辺形の切断刃62の鋭角の角部が、平行四辺形の刃取付凹み部54eの鋭角に食い込むようになる。更に、刃取付凹み部54eの端部には、その刃取付凹み部54eに沿った下方に突出する刃脱落防止突起部54fが樹脂で一体に形成されている。
【0038】
この刃脱落突起部54fは刃取付凹み部54eに沿って斜めに、刃取付凹み部54eの第2案内溝60に通じる側とは反対側において伸長している。そのため、切断刃62が仮に糸切断時の左方の負荷によって下方へ歪んだり、移動したとしても、切断刃62が刃脱落防止突起54fに接触する。特に、下糸は切断刃62の下方に位置するので、その負荷は上方の成分も含まれているので、切断刃62の上方に位置する覆い蓋54に刃脱落突起部54f設けることが望ましい。
【0039】
従って、下糸が切断される際には、切断刃62の右端に下糸が接触し、左向きの負荷が切断刃62にかかっても、容易に刃取付凹み部54eから脱落することが防止されるように構成されている。
【0040】
この覆い蓋54の下面の前端には、下方に向かって突出した曲面部54gが樹脂で一体的に形成され、切断刃62に向かって下糸を下降させるように構成されている。
【0041】
以上のように構成されたミシン10についての各種の作業を説明する。
【0042】
下糸ボビン40を投入するための作業を説明する。まず、使用者が保持部材50を右方に摺動し、第2の蓋46の保持が解除されて、第2の蓋46が保持補助部材52の左側の突起46aが押されて、第2の蓋46の右側が跳ね上がる。次に、使用者が第2の蓋46を取り外し、内釜36にボビン投入開口A(図15参照)から下糸ボビン40を所定の巻回方向で投入する。このとき第2の蓋46が取り外されても、針板42はベッド部20にそのまま取り付けられた状態である。即ち、縫製に悪影響(溝42cのずれによるヒッチ目の発生)を及ぼさないように、針板42は移動させていない。そして、再び、使用者は第2の蓋46を第1の蓋44に取り付ける。
【0043】
次に、下糸を下糸ボビン40から引き出して切断する作業を説明する。まず、上述のように下糸ボビン40を所定の方向で内釜36に投入する。第2の蓋46をしない状態で、使用者は、下糸ボビン40の上昇を抑制すると共に下糸ボビン40の回転を許容するように、右手で下糸ボビン40の上面を押さえつつ、左手で下糸を下糸ボビン40から左上方に引きだし、ガイド部材44gに接しながら第1案内溝44iで下糸を左方に移動する。下糸が第1案内溝44iの左終端で覆い蓋54の右端に接近すると、続いて、使用者は第2案内溝60に沿って、覆い蓋54の周りを反時計回りに下糸を移動させる。このとき、覆い蓋54の下方の間隙に、下糸が入り込む。この下糸が第2案内溝60の終端部まで移動されると、下糸が曲面部54gによって下降され、切断刃62の刃部(左端)と下糸とが接触して、下糸が切断される。そして、再び、使用者は第2の蓋46を第1の蓋44に取り付ける。
【0044】
この状態でミシン10を始動しても、必要な量の下糸が引き出されているので、従来のように使用者が布への縫製開始前に手でハンドプーリーを操作し、針32を上下動させて、上糸と下糸を事前に行っておく準備する必要がなく、本実施の形態のミシン10では縫製を迅速に開始できる。
【0045】
水平釜機構の周囲を露出するための作業を説明する。まず、作業者が第1の蓋44を手前に数ミリ引くと、ベッド部20内での係合が解け、第1の蓋44が上方に移動可能となり、第1の蓋44の後側の端部と針板42との間に間隙があき、使用者がその間隙に指の爪先を掛けて、第1の蓋44を取り外す。第1の蓋44がベッド部20から取り外されると、水平釜機構及びその周囲が露出するので、使用者は必要に応じた、その水平釜機構やその周囲についての作業を行えるようになる。この第1の蓋44が取り外されても、針板42はベッド部20にそのまま取り付けられた状態である。即ち、縫製に悪影響を及ぼさないように、針板42は移動させていない。尚、第1の蓋44が取り外されると、第2の蓋46は第1の蓋44に保持されているので、第2の蓋46は第1の蓋44と共にベッド部20から取り外される。更に、第2の蓋46の紛失のおそれも無い。
【0046】
また、上述した第1の蓋44をミシン10から外している状態では、第1の蓋44を上下ひっくり返せば、切断刃62の一部が最小限に露出するので、その切断刃62の周辺の掃除、切断刃62の右端である刃部62a状況確認等(刃こぼれ、錆、ゆるみの有無等の確認)が、使用者手元で容易にできる。
【0047】
更に、この第1の蓋44を外していれば、ベッド部20の上方には、略L字の開口20aが生じ、このとき、ミシン10の左後方から針32と剣先34aの交差の状態を確認(視認或いはカメラ撮影:図14参照)することができる。更に、その交差の状況を確認できるので、試し縫いだけによって確認する場合に比べて、その調整も容易である。
【0048】
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記変更形態以外の種々の変更を付加した形態で実施することも可能である。
【0049】
上述した実施の形態では、刃脱落防止部54fを前後方向に対して斜めに伸長する連続する1本の直線状に形成したが、不連続な点線状や円柱状に形成しても良い。
【0050】
【発明の効果】
本願発明の請求項1記載のミシンでは、第1の蓋が取り外されると、第2の蓋がともにミシンから取り外され、針板がミシンに設けられた状態でベットの内部の構成が露出するので、針板を取り外すことなく、簡単にベッドの内部に関わる作業が行える。
【0051】
請求項2記載のミシンでは、ベッドに取り付けられた針板のミシン手前側及び左側にわたって伸展するように構成された第1の蓋が取り外された状態では、水平釜機構の剣先とミシンの針との交差の状況が、ミシンの左側より確認可能となり、針板を取り外すことなく、その交差の状況の確認或いは調整が容易に行える。
【0052】
請求項3記載のミシンでは、水平釜機構に投入された下糸ボビンから引き出された下糸を切断する切断刃が備えられた第1の蓋が取り外されれば、切断刃が備えられた第1の蓋がミシンから離脱するので、針板を取り外すことなく、切断刃に関わる作業を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るミシンに針板等を装着した状態の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るミシンから針板等を離脱した状態の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る針板、第1の蓋、第2の蓋、覆い蓋を組んだ状態の平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る針板の(a)平面図、(b)前面図、(c)右側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る第1の蓋の(a)下面図、(b)前面図、(c)平面図、(d)右側面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る第2の蓋の(a)平面図、(b)前面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る第2の蓋の(a)下面図、(b)右側面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る第2の蓋の左側面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る第2の蓋の後面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る覆い蓋の(a)平面図、(b)後面図、(c)下面図、(d)前面図、(e)右側面図、(f)左側面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る第2の蓋、覆い蓋、プッシュナットを組み付けた下面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る保持部材の(a)平面図、(b)前面図、(c)下面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る保持補助部材の(a)平面図、(b)前面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る針と剣先の交差の状況を示した斜視図である。
【図15】本発明の実施形態に係るボビン投入開口を示す平面図である。
【図16】従来のミシンの斜視図である。
【符号の説明】
10 ミシン
20 ベッド部
32 針
34 外釜
36 内釜
42 針板
44 第1の蓋
46 第2の蓋
54 覆い蓋
62 切断刃

Claims (3)

  1. ミシンのベッドの内部に配置された水平釜機構と、
    前記ベッドの上面に配置され、針穴が形成された針板と、
    前記針板とは別の部材であって前記水平釜機構の上方に配置され、前記針板を移動させることなく前記ベッドに着脱自在に設けられ、装着状態において前記針板とともに略水平面を形成し、前記ベッドの上方から前記水平釜機構に下糸ボビンを投入するためのボビン投入開口が形成された第1の蓋と、
    前記第1の蓋の前記ボビン投入開口に着脱自在に取り付けられ、装着状態において前記第1の蓋とともに略水平面を形成する第2の蓋と
    を備えることを特徴とするミシン。
  2. 前記第1の蓋が前記ベッドに取り付けられた前記針板のミシン手前側及び左側にわたって伸展するように構成されており、前記水平釜機構が前記針板のミシン手前側に配置されているとともに、前記第1の蓋を取り外した状態では前記水平釜機構の剣先とミシンの針との交差の状況をミシンの左側より確認可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. 前記第1の蓋の下面には、前記水平釜機構に投入された下糸ボビンから引き出された下糸を切断する切断刃が備えられていることを特徴とする請求項1または2記載のミシン。
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