JP4607311B2 - 開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法および測定波面形状補正方法 - Google Patents

開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法および測定波面形状補正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法および大型被観察体の測定波面形状補正方法に関し、特に、干渉縞等の縞情報により被観察体の波面形状を観察する際に、被観察体のサイズが測定装置の測定範囲よりも大きい場合に、被観察体の観察位置を走査させる毎に縞を撮像し、各小開口縞画像を解析し、該各小開口縞画像に対応した位相を求め、最後にこれら複数の小開口位相を互いにつなぎ合わせて被観察体全体の波面形状を得る開口合成法を用いた大型被観察体の波面形状測定方法および大型被観察体の測定波面形状補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
一般に、干渉計等の測定器においては、その開口より大きい大型工作物の表面形状を測定する際には、この測定器の小開口により大型工作物の表面を走査し、得られた多数の小開口形状の測定画像をつなげて、大型工作物の表面形状を得るという開口合成法を利用している。しかし、測定器の小開口の走査により得られた多数の測定画像をつなぎ合わせる場合には、上記走査中の並進誤差と傾き誤差による影響で、各測定画像を高精度につなぎ合わせることが極めて困難である。
【0003】
このような、測定器における開口合成についての問題を解決する試みはなされているものの良好な具体策は見出されておらず、簡易かつ高精度な解決手法の開発が望まれていた。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、開口合成法を用い、多数の小開口形状の測定画像をつなげて、大型工作物の表面形状を得る場合に、各測定波面形状毎の並進誤差と傾き誤差の影響を排除して高精度な測定波面形状のつなぎ合わせが可能な開口合成法による大型被観察体の波面形状測定方法および大型被観察体の測定波面形状補正方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の、請求項1に係る開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法は、隣接する領域の一部が互いに重なるように複数の領域に分割された被観察体と測定器の相対的走査により得られた、空間的に連続する複数枚の前記被観察体の波面形状情報を担持した2次元の縞画像の各々に基づき縞解析を用いて要素位相データを得た後、得られた各要素位相データを開口合成によりつなぎ合わせて測定器の観察可能領域よりも面積の大きい被観察体の波面形状を測定する開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法において、
前記各要素位相データを取得する際には、
前記縞画像にキャリア縞を重畳させ被観察体の波面形状情報を担持した、互いに隣接する複数のキャリア縞画像の領域の重なり部分にフーリエ変換を施し、その変換結果に基づいて演算を行い、前記相対的走査に伴なう誤差を検出しておき、
前記互いに隣接する複数の要素位相データについての前記相対的走査に伴なう誤差を、前記検出値に基づいて補正した後、これら互いに隣接する複数の要素位相データを接続することを特徴とするものである。
【0006】
また、前記相対的走査に伴なう誤差は、前記複数のキャリア縞画像の領域の重なり部分にフーリエ変換を施し、前記被観察体と前記測定器の相対的姿勢のずれに伴って変化するキャリア周波数を求め、複数の該キャリア周波数に基づき演算を行って求められる、該被観察体と該測定器との相対的な傾き量とすることが可能である。
【0007】
また、前記相対的走査に伴なう誤差は、前記複数のキャリア縞画像の領域の重なり部分にフーリエ変換を施し、前記被観察体と前記測定器の相対的姿勢のずれに伴って変化する複素振幅を求め、複数の該複素振幅に基づき演算を行って求められる該被観察体と該測定器との相対的な並進誤差であることが可能である。
【0008】
また、前記相対的走査に伴なう誤差は、前記複数のキャリア縞画像の領域の重なり部分にフーリエ変換を施し、前記被観察体と前記測定器の相対的姿勢のずれに伴って変化するキャリア周波数および複素振幅を求め、複数の該キャリア周波数および複数の該複素振幅に基づき演算を行って求められる、前記被観察体と該測定器との相対的な傾き量および並進誤差であることが可能である。
【0009】
また、本発明の大型被観察体の波面測定形状補正方法は、開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法において、前記検出が行われた後、前記被観察体の波面形状情報を担持した縞画像の縞解析において、前記検出された傾き量および並進誤差を補償する補正演算を行うことを特徴とするものである。
【0010】
なお、本発明に係る前述した各方法は、フーリエ変換法を用いた縞画像解析手法全般に適用可能であり、例えば干渉縞やモアレ縞の解析、あるいは縞投影による3次元プロジェクタ等にも適用可能である。
ここで、波面形状とは、表面形状のみならず、透過波面形状(例えば厚みムラ、屈折率分布、レンズの収差等)も含むものとする。
【0011】
【作用】
上記本発明の開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法および大型被観察体の測定波面形状補正方法は、本願発明者等が既に発明し開示している下記出願にヒントを得て、長年未解決のままであった開口合成の課題を解決するに到ったものである。
【0012】
すなわち、本願発明者は、走査案内により得られた隣接する小領域の縞画像データに対してフーリエ変換を施す場合に、被観察体からの波面と基準からの波面とのずれに伴って発生するキャリア周波数および/または複素振幅を求め、走査前後の複数の該キャリア周波数および/または複数の該複素振幅に基づき演算を行って、前記被観察体と前記基準との相対的な傾き量および/または変位量を求める手法を発明し、既に開示している(特願2000-277444号)。
【0013】
この技術は、被観察体と基準との相対的な傾き量および/または変位量を簡易かつ高精度で求めることが可能である。
そこで、本発明方法においては、上記開示発明を応用して、隣接する各開口波面形状の相対的な傾き誤差および/または並進誤差を測定し、この測定結果に基づき該誤差を補正し、高精度な波面形状を得ることを可能としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る開口合成による大型被観察体の形状測定方法および測定形状補正方法について図面を用いて説明する。なお、本実施形態方法は、位相シフト干渉計装置に適用した場合を例にあげて説明する。
【0015】
また、本実施形態方法は、被観察体のサイズが干渉計装置の口径サイズよりも大きく、干渉計と被観察体とを互いに走査しながら複数枚の干渉縞画像データを取得し、これを開口合成によりつなぎ合せる場合に適用し得るものである。
【0016】
図1は本発明の実施形態方法を概略的に示すフローチャートであり、図2は図1に示す実施形態方法を実施するための干渉計装置を示すものである。すなわち、干渉計の開口を被観察体2上において走査し、所定距離だけ走査する毎に干渉縞画像を取得する(S100)。次に、走査の前後の2つの縞画像データにフーリエ変換を施し、該縞画像のキャリア周波数および複素振幅を抽出し、走査案内による、各小開口形状の傾き誤差および並進誤差を検出する(S101)。最後に、図3に示す如く、開口合成法により、走査案内の誤差を補正し、その補正された各小開口形状をつなぎあわせる(S102)。
【0017】
以下、上記ステップ101(S101)における、走査案内に伴なう傾き誤差および並進誤差を検出する方法およびその処理操作を図面を用いて説明する。
【0018】
この方法は、縞解析法を用いて被観察体表面形状を求める手法において、被観察体2の表面と参照(基準)面3との相対形状に基づき得られた該被観察体2の表面形状情報を担持した縞画像データにフーリエ変換を施し、走査前後の縞画像データのキャリア周波数と複素振幅を求め、該キャリア周波数と該複素振幅に基づき、前記走査案内の相対傾斜誤差および走査案内の並進誤差を検出するものであり、さらにこの後、前記縞画像データの縞画像解析による前記検出された走査案内誤差を補償する補正演算を行うものである。
【0019】
一般的に、フーリエ変換縞解析法はキャリア周波数(被観察体2表面と参照面3との相対的な傾斜)を導入することにより、一枚の縞画像のみで位相を求めることができる。キャリア周波数を導入すると干渉縞強度は次の式(1)で表される。
【0020】
【数1】
Figure 0004607311
【0021】
ξは前述したように、λを光の波長、xを被観察体2の表面の変位量としたとき、ξ=2πx/λで表わせるから上式(1)は下式(2)のように変形できる。
【0022】
【数2】
Figure 0004607311
ただし、c*(x,y)はc(x,y)の共役である。
【0023】
【数3】
Figure 0004607311
【0024】
上式(2)をフーリエ変換すると、下式(4)を得ることができる。
【0025】
【数4】
Figure 0004607311
【0026】
ここで、被観察体2の表面の初期位相をξ、被観察体2の移動後の位相をξとすると、開始位置における干渉縞画像データから下式(5)が得られる。
【0027】
【数5】
Figure 0004607311
【0028】
次に、被観察体2の移動後における干渉縞画像データから下式(6)が得られる。
【0029】
【数6】
Figure 0004607311
【0030】
これにより、下式(7)が得られる。
【0031】
【数7】
Figure 0004607311
【0032】
したがって、被観察体2移動前後の位相差は下式(8)で表わされる。
【0033】
【数8】
Figure 0004607311
【0034】
したがって、被観察体2の変位量は下式(9)で表わされる。
【0035】
【数9】
Figure 0004607311
【0036】
また、所定の被観察体2の移動により得られた各干渉縞画像毎に求めた変位量の平均を求めることにより高精度の変位(傾斜誤差および並進誤差)検出を行なうことができる。なお、フーリエ変換縞解析法により被観察体2の変位を検出する際には、必ずしも縞画像データ全体を用いる必要はなく、一部の縞画像データによっても充分に精度の高い変位検出を行なうことが可能である。
【0037】
なお、上記ステップ101(S101)について、位相シフトの変位量検出補正方法に適用された場合の一例を図4のフローチャートを用いて説明する。
【0038】
まず、空間キャリア縞が重畳された、被観察体2の形状情報を担持してなる干渉縞画像をCCDカメラ4により得る(S1)。次に、得られた干渉縞画像データに対してフーリエ変換を施し(S2)、空間キャリア周波数(fx,fy)を抽出し(S3)、このキャリア周波数に基づきフーリエ変換縞解析を行ない、後述する複素振幅c(x,y)を求める(S4)。次に、参照(基準)面3の変位量を求め(S5)、これにより位相シフトの変位量を求めることができ(S6)、さらに位相シフト法による縞画像解析を行なう場合に、(S6)で求めた変位量を補正し被観察体2の位相を求める(S7)。
【0039】
なお、変位量検出補正方法ではなく傾斜量検出補正方法に適用された場合も、図4に示す場合と同様に表わされる。
また、このように案内誤差を高精度に検出することができるから、この誤差を高精度に補償する補正演算が可能である。
【0040】
一般に、フーリエ変換方法においては、フィルタリングによって、C(η−fx ,ζ−fy)
を求め、図5に示す如く周波数座標系上の位置(fx ,fy)に存在するスペクトルのピークを座標原点に移動させ、キャリア周波数を除去する。次に、逆フーリエ変換を用いてc(x,y)を求めることにより、ラップ処理された位相が得られる。次に、アンラップ処理によって被測定物の位相Φ(x,y) が求められる。ここで、(fx ,fy) はキャリア周波数であるが、被観察体2の表面と参照面3との間には所定の角度関係(相対姿勢)、具体的には上記式(1a)の関係が存在することに着目し、(fx ,fy) の各値を求め、その値に基づき、被観察体2表面と参照面3の間の角度関係を求める。
【0041】
(fx ,fy) の各値は、上式(4)の結果から、座標原点にある最大ピーク以外のサブピーク位置、すなわち、C(η−fx ,ζ−fy)の位置を求めることで得られる。これにより、被観察体2のX方向、Y方向の傾斜(姿勢)であるθxとθyを求めることができる。
【0042】
このように、フーリエ変換縞解析法を用いることで、被観察体2の姿勢(傾斜)を検出できる。なお、フーリエ変換縞解析法により被観察体2の姿勢(傾斜)を求める際には、縞画像の全領域を使う必要がなく、一部の縞画像領域を解析することによっても充分に有効なデータを得ることが可能である。
【0043】
このように、ステップ101(S101)における走査案内誤差検出は、ステップ100(S100)において得られた、図3に示すような各小開口画像出力MIJ[N][M] (X方向番号I=0,1,2,…、Y方向番号J=0,1,2,…)のそれぞれについてなされる。すなわち、開口のサイズがN×Mの干渉計により、サイズがL×Pである大型被観察体2の表面の形状を測定するときには、隣接する撮影画像との間で、例えばX方向、Y方向に各々の一定の領域を重ねあわせるようにして、複数個の測定出力MIJ[N][M](I=0,1,2,…、J=0,1,2,…)が得られるが、このようにして得られた各測定出力に対して、走査案内の誤差の補正がなされる。
【0044】
なお、上述した場合における干渉計の出力値は、上記傾き誤差と並進誤差が含まれた下式(10)で表される。なお、この式(10)においては参照面3の誤差は考慮されていない。
【0045】
【数10】
Figure 0004607311
【0046】
そして、上述した如くして補正された各干渉縞画像データを、開口合成法を用いてつなぎあわせることになるが、この場合には、上式(10)を変形した下式(11)により、各小開口画像出力について、上記傾き誤差と並進誤差を除去する補正がなされ、この状態において各小開口画像が重なり領域(または対向する領域)での複数点での位相関係に基づいてつなぎあわせられる。各小開口画像をつなぎあわせる、開口合成の具体的な処理は干渉計開口合成の周知の技術(例えば特開平4-290905号公報、特開平4-290906号公報)を用いて行われる。
【0047】
【数11】
Figure 0004607311
【0048】
一般に、上記補正がなされない状態では、各小開口形状毎に、各々異なる傾き誤差と並進誤差が生じているから、隣接する2つの小開口形状をそのまま、つなげると、その後の結果に大きな測定誤差が生じてしまう。さらに、多数の小開口形状をつなげていくと、この測定誤差は累積的に拡大してしまう。
【0049】
そこで、本実施形態方法によれば、干渉計の走査案内により発生した並進誤差と傾き誤差を検出し、演算により補正してから開口合成処理を行うようにしており、これによって、測定誤差のない大型の被測定形状FIJ[N][M]を求めるようにしている。
【0050】
また、傾き誤差については、隣接する互いの領域に重なり部分を設けなくとも上記補正を行うことができるが、一般的に、並進誤差については、隣接する互いの領域における相対的な位置の基準が必要であるので、領域の重なり部分が必要である。
【0051】
上記実施形態方法においては、領域の重なり部分は図3に示す如く、X方向、Y方向各々が開口の半分となるようにしているが、領域の重なり部分を他の比率とすることも勿論可能であり、重なり部分を線とすることも可能である。
【0052】
このことは、上述した従来技術において、隣接する領域が互いに面において重なり合うことを必要としていることと相違する点である。
なお、各被測定領域毎に光反射率等が互いに異なることから、この差異を考慮して開口合成時の解析処理を行うことが好ましい。
【0053】
次に、本発明の実施形態方法を実施するための装置について、上記図2、図6および図7を用いて説明する。
【0054】
この装置は、上記実施形態方法を実施するためのもので、図2に示すように、マイケルソン型干渉計1において、被観察体2表面と参照(基準)面3からの両反射光束によって形成される干渉縞は、CCDカメラ4のCCD素子の撮像面5において形成され、画像入力基板6を介して、CPUおよび画像処理用のメモリを搭載したコンピュータ7に入力され、入力された干渉縞画像データに対して種々の演算処理が施され、その処理結果はモニタ画面7A上に表示される。なお、CCDカメラ4から出力される干渉縞画像データはCPUの処理により一旦メモリ内に格納されるようになっている。なお、演算された結果に対応した出力がD/A変換基板8を介してピエゾ駆動部9に入力され、PZT(ピエゾ素子)アクチュエータ10を駆動制御する。
【0055】
コンピュータ7は、図6に示すように、ソフト的に、FFT演算複素振幅演算手段11、位相シフト変位量検出手段12および位相シフト変位量補正手段13を備えている。FFT演算複素振幅演算手段11は、前述したように、得られた干渉縞画像データに対してフーリエ変換を施すとともにFFT演算複素振幅を抽出するステップ3(S3)の処理を行うものであり、位相シフト変位量検出手段12は、前記FFT演算複素振幅演算手段11において演算されたFFT演算複素振幅に基づいて、上記ステップ4(S4)から上記ステップ6(S6)に相当する処理を行うものである。さらに、位相シフト変位量補正手段13は、上記位相シフト変位量検出手段12において検出された変位量に基づいて該変位量を補償し、被観察体2の誤差補正された位相を求めるものである。
【0056】
また、コンピュータ7は、図7に示すように、ソフト的に、FFT演算キャリア周波数演算手段21、傾斜量検出手段22および傾斜量補正手段23を備えている。FFT演算キャリア周波数演算手段21は、前述したように、得られた干渉縞画像データに対してフーリエ変換を施すとともにFFT演算キャリア周波数(fx,fy)を抽出するステップ13(S13)の処理を行うものであり、傾斜量検出手段22は、前記FFT演算キャリア周波数演算手段21において演算されたFFT演算キャリア周波数に基づいて、上記ステップ14(S14)に相当する処理を行うものである。さらに、傾斜量補正手段23は、上記傾斜量検出手段22において検出された参照面3の傾斜量に応じて、該傾斜量を補償し、被観察体2の位相を求めるステップ15、16(S15、S16)に相当する処理を行なうものである。
【0057】
なお、上述した2つの実施形態方法(位相シフト素子の誤差量検出、補正方法および傾斜量の検出、補正方法)は、両者を1つの検査工程あるいは補正工程において行ってもよく、このようにすれば、より効率的に縞画像の解析精度を上げることができる。
【0058】
このように、本実施形態方法においては、干渉計の走査中に発生した並進誤差と傾き誤差を検出し、演算により補正してから開口合成処理を行うようにしており、これによって、測定誤差のない大型の被測定形状FIJ[N][M]を求めることができる。
【0059】
なお、本発明の開口合成による大型被観察体の形状測定方法は、上記実施形態のものに限られるものではなく、その他の種々の態様の変更が可能である。例えば、上記位相シフトを行うための装置構成としてはPZT(ピエゾ素子)アクチュエータ10に限られるものではなく、また、PZT(ピエゾ素子)アクチュエータ10としても種々の態様を採りうる。
【0060】
図8は、上記PZT(ピエゾ素子)アクチュエータ10の2つの態様を示すものである。
【0061】
すなわち、第1の態様は、図8(A)に示すように、参照面(参照ミラー)3の裏面を支持する3つのピエゾ素子121、122、123を備え、支点部材としても機能するピエゾ素子121と各ピエゾ素子122、123とを結ぶ参照面3を有する参照ミラー上の、2本の直線Lx、Lyが互いに直交するように構成されたものである。3本のピエゾ素子121、122、123が同量だけ伸縮することにより位相シフトが行なわれ、さらにピエゾ素子122のみの伸縮により参照ミラーの参照面3がy軸を中心として回転するようにx軸方向に傾き、ピエゾ素子123のみの伸縮により参照ミラーの参照面3がx軸を中心として回転するようにy軸方向に傾くことになる。一方、第2の態様は、図8(B)に示すように、参照面(参照ミラー)3の裏面中央部を円柱状のピエゾチューブ124によって支持するように構成されたものである。このピエゾチューブ124の偏奇しない伸縮により位相シフトが行なわれ、一方、偏奇した伸縮により参照ミラーの参照面3がx軸方向およびy軸方向に自在に傾けられることになる。
【0062】
なお、上記実施形態のものでは位相シフト干渉計を用いたものについて説明しているが、本発明方法を実施し得る測定器としてはその他の干渉計装置、モアレ装置あるいは他の縞解析装置とすることが可能である。
【0063】
【発明の効果】
本発明の開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法によれば、大型被観察体上を干渉計等の測定器の開口により走査して、測定された各小開口領域について測定器の走査中に発生した並進誤差と傾き誤差を検出し、演算により補正してから開口合成処理を行うようにしており、これによって、測定誤差のない大型の被測定形状FIJ[N][M]を求めることが可能である。
【0064】
そして、並進誤差と傾き誤差の検出は、前記被観察体の波面形状情報を担持した、走査の前後の2つの縞画像データにフーリエ変換を施し、その変換結果に基づいて演算を行うことによりなされ、別途ハード的な構成を要しないので、装置構成が複雑化したり大型化する虞がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態方法を説明するためのフローチャート
【図2】図1に示す実施形態方法を実施するための干渉計装置を示すブロック図
【図3】本実施形態方法における開口合成を説明するための概念図
【図4】図1の一部を詳しく説明するためのフローチャート
【図5】図4に示す方法の一部を説明するための概念図
【図6】図4に示す方法を実施するための構成を示すブロック図
【図7】図4に示す方法とは別の態様の方法を実施するための構成を示すブロック図
【図8】図2の一部を具体的に示すブロック図
【符号の説明】
1 マイケルソン型干渉計
2 被観察体表面
3 参照面
4 CCDカメラ
5 CCD
7 コンピュータ
7A モニタ画面
9 ピエゾ駆動部
10 PZTアクチュエータ
11 複素振幅演算手段
12 位相シフト変位量検出手段
13 位相シフト変位量補正手段
21 キャリア周波数演算手段
22 傾斜量検出手段
23 傾斜量補正手段

Claims (6)

  1. 隣接する領域の一部が互いに重なるように複数の領域に分割された被観察体と測定器の相対的走査により得られた、空間的に連続する複数枚の前記被観察体の波面形状情報を担持した2次元の縞画像の各々に基づき縞解析を用いて要素位相データを得た後、得られた各要素位相データをつなぎ合わせて測定器の観察可能領域よりも面積の大きい被観察体の波面形状を測定する開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法において、
    前記要素位相データを得る際には、
    前記縞画像にキャリア縞を重畳させ被観察体の波面形状情報を担持したキャリア縞画像となし、互いに隣接する複数のキャリア縞画像の領域の重なり部分にフーリエ変換を施し、その変換結果に基づいて演算を行い、前記相対的走査に伴なう誤差を検出しておき、
    前記互いに隣接する複数の要素位相データについての前記相対的走査に伴なう誤差を、前記検出値に基づいて補正した後、これら互いに隣接する複数の要素位相データを接続することを特徴とする開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法。
  2. 前記相対的走査に伴なう誤差が、前記隣接する複数のキャリア縞画像の領域の重なり部分にフーリエ変換を施し、前記被観察体と前記測定器の相対的姿勢のずれに伴って変化するキャリア周波数を求め、複数の該キャリア周波数に基づきスペクトルの演算を行って求められる、該被観察体と該測定器との相対的な傾き量であることを特徴とする請求項1記載の開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法。
  3. 前記相対的走査に伴なう誤差が、前記隣接する複数のキャリア縞画像の領域の重なり部分にフーリエ変換を施し、前記被観察体と前記測定器の相対的姿勢のずれに伴って変化する複素振幅を求め、複数の該複素振幅に基づき演算を行って求められる該被観察体と該測定器との相対的な並進誤差であることを特徴とする請求項1記載の開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法。
  4. 前記相対的走査に伴なう誤差が、前記隣接する複数のキャリア縞画像の領域の重なり部分にフーリエ変換を施し、前記被観察体と前記測定器の相対的姿勢のずれに伴って変化するキャリア周波数および複素振幅を求め、複数の該キャリア周波数および複数の該複素振幅に基づき演算を行って求められる、前記被観察体と該測定器との相対的な傾き量および並進誤差であることを特徴とする請求項1記載の開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法。
  5. 前記縞画像が干渉縞画像であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法。
  6. 請求項4記載の開口合成による大型被観察体の波面形状測定方法において、前記検出が行われた後、前記被観察体の波面形状情報を担持した縞画像の縞解析において、前記検出された傾き量および並進誤差を補償する補正演算を行うことを特徴とする開口合成による大型被観察体の測定波面形状補正方法。
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