JP4606913B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

車両の操舵制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4606913B2
JP4606913B2 JP2005079066A JP2005079066A JP4606913B2 JP 4606913 B2 JP4606913 B2 JP 4606913B2 JP 2005079066 A JP2005079066 A JP 2005079066A JP 2005079066 A JP2005079066 A JP 2005079066A JP 4606913 B2 JP4606913 B2 JP 4606913B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
current
steering
target current
drive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005079066A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006256543A (ja
Inventor
光晴 金星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2005079066A priority Critical patent/JP4606913B2/ja
Publication of JP2006256543A publication Critical patent/JP2006256543A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4606913B2 publication Critical patent/JP4606913B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Description

本発明は、車両の操舵制御装置に関する。
従来、例えば車両の操舵輪を操舵する操舵機構を駆動するモータを備え、運転者の操舵を補助するように駆動信号を与える電動パワーステアリング装置と、カメラ等により認識した走行路に沿って車両が走行するような操舵力を発生させる駆動信号を与える操舵補助装置とを協調的に制御する操舵制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この操舵制御装置においては、先ず、運転者から入力される操舵トルクの大きさと方向に基づき、運転者の操舵意志に反するようなアシストトルクが出力されることを防止するために、例えば、操舵トルクの検出値とモータの通電電流に対する目標電流値とによって定められる2次元座標上において、モータの運転を禁止する駆動禁止領域が設定されている。さらに、運転者の操舵意志に反するアシストトルクであっても、認識した走行路に沿って車両を走行させるために必要とされるアシストトルクの出力を可能とするために、駆動禁止領域内であっても所定の許可時間内だけ一時的にモータの運転を許可する一時許可領域が設定されている。
特開2003−72579号公報
ところで、上記従来技術の一例に係る操舵制御装置においては、一時許可領域でモータの運転継続時間が所定の許可時間に到達するとモータの運転が停止されることから、認識した走行路に沿って車両を走行させるためのアシストトルクの出力が必要とされる状態では、一時許可領域での運転継続時間が所定の許可時間に到達するより以前のタイミングで一時的に目標電流値を擬似目標電流値へと変更して、一時許可領域からモータの運転を許可する駆動許可領域へと移行し、一時許可領域でのモータの運転継続時間の値をリセットした後に、再度、一時許可領域へと復帰するようになっている。
しかしながら、単に目標電流値を擬似目標電流値へと変更するだけでは、実際のモータの通電電流が不適切な値となるように制御され、例えば通電電流の増減の切換が頻繁に繰り返されるハンチングが生じて車両の乗員が走行挙動に対して違和感を感じてしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、操舵機構を駆動するモータの通電電流を適切に制御することが可能な車両の操舵制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の車両の操舵制御装置は、車両の操舵輪を操舵可能な操舵機構(例えば、実施の形態での手動操舵力発生機構16)を駆動するモータ(例えば、実施の形態でのモータ20)と、運転者からの操舵入力(例えば、実施の形態での操舵トルクTd)を検出する操舵入力検出手段(例えば、実施の形態でのトルクセンサ22)と、少なくとも前記操舵入力検出手段により検出された前記操舵入力に応じて、前記モータに通電する電流の目標値である目標電流(例えば、実施の形態での目標電流IT)を設定し、該目標電流に応じて前記モータを駆動制御する第1駆動制御手段(例えば、実施の形態でのEPS制御装置24)と、車両の走行路を認識する走行路認識手段(例えば、実施の形態でのカメラ25および画像認識処理部26)と、前記走行路認識手段により認識された前記走行路に沿って車両が走行するように前記第1駆動制御手段に制御信号を出力し、必要に応じて前記目標電流を補正する第2駆動制御手段(例えば、実施の形態でのLKAS制御装置23)と、前記操舵入力検出手段により検出された前記操舵入力に基づき前記モータの駆動許可および駆動禁止を指示する出力指示手段(例えば、実施の形態でのEPS制御装置24)と、前記モータに通電される電流であるモータ電流を検出する電流検出手段(例えば、実施の形態でのモータ電流センサ35)と、前記第2駆動制御手段から前記第1駆動制御手段に前記制御信号が出力されている状態で、前記出力指示手段により前記モータの駆動禁止が指示されている場合に、前記目標電流として、前記出力指示手段により前記モータの駆動許可が指示されるような擬似目標電流(例えば、実施の形態での擬似目標電流ITP)を設定する擬似目標電流設定手段(例えば、実施の形態でのステップS08)とを備え、前記擬似目標電流設定手段は、前記擬似目標電流として、前記電流検出手段により検出される前記モータ電流に対して異極性の所定の大きさの電流(例えば、実施の形態での所定電流値AP)を設定することを特徴としている。
上記構成の車両の操舵制御装置によれば、走行路に沿って車両が走行するように指示する制御信号が第2駆動制御手段から第1駆動制御手段へ出力されている状態で、モータの駆動禁止が指示されている場合には、この駆動禁止の指示を解除するために、出力指示手段によりモータの駆動許可が指示されるような擬似目標電流、つまり電流検出手段により検出されるモータ電流に対して異極性の所定の大きさの電流を目標電流として設定することにより、モータ電流を駆動禁止領域から駆動許可領域へと的確に低下させることができ、例えばモータ電流が駆動許可領域から離間する方向に変化してしまったり、例えばモータ電流が増減を繰り返すようにして発振してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の車両の操舵制御装置では、前記擬似目標電流設定手段は、前記出力指示手段により前記モータの駆動禁止が指示されてからの経過時間が所定時間(例えば、実施の形態での所定の第1出力時間Y)に到達した場合に、前記目標電流として前記擬似目標電流を設定することを特徴としている。
上記構成の車両の操舵制御装置によれば、走行路に沿って車両が走行するように指示する制御信号が第2駆動制御手段から第1駆動制御手段へ出力されている状態で、モータの駆動禁止が指示された場合には、この駆動禁止が指示されてからの経過時間が、モータの駆動を許可する所定の上限時間よりも短い所定時間に到達した時点でモータの駆動許可が指示されるような擬似目標電流を目標電流として設定することにより、例えば駆動禁止が指示されてからの経過時間がモータの駆動を許可する所定の上限時間に到達することで、モータの駆動が停止されてしまうことを防止し、モータに対して設定された所望の目標トルクを連続的かつ高精度に出力させることができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の車両の操舵制御装置によれば、電流検出手段により検出されるモータ電流に対して異極性の所定の大きさの擬似目標電流を目標電流として設定することにより、モータ電流を駆動禁止領域から駆動許可領域へと的確に低下させることができ、例えばモータ電流が駆動許可領域から離間する方向に変化してしまったり、例えばモータ電流が増減を繰り返すようにして発振してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の車両の操舵制御装置によれば、走行路に沿って車両が走行するように指示する制御信号が第2駆動制御手段から第1駆動制御手段へ出力されている状態で、通電電流の出力がゼロとなってモータの駆動が停止してしまうことを防止することができ、モータに対して設定された所望の目標トルクを連続的かつ高精度に出力させることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る車両の操舵制御装置について添付図面を参照しながら説明する。
この実施形態に係る車両の操舵制御装置10において、例えば図1に示すように、ステアリングホイール11に一体に設けられたステアリング軸12は、ユニバーサルジョイント13a,13bを有する連結軸13を介して、ステアリングギアボックス14内に設けられたラック・ピニオン機構15のピニオン15aに連結されて手動操舵力発生機構16を構成している。
ピニオン15aはラック軸17のラック歯17aに噛合っており、ステアリングホイール11から入力された回転運動は、ピニオン15aを介してラック軸17の往復運動に変換され、ラック軸17の両端にタイロッド18,18を介して連結された2つの操舵輪19,19を転舵させる。
そして、ラック軸17と同軸にモータ20が配設されており、モータ20の回転力はラック軸17にほぼ平行に設けられたボールねじ機構21を介して推力に変換される。すなわち、モータ20のロータ(図示略)には駆動側ヘリカルギア20aが一体に設けられ、この駆動側ヘリカルギア20aはボールねじ機構21のねじ軸21aの軸端に一体に設けられたヘリカルギア21bに噛合わされている。
ステアリングギアボックス14内には、ピニオン15aに作用する操舵トルクTd、すなわち運転者の手動操作により入力された操舵トルクTdを検出するためのトルクセンサ22が設けられており、このトルクセンサ22により検出された操舵トルクTdの検出信号は、LKAS制御装置23およびEPS制御装置24に入力されている。
LKAS(lane keeping assistance system)制御装置23は、LKAS制御モードとして、車両進行方向の道路上における走行区分線に沿って車両を走行させるために必要とされるトルクのアシスト量を算出する。そして、所定の条件下において、このアシスト量をモータ20に出力させるためのトルク指令として、操舵アシストトルクTsをEPS制御装置24に出力する。
このため、LKAS制御装置23には、トルクセンサ22から出力される操舵トルクTdの検出信号に加えて、後述する画像認識処理部26から出力される走行区分線の情報と、車両重心の鉛直(重力)軸回りのヨーレート(回転角速度)を検出するヨーレートセンサ27から出力される検出信号と、例えばステアリング軸12に設けられたロータリエンコーダ等をなし、運転者が入力した操舵角度の方向と大きさを検出する舵角センサ28から出力される検出信号と、車輪の回転速度を検出する車輪速センサ29から出力される検出信号とが入力されている。
さらに、LKAS制御装置23には、ターンシグナルSW30から出力されるターンシグナルのON/OFFを通知する信号と、ブレーキSW31から出力されるブレーキのON/OFFを通知する信号と、ワイパーSW32から出力されるワイパーのON/OFFを通知する信号と、メインSW33から出力される例えばLKAS制御装置23の作動/停止を通知する信号とが入力されている。
すなわち、LKAS制御装置23は、例えばターンシグナルSW30からターンシグナルのONを通知する信号が入力されている場合、あるいは、ブレーキSW31からブレーキのONを通知する信号が入力されている場合、あるいは、ワイパーSW32からワイパーのONを通知する信号が入力されている場合、あるいは、メインSW33からLKAS制御装置23の停止を通知する信号が入力されている場合、あるいは、LKAS制御装置23における走行区分線の抽出処理が困難な場合等には、EPS制御装置24への操舵アシストトルクTsの出力を停止するように設定されている。
さらに、LKAS制御装置23には、例えば警報音や音声メッセージ等を出力するスピーカや、例えば警報表示を行うディスプレイや点灯するランプ等をなす警報装置34が接続されており、例えば車両が所定の走行領域内から逸脱した場合等には警報を出力するように設定されている。
EPS制御装置24は、車両の走行状態に応じた操舵トルクTdのアシスト量をモータ20に出力させるためのモータ駆動電流を出力する。
このため、EPS制御装置24には、LKAS制御装置23から出力される出力操舵アシストトルクTsおよびトルクセンサ22から出力される操舵トルクTdの検出信号に加えて、モータ20に通電される電流を検出するモータ電流センサ35から出力される検出信号(モータ電流)Iと、モータ20の通電電圧を検出するモータ電圧センサ36から出力される検出信号(モータ電圧)Vとが入力されている。
EPS制御装置24は、EPS制御モードにおいては、例えばトルクセンサ22により検出された運転者から入力される操舵トルクTdに応じて、この操舵トルクTdを補助するパワーステアリング用のアシスト量を算出して、このアシスト量をモータ20に出力させるためのトルク指令としてパワーステアリングトルクTeを算出する。そして、後述するように、このEPS制御モードに対して、操舵トルクTdに応じた所定の制御比率De(例えば、100%以下の所定の値)を設定して、この制御比率DeをパワーステアリングトルクTeに演算して得た値を、新たなパワーステアリングトルクTeとして設定する。
また、EPS制御装置24は、後述するように、LKAS制御モードに対して、例えばトルクセンサ22にて検出した操舵トルクTdに応じた所定の制御比率Ds(例えば、100%以下の所定の値)を設定して、この制御比率DsをLKAS制御装置23から入力される操舵アシストトルクTsに演算して得た値を、新たな操舵アシストトルクTsとして設定する。
そして、EPS制御装置24は、EPS制御モードに係るパワーステアリングトルクTeとLKAS制御モードに係る操舵アシストトルクTsとを加算して、アシストトルクTaを算出し、モータ20の駆動回路(図示略)を介して、このアシストトルクTaを発生させるためのモータ駆動電流を出力する。
以下に、本実施の形態による車両の操舵制御装置10における処理、特にLKAS制御装置23およびEPS制御装置24の動作について説明する。
先ず、例えば車両のフロントウィンドウの内側にルームミラー(図示略)等と一体に設けられたカメラ25によって、車両前方や後方の所定領域における走行区分線を撮像する。そして、画像認識処理部26にて、カメラ25から出力される画像データに基づき走行路区分線(白線)を認識する。
このとき、画像認識処理部26は、例えば図2および図3に示すように、走行路の適宜の位置において、走行路の中心線Ycの旋回半径Rから走行路の曲率1/Rを算出する。さらに、画像認識処理部26は、例えば車両の現在位置を原点とし、車両の進行方向をX軸とし、このX軸に直交する方向(つまり車両の車幅方向)をY軸とする相対座標系を設定し、Y軸上における車両の現在位置から走行路の中心線Ycまでの距離(横ずれ量)Ydと、走行路の中心線YcとY軸との交点位置における中心線Ycの接線aとX軸とのなす角(車両偏向角)Ahとを算出する。
そして、画像認識処理部26は、算出した走行路の曲率1/RをLKAS制御装置23のFF制御部23aへ出力し、横ずれ量Ydおよび車両偏向角AhをLKAS制御装置23のFB制御部23bへ出力する。
LKAS制御装置23のFF制御部23aは、フィードフォワード制御によって走行路の曲率1/Rから所定の特性に基づいて基本操舵アシストトルクTfを算出し、加算部23cへ出力する。
また、LKAS制御装置23のFB制御部23bは、フィードバック制御によって横ずれ量Ydおよび車両偏向角Ahに基づいて補正操舵アシストトルクTbを算出し、加算部23cへ出力する。
なお、基本操舵アシストトルクTfは、車両のコーナリング力に対する均衡を保つためのアシストトルクであり、補正操舵アシストトルクTbは、車両を走行路の中心線Ycに沿って走行させるため、あるいは、車両の安定性確保のためのアシストトルクである。
加算部23cは、基本操舵アシストトルクTfと補正操舵アシストトルクTbとを加算して、車両を走行区分線に沿って走行させるための操舵アシストトルクTsを算出して、EPS制御装置24のリミット値設定部41へ出力する。
EPS制御装置24のリミット値設定部41は、後述するようにモータ20へ供給されるモータ駆動電流あるいは操舵アシストトルクTsに対するリミット値を設定する。
第1制御ゲイン演算部42は、操舵アシストトルクTsに所定の第1制御ゲインKfを演算して得た値を、新たな操舵アシストトルクTsとしてLKAS制御比率算出部43へと出力する。
LKAS制御比率算出部43は、トルクセンサ22により検出された操舵トルクTdに基づき、LKAS制御モードに対する所定の制御比率Dsを算出し、この制御比率Dsを操舵アシストトルクTsに演算させて得た値を、新たな操舵アシストトルクTsとして加算部45へと出力する。
例えば、操舵トルクTdが所定の第1トルク#T1以下の場合には、制御比率Ds=100%とされ、操舵トルクTdが所定の第1トルク#T1以上かつ所定の第2トルク#2以下の場合には、制御比率Dsは減少傾向に変化し、操舵トルクTdが所定の第2トルク#T2以上の場合には、制御比率Ds=0%とされている。
また、EPS制御比率算出部44は、トルクセンサ22により検出された操舵トルクTdに基づき、EPS制御モードに対する所定の制御比率Deを算出し、この制御比率Deを、操舵トルクTdおよびモータ電流Iおよびモータ電圧Vから予め定めたマップ47を用いて求めたパワーステアリングトルクTeに演算させて得た値を、新たなパワーステアリングトルクTe’として加算部45へと出力する。
例えば、操舵トルクTdが所定の第1トルク#T1以下の場合には、制御比率Ds=0%とされ、操舵トルクTdが所定の第1トルク#T1以上かつ所定の第2トルク#T2以下の場合には、制御比率Dsは増加傾向に変化し、操舵トルクTdが所定の第2トルク#T2以上の場合には、制御比率Ds=100%とされている。
加算部45は、操舵アシストトルクTsにパワーステアリングトルクTe’を加算して、モータ20に発生させるトルクの目標値とされるアシストトルクTaを算出する。
第2制御ゲイン演算部46は、アシストトルクTaに所定の第2制御ゲインKeを演算して、モータ20にアシストトルクTaを発生させるための通電電流値(後述する実目標電流ITR)を算出し、この通電電流値に基づくモータ駆動電流をモータ20へと出力する。
なお、本実施の形態において、LKAS制御装置23は、操舵アシストトルクTsを算出してEPS制御装置24へ出力したが、LKAS制御装置23において操舵アシストトルクTsをモータ駆動電流に変換して、EPS制御装置24へ出力するように構成してもよい。
本実施の形態による車両の操舵制御装置10は上記構成を備えており、次に、この車両の操舵制御装置10の動作、特に、EPS制御装置24の動作について添付図面を参照しながら説明する。
EPS制御装置24においては、トルクセンサ22により検出される操舵トルクTdに応じて、モータ駆動電流の目標値である目標電流ITあるいは操舵アシストトルクTsに対する所定の制限値が設けられている。
例えば図4に示すように、操舵トルクTdおよびモータ駆動電流の目標電流ITにより設定される2次元座標系において、モータ駆動電流の出力を許可する許可領域Aと、モータ駆動電流の出力を許可する最長時間を所定の許可時間ZZとする一時許可領域Bと、モータ駆動電流の出力を禁止する禁止領域Cとが設定されている。ここで、所定のトルク値T1、T2(例えば、T1≦T2)および所定の目標電流値A1、A2、A3(例えば、A1≦A2≦A3)に対して、一時許可領域Bは、(−T1≦Td≦T2)かつ(−A3≦IT≦−A2)、および、(−T2≦Td≦T1)かつ(A2≦IT≦A3)にて定められる領域とされている。
また、禁止領域Cは、(−T1≦Td≦T2)かつ(IT≦−A3)、および、(T2≦Td)かつ(IT≦−A1)、および、(−T2≦Td≦T1)かつ(A3≦IT)、および、(Td≦−T2)かつ(A1≦IT)にて定められる領域とされている。
なお、図4においては、例えば操舵トルクTdの正方向および目標電流ITの正方向を右方向のトルクを発生させる方向とし、操舵トルクTdの負方向および目標電流ITの負方向を左方向のトルクを発生させる方向とした。また、目標電流値A2はヒステリシス(ハイ側目標電流値A2Hおよびロー側目標電流値A2L)を有する。
ここで、一時許可領域Bにおいて、モータ駆動電流の出力を継続する場合には、例えば図5および図6に示すように、先ず、EPS制御装置24は、目標電流ITが所定の目標電流値A2(例えば、ハイ側目標電流値A2H)以上となる継続時間に、所定の第1出力時間Y(ただし、第1出力時間Y<許可時間ZZである)を設定する(ステップS01)。
そして、第2制御ゲイン演算部46により算出される通電電流値(つまり実目標電流ITR)を目標電流ITとして設定する(ステップS02)。
そして、目標電流ITに応じてモータ電流Iが増大傾向に変化し、所定の目標電流値A2(例えば、ハイ側目標電流値A2H)以上に到達したか否かを判定する(ステップS03)。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS03の処理を繰り返す。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS04に進む。
そして、モータ電流Iが所定の目標電流値A2(例えば、ハイ側目標電流値A2H)に到達した時刻t1からの経過時間が、所定の第1出力時間Y以上に到達したか否かを判定する(ステップS04)。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS04の処理を繰り返す。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
そして、例えば時刻t1から所定の第1出力時間Yが経過した時刻t2において、出力完了を示す制御信号をEPS制御装置24からLKAS制御装置23へと出力する(ステップS05)。
そして、EPS制御装置24から出力完了を示す制御信号を受信したLKAS制御装置23は、この時点でモータ電流センサ35から出力されるモータ電流Iに対して異極性の所定電流値(例えば、図5に示すようにモータ電流I>0に対しては所定電流値AP<0、一方、モータ電流I<0に対しては所定電流値AP>0)が設定された擬似目標電流ITPを目標電流ITとして設定し、この目標電流ITの出力を開始する(ステップS06)。
そして、この目標電流ITに応じてモータ電流Iが減少傾向に変化し、所定の目標電流値A2(例えば、ロー側目標電流値A2L)以下に到達したか否かを判定する(ステップS07)。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS07の処理を繰り返す。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進む。
そして、減少傾向に変化するモータ電流Iが所定の目標電流値A2(例えば、ロー側目標電流値A2L)に到達した時刻t3において、擬似目標電流ITPつまり目標電流ITにゼロを設定する(ステップS08)。
そして、モータ電流Iが所定の目標電流値A2(例えば、ロー側目標電流値A2L)に到達した時刻t3からの経過時間が、所定の第2出力時間X以上に到達したか否かを判定する(ステップS09)。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS09の処理を繰り返す。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進む。
そして、例えば時刻t3から所定の第2出力時間Xが経過した時刻t4において、第2制御ゲイン演算部46により算出される通電電流値(つまり実目標電流ITR)を目標電流ITとして設定する(ステップS10)。
そして、一時許可領域Bでのモータ駆動制御の実行終了を指示する制御入力が有るか否かを判定し(ステップS11)、この判定結果が「YES」の場合には、一連の処理を終了し、一方、この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS03に戻る。
上述したように、本実施の形態による車両の操舵制御装置10によれば、車両進行方向の道路上における走行区分線に沿って車両を走行させるように指示する制御信号がLKAS制御装置23からEPS制御装置24へ出力されている状態で、モータ20の駆動禁止が指示されている場合、つまり操舵トルクTdおよびモータ駆動電流の目標電流ITにより設定される2次元座標系の一時許可領域Bにおいてモータ駆動電流の出力を継続するために一時的に許可領域Aに移行する場合には、この時点でモータ電流センサ35から出力されるモータ電流Iに対して異極性の所定電流値が設定された擬似目標電流ITPを目標電流ITとして設定することにより、モータ電流Iを一時許可領域Bから許可領域Aへと的確に低下させることができ、例えばモータ電流Iが許可領域Aから離間する方向に変化してしまったり、例えばモータ電流Iが増減を繰り返すようにして発振してしまうことを防止することができる。
しかも、一時許可領域Bにおいてモータ駆動電流の出力を継続する場合に、出力を継続する時間が許可時間ZZに到達するより以前に、一時的に擬似目標電流ITPを目標電流ITとして設定し、この後に、再度、目標電流値ITを一時許可領域Bにおける値に復帰させる。これにより、一時許可領域Bにおいて、目標電流値ITが所定の目標電流値A2以上となる継続時間が許可時間ZZに到達することによって、目標電流値ITがゼロに設定されてしまう場合に比べて、モータ駆動電流の出力を継続することによってモータ20が停止してしまうことを防止して、所望のトルクを連続的かつ高精度に発生させることができる。
なお、上述した実施の形態においては、操舵トルクTdおよびモータ駆動電流の目標電流ITにより設定される2次元座標系において、許可領域Aと一時許可領域Bと禁止領域Cとを設定するとしてが、これに限定されず、例えば操舵トルクTdおよびモータ電流Iにより設定される2次元座標系において各領域A,B,Cを設定し、操舵トルクTdおよびモータ電流Iに応じてモータ20の駆動許可および駆動禁止を判定してもよい。
なお、上述した実施の形態においては、例えばステップS08〜ステップS10に示すように、モータ電流Iが所定の目標電流値A2(例えば、ロー側目標電流値A2L)に到達した時刻t3から所定の第2出力時間Xが経過する時刻t4までの期間に亘って擬似目標電流ITPつまり目標電流ITにゼロを設定し、時刻t4において目標電流ITに実目標電流ITRを設定するとしたが、これに限定されず、例えばモータ電流Iが所定の目標電流値A2(例えば、ロー側目標電流値A2L)に到達した時刻t3において目標電流ITに実目標電流ITRを設定してもよいし、例えばモータ電流Iが所定の目標電流値A2(例えば、ロー側目標電流値A2L)に到達した時刻t3において擬似目標電流ITPつまり目標電流ITにゼロを設定し、この後、所定時間に亘って目標電流ITがゼロから実目標電流ITRまで漸次変化するように設定してもよい。
本発明の一実施形態に係る車両の操舵制御装置の構成図である。 図1に示す車両の操舵制御装置による操舵アシスト制御の処理の流れを示す機能ブロック図である。 曲率1/Rの走行路の中心線Ycに対する車両位置の偏差(横ずれ量)Ydおよび車両偏向角Ahを示す図である。 操舵トルクTdに応じたモータ駆動電流の目標電流ITの変化を示すグラフ図である。 図4に示す一時許可領域Bにおけるモータ駆動電流の目標電流ITの時間変化を示すグラフ図である。 車両の操舵制御装置の動作、特に、図4に示す一時許可領域Bにおいてモータ駆動電流の出力を継続する場合の処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 車両の操舵制御装置
16 手動操舵力発生機構(操舵機構)
20 モータ
22 トルクセンサ(操舵入力検出手段)
23 LKAS制御装置(第2駆動制御手段)
24 EPS制御装置(第1駆動制御手段、出力指示手段)
25 カメラ(走行路認識手段)
26 画像認識処理部(走行路認識手段)
35 モータ電流センサ(電流検出手段)
ステップS08 擬似目標電流設定手段

Claims (2)

  1. 車両の操舵輪を操舵可能な操舵機構を駆動するモータと、
    運転者からの操舵入力を検出する操舵入力検出手段と、
    少なくとも前記操舵入力検出手段により検出された前記操舵入力に応じて、前記モータに通電する電流の目標値である目標電流を設定し、該目標電流に応じて前記モータを駆動制御する第1駆動制御手段と、
    車両の走行路を認識する走行路認識手段と、
    前記走行路認識手段により認識された前記走行路に沿って車両が走行するように前記第1駆動制御手段に制御信号を出力し、必要に応じて前記目標電流を補正する第2駆動制御手段と、
    前記操舵入力検出手段により検出された前記操舵入力に基づき前記モータの駆動許可および駆動禁止を指示する出力指示手段と、
    前記モータに通電される電流であるモータ電流を検出する電流検出手段と、
    前記第2駆動制御手段から前記第1駆動制御手段に前記制御信号が出力されている状態で、前記出力指示手段により前記モータの駆動禁止が指示されている場合に、前記目標電流として、前記出力指示手段により前記モータの駆動許可が指示されるような擬似目標電流を設定する擬似目標電流設定手段とを備え、
    前記擬似目標電流設定手段は、前記擬似目標電流として、前記電流検出手段により検出される前記モータ電流に対して異極性の所定の大きさの電流を設定することを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. 前記擬似目標電流設定手段は、前記出力指示手段により前記モータの駆動禁止が指示されてからの経過時間が所定時間に到達した場合に、前記目標電流として前記擬似目標電流を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵制御装置。

JP2005079066A 2005-03-18 2005-03-18 車両の操舵制御装置 Expired - Fee Related JP4606913B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005079066A JP4606913B2 (ja) 2005-03-18 2005-03-18 車両の操舵制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005079066A JP4606913B2 (ja) 2005-03-18 2005-03-18 車両の操舵制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006256543A JP2006256543A (ja) 2006-09-28
JP4606913B2 true JP4606913B2 (ja) 2011-01-05

Family

ID=37096226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005079066A Expired - Fee Related JP4606913B2 (ja) 2005-03-18 2005-03-18 車両の操舵制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4606913B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011057029A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Showa Corp 電動パワーステアリング装置、電動パワーステアリング装置の制御方法およびプログラム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002178943A (ja) * 2000-12-12 2002-06-26 Nissan Motor Co Ltd レーンキープアシスト制御装置
JP2002316658A (ja) * 2001-04-23 2002-10-29 Honda Motor Co Ltd 車両の操舵制御装置
JP2003072579A (ja) * 2001-09-04 2003-03-12 Honda Motor Co Ltd 車両の操舵制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002178943A (ja) * 2000-12-12 2002-06-26 Nissan Motor Co Ltd レーンキープアシスト制御装置
JP2002316658A (ja) * 2001-04-23 2002-10-29 Honda Motor Co Ltd 車両の操舵制御装置
JP2003072579A (ja) * 2001-09-04 2003-03-12 Honda Motor Co Ltd 車両の操舵制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006256543A (ja) 2006-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4684698B2 (ja) 車両の操舵制御装置
JP6690506B2 (ja) 車両の車線内走行支援装置
JP6729155B2 (ja) アクチュエータ制御装置
JP3585874B2 (ja) 車両の走行制御装置
JP4666631B2 (ja) 車両の操舵制御装置及び車両
CN108454624B (zh) 车道内行驶辅助装置
JP6536548B2 (ja) 車線内走行支援装置
JP2000118423A (ja) 車両用操舵制御装置
JP2002019634A (ja) 車線追従走行制御装置
JPWO2014054476A1 (ja) 操舵制御装置
JP5206170B2 (ja) 車両用操舵制御装置及び方法
JP2007331622A (ja) 車両用操舵制御装置
JP6773215B2 (ja) 車両制御方法及び車両制御装置
JP2018103713A (ja) 車両走行制御装置及び自動運転制御方法
JP7028115B2 (ja) 車両用操舵支援装置
JP2011005893A (ja) 車両の走行制御装置および車両の走行制御方法
JP6074976B2 (ja) 車線維持支援装置
JP3557907B2 (ja) パワーステアリング装置
JP2009051349A (ja) 走行支援装置および走行支援方法
JP5735895B2 (ja) 操舵支援装置
JP2010158987A (ja) 車両用転舵制御装置
JP3925325B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP4606913B2 (ja) 車両の操舵制御装置
JP3725455B2 (ja) 車両の操舵制御装置
JP2001233227A (ja) 車両用操舵装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100928

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4606913

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees