JP4597831B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、各種家具類や建築内装材等に用いられる、安定した色調の絵柄模様を有する化粧シートに関する。
家具や台所製品のキャビネットなどの表面化粧板としては、一般に木質系材料、無機系材料、合成樹脂系材料、鋼板などの金属系材料などに、例えば木目調柄等の絵柄模様を印刷した化粧シートを接着剤で貼り合わせた構造のものが用いられている。
このような表面化粧板に使用される化粧シートには、安定した色調が要望されると共に、ラミネート加工、ラッピング加工、Vカット加工などの二次加工のための適度な柔軟性、切削性、耐破断性などの加工適性、使用状態における耐候性、耐光性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、表面硬度、耐摩耗性、耐擦傷性など、種々の特性が要求される。
こうした要求を満たすために、上記加工適性を十分に満足する基材を用い、該基材の表面に表面保護層を施すことが行われており、表面保護層としては電離放射線硬化性樹脂組成物が好ましく用いられている。
例えば、特許文献1には、基材の表面に塗膜層、模様層、電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化した表面保護層を有しており、模様層が塗膜層に比較して、電離放射線硬化性樹脂組成物の浸透性を高く構成した化粧材が提案されている(特許文献1、特許請求の範囲、図1及び図2参照)。
また、従来から、各種印刷材料用や包装材料用の白色ポリエステル樹脂フイルムには、その白さを際立たせる目的で蛍光増白剤が配合されている。例えば、特許文献2には、ポリエステル樹脂/蛍光増白剤=99.5/0.5(質量比)を4/100(質量比)含有する、即ち、蛍光増白剤を0.02質量%含有する白色ポリエステルフィルムロールが開示されている。
ところで、化粧シートの基材として白色ポリエステル樹脂フイルムを用いるのは、絵柄模様の色を引き立たせるためであるが、上記のように、化粧シートの表面保護層として電離放射線硬化性樹脂組成物を用いる場合では、電離放射線、特に電子線の照射によって、化粧シートの色調が青味がかって、色合わせが困難となる場合があった。
そこで、化粧シートの製造工程の中で絵柄の色調が安定しており、色合わせが容易な化粧シートが望まれていた。
特開2001−199028号公報 特開2004−050753号公報
本発明は、このような状況下で、絵柄の色調が安定し、色合わせが容易な化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、化粧シートの基材に含まれる蛍光増白剤の配合量を適切な範囲とすることによって、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1. 白色ポリエステル樹脂フイルムからなる基材と、該基材上の一部又は全面に設けられた絵柄模様層と、該絵柄模様層上を含め表面の一部又は全面を被覆する表面保護層とを有する化粧シートであって、該表面保護層が電子線硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものであり、かつ該基材が蛍光増白剤を0.001〜0.01質量%含有することを特徴とする化粧シート。
電子線硬化性樹脂組成物が(メタ)アクリレート系モノマーを含有してなる上記1に記載の化粧シート。
. (メタ)アクリレート系モノマーが多官能性(メタ)アクリレート系モノマーである上記に記載の化粧シート。
電子線硬化性樹脂組成物がさらに重合性オリゴマーを含有してなる上記又はに記載の化粧シート。
. 基材と絵柄模様層との間にプライマー層を配設してなる上記1〜のいずれかに記載の化粧シート。
蛍光増白剤を0.001〜0.01質量%含有する白色ポリエステル樹脂フイルムからなる基材上にプライマー処理してプライマー層を形成する工程、該プライマー層上の一部又は全面に絵柄模様層を形成する工程、該絵柄模様層上を含め表面の一部又は全面に電子線硬化性樹脂組成物を塗工する工程及び該電子線硬化性樹脂組成物に電子線を照射して表面保護層を形成する工程を含む化粧シートの製造方法。
本発明によれば、基材の白色度が確保され絵柄の色が引き立つと共に、絵柄の色調が安定し、色合わせが容易な化粧シートを提供することができる。
本発明の化粧シートは、上述の通り、白色ポリエステル樹脂フイルムからなる基材、絵柄模様層及び表面保護層により構成されるが、必要に応じて、プライマー層、撥液絵柄層、透明樹脂層等のさらなる中間層を配設してもよい。
プライマー層は、通常、基材と絵柄模様層との間に配設され、撥液絵柄層は絵柄模様層上に、表面保護層の浸透を防止する透明樹脂層は撥液絵柄層上に、撥液絵柄層の浸透を防止する透明樹脂層は絵柄模様層上に配設される。
以下、本発明の好ましい実施態様の一つを示した模式図である図1を用いて、本発明の化粧シートの典型的な構造を説明する。図1において、本発明の化粧シート1は、白色ポリエステル樹脂フイルムからなる基材2の上面に、プライマー層5を配設し、その弾性プライマー層5の上面の一部又は全面に絵柄模様層3を配設する。但し、プライマー層5を用いない場合は、基材2上に直接、絵柄模様層3を配設してもよい。その絵柄模様層3の上面に表面の一部又は全面を被覆する表面保護層4を配設する。表層を保護する観点から、表面保護層4に架橋硬化した電離放射線硬化性樹脂組成物を用いることが肝要である。
本発明の化粧シート1の基材2に用いられる白色ポリエステル樹脂フイルムは、いわゆる押出口金から溶融押し出されたポリエステル樹脂フイルムであって、通常、無延伸又は縦方向および横方向の二軸方向に配向させたフイルムであるが、無延伸フィルムが各種家具類や建築内装材等に貼着し易く、また、プライマー処理もし易いので好ましい。このポリエステル樹脂フイルムには、ジカルボン酸とグリコールとから縮重合によって得られたポリマーが用いられる。ここで、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などが挙げられ、またグリコールとしては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。具体的には例えばポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどが挙げられる。本発明の場合、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエステル樹脂フイルムの厚みとしては20〜100μm、コストおよび使用上の取扱の良さから40〜50μmが好ましい。
基材2に用いられる白色ポリエステル樹脂フイルムの顔料としては、酸化チタン白、亜鉛華、鉛白等が用いられるが隠ぺい力の観点から酸化チタン白が好ましい。そして、絵柄模様層3の美感を増すために、蛍光増白剤を白色ポリエステル樹脂フイルムに含有させることが好ましい。蛍光増白剤としては、例えば、商品名“ユビテック”(チバガイギー社)、“OB−1”(イーストマン社)、“TBO”(住友精化(株))、“ケイコール”(日本曹達(株))、“カヤライト”(日本化薬(株))、“リューコプア”EGM(クライアントジャパン(株))、日本で広く使用されているスチルベン骨格をもつ蛍光増白剤であるKyaphor NV liquid(日本化薬カラーズ製)等が用いられる。
ここで、蛍光増白剤は白色ポリエステル樹脂フイルム中に0.01質量%以下含まれる。蛍光増白剤は白色ポリエステル樹脂フイルムに含まれなくても、白色ポリエステル樹脂フイルムの白色度は良好であるが、0.001〜0.01質量%含まれると白色度がさらに良好となり、絵柄模様層3の美感をより増すことができるので好ましい。一方、0.01質量%を超えると、電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化させるための表面保護層4への電離放射線、特に電子線の照射により基材2が青味がかり、絵柄模様層3の色調が変化してしまうため、化粧シートの色合わせが困難になる。
絵柄模様層3は、例えば、オーク、チーク、ウォルナット等の柾目、板目状の木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。通常インキによるグラビア印刷等も用いられる。
ここで、絵柄模様層3を形成する通常インキとしては、従来のセルロース系、塩−酢ビ系、アクリル系、アクリルポリオール系のバインダー用樹脂を利用したものが用いられ、木目の「照り」を良く表現できるようにするためには、パール顔料や金属粉などの光輝性顔料を添加したものが好ましい。
本発明における表面保護層4に用いられる電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、電子線または紫外線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物が、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ重合性モノマー、特に、(メタ)アクリレートモノマーを含むことが好ましく、電離放射線硬化が好適に達成される。硬化性の観点から(メタ)アクリレートモノマーの含有量は50質量%以上であることがさらに好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
本発明で使用する(メタ)アクリレートモノマーとしては、多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記電離放射線硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、(メタ)アクリレートモノマーとともに、重合性オリゴマーを混合してもよい。重合性オリゴマーとしては、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
電離放射線硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタールなどが挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
また本発明における電離放射線硬化性樹脂組成物には、得られる硬化樹脂層の所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、艶消し剤、表面強化剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤などが挙げられる。
ここで、耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤を用いることができる。紫外線吸収剤は、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などを好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステルなどが挙げられる。一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基などの重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
耐摩耗性向上剤としては、例えば無機物ではα−アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の球状粒子が挙げられる。粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に限定されないが、球状が好ましい。有機物では架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズが挙げられる。粒径は、通常膜厚の30〜200%程度とする。これらの中でも球状のα−アルミナは、硬度が高く、耐摩耗性の向上に対する効果が大きいこと、また、球状の粒子を比較的得やすい点で特に好ましいものである。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコールなどが、架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物などが用いられる。
充填剤としては、例えば硫酸バリウム、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどが用いられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、ジチオール系金属錯体、フタロシアニン系化合物、ジインモニウム化合物等が用いられる。
艶消し剤及び表面強化剤としては、シリカ、プラスチックビーズなどの無機および/又は有機系の微粒子を添加してもよい。
本発明においては、前記の電離放射線硬化成分である重合性モノマーや重合性オリゴマー及び各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合し、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる塗工液を調製する。この塗工液の粘度は、後述の塗工方式により、基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
本発明においては、このようにして調製された塗工液を、基材2又はプライマー層5及び絵柄模様層3の表面に、硬化後の厚さが1〜20μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。硬化後の厚さが1μm以上であると所望の機能を有する硬化樹脂層が得られる。硬化後の表面保護層の厚さは、好ましくは2〜20μm程度である。
本発明においては、このようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる。ここで、電離放射線としては電子線が好ましい。そして、電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材2又はプライマー層5及び絵柄模様層3として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材2又はプライマー層5及び絵柄模様層3への余分の電子線の照射を抑制することが好ましい。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
このようにして、形成された硬化樹脂層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能などを付与することができる。
ところで、基材2にプライマー処理してプライマー層5を形成することにより、基材2と絵柄模様層3との接着性を向上させることができるので好ましい。
本発明の化粧シートに用いられるプライマーとしては、例えば、ウレタン樹脂系塗料、水系アクリルウレタン樹脂系塗料又は水系塩素化ポリオレフィン樹脂系塗料等が好適に用いられる。特に、ウレタン樹脂系塗料や水系アクリルウレタン樹脂系塗料を用いることにより、広い温度範囲で安定したゴム状の弾力性を保つことができる。
上記のウレタン樹脂としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6ヘキサングリコール等のグリコール類とアジピン酸、イソフタール酸、テレフタール酸等の2塩基酸との重縮合反応によって得られるポリエステルポリオールとトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネートの反応により得られる線状ブロック共重合体よりなる樹脂が用いられる。
本発明の化粧シートは接着剤を介して各種基板に接着され、化粧シートが貼着された基板は、コールドプレス、ホットプレス、ロールプレス、ラミネーター、ラッピング、縁貼り機,真空プレス等の貼着装置を用いて圧締され、化粧板等に加工される。
上述の接着剤はスプレー、スプレッダー、バーコーター等の塗布装置を用いて塗布する。この接着剤には、酢酸ビニル樹脂系、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、イソシアネート系等の接着剤を、単独であるいは任意混合した混合型接着剤として用いられる。接着剤には、必要に応じてタルク、炭酸カルシウム、クレー、チタン白等の無機質粉末、小麦粉、木粉、プラスチック粉、着色剤、防虫剤、防カビ剤等を添加混合して用いることができる。一般に、接着剤は固形分を35〜80質量%とし、塗布量50〜300g/m2の範囲で基板表面に塗布される。
以上のようにして製造される化粧板等は、また、該化粧板等を任意切断し、表面や木口部にルーター、カッター等の切削加工機を用いて溝加工、面取加工等の任意加飾を施すことができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、白色度及び色調の安定性は、下記の方法に従って測定した。
(1)白色度
JIS Z8715の「試料群に蛍光を発する試料が含まれている場合」に準拠して、白色度を測定し、蛍光増白剤を含まない白色ポリエステル樹脂フイルムより大幅に白色度が高いものを「極めて良好」と、白色度が同じものを「良好」とした。
(2)色調の安定性
試料の化粧シートの電子線照射の前後の色調を目視で比較し、色調に変化のなかったものを「変化なし」、変化のあったものを「変化あり」とした。
実施例1及び2、参考例1並びに比較例1
蛍光増白剤であるKyaphor NV liquid(日本化薬カラーズ製)を0.01質量%、0.001質量%、0.02質量%添加したもの及び蛍光増白剤を含まないものの4種類の厚さ50μmの白色ポリエステル樹脂フイルム(ダイヤホイル(株)製ポリエチレンテレフタレート Z−210と同一仕様)を夫々基材2として用い、それら基材2の表面に透明ポリエステル系ウレタン樹脂を3〜5g/m2 (ドライ)塗布することによりプライマー処理を行い、プライマー層5を形成した後、木目模様の絵柄模様層3をグラビア印刷し、さらにそれらの上に3官能アクリレートモノマーであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリアクリレートを60質量部と6官能アクリレートモノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40質量部、平均粒子径5μmのシリカ粒子2質量部及びシリコーンアクリレートプレポリマー1質量部よりなる電子線硬化性樹脂組成物を5g/m2 でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加速電圧175kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層4とした。次いで、70℃で24時間の養生を行い、化粧シートを得た。
これら化粧シートの色調の安定性について評価すると共に、上記の各白色ポリエステル樹脂フイルムの白色度について評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0004597831
表1により明らかなように、基材である白色ポリエステル樹脂フイルム中の蛍光増白剤の含有量が0.01質量%以下であれば、化粧シートの絵柄の色調が安定し、色合わせが容易となる。
本発明の化粧シートは、各種家具類、台所製品のキャビネット等の表面化粧板用化粧シートや建築内装材として好適に用いられる。
本発明の化粧シートの断面を示す模式図である。
符号の説明
1.化粧シート
2.基材
3.絵柄模様層
4.表面保護層
5.プライマー層

Claims (6)

  1. 白色ポリエステル樹脂フイルムからなる基材と、該基材上の一部又は全面に設けられた絵柄模様層と、該絵柄模様層上を含め表面の一部又は全面を被覆する表面保護層とを有する化粧シートであって、該表面保護層が電子線硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものであり、かつ該基材が蛍光増白剤を0.001〜0.01質量%含有することを特徴とする化粧シート。
  2. 電子線硬化性樹脂組成物が(メタ)アクリレート系モノマーを含有してなる請求項1に記載の化粧シート。
  3. (メタ)アクリレート系モノマーが多官能性(メタ)アクリレート系モノマーである請求項に記載の化粧シート。
  4. 電子線硬化性樹脂組成物がさらに重合性オリゴマーを含有してなる請求項又はに記載の化粧シート。
  5. 基材と絵柄模様層との間にプライマー層を配設してなる請求項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 蛍光増白剤を0.001〜0.01質量%含有する白色ポリエステル樹脂フイルムからなる基材上にプライマー処理してプライマー層を形成する工程、該プライマー層上の一部又は全面に絵柄模様層を形成する工程、該絵柄模様層上を含め表面の一部又は全面に電子線硬化性樹脂組成物を塗工する工程及び該電子線硬化性樹脂組成物に電子線を照射して表面保護層を形成する工程を含む化粧シートの製造方法。
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