JP4593319B2 - アスファルト組成物およびアスファルト混合物 - Google Patents

アスファルト組成物およびアスファルト混合物 Download PDF

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Description

本発明はアスファルト組成物およびアスファルト混合物に関する。さらに詳しくは、供用時の諸特性が損なわれず、高温においては粘度が低く、高耐久性一般舗装および排水性舗装に好適な、アスファルト組成物およびアスファルト混合物に関する。
アスファルト舗装を施工する場合、アスファルト混合物はアスファルト混合所でアスファルトと骨材とを加熱・混合することにより製造される。このアスファルト混合物は、ダンプトラック等で舗設現場まで運搬され、アスファルトフィニッシャ等の施工機械で敷き均しされる。次に、アスファルト混合物はローラなどの転圧機械で締め固められ、温度が低下してアスファルト混合物の強度が発現した後に交通に開放される。交通開放温度としては、路面温度で通常50℃以下の温度が求められる。図1にアスファルト舗装の施工の流れを示す。
アスファルトと骨材とを混合する際の温度(以下、単に「混合温度」ともいう。)は、ストレートアスファルトと骨材とをアスファルト混合所で混合する場合、通常150±10℃程度である。このような高温である理由は、1つにはアスファルトの粘性を低下させ、骨材との混合性を確保し、骨材表面に均一なアスファルトの被膜を形成するためである。このためアスファルトは、150±10℃程度の温度において、粘度が十分に低いことが必要とされる。一般に舗装に用いられている密粒度アスファルト混合物では、アスファルトと骨材との混合時のアスファルトの粘度は150〜200mPa・sが良いとされている(アスファルト舗装要綱/(社)日本道路協会発行 参照)。
アスファルト混合物をこのように高温で製造しなければならない他の理由は、アスファルトは低温では固体になってしまうため、現場での舗設作業を、アスファルトに流動性のある高温で行う必要があるからである。高温で混合されたアスファルト混合物は、混合後、交通開放までの間、一度も加熱されることは無く、徐々にその温度は低下していく。よって、締固め作業時に十分な高い温度を保つためには、混合後の温度低下を見越した高い温度で混合する必要がある。
一方、交通開放温度を低くしなければならない理由は、交通開放後に通過する一般交通の車両の荷重によって、アスファルト混合物の流動によるわだち掘れが生じることの無いようにするためである。
このように、アスファルト混合物には、高温では粘度が低く、骨材と十分に混合されていることが、一方低温では粘度が高く、交通荷重によるわだち掘れに十分に抵抗できることが求められる。
また、アスファルト舗装は、供用中にも高い環境温度に晒されることがある。特に夏期においては、気温が高いこと、および太陽光線の直射を受けることから、路面の最高温度は60℃程度にまで上昇すると言われている。よって、アスファルト混合物には、50〜60℃程度の温度領域においても高い粘性が確保されることが求められる。
重交通路線で顕著に発生が見られるわだち掘れへの対策としては、ストレートアスファルトをSBS(スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体)などのポリマーで改質した改質アスファルトが用いられている。改質アスファルトは、ストレートアスファルトをポリマーで改質した分、ストレートアスファルトよりも粘度が高く、150〜200
mPa・sの粘度で骨材と混合するためには、ストレートアスファルトの場合よりも高い混合温度にする必要があり、通常、改質アスファルトII型では180±10℃程度の混合温度とする。このような混合温度の高いアスファルト混合物を舗装に用いた場合、その温度の低下に要する時間が長くなるため、施工開始から交通開放までの時間が長くかかり、工事時間の延長による交通への影響、例えば交通渋滞の発生が懸念される。
また、近年、道路騒音の低減や排水性能の向上を目的として開発された排水性舗装の施工面積が増大している。排水性舗装に用いられるアスファルト混合物は、密粒度アスファルト混合物ではなく、2.36mmふるいを通過する大きさの骨材を少なくすることで混合物内に20%程度の空隙を形成した、ポーラスアスファルト混合物である。骨材骨格がポーラスであるので、アスファルトには粗骨材(粒径13mm程度)を繋ぎ止める力が必要とされるため、アスファルトとしては、SBS添加量を改質アスファルトII型よりもはるかに増加させて高度に改質した、一般に高粘度改質アスファルトと称される改質アスファルトが用いられる。この高粘度改質アスファルトは、粘度が非常に高い割には、混合温度が一般に170℃程度と比較的低い。これは、ポーラスな骨材骨格を持つアスファルト混合物の場合、密粒度アスファルトと比較してアスファルトと骨材との混合負荷が小さくなるためである。
しかしながら、排水性舗装の更なる耐久性向上のため、一般の高粘度改質アスファルトよりもさらに粘度が高く、さらに高い混合温度を必要とする改質アスファルトも開発されているなどの理由から、混合温度を低下させる技術が求められている。
(厚層施工)
通常、アスファルト混合物の1層の施工厚は5cm程度である。しかし、工事期間を短縮することなどを目的として10cm以上の厚い層厚で施工(シックリフト工法)が行われることがある。シックリフト工法は、短時間に厚みのあるアスファルト舗装を構築しなければならない場合によく実施される。例えば、空港舗装では、20cm以上のアスファルト混合物層を一夜で施工しなければならない場合がある。また、重交通路線の国道でもアスファルト混合物損傷部分の厚みが厚い場合には、この工法が採用される。
この厚層施工では、施工されるアスファルト混合物層が厚いために、転圧後の舗装体の温度低下が遅く、舗装体の表面温度が十分に低下してもその内部温度が高いことがある。内部温度が高いまま交通開放すると、アスファルト混合物は早期に流動を起こし、大きなわだち掘れを生ずる場合があり、問題となっている。対策としては、混合温度を低くし、交通開放までに要する温度低下時間を短縮することが求められる。
(薄層施工)
舗装の表面のみを簡易に補修するために、2cm前後の薄層でアスファルト混合物を舗設する場合がある。この場合、フィニッシャで敷き均した後のアスファルト混合物の温度低下は、通常の5cmの場合と比較して非常に早くなる。そのため、締固めが不十分となり、所定の特性が得られない。対策として、一般に、通常の混合温度よりも高い温度で混合物を混合・出荷する方法が取られるが、ストレートアスファルト、または高粘度改質アスファルトではない改質アスファルトが用いられる場合には、アスファルト中のポリマーの熱劣化が懸念される。
そのため、通常の温度で混合でき、かつ十分な締固め密度を得られることが求められている。
(CO 2 の削減)
アスファルト混合物の混合温度を低下させることは、アスファルトの貯蔵および骨材の加熱に要するエネルギーの削減、ひいてはアスファルト混合所での燃料消費量の低減につながる。燃料消費量を低減することは、コスト削減の他、近年問題となっているCO2の削
減にもつながる。この点からも混合温度を低下させる技術が求められている。
以上のような理由から、アスファルト混合物の混合温度を低下させる技術が求められているが、そのような従来技術としては、以下の3つの方法を挙げることができる。
1つ目は、アスファルトに鉱物油などのオイル成分を添加し、高温でのアスファルトの粘度を低下させる方法である。しかし、この方法だと低温での粘度も低下させてしまうため、冷却後のアスファルト混合物は耐流動性に劣る。
2つ目は、中温化剤を使用する方法である(特開2001−131321号公報など)。しかし、一般にこの方法は、混合時の温度を低減できるものの、アスファルト混合所において中温化剤を添加する方法(プラントミックス添加)にしか適用することができない。これは、アスファルトに事前に中温化剤を添加する方法(プレミックス添加)では、アスファルトに中温化剤を添加した時点で発泡が生じ、アスファルトは貯蔵が不可能となると共に、その後の骨材との混合も不可能となるためである。
3つ目は、アスファルトにワックスを添加する方法であり、欧州では、具体的な成分は不明であるがサソビットと称されるワックスを添加する方法が実施されている。しかし、この方法により得られたアスファルト舗装体も、安定度や動的安定度が充分ではない。
このように、従来も混合温度を低下させる技術が検討されていたが、いずれも作業性や供用時の諸特性を損なっているため、混合温度を低下させつつも、製造時の作業性や供用時の諸特性が損なわれないアスファルト混合物の出現が望まれていた。
特開2001−131321号公報
本発明は上記のような従来技術に鑑みなされたものであって、高温での粘度が低いために混合温度などの作業温度が低く、かつ供用時に安定度や動的安定度などの特性に優れたアスファルト舗装体が得られるようなアスファルト組成物およびアスファルト混合物を提供することを目的としている。
本発明は、以下のアスファルト組成物およびアスファルト混合物に関する。
[1]
(i)アスファルト100重量部と、
(ii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000の範囲にあり、
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比であるMw/Mnが1.5〜4.5の範囲にあり、
示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜130℃の範囲にあり、
密度勾配管法で測定した密度が850〜980kg/m3の範囲にあり、
示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定)と前記密度(D(kg/m3))とが下記式(I)
0.501×D−366 ≧ Tc …(I)
で示される関係を満たす
ポリオレフィンワックス 1重量部〜5重量部と
を含有することを特徴とするアスファルト組成物。
[2]前記ポリオレフィンワックス(ii)が、メタロセン触媒の存在下に製造されるエチレン単独重合体、またはメタロセン触媒の存在下に製造されるエチレンと1種以上の炭素原子数3〜20の置換もしくは非置換の1−オレフィンとの共重合体であることを特徴とする上記[1]のアスファルト組成物。
[3]前記ポリオレフィンワックス(ii)が酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスであることを特徴とする上記[1]のアスファルト組成物。
[4]前記酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスの酸価が1〜100 KOHmg/gであることを特徴とする上記[3]のアスファルト組成物。
[5]前記アスファルト(i)が、改質アスファルトI型、改質アスファルトII型、高粘度改質アスファルトおよび該高粘度改質アスファルトよりもさらに粘度の高い改質アスファルトからなる群より選ばれる改質アスファルトであることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかのアスファルト組成物。
[6]一般舗装または排水性舗装に使用されることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかのアスファルト組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかのアスファルト組成物と骨材(iii)とを含有する
ことを特徴とするアスファルト混合物。
[8]一般舗装または排水性舗装に使用されることを特徴とする上記[7]のアスファルト混合物。
本発明によれば、アスファルト組成物およびアスファルト混合物の高温での粘度を低減できるため、アスファルト混合物の混合温度や施工温度などの作業温度を低下させることができる。しかも、本発明のアスファルト組成物またはアスファルト混合物に含まれるワックスが凝固性を有するので、アスファルト舗装体(アスファルト混合物)の交通開放時の温度および供用中の通常の温度、さらには供用中の路面最高温度(50〜60℃)付近において、アスファルト舗装体の安定度(アスファルト強度)や動的安定度(耐流動性)は損なわれず、またはさらに向上する。
本発明のアスファルト混合物は、運搬、敷き均し作業、転圧作業においても、通常の機械編成で取り扱うことができるが、上記のようにアスファルト組成物またはアスファルト混合物の高温時での粘度が低減されるために、アスファルト舗装における作業性が改善される。
このような本発明のアスファルト組成物およびアスファルト混合物は、一般舗装および排水性舗装に好適に用いることができる。
(厚層施工)
本発明によれば、予め混合温度を低下させることができるため、厚層施工であっても、舗装体の内部温度の低下を早められ、交通解放後のわだち掘れが減少する。
(薄層施工)
本発明によれば、薄層施工であっても、通常の作業温度で施工でき、かつ、温度が低下しても作業性が保てるため、ストレートアスファルトや改質アスファルトに含まれるポリマーの熱劣化を生じることなく、十分な締固め密度が得られる。
(CO 2 の削減)
本発明によれば、混合温度を低下させることができるため、混合に要する燃料消費量が削減されるので、CO2の発生を抑制できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(i)アスファルト;
本発明で用いられるアスファルト(i)としては、特に限定されず、たとえばストレー
トアスファルト、改質アスファルトI型、改質アスファルトII型、高粘度改質アスファル
ト、該高粘度改質アスファルトよりもさらに粘度の高い改質アスファルト(たとえば、高耐久型高粘度改質アスファルト)などを挙げることができる。これらのいずれのアスファルトを用いても、上記した本発明の効果が発揮される。
(ii)ポリオレフィンワックス;
本発明で用いられるポリオレフィンワックス(ii)としては、エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体が望ましい。
このα−オレフィンは、直鎖状であっても分岐していてもよく、また置換されていても非置換であってもよい。このα−オレフィンとしては、好ましくは炭素原子数3〜10のα−オレフィンが、より好ましくは炭素原子数3のプロピレン、炭素原子数4の1−ブテン、炭素原子数5の1−ペンテン、炭素原子数6の1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、炭素原子数8の1−オクテンなどが挙げられ、特に好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンが挙げられる。
前記ポリオレフィンワックス(ii)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)は400〜5,000、好ましくは1,000〜4,
000、より好ましくは1,500〜4,000の範囲にある。
前記ポリオレフィンワックス(ii)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は1.5〜4.5、好ましくは1.6〜4.0、より好ましくは1. 7〜3.5の範囲にある。
なお、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値であり、GPCによる測定は、温度:140℃、溶媒:オルトジクロロベンゼンの条件下で行われる。
Mw/Mnが上記範囲内にあると、アスファルト混合物の粘度低減が可能で作業性を改善することができ、かつ、アスファルトの強度を維持することができる。Mw/Mnが1.5より小さくなるとアスファルト混合物の曲げ強度が弱くなる傾向にあり、Mw/Mnが4.5を超えるとハイテール部分によりアスファルト混合物の粘度低減効果が小さくなる傾向にある。
前記ポリオレフィンワックス(ii)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は0.04〜0.47dl・g-1、好ましくは0.05〜0.47dl・g-1、より好ましくは0.07〜0.20dl・g-1、さらにより好ましくは0.08〜0.18dl・g-1の範囲にあることが望ましい。
前記ポリオレフィンワックス(ii)の示差走査熱量計(DSC)で測定した融点は65〜130℃、好ましくは70〜120℃、より好ましくは80〜110℃の範囲にある。
前記ポリオレフィンワックス(ii)の密度勾配管法で測定した密度は850〜980kg/m3、好ましくは870〜970kg/m3、より好ましくは880〜960kg/m3の範囲にある。
前記ポリオレフィンワックス(ii)において、示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定。)と、密度勾配管法で測定した密度(D(kg/m3))とは、下記式(I)
0.501×D−366 ≧ Tc …(I)
好ましくは、下記式(Ia)
0.501×D−366.5 ≧ Tc …(Ia)
より好ましくは、下記式(Ib)
0.501×D−367 ≧ Tc …(Ib)
の関係を満たす。
ポリオレフィンワックスにおいて、その結晶化温度(Tc)とその密度(D)とが上記式で表される関係を満たすと、満たさない場合と比較して以下のような利点がある。すなわち、ポリオレフィンワックスが単独重合体であれば、分子量分布がより狭くなる結果、べたつき成分が減少し、ポリオレフィンワックスが共重合体であれば、ポリオレフィンワックスのコモノマー組成がより均一になる結果、ポリオレフィンワックスのベタつき成分が減少し、アスファルト混合物の強度が向上する。
前記ポリオレフィンワックス(ii)の針入度は30dmm以下、好ましくは25dmm以下、より好ましくは20dmm以下、さらにより好ましくは15dmm以下であることが望ましい。針入度はJIS K2207に準拠して測定することができる。
前記ポリオレフィンワックス(ii)のアセトン抽出分量は好ましくは0〜20重量%、より好ましくは0〜15重量%の範囲にあることが望ましい。
なお、アセトン抽出分量は、ソックスレー抽出器(ガラス製)を用いて以下のように測定される。
フィルター(ADVANCE社製、No.84)を使用し、ソックスレー抽出器の下段の丸底フラスコ(300ml)にアセトン200mlを装入し、70℃の湯浴で5時間抽出を行う。初めのワックスは10gをフィルター上にセットする。
前記ポリオレフィンワックス(ii)は常温で固体であり、65〜130℃以上で低粘度の液体となる。
前記ポリオレフィンワックス(ii)は、例えば周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とからなる以下のようなメタロセン系触媒を用いて製造することができる。
(メタロセン化合物)
メタロセン系触媒を形成するメタロセン化合物は、周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物であり、具体的な例としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
1Lx …(1)
ここで、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属、xは遷移金属M1の原子価、Lは配位子である。
1で示される遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウムなどがある。L
は遷移金属M1に配位する配位子であって、そのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロ
ペンタジエニル骨格を有する配位子であって、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子Lとしては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−またはi−プロピルシクロペンタジエニル基、n−、i−、sec−またはt−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基;さらにインデニル基、4,5,6,
7−テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子の水素は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
上記のメタロセン化合物が、配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士が、エチレン、プロピレン等のアルキレン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレン基;シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子(シクロペンタジエニル骨格を有しない配位子)Lとしては、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルフォン酸含有基(−SO31)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、R1はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で
置換されたアリール基またはアルキル基で置換されたアリール基である。)などが挙げられる。
(メタロセン化合物の例−1)
上記一般式(1)で表されるメタロセン化合物が、例えば遷移金属の原子価が4である場合、該メタロセン化合物は、より具体的には下記一般式(2)で表される。
2 k3 l4 m5 n1 …(2)
ここで、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属、R2はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)、R3、R4およびR5はそれぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を
有するかまたは有しない基(配位子)である。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。
1がジルコニウムであり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくと
も2個含むメタロセン化合物の例を次に挙げる。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3−ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなど。
上記の化合物の中で、1,3−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置き換えた化合物も用いることができる。
またメタロセン化合物の別の例としては、上記一般式(2)において、R2、R3、R4
およびR5の少なくとも2個、例えばR2およびR3がシクロペンタジエニル骨格を有する
基(配位子)であり、この少なくとも2個の基がアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を使用することもできる。このときR4およびR5は、それぞれ独立に、前述したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同様である。
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
また、有機アルミニウムオキシ化合物、イオン化イオン性化合物、さらに有機アルミニウム化合物としては、たとえば特公平5‐80492号公報に記載された化合物を用いることができる。
(重合)
本発明で用いられるポリオレフィンワックス(ii)は、上記メタロセン系触媒の存在下に、エチレンを、通常は液相で、単独重合させるか、またはエチレンおよび上記のα−オ
レフィンを共重合させることにより得られる。この際、溶媒としては、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α−オレフィンを溶媒として用いてもよい。
重合方法としては、ポリオレフィンワックス(ii)がヘキサン等の溶媒中に粒子として存在する状態で重合する懸濁重合、溶媒を用いないで重合する気相重合、140℃以上の重合温度で、ポリオレフィンワックス(ii)が溶剤と共存した状態または単独で溶融した状態で重合する溶液重合が可能であり、その中でも溶液重合が経済性と品質との両面で好ましい。
重合反応は、バッチ法あるいは連続法いずれの方法で行ってもよい。重合反応において、前記の触媒成分は次に説明する濃度で用いられる。
重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。
有機アルミニウムオキシ化合物は、重合系内のメタロセン化合物中の遷移金属に対するアルミニウム原子のモル比(Al/遷移金属)で1〜10000の量で、好ましくは10〜5000の量で重合系に供給される。
イオン化イオン性化合物は、重合系内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)で0.5〜20の量で、好ましくは1〜10の量で重合系に供給される。
また、有機アルミニウム化合物が用いられる場合には、その濃度は、通常約0.0001〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは約0.0005〜2ミリモル/リットルである。
重合反応は、通常温度が−20〜+200℃、好ましくは50〜180℃、さらに好ましくは70〜180℃の条件で、圧力が0MPaを超えて7.8MPa(80kgf/cm2、ゲージ圧)以下、好ましくは0MPaを超えて4.9MPa(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下の条件で行われる。
重合に際して、エチレンおよび必要に応じて用いられるα−オレフィンは、前記した特定組成のポリオレフィンワックス(ii)が得られるような量割合で重合系に供給される。また重合に際しては、水素などの分子量調節剤を添加することもできる。
このようにして重合させると、生成した重合体は通常これを含む重合液として得られるので、常法により処理するとポリオレフィンワックス(ii)が得られる。
(変性ポリオレフィンワックス)
本発明で用いられるポリオレフィンワックス(ii)は、未変性のポリオレフィンワックス(以下「原料ポリオレフィンワックス」ともいう。)が、酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスであってもよい。
原料ポリオレフィンワックスとしては、好ましくは上述したようなメタロセン系触媒を用いて製造され、数平均分子量が400〜5000の範囲にあり、密度が880〜980kg/m3の範囲にあり、融点が60〜130℃の範囲にあるエチレン単独重合体または
エチレン・α−オレフィン共重合体が挙げられる。
(酸化変性)
酸化変性された変性ポリオレフィンワックスは、原料ポリオレフィンワックスを溶融状態で攪拌下に酸素または酸素含有ガスと接触させることにより得られる。
原料ポリオレフィンワックスは、通常130〜200℃、好ましくは140〜170℃の温度で溶融状態にする。
酸化変性する際には、原料ポリオレフィンワックスを溶融状態で攪拌下に酸素または酸素含有ガスと接触させて酸化反応を行う。ここで、「酸素」とは、純酸素(通常の液体空気分留や水の電解によって得られる酸素であって、他成分を不純物程度含んでいても差し支えない)であり、「酸素含有ガス」としては、純酸素と他のガスとの混合ガス(たとえば空気など)およびオゾンが挙げられる。
原料ポリオレフィンワックスと酸素等との接触方法としては、具体的には、酸素含有ガスを反応器下部より連続的に供給して、原料ポリオレフィンワックスと接触させる方法が好ましい。またこの場合、酸素含有ガスは、原料混合物1kgに対して1分間当たり1.0〜8.0NL相当の酸素(O2)量となるように供給することが好ましい。
このようにして得られる変性ポリオレフィンワックスの酸価(JIS K5902)は、1〜100mgKOH/g、好ましくは6〜60mgKOH/g、より好ましくは10〜50mgKOH/gであることが望ましい。
ここで、酸価とは、試料1g当たりの中和に要する水酸化カリウムのmg数を指す。
(酸グラフト変性)
酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスは、従来公知の方法で調製することができ、例えば、原料ポリオレフィンワックスと、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体またはスルフォン酸塩とを、有機過酸化物などの重合開始剤の存在下に溶融混練するか、あるいは、原料ポリオレフィンワックスと、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体またはスルフォン酸塩とを、有機溶媒に溶解させ、有機過酸化物などの重合開始剤を添加してグラフト反応させることにより得られる。
酸グラフト変性に用いられる不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、例えば、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−sec−ブチル
、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−2−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸イソヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸−2−クロロフェニル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸−3−メトキシブチル、アクリル酸ジエチレングリコールエトキシレート、アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチルなどのアクリル酸エステル類;
メタクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸−2−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸−2−クロロヘキシル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ヘキシルエチル、メタクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル等のメタクリル酸エステル類;
マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類;
フマル酸エチル、フマル酸ブチル、フマル酸ジブチル等のフマル酸エステル類;
マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クロトン酸、ナジック酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸類;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水グルタコン酸、無水ナジック酸等の無水物
などが挙げられる。
酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスは、不飽和カルボン酸またはその誘導体による変性の場合には、その変性量が、KOH滴定換算した酸価で1〜100mgKOH/g、好ましくは6〜60mgKOH/g、より好ましくは10〜50mgKOH/gであることが望ましい。
変性量が上記範囲内にあると、変性ポリオレフィンワックスと骨材との接着強度が向上するため、強度が高いアスファルト混合物が得られる。
前記ポリオレフィンワックス(ii)は、本発明のアスファルト組成物中に、前記アスファルト(i)100重量部に対して、1〜5重量部、好ましくは1〜3重量部配合される

(iii)骨材;
本発明で用いられる骨材(iii)としては、特に限定はなく、通常用いられる骨材であ
る砕石、砂利、砂、スラグなどが挙げられる。
その他の添加物;
本発明のアスファルト組成物またはアスファルト混合物には、本発明の効果を妨げない限り、さらに種々の添加剤を配合することができる。添加剤としては、特に限定はなく、石紛、タルク、炭酸カルシウム等のフィラー、消石灰、アミン類、アミド類、リン酸類等の剥離防止剤、メチルセルロース、ポリビニルアルコール等の繊維質補強剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。
混合方法;
本発明のアスファルト組成物およびアスファルト混合物は、骨材の添加に先だってアスファルトに予めワックスを添加・混合するプレミックス、ならびにアスファルト混合所でアスファルトと骨材とを混合する際にワックスを投入するプラントミックスのいずれにも適用可能である。プレミックスであれば、アスファルト混合所での材料投入の手間が省ける利点がある。
プレミックスの際は、ホモミキサー、ディゾルバー、パドルミキサー、リボンミキサー、スクリューミキサー、プラネタリーミキサー、真空逆流ミキサー等を用いて混合することができる。また、プラントミックスの際は、パグミルミキサー、スパイラルフローミキサー、スクリューミキサー等を用いて混合することができる。
[実施例]
以下、本発明の優れた効果を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例、比較例において、ワックス、ならびにアスファルト組成物およびアスファルト混合物の物性は、次のようにして測定または定義した。
<ワックス>
(分子量)
ワックスの分子量および分子量分布は、GPCを用いて求めた。測定は、市販の単分散標準ポリスチレンを標準として、以下の条件で行った。
装置 : Waters社製(150C−ALC/GPC)
溶剤 : o-ジクロルベンゼン
カラム: 東ソー社製(CMタイプ)
流速 : 1.0 ml/分
試料 : 0.10 % o-ジクロルベンゼン溶液
温度 : 140℃
(溶融粘度)
ブルックフィールド粘度計を用いて140℃で測定した。
(極限粘度[η])
ASTM D1601に従って測定した。
(密度)
JIS K6760に従って測定した。
(軟化点)
JIS K2207に従って測定した。
(酸価)
JIS K5902に従って測定した。
(針入度)
JIS K2207に従って測定した。
<アスファルト組成物>
(針入度、軟化点、伸度、タフネス、テナシティー)
舗装試験法便覧((社)日本道路協会発行)の記載に準拠して測定した。
<アスファルト混合物>
(締固め度)
比較例4で作成したアスファルト混合物の密度に対する、各実施例または比較例で作製したアスファルト混合物の密度の割合を%で表した。
(施工温度)
締固め度が100%となる温度を施工温度とした。
(混合温度)
施工温度+15℃となる温度を混合温度とした。
(マーシャル安定度、ホイールトラッキング、単純曲げ)
舗装試験法便覧((社)日本道路協会発行)の記載に準拠して測定した。
[合成例1]
(ポリオレフィンワックス(1)の合成)
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてエチレン・プロピレン共重合体(ポリオレフィンワックス(1))を合成した。
十分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン 94
0mlおよびプロピレン 60mlを装入し、水素を0.27MPa(ゲージ圧)となる
まで導入した。次いで系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム
0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート 0.004ミリモル、(t-ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.02ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を2.9MPa(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。
少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンおよびプロピレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。その結果、極限粘度[η]が0.09dl/gであり、溶融粘度が36mPa・sであり、Mnが850であり、Mwが2100であり、密度が928kg/m3であり、融点
が104℃であり、軟化点が110℃であり、針入度が4dmmであるメタロセン系ワックスを26.7g得た。
上記の合成作業を、必要量(以下の合成例2で必要とされる量)の上記メタロセン系ワックスを採取できるまで繰り返し、このメタロセン系ワックスを150℃で溶融混合した
後、冷却し、ポリオレフィンワックス(1)(以下「ワックス1」ともいう。)を得た。[合成例2]
200gのポリエチレンワックス(1)をトルエン1000ml中に入れ、160℃で耐圧オートクレーブ中で完全に溶解後、70℃の無水マレイン酸3.5gおよび常温のジ
ターシャリーブチルパーオキサイド(日本油脂社製、パーブチルD)6.0gを、同時に
それぞれ1.5時間かけて供給し、1時間熟成後、真空度を1mmHgとして溶剤を除去
したところ、溶融粘度が56mPa・sであり、Mnが1000であり、Mwが2500であり、密度が936kg/m3であり、融点が107℃であり、軟化点が112℃であ
り、針入度が2dmmであり、酸価が13.4KOHmg/gであるポリオレフィンワッ
クス(2)(以下「ワックス2」ともいう。)が得られた。
[比較ワックス]
以下の比較例2,3では、ワックスとして、溶融粘度が80mPa・sであり、Mnが1200であり、Mwが3000であり、密度が920kg/m3であり、融点が110
℃であり、軟化点が113℃であり、針入度が1dmmであるハイワックス220P(製品名)(三井化学社製、以下「220P」ともいう。)、またはサソビット(製品名)(サゾール社製)を使用した。
表1に各ワックスの物性値を示す。
Figure 0004593319
高粘度改質アスファルト(製品名:パーミバインダー、東亜道路社製)100重量部に対し、前記ワックス2を3重量部添加し、155℃で混合し、アスファルト組成物を得た。得られたアスファルト組成物の特性を表2に示す。
次に、骨材2000重量部と前記高粘度改質アスファルト100重量部とを、155℃で一次混合した。なお、使用した骨材の組成は以下のとおりである。
6号砕石 84%
粗目砂 11%
石粉 5%
その後、さらに前記ワックス2を3.1重量部添加し、155℃で混合し、空隙率が20%である排水性アスファルト混合物(13)を得た。得られたアスファルト混合物の特性を表3に示す。
[比較例1]
ワックス2に代えて鉱物油を使用した以外は実施例1と同様にして、アスファルト組成
物、および空隙率が20%である排水性アスファルト混合物(13)を得た。それぞれの特性を表3に示す。
[比較例2]
ワックス2に代えてハイワックス220Pを使用し、混合温度を165℃、施工温度を150℃とした以外は実施例1と同様にして、アスファルト組成物、および空隙率が20%である排水性アスファルト混合物(13)を得た。それぞれの特性を表3に示す。
[比較例3]
ワックス2に代えてサソビットを使用し、混合温度を165℃、施工温度を150℃とした以外は実施例1と同様にして、アスファルト組成物、および空隙率が20%である排水性アスファルト混合物(13)を得た。それぞれの特性を表3に示す。
[比較例4]
ワックス2を使用せず、混合温度を175℃、施工温度を160℃とした以外は実施例1と同様にして、アスファルト組成物、および空隙率が20%である排水性アスファルト混合物(13)を得た。なお、混合物における配合比率は、排水性舗装技術指針(案)((社)日本道路協会発行)に記載された配合設計方法に準拠した。それぞれの特性を表3に示す。
Figure 0004593319
Figure 0004593319
表3から明らかなように、実施例1のアスファルト混合物は、混合温度および施工温度が低い上に、他の物性にも優れていた。
本発明のアスファルト組成物またはアスファルト混合物を用いることにより、アスファルト舗装において作業温度を低下させることができるため、熱エネルギーの抑制、また、作業性の改善や工事期間の短縮にも有用である。
図1は、アスファルト舗装の施工の流れを示す。

Claims (15)

  1. (i)アスファルト100重量部と、
    (ii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000の範囲にあり、
    重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比であるMw/Mnが1.5〜4.5の範囲にあり、
    示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜130℃の範囲にあり、
    密度勾配管法で測定した密度が850〜980kg/m3の範囲にあり、
    示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定)と前記密度(D(kg/m3))とが下記式(I)
    0.501×D−366 ≧ Tc …(I)
    で示される関係を満たし、
    メタロセン触媒を用いて製造される
    ポリオレフィンワックス 1重量部〜5重量部と
    を含有するアスファルト組成物。
  2. 前記ポリオレフィンワックス(ii)が、メタロセン触媒の存在下に製造されるエチレン単独重合体、またはメタロセン触媒の存在下に製造されるエチレンと1種以上の炭素原子数3〜20の置換もしくは非置換の1−オレフィンとの共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のアスファルト組成物。
  3. 前記ポリオレフィンワックス(ii)が酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスであることを特徴とする請求項1に記載のアスファルト組成物。
  4. 前記酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスの酸価が1〜100 KOHmg/gであることを特徴とする請求項3に記載のアスファルト組成物。
  5. 前記アスファルト(i)が、改質アスファルトI型、改質アスファルトII型、高粘度改質
    アスファルトおよび該高粘度改質アスファルトよりもさらに粘度の高い改質アスファルトからなる群より選ばれる改質アスファルトであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のアスファルト組成物。
  6. 一般舗装または排水性舗装に使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアスファルト組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のアスファルト組成物と骨材(iii)とを含有すること
    を特徴とするアスファルト混合物。
  8. 一般舗装または排水性舗装に使用されることを特徴とする請求項7に記載のアスファルト混合物。
  9. アスファルト(i) 100重量部に、
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000の範囲にあり、
    重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比であるMw/Mnが1.5〜4.5の範囲にあり、
    示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜130℃の範囲にあり、
    密度勾配管法で測定した密度が850〜980kg/m 3 の範囲にあり、
    示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定)と前記密度(D(kg/m 3 ))とが下記式(I)
    0.501×D−366 ≧ Tc …(I)
    で示される関係を満たし、
    メタロセン触媒を用いて製造される
    ポリオレフィンワックス(ii) 1重量部〜5重量部を
    添加・混合する工程を含むアスファルト組成物の製造方法。
  10. 前記のアスファルト(i)にポリオレフィンワックス(ii)を添加・混合する工程の前
    に、メタロセン触媒を用いて前記ポリオレフィンワックス(ii)を製造する工程をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のアスファルト組成物の製造方法。
  11. 前記ポリオレフィンワックス(ii)が、メタロセン触媒の存在下に製造されるエチレン単独重合体、またはメタロセン触媒の存在下に製造されるエチレンと1種以上の炭素原子数3〜20の置換もしくは非置換の1−オレフィンとの共重合体であることを特徴とする請求項9または10に記載のアスファルト組成物の製造方法。
  12. アスファルト(i) 100重量部と、
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000の範囲にあり、
    重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比であるMw/Mnが1.5〜4.5の範囲にあり、
    示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜130℃の範囲にあり、
    密度勾配管法で測定した密度が850〜980kg/m 3 の範囲にあり、
    示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定)と前記密度(D(kg/m 3 ))とが下記式(I)
    0.501×D−366 ≧ Tc …(I)
    で示される関係を満たし、
    メタロセン触媒を用いて製造される
    ポリオレフィンワックス(ii) 1重量部〜5重量部と、
    骨材(iii)とを
    混合する工程を含むアスファルト混合物の製造方法。
  13. 前記のアスファルト(i)とポリオレフィンワックス(ii)と骨材(iii)とを混合する工程が、請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法によりアスファルト組成物を製造する工程、および該アスファルト組成物に前記骨材(iii)を添加する工程からなることを
    特徴とする請求項12に記載のアスファルト混合物の製造方法。
  14. 前記のアスファルト(i)とポリオレフィンワックス(ii)と骨材(iii)とを混合する工程の前に、メタロセン触媒を用いて前記ポリオレフィンワックス(ii)を製造する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のアスファルト混合物の製造方法。
  15. 前記ポリオレフィンワックス(ii)が、メタロセン触媒の存在下に製造されるエチレン単独重合体、またはメタロセン触媒の存在下に製造されるエチレンと1種以上の炭素原子数3〜20の置換もしくは非置換の1−オレフィンとの共重合体であることを特徴とする請求項12または14に記載のアスファルト混合物の製造方法。
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