JP4591014B2 - インクジェット記録装置及びマルチヘッドユニットのワイピング方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びマルチヘッドユニットのワイピング方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録装置及びマルチヘッドユニットのワイピング方法に関し、詳しくは、マルチヘッドユニットを信頼性高く、効果的にワイピングすることのできるインクジェット記録装置及びマルチヘッドユニットのワイピング方法に関する。
インクジェット記録装置には、比較的短尺な複数個の記録ヘッドをインク吐出口の配列方向に沿って千鳥状に配置させ、インク吐出口を所定の記録幅となるように長尺状に配列させたマルチヘッドユニットを有するものが知られている(特許文献1〜3)。
比較的短尺な個々の記録ヘッドは、1つの記録ヘッドを被記録材の幅方向に亘って長尺に形成する場合に比べて吐出性能を確保し易く、また、個々の記録ヘッドの交換等の保守管理も容易となる利点がある。特に、このマルチヘッドユニットを被記録材の幅一杯に亘る記録幅となるように長尺に形成すれば、被記録材のみを1方向に搬送させることによって記録を行うフルラインタイプのインクジェット記録装置を容易に構成することができる。
ところで、微細なインク吐出口から被記録材へ向かってインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置では、多数のインク吐出口が配列されるインク吐出面の状態が記録品位に大きく影響する。すなわち、インク吐出面がインクや水滴で濡れていたり、異物が付着していたりすると、吐出されるインク滴がそれらインクや水滴、異物に引かれて吐出方向に曲がりが生じたり、正常な吐出が妨げられて吐出不良(不吐出を含む)となり、記録品位を劣化させるおそれがある。
そこで、インク吐出面に付着したインクや異物等を取り除くために、ゴム等の板状の弾性体で形成されたワイパー部材により、所定のタイミングでインク吐出面を拭き取り清掃(ワイピング)することが行われており、従来、以下に示すものが知られている。
(1)記録ヘッドのインク吐出口の配列方向に沿って平行に配置されたワイパー部材をインク吐出口面に当接させると共に、記録ヘッド又はワイパー部材のいずれかをインク吐出口の配列方向と直交する方向に平行に移動させることで、ワイパー部材をインク吐出面に対して摺擦させてワイピングを行う。
(2)ライン状の記録ヘッドのインク吐出口の配列方向と直交する方向に配置されたワイパー部材をインク吐出口面に当接させると共に、記録ヘッド又はワイパー部材のいずれかをインク吐出口の配列方向に沿って平行に移動させることで、ワイパー部材を記録ヘッドの長さ方向に沿って一気にインク吐出面に対して摺擦させてワイピングを行う(特許文献4)。
また、ワイパー部材がインク吐出面から離れて弾性的に復元する際に、ワイパー部材からインクが飛散することを防止するため、以下に示すものが知られている。
(3)記録ヘッドのインク吐出面を摺擦させるワイパー部材の速度を、動作の経過に従って減速させる(特許文献5)。
(4)記録ヘッドのインク吐出面を摺擦させるワイパー部材のインク吐出面とのかかわり合い量を、ワイパー部材がインク吐出面から離れる少なくとも直前に少なくするように動作させる(特許文献6)。
特開昭60−112450号公報 特許第3208740号公報 特許第3219152号公報 特開平2−179757号公報 特許第2818015号公報 特許第2818026号公報
マルチヘッドユニットのワイピングを行う場合、上記(1)の方法に従って、長尺状に配列されたインク吐出口の全領域に対してワイパー部材を同時に当接させるようにすると、ワイパー部材の長さも長大となるため、ワイパー部材の変形や歪みが発生し易くなる。このため、全てのインク吐出口を均等に摺擦することが困難となり、ワイピング機能が低下する問題がある。
そこで、図21(a)に示すように、マルチヘッドユニット500を構成する個々の記録ヘッド501の長さに対応するようにワイパー部材600を短く分割して形成し、それをインク吐出面501aに形成されたインク吐出口501bの配列方向に沿って平行で、且つ記録ヘッド501と同様に千鳥状に配置し、全てのワイパー部材600を同時にインク吐出面501aに当接させて一方向に摺擦させる方法が試みられた。しかし、マルチヘッドユニット500は、その長さ方向に亘って全てのインク吐出口501bが等ピッチで配列されるように、記録ヘッド501を千鳥状に配置させることで、隣接する記録ヘッド501、501の端部同士を互いにオーバーラップさせているため、隣接するワイパー部材600、600の端部同士も互いにオーバーラップするので、ワイピング後のインク吐出面501aに、図21(b)に示すように、ワイパー部材600の端部からはみ出したインクがスジ状(符号700で示す)に残留してしまう問題があった。
また、上記(2)の方法をマルチヘッドユニットに適用し、マルチヘッドユニットの一方端から他方端まで一気にワイピングを行うようにすると、ワイパー部材で摺擦されるインク吐出口数が膨大になるため、拭き取られるインクも大量となる。従って、ワイパー部材はその大量のインクを引きずりながら各記録ヘッドのインク吐出面を移動していくため、拭きむら等によってインク吐出面上に残留するインク量が増えることにより、不吐出が発生することがあった。
そこで、本発明は、ワイパー部材の変形や歪みによるワイピング機能の低下の問題やインクの残留による記録ヘッドの汚染の問題を解消でき、マルチヘッドユニットの各記録ヘッドを信頼性高く、効果的にワイピングすることのできるインクジェット記録装置及びマルチヘッドユニットのワイピング方法を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、インク吐出面に多数のインク吐出口が配列された2個以上の記録ヘッドを前記インク吐出口の配列方向に沿って千鳥状に配置させてなると共に、前記インク吐出面側から見て、前記各記録ヘッドの前記インク吐出口の配列方向と平行で、且つ、隣接する前記記録ヘッドの間の中央を通る中心線に沿って、前記インク吐出面よりもインクの吐出方向と反対側に窪んだ凹部を有するマルチヘッドユニットを備え、前記インク吐出口から被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドの各々に対応し、そのインク吐出面を摺擦してインクを拭き取るためのワイパー部材と、
記マルチヘッドユニットの前記凹部内に前記各ワイパー部材の先端が配置した位置を前記ワイパー部材の摺擦開始位置とし、隣接する前記記録ヘッドに対応する前記ワイパー部材を該摺擦開始位置からそれぞれ前記インク吐出口の配列方向と直交する方向に沿って互いに反対方向に同時に平行移動させることにより、対応する前記記録ヘッドの前記インク吐出面を前記インク吐出口の配列方向と直交する方向に沿って摺擦させる移動手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
請求項2記載の発明は、前記移動手段は、
隣接する前記記録ヘッドに対応する前記各ワイパー部材をそれぞれ別体に取り付けると共に、両端部にそれぞれ突設するガイドピンを有する2つの取り付け台と、
前記各取り付け台の両端部に設けられ、前記ワイパー部材の移動方向に沿う横長状のガイド孔を有すると共に、前記取り付け台の前記ガイドピンを前記ガイド孔に係合させることで、前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って移動可能に取り付けるガイド板と、
前記各取り付け台の前記各ガイドピンに一端がそれぞれ回転可能に取り付けられ、他端が前記取り付け台の長さ方向に沿って延びる1本の共通の軸に回転可能に取り付けられたアームと、
前記軸と当接するカム面を備え、前記軸を該カム面に沿って案内することにより上下動させる偏芯カムと、
前記軸を前記カム面に当接するように付勢するバネと、を有し、
前記偏芯カムを回転させることにより、前記軸を前記カム面に沿って案内して上昇させ、該軸に他端が取り付けられた前記各アームの一端によって前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って互いに反対方向にそれぞれ平行移動させることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
請求項3記載の発明は、前記ワイパー部材による摺擦動作時に前記マルチヘッドユニットの両側方に配置され、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材から飛散するインクを受け止めるインク遮蔽部材を有することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置である。
請求項4記載の発明は、インク吐出面に多数のインク吐出口が配列された2個以上の記録ヘッドを前記インク吐出口の配列方向に沿って千鳥状に配置させてなると共に、前記インク吐出面側から見て、前記各記録ヘッドの前記インク吐出口の配列方向と平行で、且つ、隣接する前記記録ヘッドの間の中央を通る中心線に沿って、前記インク吐出面よりもインクの吐出方向と反対側に窪んだ凹部を有するマルチヘッドユニットを備え、前記インク吐出口から被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドの各々に対応し、そのインク吐出面を摺擦してインクを拭き取るためのワイパー部材と、
各々対応する記録ヘッドを挟んで、前記インク吐出口の配列方向に沿う前記マルチヘッドユニットの前記中心線と反対側において、前記各ワイパー部材の先端が前記インク吐出面よりもインクの吐出方向と反対側に配置した位置を前記ワイパー部材の摺擦開始位置とし、前記ワイパー部材を該摺擦開始位置からそれぞれ前記マルチヘッドユニットの前記中心線に向けて同時に平行移動させることにより、対応する前記記録ヘッドの前記インク吐出面を前記インク吐出口の配列方向と直交する方向に沿って摺擦させる移動手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
請求項5記載の発明は、前記移動手段は、
隣接する前記記録ヘッドに対応する前記各ワイパー部材をそれぞれ別体に取り付けると共に、両端部にそれぞれ突設するガイドピンを有する2つの取り付け台と、
前記各取り付け台の両端部に設けられ、前記ワイパー部材の移動方向に沿う横長状のガイド孔を有すると共に、前記取り付け台の前記ガイドピンを、前記ガイド孔に係合させることで、前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って移動可能に取り付けるガイド板と、
前記各取り付け台の前記各ガイドピンに一端がそれぞれ回転可能に取り付けられ、他端が前記取り付け台の長さ方向に沿って延びる1本の共通の軸に回転可能に取り付けられたアームと、
前記軸と当接するカム面を備え、前記軸を該カム面に沿って案内することにより上下動させる偏芯カムと、
前記軸を前記カム面に当接するように付勢するバネと、を有し、
前記偏芯カムを回転させることにより、前記軸を前記カム面に沿って案内して下降させ、該軸に他端が取り付けられた前記各アームの一端によって前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って互いに近接する方向にそれぞれ平行移動させることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置である。
請求項6記載の発明は、前記ワイパー部材による摺擦動作時に前記マルチヘッドユニットの前記中心線上もしくはその近傍位置に配置され、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材から飛散するインクを受け止めるインク遮蔽部材を有することを特徴とする請求項4又は5記載のインクジェット記録装置である。
請求項7記載の発明は、前記インク吐出面を摺擦終了後の前記ワイパー部材と接触し、該ワイパー部材に付着したインクを擦り取るためのインク擦り取り部材を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
請求項8記載の発明は、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材と接触し、該ワイパー部材に付着したインクを吸収するためのインク吸収部材を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
請求項9記載の発明は、インク吐出面に多数のインク吐出口が配列された2個以上の記録ヘッドを前記インク吐出口の配列方向に沿って千鳥状に配置させてなると共に、前記インク吐出面側から見て、前記各記録ヘッドの前記インク吐出口の配列方向と平行で、且つ、隣接する前記記録ヘッドの間の中央を通る中心線に沿って、前記インク吐出面よりもインクの吐出方向と反対側に窪んだ凹部を有するマルチヘッドユニットのワイピング方法であって、
前記記録ヘッドのインク吐出面を摺擦してインクを拭き取るためのワイパー部材を、前記記録ヘッドの各々に対応して設け、
前記マルチヘッドユニットの前記凹部内に前記各ワイパー部材の先端が配置した位置を前記ワイパー部材の摺擦開始位置とし、隣接する前記記録ヘッドに対応する前記各ワイパー部材を該摺擦開始位置からそれぞれ前記インク吐出口の配列方向と直交する方向に沿って互いに反対方向に同時に平行移動させることにより、対応する前記記録ヘッドの前記インク吐出面を前記インク吐出口の配列方向と直交する方向に沿って摺擦させることを特徴とするマルチヘッドユニットのワイピング方法である。
請求項10記載の発明は、隣接する前記記録ヘッドに対応する前記各ワイパー部材をそれぞれ別体に取り付けると共に、両端部にそれぞれ突設するガイドピンを有する2つの取り付け台と、
前記各取り付け台の両端部に設けられ、前記ワイパー部材の移動方向に沿う横長状のガイド孔を有すると共に、前記取り付け台の前記ガイドピンを前記ガイド孔に係合させることで、前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って移動可能に取り付けるガイド板と、
前記各取り付け台の前記各ガイドピンに一端がそれぞれ回転可能に取り付けられ、他端が前記取り付け台の長さ方向に沿って延びる1本の共通の軸に回転可能に取り付けられたアームと、
前記軸と当接するカム面を備え、前記軸を該カム面に沿って案内することにより上下動させる偏芯カムと、
前記軸を前記カム面に当接するように付勢するバネと、を備え、
前記偏芯カムを回転させることにより、前記軸を前記カム面に沿って案内して上昇させ、該軸に他端が取り付けられた前記各アームの一端によって前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って互いに反対方向にそれぞれ平行移動させることを特徴とする請求項記載のマルチヘッドユニットのワイピング方法である。
請求項11記載の発明は、前記ワイパー部材による摺擦動作時に前記マルチヘッドユニットの両側方にインク遮蔽部材を配置させ、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材から飛散するインクを受け止めることを特徴とする請求項9又は10記載のマルチヘッドユニットのワイピング方法である。
請求項12記載の発明は、インク吐出面に多数のインク吐出口が配列された2個以上の記録ヘッドを前記インク吐出口の配列方向に沿って千鳥状に配置させてなると共に、前記インク吐出面側から見て、前記各記録ヘッドの前記インク吐出口の配列方向と平行で、且つ、隣接する前記記録ヘッドの間の中央を通る中心線に沿って、前記インク吐出面よりもインクの吐出方向と反対側に窪んだ凹部を有するマルチヘッドユニットのワイピング方法であって、
前記記録ヘッドの各々に対応し、そのインク吐出面を摺擦してインクを拭き取るためのワイパー部材と、
各々対応する記録ヘッドを挟んで、前記インク吐出口の配列方向に沿う前記マルチヘッドユニットの前記中心線と反対側において、前記各ワイパー部材の先端が前記インク吐出面よりもインクの吐出方向と反対側に配置した位置を前記ワイパー部材の摺擦開始位置とし、前記ワイパー部材を該摺擦開始位置からそれぞれ前記マルチヘッドユニットの前記中心線に向けて同時に平行移動させることにより、対応する前記記録ヘッドの前記インク吐出面を前記インク吐出口の配列方向と直交する方向に沿って摺擦させることを特徴とするマルチヘッドユニットのワイピング方法である。
請求項13記載の発明は、隣接する前記記録ヘッドに対応する前記各ワイパー部材をそれぞれ別体に取り付けると共に、両端部にそれぞれ突設するガイドピンを有する2つの取り付け台と、
前記各取り付け台の両端部に設けられ、前記ワイパー部材の移動方向に沿う横長状のガイド孔を有すると共に、前記取り付け台の前記ガイドピンを前記ガイド孔に係合させることで、前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って移動可能に取り付けるガイド板と、
前記各取り付け台の前記各ガイドピンに一端がそれぞれ回転可能に取り付けられ、他端が前記取り付け台の長さ方向に沿って延びる1本の共通の軸に回転可能に取り付けられたアームと、
前記軸と当接するカム面を備え、前記軸を該カム面に沿って案内することにより上下動させる偏芯カムと、
前記軸を前記カム面に当接するように付勢するバネと、を備え、
前記偏芯カムを回転させることにより、前記軸を前記カム面に沿って案内して下降させ、該軸に他端が取り付けられた前記各アームの一端によって前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って互いに近接する方向にそれぞれ平行移動させることを特徴とする請求項12記載のマルチヘッドユニットのワイピング方法である。
請求項14記載の発明は、前記ワイパー部材による摺擦動作時に前記マルチヘッドユニットの前記中心線上もしくはその近傍位置にインク遮蔽部材を配置させ、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材から飛散するインクを受け止めることを特徴とする請求項12又は13記載のマルチヘッドユニットのワイピング方法である。
請求項15記載の発明は、前記ワイパー部材による摺擦動作時に前記マルチヘッドユニットに平行にインク擦り取り部材を配置させ、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材と接触することで該ワイパー部材に付着したインクを擦り取ることを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載のマルチヘッドユニットのワイピング方法である。
請求項16記載の発明は、前記ワイパー部材による摺擦動作時に前記マルチヘッドユニットに平行にインク吸収部材を配置させ、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材と接触させることで該ワイパー部材に付着したインクを吸収することを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載のマルチヘッドユニットのワイピング方法である。
本発明によれば、ワイパー部材の各々は、1つのマルチヘッドユニットを構成する1つの記録ヘッドのインク吐出面を摺擦する幅しかないため、ワイパー部材の長尺化による変形や歪みによるワイピング機能の低下は生じない。
また、1枚のワイパー部材は1つの記録ヘッドのインク吐出面にしか接触しないため、1つの記録ヘッドを摺擦し終えたワイパー部材が他の記録ヘッドにも接触することでスジ状にインクを残留させるような問題も生じない。しかも、1つのワイパー部材が1度の摺擦動作によって拭き取るインク量も少なくて済むため、インク残りの発生を抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の一例を示す概略図である。図中、1は4つのマルチヘッドユニット10が配置されたマルチヘッドユニット群、2は各マルチヘッドユニット10を取り付け支持している支持基板、3は支持基板2に嵌挿され、図示しない移動手段によってマルチヘッドユニット群1を図示左右方向に平行移動させる際のガイドをなすガイド棒、4は被記録材Sを搬送する搬送機構、5は各マルチヘッドユニット10に対応するワイパー部材51を備えたメンテナンスユニットである。
搬送機構4は、図示しない駆動手段によって回転する平行に配置された2本の搬送ローラ41、41間に搬送ベルト42が掛け渡されて構成されている。搬送ベルト42の上は、マルチヘッドユニット群1から吐出されるインクによる被記録材Sの記録位置であり、搬送ベルト42上に載置された被記録材Sを図中の矢印方向に沿って搬送する。
マルチヘッドユニット群1を構成する各マルチヘッドユニット10は、被記録材Sの幅方向に亘る長さを有し、被記録材Sの幅一杯に亘って一度に記録を行うことのできる長尺なフルラインマルチアレイタイプのヘッドユニットである。マルチヘッドユニット群1は、記録時は搬送ベルト42の上方に停止しており、搬送ベルト42によって所定の速度で搬送される被記録材Sに向けてインクを吐出することで被記録材Sの幅一杯に記録を行い、記録終了後等の所定のタイミングでガイド棒3に沿って図中左方向に移動し、メンテナンスユニット5の上方で停止することで、メンテナンスユニット5に備えられたワイパー部材51によってワイピングが行われるようになっている。
次に、マルチヘッドユニット10について説明する。マルチヘッドユニット群1中の各マルチヘッドユニット10は同一構成であるため、そのうちの1つのマルチヘッドユニット10について説明する。図2はマルチヘッドユニット10をインク吐出面側から見た図、図3は図2の(iii)−(iii)線に沿う断面図である。
マルチヘッドユニット10は、複数の記録ヘッド11(11A・・・、11B・・・)によって構成されている。各記録ヘッド11は、それぞれ被記録材S上の記録幅よりも短尺であり、被記録材Sに対向するインク吐出面11aには多数のインク吐出口11bが配列されている。これら記録ヘッド11は、支持基板2に設けられた取り付け穴21に、インク吐出口11bの配列方向に沿って千鳥状となるように取り付けられ、記録幅が被記録材Sの幅一杯に亘るように長尺に形成されている。
各記録ヘッド11のインク吐出口11bは、それぞれ複数列形成され、且つ各インク吐出口11bの列はピッチがずれて配列されている。図示例では1つの記録ヘッド11に2列のインク吐出口11bが配列されているが、3列以上であってもよい。
また、隣接する記録ヘッド11Aと11Bは、被記録材Sの搬送方向に沿うA方向から見て、その端部同士がオーバーラップしており、同方向からみた各記録ヘッド11のインク吐出口11bの配列ピッチが、マルチヘッドユニット10の全長に亘って全て等ピッチとなるように配置されている。従って、上記したように各記録ヘッド11のインク吐出口11bがピッチをずらした複数列からなることと併せて、被記録材Sの幅一杯に亘ってドット間を埋めることができ、フルラインの記録が行えるようになっている。
1つのマルチヘッドユニット10を構成する記録ヘッド11の数は2個以上であれば特に限定されず、被記録材Sの記録幅、各記録ヘッド11の大きさに応じて決定される。
図2において二点鎖線で示される線Xは、記録ヘッド11のインク吐出口11bの配列方向に沿うマルチヘッドユニット10の中心線である。本発明においてこの中心線Xは、マルチヘッドユニット10を記録ヘッド11のインク吐出面11a側から見て、各記録ヘッド11のインク吐出口11bの配列方向と平行で、且つ、隣接する記録ヘッド11Aと11Bの間の中央を通る線として定義される。マルチヘッドユニット10は、この中心線Xに沿って、その一方側の記録ヘッド11Aと他方側の記録ヘッド11Bとをそれぞれ交互に千鳥状に配置させることで、インク吐出口11bが被記録材Sの幅一杯に亘って配列される。
マルチヘッドユニット10を構成する各記録ヘッド11は、そのインク吐出面11aが、図3に示すように、支持基板2の下面よりも突出するように設けられている。更に、隣接する記録ヘッド11Aと11Bの間には、僅かに間隙が設けられているため、隣接する記録ヘッド11Aと11Bの間に、中心線Xに沿ってインク吐出面11aよりも奥側(インクの吐出方向と反対側)に窪んだ凹部12が形成されている。
このようにして構成されるマルチヘッドユニット10は、一般に、図1に示すように、インク吐出口11bの配列方向が被記録材Sの搬送方向と直交するように、共通の支持基板2に複数平行に設けられる。図1では4つのマルチヘッドユニット10が、被記録材Sの搬送方向に沿って平行に配置されてマルチヘッドユニット群1を構成しており、これら4つのマルチヘッドユニット10によってY、M、C、Kの各色のインクを吐出するようになっている。記録時、各マルチヘッドユニット10は、搬送ベルト42によって所定速度で搬送される被記録材Sに向けて所定のタイミングでインクを吐出することにより、被記録材Sの幅一杯に亘って所定の記録が行われる。
被記録材Sに記録を行った後、マルチヘッドユニット10は、所定のタイミングで支持基板2がガイド棒3に沿ってメンテナンスユニット5の上方まで移動することにより、メンテナンスユニット5に設けられたワイパー部材51によって、各記録ヘッド11のインク吐出面11aがワイピングされる。
ワイパー部材51は、ゴム等の弾性体によって、1つの記録ヘッド11のインク吐出口11bの配列方向に沿う長さとほぼ同一の幅を有する薄い板状に形成されており、マルチヘッドユニット10を構成する記録ヘッド11と同数が、記録ヘッド11と同様に千鳥状となるようにメンテナンスユニット5に設けられている。1つのマルチヘッドユニット10に対応するワイパー部材51の組は、マルチヘッドユニット群1を構成するマルチヘッドユニット10の数と同数設けられている。
ここで、ワイパー部材51によるワイピングの第1の態様について説明する。
本発明においてワイパー部材51によるワイピングの第1の態様は、インク吐出口11bの配列方向に沿うマルチヘッドユニット10の中心線Xの近傍位置をワイパー部材51の摺擦開始位置とし、ワイパー部材51を該摺擦開始位置からそれぞれマルチヘッドユニット10の側方に向けて移動させることにより、対応する記録ヘッド11のインク吐出面11aをインク吐出口11bの配列方向と直交する方向に沿って摺擦させることである。
図4は、この第1の態様を実施する場合のワイパー部材51と記録ヘッド11との配置関係を示している。図4(a)は平面図、図4(b)はマルチヘッドユニット10をインク吐出口11bの配列方向から見た図、図5はワイパー部材51(51A・・・、51B・・・)によるワイピング動作を説明する図である。
なお、51Aは記録ヘッド11Aをワイピングするワイパー部材であり、51Bは記録ヘッド11Bをワイピングするワイパー部材である。
マルチヘッドユニット群1がガイド棒3に沿ってメンテナンスユニット5の上方まで移動してワイピングを行うために待機している摺擦開始前の状態の時、各ワイパー部材51A、51Bは、図4(a)(b)に示すように、隣接する記録ヘッド11Aと11Bの間のマルチヘッドユニット10の中心線Xの近傍位置に、該中心線Xに沿うように位置している。
ワイピング動作は、まず、この摺擦開始前の状態から、マルチヘッドユニット群1とワイパー部材51A、51Bとを互いに近づく方向に向けて相対的に移動させる(図5(a))。この相対的な移動は、メンテナンスユニット5を固定させ、マルチヘッドユニット群1がワイパー部材51A、51Bに向けて下降するようにしてもよいし、マルチヘッドユニット群1を固定させ、メンテナンスユニット5又はワイパー部材51A、51Bがマルチヘッドユニット群1に向けて上昇するようにしてもよいし、両者が共に下降及び上昇するようにしてもよい。図5では、ワイパー部材51A、51Bがマルチヘッドユニット10に対して上昇する場合の動作を示している。
マルチヘッドユニット10には、隣接する記録ヘッド11Aと11Bの間の中心線Xに沿って凹部12が形成されているため、ワイパー部材51A、51Bがマルチヘッドユニット10に対して上昇した際、各ワイパー部材51A、51Bの先端を、各記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aよりも更に奥側の凹部12内に配置させることができる(図5(b))。この位置はワイパー部材51A、51Bの摺擦開始位置である。
その後、この摺擦開始位置から、対応する記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aを摺擦するために、ワイパー部材51Aと51Bをそれぞれマルチヘッドユニット10の側方に向けて互いに反対方向に平行移動させる(図5(c))。このワイパー部材51A、51Bの移動により、ワイパー部材51A、51Bの先端は、対応する記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aに弾性的に当接し、インク吐出口11bの配列方向と直交する方向に沿って該インク吐出面11aを移動しながら摺擦することで、インク吐出面11aに付着しているインクを拭き取っていく。
インク吐出面11aは支持基板2よりも突出しているため、各ワイパー部材51A、51Bが、対応する記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aを通過すると、記録ヘッド11A、11Bから離れる際に弾性的に復元する(図5(d))。このとき、ワイパー部材51A、51Bに付着しているインクが飛散するが、ワイパー部材51A、51Bの復元方向は、マルチヘッドユニット10の外側であるため、飛散したインクがマルチヘッドユニット10中の他の記録ヘッド11A、11Bに再び付着して汚染することはない。
また、ワイパー部材51A、51Bの先端は、摺擦開始位置において、凹部12内に配置させることができるため、摺擦開始当初からワイパー部材51A、51Bの先端でインク吐出面10aを摺擦することができ、インク吐出面10aの全面に亘ってインクの拭き残しや残留の発生はない。
ワイパー部材51A、51Bがそれぞれ対応する記録ヘッド11A、11Bの各インク吐出面11aを通過すると、各ワイパー部材51A、51Bはそれぞれ対応する記録ヘッド11A、11Bを挟んでマルチヘッドユニット10の中心線Xと反対側に位置する。この位置はワイパー部材51A、51Bの摺擦終了位置である。ワイパー部材51A、51Bが摺擦を終了した後は、マルチヘッドユニット10とワイパー部材51A、51Bとは互いに離れ、図5(a)の状態に戻ってワイピング動作を終了する。
図1に示すように、マルチヘッドユニット10が複数平行に配置されてマルチヘッドユニット群1を構成している場合は、摺擦終了後にワイパー部材51A、51Bの弾性的な復元によって飛散したインクが、隣接するマルチヘッドユニット10に付着することのないよう、1つのマルチヘッドユニット10の両側方に、図6に示すように、ワイパー部材51A、51Bから飛散するインクを受け止めるインク遮蔽部材52を設けることが好ましい。
インク遮蔽部材52は、復元時にワイパー部材51A、51Bから飛散するインクを受け止め、好ましくは、受け止めたインクを吸収できる材料によって板状に形成される。このような材料としては、布、フェルト、発泡合成樹脂からなる多孔質材料等が挙げられる。
インク遮蔽部材52の大きさは、各ワイパー部材51A、51Bとほぼ同程度の大きさとし、それを対応するワイパー部材51A、51Bの摺擦終了位置の近傍にそれぞれ個別に配置させることもできるが、マルチヘッドユニット10の長さとほぼ同程度の長さに形成し、それをマルチヘッドユニット10の長さ方向に沿って平行に配置すると、インクを遮蔽する面積が大きくなってインクの遮蔽効果が高くなる。しかも、図6に示すように、隣接するマルチヘッドユニット10、10の間に共通して1枚のインク遮蔽部材52を配置すればよいため、部品点数が少なくて済む。
インク遮蔽部材52の先端位置は、ワイパー部材51A、51Bと同時に上昇した際、ワイパー部材51A、51Bの先端位置よりも若干高くなるように、記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aよりも奥側に配置される。これにより、ワイパー部材51A、51Bから斜め上方に飛散したインクも受け止めることができる。
なお、図6に示す両端のインク遮蔽部材52、52は、他のマルチヘッドユニット10へのインクの飛散のおそれはないため必ずしも必要ではないが、装置内部へのインクの飛散による汚染の防止に有効である。
次に、ワイパー部材51によるワイピングの第2の態様について説明する。
本発明においてワイパー部材51によるワイピングの第2の態様は、各々対応する記録ヘッド11を挟んで、インク吐出口11bの配列方向に沿うマルチヘッドユニット10の中心線Xと反対側をワイパー部材51の摺擦開始位置とし、ワイパー部材51を該摺擦開始位置からそれぞれマルチヘッドユニット10の中心線Xに向けて移動させることにより、対応する記録ヘッド11のインク吐出面11aをインク吐出口11bの配列方向と直交する方向に沿って摺擦させることである。
図7は、この第2の態様を実施する場合のワイパー部材51A、51B、好ましく設けられるインク遮蔽部材52及び記録ヘッド11A、11Bの配置関係を示している。図7(a)は平面図、図7(b)は各記録ヘッド11A、11Bのインク吐出口11bの配列方向から見た図、図8はワイパー部材51A、51Bによるワイピング動作を説明する図である。第1の態様と同一部品については同一符号を付してあるため、それらの詳細な説明は省略する。
マルチヘッドユニット群1がガイド棒3に沿ってメンテナンスユニット5の上方まで移動してワイピングを行うために待機している摺擦開始前の状態の時、各ワイパー部材51A、51Bは、図7(a)(b)に示すように、対応する記録ヘッド11A、11Bを挟んで、マルチヘッドユニット10の中心線Xとはそれぞれ反対側のマルチヘッドユニット10の外側に位置している。また、好ましく設けられるインク遮蔽部材52は、マルチヘッドユニット10とほぼ同程度の長さを有しており、1つのマルチヘッドユニット10に対して1枚が、マルチヘッドユニット10の中心線X上もしくはその近傍位置のワイパー部材51Aと51Bとの間に位置している。
ワイピング動作は、まず、この摺擦開始前の状態から、マルチヘッドユニット群1とワイパー部材51A、51B及びインク遮蔽部材52とを互いに近づく方向に向けて相対的に移動させる(図8(a))。この相対的な移動は、メンテナンスユニット5を固定させ、マルチヘッドユニット群1がワイパー部材51A、51B及びインク遮蔽部材52に向けて下降するようにしてもよいし、マルチヘッドユニット群1を固定させ、メンテナンスユニット5又はワイパー部材51A、51Bとインク遮蔽部材52とがマルチヘッドユニット群1に向けて上昇するようにしてもよいし、両者が共に下降及び上昇するようにしてもよい。図8では、ワイパー部材51A、51B及びインク遮蔽部材52がマルチヘッドユニット10に対して上昇する場合の動作を示している。
マルチヘッドユニット1には、中心線Xに沿って凹部12が形成されているため、ワイパー部材51A、51B及びインク遮蔽部材52がマルチヘッドユニット10に対して上昇した際、各ワイパー部材51A、51Bの先端を、各記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aよりも更に奥側に配置させることができると共に、インク遮蔽部材52の先端も凹部12内に配置させることができる(図8(b))。この位置はワイパー部材51A、51Bの摺擦開始位置である。
その後、この摺擦開始位置から、各ワイパー部材51A、51Bを、対応する記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aを摺擦するために、それぞれマルチヘッドユニット10の中心線X側に向けて平行移動させる(図8(c))。このワイパー部材51A、51Bの移動により、ワイパー部材51A、51Bの先端は、対応する記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aに弾性的に当接し、インク吐出口11bの配列方向と直交する方向に沿って該インク吐出面11aを移動しながら摺擦することで、インク吐出面11aに付着しているインクを拭き取っていく。
各ワイパー部材51A、51Bが、対応する記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aを通過すると、その先端は対応する記録ヘッド11A、11Bから離れる際に弾性的に復元する(図8(d))。このとき、ワイパー部材51A、51Bに付着しているインクが飛散するが、ワイパー部材51A、51Bの復元方向には、隣接する記録ヘッド11B、11Aのインク吐出面11aを同様に摺擦し終えたばかりの他のワイパー部材51B、51Aが配置しているため、これらワイパー部材51B、51Aに邪魔されて、飛散したインクが記録ヘッド11B、11Aのインク吐出面11aに付着するおそれは少ない。しかも、インクはマルチヘッドユニット群1中の他のマルチヘッドユニット10の方向には飛散しない。
また、図示する態様のように、ワイパー部材51A、51Bの復元方向にインク遮蔽部材52を配置すれば、飛散したインクはこのインク遮蔽部材52によって受け止められるので、記録ヘッド11A、11Bの汚染防止効果はより向上する。更に、この態様では、インク遮蔽部材52を設ける場合でも、1つのマルチヘッドユニット10に対して1枚でよく、部品点数も少なくて済む。
このインク遮蔽部材52は、インク吸収能を有する材料からなるものであると、摺擦終了後のワイパー部材51A、51Bのインク摺擦面を、インク遮蔽部材52と接触させることで、インク摺擦面に付着したインクを吸収して除去することも可能である。
また、摺擦終了後にインク吐出面11aから離れたワイパー部材51A、51Bの先端は、凹部12内に配置させることができるため、摺擦開始当初から摺擦終了までワイパー部材51A、51Bの先端でインク吐出面11aを摺擦することができ、インク吐出面11aの全面に亘ってインクの拭き残しの発生がない。
同様に、インク遮蔽部材52の先端位置は、ワイパー部材51A、51Bと同時に上昇した際、ワイパー部材51A、51Bの先端位置よりも若干高くなるように、凹部12内に配置させることができるため、ワイパー部材51A、51Bから斜め上方に飛散したインクも受け止めることができる。
ワイパー部材51A、51Bがそれぞれ対応する記録ヘッド11A、11Bの各インク吐出面11aを通過すると、各ワイパー部材51A、51Bはそれぞれマルチヘッドユニット10の中心線Xの近傍に互いに近接して位置する。この位置はワイパー部材51A、51Bの摺擦終了位置である。ワイパー部材51A、51Bが摺擦を終了した後は、マルチヘッドユニット10とワイパー部材51A、51B及びインク遮蔽部材52は互いに離れ、図8(a)の状態に戻ってワイピングを終了する。
次に、ワイパー部材51によるワイピングの第3の態様について説明する。
本発明においてワイパー部材51によるワイピングの第3の態様は、インク吐出口11bの配列方向に沿うマルチヘッドユニット10の中心線Xの近傍位置を摺擦開始位置とするワイパー部材51と、記録ヘッド11を挟んでマルチヘッドユニット10の中心線Xと反対側を摺擦開始位置とするワイパー部材51とを交互に配置させ、各ワイパー部材51を摺擦開始位置から同一方向に移動させることにより、対応する記録ヘッド11のインク吐出面11aをインク吐出口11bの配列方向と直交する方向に沿って摺擦させることである。
図9は、この第3の態様を実施する場合のワイパー部材51、好ましく設けられるインク遮蔽部材52及び記録ヘッド11の配置関係を示している。図9(a)は平面図、図9(b)は各記録ヘッド11のインク吐出口11bの配列方向から見た図、図10はワイパー部材51によるワイピング動作を説明する図である。第1の態様と同一部品については同一符号を付してあるため、それらの詳細な説明は省略する。
なお、この第3の態様において、52Aはワイパー部材51Aから飛散するインクを受け止めるインク遮蔽部材であり、52Bはワイパー部材51Bから飛散するインクを受け止めるインク遮蔽部材である。
マルチヘッドユニット群1がガイド棒3に沿ってメンテナンスユニット5の上方まで移動してワイピングを行うために待機している摺擦開始前の状態の時、図9(a)(b)に示すように、記録ヘッド11Aに対応するワイパー部材51Aは、記録ヘッド11Aを挟んでマルチヘッドユニット10の中心線Xと反対側に配置し、記録ヘッド11Bに対応するワイパー部材51Bは、マルチヘッドユニット10の中心線Xの近傍位置に配置されている。
また、ワイパー部材51Aに対応して好ましく設けられるインク遮蔽部材52Aは、マルチヘッドユニット10における全ての記録ヘッド11Aの配列長さとほぼ同程度の長さを有しており、ワイパー部材51Aの全てから飛散するインクを1枚で受け止めるように、マルチヘッドユニット10の中心線X上もしくはその近傍位置に配置されている。また、ワイパー部材51Bに対応して好ましく設けられるインク遮蔽部材52Bは、マルチヘッドユニット10における全ての記録ヘッド11Bの配列長さとほぼ同程度の長さを有しており、ワイパー部材51Bの全てから飛散するインクを1枚で受け止めるように、記録ヘッド11Bを挟んでマルチヘッドユニット10の中心線Xと反対側のマルチヘッドユニット10の側方に配置されている。図示する態様では、各インク遮蔽部材52A、52Bはそれぞれ1枚からなるため、それらをワイパー部材51A、51Bと同程度の大きさとして、それを対応するワイパー部材51A、51B毎に配置する場合に比べて、インクを遮蔽する面積が大きくなってインクの遮蔽効果が高いと共に、部品点数も少なくて済む。
ワイピング動作は、まず、この摺擦開始前の状態から、マルチヘッドユニット群1とワイパー部材51A、51B及びインク遮蔽部材52A、52Bとを互いに近づく方向に向けて相対的に移動させる(図10(a))。この相対的な移動は、メンテナンスユニット5を固定させ、マルチヘッドユニット群1がワイパー部材51及びインク遮蔽部材52に向けて下降するようにしてもよいし、マルチヘッドユニット群1を固定させ、メンテナンスユニット5又はワイパー部材51A、51Bとインク遮蔽部材52A、52Bとがマルチヘッドユニット群1に向けて上昇するようにしてもよいし、両者が共に下降及び上昇するようにしてもよい。図10では、ワイパー部材51A、51B及びインク遮蔽部材52A、52Bがマルチヘッドユニット10に対して上昇する場合の動作を示している。
マルチヘッドユニット10には、中心線Xに沿って凹部12が形成されているため、ワイパー部材51A、51B及びインク遮蔽部材52A、52Bがマルチヘッドユニット10に対して上昇した際、ワイパー部材51A及びインク遮蔽部材52Bの先端は、記録ヘッド11Aのインク吐出面11aよりも更に奥側に配置させることができると共に、ワイパー部材51B及びインク遮蔽部材52Aの先端は、凹部12内に配置させることができる(図10(b))。この位置はワイパー部材51A、51Bの摺擦開始位置である。
その後、この摺擦開始位置から、各ワイパー部材51A、51Bを、それぞれ対応する記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aを摺擦するために、同一方向に向けて平行移動させる(図10(c))。すなわち、ワイパー部材51Aは中心線Xに向けて移動させ、ワイパー部材51Bはマルチヘッドユニット10の側方に向けて移動させる。このワイパー部材51A、51Bの移動により、ワイパー部材51A、51Bの先端は、対応する記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aに弾性的に当接し、インク吐出口11bの配列方向と直交する方向に沿って該インク吐出面11aを移動しながら摺擦することで、インク吐出面11aに付着しているインクを拭き取っていく。
この第3の態様によるワイパー部材51A、51Bのワイピング動作は、全て同一方向であるため、ワイパー部材51A、51Bを一体に移動させることができる。従って、第1の態様や第2の態様に比べてメンテナンスユニット5の機構を簡単なものにすることができる。
各ワイパー部材51A、51Bが、対応する記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aを通過すると、その先端は記録ヘッド11A、11Bから離れる際に弾性的に復元する(図10(d))。図示する態様のように、ワイパー部材51Aの復元方向にインク遮蔽部材52Aを配置しておけば、ワイパー部材51Aに付着しているインクが飛散しても、このインク遮蔽部材52Aによって受け止められ、隣接する記録ヘッド11Bに付着して汚染することはない。
ワイパー部材51Bの復元方向はマルチヘッドユニット10の側方であるため、飛散したインクがマルチヘッドユニット10中の他の記録ヘッドに付着することはないが、インク遮蔽部材52Bを配置しておくことは、隣接するマルチヘッドユニット10や装置内部にインクが飛散することを防止することができるために好ましい。
また、ワイパー部材51Aの先端は、摺擦開始位置において、記録ヘッド11Aのインク吐出面11aよりも奥側に位置させることができ、また、ワイパー部材51Bの先端は、凹部12内に配置させることができるため、摺擦開始当初から摺擦終了までワイパー部材51の先端でインク吐出面11aを摺擦することができ、インク吐出面11aの全面に亘ってインクの拭き残しの発生がない。
同様に、インク遮蔽部材52Aの先端は凹部12内に配置させることができ、インク遮蔽部材52Bの先端は記録ヘッド11Bのインク吐出面11aよりも奥側に配置させることができ、その先端位置がワイパー部材51A、51Bの先端位置よりも若干高い位置にあるため、ワイパー部材51A、51Bから斜め上方に飛散したインクも受け止めることができる。
ワイパー部材51A、51Bがそれぞれ対応する記録ヘッド11A、11Bの各インク吐出面11aを通過すると、ワイパー部材51Aはマルチヘッドユニット10の中心線Xの近傍に位置し、ワイパー部材51Bは対応する記録ヘッド11Bを挟んでマルチヘッドユニット10の中心線Xと反対側に位置する。この位置はそれぞれワイパー部材51A、51Bの摺擦終了位置である。ワイパー部材51A、51Bがそれぞれ対応する記録ヘッド11A、11Bの摺擦を終了した後は、マルチヘッドユニット10とワイパー部材51A、51B及びインク遮蔽部材52A、52Bは互いに離れ、図10(a)の状態に戻ってワイピングを終了する。
以上説明したいずれの態様も、ワイパー部材51の各々は、1つのマルチヘッドユニット10を構成する1つの記録ヘッド11のインク吐出面11aを摺擦する幅しかないため、ワイパー部材の長尺化による変形や歪みによるワイピング機能の低下は生じない。
また、1枚のワイパー部材51は1つの記録ヘッド11のインク吐出面11aにしか接触しないため、1つの記録ヘッドを摺擦し終えたワイパー部材が他の記録ヘッドにも接触することでスジ状にインクを残留させるようなマルチヘッドユニットに特有の問題も生じない。しかも、1つのワイパー部材51が1度の摺擦動作によって拭き取るインク量も少なくて済むため、インク残りの発生を抑えることができる。
ワイパー部材51の摺擦後にインクが飛散する場合、飛散方向には記録ヘッド11がないか、又は、図示したようにインク遮蔽部材52を設けることで、飛散したインクの付着による記録ヘッド11や装置内部の汚染を防止することができる。従って、インクの飛散を防止するためにワイピング速度を変更制御したり、インク吐出面11aとのかかわり合い量を変更制御するような複雑な制御や機構も必要なく、低コストで信頼性の高いワイピングを行うことができる。
以上の各態様においては、各記録ヘッド11のインク吐出面11aを摺擦した後の各ワイパー部材51に付着したインクを擦り取ることにより除去するため、インク擦り取り部材を設けることが好ましい。
図11は、第1の態様においてインク擦り取り部材53(53A、53B)を設けた場合を示している。
図中、53Aはワイパー部材51Aに付着しているインクを擦り取るインク擦り取り部材であり、53Bはワイパー部材51Bに付着しているインクを擦り取るインク擦り取り部材である。
各インク擦り取り部材53A、53Bは、合成樹脂、金属等の適宜の材料によって板状に形成され、摺擦終了後にインク吐出面11aから離れた後のワイパー部材51A、51Bと当接するように、マルチヘッドユニット10と平行に配置されている。インク擦り取り部材53A、53Bは、対応するワイパー部材51A又は51Bの全てに同時に当接可能な長さに形成すると、2つ設けるだけで済むため、対応するワイパー部材51A、51Bの枚数毎に個別に設ける場合に比べて部品点数を少なくできる。
ワイパー部材51A、51Bによる摺擦時、ワイパー部材51A、51Bと当接する各インク擦り取り部材53A、53Bの下端は、インク吐出面11aと同一か、又は、若干下方となるように配置される(図11(a))。
そして、ワイパー部材51A、51Bがインク吐出面11aの摺擦を終了して、インク吐出面11aから離れた後に、各インク擦り取り部材53A、53Bは、それらワイパー部材51A、51Bの先端側のインク摺擦面に当接し、更にワイパー部材51A、51Bが平行移動するに伴って、該ワイパー部材51A、51Bに付着しているインクを擦り取る(図11(b))。
その後、ワイパー部材51A、51Bがインク擦り取り部材53A、53Bを通過して弾性的に復元した際に飛散したインクは、インク遮蔽部材52を配置することによって受け止め、隣接するマルチヘッドユニット10や装置内部の汚染を防止することができる。
このようなインク擦り取り部材53A、53Bは、第2の態様及び第3の態様においても、ワイパー部材51A、51Bがインク吐出面11aを摺擦した後、該インク吐出面11aから離れた後に当接するように配置することができる。
また、以上説明した第1の態様、第2の態様及び第3の態様において、各記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aを摺擦した後の各ワイパー部材51A、51Bに付着したインクを吸収することにより除去するため、インク吸収部材を設けることも好ましい。
図12は、第1の態様において上記したインク擦り取り部材53とインク吸収部材54(54A、54B)を設けた場合を示している。
図中、54Aはワイパー部材51Aに付着しているインクを吸収するインク吸収部材であり、54Bはワイパー部材51Bに付着しているインクを吸収するインク吸収部材である。
各インク吸収部材54A、54Bは、インクを吸収可能な材料によって平板状に形成されている。このような材料としては、布、フェルト、発泡合成樹脂からなる多孔質材料等が挙げられるが、中でも、インク吸収能に優れるため多孔質材料が好ましい。
インク吸収部材54A、54Bは、それぞれ対応するワイパー部材51A又は51Bの全てに同時に当接可能な長さに形成すると、2つ設けるだけで済むため、対応するワイパー部材51A、51Bの枚数毎に個別に設ける場合に比べて部品点数を少なくできる。
ここでは、インク擦り取り部材53A、53Bと共にインク吸収部材54A、54Bを設けた場合を示しており、各インク吸収部材54A、54Bは、ワイパー部材51A、51Bとの当接面が、摺擦時のワイパー部材51A、51Bの先端位置と同一位置であり、且つ、ワイパー部材51A、51Bの移動方向と平行となるように配置されている(図12(a))。
そして、ワイパー部材51A、51Bがインク吐出面11aの摺擦を終了し、更に図11において説明したように、各インク擦り取り部材53A、53Bによってワイパー部材51A、51Bに付着しているインクが擦り取られると、次に、ワイパー部材51A、51Bはインク擦り取り部材53A、53Bを通過して弾性的に復元した後、その先端面がインク吸収部材54A、54Bに当接しながら平行移動する。これにより、特にワイパー部材51A、51Bの先端面に付着しているインクがインク吸収部材54A、54Bによって吸収される(図12(b))。
このようなインク吸収部材54A、54Bは、第2の態様及び第3の態様においても、ワイパー部材51A、51Bがインク吐出面11aを摺擦した後、該インク吐出面11aから離れた後に当接するように配置することができる。
図12に示すように、インク擦り取り部材53とインク吸収部材54とを共に設ければ、ワイパー部材51のインク摺擦面と先端面との双方からインクを除去することができるため、ワイパー部材51のクリーニング効果を最も高めることができて好ましいが、インク吸収部材54のみを設けるようにしてもよい。
次に、上記第1の態様、第2の態様及び第3の態様において、ワイパー部材51を動作させるための動作機構について説明する。
図13は、第1の態様におけるワイパー部材51の動作機構の一例を示す概略図である。
ワイパー部材51A、51Bはそれぞれ別体の取り付け台100A、100Bの上端部に取り付けられて支持されている。取り付け台100A、100Bはそれぞれマルチヘッドユニット10の長さと同程度の長さを有している。
第1の態様、第2の態様及び第3の態様において用いられるワイパー部材51A、51Bは、図14(a)(b)に示すように、各ワイパー部材51Aの根元部同士及び各ワイパー部材51Bの根元部同士が、それぞれ連結部51aによって連結されて一体に形成されて、各ワイパー部材51Aと各ワイパー部材51Bとがそれぞれ1枚ずつとなるように形成されていることが好ましい。この根元部51a側の端部を取り付け台100A、100Bに取り付ければ、複数のワイパー部材51A、51Bの取り付けが、それぞれ1つずつの取り付け台100A、100Bで済むと共に、ワイパー部材51A及び51Bをそれぞれ一括して平行移動させることができるので、ワイピング動作の安定性が高くなる。
取り付け台100A、100Bの長さ方向の両端部にはそれぞれ3本のガイドピン101が突設されており、各ガイドピン101は、それと同数設けられているガイド孔102と係合している。各ガイド孔102は、取り付け台100A、100Bの長さ方向の両端部に立設されたガイド板(図示せず)に、ワイパー部材51A、51Bの摺擦動作時の移動方向に沿う横長状に形成されている。
各取り付け台100A、100Bの中央のガイドピン101には、それぞれアーム103の一端が回転可能に取り付けられており、各アーム103の他端は、1本の共通の軸104に回転可能に取り付けられている。軸104は取り付け台100A、100Bの長さ方向に沿って延びており、各アーム103は、取り付け台100A、100Bの他端部側にも同様に設けられている。
軸104は、バネ105によって図示下方に付勢されており、回転軸106aを中心に回転する偏芯カム106のカム面に当接している。
図13(a)は、ワイパー部材51A、51Bによってインク吐出面11aを摺擦する前の状態であり、各取り付け台100A、100Bのガイドピン101がガイド孔102の内側の端部に位置しているため、ワイパー部材51Aと51Bとが互いに近接している。
この状態から偏芯カム106が回転すると、軸104は偏芯カム106のカム面に案内され、バネ105の付勢力に反して上方に押し上げられる。軸104が上昇すると、各アーム103の一端は、図13(b)に示すように、各取り付け台100A、100Bをガイド孔102に沿って互いに反対方向に平行に移動させる。これにより各ワイパー部材51A、51Bは、互いに反対方向に平行移動し、各インク吐出面11aを摺擦することができる。
また、第2の態様におけるワイパー部材51A、51Bの動作機構も、図13と同様の動作機構により構成することができる。例えば、上記と逆に、図13(b)の状態から(a)の状態となるように動作させることで実現可能である。
図15は、第3の態様におけるワイパー部材51A、51Bの動作機構の一例を示す概略図である。
ワイパー部材51Aと51Bは同一の取り付け台200に取り付けられている。取り付け台200には、取り付け部200A、200Bがマルチヘッドユニット10の隣接する記録ヘッド11Aと11Bと同じ間隔で立設されており、各取り付け部200A、200Bの上端にそれぞれワイパー部材51A、51Bが取り付け支持されている。取り付け部200A、200Bはそれぞれマルチヘッドユニット10の長さと同程度の長さを有している。
取り付け台200はガイド棒201にスライド可能に設けられており、バネ202によって図示左方に付勢されており、取り付け台200の端部200aが回転軸203aを中心に回転する偏芯カム203のカム面に当接している。
図15(a)は、ワイパー部材51A、51Bによってインク吐出面11aを摺擦する前の状態であり、この状態から偏芯カム203が回転すると、取り付け台200は、端部200aが偏芯カム203のカム面に案内されることにより、バネ202の付勢力に反してガイド棒201に沿って図示右方に押しやられる。これにより、各取り付け部200A、200Bに取り付けられた各ワイパー部材51A、51Bは、互いの間隔を維持したまま、図15(b)に示すように、同一方向に平行移動し、各インク吐出面11aを摺擦することができる。
なお、図13及び図15に示す動作機構を有する各ワイパー部材51A、51Bをマルチヘッドユニット10に対して上昇又は下降させるには、これら動作機構全体又はメンテナンスユニット5全体を上下方向に移動させればよい。
以上説明した第1の態様、第2の態様及び第3の態様では、メンテナンスユニット5に、マルチヘッドユニット群1を構成する複数のマルチヘッドユニット10に対応するワイパー部材51を設けるようにし、全てのマルチヘッドユニット10を同時にワイピングするようにしているが、ワイパー部材51は、1つのマルチヘッドユニット10に対応する1組だけを設けるようにしてもよい。この場合、1つのマルチヘッドユニット10のワイピングの後、次に隣接するマルチヘッドユニット10をワイピングするために、メンテナンスユニット5又はマルチヘッドユニット群1を所定量移動させる必要があるが、メンテナンスユニット5の構造を簡単にすることができる。
次に、ワイパー部材によるワイピングの第4の態様について説明する。
以上説明した第1の態様、第2の態様及び第3の態様では、1つのマルチヘッドユニット10の各記録ヘッド11A、11Bに対応するワイパー部材51A、51Bによってインク吐出面11aを同時に摺擦するようにしたが、本発明における第4の態様は、各記録ヘッド11間に凹部が形成された記録ヘッド11のインク吐出面11aを個別に摺擦してインクを払拭するための少なくとも1つのワイパー部材60を、記録ヘッド11のインク吐出口11bの配列方向に沿って移動させると共に、記録ヘッド11のインク吐出面11aを個別に摺擦させることである。
図16は、この第4の態様を実施する場合のワイパー部材60とマルチヘッドユニット10の各記録ヘッド11との配置関係の概略を示す斜視図、図17は、ワイパー部材60によるワイピング動作を説明する図である。第1の態様と同一部品については同一符号を付してあるため、それらの詳細な説明は省略する。
ワイパー部材60は、ゴム等の弾性体によって、1つの記録ヘッド11のインク吐出口の配列方向と直交する幅とほぼ同一幅を有する薄い板状に形成されており、マルチヘッドユニット10の長さ方向に沿って移動可能に設けられた取り付け台70に取り付けられている。この取り付け台70は、図1に示すメンテナンスユニット5に第1の態様、第2の態様及び第3の態様に代えて設けられる。
また、取り付け台70には、ワイパー部材60とほぼ同幅のインク遮蔽部材61が上下に移動可能に設けられており、好ましい態様を示している。インク遮蔽部材61は、ワイパー部材60が弾性的に復元した際に飛散するインクを受け止め、好ましくは、受け止めたインクを吸収できる材料によって板状に形成される。このような材料としては、布、フェルト、発泡合成樹脂からなる多孔質材料等が挙げられる。
このワイパー部材60のワイピング動作は、記録ヘッド11のインク吐出面11aをインク吐出口11bの配列方向に沿って摺擦することによって行われる。
マルチヘッドユニット10は、図2及び図3と同様、各記録ヘッド11のインク吐出面11aが支持基板2(図16においては図示せず)よりも下方に突出しているため、隣接する記録ヘッド11Aと11Bとの間の凹部12の他、インク吐出口の配列方向に沿って配置される記録ヘッド11Aと11Aとの間及び記録ヘッド11Bと11Bとの間にもそれぞれ凹部13が形成されている。従って、1つの記録ヘッド11Aを摺擦するために、マルチヘッドユニット群1とワイパー部材60とを互いに近づく方向に向けて相対的に移動させると、ワイパー部材60は、記録ヘッド11Aと11Aとの間の凹部13内に位置させることができる。(図17(a))。この相対的な移動は、メンテナンスユニット5を固定させ、マルチヘッドユニット群1がワイパー部材60に向けて下降するようにしてもよいし、マルチヘッドユニット群1を固定させ、メンテナンスユニット5又はワイパー部材60がマルチヘッドユニット群1に向けて上昇するようにしてもよいし、両者が共に下降及び上昇するようにしてもよい。図17では、ワイパー部材60がマルチヘッドユニット10に対して上昇する場合の動作を示している。この位置はワイパー部材60の摺擦開始位置である。
その後、この摺擦開始位置から、取り付け台70を記録ヘッド11Aのインク吐出口11bの配列方向に沿って平行移動させる(図17(b))。この取り付け台70の移動により、ワイパー部材60の先端は、1つの記録ヘッド11Aのインク吐出面11aに弾性的に当接し、インク吐出口11bの配列方向に沿って該インク吐出面11aを移動しながら摺擦することで、インク吐出面11aに付着しているインクを拭き取っていく。
このワイパー部材60は、1つの記録ヘッド11を個別に摺擦するため、ワイパー部材の長尺化による変形や歪みによるワイピング機能の低下は生じない。
また、1つの記録ヘッド11のインク吐出口11bの配列方向に沿って摺擦するため、スジ状にインクを残留させるような問題も生じない。しかも、ワイパー部材60が1度の摺擦動作によって拭き取るインク量も少なくて済むため、インク残りの発生を抑えることができる。
ワイパー部材60が、1つの記録ヘッド11Aのインク吐出面11aを通過すると、記録ヘッド11Aから離れる際に弾性的に復元する(図7(c))。このとき、ワイパー部材60に付着しているインクが飛散する場合、ワイパー部材60が記録ヘッド11のインク吐出面11aから離れる直前に、インク遮蔽部材61の先端を凹部13内に配置されるインク遮蔽位置まで上昇させることで、ワイパー部材61から飛散したインクを受け止めることができ、飛散したインクがマルチヘッドユニット10中の他の記録ヘッド11A、11Bに再び付着して汚染することはない。従って、インクの飛散を防止するためにワイピング速度を変更制御したり、インク吐出面11aとのかかわり合い量を変更制御するような複雑な制御や機構も必要なく、低コストで信頼性の高いワイピングを行うことができる。
ワイパー部材60が1つの記録ヘッド11Aのインク吐出面11aを通過すると、ワイパー部材60の摺擦方向に配置される次の記録ヘッド11Aとの間の凹部13に位置する。この位置はワイパー部材60の摺擦終了位置である。このようにしてワイパー部材60が1つの記録ヘッド11Aの摺擦を終了した後は、インク遮蔽部材61をインク吐出面11aから退避する退避位置まで下降させた後、次に配置されている記録ヘッド11Aについて同様にしてワイピングを行う。
図16は、1つのワイパー部材60によってワイピングを行うものを示しているため、マルチヘッドユニット10内の記録ヘッド11Aを全て摺擦し終えた後は、メンテナンスユニット5又はマルチヘッドユニット群1を所定量移動させ、次に同じマルチヘッドユニット10内の記録ヘッド11Bについて、同様にワイピングを実行することになる。
また、図示しないが、取り付け台70をもう1台並設することで、1つのマルチヘッドユニット10内の記録ヘッド11Aと11Bのワイピングを並行して行うようにしてもよい。この場合は、1つのマルチヘッドユニット10のワイピング時間が短縮できる。
取り付け台70を複数のマルチヘッドユニット10に対して、1台又は2台だけ設ける場合は、メンテナンスユニット5の構造が簡単となるが、1つのマルチヘッドユニット10のワイピングの後、隣接する次のマルチヘッドユニット10のワイピングを行うために、メンテナンスユニット5又はマルチヘッドユニット群1を所定量移動させる必要がある。取り付け台70を複数の各マルチヘッドユニット10に対して1台又は2台ずつ設けるようにすると、全てのマルチヘッドユニット10のワイピングを一度に行えるようになるために好ましい。
図18は、インク遮蔽部材61を上下移動させる構造の一例を示している。インク遮蔽部材61は、取り付け台70の上面に形成された開口70aから先端側の一部が突出するように取り付け台70内に配置されており、取り付け台70内において一対の昇降ローラ71、71の間に挟みつけられている。従って、昇降ローラ71、71が図示しない駆動手段によって回転すると、ワイパー部材60の先端は、取り付け台70から上昇又は下降するように移動する。
このとき、一対の昇降ローラ71、71自体又はその外周が、フェルト、布、多孔質材料等のインク吸収能を有する材料によって構成されていると、インク遮蔽部材61が上昇又は下降するたびにインク遮蔽部材61に付着したインクをクリーニングすることができる。
また、インク遮蔽部材61自体がインク吸収能を有している場合には、上昇又は下降するたびに一対の昇降ローラ71、71によって締め付けられるようにすることで、吸収したインクを搾り出すことができ、同様にインク遮蔽部材61に付着したインクをクリーニングすることができる。
なお、図示しないが、この第4の態様の場合も、図11に示したインク擦り取り部材53及び/又は図12に示したインク吸収部材54を設け、ワイパー部材60のインク摺擦面に付着したインク及び/又はワイパー部材60の先端面に付着したインクを除去するようにしてもよい。
以上説明したマルチヘッドユニット10は、複数の記録ヘッド11を支持基板2に千鳥状に取り付けたが、図19(a)(b)に示すように、1枚の取り付け板14の両面に、記録ヘッド11Aと11Bとが千鳥状に配置されるように構成してもよい。
この場合、各記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aが取り付け板14の下端よりも突出するように取り付けることで、隣接する記録ヘッド11Aと11Bとの間の凹部12と、記録ヘッド11Aと11Aとの間及び記録ヘッド11Bと11Bとの間の凹部13を形成することができる。
なお、マルチヘッドユニット10における隣接する記録ヘッド11Aと11Bとの間の凹部12は、摺擦開始位置や摺擦終了位置においてワイパー部材51やインク遮蔽部材52の先端を収容することにより、インクの拭き残しやインクの飛散を極力なくす点で有効であるが、必ずしも設けられていなくてもよく、図20(a)に示すように、隣接する記録ヘッド11Aと11Bとが接するように支持基板2に取り付けられるようにしてもよい。また、取り付け板14を用いる場合は、図20(b)に示すように、各記録ヘッド11A、11Bのインク吐出面11aが取り付け板14の下端と同一位置となるように取り付ければよい。
また、インクジェット記録装置は、図1に示すように、マルチヘッドユニット10が並行に複数設けられることによって1つのマルチヘッドユニット群1を構成するものに限らず、1つのマルチヘッドユニット10のみが設けられるものであってもよい。
本発明に係るインクジェット記録装置の一例を示す概略図 マルチヘッドユニットをインク吐出面側から見た図 図2の(iii)−(iii)線に沿う断面図 第1の態様を実施する場合のワイパー部材と記録ヘッドとの配置関係を示す図であり、(a)は平面図、(b)はマルチヘッドユニットをインク吐出口の配列方向から見た図 (a)〜(d)はワイパー部材によるワイピング動作を説明する図 第1の態様においてインク遮蔽部材を設けた図 第2の態様を実施する場合のワイパー部材と記録ヘッドとの配置関係を示す図であり、(a)は平面図、(b)はマルチヘッドユニットをインク吐出口の配列方向から見た図 (a)〜(d)はワイパー部材によるワイピング動作を説明する図 第3の態様を実施する場合のワイパー部材と記録ヘッドとの配置関係を示す図であり、(a)は平面図、(b)はマルチヘッドユニットをインク吐出口の配列方向から見た図 (a)〜(d)はワイパー部材によるワイピング動作を説明する図 (a)〜(c)は第1の態様においてインク擦り取り部材を設けた場合のワイピング動作を説明する図 (a)(b)は第1の態様においてインク擦り取り部材とインク吸収部材を設けた場合のワイピング動作を説明する図 (a)(b)は第1の態様におけるワイパー部材の動作機構の一例を示す概略図 (a)(b)はワイパー部材の一例を示す正面図 (a)(b)は第3の態様におけるワイパー部材の動作機構の一例を示す概略図 第4の態様を実施する場合のワイパー部材とマルチヘッドユニットの各記録ヘッドとの配置関係の概略を示す斜視図 (a)〜(c)はワイパー部材によるワイピング動作を説明する図 インク遮蔽部材を上下移動させる構造の一例を示す図 (a)は他の態様に係るマルチヘッドユニットをインク吐出面側から見た図、(b)はその断面図 (a)(b)はマルチヘッドユニットの他の態様を示す断面図 (a)(b)は従来のマルチヘッドユニットにおけるワイピング動作を説明する図
符号の説明
1:マルチヘッドユニット群
10:マルチヘッドユニット
11(11A、11B):記録ヘッド
11a:インク吐出面
11b:インク吐出口
12:凹部
13:凹部
14:取り付け板
2:支持基板
21:取り付け穴
3:ガイド棒
4:搬送機構
41:搬送ローラ
42:搬送ベルト
5:メンテナンスユニット
51(51A、51B)、60:ワイパー部材
52(52A、52B)、61:インク遮蔽部材
53(53A、53B):インク擦り取り部材
54(54A、54B):インク吸収部材
S:被記録材

Claims (16)

  1. インク吐出面に多数のインク吐出口が配列された2個以上の記録ヘッドを前記インク吐出口の配列方向に沿って千鳥状に配置させてなると共に、前記インク吐出面側から見て、前記各記録ヘッドの前記インク吐出口の配列方向と平行で、且つ、隣接する前記記録ヘッドの間の中央を通る中心線に沿って、前記インク吐出面よりもインクの吐出方向と反対側に窪んだ凹部を有するマルチヘッドユニットを備え、前記インク吐出口から被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドの各々に対応し、そのインク吐出面を摺擦してインクを拭き取るためのワイパー部材と、
    記マルチヘッドユニットの前記凹部内に前記各ワイパー部材の先端が配置した位置を前記ワイパー部材の摺擦開始位置とし、隣接する前記記録ヘッドに対応する前記ワイパー部材を該摺擦開始位置からそれぞれ前記インク吐出口の配列方向と直交する方向に沿って互いに反対方向に同時に平行移動させることにより、対応する前記記録ヘッドの前記インク吐出面を前記インク吐出口の配列方向と直交する方向に沿って摺擦させる移動手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記移動手段は、
    隣接する前記記録ヘッドに対応する前記各ワイパー部材をそれぞれ別体に取り付けると共に、両端部にそれぞれ突設するガイドピンを有する2つの取り付け台と、
    前記各取り付け台の両端部に設けられ、前記ワイパー部材の移動方向に沿う横長状のガイド孔を有すると共に、前記取り付け台の前記ガイドピンを前記ガイド孔に係合させることで、前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って移動可能に取り付けるガイド板と、
    前記各取り付け台の前記各ガイドピンに一端がそれぞれ回転可能に取り付けられ、他端が前記取り付け台の長さ方向に沿って延びる1本の共通の軸に回転可能に取り付けられたアームと、
    前記軸と当接するカム面を備え、前記軸を該カム面に沿って案内することにより上下動させる偏芯カムと、
    前記軸を前記カム面に当接するように付勢するバネと、を有し、
    前記偏芯カムを回転させることにより、前記軸を前記カム面に沿って案内して上昇させ、該軸に他端が取り付けられた前記各アームの一端によって前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って互いに反対方向にそれぞれ平行移動させることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記ワイパー部材による摺擦動作時に前記マルチヘッドユニットの両側方に配置され、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材から飛散するインクを受け止めるインク遮蔽部材を有することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  4. インク吐出面に多数のインク吐出口が配列された2個以上の記録ヘッドを前記インク吐出口の配列方向に沿って千鳥状に配置させてなると共に、前記インク吐出面側から見て、前記各記録ヘッドの前記インク吐出口の配列方向と平行で、且つ、隣接する前記記録ヘッドの間の中央を通る中心線に沿って、前記インク吐出面よりもインクの吐出方向と反対側に窪んだ凹部を有するマルチヘッドユニットを備え、前記インク吐出口から被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドの各々に対応し、そのインク吐出面を摺擦してインクを拭き取るためのワイパー部材と、
    各々対応する記録ヘッドを挟んで、前記インク吐出口の配列方向に沿う前記マルチヘッドユニットの前記中心線と反対側において、前記各ワイパー部材の先端が前記インク吐出面よりもインクの吐出方向と反対側に配置した位置を前記ワイパー部材の摺擦開始位置とし、前記ワイパー部材を該摺擦開始位置からそれぞれ前記マルチヘッドユニットの前記中心線に向けて同時に平行移動させることにより、対応する前記記録ヘッドの前記インク吐出面を前記インク吐出口の配列方向と直交する方向に沿って摺擦させる移動手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 前記移動手段は、
    隣接する前記記録ヘッドに対応する前記各ワイパー部材をそれぞれ別体に取り付けると共に、両端部にそれぞれ突設するガイドピンを有する2つの取り付け台と、
    前記各取り付け台の両端部に設けられ、前記ワイパー部材の移動方向に沿う横長状のガイド孔を有すると共に、前記取り付け台の前記ガイドピンを前記ガイド孔に係合させることで、前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って移動可能に取り付けるガイド板と、
    前記各取り付け台の前記各ガイドピンに一端がそれぞれ回転可能に取り付けられ、他端が前記取り付け台の長さ方向に沿って延びる1本の共通の軸に回転可能に取り付けられたアームと、
    前記軸と当接するカム面を備え、前記軸を該カム面に沿って案内することにより上下動させる偏芯カムと、
    前記軸を前記カム面に当接するように付勢するバネと、を有し、
    前記偏芯カムを回転させることにより、前記軸を前記カム面に沿って案内して下降させ、該軸に他端が取り付けられた前記各アームの一端によって前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って互いに近接する方向にそれぞれ平行移動させることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記ワイパー部材による摺擦動作時に前記マルチヘッドユニットの前記中心線上もしくはその近傍位置に配置され、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材から飛散するインクを受け止めるインク遮蔽部材を有することを特徴とする請求項4又は5記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インク吐出面を摺擦終了後の前記ワイパー部材と接触し、該ワイパー部材に付着したインクを擦り取るためのインク擦り取り部材を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材と接触し、該ワイパー部材に付着したインクを吸収するためのインク吸収部材を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. インク吐出面に多数のインク吐出口が配列された2個以上の記録ヘッドを前記インク吐出口の配列方向に沿って千鳥状に配置させてなると共に、前記インク吐出面側から見て、前記各記録ヘッドの前記インク吐出口の配列方向と平行で、且つ、隣接する前記記録ヘッドの間の中央を通る中心線に沿って、前記インク吐出面よりもインクの吐出方向と反対側に窪んだ凹部を有するマルチヘッドユニットのワイピング方法であって、
    前記記録ヘッドのインク吐出面を摺擦してインクを拭き取るためのワイパー部材を、前記記録ヘッドの各々に対応して設け、
    記マルチヘッドユニットの前記凹部内に前記各ワイパー部材の先端が配置した位置を前記ワイパー部材の摺擦開始位置とし、隣接する前記記録ヘッドに対応する前記ワイパー部材を該摺擦開始位置からそれぞれ前記インク吐出口の配列方向と直交する方向に沿って互いに反対方向に同時に平行移動させることにより、対応する前記記録ヘッドの前記インク吐出面を前記インク吐出口の配列方向と直交する方向に沿って摺擦させることを特徴とするマルチヘッドユニットのワイピング方法。
  10. 隣接する前記記録ヘッドに対応する前記各ワイパー部材をそれぞれ別体に取り付けると共に、両端部にそれぞれ突設するガイドピンを有する2つの取り付け台と、
    前記各取り付け台の両端部に設けられ、前記ワイパー部材の移動方向に沿う横長状のガイド孔を有すると共に、前記取り付け台の前記ガイドピンを前記ガイド孔に係合させることで、前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って移動可能に取り付けるガイド板と、
    前記各取り付け台の前記各ガイドピンに一端がそれぞれ回転可能に取り付けられ、他端が前記取り付け台の長さ方向に沿って延びる1本の共通の軸に回転可能に取り付けられたアームと、
    前記軸と当接するカム面を備え、前記軸を該カム面に沿って案内することにより上下動させる偏芯カムと、
    前記軸を前記カム面に当接するように付勢するバネと、を備え、
    前記偏芯カムを回転させることにより、前記軸を前記カム面に沿って案内して上昇させ、該軸に他端が取り付けられた前記各アームの一端によって前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って互いに反対方向にそれぞれ平行移動させることを特徴とする請求項9記載のマルチヘッドユニットのワイピング方法。
  11. 前記ワイパー部材による摺擦動作時に前記マルチヘッドユニットの両側方にインク遮蔽部材を配置させ、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材から飛散するインクを受け止めることを特徴とする請求項9又は10記載のマルチヘッドユニットのワイピング方法。
  12. インク吐出面に多数のインク吐出口が配列された2個以上の記録ヘッドを前記インク吐出口の配列方向に沿って千鳥状に配置させてなると共に、前記インク吐出面側から見て、前記各記録ヘッドの前記インク吐出口の配列方向と平行で、且つ、隣接する前記記録ヘッドの間の中央を通る中心線に沿って、前記インク吐出面よりもインクの吐出方向と反対側に窪んだ凹部を有するマルチヘッドユニットのワイピング方法であって、
    前記記録ヘッドの各々に対応し、そのインク吐出面を摺擦してインクを拭き取るためのワイパー部材と、
    各々対応する記録ヘッドを挟んで、前記インク吐出口の配列方向に沿う前記マルチヘッドユニットの前記中心線と反対側において、前記各ワイパー部材の先端が前記インク吐出面よりもインクの吐出方向と反対側に配置した位置を前記ワイパー部材の摺擦開始位置とし、前記ワイパー部材を該摺擦開始位置からそれぞれ前記マルチヘッドユニットの前記中心線に向けて同時に平行移動させることにより、対応する前記記録ヘッドの前記インク吐出面を前記インク吐出口の配列方向と直交する方向に沿って摺擦させることを特徴とするマルチヘッドユニットのワイピング方法。
  13. 隣接する前記記録ヘッドに対応する前記各ワイパー部材をそれぞれ別体に取り付けると共に、両端部にそれぞれ突設するガイドピンを有する2つの取り付け台と、
    前記各取り付け台の両端部に設けられ、前記ワイパー部材の移動方向に沿う横長状のガイド孔を有すると共に、前記取り付け台の前記ガイドピンを前記ガイド孔に係合させることで、前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って移動可能に取り付けるガイド板と、
    前記各取り付け台の前記各ガイドピンに一端がそれぞれ回転可能に取り付けられ、他端が前記取り付け台の長さ方向に沿って延びる1本の共通の軸に回転可能に取り付けられたアームと、
    前記軸と当接するカム面を備え、前記軸を該カム面に沿って案内することにより上下動させる偏芯カムと、
    前記軸を前記カム面に当接するように付勢するバネと、を備え、
    前記偏芯カムを回転させることにより、前記軸を前記カム面に沿って案内して下降させ、該軸に他端が取り付けられた前記各アームの一端によって前記各取り付け台を前記ガイド孔に沿って互いに近接する方向にそれぞれ平行移動させることを特徴とする請求項12記載のマルチヘッドユニットのワイピング方法。
  14. 前記ワイパー部材による摺擦動作時に前記マルチヘッドユニットの前記中心線上もしくはその近傍位置にインク遮蔽部材を配置させ、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材から飛散するインクを受け止めることを特徴とする請求項12又は13記載のマルチヘッドユニットのワイピング方法。
  15. 前記ワイパー部材による摺擦動作時に前記マルチヘッドユニットに平行にインク擦り取り部材を配置させ、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材と接触することで該ワイパー部材に付着したインクを擦り取ることを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載のマルチヘッドユニットのワイピング方法。
  16. 前記ワイパー部材による摺擦動作時に前記マルチヘッドユニットに平行にインク吸収部材を配置させ、前記インク吐出面の摺擦終了後の前記ワイパー部材と接触させることで該ワイパー部材に付着したインクを吸収することを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載のマルチヘッドユニットのワイピング方法。
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