JP4590960B2 - 電動機駆動装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電動機駆動装置に関し、より特定的には、二次電池、電力変換器および電動機で構成された電動機駆動装置における電力変換器故障時の制御に関する。
電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)に代表される種々の機器やシステムにおいて、二次電池に蓄積された電力を電力変換器で電力変換して電動機を駆動制御するタイプの電動機駆動装置が用いられている。この種の電動機駆動装置では、電動機が正のトルクを発生する場合には、二次電池からの供給電力を源に電力変換器を介して電動機へ駆動電力が供給される一方で、電動機が負のトルクを発生する場合には、電動機の回生制動動作による発電電力が電力変換器で二次電池の充電電力に変換されて、二次電池へ供給される。すなわち、電動機の発生トルクの正・負に応じて、双方向の電力変換が実行される構成が一般的である。
ところで、上記のように構成された電動機駆動装置では、電力供給系すなわち二次電池あるいは電力変換器の異常発生時に、意図しない過大電圧の発生による回路損傷を防止することが必要である。
このような観点から、電力変換器が二次電池の出力電圧を昇圧可能な昇圧コンバータおよび当該昇圧コンバータの出力電力を交流電圧に変換するインバータを含む構成において、昇圧コンバータ故障時に昇圧コンバータをバイパスして二次電池およびインバータ間を直接接続するバイパス経路を設ける構成が開示されている(たとえば特許文献1)。このようなバイパス機構を設けることにより、昇圧コンバータ故障時にもバッテリ電力によって電動機から正のトルクを発生することができる。
あるいは、同様に電力変換器が昇圧コンバータおよびインバータを含む構成において、昇圧コンバータの故障時には、インバータを強制停止してより安全な対処を行なう技術が開示されている(たとえば特許文献2)。
さらに、同様の電力変換器の構成において、主電源遮断時、すなわちバッテリ異常時に、インバータ入側の平滑コンデンサの残留電荷を補機系で消費することによって、システム全体の耐久性を向上する技術が開示されている(たとえば特許文献3)。
また、二次電池、電動機、電動機用インバータ、発電機および発電機用インバータを含む構成において、二次電池の不具合を検出したときに、二次電池を電動機から切離すとともに、発電機用インバータの直流出力を電動機の出力変動に従動させることにより、各インバータ入側の平滑用コンデンサに過電圧充電が生じないようにする技術が開示されている(たとえば特許文献4)。
特開平2−308935号公報 特開2004−112883号公報 特開平10−191503号公報 特開2003−230269号公報
しかしながら、電気自動車やハイブリッド自動車における、いわゆる退避走行の実現のように、電動機駆動装置中で電力変換器に異常が発生した場合にも、二次電池の蓄積電力を用いて、一定の制約下で電動機の運転を継続可能な構成とすることが望ましい。以下、本明細書では、このような電動機の運転を「非常運転」と称することとする。たとえば、上記退避走行時には、通常走行は無理であっても、安全な場所まで車両を移動させるための最低限の車両駆動力を確保することが要求される。
このような観点で考えると、特許文献3および4に開示された構成では、二次電池そのものに異常が発生した場合を想定しているので、二次電池の蓄積電力を源とした電動機の非常運転を実行することができない。
また、特許文献2に開示された構成では、インバータを強制停止するため、安全確保上は好ましい構成である一方で、電動機からトルクを発生することができず非常運転を行なうことができない。
一方、特許文献1に開示された構成では、バイパス機構(特許文献1の図5におけるバイパスライン4cおよびリレーコイル4d)によって二次電池からインバータへ電力供給が可能であるため、電動機より正のトルクを発生して、非常運転を実行することが可能である。
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、昇圧チョッパ(昇圧コンバータ)の故障時に、インバータ入側の平滑コンデンサの両端の電圧が降圧されずに直流電源に供給される。したがって、電気装置(電動機)による発電量が大きい場合には、平滑コンデンサの両端に印加される電圧が高電圧になってしまう。このため、平滑コンデンサの耐電圧性能を向上させる必要があり高コスト化を招くという問題があった。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、二次電池、電力変換器および電動機で構成された電動機駆動装置において、電力変換器の故障時に、一定の制約下で電動機の運転を継続するとともに、当該電力変換器に高電圧が発生することを防止可能な構成を提供することである。
この発明による電動機駆動装置は、二次電池と、電動機と、電力変換器と、異常検出部と、第1の上下限設定手段と、第1の設定修正手段と、第2の上下限設定手段と、トルク指令値設定手段と、第2の設定修正手段とを備える。二次電池は充放電可能であり、電動機は、発生トルクが正である場合に駆動電力を消費する一方で、該発生トルクが負であるときに発電する。電力変換器は、二次電池および電動機の間に設けられ、電動機のトルク指令値に従って、二次電池の出力電力を電動機の駆動電力に変換する第1の電力変換および電動機の発電電力を二次電池への入力電力に変換する第2の電力変換を行なう。異常検出部は、電力変換器の異常を検出する。第1の上下限設定手段は、二次電池の状態に基づき、二次電池の充電許可電力および出力許可電力を決定する。第1の設定修正手段と、異常検出部によって第2の電力変換の異常が検出された場合に、二次電池の充電許可電力を零に修正する。第2の上下限設定手段は、充電許可電力および出力電力に対応させて電動機の出力トルクの下限値および上限値を算出する。トルク指令値設定手段は、電動機への出力要求に基づき、出力トルクの下限値および上限値の範囲内でトルク指令値を設定する。第2の設定修正手段は、異常検出部によって第2の電力変換の異常が検出された場合に、トルク指令値設定手段によって設定されたトルク指令値が負であるときには、トルク指令値を零に修正する。
上記電動機駆動装置によれば、電力変換器による二次電池充電のための電力変換に異常が発生した場合には、トルク指令値を零以上に制限できるので、電動機の回生発電電力が電力変換器内に蓄積されて過大電圧が発生するのを防止できる。さらに、二次電池の状態に基づく二次電池の充電許可電力および出力可能電力の範囲内で電動機のトルク指令値を適切に設定する動作を電力変換器での異常有無によらず共通化するとともに、二次電池充電のための電力変換に異常が検知された場合について、充電許可電力およびトルク指令値の強制的な修正動作を追加する制御としている。このため、電力変換器での異常有/無にそれぞれ対応して異なるトルク指令値設定を行なう構成と比較して、制御を簡素化できる。
この発明の他の構成による電動機駆動装置は、二次電池と、電動機と、電力変換器と、異常検出部と、第1の発電制限手段とを備える。二次電池は充放電可能であり、電動機は、発生トルクが正である場合に駆動電力を消費する一方で、該発生トルクが負であるときに発電する。電力変換器は、二次電池および電動機の間に設けられ、電動機のトルク指令値に従って、二次電池の出力電力を電動機の駆動電力に変換する第1の電力変換および電動機の発電電力を二次電池への入力電力に変換する第2の電力変換を行なう。異常検出部は、電力変換器の異常を検出する。第1の発電制限手段は、異常検出部によって第2の電力変換の異常が検出された場合に、電動機の発電量を所定値以下に制限する。この所定値は、電動機からの発電電力が出力される電力線に接続された電動機以外の負荷による消費電力および電動機から電力線間での発電時損失電力の少なくとも一方を考慮して設定される。
上記電動機駆動装置によれば、電力変換器による二次電池充電のための電力変換に異常が発生した場合には、トルク指令値を制限することにより、電動機の回生発電電力が電力変換器内に蓄積されて過大電圧が発生するのを防止できる。さらに、電動機からの発電電力が出力される電力線における電動機以外の負荷による消費電力および電動機から電力線までの間の発電時損失電力を考慮して、一定範囲内の発電を許可できるので、電力線に余剰発電電力が発生しない範囲で、電動機により負のトルクを発生させることができる。このため、上記電動機駆動装置が自動車に搭載された場合には、電力変換器異常時の退避走行においても、一定範囲の制動力を電動機に発揮させるとともに、装置内に高電圧が発生することを防止できる。
好ましくは、上記電動機駆動装置は、第1の上下限設定手段と、第1の設定修正手段と、第2の上下限設定手段と、トルク指令値設定手段と、第2の設定修正手段とを備える。第1の上下限設定手段は、二次電池の状態に基づき二次電池の充電許可電力および出力許可電力を決定する。第1の設定修正手段は、異常検出部によって第2の電力変換の異常が検出された場合に、二次電池の充電許可電力を零に修正する。第2の上下限設定手段は、充電許可電力および出力電力に対応して、電動機の出力トルクの下限値および上限値を算出する。トルク指令値設定手段は、電動機への出力要求に基づき、出力トルクの下限値および上限値の範囲内で電動機のトルク指令値を設定する。発電制限手段は、異常検出部によって第2の電力変換の異常が検出された場合に、トルク指令値設定手段によるトルク指令値が所定値に対応する負の所定トルク値よりも小さいときには、トルク指令値を所定トルク値に修正する。
上記電動機駆動装置においては、二次電池の状態に基づく二次電池の充電許可電力および出力可能電力の範囲内で電動機のトルク指令値を適切に設定する動作を電力変換器での異常有無によらず共通化するとともに、二次電池充電のための電力変換に異常が検知された場合について、トルク制限動作を追加する制御としている。このため、電力変換器での異常有/無にそれぞれ対応して異なるトルク指令値設定を行なう構成と比較して、制御を簡素化できる。
さらに好ましくは、この発明による電動機駆動装置は、電動機以外の動力源と、発電機と、発電量設定手段と、発電量設定修正手段と、動力源出力調整手段とをさらに備える。発電機は、動力源の出力によって発電可能であり、かつ、その発電電力が電力変換器による第2の電力変換によって二次電池へ入力されるように構成される。発電量設定手段は、二次電池の状態に応じて発電機での発電量を設定する。発電量設定修正手段は、異常検出部によって第2の電力変換の異常が検出された場合に、発電機での発電量を零に修正する。動力源出力調整手段は、発電機での発電量に応じて、動力源の出力を調整する。
上記電動機駆動装置では、電動機以外の動力源による発電機を備えた構成において、電力変換器による二次電池充電のための電力変換に異常が発生した場合には、発電機による発電を禁止するので、電動機の回生発電電力のみならず発電機による発電電力が電力変換器内に蓄積されて過大電圧が発生するのを防止できる。
あるいは、さらに好ましくは、この発明による電動機駆動装置は、電動機以外の動力源と、発電機と、発電量設定手段と、電力演算手段と、第2の発電制限手段と、動力源出力調整手段とをさらに備える。発電機は、動力源の出力によって発電可能であり、かつ、その発電電力が電力変換器による第2の電力変換によって二次電池へ入力されるように構成される。発電量設定手段は、二次電池の状態に応じて発電機での発電量を設定する。電力演算手段は、記トルク指令値に基づき、電動機での消費電力を算出する。第2の発電制限手段は、異常検出部によって第2の電力変換の異常が検出された場合に、発電機での発電量が電力演算部で算出された消費電力を超えないように制限する。動力源出力調整手段は、発電機での発電量に応じて、動力源の出力を調整する。
上記電動機駆動装置では、電動機以外の動力源による発電機を備えた構成において、電力変換器による二次電池充電のための電力変換に異常が発生した場合には、電力変換器内に余剰電力が発生しない範囲で、電動機の消費エネルギを発電機によって供給できる。したがって、電力変換器異常時の非常運転に二次電池の蓄積電力の消費を抑制できる。
また好ましくは、この発明による電動機駆動装置では、電力変換器は、二次電池からの出力電圧を昇圧するとともに、二次電池への入力電圧を降圧する双方向の昇降圧コンバータと、昇降圧コンバータによって昇圧された二次電池からの出力電圧を電動機を駆動する交流電圧に変換するとともに、電動機が発電した交流電圧を直流電圧に変換するインバータと、昇降圧コンバータおよびインバータの間に接続された平滑コンデンサとを含む。
上記電動機駆動装置においては、昇降圧コンバータを用いて電動機の駆動電圧を高電圧化できる。これにより、同一パワー出力時の電動機電流を低減できるので、電動機での電力損失を低減して高効率化を図ることができる。
特にこのような構成では、電動機駆動装置は、昇降圧コンバータの入出力電圧を検出する電圧センサーをさらに備え、異常検出部は、電圧センサーによる検出電圧に基づき、昇降圧コンバータの入出力電圧の比に関する目標値と実測値との比較によって、電力変換器における第2の電力変換の異常を検知する、異常検出部は、昇降圧コンバータの入出力電圧の比に関する、目標値と実測値との比較に基づいて、電力変換器における第2の電力変換の異常を検知する。
上記電動機駆動装置においては、昇降圧コンバータおよびインバータの電圧制御用として本質的に必要な電圧センサーからの検出電圧に基づいて、昇降圧コンバータの異常を検知できる。
この発明による電動機駆動装置によれば、二次電池、電力変換器および電動機を含む構成において、電力変換器の故障時に、一定の制約下で電動機の運転を継続するとともに、当該電力変換器に高電圧が発生することを防止できる。
以下において、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1による電動機駆動装置100は、直流電源Bと、電圧センサー10,13と、システムリレーSR1,SR2と、平滑コンデンサC1,C2と、昇降圧コンバータ12と、インバータ14と、電流センサー24と、制御装置30と、交流モータM1とを備える。
交流モータM1は、たとえば、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。あるいは、このモータはエンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。電圧センサー10は、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。
システムリレーSR1は、直流電源Bの正極端子および電力線6の間に接続され、システムリレーSR1は、直流電源Bの負極端子およびアース線5の間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からのH(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、制御装置30からのL(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。平滑コンデンサC1は、電力線6およびアース線5の間に接続される。
昇降圧コンバータ12は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。
電力用スイッチング素子Q1およびQ2は、電力線7およびアース線5の間に直列に接続される。電力用スイッチング素子Q1およびQ2のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S1およびS2によって制御される。
この発明の実施の形態において、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラトランジスタを用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置されている。
リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと電力線6の間に接続される。また、平滑コンデンサC2は、電力線7およびアース線5の間に接続される。
インバータ14は、電力線7およびアース線5の間に並列に設けられる、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。各相アームは、電力線7およびアース線5の間に直列接続されたスイッチング素子から構成される。たとえば、U相アーム15は、スイッチング素子Q3,Q4から成り、V相アーム16は、スイッチング素子Q5,Q6から成り、W相アーム17は、スイッチング素子Q7,Q8から成る。また、スイッチング素子Q3〜Q8に対して、逆並列ダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。スイッチング素子Q3〜Q8のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8によって制御される。
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成される。さらに、各相コイルの他端は、各相アーム14〜16における電力用スイッチングの中間点と接続されている。
なお、電力線6には交流モータM1以外の電力負荷110がさらに接続される。すなわち、電力負荷110は、直流電源Bの出力電圧Vb、あるいは出力電圧VbをDC/DCコンバータやインバータ等の電力変換器(図示せず)によって変換した電圧を動作電圧とする。たとえば、電力負荷110としては、エアーコンディショナー(A/C)系、パワーステアリング系、オーディオ系の回路や各種電子制御ユニット(ECU)等が含まれる。
同様に、電力線7には交流モータM1以外の電力負荷120がさらに接続される。電力負荷120は、平滑コンデンサC2に蓄積された出力電圧Vm、あるいは出力電圧VmをDC/DCコンバータやインバータ等の電力変換器(図示せず)によって変換した電圧を動作電圧とする。たとえば、昇圧された出力電圧Vmをインバータによって変換することにより、電力負荷120をAC100V出力ユニットとすることができる。
昇降圧コンバータ12は、昇圧動作時には、直流電源Bから供給された直流電圧を昇圧してインバータ14へ供給する。より具体的には、制御装置30からのスイッチング制御信号S1,S2に応答して、スイッチング素子Q1のオン期間およびQ2のオン期間が交互に設けられ、昇圧比は、これらのオン期間の比に応じたものとなる。
また、昇降圧コンバータ12は、降圧動作時には、平滑コンデンサC2を介してインバータ14から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bを充電する。より具体的には、制御装置30からのスイッチング制御信号S1,S2に応答して、スイッチング素子Q1のみがオンする期間と、スイッチング素子Q1,Q2の両方がオフする期間とが交互に設けられ、降圧比は上記オン期間のデューティー比に応じたものとなる。
平滑コンデンサC2は、昇降圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサー13は、平滑コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇降圧コンバータ12の出力電圧Vm(インバータ14への入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した出力電圧Vmを制御装置30へ出力する。
インバータ14は、モータジェネレータのトルク指令値TRが正(TR>0)の場合には、平滑コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8に応答した、スイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作により直流電圧を交流電圧に変換して正のトルクを出力するように交流モータM1を駆動する。また、インバータ14は、モータジェネレータのトルク指令値TRが零の場合(TR=0)には、スイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング動作により、直流電圧を交流電圧に変換してトルクが零になるように交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
昇降圧コンバータ12を介して、交流モータM1の駆動電圧を上昇させることにより、同一パワー出力時のモータ電流を低減できる。このため、交流モータM1の駆動時の電力損失を低減できる。
さらに、電動機駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時には、モータジェネレータのトルク指令値TRは負に設定される(TR<0)。この場合には、インバータ14は、スイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング動作により、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を平滑コンデンサC2を介して昇降圧コンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ出力する。
制御装置30は、外部に設けられた電子制御ユニット(ECU)から入力されたトルク指令値TRおよびモータ回転数MRN、電圧センサー10からの直流電圧Vb、電圧センサー13からの出力電圧Vmおよび電流センサー24からのモータ電流MCRTに基づいて、後述する方法により交流モータM1がトルク指令値TRに従ったトルクを出力するように、昇降圧コンバータ12およびインバータ14の動作を制御する。すなわち、昇降圧コンバータ12およびインバータ14を上記のように制御するためのスイッチング制御信号S1〜S8を生成して、昇降圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
昇降圧コンバータ12の昇圧動作時には、制御装置30は、平滑コンデンサC2の出力電圧Vmをフィードバック制御し、出力電圧Vmが指令された電圧指令Vdc_comになるようにスイッチング制御信号S1,S2を生成する。
また、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するようにスイッチング制御信号S3〜S8を生成してインバータ14へ出力する。これにより、インバータ14は、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇降圧コンバータ12へ供給する。
さらに、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するようにスイッチング制御信号S1,S2を生成し、昇降圧コンバータ12へ出力する。これにより、交流モータM1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
さらに、制御装置30は、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング制御するときのデューティー比、電圧センサー10からの直流電圧Vbおよび電圧センサー13からの電圧Vmに基づいて昇降圧コンバータ12が故障したか否かを判定する。そして、以下に詳細に説明するように、昇降圧コンバータ12が故障しているときには、交流モータM1のトルク指令値TRが負に設定されることがないような修正制御が行なわれる。
さらに、制御装置30は、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
図2は、制御装置30の機能ブロック図である。
図2を参照して、制御装置30に与えられるトルク指令値TRは、トルク指令値演算部200によって生成される。トルク指令値演算部200は、たとえば外部ECUの機能の一つとして設けられる。トルク指令値演算部200は、直流電源Bの充電状態を示すSOC(State of Charge)やバッテリ温度Tb、車両のアクセル開度ACCおよび速度(車速)VCRの入力を受けて、トルク指令値TRを設定する。トルク指令値演算部200によるトルク指令値設定の詳細については、後ほど詳細に説明する。
制御装置30は、モータ制御用相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変換部42と、インバータ入力電圧指令演算部50と、コンバータ用デューティー比演算部52と、コンバータ用PWM信号変換部54と、判定部56とを含む。
モータ制御用相電圧演算部40は、昇降圧コンバータ12の出力電圧Vm、すなわち、インバータ14への入力電圧を電圧センサー13から受け、交流モータM1の各相に流れるモータ電流MCRTを電流センサー24から受け、トルク指令値TRをトルク指令値演算部200から受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、トルク指令値TR、出力電圧Vmおよびモータ電流MCRTに基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。
インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果に基づいて、スイッチング制御信号S3〜S8を生成してインバータ14へ出力する。
インバータ14中のスイッチング素子Q3〜Q8がスイッチング制御信号S3〜S8に従ってスイッチング制御されることにより、モータ駆動電流、すなわち交流モータM1の各相に流す電流が制御されて、トルク指令値TRに応じたモータトルクが出力される。
一方、インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdc_comを演算し、その演算した電圧指令Vdc_comをコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。
コンバータ用デューティー比演算部52は、電圧センサー10から出力された直流電圧Vb(「バッテリ電圧Vb」とも言う。)に基づいて、電圧センサー13からの電圧Vmを、インバータ入力電圧指令演算部50から出力される最適値に設定するためのデューティー比を演算する。そして、コンバータ用デューティー比演算部52は、演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54および判定部56へ出力する。
コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューティー比に基づいて昇降圧コンバータ12のスイッチング素子Q1,Q2をオン/オフするためのスイッチング制御信号S1,S2信号を生成して昇降圧コンバータ12へ出力する。
なお、昇降圧コンバータ12の下側のスイッチング素子Q2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のスイッチング素子Q1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。したがって、上記のように、スイッチング素子Q1,Q2のデューティー比を制御することで、電力線7の電圧を直流電源Bの出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
判定部56は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの電圧Vmと、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューティー比DRと、外部ECUからの信号RGEとを受ける。そして、判定部56は、バッテリ電圧Vbにデューティー比DRを乗算し、その乗算した乗算値が電圧センサー13からの電圧Vmに一致するか否かを判定する。
乗算値が電圧Vmに一致するとき、判定部56は、昇降圧コンバータ12は正常であると判定し、異常検知フラグEMGを“0”に設定する。一方、乗算値APが電圧Vmに不一致であるとき、判定部56は、昇降圧コンバータ12は故障していると判定し、外部ECUから信号RGEを受けると異常検知フラグEMGを“1”に設定する。すなわち、判定部56は、昇降圧コンバータ12の入出力電圧に相当する、バッテリ電圧Vbおよび電圧Vmの比に関する、電圧指令Vdc_comに基づく目標値と、電圧センサー10,13からの検出電圧に基づく実測値との比較により、昇降圧コンバータ12の異常を検知する。
このような構成とすることにより、異常検知用の新たなセンサーを設けることなく、電圧制御用として必要な、電圧センサー10,13からの検出電圧に基づいて、昇降圧コンバータ12の異常を検知できる。
昇降圧コンバータ12の異常が検知されると、コンバータ用PWM信号変換部54は、異常検知フラグEMGに応答して、スイッチング素子Q1,Q2を強制的にターンオフさせるように、スイッチング制御信号S1,S2を生成する。
なお、図1に示した昇降圧コンバータ12の回路構成から理解されるように、スイッチング素子Q1,Q2が強制的なオフ状態を維持されても、ダイオードD1により直流電源Bからの出力電圧Vbを電力線7へ供給する経路を形成可能である。したがって、昇降圧コンバータ12による昇圧動作が不能であるため通常のトルク発生は困難であるものの、直流電源Bからの電力供給により交流モータM1がある程度の正トルクを出力することは可能である。このため、昇降圧コンバータ12の異常時にも、ハイブリッド自動車の退避運転のための、交流モータM1の非常運転が可能である。
この一方で、スイッチング素子Q1,Q2がオフ固定されると、電力線7から電力線6への電流経路は形成不能である。したがって、昇降圧コンバータ12の異常時には、交流モータM1による発電電力が電力線7に出力されると、この電力が蓄積されて電力線7に過大電圧が発生する危険性がある。平滑コンデンサC2の耐圧を超えて電力線2の電圧が上昇すれば、平滑コンデンサC2の損傷を招く危険性がある。
したがって、この発明の実施の形態によるモータ始動制御装置では、昇降圧コンバータ12の異常検知時に、交流モータM1によって発電が行なわれないようなトルク指令値TRを生成することによって、インバータ14の入側に配置された平滑コンデンサC2に耐圧を超えた高電圧が印加されるのを防止する。
ここで、図1および図2に示した構成と本発明の構成との対応関係を説明すると、直流電源Bがこの発明における「二次電池」に相当し、交流モータM1がこの発明における「電動機」に相当し、昇降圧コンバータ12およびインバータ14がこの発明における「電力変換器」に相当し、制御装置30の機能のうちの判定部56がこの発明における「異常検出部」に相当する。また、電力線7がこの発明における「電動機からの発電電力が出力される電力線」に相当し、電力負荷120がこの発明における「当該電力線に接続された電動機以外の負荷」に相当する。
図3は、この発明の実施の形態1による電動機駆動装置における上記のようなモータトルク指令値演算方式を説明するフローチャートである。図3に示される制御フローは、モータトルク指令値演算ルーチンとしてトルク指令値演算部200(図2)にプログラムされる。
図3を参照して、モータトルク指令値演算ルーチンでは、まず車両のアクセル開度ACCおよび車速VCRより車両要求パワーが計算され、この車両要求パワーを満足するためのモータ要求パワーが決定される(ステップS110)。たとえば、ハイブリッド車両では、エンジン出力パワーおよびモータ出力パワーの和によって車両要求パワーを確保するので、エンジン効率を優先してエンジン出力パワーを決定した後に、車両要求パワーから当該エンジン出力パワーを差し引くことによってモータ要求パワーが決定される。
さらに、ステップS100で決定されたモータ要求パワーに基づき、モータ回転数を考慮してモータ出力トルクTmが算出される(ステップS120)。なお、車両減速時等、電動機に回生制動動作が要求される場合には、モータ要求パワーおよびモータ出力トルクTmは負の値となる。
続いて、ステップS120で算出されたモータ出力トルクTmが直流電源Bの状態に照らして実現可能な範囲に収まっているかどうかが判定される。
具体的にはSOCおよびバッテリ温度Tb等のバッテリ状態より、充電許可電力Winおよび出力許可電力Woutが決定される。たとえば、SOCが管理範囲上限を超えており、バッテリへの充電が禁止される場合には、充電許可電力Winが零に設定される(ステップS130)。
ここで、図3に示した判定部56によって昇降圧コンバータが異常と判定された場合には、充電許可電力Winは、バッテリ状態にかかわらず零に修正される(ステップS140)。
具体的には、異常検知フラグEMGの参照によって昇降圧コンバータに異常が発生しているかどうかを判定するステップS142と、昇降圧コンバータの異常が検知されている場合(ステップS142におけるY判定)に、ステップS130で決定された充電許可電力Winを強制的に零に修正するステップS144とが実行される。
昇降圧コンバータに異常が発生していない場合には(ステップS142におけるN判定)、ステップS130で算出された充電許可電力Winが維持される。
次に、このようにして求められた充電許可電力Winおよび出力許可電力Woutに対応して、モータトルクの上限値Tmmaxおよび下限値Tmminが算出される(ステップS150)。なお、上限値Tmmax≧0であり、下限値Tmmin≦0である。
負側のトルクリミットであるトルク下限値Tmminは、電力線6での電力消費を考慮した下記(1)式の関係式に基づいて算出される。
Win=Tmmin×MRN+Wloss …(1)
(1)式において、Wlossは、電力変換時の電力損失や、電力線6に接続された他の電力負荷110(図1)の消費電力を示している。
上記(1)式に従ってトルク下限値Tmminを計算することにより、バッテリ状態によって直流電源Bへの充電が禁止された場合においても、余剰電力が生じない範囲で交流モータM1に発電を許可することができるので、車両全体でのエネルギ効率を向上できる。また、減速時に交流モータM1による制動力を可能な範囲で発揮できるので、よりスムーズな減速が可能となる。
次に、ステップS120で決定されたモータ出力トルクTmがステップS150で算出されたモータトルクの上限値Tmmax〜下限値Tmminの範囲を外れている場合に、モータ出力トルクTmを当該上限値および下限値の範囲内に修正する動作が実行される(ステップS160)。
具体的には、モータ出力トルクTmが正側のトルクリミットであるトルク上限値Tmmaxを超えているかどうか(Tm>Tmmax)がチェックされ(ステップS162)、モータ出力トルクTmがトルク上限値Tmmaxを超えている場合には、モータ出力トルクTm=Tmmaxに修正される(ステップS164)。
同様に、モータ出力トルクTmが負側のトルクリミットであるトルク下限値Tmminを超えているか、すなわちTm<Tmminであるかどうかがチェックされ(ステップS166)、モータ出力トルクTmが下限値Tmminよりも小さい(負側に絶対値が大きい)場合には、モータ出力トルクTmがトルク下限値Tmminに修正される(ステップS168)。
一方、モータ出力トルクTmが上限値Tmmax〜下限値Tmminの範囲内である場合には(ステップS162およびS166の両方でのN判定)、ステップS120でのモータ出力トルクTmが維持される。
さらに、昇降圧コンバータに異常が検出された場合には、交流モータM1における発電を禁止するためにモータトルク指令値TRを必要に応じて修正する(ステップS170)。
具体的には、異常検知フラグEMGの参照によって昇降圧コンバータに異常が発生しているかどうかを判定するステップS172と、昇降圧コンバータでの異常が検知される場合に(S172におけるY判定)、モータ出力トルクTmが負の値であるとき(Tm<0)には、Tm=0に修正するステップS174とが実行される。これにより、昇降圧コンバータの異常時には、モータ出力トルクTmの下限値が0となり、必ずTm≧0となるようなガードが設定される。
一方、昇降圧コンバータに異常が検知されない場合には(ステップS172におけるN判定)、ステップS160における上下限チェック後のモータ出力トルクTmが維持される。
このようにして、最終的に設定されたモータ出力トルクTmに従って、トルク指令値TRが設定され(TR=Tm)、制御装置30(図1)へ与えられる。
なお、上記(1)式では、電力線6での電力消費を見込んで充電許可電力Win=0の場合にも、一定範囲内で交流モータM1での負トルク出力を許容している。しかし、(1)式の適用については、交流モータM1での発電電力が電力線6まで伝達されることが前提となっている。したがって、上記のように電力線7から電力線6への電流経路が形成不能な昇降圧コンバータ異常時には、交流モータM1で発電された電力を直流電源Bの充電電力に正常に変換することができない。したがって、このような場合に、ステップS150で(1)式に基づくトルク下限値設定を行なうと、電力線7に過大電圧が発生する危険性がある。
この点を解決するためには、昇降圧コンバータ異常時に対応するように(1)式を修正し、ステップS150におけるトルク下限値Tmminの算出を、昇降圧コンバータの異常/正常に応じて切換える構成を採ることも可能である。しかし、この場合には、少なくとも2種類のトルク下限値算出式(上記(1)式に相当)を準備し、かつ、昇降圧コンバータの異常/正常に応じて両者を選択する必要があるため制御ロジックが複雑化する。このため、図3の制御フローでは、昇降圧コンバータの異常/正常にかかわらず共通の処理によってモータ出力トルクTmを算出した上で、昇降圧コンバータ異常時にはモータ出力トルクTm≧0とするトルクガードを設ける(ステップS170)構成としている。
なお、図3に示したフローチャートとこの発明の構成との対応関係を説明すると、ステップS130およびS150がこの発明における「第1の上下限設定手段」および「第2の上下限設定手段」にそれぞれ対応し、ステップS160がこの発明における「トルク指令値設定手段」に対応する。また、ステップS140およびS170は、この発明における「第1の設定修正手段」および「第2の設定修正手段」にそれぞれ対応する。
以上説明したように、この発明の実施の形態1に従う電動機駆動装置では、昇圧コンバータが正常である場合には、回生制動動作時に、充電許可電力Winに基づきハード構成上生じる電力損失を考慮して交流モータから一定範囲の負のトルクが発生できるように制御する一方で、昇降圧コンバータの異常を検知した場合には、交流モータM1による発電を禁止することにより、昇降圧コンバータ12およびインバータ14の電力変換器内、具体的には平滑コンデンサC2に過電圧が発生することを確実に防止できる。
特に、バッテリ状態を考慮したモータトルクの上限値および下限値チェックを行なう正常時の制御ルーチンに対して、昇降圧コンバータ異常時に充電許可電力Winおよびモータ出力トルクTm(すなわち、トルク指令値TR)を強制的に修正するステップS140,S170を付加することで、制御ルーチンを大幅に修正することなく、上記のような制御を実行できる。
[実施の形態1の変形例]
実施の形態1では、昇降圧コンバータの異常検知時には、高電圧発生を確実に防止するために、トルク指令値TR≧0とするトルクガードを加えた。しかしながら、この構成では、昇降圧コンバータの異常検知時における交流モータM1の非常運転時、すなわちハイブリッド自動車の退避走行時に、負のトルク出力を禁止するため、交流モータM1による制動力を得ることができない。この点を考慮して、実施の形態1の変形例1では、電力線7以降での電力損失分を考慮して、昇降圧コンバータの異常検出時にも、一定範囲内で交流モータM1での負のトルク発生を許可する制御方式について説明する。
図4は、この発明の実施の形態1の変形例によるモータトルク指令値演算方法を説明するフローチャートである。
実施の形態1の変形例に従う構成では、実施の形態1と同様の構成(図1,図2)において、図3に示したモータトルク指令値演算方法に代えて、図4に示されるモータトルク指令値演算方法が実行される。すなわち、図4に示されるモータトルク指令値演算ルーチンについても、トルク指令値演算部200(図2)にプログラムされる。
図4を参照して、実施の形態1の変形例に従うモータトルク指令値演算では、図3におけるステップS170に代えて、ステップS190が実行される。ステップS190以前のステップS100〜S160およびトルク指令値TRを設定するステップS180においては図3と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
ステップS190は、異常検知フラグEMGの参照によって昇降圧コンバータに異常が発生しているかどうかを判定するステップS192と、昇降圧コンバータでの異常が検知される場合に(S192におけるY判定)、モータ出力トルクTmを負トルク制限値Tlm以上に制限するステップS194とを含む。ステップS194では、ステップS160終了時でのモータ出力トルクTmがトルク制限値Tlmよりも小さい(負側に絶対値が大きい)ときモータ出力トルクTmをTlmに修正する。
すなわち、ステップS190により、モータ出力トルクTmについてTm≧Tlm(Tlm<0)のトルクガードが設定される。ここで、トルク制限値Tlmは、下記(2)式で算出される。
Tlm×MRN+Wloss2=0 …(2)
(2)式中で、Wloss2は、電力線7より後段(交流モータM1側)での電力損失を示す。具体的には、電力線に接続された他の電力負荷120(図1)による消費電力および、インバータ14における交流モータM1の発電電力を直流電力に変換する際の損失電力等がWloss2に含まれる。
(2)式に用いられるWloss2の値については、予め実験的に求めた固定値としても、電力負荷120の動作状況やその他の車両状況に応じて予め作成したマップ等を参照して求める構成としてもよい。
このような構成とすることにより、実施の形態1に従う電動機駆動装置での効果に加えて、交流モータの非常運転時(ハイブリッド自動車等の退避走行時)に、余剰電力が発生しない範囲で、交流モータM1により負のトルクを発生させることができる。したがって、実施の形態1の変形例に従う電動機駆動装置を搭載した自動車では、退避走行時においても、一定範囲の制動力を交流モータに発揮させるとともに、装置内に高電圧が発生することを防止できる。
なお、実施の形態1およびその変形例では、1個の交流モータ(電動機)を駆動制御する電動機駆動装置を例示したが、複数の電動機を備える電動機駆動装置についても本発明を適用可能である。この場合には、各電動機ごとに上述のモータトルク指令値演算制御を行なえばよい。
[実施の形態2]
実施の形態2では、実施の形態1での交流モータM1に加えて発電機がさらに配置された構成について比較する。
図5は、この発明の実施の形態2による電動機駆動装置の構成を示す概略ブロック図である。
図5を参照して、実施の形態2による電動機駆動装置100Aは、電動機駆動装置100の制御装置30を制御装置30Aに代え、整流器18、発電機G1および電流センサー25を追加したものであり、その他は電動機駆動装置100と同じである。
インバータ14および整流器18は、平滑コンデンサC2の両端のノード、すなわち電力線7およびアース線5の間に並列に接続される。また、発電機G1は、エンジン55に接続される。
整流器18は、U相アーム19、V相アーム20およびW相アーム21から成る。U相アーム19、V相アーム20およびW相アーム21は、電力線7およびアース線5の間に並列に接続される。U相アーム19は、直列接続されたダイオードD9,D10から成り、V相アーム20は、直列接続されたダイオードD11,D12から成り、W相アーム21は、直列接続されたダイオードD13,D14から成る。ダイオードD9とダイオードD10との中間点は発電機G1のU相コイルの端に接続され、ダイオードD11とダイオードD12との中間点は発電機G1のV相コイルの端に接続され、ダイオードD13とダイオードD14との中間点は発電機G1のW相コイルの端に接続される。
整流器18は、発電機G1が発電した交流電圧を整流し、その整流した直流電圧を平滑コンデンサC2を介して昇降圧コンバータ12へ供給する。発電機G1は、ロータがエンジン55の回転動力により回転することにより交流電圧を発電し、その発電した交流電圧を整流器18へ供給する。
電流センサー25は、発電機G1の各相に流れる発電機電流GCRTを検出し、その検出した発電機電流GCRTを制御装置30Aへ出力する。
制御装置30Aは、インバータ14を駆動するためのスイッチング制御信号S3〜S8を生成してインバータ14へ出力する。スイッチング制御信号S3〜S8の生成については、実施の形態1において説明したとおりである。
また、制御装置30Aは、上述した方法により昇降圧コンバータ12の異常を検出した場合に、外部ECUからのアクセル開度ACCおよびモータ回転数MRNに基づいて交流モータM1における消費エネルギPmを演算し、電圧センサー13からの電圧Vmおよび電流センサー25からの発電機電流GCRTに基づいて発電機G1における発電量Pgを演算する。そして、制御装置30Aは、発電機G1における発電量Pgが交流モータM1における消費エネルギPm以下になるようにエンジン55の回転数を設定するための信号RDNを生成してエンジンECU65へ出力する。
制御装置30Aは、その他については制御装置30と同じ機能を有する。
エンジン55は、エンジンECU65により制御され、駆動輪を駆動するための所定のトルクを出力するとともに、回転動力を発電機G1に伝達する。エンジンECU65は、エンジン55を制御する。そして、エンジンECU65は、制御装置30Aから信号RDNを受けるとエンジン55の回転数を保持または低下させる。
図6は、図5に示された制御装置30Aの機能ブロック図である。
図6を参照して、制御装置30Aは、図2に示した制御装置30の機能に加えて、発電制御部250をさらに含む。したがって、交流モータM1は、制御装置30に相当する機能部分によって、実施の形態1あるいはその変形例と同様に駆動制御される。
発電制御部250は、演算部260および制御部270を含む。演算部260は、外部ECUからのアクセル開度ACCおよびモータ回転数MRNに基づいて交流モータM1の消費エネルギPmを演算する。また、演算部260は、電圧センサー13からの電圧Vmと、電流センサー25からの発電機電流GCRTとに基づいて発電機G1における発電量Pgを演算する。そして、演算部260は、演算した消費エネルギPmおよび発電量Pgを制御部270へ出力する。
制御部270は、異常検知フラグEMG=“0”のとき、すなわち昇降圧コンバータに異常が発生していないときには、制御信号を生成しない。一方、制御部270は、異常検知フラグEMG=“1”のとき、すなわち昇降圧コンバータの異常が検知されるときには、発電量Pgが消費エネルギPm以下になるようにエンジン55の回転数を設定するための信号RDNを生成してエンジンECU65へ出力する。
以下に説明するように、発電機G1がさらに配置された電動機駆動装置の構成では、図7または図8に示す制御フローにより発電機における発電量を制御して、電力変換器内に高電圧が発生することを防止する。
図7を参照して、実施の形態2に従う発電量演算制御では、電池状態(SOC等)による通常の発電量設定ルーチンに相当するステップS200の実行後に、昇降圧コンバータの異常時に(ステップS210のY判定)、発電量Pgを強制的に零に修正することにより、発電機G1での発電を強制的に禁止する(ステップS220)。一方、昇降圧コンバータに異常が検知されない場合には(ステップS210におけるN判定)、ステップS200において設定された発電量が維持される。
このようにして設定された発電量Pgに応じて制御信号RDNが生成され、エンジンECU65は、制御信号RDNに応じて、エンジン回転数を保持、あるいは上昇・低下させる。これにより、発電量Pgに対応したエンジン回転数の調整が行なわれる(ステップS230)。
あるいは、図8に示すように、昇降圧コンバータの異常時に(ステップS210のY判定)、トルク指令値TRが正であるかどうかの判定をさらに行ない(ステップS250)、トルク指令値TRが正(TR>0)の場合(ステップS250におけるY判定)において、モータ消費エネルギPmを超えない範囲内で発電量Pgを設定してもよい(ステップS260〜S280)。
この場合には、まず、図6に示した演算部270によりモータ消費エネルギPmが演算され(ステップS270)、ステップS200において設定された発電量PgとステップS270で算出されたモータ消費エネルギPmの大小が比較される(ステップS282)、そして、発電量Pgがモータ消費エネルギPmを超えている場合(ステップS282におけるY判定)には、発電量Pg=Pmに修正される(ステップS284)。一方、発電量Pgがモータ消費エネルギPmよりも小さい場合(ステップS282におけるN判定)には、ステップS200における発電量Pgの設定が維持される。すなわち、制御部270は、交流モータM1における消費エネルギPmを超えないように発電機G1における発電量Pgに上限を設定する。
これに対して、トルク指令値TRが零または負である場合には(ステップS250におけるN判定)、図7のステップS220と同様に、発電量Pg=0に強制的に修正することにより、発電機G1での発電が強制的に禁止される(ステップS260)。
なお、昇降圧コンバータの正常時(ステップS210のN判定)における制御フローおよび、ステップS230におけるエンジン回転数調整については、図7で説明したのと同様である。
図6〜図8に構成およびフローチャートと、この発明の構成との対応関係を説明すると、エンジン55(図6)がこの発明における「動力源」に相当し、発電機G1がこの発明における「発電機」に相当する。また、ステップS200(図7,8)がこの発明における「発電量設定手段」に相当し、ステップS220(図7)がこの発明における「発電量設定修正手段」に相当し、ステップS230(図7)がこの発明における「動力源出力修正手段」に相当する。さらに、ステップS270(図8)がこの発明における「電力演算手段」に相当し、ステップS280がこの発明における「第2の発電制限手段」に相当する。
以上説明したように、実施の形態2に従う電動機駆動装置では、交流モータM1および発電機G1を備えた構成において、昇降圧コンバータの異常時に、電力変換器(昇降圧コンバータ12およびインバータ14)内に高電圧が発生することを防止できる。さらに、図8に示す制御方法によれば、昇降圧コンバータの異常時での交流モータの非常運転、すなわちハイブリッド自動車等の退避走行時に、電力線7に余剰電力が発生しない範囲で交流モータM1での消費エネルギを発電機G1によって供給できる。したがって、直流電源(バッテリ)の蓄積電力の消費を抑制できる。
なお、上記の実施の形態では、この発明による電動機駆動装置がハイブリッド自動車に搭載される構成例を代表的に説明したが、本発明の適用はこのような場合に限定されるものではない。すなわち、バッテリ(二次電池)、電力変換器および正・負トルクを出力するように制御される電動機によって構成される電動機駆動装置であれば、電気自動車やあるいは他の機器・システムに搭載されたものに対しても本発明を適用できる。また、電動機についても、交流モータに限定される種々の形式のものを適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1による電動機駆動装置の構成を示す概略ブロック図である。 図1に示された制御装置の機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1による電動機駆動装置におけるモータトルク指令値演算方法を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の変形例によるモータトルク指令値演算方法を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態2による電動機駆動装置の構成を示す概略ブロック図である。 図5に示された制御装置の機能ブロック図である。 この発明の実施の形態2による電動機駆動装置における発電量演算方法を説明する第1のフローチャートである。 この発明の実施の形態2による電動機駆動装置における発電量演算方法を説明する第1のフローチャートである。
符号の説明
5 アース線、6,7 電力線、10,13 電圧センサー、12 昇降圧インバータ、14 インバータ、18 整流器、24,25 電流センサー、30,30A 制御装置、55 エンジン、56 判定部(昇降圧コンバータ異常)、100,100A 電動機駆動装置、110,120 電力負荷、200 トルク指令値演算部、250 発電制御部、ACC アクセル開度、B 直流電源(二次電池)、C1,C2 平滑コンデンサ、D1〜D14 ダイオード、EMG 異常検知フラグ、G1 発電機、L1 リアクトル(昇降圧コンバータ)、M1 交流モータ、MRN モータ回転数、Pg 発電量、Pm モータ消費エネルギ、Q1,Q2 電力用半導体スイッチング素子(昇降圧コンバータ)、Q3〜Q8 電力用半導体スイッチング素子(インバータ)、RDN 制御信号(エンジン回転数)、S1,S2 スイッチング制御信号(昇降圧コンバータ)、S3〜S8 スイッチング制御信号(インバータ)、SR1,SR2 システムリレー、Tb バッテリ温度、Tlm 負トルク制限値、Tm モータ出力トルク、Tmmax トルク上限値、Tmmin トルク下限値、TR モータトルク指令値、Vb バッテリ電圧、VCR 車速、Vm 電圧(平滑コンデンサC2)、Win 充電許可電力、Wout 出力許可電力。

Claims (7)

  1. 充放電可能な二次電池と、
    発生トルクが正である場合に駆動電力を消費する一方で、該発生トルクが負であるときに発電する電動機と、
    前記二次電池および前記電動機の間に設けられ、前記電動機のトルク指令値に従って、前記二次電池の出力電力を前記電動機の駆動電力に変換する第1の電力変換および前記電動機の発電電力を前記二次電池への入力電力に変換する第2の電力変換を行なうための電力変換器と、
    前記電力変換器の異常を検出する異常検出部と、
    前記二次電池の状態に基づき、前記二次電池の充電許可電力および出力許可電力を決定する第1の上下限設定手段と、
    前記異常検出部によって前記第2の電力変換の異常が検出された場合に、前記二次電池の充電許可電力を零に修正する第1の設定修正手段と、
    前記充電許可電力および前記出力許可電力に対応させて前記電動機の出力トルクの下限値および上限値を算出する第2の上下限設定手段と、
    前記電動機への出力要求に基づき、前記出力トルクの下限値および上限値の範囲内で前記トルク指令値を設定するトルク指令値設定手段と、
    前記異常検出部によって前記第2の電力変換の異常が検出された場合に、前記トルク指令値設定手段によって設定された前記トルク指令値が負であるときには、前記トルク指令値を零に修正する第2の設定修正手段とを備える、電動機駆動装置。
  2. 充放電可能な二次電池と、
    発生トルクが正である場合に駆動電力を消費する一方で、該発生トルクが負であるときに発電する電動機と、
    前記二次電池および前記電動機の間に設けられ、前記電動機のトルク指令値に従って、前記二次電池の出力電力を前記電動機の駆動電力に変換する第1の電力変換および前記電動機の発電電力を前記二次電池への入力電力に変換する第2の電力変換を行なうための電力変換器と、
    前記電力変換器の異常を検出する異常検出部と、
    前記異常検出部によって前記第2の電力変換の異常が検出された場合に、前記電動機の発電量を所定値以下に制限する第1の発電制限手段とを備え、
    前記所定値は、前記電動機からの発電電力が出力される電力線に接続された前記電動機以外の負荷による消費電力、および前記電動機から前記電力線までの間の発電時損失電力の少なくとも一方を考慮して設定される、電動機駆動装置。
  3. 前記二次電池の状態に基づき、前記二次電池の充電許可電力および出力許可電力を決定する第1の上下限設定手段と、
    前記異常検出部によって前記第2の電力変換の異常が検出された場合に、前記二次電池の充電許可電力を零に修正する第1の設定修正手段と、
    前記充電許可電力および前記出力許可電力に対応して、前記電動機の出力トルクの下限値および上限値を算出する第2の上下限設定手段と、
    前記電動機への出力要求に基づき、前記出力トルクの下限値および上限値の範囲内で前記電動機のトルク指令値を設定するトルク指令値設定手段とをさらに備え、
    前記発電制限手段は、前記異常検出部によって前記第2の電力変換の異常が検出された場合に、前記トルク指令値設定手段による前記トルク指令値が前記所定値に対応する負の所定トルク値よりも小さいときには、前記トルク指令値を前記所定トルク値に修正する、請求項2記載の電動機駆動装置。
  4. 前記電動機以外の動力源と、
    前記動力源の出力によって発電可能であり、かつ、その発電電力が前記電力変換器による前記第2の電力変換によって前記二次電池へ入力されるように構成された発電機と、
    前記二次電池の状態に応じて前記発電機での発電量を設定する発電量設定手段と、
    前記異常検出部によって前記第2の電力変換の異常が検出された場合に、前記発電機での発電量を零に修正する発電量設定修正手段と、
    前記発電機での発電量に応じて、前記動力源の出力を調整する動力源出力調整手段とをさらに備える、請求項1または2記載の電動機駆動装置。
  5. 前記電動機以外の動力源と、
    前記動力源の出力によって発電可能であり、かつ、その発電電力が前記電力変換器による前記第2の電力変換によって前記二次電池へ入力されるように構成された発電機と、
    前記二次電池の状態に応じて前記発電機での発電量を設定する発電量設定手段と、
    前記トルク指令値に基づき、前記電動機での消費電力を算出する電力演算手段と、
    前記異常検出部によって前記第2の電力変換の異常が検出された場合に、前記発電機での発電量が前記電力演算部で算出された前記消費電力を超えないように制限する第2の発電制限手段と、
    前記発電機での発電量に応じて、前記動力源の出力を調整する動力源出力調整手段とをさらに備える、請求項1または2記載の電動機駆動装置。
  6. 前記電力変換器は、
    前記二次電池からの出力電圧を昇圧するとともに、前記二次電池への入力電圧を降圧する双方向の昇降圧コンバータと、
    前記昇降圧コンバータによって昇圧された前記二次電池からの出力電圧を前記電動機を駆動する交流電圧に変換するとともに、前記電動機が発電した交流電圧を直流電圧に変換するインバータと、
    前記昇降圧コンバータおよび前記インバータの間に接続された平滑コンデンサとを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の電動機駆動装置。
  7. 前記昇降圧コンバータの入出力電圧を検出する電圧センサーをさらに備え、
    前記異常検出部は、前記電圧センサーによる検出電圧に基づき、前記昇降圧コンバータの入出力電圧の比に関する目標値と実測値との比較によって、前記電力変換器における前記第2の電力変換の異常を検知する、請求項6に記載の電動機駆動装置。
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