JP4590763B2 - リニアフィーダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品を搬送するためのトラフが取付けられた可動台と、前記可動台からの振動反力を受ける固定台とを一体に取付ける板ばねを撓み振動させて、前記トラフ内の部品を振動搬送させるリニアフィーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のリニアフィーダA’について説明する。ここで、リニアフィーダA’の前後方向(部品の搬送方向P)における両側面部の構成は、ほとんど同一であるため、ここでは一方側(部品の出口側)の構成についてのみ説明する。図13及び図14に示されるように、部品(図示せず)を振動搬送させるためのトラフ51が取付けられた可動台52と、前記可動台52を支持するための固定台53とが、前記可動台52の前後方向の両端部において、縦方向(垂直方向)に配置された駆動用板ばね54によって連結されている。ここで、「縦方向に配置された」とは、可動台52及び固定台53における駆動用板ばね54の連結部が、縦方向(垂直方向)に、所定間隔W’をおいて配置されていることを意味する。即ち、駆動用板ばね54の上下端部が、2本の上側固定ボルト55及び2本の下側固定ボルト56により、各座金57を介して、可動台52と固定台53に連結されている。そして、可動台52と固定台53との間には、前記トラフ51が揺動振動(後述)したとき、両者が干渉することを防止するために、高さ方向に僅かな隙間が設けられている。
【0003】
ここで、可動台52及び固定台53における駆動用板ばね54の板ばね取付面52a,53a は、トラフ51に振動角αを付与させるために、僅かに傾斜状態を呈している。即ち、駆動用板ばね54は、取付角θだけ後方に傾斜した状態で連結されている。ここで、振動角αとは、振動中のトラフ51の底板部51aと、固定台53の板ばね取付面53aに直交する方向cとの成す角度をいう。そして、前記固定台53は、固定ボルト58及び座金59により、上記した駆動用板ばね54と同様に、縦方向(垂直方向)に、所定の間隔W”をおいて配置された防振用板ばね61を介して、基台62と一体に取付けられている。この防振用板ばね61は、前記駆動用板ばね54を介して固定台53に伝達されるトラフ51の振動反力を吸収して、該振動反力が、前記基台62の設置台Fに及ぶことを防止するという機能を有している。
【0004】
前記駆動用板ばね54は、電磁石63等の加振手段により、所定の振幅と振動数でもって撓み振動され、トラフ51を前後方向に振動させる。それに伴い、トラフ51内の部品が、該トラフ51の前方に振動搬送される。図13において、部品の搬送方向を、符号Pで示す。なお、図13において、64は、前記電磁石63から所定長さのギャップを介して、前記可動台52に垂下された可動コアであり、65は、前記電磁石63を支持するための支持板である。
【0005】
ここで、トラフ51、可動台52等の可動部材の全荷重は、その重心G1 に作用し、固定台53、電磁石63等の固定部材が受ける振動反力は、その重心G2 に作用する。各重心G1,G2 を結ぶ線分Kの方向が、前記直交方向cと合致する場合には、電磁石63から発生したエネルギーのほとんどが、トラフ51を前記直交方向cを含む面(基準面S)内で振動させるために費やされるので、前記トラフ51は、その振動方向aを前記直交方向cに沿わせた理想的な直線振動をする。ここで、「直線振動」とは、振動の1サイクルのトラフ51の軌跡が「往復直線運動」であることをいう。このとき、振動中、トラフ51の振動角αは、ほぼ一定に保持される。このために、固定台53の後部に、重心調整用ブロック(図示せず)を付加させることが、よく行われている。
【0006】
ところが、現実的には、トラフ51の前後に接続される各装置との干渉回避等の制限があって、前記各重心G1,G2 を結ぶ線分Kが、前記直交方向cと合致することは少ない(第1理由)。しかも、図13及び図14に示されるように、駆動用板ばね54が縦方向(垂直方向)に配置されているために、トラフ51は垂直面(YZ平面)内において振動する(第2理由)。上記した各理由により、トラフ51は、駆動用板ばね54の振幅の前後端において、その振動角αを僅かに変化させながら振動する。例えば、駆動用板ばね54の振幅の前端でほぼ水平姿勢であったトラフ51は、その後端において後傾姿勢となる。即ち、前記トラフ51は、垂直面内において揺動振動をする。ここで「揺動振動」とは、振動の1サイクルのトラフ51の軌跡が「往復曲線運動」であることをいう。このため、振動中のトラフ51の振動角αは、その部位によって異なり、トラフ51の各部位における部品の搬送速度が異なる。
【0007】
また、図15に示されるように、トラフ51は、駆動用板ばね54の撓み作用によって、垂直面内で大きな曲げモーメントM1 を受けながら揺動振動するので、該トラフ51の垂直面内での曲げ剛性が低い場合には、該トラフ51の底板部51aが曲げられることもある(第3理由)。なお、図15において、M2 は、基準面S内で作用する曲げモーメントである。また、逆方向の曲げモーメントM1,M2 を、破線で示す。
【0008】
上記した結果、トラフ51内の部品は、その搬送方向Pに沿った各部位により、それらの搬送速度が異なる等の現象が生じ、前記部品が一様に搬送されなかったり、極端な場合には、全く搬送されなかったりするという不具合が発生している。
【0009】
更に、トラフ51が垂直面内で揺動振動することにより、固定台53には、該トラフ51の振動反力が、トラフ51及び可動台52等の自重と相乗して作用する。この振動反力が大きいと、設置台Fに悪影響を及ぼすため、固定台53を大きく、強固なものにしなければならない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した不具合に鑑み、振動中のトラフの振動角が一定になるようにして、該トラフ内の部品が、一様に振動搬送されるようにすることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、部品を振動搬送させるトラフを取付けた可動台と、振動反力を受ける固定台とが複数の駆動用板ばねで連結されて、加振手段により前記駆動用板ばねを撓み振動させて、前記トラフ内の部品を振動搬送させるリニアフィーダにおいて、前記駆動用板ばねは、前記部品の振動搬送方向と直交する水平方向である横方向に配置されて、前記駆動用板ばねの当該横方向の中央部が前記可動台に連結されていると共に、同じく両端部が前記固定台に連結されていることを特徴としている。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
請求項1の発明の場合、各駆動用板ばねの両端部は、それぞれの中央部を支点として逆方向に、しかも、同一変位量だけ撓み振動される。このため、各駆動用板ばねの撓み振動によって、トラフに作用する曲げ力が、完全に相殺され、トラフには、基準面内での曲げモーメントが全く作用しない。また、駆動用板ばねを介して固定台に支持される可動台の支持状態が安定する。この結果、トラフ内の部品は、より安定した状態で、しかも、一様に振動搬送される。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明を前提として、前記可動台の裏面における部品の搬送方向に沿った両端部であって、しかも該搬送方向と直交する方向の両端部に一対の可動側ばね連結部が下方に向けて突設されていると共に、前記固定台の上面における部品の搬送方向に沿った両端部であって、しかも該搬送方向と直交する方向の中央部に固定側ばね連結部が上方に向けて突設され、前記一対の可動側ばね連結部の間に、前記固定側ばね連結部が挿入されて、各ばね連結部に駆動用板ばねが連結されていることを特徴としている。このため、簡単な構造でもって、各駆動用板ばねを横方向に配置させた状態で、可動台及び固定台に連結できる。
【0021】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明を前提として、前記可動側ばね連結部と前記駆動ばね連結部との間隔を広くして、前記駆動用板ばねの撓み振動の振幅を大きくしたこと特徴としている。こうすることにより、リニアフィーダの高さを高くすることなく、部品の搬送能力を大きくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。最初に、第1参考例のリニアフィーダA1 について説明する。図1は第1参考例のリニアフィーダA1 において、固定ボルト7,8を省略した全体斜視図、図2は同じく正面図、図3は同じく左側面図、図4は同じく分解斜視図である。「従来の技術」と同様に、リニアフィーダA1 の一方側(部品の出口側)の構成についてのみ説明する。なお、以下に使用される「横方向」は、「部品の振動搬送方向と直交する水平方向」を指す。図1ないし図4に示されるように、断面が略U字状のトラフ1が上面に取付けられた可動台2の下方に、該可動台2を支持するための固定台3が配置されている。前記可動台2及び前記固定台3は、それらの前後方向の両端部に所定の取付角θで連結された各駆動用板ばね4によって、一体に取付けられている。即ち、前記可動台2における前後方向の両端部の手前側には、脚部2aが下方に突設されている。同じく固定台3における前後方向の両端部の奥側には、前記脚部2aと対応する支持部3aが上方に突設されている。前記可動台2と前記固定台3は、それらの脚部2aと支持部3aが、上下方向、及び左右方向に所定の隙間を有した状態で、しかも、それらが相対向する形態で配設されている。図4に示されるように、前記脚部2aには、高さ方向に所定の間隔をおいて2本の雌ねじ5が設けられている。同様にして、前記支持部3aにも、同一間隔をおいて2本の雌ねじ6が設けられている。そして、前記可動台2と前記固定台3とは、それらの側面部(板ばね取付面2b,3b )に連結された駆動用板ばね4、可動側の各固定ボルト7、固定側の各固定ボルト8、及び各座金9によって一体に取付けられている。前記脚部2aと前記支持部3aが相対向する部分には、所定の隙間が設けられているため、トラフ1の振動中に、可動台2と固定台3が干渉することが防止される。
【0023】
前記可動台2の幅(奥行方向の長さ)と、前記固定台3の幅(奥行方向の長さ)とは、ほぼ同一である。そして、前記可動台2の側面部(板ばね取付面2b)は、鉛直方向に対して所定の角度(駆動用板ばね4の取付角θ)で切除されている。同様にして、前記固定台3の側面部の上方部分(板ばね取付面3b)も、前記取付角θでもって切除されている。
【0024】
前記駆動用板ばね4は、所定の厚さを有する長方形状で、その幅(横方向の長さ)は、可動台2及び固定台3の幅とほぼ同一である。そして、その横方向(幅方向)の一端部(手前側の端部)には、上記した脚部2aに設けられた2本の雌ねじ5に対応するボルト孔11が設けられていて、同じく、他端部(奥側の端部)には、支持部3aに設けられた2本の雌ねじ6に対応するボルト孔12が設けられている。駆動用板ばね4の各ボルト孔11,12に、各固定ボルト7,8が挿通され、前記各固定ボルト7,8が各座金9を介して、対応する各雌ねじ5,6に螺合される。こうすることによって、可動台2と固定台3が、一体にして取付けられる。このとき、正面視における可動台2の板ばね取付面2bと、固定台3の板ばね取付面3bとは合致する。また、正面視において、脚部2aどうし、及び支持部3aどうしの間には、空間部が形成されていて、該空間部に、支持板13に取付けられた電磁石14と可動コア15が配設されている。なお、図4において、16は、可動台2と可動コア15とを連結するための固定ボルトである。
【0025】
図1ないし図3に示されるように、前記固定台3は、防振用板ばね17により、前記固定台3の下方に配置された基台18に、一体に取付けられている。ここで、防振用板ばね17は、従来のリニアフィーダA’と同様に、縦方向(垂直方向)に、所定の間隔W”をおいて配置されている。即ち、固定台3の側面部の下方には、水平方向に所定の間隔をおいて、2本の雌ねじ19が設けられていると共に、基台18の側面部には、同一間隔をおいて、2本の雌ねじ21が設けられている。そして、防振用板ばね17の上下部分には、前記各雌ねじ19,21と対応する各ボルト孔22,23が設けられている。該防振用板ばね17の各ボルト孔22,23に、各固定ボルト24,25が挿通され、前記各固定ボルト24,25が、各座金9を介して、対応する各雌ねじ19,21に螺合される。こうすることによって、固定台3と基台18が、一体にして取付けられる。
【0026】
上記した電磁石14に交流電圧を印加させると、該電磁石14に交流磁気吸引力が発生し、可動コア15の吸引・離反が繰り返される。前記可動コア15は、可動台2の底面部に取付けられているため、可動コア15の吸引・離反に伴い、可動台2が前後に往復移動する。前記可動台2は、駆動用板ばね4により、固定台3と一体にして取付けられているため、駆動用板ばね4が、自身の弾性復元力に抗して撓み振動される。この結果、可動台2に取付けられたトラフ1が、前後に振動する。
【0027】
次に、このときのトラフ1と駆動用板ばね4の作用について、図5及び図6を参照しながら、詳細に説明する。図5及び図6は、トラフ1と駆動用板ばね4の作用を説明するために、不要な部材を省略した模式図である。図5に示されるように、駆動用板ばね4は、可動台2及び固定台3に対して、それらの各板ばね連結部が、横方向(水平方向)に、所定の間隔W1 をおいて配置されている。即ち、該駆動用板ばね4は、可動台2の脚部2aとの連結部Q1 と、固定台3の支持部3aとの連結部Q2 の間に、所定の間隔W1 をおいて連結されている。
【0028】
電磁石14に交流電圧が印加されると、可動コア15が、前記電磁石14に吸引・離反される。すると、図6に示されるように、駆動用板ばね4は、前記連結部Q2 を支点として、固定台3の板ばね取付面3bと直交する面(基準面S)内で、撓み振動される。この基準面Sは、水平面に対して、駆動用板ばね4の取付角θだけ傾斜した面である。図6において、駆動用板ばね4が撓んで、前方に移動した状態のトラフ1を一点鎖線で示す。このように、駆動用板ばね4の撓み振動中、その取付角θは、ほぼ一定に保持される。この結果、可動台2に一体に取付けられたトラフ1は、固定台3の板ばね取付面3bと直交する振動方向aに沿って振動するという、理想的な直線振動を行い、しかも、駆動用板ばね4の撓み振動中、前記トラフ1の振動角αは、ほぼ一定に保持される。なお、図6において、トラフ1が前方に移動するときの振動方向aを実線で示し、後方に移動するときの振動方向aを破線で示す。
【0029】
このように、前記トラフ1は、基準面S内で直線振動する。そして、水平面に対する基準面Sの傾斜角度は、駆動用板ばね4の取付角θと同じく僅かであるため、振動中のトラフ1の前後端部に作用する垂直面内での曲げモーメントM1 (図6参照)は、十分に小さい。また、駆動用板ばね4が撓み振動されることにより、トラフ1の前後端部には、基準面S内での曲げモーメントM2 (図5参照)が作用する。しかし、トラフ1の底板部1aの断面係数は極めて大きい。これは、トラフ1に、基準面S内で曲げモーメントM2 が作用しても、トラフ1の変形量は僅かであることを意味している。即ち、該トラフ1の変形が、該トラフ1内の部品に及ぼす影響は、極めて僅かである。この結果、トラフ1内の部品は、一様に振動搬送される。
【0030】
また、従来のリニアフィーダA’の場合、トラフ1は垂直面内で揺動振動するため、固定台3に作用するトラフ1の振動反力は、極めて大きい。この結果、固定台3を大きく、強固なものにしなければならない。しかし、本発明の場合、可動部材(トラフ1、可動台2等)の各自重は、固定台3に対しては、駆動用板ばね4の撓み作用とは殆ど無関係に、該固定台3に対してほぼ単純反力として作用するのみである。よって、前記固定台3に作用する振動反力は、駆動用板ばね4の自重と、その撓みに起因するもののみとなって、前記可動部材の自重が、駆動用板ばね4の撓みと相乗して、固定台3に対して作用することはないので、該固定台3に作用する振動反力は、前記駆動用板ばね4が縦配置の従来装置よりも小さくなる。この結果、固定台3を小さくできると共に、振動反力が、設置台Fに及ぼす影響を小さくすることができる。
【0031】
次に、第2参考例のリニアフィーダA2 について説明する。以降、第1参考例のリニアフィーダA1 と同一の部材には、同一の符号を付し、本第2参考例の特徴部分についてのみ説明する。このリニアフィーダA2 は、図7ないし図9に示されるように、可動台26の脚部26aと、固定台27の支持部27aが、それらの前後で、相互に逆の関係で設けられている(換言すれば、平面視におけるそれぞれの、異なる対角線方向に沿って設けられている)場合である。そして、前記可動台26と前記固定台27とは、横方向(水平方向)に配置された駆動用板ばね4によって、一体に取付けられている。第1参考例の場合と同様に、電磁石14に交流電圧を印加させると、トラフ1が基準面S内で直線振動する。該トラフ1は、振動方向a(図6参照)に沿って直線振動するため、振動中のトラフ1の振動角αは、ほぼ一定である。このとき、図9に示されるように、駆動用板ばね4は、固定台27との連結部Q2 を支点として、逆方向に撓み振動される。このため、トラフ1の前後端部には、基準面S内で、作用方向が逆で、大きさがほぼ同一の各曲げモーメントM2 が作用する。そして、これらの曲げモーメントM2 は、ほぼ相殺される。この結果、トラフ1は殆ど変形されず、該トラフ1内の部品は、安定した状態で、しかも一様に振動搬送される。また、第2参考例のリニアフィーダA2 における垂直面内での作用は、第1参考例の場合と全く同様であるため、固定台27に大きな振動反力が作用することはない。
【0032】
次に、本発明の実施例のリニアフィーダA3 について説明する。本実施例のリニアフィーダA3 は、図10ないし図12に示されるように、平面視における可動台28の四隅の部分に、各脚部28aが、それぞれ一対となって設けられている場合である。そして、固定台29の支持部29aは、前記一対の脚部28aどうしの間に入り込む形態で設けられている。前記一対の脚部28aには、駆動用板ばね31を連結するための雌ねじ32が、それぞれ同一の高さ位置に設けられていると共に、前記支持部29aには、高さ方向に所定間隔をおいて、2本の雌ねじ33が設けられている。そして、駆動用板ばね31には、各雌ねじ32,33に対応するボルト孔34,35が設けられている。駆動用板ばね31のボルト孔34に、可動側の各固定ボルト36が挿通され、座金9を介して可動台28の一対の脚部28aに螺合される。同様にして、駆動用板ばね31のボルト孔35に、固定側の各固定ボルト37が挿通され、座金9を介して固定台29の支持部29aに螺合される。このようにして、可動台28と固定台29が、一体にして取付けられる。そして、駆動用板ばね31は、前記可動台28及び前記固定台29に、横方向(水平方向)に配置されている。即ち、それらの幅方向(横方向)のほぼ中央部が、固定台29の板ばね取付面29bに連結されていると共に、それらの幅方向の両端部が、可動台28の板ばね取付面28bに連結されている。そして、平面視において、駆動用板ばね31と固定台29の支持部29aとの連結部Q2 から、可動台28の一対の脚部28aとの連結部Q1 までの間隔W2 は、同一である(図12参照)。
【0033】
第1参考例の場合と同様に、電磁石14に交流電圧を印加させると、トラフ1が基準面S内で直線振動する。該トラフ1は、振動方向a(図6参照)に沿って直線振動するため、振動中のトラフ1の振動角αは、ほぼ一定である。このとき、図12に示されるように、駆動用板ばね31は、固定台29との連結部Q2 を支点として、その両端部が、相互に逆方向に、しかも、同一変位量だけ、バタフライ状に撓み振動される。このため、トラフ1の前後端部には、基準面S内で、作用方向が逆で、しかも、大きさが同一の各曲げモーメントM2a,M2bが作用する。そして、これらの曲げモーメントM2a,M2bは、トラフ1の前後端部において、相互に完全に相殺される。この結果、トラフ1は全く変形されず、該トラフ1内の部品は、より安定した状態で、しかも一様に振動搬送される。また、本実施例のリニアフィーダA3 における垂直面内での作用は、第1参考例の場合と全く同様であるため、固定台3に大きな振動反力が作用することはない。
【0034】
上記した第1及び第2の各参考例、並びに本発明の実施例のリニアフィーダA1 〜A3 において、駆動用板ばね4、31の振幅を大きくしたい場合には、各連結部Q1,Q2 の間隔W1,W2 を、より広くすればよい。こうすることにより、リニアフィーダA1 〜A3 の高さを高くすることなく、部品の搬送能力を大きくすることができる。
【0035】
上記したように、第1及び第2の各参考例、並びに本発明の実施例のリニアフィーダA1 〜A3 は、各駆動用板ばね4,31の取付構造のみによって、直線振動中におけるトラフ1の振動角αを、ほぼ一定に保持できる。
【0036】
本実施例の加振手段は電磁石14であるが、これ以外のもの、例えば、超音波モータを使用したもの、エアを使用したもの等であっても構わない。
【0037】
【発明の効果】
本発明に係るリニアフィーダは、部品を振動搬送させるトラフを取付けた可動台と、振動反力を受ける固定台とが複数の駆動用板ばねで連結されて、加振手段により前記駆動用板ばねを撓み振動させて、前記トラフ内の部品を振動搬送させるリニアフィーダにおいて、前記駆動用板ばねは、前記部品の振動搬送方向と直交する水平方向である横方向に配置されて、前記駆動用板ばねの当該横方向の中央部が前記可動台に連結されていると共に、同じく両端部が前記固定台に連結されていて、各駆動用板ばねの両端部は、それぞれの中央部を支点として逆方向に、しかも、同一変位量だけ撓み振動されるので、各駆動用板ばねの撓み振動によって、トラフに作用する曲げ力が、完全に相殺され、トラフには、基準面内での曲げモーメントが全く作用しない。また、駆動用板ばねを介して固定台に支持される可動台の支持状態が安定する結果、トラフ内の部品は、より安定した状態で、しかも、一様に振動搬送される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1参考例のリニアフィーダA1 において、固定ボルト7,8を省略した全体斜視図である。
【図2】 同じく正面図である。
【図3】 同じく左側面図である。
【図4】 同じく分解斜視図である。
【図5】 リニアフィーダA1 の平面模式図である。
【図6】 同様の状態の側面模式図である。
【図7】 第2参考例のリニアフィーダA2 において、固定ボルト7,8を省略した全体斜視図である。
【図8】 同じく、一方側の固定ボルト7,8と座金9、及び防振用板ばね17,基台18等を省略した分解斜視図である。
【図9】 リニアフィーダA2 の平面模式図である。
【図10】 本発明の実施例のリニアフィーダA3 において、固定ボルト36,37を省略した全体斜視図である。
【図11】 同じく、一方側の固定ボルト36,37と座金9、及び防振用板ばね17,基台18等を省略した分解斜視図である。
【図12】 リニアフィーダA3 の平面模式図である。
【図13】 従来のリニアフィーダA’の正面図である。
【図14】 同じく左側面図である。
【図15】 トラフ1に作用する各曲げモーメントM1,M2 を示す図である。
【符号の説明】
A1 〜A3 :リニアフィーダ
c:直交方向
P:搬送方向
W1,W2 :間隔
1:トラフ
2,26,28:可動台
2a,26a,28a :脚部(可動側ばね連結部)
3,27,29:固定台
3a,27a,29a :支持部(固定側ばね連結部)
4,31:駆動用板ばね
14:電磁石(加振手段)
Claims (3)
- 部品を振動搬送させるトラフを取付けた可動台と、振動反力を受ける固定台とが複数の駆動用板ばねで連結されて、加振手段により前記駆動用板ばねを撓み振動させて、前記トラフ内の部品を振動搬送させるリニアフィーダにおいて、
前記駆動用板ばねは、前記部品の振動搬送方向と直交する水平方向である横方向に配置されて、前記駆動用板ばねの当該横方向の中央部が前記可動台に連結されていると共に、同じく両端部が前記固定台に連結されていることを特徴とするリニアフィーダ。 - 前記可動台の裏面における部品の搬送方向に沿った両端部であって、しかも該搬送方向と直交する方向の両端部に一対の可動側ばね連結部が下方に向けて突設されていると共に、前記固定台の上面における部品の搬送方向に沿った両端部であって、しかも該搬送方向と直交する方向の中央部に固定側ばね連結部が上方に向けて突設され、
前記一対の可動側ばね連結部の間に、前記固定側ばね連結部が挿入されて、各ばね連結部に駆動用板ばねが連結されていることを特徴とする請求項1に記載のリニアフィーダ。 - 前記可動側ばね連結部と前記駆動ばね連結部との間隔を広くして、前記駆動用板ばねの撓み振動の振幅を大きくしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアフィーダ。
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