JPH0248444B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般にリニアパーツフイーダと呼ばれ
ている循環式振動部品供給装置に関する。

リニアパーツフイーダは一般に、相近接して配
設され、直線的に延在する第１トラフと第２トラ
フと、これらトラフの下方に配設され、防振スプ
リングにより支持された可動ベース体と、前記２
つのトラフの各々に対し相反する方向に傾斜して
配設され前記第１及び第２トラフと前記可動ベー
スとを結合する第１板ばね群及び第２板ばね群
と、前記２つのトラフの各々を駆動する加振機構
とから成り、前記第１トラフは部品整送手段を備
え、これにより整送された部品は該トラフと一体
的にかつ前記第２トラフより前方に突出して延在
する部品排出部を通つて外部に供給するように
し、前記加振機構の駆動により前記第１、第２の
トラフを振動させてそれぞれ相反する方向に部品
を移送するようにしている。

上記の第１板ばね群及び第２板ばね群は相反す
る方向に同一の角度で傾斜して配設されており、
２つのトラフは各々全体としては第１板ばね群及
び第２板ばね群の長手方向に対しほゞ垂直方向に
振動し、部品を相反する方向に移送させるのであ
るが、各トラフの先端部分は場合によつては全体
としての振動角より水平方向成分を多く含んだ振
動をすることがある。特に、２つのトラフの中一
方には一般に部品整送手段が設けられており、こ
の手段によつて所定の姿勢に矯正され部品は該ト
ラフと一体的に形成される排出トラツク、すなわ
ち該トラフの先端部分へと移送され、矯正されな
かつた部品はもう一方のトラフに返還されるので
あるが、上記の先端部分で水平成分が増加した振
動が行われると部品が順調に流れないことがあ
る。また先端部分にストツパーを設けて、一たん
これにより部品を停止させた後、例えば真空吸着
装置により部品を吸着して他所へとこの部品を供
給する場合があるが、このような場合、ストツパ
ーに部品が衝突した後、部品が逆方向に移送され
ることがある。

一般に装置の使用開始に当つては最適な部品の
供給効率を得るために両トラフの振巾を上記の加
振機構により調節するが上述の問題が生ずること
が多い。

本発明は上述の問題に鑑みてなされ、最適な部
品の供給効率を容易に得ることができる循環式振
動部品供給装置を提供することを目的とする。こ
の目的は本発明によれば、相近接して配設され、
直線的に延在する第１トラフと第２トラフと、こ
れらトラフの下方に配設され防振スプリングによ
り支持された可動ベース体と、前記２つのトラフ
の各々に対し相反する方向に傾斜して配設され前
記第１及び第２トラフと前記可動ベースとを結合
する第１板ばね群及び第２板ばね群と、前記２つ
のトラフの各々を駆動する加振機構とから成り、
前記第１トラフは部品整送手段を備え、これによ
り整送された部品は該トラフと一体的にかつ前記
第２トラフより前方に突出して延在する部品排出
部を通つて外部に供給するようにし、前記加振機
構の駆動により前記第１、第２のトラフを振動さ
せてそれぞれ相反する方向に部品を移送するよう
にした循環式振動部品供給装置において、前記第
１トラフと前記可動ベースとを結合する前記第１
板ばね群の水平に対する傾斜角αを前記第２トラ
フと前記可動ベースとを結合する前記第２板ばね
群の水平に対する傾斜角βより小としたことを特
徴とする循環式振動部品供給装置、によつて達成
される。

以下、本発明の実施例による循環式の振動部品
供給装置もしくはリニアパーツフイーダについて
図面を参照して説明する。

第１図及び第２図は本発明の第１実施例を示
し、図においては振動部品供給装置は全体として
１０で示され、返還トラフ１１及び供給トラフ１
２はわずかな距離をおいて並列しており、返還ト
ラフ１１には一体的に部品整送部１３が形成され
ている。この部品整送部１３には部品排出部１４
が連設している。

返還トラフ１１及び供給トラフ１２の底部には
それぞれ第２図に示すように板ばね取付板２０，
１９が固定され、これらはそれぞれ前後一対の駆
動用板ばね２２，２１により共通のベースである
板ばね支持部２３に結合される。板ばね２１，２
２は相反する方向に傾斜して配設され、両端部が
ボルトにより板ばね取付板１９，２０及び板ばね
支持部２３に固定されている。

本発明によれば、板ばね２１，２２は相反する
方向において異なつた傾斜角で配設されている。
すなわち、返還トラフ１１の長手方向に対する板
ばね２２の傾斜角αと、供給トラフ１２の長手方
向に対する板ばね２１の傾斜角βとは相異なり、
本実施例ではα＝65゜、β＝75゜とされる。

一方の板ばね取付板１９にはボルトにより可動
コア２４が固定され、同様に他方の板ばね取付板
２０にもボルトにより可動コア２５が固定されて
いる。そしてこれら可動コア２４，２５の間に位
置して電磁石コア２６が取付部材２９を介して板
ばね支持部２３に固定されている。電磁石コア２
６の両側に形成されたヨーク部には互いに独立し
たコイル２７，２８が巻装され図示せずともそれ
ぞれ独立した制御手段、例えば可変抵抗を介して
同一の交流電源で励磁される。従つて可動コア２
４，２５に対する交流吸引力の方向は相反する方
向にある。本実施例による加振部は以上のように
電磁石コア２６、コイル２７，２８及び可動コア
２４，２５によつて構成され、このような加振部
及び図示するように配設された板ばね２１，２２
により、両トラフ１２，１１は逆位相で、かつ全
体としては矢印Ａ及びＢで示すように互いに相反
する方向で板ばね２２，２１の長手方向に対し
ほゞ垂直方向に傾斜した振動を行なう。

本実施例では、部品整送部１３と排出部１４を
含む返還トラフ１１側可動部と供給トラフ１２側
可動部とはほゞ同質量であつて、ばね支持部２３
の質量は、ほゞこれらの和に等しく構成されてい
る。供給トラフ１２内の部品ｍは矢印に示す方向
に移送され、傾斜した移送面１２ａを上昇して平
面部１５に至る。こゝでガイド部１６のガイド作
用を受けて、返還トラフ１１側に移行する。返還
トラフ１１の移送面１１ａは水平で、供給トラフ
１２の移送面１２ａの図において左側端部と同一
レベルにあり、返還トラフ１１に一体的に固定さ
れた部品整送部１３の移送面１３ｂは供給トラフ
１２の平面部１５とほゞ同一のレベルにあるが、
返還トラフ１１側に向つて若干下向きに傾斜して
いる。従つて、部品整送部１３上では、部品ｍは
その側壁部１３ａに図示するように片寄つて矢印
で示す方向に移送される。実際には部品整送部１
３には更に整送手段が付加されているが、本発明
には特に関係がないので省略する。部品整送部１
３で姿勢を矯正された部品ｍは排出部１４から一
個宛排出される。姿勢を矯正されなかつた部品又
はオーバフローした部品は返還トラフ１１内又は
供給トラフ１２内に落下し、更に返還トラフ１１
及び供給トラフ１２を循環する。

上述のばね支持部２３は、その下方に配設され
た基台３０に防振用板ばね３３，３４により結合
される。板ばね３３，３４は両端部でそれぞれボ
ルト３５，３６，３７，３８によりばね支持部２
３及び基台３０に固定されている。基台３０は設
置台Ｓに単に載置されるか、又はボルトによりこ
れに固定してもよい。基台３０の両端部には貫通
孔３１，３２が形成され、防振用板ばね３３，３
４をばね支持部２３にボルト３５，３８より固定
する際に利用される。

電磁石コイル２７，２８を励磁すると供給トラ
フ１２及び返還トラフ１１は上述のように振動す
るのであるが、これらの反力が駆動用板ばね２
１，２２を介してばね支持部２３に加えられる。
然るに供給トラフ１２及び返還トラフ１１の振動
が逆位相であるので、水平成分は打ち消し合い、
垂直成分は相加算される。防振用板ばね３３，３
４はこのような垂直成分反力により、ボルト３
６，３７による固定端部を支点として曲げ運動を
行なうが、この曲げ方向のばね常数はその長さ、
すなわち図において左右方向の長さを大きくする
ことによつて、いくらでも小さくすることができ
る。従つて、装置全体１０の高さを増加すること
なく、防振用板ばね３３，３４の曲げばね常数を
小さくすることができる。すなわち、反力を受け
るばね支持部２３の質量を増加せずとも装置全体
１０の質量と防振用板ばね３３，３４の曲げばね
常数によつて定まる共振周波数は加振部２４〜２
８の加振周波数より充分に低くすることができ
る。従つて、基台３０への反力伝達率は充分に小
さくすることができる。すなわち、充分な防振効
果が得られる。

本実施例は以上のような作用、効果を有する
が、更に次のような本発明に係わる効果を奏する
ものである。

すなわち、装置の使用前には最適な部品供給効
率を得るために加振部における励磁コイル２７，
２８の電流が相互に独立した制御手段により調節
され、これにより両トラフ１１，１２の振巾が独
立して調節されるが、従来は供給トラフ１２の振
巾を調節しているときに返還トラフ１１と一体的
に形成される部品排出部１４の振動が変動し勝ち
であつた。場合によつては、部品排出部１４の先
端部分では部品が停止したり、逆戻りすることも
あつた。然るに本実施例によれば、供給トラフ１
２の振巾を大巾に変えても返還トラフ１１、特に
その先端部分である部品排出部１４における部品
の移送速度は殆んど影響を受けず、供給効率最適
化のための両トラフ１１，１２の振巾調整は極め
て容易に行うことができる。

第３図及び第４図は本発明の第２実施例による
循環式振動部品供給機もしくはリニアパーツフイ
ーダを示すが、図において第１実施例と対応する
部分については同一の符号を付し、それらの詳細
な説明は省略する。すなわち本実施例は第１実施
例とは加振部の構成が異なる他は全く同一の構成
を有する。本実施例の加振部においては、一個の
コイルを巻装した電磁石コア４０が板ばね取付板
１９を介して供給トラフ１２に固定され、これと
対向するように可動コア４１が板ばね取付板２０
を介して返還トラフ１１に取付部材４２により固
定されている。可動コア４１は板ばね取付板１９
に、ある空隙をおいて横方向に延びて電磁石コア
４０と対向している。このような加振部によつて
も返還トラフ１１及び供給トラフ１２は第１実施
例と全く同様な振動を行ない、防振用板ばね３
３，３４の存在によつて基台３０、すなわち設置
台Ｓには殆んど振動が伝わらない、と共に装置使
用前における供給効率最適化のための両トラフ１
１，１２の振巾調整を容易に行うことができる。

以上、本発明の実施例について説明したが、勿
論、本発明はこれに限定されることなく本発明の
技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。

例えば、以上の実施例では板ばね２１，２２の
取付傾斜角β、αをそれぞれ75゜、65゜としたが、
これに限られることはない。

また以上の実施例では板ばね３３，３４により
防振を行うようにしたが、通常のコイルスプリン
グやゴムばねでベース２３を支持する構造の装置
に対しても本発明は適用可能である。

以上述べたように本発明の循環式振動部品供給
装置によれば、装置使用前の部品供給効率最適化
のための両トラフの振巾調整が極めて容易に行わ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例によるリニアパー
ツフイーダの平面図、第２図は同側面図、第３図
は本発明の第２実施例によるリニアパーツフイー
ダの側面図、及び第４図は第３図における−
線方向部分底面図である。 なお図において、１０……循環式リニアパーツ
フイーダ、１１……返還トラフ、１２……供給ト
ラフ、１４……部品排出部、２１，２２……駆動
用板ばね、２３……ばね支持部、２４，２５，４
１……可動コア、２６，４０……電磁石コア、２
７，２８……コイル、３０……基台、３３，３４
……防振用板ばね。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 相近接して配設され、直線的に延在する第１
   トラフと第２トラフと、これらトラフの下方に配
   設され、防振スプリングにより支持された可動ベ
   ース体と、前記２つのトラフの各々に対し相反す
   る方向に傾斜して配設され前記第１及び第２トラ
   フと前記可動ベースとを結合する第１板ばね群及
   び第２板ばね群と、前記２つのトラフの各々を駆
   動する加振機構とから成り、前記第１トラフは部
   品整送手段を備え、これにより整送された部品は
   該トラフと一体的にかつ前記第２トラフより前方
   に突出して延在する部品排出部を通つて外部に供
   給するようにし、前記加振機構の駆動により前記
   第１、第２のトラフを振動させてそれぞれ相反す
   る方向に部品を移送するようにした循環式振動部
   品供給装置において、前記第１トラフと前記可動
   ベースとを結合する前記第１板ばね群の水平に対
   する傾斜角αを前記第２トラフと前記可動ベース
   とを結合する前記第２板ばね群の水平に対する傾
   斜角βより小としたことを特徴とする循環式振動
   部品供給装置。