JP4589684B2 - タイヤ用ゴム部材の製造方法及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム部材の製造方法及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、生産性を向上しかつ断面形状を精度良く仕上げることが可能なタイヤ用ゴム部材の製造方法及び空気入りタイヤに関する。
近年、リボン状の未加硫のゴムストリップを被巻付体(例えば生カーカスや成形フォーマ)に螺旋状に巻き付けることにより、環状のタイヤ用ゴム部材を製造するいわゆるストリップワインド法が種々提案されている(例えば下記特許文献参照)。このようなストリップワインド法は、巻き重ねられるゴムストリップの巻き付けピッチなどを変化させることにより、任意の断面形状のゴム部材が形成される。従って、従来の一体押出し法のように、各タイヤ毎に所定の断面形状を有する口金等の準備やその交換作業が皆無となり、生産性の向上が期待できる。
図10〜図13には、従来のタイヤ用ゴム部材としてトレッドゴムbの断面のいくつかの例が示される。図10は、押出機で一体に押し出された一体押出品b1が示される。
図11ないし図13は、いずれもストリップワインド法によって作られたものである。図11のトレッドゴムb2は、円筒状の被巻付体cに、連続した一つのゴムストリップgを、一方の側縁e1から他方の側縁e2に向かって一方向に螺旋状に巻き付けることにより形成される。また図12のトレッドゴムb3は、各々独立した2つのゴムストリップg1、g2を用い、一方のゴムストリップg1を一方の側縁e1から、他方のゴムストリップg2を他方の側縁e2からそれぞれ中心に向かって螺旋状に巻き付け、各々の巻き付け終端f1、f2をほぼ幅中心に位置させたものである。図11及び図12では、理解しやすいように、ゴムストリップgは隙間を空けて模式的に描かれている。
さらに図13のトレッドゴムb4は、各々独立した2つのゴムストリップg1、g2を用い、一方のゴムストリップg1をトレッドゴムb4の巾中心位置から一方の側縁e1に、他方のゴムストリップg2は幅中心位置から他方の側縁e2に向けてそれぞれ巻き付けられたものである。
特許第3477289号公報 特許第3352045号公報 特許第3370282号公報 特許第3397430号公報
従来のストリップワインド法によって製造されたトレッドゴムbは、図14に示されるように、ゴムストリップgの巻き付け始端s及び/又は巻き付け終端fがゴム部材(トレッドゴムb)の側縁e1及びe2に位置している。このため、ゴムストリップgの巻き付け始端s及び巻き付け終端fに、平面視段差状の側縁の不連続部分kが形成されやすい。このような不連続部分kは、トレッドゴムbの横断面をタイヤ周方向で不均一化し、ユニフォミティを悪化させる欠点がある。
また、ゴムストリップgの巻き付け始端s及び巻き付け終端fは、他の部分に比して剥離しやすい。このため、それらがトレッドゴム等の側縁に位置していると、加硫後において、その部分からクラックやゴム欠け等が生じやすいという欠点がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、ゴムストリップの巻き付け始端及び巻き付け終端の位置を限定することを基本として、生産性、ユニフォミティ及び耐久性に優れたタイヤ用ゴム部材の製造方法及び空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、リボン状の未加硫のゴムストリップを、略円筒状の被巻付体に螺旋状に巻き付けることにより、一方の側縁から他方の側縁までの軸方向の幅を有した環状のゴム部材を製造するタイヤ用ゴム部材の製造方法であって、第1のゴムストリップの巻き付け始端及び第2のゴムストリップの巻き付け始端を前記各々の側縁よりも幅方向の内側の位置で被巻付体に固着する工程と、前記第1のゴムストリップを一方の側縁に向けて該一方の側縁まで螺旋状に巻き付けるとともに前記第2のゴムストリップを他方の側縁に向けて該他方の側縁まで螺旋状に巻き付けることにより第1の層を形成する第1の巻き付け工程と、前記第1のゴムストリップを一方の側縁で折返し他方の側縁に向かって螺旋状に巻き付けるとともに前記第2のゴムストリップを他方の側縁で折返し一方の側縁に向かって螺旋状に巻き付けることにより、前記第1の層の外側に第2の層を連続して形成する第2の巻き付け工程と、前記第1のゴムストリップの巻き付け終端及び第2のゴムストリップの巻き付け終端を前記各々の側縁から幅方向の内側の位置に固着する工程とを含むとともに、前記第1のゴムストリップの巻き付け始端は、ゴム部材の他方の側縁と、ゴム部材の幅中心との間に設けられ、かつ前記第2のゴムストリップの巻き付け始端は、ゴム部材の一方の側縁と前記幅中心との間に設けられることにより、第1の巻き付け工程において、第1のゴムストリップと第2のゴムストリップとを前記幅中心で交差させることを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、前記タイヤ用ゴム部材が、トレッドゴム又はその一部である請求項1記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法である。
また請求項3記載の発明は、前記第1のゴムストリップの巻き付け終端及び第2のゴムストリップの巻き付け終端は、ゴム部材の幅中心上に設けられる請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法である。
また請求項4記載の発明は、前記第1のゴムストリップの巻き付け始端は、ゴム部材の幅中心に関して、前記第2のゴムストリップの巻き付け始端と実質的に対称位置に固着される請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法である。
また請求項5記載の発明は、前記第1のゴムストリップの巻き付け終端は、ゴム部材の幅中心に関して、前記第2のゴムストリップの巻き付け終端と実質的に対称位置に固着される請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法である。
また請求項6記載の発明は、前記第1のゴムストリップと前記第2のゴムストリップとは、同じゴム配合でかつ同一の断面形状を有する請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法である。
また請求項7記載の発明は、前記第1の巻き付け工程に先立ち、前記被巻付体に、ゴムストリップを一方の側縁から他方の側縁に向かってタイヤ周方向に螺旋状に巻き付けることにより第1の層の内側にアンダー層を形成するアンダー層形成工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法である。
また請求項8記載の発明は、前記アンダー層形成工程と前記第1の巻き付け工程との間に、ゴムストリップを一方の側縁から他方の側縁に向かってタイヤ周方向に螺旋状に巻き付けることによりアンダー層と第1の層との間にミドル層を形成するミドル層形成工程をさらに含むことを特徴とする請求項7記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法である。
また請求項9記載の発明は、トレッド部にトレッドゴムが配された空気入りタイヤであって、前記トレッドゴムの少なくとも一部は、トレッド縁よりも幅方向の内側にそれぞれ巻き付け始端を有する第1のゴムストリップ及び第2のゴムストリップをそれぞれ逆向きでトレッド縁に向けて螺旋状に巻き付けられて形成された第1の層と、前記第1のゴムストリップ及び第2のゴムストリップが前記各側のトレッド縁で折り返されてタイヤ赤道に向けて螺旋状に巻き付けられることにより前記第1の層の外側に連続して形成されしかも第1のゴムストリップ及び第2のゴムストリップの巻き付け終端がトレッド縁よりも幅方向の内側に設けられた第2の層とを含むストリップ積層体からなり、前記第1の層は、前記第1のゴムストリップを一方のトレッド縁に向けて該一方のトレッド縁まで螺旋状に巻き付けるとともに前記第2のゴムストリップを他方のトレッド縁に向けて該他方のトレッド縁まで螺旋状に巻き付けることにより形成され、前記第2の層は、前記第1のゴムストリップを一方のトレッド縁で折返し他方のトレッド縁に向かって螺旋状に巻き付けるとともに前記第2のゴムストリップを他方のトレッド縁で折返し一方のトレッド縁に向かって螺旋状に巻き付けることにより前記第1の層の外側に形成され、しかも前記第1のゴムストリップの巻き付け始端は、前記他方のトレッド縁と、タイヤ赤道との間に設けられ、かつ前記第2のゴムストリップの巻き付け始端は、前記一方のトレッド縁とタイヤ赤道との間に設けられることにより、第1のゴムストリップと第2のゴムストリップとが前記タイヤ赤道で交差していることを特徴としている。
本発明のゴム部材の製造方法は、第1のゴムストリップの巻き付け始端及び第2のゴムストリップの巻き付け始端をゴム部材の各々の側縁よりも幅方向の内側の位置で被巻付体に固着する工程を含む。従って、各ゴムストリップの巻き付け始端がゴム部材の側縁に位置することがない。
また第1のゴムストリップを一方の側縁に向けて該一方の側縁まで螺旋状に巻き付けるとともに前記第2のゴムストリップを他方の側縁に向けて該他方の側縁まで螺旋状に巻き付けることにより第1の層を形成する第1の巻き付け工程と、前記第1のゴムストリップを一方の側縁で折返し他方の側縁に向かって螺旋状に巻き付けるとともに前記第2のゴムストリップを他方の側縁で折返し一方の側縁に向かって螺旋状に巻き付けることにより、前記第1の層の外側に第2の層を連続して形成する第2の巻き付け工程とを含むことにより、比較的大きな厚さのゴム部材を短時間で効率良く形成できる。
さらに本発明では、第1のゴムストリップの巻き付け終端及び第2のゴムストリップの巻き付け終端は、前記各々の側縁よりも幅方向の内側の位置に固着される。このため、各ゴムストリップの巻き付け終端もゴム部材の側縁に位置するることがない。従って、本発明により製造されたタイヤ用ゴム部材は、タイヤのユニフォミティやゴム部材の耐久性等を向上しうる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には、本発明のタイヤ用ゴム部材を製造するための成形装置1が示される。該成形装置1は、基台2と、この基台2に回動自在に支持された円筒状の成形フォーマ3と、該成形フォーマ3にゴムストリップ8を供給しうるアプリケータ4とを含んで構成される。
前記基台2は、内部に電動機と、そのトルクを前記成形フォーマ3に伝えるための動力伝達装置等を含む。電動機のトルクは、基台2の側方で回動可能に支持された回転軸7に出力される。
前記成形フォーマ3は、タイヤ周方向に並べられた複数個のセグメント3A…と、その内方に設けられかつセグメント3Aをタイヤ半径方向内外に移動させる拡縮機構(詳細図示せず)6とを含む。前記セグメント3Aは、拡縮機構6によってタイヤ半径方向外側に移動させられた位置で各々の表面がタイヤ周方向に連ねられる。これにより、図2に示されるように、後述のゴムストリップ8が螺旋状に巻き付けられる円筒状の成形面Uが設けられる。なお、例えば予め曲率を持ったゴム部材を成形したいような場合には、前記成形面Uを湾曲した面で設けることができる。
他方、各セグメント3Aをタイヤ半径方向内方に互い違いで移動させることにより、前記成形面Uを縮径できる。これは、成形面Uに巻き付けられたゴム部材を成形フォーマ3から取り外すのに役立つ。また拡縮機構6は、前記回転軸7に固着される。従って、成形フォーマ3は、所定の向きかつ速度で前記回転軸とともに回動しうる。セグメント3Aの拡縮径や、成形フォーマ3の回転速度などは、図示しないコントローラによって適宜調節される。
前記アプリケータ4は、例えばコンベヤ状で形成され、その搬送面でリボン状かつ未加硫のゴムストリップ8を成形フォーマ3の成形面Uへと連続して供給する。図示していないが、アプリケータ4の上流側には、ゴムストリップ8を連続して押し出すゴム押出機又はカレンダー機と、ゴムストリップの供給速度などを一時的にコントロールしうるフェスツーンなどが設けられる。アプリケータ4は、例えば3次元移動装置(図示省略)などで支持されることにより、成形フォーマ3に対して適宜移動可能に設けられる。
また本実施形態の成形装置1には、成形フォーマ3に対してタイヤ軸方向及びタイヤ周方向に位置をずらせて配された第1のアプリケータ4Aと、第2のアプリケータ4Bとが設けられる。第1のアプリケータ4Aは、第1のゴムストリップ8Aを成形フォーマ3に対して連続して供給できる。また、第2のアプリケータ4Bは、第1のゴムストリップ8Aとは独立して供給される第2のゴムストリップ8Bを成形フォーマ3に対して連続して供給できる。
前記ゴムストリップ8は、例えば図3に示されるように、厚さtに比して幅Wが大きい本実施形態では断面が実質的に矩形のリボン状で形成される。ゴムストリップ8の幅W及び厚さtは、特に限定されないが、好ましくは幅が15〜35mm及び厚さtが0.5〜1.5mmが好ましい。ゴムストリップ8の幅Wが15mm未満の場合又は厚さtが0.5mm未満の場合、螺旋状に巻き付けてゴム部材を形成する場合にゴムストリップ8の巻回数が著しく増加して生産性が低下する傾向があり、逆に幅Wが35mmを超える場合又は厚さtが1.5mmを超える場合、微妙な断面形状を作るのが困難になる傾向がある。なお本実施形態では、第1のゴムストリップ8Aと第2のゴムストリップ8Bとは、同じゴム配合でかつ同一の断面形状を有するものが用いられる。
図4は、タイヤ用ゴム部材としてトレッドゴムRを製造する一例を示す。先ず、トレッドゴムRは、仮想線で示されるように、予め設計された目標とする断面形状を有し、それはタイヤ軸方向の一方の側縁e1から他方の側縁e2までの幅を持つ。本実施形態では、先ず、第1のゴムストリップ8A及び第2のゴムストリップ8Bの各巻き付け始端8As、8Bsを前記各々の側縁e1、e2よりも幅方向の内側の位置で被巻付体に固着する工程が行われる。前記側縁e1、e2は、ゴム部材の断面形状に基づいて具体的に定められる。例えば図4に示されるような矩形ないし略台形状の場合、幅方向の両側の側面を指すものとする。また一方の側縁e1から他方の側縁e2までの幅とは、前記側縁間で最も大きい幅RWを指すものとする。
前記被巻付体は、この例では成形フォーマ3の成形面Uである。成形面Uは、金属製のセグメント3A…で形成されるため、ゴムストリップ8の巻き付け時に変形せず、精度の良いゴム部材を形成するのに役立つ。なお図1において仮想線で示されるように、成形面Uに予めベルトプライB等を巻き付けておくこともできる。またゴムストリップ8は、成形フォーマ3の成形面U以外にも、未加硫かつ円筒状に保持された生カーカスや、ベルトプライが巻き付けられた生カーカスなどを被巻付体とし、これらに直接巻き付けることができる。この場合、ゴムストリップ8の張力によって生カーカスが変形しないように、生カーカスを内側から保持体等を用いて変位不能に支えておくことが望ましい。なおゴムに関して「未加硫」とは、加硫が完全に終えていない状態を指す。従って、予備加硫されているに過ぎないものは未加硫に含む。
また、ゴムストリップの巻き付け始端8As、8Bsは、図1に仮想線で示されるように、例えばその外側から押圧ローラ5で成形面U側に押圧される。これにより、各ゴムストリップ8A、8Bの各巻き付け始端8As、8Bsは、自らの粘着力で成形面Uに固着される。また押圧ローラ5は、例えば成形フォーマ3の成形面Uに対して半径方向内、外に移動でき、ゴムストリップ8の巻き付け始端8As、8Bsを押圧した後はアプリケータ4等と干渉しない位置に移動できる。
第1のゴムストリップの巻き付け始端8As及び第2のゴムストリップの巻き付け始端8Bsは、いずれもトレッドゴムRの両側縁e1、e2よりも幅方向に内側位置で成形面Uに固着される。換言すると、第1のゴムストリップの巻き付け始端8As及び第2のゴムストリップの巻き付け始端8Bsは、いずれもトレッドゴムRの側縁e1及びe2を構成しない位置に固着される。この例では、第1のゴムストリップの巻き付け始端8Asは、トレッドゴムRの他方の側縁e2と、トレッドゴムRの幅中心CLとの間(もちろんトレッドゴムRの他方の側縁e2を構成する位置は含まない。)に設けられる。また第2のゴムストリップの巻き付け始端8Bsは、トレッドゴムRの一方の側縁e1と前記幅中心CLとの間(もちろんトレッドゴムRの一方の側縁e1を構成する位置は含まない。)に設けられる。
第1のゴムストリップの巻き付け始端8Asは、トレッドゴムRの幅中心CLに関して、第2のゴムストリップの巻き付け始端8Bsと実質的な対称位置に固着される。この実施形態では、各巻き付け始端8As及び8Bsは、向き合う側縁が実質的に接する程度に近接して固着されたものが例示される。
また図2に示したように、第1のゴムストリップの巻き付け始端8Asと、第2のゴムストリップの巻き付け始端8Bsとは、タイヤ周方向に角度α(α≠0゜)で位置ずれした位置に設けられる。角度αは、特に定めないが、大きすぎると、アプリケータ4A、4Bのレイアウトの関係上、装置スペースが大きくなる傾向があり、逆に小さすぎると、第1のゴムストリップ8Aと、第2のゴムストリップ8Bとを交差させる場合、干渉するおそれがある。このような観点より、前記角度αは、例えば10〜40゜程度が望ましい。また、図2に示されるように、側面視において、各アプリケータ4A、4Bは、ゴムストリップ8が成形面Uの接線方向にのびるように案内する部分を含むことが望ましい。これは、ゴムストリップ8に余分な外力が作用するのを極力減じる点で好ましい。
次に、第1のゴムストリップ8Aを一方の側縁e1に向けて該一方の側縁e1まで螺旋状に巻き付けるとともに第2のゴムストリップ8Bを他方の側縁e2に向けて該他方の側縁e2まで螺旋状に巻き付けることにより第1の層10を形成する第1の巻き付け工程が行われる。図2に示される向きに成形フォーマ3を回転させるとともに、各アプリケータ4A、4Bを上述のタイヤ回転軸の方向に移動させることにより、各ゴムストリップ8A、8Bは成形面Uに螺旋状に巻き付けられてゆく。
例えば成形フォーマ3を一定速度で回転させる場合、アプリケータ4のタイヤ回転軸方向の移動速度を制御することによって、ゴムストリップ8を巻き付ける螺旋ピッチを変化させることができる。アプリケータ4の移動速度を小さくすることで、前記螺旋ピッチを小さくできる。これは、隣り合うゴムストリップ8の重なり幅を大きくしてその部分の厚さを大きくする。逆にアプリケータ4の移動速度を大きくすることで、前記螺旋ピッチを大きくできる。これは、隣り合うゴムストリップ8の重なり幅を小さくし又は実質的に零としてその部分の厚さをより薄くコントロールしうる。螺旋ピッチ、言い換えるとアプリケータの移動速度は、予め設計された所望のトレッドゴムRの断面形状、ゴムストリップの断面形状及び成形フォーマ3の回転速度などを考慮して予め決定される。その情報は、図示しないアプリケータ4A、4Bの移動速度制御用のコントローラ(図示省略)に入力され、それに基づきアプリケータ4は移動制御される。
図2に示されるように、成形フォーマ3の回転により、第1及び第2のゴムストリップ8A、8Bは、前記各々の巻き付け始端8As、8Bsの位置で成形フォーマ3に順次巻き付けられていく。巻き付け始端8As、8Bsは、タイヤ周方向に位置ずれしているため、第1の巻き付け工程において第1のゴムストリップ8Aと第2のゴムストリップ8BとがトレッドゴムRの幅中心CLで交差する場合、各ゴムストリップ8A、8Bは互いに干渉することなく連続して巻き付けられる。
また本実施形態では、第1の巻き付け工程において、第1のアプリケータ4Aと第2のアプリケータ4Bとは同期制御される。具体的には、各々のアプリケータ4A、4Bは、移動の向きが互いに逆ではあるが、任意の時刻において実質的に同じ移動速度を有するように制御される。従って、第1の巻き付け工程において、任意の時刻において、各々のアプリケータ4A、4B(換言すれば第1のゴムストリップ8A及び第2のゴムストリップ8B)は前記幅中心CLに関して実質的に対称の位置にあり、また第1のゴムストリップ8Aが一方の側縁e1に到達したときに、第2のゴムストリップ8Bを他方の側縁e2に到達させ得る。従って、例えば、一つのアプリケータで一方の側縁e1から他方の側縁e2に向かってゴムストリップ8を連続して螺旋巻きする場合に比べ、巻き付け時間を短縮でき生産性を向上しうる。また第1の巻き付け工程により形成された第1の層10は、前記一方の側縁e1から他方の側縁e2まで連続した幅を有し、ゴムストリップ8の巻き付け構造(ゴムストリップの界面)が、幅中心CLに関して、実質的に線対称になる。
特に好ましい態様としては、第1のゴムストリップ8Aを前記一方の側縁e1でタイヤ周方向に沿って任意の長さで巻き付け、図14に示したような不連続部分kを無くす工程を含ませることが望ましい。なお第2のゴムストリップ8Bについても同様に、他方の側縁e2でタイヤ周方向に沿って任意の長さで巻き付けることが望ましい。各側縁e1又はe2において、ゴムストリップ8をタイヤ周方向に沿って巻き付ける長さは、螺旋ピッチやゴムストリップ8の幅Wなどに応じて適宜設定することができる。これは、トレッドゴムの断面形状をタイヤ周方向で均一化するのに役立つ。
次に、本実施形態では、第1のゴムストリップ8Aを一方の側縁e1で折返し他方の側縁e2に向かって螺旋状に巻き付けるとともに第2のゴムストリップ8Bを他方の側縁e2で折返し一方の側縁e1に向かって螺旋状に巻き付けることにより、第1の層10の外側に第2の層11を連続して形成する第2の巻き付け工程が行われる。
第2の工程においても、第1のアプリケータ4Aと第2のアプリケータ4Bとは互いに同期制御される。即ち、各々のアプリケータ4A、4Bは、移動の向きが互いに逆であるが、任意の時刻において実質的に同じ移動速度を有するように制御される。従って、第2の巻き付け工程において、各々のアプリケータ4A、4B(換言すれば第1のゴムストリップ8A及び第2のゴムストリップ8B)は、トレッドゴムRの幅中心CLに関して線対称の位置にある。これは、第1の巻き付け工程と同様、一つのアプリケータで一方の側縁e1から他方の側縁e2に向かってゴムストリップを連続して螺旋巻きする場合に比べて巻き付け時間を短縮でき生産性を向上するのに役立つ。
また第2の層11は、第1の層10と連続して形成される。即ち、第1の層10を形成後、ゴムストリップ8は、切断されることなく連続してその外側に巻き付けられ第2の層11を形成する。従って、ゴムストリップ8は第1の巻き付け工程と、第2の巻き付け工程との間で中断することなく連続して巻き付けることができるため、この点においても生産性を高めることができる。
また第2の巻き付け工程では、トレッドゴムRの幅方向の外側のゴムストリップ8A、8Bの螺旋ピッチを相対的に小とし、かつ、幅中心側の螺旋ピッチを相対的に大きくすることにより、その厚さが幅中心側に向かって滑らかに漸減するように形成される。これは、従来の押出し式のトレッドゴムの断面形状に近似する。従って、これまでの金型などを継続して使用するのに役立つ。
次に、第1のゴムストリップの巻き付け終端8Af及び第2のゴムストリップの巻き付け終端8Bfを前記各々の側縁e1、e2から幅方向の内側の位置に固着する工程が行われる。第2の巻き付け工程を終えると、第1、第2のゴムストリップ8A、8Bを切断し、その端部を押圧ローラ5によって前記所定の位置に押圧することにより前記巻き付け終端を固着させることができる。第1、第2のゴムストリップ8A、8Bの切断は、図示しない切断具などを用いて自動で行うことができる。
また本実施形態では、第1のゴムストリップの巻き付け終端8Afは、トレッドゴムRの幅中心に関して、第2のゴムストリップの巻き付け終端8Bfと実質的に対称位置に固着される。より詳しくは、本実施形態では、トレッドゴムRの幅中心CL上に前記各巻き付け終端8Af及び8Bfが設けられる。従って、この例の第2の層11は、一方の側縁e1から他方の側縁e2まで亘る連続した幅を有する。
このようなタイヤ用ゴム部材であるトレッドゴムRは、その幅中心CLに関して、輪郭形状のみならず第1、第2のゴムストリップ8A、8Bの巻き付け構造も含めて実質的に線対称の断面形状を得ることができる。しかも、第1ないし第2のゴムストリップ8A、8Bそれぞれの巻き付け始端8As、8Bsや、巻き付け終端8Af、8Bfが、いずれもトレッドゴムRの側縁よりも幅方向の内側の位置に設けられる。このようなトレッドゴムRは、断面形状をタイヤ周方向で均一化してタイヤのユニフォミティを高める。また、側縁に位置するゴムストリップ8の巻き付け始端ないしは巻き付け終端に起因したクラックはゴム欠け等の損傷を防止することができる。
図5には、第1及び第2のゴムストリップ8A、8Bの巻き付け始端及び巻き付け終端を異ならせた他の実施形態が模式的に示される。(A)の態様は、第1のゴムストリップ8Aの巻き付け始端8Asは、前記幅中心CLと一方の側縁e1との間に設けられるとともに、第2のゴムストリップ8Bの巻き付け始端8Bsは、前記幅中心CLと他方の側縁e2との間に設けられている。また第1のゴムストリップ8Aの巻き付け終端8Afは、前記幅中心CLと他方の側縁e2との間に設けられるとともに、第2のゴムストリップ8Bの巻き付け終端8Bfは、前記幅中心CLと一方の側縁e1との間に設けられている。巻き付け始端8As及び8Bsは幅中心CLで交差しないが、各巻き付け終端8Af及び8Bfを互いに交差させることにより、トレッドゴムRの中央部厚さを確保することができる。
また図5(B)の態様は、(A)の態様と共通するが、巻き付け始端8As、8Bs及び巻き付け終端8Af、8Bfが、いずれも幅中心CLと側縁e1又はe2とのほぼ中間に設けられている。さらに、図5(C)のものは、第2の巻き付け工程において、各ゴムストリップ8A、8Bをさらに側縁e1、e2で折り返して幅中心CL側に巻き付けられたものが例示される。このように、各ゴムストリップ8A、8Bの巻き付け始端及び巻き付け終端は自在の位置に設けることができる。
また前記実施形態は、第1及び第2のゴムストリップ8A、8Bにより、トレッドゴムRの全部を構成する例を示したが、本発明は、例えばトレッドゴムRの一部を構成するゴム部材を製造する方法として用いられても良い。例えば、トレッドゴムRが、ゴム配合が異なる複数層、例えば3層で構成されるような場合、その少なくとも一層(即ちトレッドゴムの一部)を上述の方法によって製造することができる。図6及び図7には、3層のゴムからなるトレッドゴムRの成形方法の一例が示される。
先ず、図6(A)に示されるように、第1の巻き付け工程に先立ち、成形フォーマ3の成形面Uに、第3のゴムストリップ13を一方の側縁e1側から他方の側縁e2側に向かってタイヤ周方向に螺旋状に巻き付けることによりアンダー層14を形成するアンダー層形成工程が行われる。この例では、第3のゴムストリップ13の側縁を僅かにオーバラップさせることにより、厚さが小さいアンダー層14が形成される。
このアンダー層14は、ベルト層と接着されるため、例えばベルト層のトッピングゴムと接着性に優れたゴム配合が用いられるのが好ましい。またアンダー層14の巻き付け始端13s及び巻き付け終端13fも、トレッドゴムRの両側の側縁e1及びe2よりも幅方向の内側の位置に設けられている。これにより、アンダー層14についても、そのゴムストリップの巻き付け始端13s及び巻き付け終端13fがトレッドゴムRの側縁e1及びe2に位置しない。従って、トレッドゴムの側縁におけるアンダー層14でのクラックやゴム剥離などを効果的に防止しうる。また、一般にベルト層の幅は、トレッドゴムの幅RWよりも小さいため、このような小幅でアンダー層14を形成しても差し支えない。
次に、図6(B)に示されるように、前記第3のゴムストリップ13とは異なるゴム配合からなる第4のゴムストリップ15を一方の側縁e1側から他方の側縁e2側に向かってタイヤ周方向に螺旋状に巻き付けることによりアンダー層の外側にミドル層16を形成するミドル層形成工程が行われる。この例のミドル層16は、第4のゴムストリップ15の側縁を互いにオーバラップさせて巻き付けられている。ミドル層16は、例えばトレッドゴムRの内部に配置されるため、低発熱でかつエネルギーロスの小さいゴム配合が望ましい。
またミドル層16を形成する第4のゴムストリップ15の巻き付け始端15s及び巻き付け終端15fも、トレッドゴムRの両側の側縁e1及びe2よりも幅方向の内側の位置に設けられている。これにより、ミドル層16についても、その巻き付け始端15s及び巻き付け終端15fがトレッドゴムRの側縁e1及びe2に位置しないため、トレッドゴムRの側縁e1、e2におけるミドル層16でのクラックやゴム剥離などを効果的に防止しうる。
そして、これらのアンダー層14及びミドル層15の外側に、キャップ層を形成するために、上述の手順で第1のゴムストリップ8A及び第2のゴムストリップ8Bが巻き付けられる。図7には、そのようなトレッドゴムRの断面図が示される。このトレッドゴムRは、ゴム配合が異なる複数層(3層)で形成される。トレッドゴムRは、上で述べたように、全ての層を形成するゴムストリップ8A、8B、13及び15の巻き付け始端及び巻き付け終端が、トレッドゴムRの側縁e1及びe2よりも内側(幅中心)側に設けられているため、より確実にゴムストリップの巻き付け始端及び巻き付け終端でのクラック等を防止し、ゴム部材の耐久性を向上しうる。
前記ミドル層16を形成する第4のゴムストリップ15は、完全にアンダー層14の巻き付けが完了した後に巻き付けが開始されても良いが、その場合、アイドル時間が発生し、生産性を低下させるおそれがある。好ましくは、図8(A)から(D)に示されるように、第3のゴムストリップ13の巻き付け開始後から巻き付け終了までの間に、第4のゴムストリップ15の巻き付けが開始されるのが望ましい。即ち、図8(A)に示されるように、先ず第3のゴムストリップ13が成形フォーマ3上に巻き付けられて所定幅を成形した時点で第3のゴムストリップ13の巻き付けを一端停止し、第4のゴムストリップ15の巻き付け始端15sをその外側に固定する(図8(B))。しかる後、第3のゴムストリップ13及び第4のゴムストリップ15を同時に他方の側縁e2側に向かって巻き付けることが望ましい。ゴムストリップ15の巻き付け時間を短縮でき、生産性がさらに向上する。
図9には、上述のような実施形態によって製造されたタイヤ用ゴム部材としてのトレッドゴムを用いて作られた空気入りタイヤ1のトレッド部の部分拡大図が示される。この実施形態は、トラック、バス等に使用される重荷重用の空気入りタイヤが示される。該空気入りタイヤ1は、スチールコードのカーカス21と、その外側に配されたベルト層22とを含み、ベルト層22の外側には、トレッドゴム23が配されている。
トレッドゴム23の少なくとも一部は、上述の方法により形成されたゴム部材からなるストリップ積層体を含む。そして、該ストリップ積層体は、トレッド縁Teよりも幅方向の内側にそれぞれ前記第1及び第2のゴムストリップの巻き付け始端8As及び8Bsを有する。同様に、前記第1及び第2のゴムストリップの巻き付け終端8Af及び8Bfは、トレッド縁Teよりも幅方向の内側に設けられる。このような空気入りタイヤは、各ゴムストリップの巻き付け始端及び終端がトレッド縁Te及びそれを含む側縁Te1に位置することがないので、タイヤのユニフォミティやトレッドゴムの耐久性を向上させるのに役立つ。なお加硫後においても、タイヤを鋭利な刃物で切断することにより、その断面にゴムストリップ8の境界面が薄く表れる。従って、前記各巻き付け始端8As、8Bs及び巻き付け終端8Af、8Bfの位置は特定が可能である。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、環状のタイヤ用ゴム部材であればトレッドゴム以外にも例えばサイドウォールゴムや、インナーライナー、クッションゴムなどにも用いることができる。また本発明により得られたゴム部材は、重荷重用の空気入りタイヤのみならず、各種のカテゴリーの空気入りタイヤに用いることができる。
表1に示される仕様の複数種類の未加硫のトレッドゴムを用いて、それぞれサイズ11R22.5Rの重荷重用空気入りタイヤを20本づつ製造した。トレッドゴム以外は、トレッドパターン及び内部構造の全てにおいて同一である。そして、それらについて、ユニフォミティとトレッドゴムの耐久性とについて評価を行った。
評価の方法は、次の通りである。
<ユニフォミティ>
各供試タイヤについて、ラジアルランナウト(RRO)を測定し(n=20の平均値)、比較例1のRROを100とする指数で表示した。数値が小さいほど良好である。
<トレッドゴムの耐久性>
各供試タイヤを7.50×22.5のリムに装着し、空気圧700kPa、荷重50kN、速度100km/Hで半径1.7mのドラム上を5万km走行させた後、トレッドゴムを目視にて観察するとともに、目視観察後、トレッドゴムの解体し、内部の損傷状況を調べた。
テストの結果などを表1に示す。
Figure 0004589684
テストの結果より、実施例のタイヤは、比較例に比べてユニフォミティ及びトレッドゴムの耐久性が向上していることが確認できた。
本発明の実施形態を示すゴム部材の成形装置の全体斜視図である。 その側面略図である。 ゴムストリップの斜視図である。 (A)〜(E)は、トレッドゴムの成形手順を説明する断面略図である。 (A)〜(C)は他の実施形態を示すゴムストリップの巻き付け態様を示す略図である。 (A)、(B)はアンダー層及びミドル層を説明する断面図である。 他の実施形態を示すトレッドゴムの断面図である。 (A)〜(D)はアンダー層及びミドル層の他の成形手順を説明する断面図である。 空気入りタイヤのトレッド部の拡大図である。 従来のトレッドゴムの断面図である。 従来のトレッドゴムの断面図である。 従来のトレッドゴムの断面図である。 従来のトレッドゴムの断面図である。 トレッドゴムの平面図である。
符号の説明
1 ゴム部材の成形装置
2 基台
3 成形フォーマ
4、4A、4B アプリケータ
8 ゴムストリップ
8A 第1のゴムストリップ
8As 第1のゴムストリップの巻き付け始端
8Af 第1のゴムストリップの巻き付け終端
8B 第2のゴムストリップ
8Bs 第2のゴムストリップの巻き付け始端
8Bf 第2のゴムストリップの巻き付け終端
13 第3のゴムストリップ
15 第4のゴムストリップ
20 空気入りタイヤ
23 トレッドゴム(加硫済)
R トレッドゴム(未加硫)
e1 一方の側縁
e2 他方の側縁

Claims (9)

  1. リボン状の未加硫のゴムストリップを、略円筒状の被巻付体に螺旋状に巻き付けることにより、一方の側縁から他方の側縁までの軸方向の幅を有した環状のゴム部材を製造するタイヤ用ゴム部材の製造方法であって、
    第1のゴムストリップの巻き付け始端及び第2のゴムストリップの巻き付け始端を前記各々の側縁よりも幅方向の内側の位置で被巻付体に固着する工程と、
    前記第1のゴムストリップを一方の側縁に向けて該一方の側縁まで螺旋状に巻き付けるとともに前記第2のゴムストリップを他方の側縁に向けて該他方の側縁まで螺旋状に巻き付けることにより第1の層を形成する第1の巻き付け工程と、
    前記第1のゴムストリップを一方の側縁で折返し他方の側縁に向かって螺旋状に巻き付けるとともに前記第2のゴムストリップを他方の側縁で折返し一方の側縁に向かって螺旋状に巻き付けることにより、前記第1の層の外側に第2の層を連続して形成する第2の巻き付け工程と、
    前記第1のゴムストリップの巻き付け終端及び第2のゴムストリップの巻き付け終端を前記各々の側縁から幅方向の内側の位置に固着する工程とを含むとともに、
    前記第1のゴムストリップの巻き付け始端は、ゴム部材の他方の側縁と、ゴム部材の幅中心との間に設けられ、かつ
    前記第2のゴムストリップの巻き付け始端は、ゴム部材の一方の側縁と前記幅中心との間に設けられることにより、
    第1の巻き付け工程において、第1のゴムストリップと第2のゴムストリップとを前記幅中心で交差させることを特徴とするタイヤ用ゴム部材の製造方法。
  2. 前記タイヤ用ゴム部材が、トレッドゴム又はその一部である請求項1記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法。
  3. 前記第1のゴムストリップの巻き付け終端及び第2のゴムストリップの巻き付け終端は、ゴム部材の幅中心上に設けられる請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法。
  4. 前記第1のゴムストリップの巻き付け始端は、ゴム部材の幅中心に関して、前記第2のゴムストリップの巻き付け始端と実質的に対称位置に固着される請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法。
  5. 前記第1のゴムストリップの巻き付け終端は、ゴム部材の幅中心に関して、前記第2のゴムストリップの巻き付け終端と実質的に対称位置に固着される請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法。
  6. 前記第1のゴムストリップと前記第2のゴムストリップとは、同じゴム配合でかつ同一の断面形状を有する請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法。
  7. 前記第1の巻き付け工程に先立ち、前記被巻付体に、ゴムストリップを一方の側縁から他方の側縁に向かってタイヤ周方向に螺旋状に巻き付けることにより第1の層の内側にアンダー層を形成するアンダー層形成工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法。
  8. 前記アンダー層形成工程と前記第1の巻き付け工程との間に、ゴムストリップを一方の側縁から他方の側縁に向かってタイヤ周方向に螺旋状に巻き付けることによりアンダー層と第1の層との間にミドル層を形成するミドル層形成工程をさらに含むことを特徴とする請求項7記載のタイヤ用ゴム部材の製造方法。
  9. トレッド部にトレッドゴムが配された空気入りタイヤであって、
    前記トレッドゴムの少なくとも一部は、トレッド縁よりも幅方向の内側にそれぞれ巻き付け始端を有する第1のゴムストリップ及び第2のゴムストリップをそれぞれ逆向きでトレッド縁に向けて螺旋状に巻き付けられて形成された第1の層と、
    前記第1のゴムストリップ及び第2のゴムストリップが前記各側のトレッド縁で折り返されてタイヤ赤道に向けて螺旋状に巻き付けられることにより前記第1の層の外側に連続して形成されしかも第1のゴムストリップ及び第2のゴムストリップの巻き付け終端がトレッド縁よりも幅方向の内側に設けられた第2の層とを含むストリップ積層体からなり、
    前記第1の層は、前記第1のゴムストリップを一方のトレッド縁に向けて該一方のトレッド縁まで螺旋状に巻き付けるとともに前記第2のゴムストリップを他方のトレッド縁に向けて該他方のトレッド縁まで螺旋状に巻き付けることにより形成され、
    前記第2の層は、前記第1のゴムストリップを一方のトレッド縁で折返し他方のトレッド縁に向かって螺旋状に巻き付けるとともに前記第2のゴムストリップを他方のトレッド縁で折返し一方のトレッド縁に向かって螺旋状に巻き付けることにより前記第1の層の外側に形成され、
    しかも前記第1のゴムストリップの巻き付け始端は、前記他方のトレッド縁と、タイヤ赤道との間に設けられ、かつ前記第2のゴムストリップの巻き付け始端は、前記一方のトレッド縁とタイヤ赤道との間に設けられることにより、第1のゴムストリップと第2のゴムストリップとが前記タイヤ赤道で交差していることを特徴とする空気入りタイヤ。
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