JP4588334B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
本発明に用いられる乳化組成物は、非イオン性界面活性剤を含有する光学的等方性の界面活性剤相が小滴として電解質塩を含有する水溶液相中に存在するものであり、水溶液相に親和性を有するセグメント(イ)と界面活性剤相に親和性を有するセグメント(ロ)とを有する乳化剤ポリマーにより安定化されたものである。
界面活性剤相の小滴の粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、光学顕微鏡等の測定により、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜3.0μmが更に好ましい。
非イオン性界面活性剤量は、洗浄力の面から、液体洗浄剤組成物中、及び/又は乳化組成物中、10質量%以上が好ましく、15質量%以上が更に好ましく、21質量%以上が最も好ましく、乳化安定性の観点から50質量%以下が好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
乳化組成物中、水溶液相は、好ましい粘度とするために、20質量%以上が好ましく、30質量%以上が更に好ましく、40質量%以上が特に好ましく、95質量%以下が好ましく、90質量%以下が更に好ましく、80質量%以下が特に好ましい。
これらの無機塩は、単独で用いても良く、2種以上混合して用いても良い。
本発明では、界面活性剤相が小滴として水溶液相中で安定に乳化存在するために、水溶液相に親和性を有するセグメント(イ)と界面活性剤相に親和性を有するセグメント(ロ)とを有するポリマー(以下、乳化剤ポリマーという)を用いる。乳化剤ポリマーは、乳化安定性の点から、水溶液相と界面活性剤相の両相に親和性を有するセグメントを有さない方が好ましい。
セグメント(イ)は、アニオン性基又はその塩を構成単位中に有するポリマー鎖であることが好ましく、カルボキシ基又はその塩を構成単位中に有するポリマー鎖であることが更に好ましく、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基又はこれらの塩が含まれていても良い。
リン酸基もしくはホスホン酸基又はその塩を有する部位には、リン酸基又はその塩を有するビニルモノマーの(共)重合体が好ましい。
セグメント(ロ)は、セグメント(ロ1)非イオン性のポリマー鎖、セグメント(ロ2)有機基が挙げられる。
非イオン性のポリマー鎖としては、下記モノマー群(ロ1−1)〜(ロ1−8)から選ばれるモノマー由来の構成単位を有するもの、又は下記ポリマー(ロ1−9)〜(ロ1−11)が好ましく挙げられる。
有機基としては、好ましくは炭素数9〜30、更に好ましくは炭素数12〜22の炭化水素基であり、特に好ましくはこれら炭素数を有する直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。例えば、ノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、ベヘニル基等である。このような炭化水素基は、当該炭化水素基を有するモノマーにより導入される。かかるモノマーとしては以下のもの挙げられる。
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステルとカルボキシ基又はその塩を有するビニルモノマーとの共重合体が更に好ましく、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸又はその塩との共重合体が特に好ましい。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸又はその塩との共重合体、ポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸又はその塩との共重合体等が、好ましく挙げられる。
反応性不飽和基を有するポリアルキレングリコールエーテルと(メタ)アクリル酸又はその塩及び/又はマレイン酸系モノマーとの共重合体が好ましい。反応性不飽和基は、ラジカル重合可能な不飽和基であり、例えば、ポリエチレングリコールアリルエーテルと(メタ)アクリル酸(又はその塩)及び/又はマレイン酸(又はその塩)との共重合体が挙げられる。
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)中でアクリル酸とマレイン酸又はそれらの塩とをラジカル重合して得られるグラフトポリマーが好ましく挙げられる。
好ましくは(メタ)アクリル酸又はその塩をラジカル重合して得られるブロックポリマーが挙げられる。
好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩と、末端に水酸基を有するポリエチレングリコールを脱水反応によって連結して得られるグラフトポリマーが挙げられる。
(メタ)アクリル酸又はその塩と炭素数9〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が、好ましく挙げられる。
本発明の液体洗浄剤組成物中、無機ビルダー粒子の比率は、合計で5質量%以上が好ましく、10質量%以上が更に好ましく、50質量%以下が好ましく、40質量%以下が更に好ましい。この範囲内では、洗浄力が高く、分散安定性も優れている。無機ビルダー粒子は、アルミノケイ酸塩化合物であることが好ましい。
(M1 pM2 qM3 rO)u・(M4 sM5 tO)v・(Al2O3)w・(SiO2) (1)
[式中、M1、M2、M3はそれぞれNa、K又はHを示し、M4及びM5はそれぞれCa又はMgを示す。p、q及びrはそれぞれ0〜2の数(但しp+q+r=2)、s及びtはそれぞれ0〜1の数(但しs+t=1)、uは0〜1、好ましくは0.1〜0.5の数、vは0〜1、好ましくは0〜0.1の数、wは0〜0.6、好ましくは0.1〜0.5の数を示す。]
水酸基含有水溶性有機溶剤は、界面活性剤相の光学的等方性を安定にし、界面活性剤相が小滴として水溶液相中で安定に分散するために用いられ、更に乳化剤ポリマーを製造する際、重合溶剤の一部として用い、乳化剤ポリマーの分子量を調整する役割を担わせることもできる。
HO[CH2CH2O]a[CH2-b(CH3)bCH2-c(CH3)cO]dH (I)
HO[CH2CH2O]a[CH2-b(CH3)bCH2-c(CH3)cO]d−R (II)
CH3-e(OH)eCH2-f(OH)fCH3-g(OH)g (III)
CH3-h(OH)hCH2-i(OH)iCH2-j(OH)jCH3-k(OH)k (IV)
(式中、aは平均値として1〜120、dは平均値として0〜30の数を示す。但し、a>dである。b,c,e,f,g,h,i,j,kは、それぞれ0又は1の整数を表す。但し、b+c=1、e+f+g=2又は3、h+i+j+k=2である。Rはフェニル基又は炭素数1〜8の脂肪族の炭化水素基である。)
(1)アニオン性界面活性剤
本発明の液体洗浄剤組成物には、例えば日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の公知のアニオン性界面活性剤を使用することができる。リン酸塩型及び/又はカルボン酸塩型及び/又はスルホン酸塩型及び/又は硫酸塩型のアニオン性界面活性剤に関しては、好適に配合される。
具体的には、モノアルキル又はアルケニルリン酸塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸塩、及びアルキルベンゼンスルホン酸塩から選ばれる1種以上のアニオン性界面活性剤が好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物には、例えば日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の公知のカチオン性界面活性剤を使用することができ、例えばベンザルコニウム型等の4級アンモニウム塩が好適に配合される。
本発明の液体洗浄剤組成物には、例えば日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の公知の双性界面活性剤を使用することができ、例えばアルキルベタイン型双性界面活性剤等が好適に配合される。
本発明の液体洗浄剤組成物は、液体乳化組成物に溶解する又は/及び溶解しない公知の有機ビルダーも含有することが出来る。具体的には、クエン酸、こはく酸、マロン酸等の多価カルボン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、下記一般式(2)で表わされるメチルグリシン二酢酸三ナトリウム、アスパラギン酸−N、N−二酢酸四ナトリウム、セリン二酢酸三ナトリウム、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム、エチルグリシン二酢酸三ナトリウム等のアミノポリ酢酸、ポリアクリル酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体等の高分子多価カルボン酸が挙げられ、これらはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩等の塩の形態が好ましい。有機ビルダーの比率は液体洗浄剤組成物中0〜15.0質量%が好ましく、更に1.0〜10.0質量%が好ましく、特に2.0〜7.0質量%が好ましい。
その他、前記した水酸基含有水溶性有機溶剤以外の有機溶剤として、アルキルアミン、脂肪族アミン、脂肪族又は芳香族カルボン酸のアミド又はアルキルエステル類、低級アルキルエステル、ケトン、アルデヒド、グリセリド等が配合される。液体乳化組成物中、その他の有機溶剤の比率は、洗浄力及び洗浄剤組成物のコンパクト化の点から、0〜50質量%が好ましく、更に0〜20質量%、特に0〜10質量%が好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、漂白剤を含有することも好ましい。漂白剤は、無機過酸素漂白剤、又は無機過酸素漂白剤と漂白活性化剤を組み合わせて用いることができる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、界面活性剤相が小滴として水溶液相中に安定に乳化分散した乳化組成物と、該乳化組成物中に分散する無機ビルダー粒子からなるものであり、乳化剤ポリマーにより安定化されたものである。従って、乳化剤ポリマーの少なくとも一部は、界面活性剤相と水溶液相の界面に存在すると考えられる。
また、界面活性剤相よりも水溶液相の質量が多いことが好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物の製造には、全成分を混合、攪拌する方法を用いても良いが、均一、安定な液体洗浄剤組成物を得るため、次の方法を用いることが好ましい。即ち、乳化剤ポリマー、電解質塩、非イオン性界面活性剤、水、好ましくは水溶性有機溶剤及び他の界面活性剤等を混合した乳化液と、無機ビルダー粒子を混合する製法である。更に好ましくは、乳化剤ポリマー、電解質塩、水及び好ましくは水溶性有機溶剤混合液中に、非イオン性界面活性剤を添加し、攪拌混合することで乳化液とし、更に無機ビルダー粒子を混合する方法が好ましい。
分子量の測定はゲル浸透型液体クロマトグラフィー(GPC)によって行い、合成例1〜3、7、9のポリマーに関しては次の条件を用いた。溶離液及び添加塩類はいずれも液体クロマトグラフィー用のグレードの試薬から調製した。
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液(pH6.9)/アセトニトリル=9/1(容量比)、
検出器:示差屈折率計、
温度:40℃、
標準:ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、
測定濃度:5mg/ml、
注入量:100μl
カラム:東ソー(株)製 α−M + α−Mの2本、
溶離液:60mmol/L燐酸、50mmol/LのLiBr/DMF、
検出器:示差屈折率計、
温度:40℃、
標準:ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、
測定濃度:5mg/ml、
注入量:100μl
イオン交換水122g、プロピレングリコール122gを窒素雰囲気下で80℃に昇温したところに、ポリエチレングリコール(EO付加モル数90)モノメタクリル酸エステル(NK−エステルM−900G、新中村化学(株)製)150g、メタクリル酸150g、2−メルカプトエタノール4.2gをイオン交換水50gとプロピレングリコール100gの混合液に溶解したものと、過硫酸ナトリウム4.2g、35%過酸化水素水1.7gをイオン交換水50gに溶解したものとを、80〜85℃に保ちながら、別々に2時間かけて滴下し、その後80℃に保ちながらさらに4時間撹拌を続けた。これを冷却して合成ポリマー溶液(1)を得た。得られた合成ポリマーのGPC測定の結果、重量平均分子量は4.6万(ポリエチレングリコール換算)であった。
プロピレングリコール14.1gを窒素雰囲気下で80℃に昇温したところに、ポリエチレングリコール(EO付加モル数90)モノメタクリル酸エステル(NK−エステルM−900G、新中村化学(株)製)50g、メタクリル酸30g、2−メルカプトエタノール0.5g、スチレンスルホン酸ナトリウム20gをイオン交換水48.9gとプロピレングリコール60gの混合液に溶解したものと、過硫酸ナトリウム1.1g、35%過酸化水素水0.44gをイオン交換水25gに溶解したものとを、80〜85℃に保ちながら、別々に2時間かけて滴下し、その後80℃に保ちながらさらに4時間撹拌を続けた。これを冷却して合成ポリマー溶液(2)を得た。得られた合成ポリマーのGPC測定の結果、重量平均分子量は8.7万(ポリエチレングリコール換算)であった。
イオン交換水16.6g、プロピレングリコール16.6gを窒素雰囲気下で80℃に昇温したところに、ポリエチレングリコール(EO付加モル数90)モノメタクリル酸エステル(NK−エステルM−900G、新中村化学(株)製)67.9g、メタクリル酸90g、2−メルカプトエタノール2.5gをイオン交換水50gとプロピレングリコール100gの混合液に溶解したものと、過硫酸ナトリウム2.5g、35%過酸化水素水1.0gをイオン交換水50gに溶解したものとを、80〜85℃に保ちながら、別々に2時間かけて滴下し、その後80℃に保ちながらさらに4時間撹拌を続けた。これを冷却して合成ポリマー溶液(3)を得た。得られた合成ポリマーのGPC測定の結果、重量平均分子量は4.1万(ポリエチレングリコール換算)であった。
イオン交換水7.1g、イソプロピルアルコール2.4gを窒素雰囲気下で80℃に昇温したところに、ラウリルメタクリレート(花王(株)製エキセパールL−MA)15.4g、アクリル酸135gをイオン交換水173gとイソプロピルアルコール200gの混合液に分散したものと、過硫酸ナトリウム2.0gをイオン交換水49gに溶解したものとを、80〜85℃に保ちながら、別々に3時間かけて滴下し、その後80℃に保ちながらさらに4時間撹拌を続けた。次にエバポレーターにてイソプロピルアルコールとイオン交換水の混合液を留去したところ、固形分濃度45.0%の合成ポリマー分散液(4)を得た。得られた合成ポリマーのGPC測定の結果、重量平均分子量は1.0万(ポリエチレングリコール換算)であった。
イオン交換水31.2g、イソプロピルアルコール31.2gを窒素雰囲気下で80℃に昇温したところに、2−エチルヘキシルオキシポリプロピレングリコール(PO付加モル数6)ポリエチレングリコール(EO付加モル数8)モノメタクリル酸エステル(日本油脂(株)製ブレンマー50POEP800B)42.9g、アクリル酸100g、2−メルカプトエタノール2.83gをプロピレングリコール51.8gに溶解したものと、過硫酸ナトリウム5.76gをイオン交換水51.8gに溶解したものとを、80〜85℃に保ちながら、別々に2時間かけて滴下し、その後80℃に保ちながらさらに1時間撹拌を続けた。これを冷却して合成ポリマー溶液(5)を得た。得られた合成ポリマーのGPC測定の結果、重量平均分子量は1.4万(ポリエチレングリコール換算)であった。
イオン交換水18.5g、イソプロピルアルコール19.0gを窒素雰囲気下で80℃に昇温したところに、ステアリルオキシポリエチレングリコール(EO付加モル数30)モノメタクリル酸エステル(日本油脂(株)製ブレンマーPSE1300)40.9g、メタクリル酸50g、2−メルカプトエタノール0.95gをプロピレングリコール70gに溶解したものと、過硫酸ナトリウム2.89gをイオン交換水26gに溶解したものとを、80〜85℃に保ちながら、別々に2時間かけて滴下し、その後80℃に保ちながらさらに1時間撹拌を続けた。これを冷却して合成ポリマー溶液(6)を得た。得られた合成ポリマーのGPC測定の結果、重量平均分子量は1.5万(ポリエチレングリコール換算)であった。
2−プロパノール810gとイオン交換水540gとの混合物を窒素雰囲気下で83℃に昇温し撹拌しているところに、メタクリル酸443.7gをイオン交換水810gに溶解したものと、過硫酸ナトリウム98.2gをイオン交換水530gに溶解したものとを、それぞれ2時間かけて同時に滴下した。滴下中も撹拌液の内温を81〜83℃に保ち、滴下後は81〜83℃で5時間撹拌を続けた。その後大気圧下でさらに加熱して2−プロパノールを留出させ、蒸気温度が上昇しなくなる(101℃付近)まで留出を行ってから室温に戻し、ポリメタクリル酸を33%含む水溶液1640gを得た。得られた合成ポリマーのGPC測定の結果、重量平均分子量は4.2万(ポリエチレングリコール換算)であった。
EOやPOの付加重合反応は、ステンレススチール製のオートクレーブ中で行った。触媒に用いた水酸化カリウムは工業用グレードの板状ペレットであり、純度約96質量%(他は主に水分)である。
合成例8で得られたポリエチレングリコール(EO付加モル数94)アリルエーテル72g、イオン交換水30g、プロピレングリコール70gを窒素雰囲気下で80℃に昇温したところに、アクリル酸48gをイオン交換水37gに溶解したものと、過硫酸ナトリウム4.88g、35%過酸化水素水3.99gをイオン交換水30gに溶解したものとを、80〜85℃に保ちながら、別々に30分かけて滴下し、その後80℃に保ちながらさらに3時間撹拌を続けた。これを冷却して合成ポリマー溶液(7)を得た。得られた合成ポリマーのGPC測定の結果、重量平均分子量は6.1万(ポリエチレングリコール換算)であった。
実施例1
第一工程:300mLビーカーに合成ポリマー溶液(1)2.3g、ジエチレングリコールモノブチルエーテル38g、プロピレングリコール8.8g、イオン交換水9.9gを入れ、攪拌して均一溶液とした。そこに炭酸ナトリウム14gをイオン交換水94gに溶解させた液を混合攪拌し、均一溶液を得た。
第一工程:300mLビーカーに合成ポリマー溶液(1)4.4g、プロピレングリコール9.2gを入れ、攪拌して均一溶液とした。そこに炭酸カリウム39gをイオン交換水77gに溶解させた液を混合攪拌し、均一溶液を得た。
表1に示す配合量で、実施例2と同様の手順で液体洗浄剤組成物を得た。
尚、実施例8の第三工程において、第二工程で得られた懸濁液を特殊機化工業(株)製ホモミキサーを用いて乳化(3000rpm、10分間)し、得られた乳化液の光学顕微鏡写真から、界面活性剤相が乳化していることが示された。その様子を図1に示す。図1中、円形に見えるのが界面活性剤相であり、該界面活性剤相をとりまいて水溶液相が連続して存在することが確認できる。
得られた液体洗浄剤組成物について以下の評価を行った。結果を表1に示す。
目盛り付きガラス製沈降管に、深さ30cmとなるように液体洗浄剤組成物を満たして密栓し、各サンプルを25℃の室内で1ヶ月間静置保存した。保存終了後のサンプルの透明液相と固体分散相の境界線を目視で判断し、相分離して上層部に生じた透明液体相の厚みx(cm)を測定した。体積分離率y(%)を、次式(V)により求め、以下の基準で評価した。
y=(x/30)×100 (V)
○:体積分離率5%未満
△:体積分離率5%以上10%未満
×:体積分離率10%以上
200mLビーカーに液体洗浄剤組成物200gを満たし、東京計器(株)製B型粘度計により、No.2(又は3)のローターを粘度に応じて6〜60r/minの速度条件(25℃)において測定した。
200mLビーカーに液体洗浄剤組成物200gを満たし、株式会社堀場製作所製pHメータD−24を用いて計測(20℃)した。実施例8のpHは、11であった。
50mLのサンプル管に液体洗浄剤組成物40gを満たし、イオン交換水2gを加え、蓋を閉め手で振とうした。その後、東京計器(株)製B型粘度計により、No.2又は3のローターを用いて60r/minの速度条件(25℃)において粘度を測定した。イオン交換水をその後、2gずつ10gになるまで添加し、毎回同様の測定を行った。実施例2及び8についてこの増粘試験をした結果、急激な粘度変化はみられず、試験後の粘度は、試験前の粘度と比較して、同等以下であった。
合成例(4)で得られた合成ポリマー分散液(4)4.44gとイオン交換水69.56gを混合した液に四ホウ酸ナトリウム十水和物7g、グリセロール10g、炭酸ナトリウム12gを投入して攪拌混合した。得られた白濁液に、非イオン性界面活性剤(1)30.8g、アルキル(炭素数12)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王(株)製ネオペレックスNo.6)41g、オレイン酸ナトリウム15g、ラウリン酸ナトリウム10.2gを加えて、ホモミキサーを用いて攪拌(8000rpm、5分間)し、乳化液を得た。乳化液は、増粘し、ゲル状となった。
実施例2において、ポリマー溶液を添加しないことを除いて、同様に配合した。第三工程終了後、30分静置した所、上下に分離した。
* 非イオン性界面活性剤(2):エマルゲンLS−106(花王(株)製)
* 水溶性有機溶剤(1):ジエチレングリコールモノブチルエーテル
* 水溶性有機溶剤(2):プロピレングリコール
* アニオン性界面活性剤:アルキルの炭素数10〜14の脂肪酸
* 合成ポリマー溶液(1):合成例1で合成したポリマー溶液
* 合成ポリマー溶液(2):合成例2で合成したポリマー溶液
* 合成ポリマー溶液(3):合成例3で合成したポリマー溶液
* 合成ポリマー分散液(4):合成例4で合成したポリマー分散液
* 合成ポリマー分散液(5):合成例5で合成したポリマー分散液
* 合成ポリマー分散液(6):合成例6で合成したポリマー分散液
* 合成ポリマー溶液(7):合成例9で合成したポリマー分散液
* ゼオライト:ゼオビルダー社製A型ゼオライト
* 蛍光染料:チバスペシャリティーケミカルズ社製チノパールCBS−X
実施例2の第三工程で得られた乳化液を下記の方法で偏光顕微鏡観察したところ、光学的等方性であることが確認された。比較例1で得られた乳化液に関して同様に偏光顕微鏡観察したところ、光学的異方性を有することが確認された。
<参考例:ポリマー鎖の親和性の試験>
前記実施例4、5で用いた乳化剤ポリマーについて、ポリマー鎖の水溶性相と界面活性剤相に対する親和性を確認した。すなわち、実施例4、5の組成物から、当該乳化剤ポリマー及び無機ビルダー粒子を除いた組成で組成物を調製した。該組成物は、電解質塩を含有する水溶液相(下層)と非イオン性界面活性剤相を含有する界面活性剤相(上層)に分離した。
* ポリメタクリル酸溶液:合成例7で得られたポリメタクリル酸水溶液
* ポリエチレングリコール(EO付加モル数90)モノメタクリル酸エステル:新中村化学(株)製NK−エステルM−900G
* ラウリルメタクリレート:花王(株)製エキセパールL−MA
* 水溶液相、界面活性剤相:ポリマー溶液とゼオライトを除く実施例4と同様の組成で各成分を混合し、24時間放置して2層に分離させて得た。上層が非イオン性界面活性剤を含有する界面活性剤相、下層が電解質塩を含有する水溶液相である。
Claims (17)
- 非イオン性界面活性剤を含有する光学的等方性の界面活性剤相(以下、界面活性剤相という)が、該界面活性剤相と非相溶性となる量の電解質塩を含有する水溶液相(以下、水溶液相という)中に、前記水溶液相に親和性を有するセグメント(イ)と前記界面活性剤相に親和性を有するセグメント(ロ)とを有するポリマー(以下、乳化剤ポリマーという)により安定化された小滴として存在する乳化組成物と、該乳化組成物中に分散する無機ビルダー粒子とからなる、液体洗浄剤組成物であって、
電解質が、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、典型金属または遷移金属のハロゲン化物、典型金属または遷移金属の硫酸化物、及び典型金属または遷移金属のリン酸化物から選ばれる電解質であり、
乳化剤ポリマーのセグメント(イ)が、カルボキシ基又はその塩を構成単位中に有するポリマー鎖であり、セグメント(ロ)が、(ロ−i)アルキレンオキサイドを重合して得られるアルキレンオキシ基を構成単位としアルキレンオキシ基の末端に水酸基もしくは炭素数1〜30のアルキル基を有する非イオン性のポリマー鎖又は(ロ−ii)炭素数9〜30の炭化水素基であり、
乳化剤ポリマーのセグメント(イ)とセグメント(ロ)の質量比が、(イ)/(ロ)=40/60〜90/10であり、
無機ビルダー粒子が、下記一般式(1)で表されるアルミノケイ酸塩化合物の粒子であり、
(M 1 p M 2 q M 3 r O) u ・(M 4 s M 5 t O) v ・(Al 2 O 3 ) w ・(SiO 2 ) (1)
[式中、M 1 、M 2 、M 3 はそれぞれNa、K又はHを示し、M 4 及びM 5 はそれぞれCa又はMgを示す。p、q及びrはそれぞれ0〜2の数(但しp+q+r=2)、s及びtはそれぞれ0〜1の数(但しs+t=1)、uは0〜1の数、vは0〜1の数、wは0〜0.6の数を示す。]
液体洗浄剤組成物中、電解質塩の含有量が、4〜50質量%であり、
液体洗浄剤組成物中、水の含有量が20質量%以上である、
液体洗浄剤組成物。 - 液体洗浄剤組成物中、乳化組成物が、0.5S/m以上の電導率を有する、請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
- 液体洗浄剤組成物中、非イオン性界面活性剤の含有量が10質量%以上である請求項1又は2記載の液体洗浄剤組成物。
- 液体洗浄剤組成物中、電解質塩の含有量が、4〜32質量%である、請求項1〜3いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- さらに、水酸基含有水溶性有機溶剤を含有する請求項1〜4いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- 乳化剤ポリマーが、ブロック型又はグラフト型ポリマーである、請求項1〜5いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- 乳化剤ポリマーが、ポリアルキレングリコールとカルボキシ基又はその塩を有するビニルモノマーとのエステルと、カルボキシ基又はその塩を有するビニルモノマーとの共重合体である請求項1〜6いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- 乳化剤ポリマーが、反応性不飽和基を有するポリアルキレングリコールエーテルと、カルボキシ基又はその塩を有するビニルモノマーとの共重合体である請求項1〜6いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- 乳化剤ポリマーのセグメント(イ)が、カルボキシ基又はその塩を構成単位中に有するポリマー鎖であり、セグメント(ロ)が、炭素数9〜30の炭化水素基である、請求項1〜5いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- 乳化剤ポリマーのセグメント(イ)が、スルホン酸基又はその塩を構成単位中に有する、請求項1〜9いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- 乳化剤ポリマーのセグメント(ロ)が、アルキレンオキシ基の平均重合度が40〜200のポリマー鎖である、請求項1〜8、10いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- 電解質塩がアルカリ金属の炭酸塩である請求項1〜11いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、HLB9〜16である、請求項1〜12いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- 粘度(25℃)が3000mPa・s以下である、請求項1〜13いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- 乳化組成物を50質量%以上、95質量%以下、無機ビルダー粒子を5質量%以上、50質量%以下含有する、請求項1〜14いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- 無機ビルダー粒子と乳化剤ポリマーの質量比が、乳化剤ポリマー/無機ビルダー粒子=1/80〜1/4である、請求項1〜15いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
- 前記乳化剤ポリマー、前記電解質塩、前記非イオン性界面活性剤及び水を含有する乳化組成物と、無機ビルダー粒子とを混合する工程を有する、請求項1〜16いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物の製法。
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