JP4717314B2 - 液体洗浄剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維製品の洗濯用洗剤、台所用洗剤、住居用洗剤、各種硬質表面等のクリーニング用洗浄剤、液体クレンザー等の幅広い分野で有用な液体洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
液体洗浄剤は一般に粉末洗浄剤に比べて水への溶解性に優れ、汚れた部分に直接塗布できるという利点を有する。また生産する場合には乾燥工程が必要ないことから、粉末や固形の洗浄剤には配合出来ない熱に不安定な物質を配合できる利点があり、乾燥設備等の複雑な装置を必要としない等の長所を有する。
【0003】
液体洗浄剤中には洗浄の補助効果を有する、アルカリ剤、カルシウム捕捉剤、漂白剤、酵素、研磨剤等を配合することが望まれている。しかしながら固体成分を含有する液体洗浄剤の場合は特に、保存中に固体成分が沈殿・分離して容易に再分散されなかったり、製品粘度が高くなり過ぎて洗濯槽へ注ぐのが容易でないといった問題が起こりやすい。固体成分の沈降を抑制するためには、従来から液相の粘度を高めたり、固体の粒径を小さくする等の方法が採られているが、高粘度化には前記問題があり、固体粒径を小さくしただけでは安定な分散は実現しなかった。
【0004】
固体成分の分散安定化の目的で、特公昭60−39319号公報には少なくとも30%加水分解した無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、特開平3−86800号公報には両親媒性カルボキシ含有ポリマー、特開平5−140599号公報には固相表面から伸張できる基を含むモノマーと固相と会合できる基を含むモノマーを有するコポリマー、特開平7−508781号公報には液相で自己会合を示す基と、液相に溶解性のモノマーを有するポリマー、といった高分子型分散剤を用いる液体洗浄剤組成物が開示されている。しかしながらこれらで達成されている分散安定性は満足のいくものではなかった。
【0005】
本発明の課題は、洗浄力に優れ、固体成分の分散安定性が良好な液体洗浄剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、スチレンカルボン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上のモノマー(以下、アニオン性モノマーという)との共重合体(以下、共重合体という)を含有する、液体洗浄剤、及びその製法、並びに反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルとアニオン性モノマーとの共重合体であって、反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルとアニオン性モノマーの合計比率が、共重合体を構成するモノマー全体に対して50〜100質量%である共重合体からなる分散剤を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
(共重合体)
本発明の液体洗浄剤は、反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルと前記特定のアニオン性モノマーとの共重合体(以下、単に共重合体という)を含有する。即ち、反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテル及び前記特定のアニオン性モノマー由来の構造単位を含む共重合体を含有するものである。液体洗浄剤中、共重合体の含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜7質量%がさらに好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
【0008】
反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルにおいて、反応性不飽和基とは、ラジカル重合可能な不飽和基であることが好ましい。この反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルは、下記一般式(1)で表わされるものが好ましい。
【0009】
【化3】
【0010】
〔式中、R1、R2、R3は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す。R4は、水素原子、炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数6〜22のアリール基、アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基を示す。n個のAOは、同一又は異なって、アルキレンオキシ基を示す。nは、3〜200の数を示す。pは、0又は1を示す。Xは、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基又は下記一般式(2)
【0011】
【化4】
【0012】
で表わされる2価の基を示す。(式中、R5は、水素原子、炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数6〜22のアリール基、アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基を示す。m個のAOは、同一又は異なって、アルキレンオキシ基を示す。qは、1〜10の数を示す。mは、0〜200の数を示す。)〕
【0013】
一般式(1)中、R1、R2、R3は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基が好ましい。
【0014】
一般式(1)のR4と一般式(2)中のR5は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1〜8のアルキル基若しくはフェニル基が好ましく、メチル基が更に好ましい。例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基等が挙げられる。
【0015】
一般式(1)中のXは、炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基が更に好ましく、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基が挙げられ、メチレン基が特に好ましい。
【0016】
一般式(1)、(2)中のAOは、同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基が好ましく、ブロック、ランダム、交互何れの重合体であってもよい。m、nは、同一又は異なって、好ましくは、3〜100であり、更に好ましくは3〜50である。m+nは、好ましくは3〜200、更に好ましくは6〜100である。AOが、炭素数2のエチレンオキシ基の単独重合体である場合、前述のR4、R5は、同一又は異なって、水素原子以外が好ましい。特に、一般式(1)、(2)の(AO)n、(AO)mは、同一又は異なって、下記一般式(3)で表わされるブロック重合体又はランダム重合体、特にブロック重合体が好ましく、ブロック重合体の場合は、反応性不飽和基R1R2C=C(R3)により近い位置にエチレンオキシ基が結合していることが好ましい。
【0017】
−[(C2H4O)r/(C3H6O)s]− (3)
(式中、rは、3〜130、sは、1〜50の数を示す。)
ここで、一般式(3)のrは、好ましくは3〜50、sは、好ましくは1〜30である。
【0018】
一般式(1)のpは、1が好ましく、一般式(2)のqは、1〜5が好ましく、1が更に好ましい。
【0019】
アニオン性モノマーとしては、広範囲に共重合比を設定できる利点から、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの塩が更に好ましい。これらにその他のアニオン性モノマー(イタコン酸、スチレンカルボン酸、及びそれらの塩)を共重合しても良い。
【0020】
反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルと反応性の高いアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの塩と共重合させることで、全モノマー中、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの塩の割合(モル比)を高く迄設定できる。これに対して、反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルと後述するマレイン酸系モノマーとの共重合の場合、マレイン酸系モノマーは、一般に重合反応性が低いため、マレイン酸系モノマーの割合(モル比)は、ある程度迄しか高くできない。また、本発明に用いられる反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルは、同じポリオキシアルキレン基を有するポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルと比較して、エステル化を必要としないため、安価に製造できる。
【0021】
アニオン性モノマーの塩として、金属、アンモニウム、総炭素数1〜22のアルキルもしくはアルケニルアンモニウム、炭素数1〜22のアルキル若しくはアルケニル置換ピリジニウム、総炭素数1〜22のアルカノールアンモニウム、又は塩基性アミノ酸等が挙げられ、ナトリウム、カリウムの様なアルカリ金属塩が好ましい。
【0022】
本発明に用いられる反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルの重量平均分子量は、後述する方法(GPC条件▲1▼)により求められ、500〜5000が好ましく、1000〜4000がさらに好ましい。
【0023】
本発明に用いられる共重合体の重量平均分子量は、後述する方法(GPC条件▲2▼)により求められ、2000〜100万が好ましく、4000〜25万がさらに好ましい。この範囲内では、分散剤として、高い分散性を示す。また、2000未満の分子量のオリゴマーが合成時に少量副生して含まれていてもよい。
【0024】
反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテル(A)とアニオン性モノマー(B)との共重合比は、(A):(B)=99:1〜40:60(質量比)が好ましく、96:4〜50:50がさらに好ましい。この範囲内では、共重合体は、分散質への吸着を担う構造(アニオン性モノマーのカルボキシ基)と、液体部分へ溶けて立体効果を担う構造(ポリオキシアルキレンエーテル部分)とのバランスを保つと考えられ、高い分散性能を示す。
【0025】
また、反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテル(A)とアニオン性モノマー(B)とのモル比は、(A):(B)=50:50〜1:99が好ましく、40:60〜2:98がさらに好ましく、19:81〜2:98が特に好ましい。
【0026】
本発明に用いられる共重合体には、他のモノマーが共重合されていてもかまわないが、反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルとアニオン性モノマーが、共重合体を構成するモノマー全体に対して好ましくは50〜100質量%(他のモノマーは、0〜50質量%)であり、さらに好ましくは、70〜100質量%、特に好ましくは80〜100質量%である。この範囲内では、共重合体は、分散質への吸着を担う構造(アニオン性モノマーのカルボキシ基)と、液体部分へ溶けて立体効果を担う構造とのバランスを保つと考えられ、高い分散性能を示す。
【0027】
他のモノマーとして、以下の(1)〜(8)のモノマーが好ましい。塩として、前述のものが挙げられる。
(1)スルホン酸基を有するビニルモノマー。例えばスチレンスルホン酸(又はその塩)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(又はその塩)、(メタ)アリルスルホン酸(又はその塩)等が好ましい。
(2)カチオン基を有するビニルモノマー。例えば塩化2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム、塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチルジメチルエチルアンモニウム、塩化3−((メタ)アクリルアミド)プロピルトリメチルアンモニウム、塩化ジアリルジメチルアンモニウム等が好ましい。
(3)無置換、あるいは窒素上に炭素数1〜12の飽和もしくは不飽和のアルキル基又はアラルキル基を有する置換(メタ)アクリルアミド。例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が好ましい。
(4)N−ビニル脂肪族アミド。例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド等が好ましい。
(5)炭素数1〜22の無置換もしくは置換の、飽和もしくは不飽和アルキル基又はアラルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。
(6)スチレン骨格を有するモノマー。例えば、スチレン、4−エチルスチレン、α−メチルスチレン等が好ましい。
(7)ビニルエステル。例えば、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル等が好ましい。
(8)マレイン酸系モノマー。例えば、無水マレイン酸、マレイン酸及びその塩、マレイン酸モノエステル及びその塩、並びにマレイン酸モノアミド及びその塩。
【0028】
上記の中で、好ましいのは、(1)、(3)、(8)である。
【0029】
一般式(1)で表わされる反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルの合成方法は特に限定されないが、例えば式(4)のような反応性不飽和基を有するアルコールに、アルカリ条件下、アルキレンオキシドを付加重合することで得られる。一般式(1)、(2)のR4、R5が水素原子以外の基である場合、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物あるいはピリジンなどアミン類の共存下に、ハロゲン化アルキル、硫酸アルキルなどのアルキル化剤を反応させるいわゆるウイリアムソン反応によって合成することができる。
【0030】
【化5】
【0031】
〔式中、R1、R2、R3、pは、前記の意味を示す。Yは、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基又は下記一般式(5)
【0032】
【化6】
【0033】
で表わされる2価の基(式中、qは、前記の意味を示す。)を示す。〕
【0034】
(共重合体の製法)
本発明に用いられる共重合体の製法は特に限定されないが、無溶媒あるいは適当な溶媒及び重合開始剤の存在下で、前述したモノマーを重合するのが好ましい。
【0035】
溶媒としては特に限定されないが、水;エタノールや2−プロパノールやプロピレングリコールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、その他ジメチルスルホキシド、スルホランなど、を単独あるいは複数種混合して用いることができる。溶媒を用いる場合、その使用量は、全モノマー量に対して、質量比で、等量〜20倍、好ましくは等量〜10倍である。
【0036】
重合開始剤は、ラジカル重合開始剤が好ましく、例えば過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩類;過酸化ピバリン酸t−ブチルやt−ブチルヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物;アゾビス(2,3−ジメチルバレロニトリル)などの有機アゾ化合物類;亜硫酸水素ナトリウムと酸素との併用などの酸化還元系、過酸化水素などが単独あるいは併用して用いられる。
【0037】
重合開始剤の使用量は、モノマーを基準として0.01〜60モル%、好ましくは0.01〜20モル%、特に好ましくは0.01〜5モル%の範囲である。
【0038】
モノマーは、必要量を一括で混合しても良いし、ある種のモノマーを先に反応槽に仕込み、他種モノマーを重合開始剤と共に順次添加していって重合状態を調節しても良い。特に、反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテルを先に反応槽に仕込み、アニオン性モノマーを重合開始剤と共に添加することが好ましい。重合温度は、好ましくは10〜130℃、さらに好ましくは30〜100℃であり、反応時間は、1〜20時間が好ましく、さらに2〜10時間が好ましい。
【0039】
(液体洗浄剤)
本発明の液体洗浄剤は、液体分散媒と該液体分散媒中に分散する固体分散質とからなる液体洗浄剤組成物であることが好ましく、更に固体分散質の少なくとも一部が、後述する無機ビルダーを必須成分とし、液体分散媒の少なくとも一部が、界面活性剤を必須成分とし、更に好ましくは水及び/又は水溶性有機溶剤を含有し、液体分散媒及び/又は固体分散質が、前記共重合体を含有しているものが好ましい。液体洗浄剤中、液体分散媒の比率は、30〜69質量%が好ましく、40〜69質量%が更に好ましい。近似的に液体分散媒の比率は、液体洗浄剤中の非イオン性界面活性剤、水酸基含有水溶性有機溶剤及び水の合計配合量の比率とみなすことができる。液体分散媒量は、通常、遠心分離によって、固形分を沈降させ、場合によりろ過することで求めることができる。この液体分散媒は水を含んでいても良いが、液体洗浄剤のコンパクト化のために、液体分散媒中の水の比率は、好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは3〜20質量%であり、特に好ましくは3〜15質量%、最も好ましくは3〜12質量%である。下限は、製造のし易さから、好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。
【0040】
本発明の液体洗浄剤に配合される前記共重合体は、洗浄時に汚れの分散剤、すなわち洗浄対象から剥離した汚れが再び洗浄対象に付着するのを防止する再汚染防止剤として作用するが、それと共に配合物中での固体分散質の化学的安定性を充分に有する分散剤としても作用する。これは、液体洗浄剤中では、この共重合体のアニオン性モノマーのカルボキシ基が分散質に吸着しポリオキシアルキレン基が液体成分に溶解状態をとることで、立体効果によって、分散質の凝集・ネットワーク化を防ぎ、良好な分散状態を維持することで低粘度を作り出すと考えられる。一方洗浄水中では、この共重合体は汚れ成分に吸着し、汚れ表面をアニオン性とすることによるイオン性反発効果で汚れ成分を水中に分散し、洗浄対象物の再汚染を防止すると考えられる。
【0041】
本発明に用いられる共重合体は、分散性が高く、安定な分散系が得られるため、液体洗浄剤の低粘度化を可能とする。ここで述べる安定な分散系とは、当該液体洗浄剤を製造後、室温(25℃)で1ヶ月保存した後の体積分離率が5%以下であることを示す。体積分離率は、固体成分が沈降分離して上部に生じる透明な液相の体積が、液体洗浄剤全体積に占める割合のことである。具体的には、後述の実施例の方法により測定する。
【0042】
本発明の液体洗浄剤において、結晶性ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、炭酸塩からなる無機ビルダー群と共重合体の質量比は、無機ビルダーの分散安定性から、共重合体/無機ビルダー群=1/80〜1/4が好ましく、1/60〜1/5が更に好ましく、1/40〜1/8が特に好ましい。
【0043】
本発明の液体洗浄剤において、全界面活性剤と共重合体の質量比は、液体洗浄剤の安定性から、共重合体/全界面活性剤=1/80〜1/4.1が好ましく、1/60〜1/4.5が更に好ましく、1/30〜1/5が特に好ましい。
【0044】
本発明の液体洗浄剤において、液体分散媒と結晶性ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、炭酸塩からなる無機ビルダー群の質量比は、無機ビルダーの分散安定性から、液体分散媒/無機ビルダー群=1/3〜3/1が好ましく、1/2〜2/1が更に好ましい。
【0045】
本発明の液体洗浄剤の粘度は、洗濯機の洗剤導入口での残留性を低くし、作業性を向上するために、3000mPa・s以下であることが好ましく、2000mPa・s以下であることがさらに好ましく、1000mPa・s以下であることが特に好ましく、700mPa・s以下が最も好ましい。液体洗浄剤の飛散を防止し、無機ビルダー粒子の安定性を高めるために、10mPa・s以上が好ましく、100mPa・s以上が更に好ましく、200mPa・s以上が特に好ましい。この場合の粘度とは、200mLビーカーに本液体洗浄剤200gを満たし、東京計器(株)製B型粘度計により、No.2のローターを、粘度に応じて6〜60r/minとする速度条件(25℃)において測定した値である。
【0046】
本発明の液体洗浄剤は、繊維製品の洗濯用洗剤、台所用洗剤、住居用洗剤、浴室用洗浄剤、硬質表面用洗浄剤に用いられる。
【0047】
以下、本発明の液体洗浄剤に配合できる共重合体以外の各成分について記載する。
【0048】
1.界面活性剤
液体洗浄剤は界面活性剤を必須成分とするが、界面活性剤の種類は特に限定されず、次に記する非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性界面活性剤を必要に応じて単独、あるいは混合して使用することが出来る。液体洗浄剤中、界面活性剤(後述の液体分散媒に不溶のものを含む)の比率は、3〜65質量%が好ましく、15〜60質量%がさらに好ましく、特に20〜50質量%が好ましい。また、液体分散媒中、界面活性剤の比率は10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%が更に好ましく、50〜70質量%が特に好ましい。
【0049】
1−1.非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤を洗浄剤組成物に配合して用いることは従来から行われており、本発明においても、洗浄力と安定性に優れる点で好適である。非イオン性界面活性剤の全界面活性剤中の比率は70〜100質量%が好ましく、更に90〜100質量%、特に100質量%が好ましい。
【0050】
非イオン性界面活性剤として、例えば日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の公知の非イオン性界面活性剤を用いることができる。
【0051】
好ましいものを例示すれば、ポリエチレンオキシド及び/又はポリプロピレンオキシド型の非イオン性界面活性剤、とりわけ炭素数8〜18を有する直鎖もしくは分岐鎖の第1級又は第2級アルコールに、エチレンオキシドを平均5〜20モル付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル並びにエチレンオキシドを平均5〜15モル及びプロピレンオキシドを平均1〜5モル付加したポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(但し、エチレンオキシドとプロピレンオキシドは、ランダム状に付加していてもブロック状に付加していてもよい。)などがある。その他、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、蔗糖脂肪酸エステル類、脂肪酸グリセリンモノエステル類、高級脂肪酸アルカノールアミド類、ポリオキシエチレン高級脂肪酸アルカノールアミド類、アミンオキサイド類、アルキルグリコシド類、アルキルグリセリルエーテル類及びN−アルキルグルコンアミド類等も使用することができる。
【0052】
1−2.アニオン性界面活性剤
例えば日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の公知のアニオン性界面活性剤を使用することができる。特にスルホン酸塩型、硫酸塩型、リン酸塩型及び/又はカルボン酸塩型のアニオン性界面活性剤が好適に配合される。
【0053】
具体的には、平均炭素数8〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(平均エチレンオキシド付加モル数:0.5〜6モル)、モノアルキルリン酸塩及び脂肪酸塩から選ばれる1種以上のアニオン性界面活性剤が好ましい。
【0054】
これらのアニオン性界面活性剤の対イオンとして、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、エタノールアミン類等のアミンがプロトン化された陽イオン、第4級アンモニウム塩及びそれらの混合物等が挙げられる。アニオン性界面活性剤を配合する場合は、酸型で配合し、別途アルカリ(例えばエタノールアミン等)を添加するような方法を用いてもよい。
【0055】
1−3.カチオン性界面活性剤
例えば日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の公知のカチオン性界面活性剤を使用することができ、例えばベンザルコニウム型等の4級アンモニウム塩が好適に配合される。
【0056】
1−4.双性界面活性剤
例えば日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の公知の双性界面活性剤を使用することができ、例えばアルキルベタイン型双性界面活性剤等が好適に配合される。
【0057】
2.有機溶剤
2−1.水酸基含有水溶性有機溶剤
水酸基含有水溶性有機溶剤は、製品の粘度調節、非イオン性界面活性剤のゲル化防止、洗濯水への溶解性調節を行う目的で本発明の液体洗浄剤中に配合される。
【0058】
水酸基含有水溶性有機溶剤は特に限定されないが、一般式(6)及び/又は(7)及び/又は(8)及び/又は(9)にて表記されるものが好ましい。
HO[CH2CH2O]a[CH2-b(CH3)bCH2-c(CH3)cO]dH (6)
HO[CH2CH2O]a[CH2-b(CH3)bCH2-c(CH3)cO]d−Ph (7)
CH3-e(OH)eCH2-f(OH)fCH3-g(OH)g (8)
CH3-h(OH)hCH2-i(OH)iCH2-j(OH)jCH3-k(OH)k (9)
(式中、aは平均値として1〜120、dは平均値として0〜30の数を示す。但し、a>dである。b,c,e,f,g,h,i,j,kは、それぞれ0又は1の整数を表す。但し、b+c=1、e+f+g=2又は3、h+i+j+k=2である。Phはフェニル基である。)。
【0059】
液体分散媒中、水酸基含有水溶性有機溶剤の比率は7〜60質量%が好ましく、7〜50質量%が更に好ましく、15〜40質量%が特に好ましい。全液体洗浄剤中、2.1〜41.4質量%が好ましく、2.8〜34.5質量%が更に好ましく、6〜27.6質量%が特に好ましい。
【0060】
具体的には、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、多価アルコール類のモノ−、ジ−又はトリ−アルキルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体等のグリコール類、グリコール類のモノアルキルエーテル、モノアリールエーテル特にモノフェニルエーテル等が挙げられる。これら水酸基含有水溶性有機溶剤は1種又は2種以上が使用できる。
【0061】
2−2.その他の有機溶剤
その他、有機溶剤として、アルキルアミン、脂肪族アミン、脂肪族又は芳香族カルボン酸のアミド又はアルキルエステル類、低級アルキルエステル、ケトン、アルデヒド、グリセリド等が配合できる。液体洗浄剤中、その他の有機溶剤の比率は、洗浄力及び洗浄剤のコンパクト化の点から、0〜50質量%が好ましく、更に0〜20質量%、特に0〜10質量%が好ましい。
【0062】
3.水
水は、製品の粘度調節、非イオン性界面活性剤のゲル化防止、洗濯水への溶解性調節を行う目的で配合でき、無機ビルダー粒子に吸着されている水の量以外に、本発明の液体洗浄剤に配合される水の量は、液体洗浄剤中、1〜30質量%が好ましく、1〜15質量%がさらに好ましく、2〜12質量%が特に好ましい。
【0063】
4.無機ビルダー
洗浄性を高めるために、結晶性ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、炭酸塩からなる無機ビルダー群から選ばれる1種以上を液体洗浄剤中30〜69質量%含有することが好ましく、30〜50質量%含有することが更に好ましい。
【0064】
4−1.結晶性ケイ酸塩
結晶性ケイ酸塩として、一般式(I)で表わされる結晶性ケイ酸塩化合物の1種以上が挙げられる。
【0065】
(M1 pM2 qM3 rO)(M4 sM5 tO)x(SiO2)y (I)
[式中、M1、M2及びM3はそれぞれNa、K又はHを示し、M4及びM5はそれぞれCa又はMgを示す。p、q及びrはそれぞれ0〜2の数(但しp+q+r=2)、s及びtはそれぞれ0〜1の数(但しs+t=1)、xは0〜1の数、yは0.9〜3.5の数を示す。]。
【0066】
結晶性ケイ酸塩は、具体的には層状ケイ酸ナトリウム、例えばSKS−6(ヘキスト社製)や、特許第2525318号公報、特許第2759243号公報、特許第2618799号公報、特許第2525342号公報、特開平5−184946号公報の特許請求の範囲に記載されているものが挙げられる。
【0067】
4−2.アルミノケイ酸塩として、一般式(II)で表わされるケイ酸塩化合物が挙げられる。
【0068】
(M1 pM2 qM3 rO)u(M4 sM5 tO)v(Al2O3)w(SiO2) (II)
[式中、M1、M2及びM3はそれぞれNa、K又はHを示し、M4及びM5はそれぞれCa又はMgを示す。p、q及びrはそれぞれ0〜2の数(但しp+q+r=2)、s及びtはそれぞれ0〜1の数(但しs+t=1)、uは0〜1、好ましくは0.1〜0.5の数、vは0〜1、好ましくは0〜0.1の数、wは0〜0.6、好ましくは0.1〜0.5の数を示す。]。
【0069】
このようなアルミノケイ酸塩化合物として、例えば、一般的に洗浄剤に配合されている各種ゼオライトのタイプA、X、Pが挙げられ、特にタイプAが好適である。ゼオライトは高いカチオン交換能を有するため非常に優れた洗浄剤用ビルダーであり、これを配合すると、液体洗浄剤の洗浄力が大きく高められるため好ましい。このようなゼオライトには、例えば東ソー(株)から市販されているトヨビルダーが挙げられる。また後述する本発明の液体洗浄剤の製造工程において微粉砕しやすく、それによって分散安定性が高められる点から、特開2001−139322号公報記載の方法で製造された微粒子ゼオライトを用いることも好ましい。
【0070】
4−3.炭酸塩
炭酸塩は、アルカリ金属塩(Na、K等)が好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。炭酸ナトリウム(ソーダ灰)としては、一般的に入手可能なデンス灰、ライト灰等が挙げられる。
【0071】
これら以外にも、公知のケイ酸塩、メタケイ酸塩の洗剤用ビルダーを任意に配合することが出来る。これらはアルカリ金属塩であることが好ましい。また、トリポリ燐酸塩、ピロ燐酸塩等の燐酸塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)又はそれらの塩も用いることができる。この場合もアルカリ金属塩であることが好ましい。
【0072】
これら無機ビルダーの液体分散媒中の溶解性は低く、分散状態で配合される。その場合の平均粒径は、何れも10μm以下が良く、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.05〜2μm、特に好ましくは0.1〜1.0μm、最も好ましくは0.1〜0.7μmである。ここで平均粒径とは、堀場製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910で測定した、体積基準粒子径の平均粒径のことであり、以後断りのない限りこれを意味する。
【0073】
5.有機ビルダー
本発明の液体洗浄剤は、公知の有機ビルダーも含有することが出来る。具体的には、クエン酸、こはく酸、マロン酸等の多価カルボン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸等のアミノポリ酢酸、ポリアクリル酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体等の高分子多価カルボン酸が挙げられ、これらはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩等の塩の形態が好ましい。有機ビルダーの比率は液体洗浄剤中0.5〜15.0質量%、更に1.0〜10.0質量%、特に2.0〜7.0質量%が好ましい。
【0074】
6.漂白剤
本発明の液体洗浄剤は、漂白剤を含有することも好ましい。漂白剤は、無機過酸素漂白剤、又は無機過酸素漂白剤と漂白活性化剤を組み合わせて用いることができる。
【0075】
無機過酸素漂白剤として、アルカリ金属の過ホウ酸塩、過炭酸塩、過ケイ酸塩、過リン酸塩が挙げられ、特に過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム等が好ましい。また製品の分散安定性を高める上で、特開平11−279593号公報第2頁第2欄13〜44行に挙げられるような、カルボン酸系ポリマー及び/又は多価カルボン酸により被覆されている過炭酸塩を用いることができる。
【0076】
無機過酸素漂白剤と漂白活性化剤とを組み合わせて用いる場合、漂白活性化剤は通常過酸を形成する反応性アシル基を1つ以上有する有機化合物であり、無機過酸素漂白剤単独で使用するよりも、漂白作用がより有効となる。漂白活性化剤の構造は特に限定されないが、一般式(III)で表されるものが好ましい。
【0077】
R1−C6H4−X (III)
[式中、R1は炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、XはCOOM又はSO3M(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子)を示す。]
【0078】
一般式(III)で表される漂白活性化剤は、一般式(III)において、R1が炭素数7〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、XがCOOH又はSO3Naであるものが好ましい。このような漂白活性化剤として、ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウロイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシ安息香酸等を挙げることが出来る。
【0079】
7.その他の成分
本発明の液体洗浄剤は、その他成分として、一般の洗浄剤添加物を含有することができる。例えば、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース等のポリマー、ポリビニルピロリドン等の色移り防止剤、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ等の酵素、塩化カルシウム、ギ酸、ホウ酸等の酵素安定化剤、シリコーン等の消泡剤、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤、香料成分、染料、蛍光染料、顔料等を必要に応じて含んでも良い。
【0080】
(製造方法)
本発明の液体洗浄剤の製造には、無機ビルダーを含む固体成分を、粉砕工程により、微細化することが、安定な分散系を得るために好ましい。この場合、全成分を混合して湿式粉砕するか、又は無機ビルダーと他の成分の一部との混合物を湿式粉砕し、その後残りの成分を追加することが好ましい。
【0081】
結晶性ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、及び炭酸塩からなる無機ビルダー群から選ばれる1種以上と共重合体を、好ましくは溶剤中で、接触させた後、溶剤を留去し、次に液体分散媒と混合し、湿式粉砕することが、更に好ましい。この場合の溶剤として、エタノール、メタノール等の低級アルコール系溶剤、又はヘキサン、ヘプタン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、水添トリイソブチレン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等が例示される。
【0082】
あるいは、固体分散質を予め乾式粉砕等にて微細化し、液体分散媒と混合後、攪拌又は湿式粉砕して製造することも好ましい。乾式粉砕等により、予め十分に小粒径となった固体分散質を用いる場合、フロージェットミキサー等の分散機を用いることで、簡便に液体洗浄剤を得ることもできる。
【0083】
湿式粉砕法としては、ストーンミル、コロイドミル、ケーディーミル、スラッシャーミル、ハイスピードディスパーサー、メディアミル、ロールミル、ニーダー、エクストルーダー、液体ジェット相互作用室を有する粉砕機(例えばマイクロフライディックス社製マイクロフライダイザー)、超音波分散器などを用いる方法が挙げられるが、とりわけメディアを用いる湿式粉砕、例えばサンドミル、サンドグラインダー、湿式振動ミル、アトライター等を用いる方法が粉砕効率の点から好適である。メディアとしてチタニア、ジルコニア等、公知の材質を適用することができる。
【0084】
サンドミルを用いる粉砕による場合、メディアの直径として0.1〜1.0mmのものが特に適する。原料となる固体ビルダーの粒度が特に大きい場合には、あらかじめ大きな直径、例えば直径2mmのメディアを用いて粉砕を行った後、これに続いてより直径の小さいメディアを用いることにより、効果的な微粉砕が行える場合もある。
【0085】
湿式粉砕時、固体分散質の粉砕効率を高めるため、好ましくは固体分散質混合物/液体分散媒(質量比)=30/70〜60/40とする。
【0086】
湿式粉砕の時間は、安定分散に十分な平均粒径となった時を終点とするが、3分以上が好ましい。更に好ましくは5分以上である。
【0087】
湿式粉砕時、系の粘度を低く保ち、粉砕効率を高めるために、液体分散媒を数回に分けて追加することが出来る。
【0088】
湿式粉砕後の微細化固体分散質の平均粒径は、10μm以下が良く、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.05〜2μm、特に好ましくは0.1〜1.0μm、最も好ましくは0.1〜0.7μmである。
【0089】
【実施例】
エチレンオキシドやプロピレンオキシドの付加重合反応は、ステンレススチール製のオートクレーブ中で行った。触媒に用いた水酸化カリウムは工業用グレードの板状ペレットであり、純度約96質量%(他は主に水分)である。
【0090】
ビニルモノマーの重合反応はガラス製セパラブルフラスコ中窒素雰囲気下で行い、水にはイオン交換水を使用した。80質量%アクリル酸水溶液は東亜合成(株)製である。35質量%過酸化水素水はキシダ化学(株)製である。トリエチレングリコールモノフェニルエーテルには日本乳化剤(株)製PHG−30を使用した。その他の試薬や溶剤は、特に記さない限り和光純薬工業(株)製試薬一級をそのまま使用した。
【0091】
分子量の測定はゲル浸透型液体クロマトグラフィー(GPC)によって行い、次のいずれかの条件を用いた。溶離液及び添加塩類はいずれも液体クロマトグラフィー用のグレードの試薬から調製した。
【0092】
条件▲1▼ カラム:東ソー(株)製 α−M 2本、
溶離液:60mMリン酸、50mM臭化リチウムを含むジメチルホルムアミド、
検出器:示差屈折率計、
温度:40℃、
標準:ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、
測定濃度:5mg/ml、
注入量:100μl。
【0093】
条件▲2▼ カラム:東ソー(株)製 GMPWXL 2本、
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=9/1(容量比)、
検出器:示差屈折率計、
温度:40℃、
標準:ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、
測定濃度:5mg/ml、
注入量:100μl。
【0094】
合成例1(重合体(1)の合成)
以下の方法により、一般式(1)において、pは1、Xはメチレン基、R1、R2、R3、R4は、水素原子、AOは、アリル基側から、エチレンオキシ単位が約40モル、プロピレンオキシ単位が約13モル、ブロック状に付加した構造のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアリルエーテルを合成し、該ポリマーとアクリル酸とを共重合させて、重合体(1)を合成した。
【0095】
オートクレーブ内にエチレングリコールモノアリルエーテル(日本乳化剤(株)製) 350質量部、および水酸化カリウム 3.9質量部を入れ、系内の空気を窒素に置換してから密封し、攪拌しながら加熱し、150℃に保った。ここに、エチレンオキシド 5736質量部を、反応槽内圧を0.4MPa以下に保ちながら約4.5時間掛けて導入し、さらに約30分間150℃に保ってから80℃まで冷却し、2062質量部を抜き出した。残りを再び加熱して140℃に保ち、プロピレンオキシド 1699質量部を、反応槽内圧を0.4MPa以下に保ちながら約3時間掛けて導入し、さらに1時間140℃に保ってから80℃まで冷却し、全量を抜き出して最終生成物とした。GPC条件▲1▼による重量平均分子量は、3813であった。
【0096】
前記で得られたアリルエーテル 480質量部にプロピレングリコール 300質量部と水 360質量部を加えて加熱し、81〜85℃に保って攪拌した。ここに、80質量%アクリル酸水溶液 150質量部と水 101質量部との混合物、および過硫酸ナトリウム 21.9質量部と水 155質量部と35質量%過酸化水素水 17.9質量部との混合物を、同時に2時間掛けて滴下し、さらに4時間81〜85℃に保ってから室温に戻し、無色透明溶液を得た。生成溶液は重合体分37.6質量%、プロピレングリコール分18.8質量%を含む水溶液であり、GPC条件▲2▼によれば、重合体(1)の重量平均分子量は19000であった。
【0097】
合成例2(重合体(2)の合成)
以下の方法により、一般式(1)において、pは1、Xは一般式(2)で表わされる基、qは1、R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ水素原子、一般式(1)及び一般式(2)のAOはそれぞれ反応性不飽和基側から、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位がブロック状に付加した(エチレンオキシ単位は合計44モル、プロピレンオキシ単位は合計10モル付加)構造のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアリルエーテルを合成し、該ポリマーとアクリル酸とを共重合させて、重合体(2)を合成した。
【0098】
オートクレーブ内に3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール(和光純薬工業(株)製) 400質量部、および水酸化カリウム 6.79質量部を入れ、系内の空気を窒素に置換してから密封し、攪拌しながら加熱し、150℃に保った。ここに、エチレンオキシド 2933質量部を、反応槽内圧を0.4MPa以下に保ちながら約5時間掛けて導入し、さらに約30分間150℃に保ってから80℃まで冷却し、1532質量部を抜き出した。残りを再び加熱して150℃に保ち、エチレンオキシド 1588質量部を、反応槽内圧を0.4MPa以下に保ちながら約2時間掛けて導入し、さらに30分間150℃に保ってから140℃まで冷却した。ここに、プロピレンオキシド 952質量部を、反応槽内圧を0.4MPa以下に保ちながら約3時間掛けて導入しさらに1時間140℃に保ってから80℃まで冷却して全量を抜き出して最終生成物とした。GPC条件▲1▼による重量平均分子量は、3020であった。
【0099】
前記で得られたアリルエーテル 540質量部にプロピレングリコール 300質量部と水360質量部を加えて加熱し、81〜85℃に保って攪拌した。ここに、80質量%アクリル酸水溶液 75.0質量部と水111質量部との混合物、および過硫酸ナトリウム12.4質量部と水 165質量部と35質量%過酸化水素水 10.2質量部との混合物を、同時に4時間掛けて滴下し、さらに4時間81〜85℃に保ってから室温に戻し、無色透明溶液を得た。生成溶液は重合体分37.9質量%、プロピレングリコール分19.0質量%を含む水溶液であり、GPC条件▲2▼によれば、重合体(2)の重量平均分子量は22000であった。
【0100】
合成例3(重合体(3)の合成)
以下の方法により、一般式(1)において、pは0、R1、R2、R3、R4はそれぞれ水素原子、AOは、反応性不飽和基側から、エチレンオキシ単位が約46モル付加した構造のポリオキシエチレンエーテルを合成し、該ポリマーとマレイン酸及びアクリル酸とを共重合させ、重合体(3)を合成した。
【0101】
オートクレーブ内に丸善石油化学(株)製2−ヒドロキシエチルビニルエーテル 310質量部、および水酸化カリウム 3.95質量部を入れ、系内の空気を窒素に置換してから密封し、攪拌しながら加熱し、150℃に保った。ここに、エチレンオキシド 2325質量部を、反応槽内圧を0.4MPa以下に保ちながら約2.5時間掛けて導入し、さらに約30分間150℃に保ってから80℃まで冷却し、1181質量部を抜き出した。残りを再び加熱して150℃に保ち、エチレンオキシド 1283質量部を、反応槽内圧を0.4MPa以下に保ちながら約2時間掛けて導入し、さらに30分間150℃に保ってから80℃まで冷却し、1697質量部を抜き出した。残りを再び加熱して150℃に保ち、エチレンオキシド 487質量部を、反応槽内圧を0.4MPa以下に保ちながら約1時間掛けて導入し、さらに30分間150℃に保ってから80℃まで冷却し、全量を抜き出して最終生成物とした。GPC条件▲1▼による重量平均分子量は、3200であった。
【0102】
マレイン酸 29.6質量部と水460質量部と80質量%アクリル酸水溶液38.0質量部との混合物に、6N水酸化ナトリウム水溶液(約110質量部)を加えてpHを8.5とした。ここに、前記で得られたビニルエーテル 540質量部とプロピレングリコール 300質量部とを加えて加熱し、81〜85℃に保って攪拌した。ここに、過硫酸ナトリウム4.44質量部と水 65質量部と35質量%過酸化水素水 1.81質量部との混合物を、1時間掛けて滴下し、さらに5時間81〜85℃に保ってから室温に戻し、無色透明溶液を得た。生成溶液は重合体分42.5質量%(カルボン酸を酸型として計算)、プロピレングリコール分21.2質量%を含む水溶液であり、GPC条件▲2▼によれば、重合体(3)の重量平均分子量は27000であった。
【0103】
合成例4(重合体(4)の合成)
一般式(1)において、pは1、Xはメチレン基、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、R4はCH3の構造のポリオキシエチレンアリルエーテル(公表分子量1500、日本油脂(株)製ユニオックスPKA−5010)とアクリル酸との共重合により重合体(4)を合成した。
【0104】
ユニオックスPKA−5010 420質量部とトリエチレングリコールモノフェニルエーテル 420質量部を混合して加熱し、100〜105℃に保って攪拌した。ここに、アクリル酸 180質量部とトリエチレングリコールモノフェニルエーテル 210質量部との混合物、および日本油脂(株)製過酸化2−エチルヘキサン酸t−ブチル 46.9質量部とトリエチレングリコールモノフェニルエーテル 344質量部との混合物を、同時に2時間掛けて滴下し、さらに4時間100〜105℃に保ってから室温に戻し、淡黄色透明溶液を得た。生成溶液は重合体分37.0質量%を含むトリエチレングリコールモノフェニルエーテル溶液であり、GPC条件▲2▼によれば、重合体(4)の重量平均分子量は26000であった。
【0105】
合成例5(重合体(5)の合成)
一般式(1)において、pは1、Xはメチレン基、R1、R2、R3、R4はそれぞれ水素原子の構造のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアリルエーテル〔エチレンオキシ単位/プロピレンオキシ単位(モル比)=75/25、公表分子量2000、日本油脂(株)製ユニセーフPKA−5012〕とメタクリル酸との共重合により重合体(5)を合成した。
【0106】
ユニセーフPKA−5012 300質量部とトリエチレングリコールモノフェニルエーテル 300質量部を混合して加熱し、100〜105℃に保って攪拌した。ここに、メタクリル酸 300質量部とトリエチレングリコールモノフェニルエーテル 300質量部との混合物、および日本油脂(株)製過酸化2−エチルヘキサン酸t−ブチル 39.3質量部とトリエチレングリコールモノフェニルエーテル 319質量部との混合物を、同時に2時間掛けて滴下し、さらに4時間100〜105℃に保ってから室温に戻し、淡黄色透明溶液を得た。生成溶液は重合体分38.5質量%を含むトリエチレングリコールモノフェニルエーテル溶液であり、GPC条件▲2▼によれば、重合体(5)の重量平均分子量は54000であった。
【0107】
合成例6(ポリアクリル酸の合成)
アクリル酸 100質量部、2−プロパノール 550質量部、および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 6.90質量部を混合し、窒素雰囲気下で攪拌しながら62〜63℃に5時間保ってから室温に戻した。この溶液を室温で攪拌しているヘキサン 7000質量部に30分かけて滴下した。生成した沈殿をデカンテーションで採取し、僅かに窒素ガスをリークしながら10700〜13300Pa/60〜65℃で16時間減圧乾燥して、白色粉末状ポリアクリル酸を得た。該ポリアクリル酸のGPC条件▲2▼による重量平均分子量は38,000であった。
【0108】
実施例1〜8及び比較例1〜6
表1に記載した成分を以下の工程に従って混合・粉砕し、液体洗浄剤を調製した。比較例では本発明の重合体を配合しなかった。なお、実施例3、実施例5は、本発明の範囲外であるが、参考のため便宜的に実施例の欄に示したものである。
【0109】
第一工程:表1記載の所定量の成分を混合し、室温で30分間攪拌した。この場合、重合体は実施例で得た溶液をそのまま使用し、所定量の重合体固形分に伴って持ち込まれる水溶性溶剤および水分については、不足量を追加して所定成分量となるように調整した。
【0110】
第二工程:前工程で得た溶液に、表1記載の所定成分を追加し、ステンレススチールの棒で練り混ぜた。これを、直径0.8mmのジルコニアビーズ800gを充填した容量1Lのバッチ式サンドミル(アイメックス社製)に移し、ディスク回転数1500r/minで1時間の湿式粉砕を行った。室温で40メッシュのふるいを通してメディアを除去して、乳濁状分散液を得た。この生成物を一部採取してエタノールで希釈し、粒径を粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−910、相対屈折率:1.2)により測定したところ、平均粒径は0.8〜0.4μmであった。実施例7、8については、湿式粉砕後にメディアを除去せず次なる工程に進んだ。
【0111】
第三工程:実施例7、8について、前工程直後にディスク回転数を800r/minに調節し、そこに表1記載の所定成分を加えて10分間攪拌を行って室温に戻した。続いて40メッシュのふるいを通してメディアを除去して、乳濁状分散液を得た。この生成物の一部を用いて前項と同じく粒径を測定したところ、平均粒径は0.6〜0.4μmであった。
【0112】
第四工程:得られた分散液を室温で攪拌し、そこに表1記載の所定成分を加えて30分間攪拌し、所定の液体洗浄剤を得た。
【0113】
得られた液体洗浄剤の体積分離率、粘度及び洗浄試験(洗浄率)を下記方法で測定した。結果を表1にまとめた。
【0114】
(1)体積分離率
目盛り付きガラス製沈降管に、深さ30cmとなるように液体洗浄剤を満たして密栓し、各サンプルを25℃の室内で1ヶ月間静置保存した。保存終了後のサンプルの透明液相と固体分散相の境界線を目視で判断し、相分離して上層部に生じた透明液体相の厚みx(cm)を測定した。体積分離率y(%)を、次式(V)により求めた。
y=(x/30)×100 (V)
【0115】
(2)粘度
200mLビーカーに液体洗浄剤200gを満たし、東京計器(株)製B型粘度計により、No.2(又は3)のローターを粘度に応じて6〜60r/minの速度条件(25℃)において測定した。
【0116】
(3)洗浄試験
カーボンブラック15質量%、綿実油60質量%、コレステロール5質量%、オレイン酸5質量%、パルミチン酸5質量%、流動パラフィン10質量%の混合物100gを、8Lのパークレンに溶解分散し、10cm×10cmに裁断した木綿の白布(金巾2003布)を浸漬して汚れを付着させた後、パークレンを乾燥除去することにより、皮脂/カーボン汚れ汚染布(人工汚染布)を調製した。
【0117】
上記皮脂/カーボン汚れ汚染布を5枚1組とし、評価用洗剤水溶液1Lにこれを入れ、ターゴトメーターにて以下の条件で洗浄試験を行った。
洗浄時間:10分
液体洗浄剤:0.8g/評価用洗剤水溶液1L
水の硬度:71.2mgCaCO3/L
水の温度:20℃
ターゴトメーター回転数:100r/min
すすぎ:20℃水道水にて5分間流水すすぎ。
【0118】
洗浄力は、汚染前の原布及び洗浄前後の汚染布の550nmにおける反射率を自記色彩計(島津製作所製)を用いて測定し、次式によって洗浄率(%)を求めた。
洗浄率(%)={(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)/(原布の反射率−洗浄前の反射率)}×100。
【0119】
【表1】
【0120】
* 非イオン性界面活性剤(1):エマルゲン108(花王(株)製)
* 非イオン性界面活性剤(2):エマルゲンLS−106(花王(株)製)
* アニオン性界面活性剤:アルキルの炭素数10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
* 水溶性有機溶剤(1):プロピレングリコール
* 水溶性有機溶剤(2):トリエチレングリコールモノフェニルエーテル(日本乳化剤(株)製、PHG−30)
* 水溶性有機溶剤(3):ジエチレングリコールモノブチルエーテル
* 重合体(1):合成例1で合成した重合体(1)
* 重合体(2):合成例2で合成した重合体(2)
* 重合体(3):合成例3で合成した重合体(3)
* 重合体(4):合成例4で合成した重合体(4)
* 重合体(5):合成例5で合成した重合体(5)
* 結晶性ケイ酸塩:特開平5−184946号公報の実施例1に記載の結晶性ケイ酸塩化合物
* アルミノ珪酸塩:ゼオライト、トヨビルダー(東洋曹達(株)製)
* ポリアクリル酸:合成例6で合成した粉末状ポリアクリル酸
* エバラーゼ16.0L−EX:ノボノルディスクバイオインダストリー社製プロテアーゼ
* リポラーゼ100L:ノボノルディスクバイオインダストリー社製リパーゼ
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、界面活性剤等を含有する液体分散媒中に、微細な無機ビルダーが、製品粘度を高めることなく、共重合体により安定に分散した液体洗浄剤が得られる。本発明の液体洗浄剤は、容易に洗濯槽に注入され、迅速に洗浄用水に溶解する。また、共重合体の再汚染防止効果により、洗浄力が高い。
Claims (7)
- 反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテル(A)とアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上のモノマー(B)(以下、アニオン性モノマー(B)という)との共重合体(以下、共重合体という)、並びに結晶性ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、及び炭酸塩からなる無機ビルダー群から選ばれる1種以上を30〜69質量%含有し、水を1〜30質量%配合してなる液体洗浄剤であって、反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテル(A)とアニオン性モノマー(B)との共重合比が、(A):(B)=99:1〜70:30(質量比)であり、反応性不飽和基を有するポリオキシアルキレンエーテル(A)が、下記一般式(1)で表わされる液体洗浄剤。
- 一般式(1)中の(AO)n及び一般式(2)中の(AO)mが、同一又は異なって、下記一般式(3)で表わされるブロック重合体又はランダム重合体である請求項1記載の液体洗浄剤。
−[(C2H4O)r/(C3H6O)s]− (3)
(式中、rは、3〜130、sは、1〜50の数を示す。) - 一般式(1)中のAO及び一般式(2)中のAOが、(I)炭素数2のエチレンオキシ基の単独重合体及び(II)炭素数2のエチレンオキシ基の単独重合体でない基の何れかであり、(I)炭素数2のエチレンオキシ基の単独重合体である場合は、R4、R5は、メチル基である請求項1記載の液体洗浄剤。
- 一般式(1)中のAO及び一般式(2)中のAOが、(i)炭素数2のエチレンオキシ基の単独重合体及び(ii)炭素数2のエチレンオキシ基の単独重合体でない基の何れかであり、(i)炭素数2のエチレンオキシ基の単独重合体である場合は、R4、R5は、メチル基であり、(ii)炭素数2のエチレンオキシ基の単独重合体でない基の場合は、(AO)n及び(AO)mは下記一般式(3)で表わされるブロック重合体又はランダム重合体であり、ブロック重合体の場合は、反応性不飽和基R1R2C=C(R3)により近い位置にエチレンオキシ基が結合している、請求項1記載の液体洗浄剤。
−[(C2H4O)r/(C3H6O)s]− (3)
(式中、rは、3〜130、sは、1〜50の数を示す。) - 界面活性剤と共重合体の質量比が、共重合体/界面活性剤=1/80〜1/4.1である請求項1〜4何れかの項記載の液体洗浄剤。
- 25℃における粘度が3000mPa・s以下である、請求項1〜5何れかの項記載の液体洗浄剤。
- 請求項1記載の共重合体と、結晶性ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、及び炭酸塩からなる無機ビルダー群から選ばれる1種以上とを、液体分散媒中、湿式粉砕する工程を含む、請求項1〜6何れかの項記載の液体洗浄剤の製法。
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