JP4166550B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維製品の洗濯用洗剤、台所用洗剤、住居用洗剤、各種硬質表面等のクリーニング用洗浄剤、液体クレンザー等の幅広い分野で有用な液体洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体洗浄剤は一般に粉末洗浄剤に比べて水への溶解性に優れ、汚れた部分に直接塗布できるという利点を有する上、製造の際に乾燥工程がなく、粉末洗浄剤には配合出来ない熱に不安定な物質を配合することが出来、また乾燥設備等の複雑な製造設備を必要としない等の長所を有する。
【0003】
液体洗浄剤中には洗浄の補助効果を有する、アルカリ剤、カルシウム捕捉剤、漂白剤、酵素、研磨剤等を配合することが望まれており、これらは、通常、液体洗浄剤中で固体として存在する成分である。しかしながら、固体成分を含有する液体洗浄剤の場合は特に、保存中に固体成分が沈殿・分離して容易に再分散されなかったり、製品粘度が高すぎて洗濯槽への注入が容易でないといった問題が起こりやすい。固体成分の沈降を抑制するためには、従来から液体成分の粘度を高めたり、固体の粒径を小さくする等の方法が採られているが、注入時の問題から増粘には限度があり、固体粒径を小さくしただけでは安定な分散は実現しなかった。
【0004】
固体成分の分散安定化の目的で、特許文献1には少なくとも30%加水分解した無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、特許文献2には両親媒性カルボキシ含有ポリマー、特許文献3には固相表面から伸張できる基を含むモノマーと固相と会合できる基を含むモノマーを有するコポリマー、特許文献4には液相で自己会合を示す基と、液相に溶解性のモノマーを有するポリマーを用いる液体洗浄剤組成物が開示されている。 しかしながらこれらの組成物において、固体成分は、ポリマーにより形成されたネットワーク構造により安定化されているため、粘度が高くなり、取り扱いにくいものであった。
【0005】
一方、特許文献5には、分散剤としてグラフト又はブロックポリマーを用いた液体洗浄剤組成物が開示されている。しかし、無機ビルダー粒子がある程度以上配合された場合、少量の水で希釈されるとポリマーが無機ビルダー粒子から脱離し、無機ビルダー粒子同士の融着により急激な増粘が起こるため、一部の洗濯機の液体洗浄剤の投入口にゲル化物が沈殿する場合があった。
【0006】
【特許文献1】
特公昭60−39319号公報
【特許文献2】
特開平3−86800号公報
【特許文献3】
特開平5−140599号公報
【特許文献4】
特開平7−508781号公報
【特許文献5】
欧州特許出願公開第1162255号明細書(特願2001−169844号)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、洗浄力に優れ、取り扱い易い低粘度で、分散安定性が良好であり、少量の水と混合しても増粘しない液体洗浄剤組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液体分散媒と該液体分散媒中に分散する固体分散質からなる液体洗浄剤組成物であって、固体分散質の少なくとも一部がアルミノケイ酸塩化合物及び/又は結晶性ケイ酸塩化合物を必須成分とする無機ビルダー粒子であり、シランカップリング部を有するポリマー(以下、分散ポリマーという)で前記無機ビルダー粒子が処理されてなる、液体洗浄剤組成物、並びに分散ポリマー存在下で、無機ビルダー粒子を含む固体分散質を湿式粉砕する工程を含む、該本発明の液体洗浄剤組成物の製法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
[無機ビルダー粒子]
本発明の液体洗浄剤組成物中、無機ビルダー粒子の含有率は、合計で20質量%以上が好ましく、30質量%以上が更に好ましく、69質量%以下が好ましく、50質量%以下が更に好ましい。この範囲内では、洗浄力が高く、分散安定性も優れている。含有率には、後述する分散ポリマーは、含まれないものとする。
【0010】
本発明に用いられる無機ビルダー粒子は、アルミノケイ酸塩化合物、結晶性ケイ酸塩化合物及び炭酸塩からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、分散ポリマーのシランカップリング部と反応できる部位を有するために、アルミノケイ酸塩化合物及び/又は結晶性ケイ酸塩化合物を必須成分とするものである。
【0011】
アルミノケイ酸塩化合物としては、一般式(3)で表されるアルミノケイ酸塩化合物の1種類以上が好ましい。
(M1 p2 q3 rO)u・(M4 s5 tO)v・(Al23)w・(SiO2) (3)[式中、M1、M2、M3はそれぞれNa、K又はHを示し、M4及びM5はそれぞれCa又はMgを示す。p、q及びrはそれぞれ0〜2の数(但しp+q+r=2)、s及びtはそれぞれ0〜1の数(但しs+t=1)、uは0〜1、好ましくは0.1〜0.5の数、vは0〜1、好ましくは0〜0.1の数、wは0〜0.6、好ましくは0.1〜0.5の数を示す。]
【0012】
このようなアルミノケイ酸塩化合物として、例えば、一般的に洗浄剤に配合されている各種ゼオライトのタイプA、X、Pが挙げられ、特にタイプAが好適である。ゼオライトは高いカチオン交換能を有するため非常に優れた洗浄剤用ビルダーであり、これを配合すると、洗浄剤組成物の洗浄力が大きく高められるため好ましい。このようなゼオライトには、例えば東洋曹達(株)から市販されているトヨビルダーが挙げられる。また後述する本発明の洗浄剤組成物の製造工程において微粉砕しやすく、それによって分散安定性が高められる点から、特開平2001−139322号公報の方法で製造された微粒子ゼオライトを用いることも好ましい。一般に市販ゼオライトは約20%程度の水分を含有している。この水分が、組成物に含有させたい水分量を上回る場合には、このような市販ゼオライトを450〜600℃で焼成して水分を除去した後、使用することが好ましい。
【0013】
結晶性ケイ酸塩化合物としては、一般式(4)で表される結晶性ケイ酸塩化合物の1種類以上が好ましい。
(M1 p2 q3 rO)・(M4 s5 tO)x・(SiO2)y (4)
[式中、M1、M2、M3、M4、M5、p、q、r、s及びtは、一般式(3)と同じである。xは0〜1の数、yは0.9〜3.5の数を示す。]
【0014】
結晶性ケイ酸塩化合物は、具体的には層状ケイ酸ナトリウム、例えばSKS−6(ヘキスト社製)や、特許第2525318号公報、特許第2759243号公報、特許第2618799号公報、特許第2525342号公報、特開平5−184946号公報の特許請求の範囲に記載されているものが挙げられる。
【0015】
更に、無機ビルダー粒子の一部として、炭酸塩を用いることも好ましい。炭酸塩は、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩及び/又はカリウム塩が更に好ましい。炭酸ナトリウム(ソーダ灰)としては、一般的に入手可能なデンス灰、ライト灰等が挙げられる。
【0016】
無機ビルダー粒子の平均粒子径は、何れも10μm以下が良く、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.05〜2μmである。ここで平均粒子径とは、堀場製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(相対屈折率:1.2、温度:20℃、エタノール中)で測定した、体積基準粒子径の平均粒子径のことであり、以後断りのない限りこれを意味する。
【0017】
以上例示した無機ビルダー粒子は、単独あるいは複数種を混合して用いられる。無機ビルダー粒子中、アルミノケイ酸塩化合物及び/又は結晶性ケイ酸塩化合物は、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%が更に好ましい。特に本発明では、無機ビルダー粒子として、アルミノケイ酸塩化合物を含有することが好ましく、更にこれと炭酸塩、特に炭酸ナトリウム及び/又は炭酸カリウムを含有することが好ましい。
【0018】
[分散ポリマー]
本発明の液体洗浄剤組成物中、分散ポリマーの比率は、良好な分散性を得るため、特に、5%以下の体積分離率を達成するため、また粘度の過度な上昇を防ぐために、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜7質量%が更に好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
【0019】
分散ポリマーは、無機ビルダー粒子等の固体分散質の安定な分散性を有する。安定な分散性とは、本発明の液体洗浄剤組成物を製造後、室温(25℃)で1ヶ月保存した後の体積分離率が5%以下であることを示す。体積分離率は、固体分散質が沈降分離して上部に生じる透明な液相部分の体積が、組成物全体積に占める割合のことである。具体的には、後述の方法により測定する。
【0020】
この分散ポリマーは、無機ビルダー粒子の表面と反応し、結合すると考えられる部位として、シランカップリング部を構成単位中又は末端部、好ましくは片末端部に有する。
【0021】
▲1▼シランカップリング部を構成単位中に有する分散ポリマー
この分散ポリマーは、下記一般式(1)及び/又は(2)で表される構成単位を有することが好ましい。
【0022】
【化3】
Figure 0004166550
【0023】
(式中、R1はメチル基又は水素原子を示す。R2、R3、R4は、同一又は異なって、酸素原子で分断されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。但し、R2、R3、R4の少なくとも一つはアルコキシ基である。Xは、炭素数1〜8のアルキレン基を示す。)
【0024】
2、R3、R4の酸素原子で分断されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられ、炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。Xは、炭素数1〜3が更に好ましく、プロピレン基等が挙げられる。
【0025】
【化4】
Figure 0004166550
【0026】
(式中、R5、R6、R7は、同一又は異なって、酸素原子で分断されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。但し、R5、R6、R7の少なくとも一つはアルコキシ基である。)
【0027】
5、R6、R7の酸素原子で分断されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられ、炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。
【0028】
分散ポリマーにおいて、一般式(1)及び/又は(2)で表される構成単位が、ポリマー中、1〜30質量%含まれることが好ましく、液体分散媒への溶解性から、3〜20質量%が更に好ましい。
【0029】
この分散ポリマーとしては、一般式(5)又は(6)で表わされる、シランカップリング部を有するモノマーを重合する方法が挙げられる。
CH2=CR1COOXSiR234 (5)
(式中、R1、R2、R3、R4、Xは、前記と同じ意味を示す。)
CH2=CSiR567 (6)
(式中、R5、R6、R7、Xは、前記と同じ意味を示す。)
【0030】
一般式(5)又は(6)で表わされる、シランカップリング部を有するモノマーとして、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられるが、他のモノマーとの共重合が良好なことから、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0031】
分散ポリマーは液体分散媒に溶解すると考えられる部位として、更にアルキレンオキシ基を構成単位とするポリマー鎖を有することが好ましい。
【0032】
一般式(1)及び/又は(2)で表される構成単位とアルキレンオキシ基を構成単位とするポリマー鎖を有する分散ポリマーは、ブロック型又はグラフト型であることが好ましく、無機ビルダー粒子の安定分散性を有するものであればどのような構造のものでもよいが、グラフト型が更に好ましい。
【0033】
このような分散ポリマーにおいて、アルキレンオキシ基を構成単位とするポリマー鎖は、ポリマー中、49〜89質量%であることが好ましく、無機ビルダー粒子の安定分散性から、60〜80質量%であることが更に好ましい。
【0034】
アルキレンオキシ基は、エチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基であることが好ましい。エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、それぞれホモポリマーでも、ブロック、ランダムのコポリマーでもよい。アルキレンオキシ基を構成単位とするポリマー鎖の平均重合度は3〜200が好ましく、無機ビルダー粒子の分散安定性より、6〜150が更に好ましく、8〜50が特に好ましい。
【0035】
分散ポリマーは無機ビルダー粒子の表面との親和性が高いカルボキシ基を有することが更に好ましい。即ち、分散ポリマーはカルボキシ基を有するビニルモノマーを共重合することがが好ましい。カルボキシ基を有するビニルモノマーは、(メタ)アクリル酸[(メタ)アクリル酸は、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物のことをいう]及びその塩類、スチレンカルボン酸及びその塩類、マレイン酸系モノマー[無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、並びにマレイン酸モノアミド又はそれらの混合物]及びその塩類並びにイタコン酸及びその塩類等であり、これらから選ばれる1種以上を用いることができる。
【0036】
塩類としては、金属、アンモニウム、総炭素数1〜22のアルキルもしくはアルケニルアンモニウム、炭素数1〜22のアルキル若しくはアルケニル置換ピリジニウム、総炭素数1〜22のアルカノールアンモニウム、又は塩基性アミノ酸等が挙げられ、ナトリウム、カリウムの様なアルカリ金属塩が好ましい。
【0037】
分散ポリマーにおいて、カルボキシ基を有するビニルモノマー由来の構成単位は、ポリマー中、10〜50質量%であることが好ましく、無機ビルダー粒子の安定分散性から、15〜30質量%であることが更に好ましい。
【0038】
分散ポリマーの合成法は特に限定されず、公知の方法を選択できる。分散ポリマーが、液体分散媒を構成する液体の一種類以上を溶媒として、モノマーを重合して得られたものが好ましい。なかでも、液体分散媒を構成する液体の一種類以上を溶媒として、ポリマー鎖中にアゾ基を有するマクロアゾ開始剤を用いてビニル系モノマー等を重合する方法(マクロアゾ開始剤法)、ポリマー鎖の一端に重合性基を有する化合物を使用する方法(マクロモノマー法)、ポリマーの存在下にモノマーを改めてラジカル重合し、新たに生成するポリマー鎖が、連鎖移動反応によって予め共存させたポリマー鎖に連結するようにする方法(連鎖移動法)及びポリマー鎖中の官能基にもう1種のポリマー末端を反応させてグラフト化させる方法が好ましい。
【0039】
好ましい例として、
1.ポリアルキレングリコールとカルボキシ基を有するビニルモノマーとのエステルと、シランカップリング部を有するモノマー、更に好ましくはカルボキシ基を有するビニルモノマーとの共重合体
2.反応性不飽和基(ラジカル重合可能な不飽和基)を有するポリアルキレングリコールエーテルと、シランカップリング部を有するモノマー、更に好ましくはカルボキシ基を有するビニルモノマーとの共重合体
3.ポリエチレングリコールマクロアゾ開始剤を使用した、シランカップリング部を有するモノマー、更に好ましくはカルボキシ基を有するビニルモノマーの重合体
等が挙げられる。
【0040】
また、分散ポリマーにはスルホン酸基、水酸基、エステル基、アミド基、リン酸基等、親水性基を有するビニルモノマーを共重合することもできる。
【0041】
▲1▼の分散ポリマーの重量平均分子量は、粘度の過度な上昇を防ぐ目的から、好ましくは100万以下、さらに好ましくは1000から50万、特に好ましくは5000〜30万である。この重量平均分子量は、後述する測定法(GPC)により求めた。
【0042】
▲2▼シランカップリング部を片末端に有する分散ポリマー
この分散ポリマーとして、アルキレンオキシ基を構成単位とするポリマーの片末端にシランカップリング基を有する構造が好ましい。
アルキレンオキシ基は、エチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基であることが好ましく、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、それぞれホモポリマーでも、ブロック、ランダムのコポリマーでもよい。アルキレンオキシ基を構成単位とするポリマー鎖の平均重合度は3〜200が好ましく、無機ビルダー粒子の分散安定性より、6〜150が更に好ましく、8〜50が特に好ましい。▲2▼の分散ポリマーの重量平均分子量は、粘度の過度な上昇を防ぐ目的から、好ましくは2万以下、さらに好ましくは300から1万である。この重量平均分子量は、後述する測定法(GPC、条件▲2▼)により求めることができる。
【0043】
[分散補助ポリマー]
更に、本発明の液体洗浄剤組成物中、▲1▼及び▲2▼の分散ポリマーと併用して、
特願2002−131306号の段落【0015】〜【0038】記載のカルボキシ基又はその塩(イ)と、アルキレンオキシ基を構成単位とするポリマー鎖(ロ)とを有する、ブロック型又はグラフト型ポリマー(以下、分散補助ポリマーという)を含有することが好ましい。特に、▲2▼の分散ポリマーを用いた場合、分散補助ポリマーを併用することで、分散ポリマーの分散性を向上させることができる。
【0044】
分散補助ポリマーは、本発明の液体洗浄剤組成物中、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜7質量%が更に好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。また、分散補助ポリマーは、分散ポリマー100質量部に対して、50〜200質量部用いることが好ましい。
【0045】
分散補助ポリマー中、カルボキシ基又はその塩(イ)を有するポリマー鎖とアルキレンオキシ基を構成単位とするポリマー鎖(ロ)の質量比は、(イ)/(ロ)=5/95〜95/5が好ましく、液状分散媒への溶解性から、5/95〜60/40が更に好ましい。この範囲内では、分散質への吸着を担う構造(イ)と、液体部分へ溶けて立体反撥効果を担う構造(ロ)とのバランスを保つと考えられ、高い分散性能を示す。
【0046】
ポリマー鎖(ロ)において、アルキレンオキシ基は、エチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基が好ましく、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、それぞれホモポリマーでも、ブロック、ランダムのコポリマーでもよい。ポリマー鎖(ロ)の平均重合度は3〜200が好ましく、6〜150が更に好ましく、8〜50が特に好ましい。アルキレンオキシ基の末端は、限定されず、水素原子を有していてもよく、炭化水素基を有して、例えば、メトキシ基、エトキシ基等のエーテル結合となっていてもよい。炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
【0047】
カルボキシ基又はその塩を有する部位には、前述のカルボキシ基を有するビニルモノマーの(共)重合体が好ましく挙げられる。塩類としては、前述の塩類が例示できるが、ナトリウム、カリウムの様なアルカリ金属塩が好ましい。
ブロック型又はグラフト型ポリマーの合成法は特に限定されないが、前述の分散ポリマーの合成法を好ましく例示できる。
【0048】
これらの方法で得られる分散補助ポリマーは、好ましい順に、下記の1〜5が挙げられる。また、下記のポリマーにはスルホン酸基、水酸基、エステル基、アミド基、リン酸基等、親水性基を有するビニルモノマーを共重合することもできる。
1.ポリアルキレングリコールとカルボキシ基又はその塩を有するビニルモノマーとのエステル(好ましくはモノエステル)と、カルボキシ基又はその塩を有するビニルモノマーとの共重合体
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステルとカルボキシ基又はその塩を有するビニルモノマーとの共重合体が更に好ましく、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸又はその塩との共重合体が特に好ましい。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸又はその塩との共重合体、ポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸又はその塩との共重合体等が、好ましく挙げられる。
2.反応性不飽和基(好ましくは、ラジカル重合可能な不飽和基)を有するポリアルキレングリコールエーテルとカルボキシ基又はその塩を有するビニルモノマーとの共重合体
反応性不飽和基を有するポリアルキレングリコールエーテルと(メタ)アクリル酸又はその塩及び/又はマレイン酸系モノマーとの共重合体が好ましい。例えば、ポリエチレングリコールアリルエーテルとマレイン酸(又はその塩)との共重合体が挙げられる。
3.ポリアルキレングリコールにカルボキシ基を有するモノマー又はその塩をグラフトした共重合体
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)中でアクリル酸とマレイン酸又はそれらの塩とをラジカル重合して得られるグラフトポリマーが好ましく挙げられる。
4.ポリエチレングリコールマクロアゾ開始剤を使用してカルボキシ基又はその塩を有するビニルモノマー
好ましくは(メタ)アクリル酸又はその塩をラジカル重合して得られるブロックポリマーが挙げられる。
5.カルボキシ基又はその塩を有するビニルモノマーの重合体と、末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールを脱水反応によって連結して得られるグラフトポリマー
【0049】
好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩と、末端に水酸基を有するポリエチレングリコールを脱水反応によって連結して得られるグラフトポリマーが挙げられる。
【0050】
分散補助ポリマーの重量平均分子量は、粘度の過度な上昇を防ぐ目的から、好ましくは100万以下、さらに好ましくは1000から50万、特に好ましくは5000〜30万である。この重量平均分子量は、後述する測定法(GPC測定、条件▲2▼)により求めることができる。
【0051】
本発明の液体洗浄剤組成物において、無機ビルダー粒子と分散ポリマーの質量比は、無機ビルダー粒子の分散安定性から、分散ポリマー/無機ビルダー粒子=1/80〜1/4が好ましく、1/60〜1/5が更に好ましく、1/40〜1/8が特に好ましい。
【0052】
[液体分散媒]
本発明の液体洗浄剤組成物中、液体分散媒の比率は、30〜69質量%が好ましく、40〜69質量%が更に好ましい。近似的に液体分散媒の比率は、液体洗浄剤組成物中の非イオン性界面活性剤、水酸基含有水溶性有機溶剤及び水の合計配合量の比率とみなすことができる。液体分散媒量は、通常、遠心分離によって、固形分を沈降させ、場合によりろ過することで求めることができる。
【0053】
液体分散媒は、液体と該液体に溶解した成分とから構成され、界面活性剤を必須成分とし、水及び/又は水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。この液体分散媒は水を含んでいても良いが、洗浄剤組成物のコンパクト化のために、液体分散媒中の水の比率は、好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、特に好ましくは15質量%以下である。
【0054】
液体分散媒中、界面活性剤の比率は10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%が更に好ましく、50〜70質量%が特に好ましい。なお、全界面活性剤(後述の液体分散媒に不溶のものを含む)の液体洗浄剤組成物中の比率は、3〜65質量%が好ましく、更に15〜60質量%、特に20〜50質量%が好ましい。界面活性剤としては非イオン性界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性界面活性剤も製品の安定性を阻害しない範囲で、非イオン性界面活性剤と共に液体分散媒に溶解して使用することが出来る。
【0055】
本発明の液体洗浄剤において、全界面活性剤と分散ポリマーの質量比は、液体洗浄剤の安定性から、分散ポリマー/全界面活性剤=1/80〜1/4.1が好ましく、1/60〜1/4.5が更に好ましく、1/30〜1/5が特に好ましい。
【0056】
本発明において、液体分散媒を構成し得る成分を以下に示す。
【0057】
(1)非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤を洗浄剤組成物に配合して用いることは従来から行われており、洗浄力と安定性に優れる点で好適である。非イオン性界面活性剤の全界面活性剤中の比率は70〜100質量%が好ましく、更に90〜100質量%、特に100質量%が好ましい。
【0058】
非イオン性界面活性剤として、例えば日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の公知の非イオン性界面活性剤を用いることができる。
【0059】
本発明の液体洗浄剤組成物には、特にポリエチレンオキシド及び/又はポリプロピレンオキシド型の非イオン性界面活性剤を使用することが好ましく、とりわけ炭素数8〜18を有する直鎖もしくは分岐鎖の第1級又は第2級アルコールにエチレンオキシド(以下、EOと表記する)を平均5〜20モル付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル並びに前記アルコールにEOを平均5〜15モル及びプロピレンオキシド(以下、POと表記する)を平均1〜5モル付加したポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(但し、EOとPOは、ランダム状に付加していてもブロック状に付加していてもよい。)から選択される1種以上を使用することが好ましい。
【0060】
その他の非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、N−ポリオキシエチレンアルキルアミン、蔗糖脂肪酸エステル類、脂肪酸グリセリンモノエステル類、高級脂肪酸アルカノールアミド類、ポリオキシエチレン高級脂肪酸アルカノールアミド類、アミンオキサイド類、アルキルグリコシド類、アルキルグリセリルエーテル類及びN−アルキルグルコンアミド類等も使用することができる。
【0061】
(2)アニオン性界面活性剤
本発明の液体洗浄剤組成物には、例えば日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の公知のアニオン性界面活性剤を使用することができる。特にスルホン酸塩型、硫酸塩型、リン酸塩型及び/又はカルボン酸塩型のアニオン性界面活性剤が好適に配合される。
【0062】
具体的には、平均炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する、アルキル又はアルケニルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩(平均EO付加モル数0.5〜6モル)、モノアルキル又はアルケニルリン酸塩及び脂肪酸塩から選ばれる1種以上のアニオン性界面活性剤が好ましい。
【0063】
これらのアニオン性界面活性剤の対イオンとして、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、エタノールアミン類等のアミンがプロトン化された陽イオン、第4級アンモニウム塩及びそれらの混合物等が挙げられる。アニオン性界面活性剤を配合する場合は、酸型で配合し、別途アルカリ(例えばエタノールアミン等)を添加するような方法を用いてもよい。
【0064】
(3)カチオン性界面活性剤
本発明の液体洗浄剤組成物には、例えば日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の公知のカチオン性界面活性剤を使用することができ、例えばベンザルコニウム型等の4級アンモニウム塩が好適に配合される。
【0065】
(4)双性界面活性剤
本発明の液体洗浄剤組成物には、例えば日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の公知の双性界面活性剤を使用することができ、例えばアルキルベタイン型双性界面活性剤等が好適に配合される。
【0066】
(5)水酸基含有水溶性有機溶剤
水酸基含有水溶性有機溶剤は、製品の粘度調節、非イオン性界面活性剤のゲル化防止、洗濯水への溶解性調節を行う目的で本発明の液体洗浄剤組成物中に配合される。更には分散ポリマーを製造する際、重合溶剤の一部として用い、分散ポリマーの分子量を調整する役割を担わせることもできる。
【0067】
水酸基含有水溶性有機溶剤は特に限定されないが、一般式(7)及び/又は(8)及び/又は(9)及び/又は(10)にて表記されるものが好ましい。
HO[CH2CH2O]a[CH2-b(CH3)bCH2-c(CH3)cO]dH (7)
HO[CH2CH2O]a[CH2-b(CH3)bCH2-c(CH3)cO]d−Z (8)
CH3-e(OH)eCH2-f(OH)fCH3-g(OH)g (9)
CH3-h(OH)hCH2-i(OH)iCH2-j(OH)jCH3-k(OH)k (10)
(式中、aは平均値として1〜120、dは平均値として0〜30の数を示す。但し、a>dである。b,c,e,f,g,h,i,j,kは、それぞれ0又は1の整数を表す。但し、b+c=1、e+f+g=2又は3、h+i+j+k=2である。Zは炭素数1〜8のアルキル基かフェニル基を表す。)
【0068】
液体分散媒中、水酸基含有水溶性有機溶剤の比率は10〜60質量%が好ましく、10〜40質量%が更に好ましく、15〜30質量%が特に好ましい。
【0069】
具体的には、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、多価アルコール類のモノ−、ジ−又はトリ−アルキルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体等のグリコール類、グリコール類のモノアルキルエーテル、モノアリールエーテル特にモノフェニルエーテル等が挙げられる。これら水酸基含有水溶性有機溶剤は1種又は2種以上の混合物として配合される。
【0070】
(5)その他の有機溶剤
その他、有機溶剤として、アルキルアミン、脂肪族アミン、脂肪族又は芳香族カルボン酸のアミド又はアルキルエステル類、低級アルキルエステル、ケトン、アルデヒド、グリセリド等が配合される。液体分散媒中、その他の有機溶剤の比率は、洗浄力及び洗浄剤組成物のコンパクト化の点から、0〜50質量%が好ましく、更に0〜20質量%、特に0〜10質量%が好ましい。
【0071】
(6)水
水は、製品の粘度調節、非イオン性界面活性剤のゲル化防止、洗濯水への溶解性調節を行う目的で配合してもよい。無機ビルダー粒子に吸着されている水の量以外に、本発明の液体洗浄剤組成物に配合される水の量は、液体洗浄剤組成物中、30質量%以下が好ましく、15質量%以下が更に好ましく、12質量%以下が特に好ましい。下限は、1質量%以上が好ましい。
【0072】
本発明の液体洗浄剤組成物において、液体分散媒と無機ビルダー粒子の質量比は、無機ビルダー粒子の分散安定性から、液体分散媒/無機ビルダー粒子=1/3〜3/1が好ましく、1/2〜2/1が更に好ましい。
【0073】
[その他の成分]
本発明の液体洗浄剤組成物は、その他の成分として、液体分散媒に不溶な界面活性剤、無機ビルダー、有機ビルダー、漂白剤、一般の洗浄剤添加物を含有することができる。これらは2種以上を併用しても良い。これらは、無機ビルダー粒子と同様に、本洗浄剤組成物中に分散配合することができる。その際、無機ビルダー粒子を解砕する前に混合して無機ビルダー粒子と共に解砕分散しても良いし、無機ビルダー粒子を解砕後、混合しても良い。以下に、その他の成分の具体例を示す。
【0074】
その他−1:液体分散媒に不溶な界面活性剤
本発明の液体洗浄剤組成物は、好ましくは液体分散媒に界面活性剤を含有しているが、これとは別に、液体分散媒に不溶性である界面活性剤が固体分散質として分散配合されていても良い。
【0075】
その他−2:無機ビルダー
公知のケイ酸塩、メタケイ酸塩等の洗剤用ビルダーを任意に配合することが出来る。これらはアルカリ金属塩であることが好ましい。例えばトリポリ燐酸塩、ピロ燐酸塩等の燐酸塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)又はそれらの塩も用いることができる。
【0076】
その他−3:有機ビルダー
本発明の液体洗浄剤組成物は、液体分散媒に溶解する又は/及び溶解しない公知の有機ビルダーも含有することが出来る。具体的には、クエン酸、こはく酸、マロン酸等の多価カルボン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸等のアミノポリ酢酸、ポリアクリル酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体等の高分子多価カルボン酸が挙げられ、これらはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩等の塩の形態が好ましい。有機ビルダーの比率は液体洗浄剤組成物中0.5〜15.0質量%、更に1.0〜10.0質量%、特に2.0〜7.0質量%が好ましい。
【0077】
その他−4:漂白剤
本発明の液体洗浄剤組成物は、漂白剤を含有することも好ましい。漂白剤は、無機過酸素漂白剤、又は無機過酸素漂白剤と漂白活性化剤を組み合わせて用いることができる。
【0078】
無機過酸素漂白剤として、アルカリ金属の過ホウ酸塩、過炭酸塩、過ケイ酸塩、過リン酸塩が挙げられ、特に過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム等が好ましい。また製品の分散安定性を高める上で、特開平11−279593号公報第2頁第2欄13〜44行に挙げられるような、カルボン酸系ポリマー及び/又は多価カルボン酸により被覆されている過炭酸塩を用いることができる。
【0079】
無機過酸素漂白剤と漂白活性化剤とを組み合わせて用いる場合、漂白活性化剤は通常過酸を形成する反応性アシル基を1つ以上有する有機化合物であり、無機過酸素漂白剤単独で使用するよりも、漂白作用がより有効となる。漂白活性化剤の構造は特に限定されないが、一般式(11)で表されるものが好ましい。
【0080】
【化5】
Figure 0004166550
【0081】
[式中、R5は炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、YはCOOM又はSO3M(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子)を示す。]
【0082】
一般式(11)で表される漂白活性化剤は、YがCOOH又はSO3Naであるものが好ましい。このような漂白活性化剤として、ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウロイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシ安息香酸等を挙げることが出来る。
【0083】
その他一般の洗浄剤に用いられるポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース等のポリマー、ポリビニルピロリドン等の色移り防止剤、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ等の酵素、塩化カルシウム、ギ酸、ホウ酸等の酵素安定化剤、シリコーン等の消泡剤、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤、香料成分、染料、蛍光染料、顔料等を必要に応じて含んでも良い。
【0084】
[製造方法]
本発明の液体洗浄剤組成物の製造には、分散ポリマー存在下で、無機ビルダー粒子を含む固体分散質を、好ましくは液体分散媒中、湿式粉砕して微細化固体分散質スラリーを得る工程を含む。この場合、全成分を攪拌混合してスラリー化し、湿式粉砕するか、又は無機ビルダー粒子と他の成分の一部との混合物を湿式粉砕し、その後残りの成分を追加することが好ましい。これにより、湿式粉砕中にその熱によって無機ビルダー粒子の表面に分散ポリマーのシランカップリング部が反応し、結合すると考えられる。
【0085】
あるいは、無機ビルダー粒子と分散ポリマーを、好ましくは溶剤中で、接触させた後、溶剤を留去し、次に液体分散媒と混合し、湿式粉砕する方法を用いても良い。溶剤として、エタノール、メタノール等の低級アルコール系溶剤、又はヘキサン、ヘプタン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、水添トリイソブチレン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等が例示される。
【0086】
あるいは、無機ビルダー粒子を含む固体成分を予め乾式粉砕等にて微細化し、液体分散媒及び分散ポリマーと混合後、攪拌又は湿式粉砕して製造することも好ましい。乾式粉砕等により、予め十分に小粒径となった固体成分を用いる場合、フロージェットミキサー等の分散機を用いることで、簡便に液体洗浄剤組成物を得ることもできる。
【0087】
湿式粉砕法としては、ストーンミル、コロイドミル、ケーディーミル、スラッシャーミル、ハイスピードディスパーサー、メディアミル、ロールミル、ニーダー、エクストルーダー、液体ジェット相互作用室を有する粉砕機(例えばマイクロフライディックス社製マイクロフライダイザー)、超音波分散器などが挙げられるが、とりわけメディアを用いる湿式粉砕、例えばサンドミル、サンドグラインダー、湿式振動ミル、アトライター等を用いる方法が粉砕効率の点から好適である。メディアとしてチタニア、ジルコニア等、公知の材質を適用することができる。
【0088】
サンドミルを用いる粉砕による場合、メディアの直径として0.1〜1.0mmのものが特に適する。原料となる固体ビルダーの粒度が特に大きい場合には、あらかじめ大きな直径、例えば直径2mmのメディアを用いて粉砕を行った後、これに続いてより直径の小さいメディアを用いることにより、効果的な微粉砕が行える場合もある。
【0089】
湿式粉砕時、固体分散質の粉砕効率を高めるため、好ましくは固体分散質混合物/液体分散媒(質量比)=30/70〜60/40とする。
【0090】
湿式粉砕の時間は、安定分散に十分な平均粒径となった時を終点とするが、3分以上が好ましい。更に好ましくは5分以上である。
【0091】
湿式粉砕時、系の粘度を低く保ち、粉砕効率を高めるために、液体分散媒を数回に分けて追加することが出来る。
【0092】
湿式粉砕後の微細化固体分散質の平均粒径は、10μm以下が良く、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.05〜2μmである。
【0093】
(液体洗浄剤組成物)
本発明の液体洗浄剤組成物は、好ましくは界面活性剤を含有する液体分散媒と液体分散媒中に分散する固体分散質とからなり、固体分散質の少なくとも一部がアルミノケイ酸塩化合物及び/又は結晶性ケイ酸塩化合物を必須成分とする無機ビルダー粒子であり、シランカップリング部を有するポリマー(分散ポリマー)で前記無機ビルダーが処理され、無機ビルダー粒子の表面の少なくとも一部が分散ポリマーに由来するポリマー(分散ポリマーのシランカップリング部が無機ビルダー粒子と反応して得られるポリマー)で被覆されることで分散安定化されたものと考えられる。
【0094】
分散ポリマーとアルミノケイ酸塩化合物又は結晶性ケイ酸塩化合物を必須成分とする無機ビルダー粒子を混合することにより、更に好ましくは加熱することにより、分散ポリマーのシランカップリング部が、アルミノケイ酸塩化合物又は結晶性ケイ酸塩化合物の一部と化学反応すると考えられる。無機ビルダー粒子と分散ポリマーの混合比は、前述の液体洗浄剤組成物中の質量比(分散ポリマー/無機ビルダー粒子)が、好ましく挙げられる。 加熱温度は、30〜90℃が好ましい。前述の製造法において、湿式粉砕時の温度は、70〜90℃である。これにより、分散ポリマーは、無機ビルダー粒子からの脱離が抑制されるため、増粘を抑えることが出来ると考えられる。
【0095】
本発明の液体洗浄剤組成物は、作業性を向上するために、3000mPa・s以下であることが好ましく、2000mPa・s以下であることがさらに好ましく、1000mPa・s以下であることが特に好ましく、700mPa・s以下が最も好ましい。液体洗浄剤の飛散を防止し、無機ビルダー粒子の安定性を高めるために、10mPa・s以上が好ましく、50mPa・s以上が更に好ましい。
【0096】
【実施例】
ビニルモノマーの重合反応はガラス製セパラブルフラスコ中窒素雰囲気下で行った。メタクリル酸は三菱瓦斯化学(株)製、ポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステルは新中村化学(株)製、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(以下TMSPMAと略す)は信越化学工業(株)製を用いた。ジエチレングリコールモノブチルエーテル(以下BDGと略す)には日本乳化剤(株)製BDG−NSを使用した。その他の試薬や溶剤は、特に記さない限り和光純薬工業(株)製試薬一級をそのまま使用した。
【0097】
分子量の測定はゲル浸透型液体クロマトグラフィー(GPC)によって行い、次のいずれかの条件を用いた。溶離液及び添加塩類はいずれも液体クロマトグラフィー用のグレードの試薬から調製した。
【0098】
条件▲1▼
カラム:東ソー(株)製 KF−804L 2本、
溶離液:1mmol/LファーミンDM−20(花王(株)製)クロロホルム、
検出器:示差屈折率計、
温度:40℃、
標準:ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、
測定濃度:5mg/ml、
注入量:100μl
【0099】
条件▲2▼
カラム:東ソー(株)製 G4000PWXL+G2500PWXLの2本、
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=9/1(容量比)、
検出器:示差屈折率計、
温度:40℃、
標準:ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、
測定濃度:5mg/ml、
注入量:100μl
【0100】
合成例1:合成ポリマー溶液(1)[ポリエチレングリコール(EO付加モル数23)モノメタクリル酸エステル/メタクリル酸/TMSPMA=65/20/15(質量比)共重合体]の合成例
BDG41gを窒素雰囲気下で80℃に昇温したところに、ポリエチレングリコール(EO付加モル数23)モノメタクリル酸エステル128g、メタクリル酸40g、TMSPMA29gをBDG150gに溶解したものと、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65、和光純薬(株)製)5.2gをBDG99gに溶解したものとを、80〜85℃に保ちながら、別々に2時間かけて滴下し、その後80℃に保ちながらさらに4時間撹拌を続けた。これを室温に戻し、合成ポリマー溶液(1)を得た。得られた合成ポリマーのGPC測定の結果、重量平均分子量は6.3万(ポリエチレングリコール換算)であった。なお、GPC測定条件は、▲2▼である。
【0101】
合成例2:合成ポリマー溶液(2)[ポリエチレングリコール(EO付加モル数90)モノメタクリル酸エステル/メタクリル酸/TMSPMA=65/25/10(質量比)共重合体]の合成例
BDG100gを窒素雰囲気下で80℃に昇温したところに、ポリエチレングリコール(EO付加モル数90)モノメタクリル酸エステル26g、メタクリル酸10g、TMSPMA4gをBDG64gとプロピレングリコール41gの混合溶媒に溶解したものと、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65、和光純薬(株)製)1.03gをBDG15.7gとプロピレングリコール3.9gの混合溶媒に溶解したものとを、80〜85℃に保ちながら、別々に2時間かけて滴下し、その後80℃に保ちながらさらに2時間撹拌を続けた。これを室温に戻し、合成ポリマー溶液(2)を得た。得られた合成ポリマーのGPC測定の結果、重量平均分子量は6.1万(ポリエチレングリコール換算)であった。なお、GPC測定条件は、▲2▼である。
【0102】
合成例3:合成ポリマー溶液(3)[ポリエチレングリコール(EO付加モル数23)モノメタクリル酸エステル/TMSPMA=85/15(質量比)共重合体]の合成例
BDG26gを窒素雰囲気下で80℃に昇温したところに、ポリエチレングリコール(EO付加モル数23)モノメタクリル酸エステル65.4g、TMSPMA11.5gをBDG50gに溶解したものと、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65、和光純薬(株)製)0.8gをBDG38gに溶解したものとを、80〜85℃に保ちながら、別々に2時間かけて滴下し、その後80℃に保ちながらさらに2時間撹拌を続けた。これを室温に戻し、合成ポリマー溶液(3)を得た。得られた合成ポリマーのGPC測定の結果、重量平均分子量は4.0万(ポリエチレングリコール換算)であった。なお、GPC測定条件は、▲1▼である。
【0103】
合成例4:合成ポリマー溶液(4)[ポリエチレングリコール(EO付加モル数23)モノメタクリル酸エステル/メタクリル酸=65/35(質量比)共重合体]の合成例
BDG24gを窒素雰囲気下で80℃に昇温したところに、ポリエチレングリコール(EO付加モル数23)モノメタクリル酸エステル65g、メタクリル酸35gをBDG80gに溶解したものと、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65、和光純薬(株)製)2.31gをBDG43.9gに溶解したものとを、80〜85℃に保ちながら、別々に2時間かけて滴下し、その後80℃に保ちながらさらに2時間撹拌を続けた。これを室温に戻し、合成ポリマー溶液(4)を得た。得られた合成ポリマーのGPC測定の結果、重量平均分子量は6.1万(ポリエチレングリコール換算)であった。なお、GPC測定条件は、▲2▼である。
【0104】
実施例1
第一工程:表1の非イオン性界面活性剤(2)13g、水溶性有機溶剤(1)26g、水溶性有機溶剤(2)8g、イオン交換水9g、合成ポリマー溶液(1)8gを攪拌混合し、液体分散媒を得た。
【0105】
第二工程:表1のゼオライト45g、炭酸ナトリウム15gを、第一工程で得られた液体分散媒64gに懸濁し、直径0.8mmのジルコニアビーズ700gを充填した容量1Lのバッチ式サンドミル(アイメックス社製)を用いて、ディスク回転数1500r/minで30分の湿式粉砕を行った。その後、表1の非イオン性界面活性剤(1)26gとアニオン性界面活性剤1.5gを追加し、ディスク回転数800r/minで1分間攪拌混合した。次いで、40メッシュのふるいを通してメディアを除去して分散液を得た。この分散液を一部採取して、エタノールで希釈し、粒径を粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−910、相対屈折率:1.2)により測定したところ、平均粒径は0.5μmであった。
【0106】
第三工程:第二工程で得られた分散液に、香料を微量添加して室温で充分に撹拌して溶解させ、液体洗浄剤組成物を得た。
【0107】
実施例2
第一工程:表1の非イオン性界面活性剤(2)17g、水溶性有機溶剤(1)35g、水溶性有機溶剤(2)10g、イオン交換水11g、合成ポリマー溶液(4)8g、 分散ポリマー(1)3gを攪拌混合し、液体分散媒を得た。
【0108】
第二工程:表1のゼオライト60g、炭酸ナトリウム20gを、第一工程で得られた液体分散媒84gに懸濁し、直径0.8mmのジルコニアビーズ900gを充填した容量1Lのバッチ式サンドミル(アイメックス社製)を用いて、ディスク回転数1500r/minで40分の湿式粉砕を行った。その後、表1の非イオン性界面活性剤(1)34gとアニオン性界面活性剤2gを追加し、ディスク回転数800r/minで1分間攪拌混合した。次いで、40メッシュのふるいを通してメディアを除去して分散液を得た。この分散液を一部採取して、エタノールで希釈し、粒径を粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−910、相対屈折率:1.2)により測定したところ、平均粒径は0.6μmであった。
【0109】
第三工程:第二工程で得られた分散液に、香料を微量添加して室温で充分に撹拌して溶解させ、液体洗浄剤組成物を得た。
【0110】
実施例3
第一工程:表1の非イオン性界面活性剤(2)12.3g、水溶性有機溶剤(1)26.3g、水溶性有機溶剤(2)7.7g、イオン交換水8.6g、合成ポリマー溶液(1)3.8gを攪拌混合し、液体分散媒を得た。
【0111】
第二工程:表1のゼオライト45g、炭酸ナトリウム15gを、第一工程で得られた液体分散媒58.7gに懸濁し、直径0.8mmのジルコニアビーズ800gを充填した容量1Lのバッチ式サンドミル(アイメックス社製)を用いて、ディスク回転数1500r/minで20分の湿式粉砕を行った。次いで、合成ポリマー溶液(1)3.8gを追加して、ディスク回転数1500r/minで20分の湿式粉砕を行った。その後、非イオン性界面活性剤(1)25.6gとアニオン性界面活性剤1.5gを追加し、ディスク回転数800r/minで1分間攪拌混合した。次いで、40メッシュのふるいを通してメディアを除去して液体洗浄剤組成物を得た。この液体洗浄剤組成物を一部採取して、エタノールで希釈し、粒径を粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−910、相対屈折率:1.2)により測定したところ、平均粒径は1.5μmであった。
【0112】
第三工程:第二工程で得られた分散液に、香料を微量添加して室温で充分に撹拌して溶解させ、液体洗浄剤組成物を得た。
【0113】
比較例1〜3
表1に示す成分を用い、実施例1と同様の方法により、各種液体洗浄剤組成物を製造した。
【0114】
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた液体洗浄剤組成物について、分離安定性、粘度、及び増粘試験を下記のように行った。結果を表1に示す。また、処方例1〜3も併せて表1に示す。
【0115】
(1)分離安定性
目盛り付きガラス製沈降管に、深さ30cmとなるように液体洗浄剤組成物を満たして密栓し、各サンプルを25℃の室内で1ヶ月間静置保存した。保存終了後のサンプルの透明液相と固体分散相の境界線を目視で判断し、相分離して上層部に生じた透明液体相の厚みx(cm)を測定した。体積分離率y(%)を、次式(V)により求め、以下の基準で分離安定性を評価した。
y=(x/30)×100 (V)
<評価>
○:yが5%未満
△:yが5%以上10%以下
×:yが10%を超える
【0116】
(2)粘度
200mLビーカーに液体洗浄剤組成物200gを満たし、東京計器(株)製B型粘度計により、No.2のローターを用いて6〜60r/minの速度条件(25℃)において測定した。
【0117】
(3)増粘試験
長さ3cmの撹拌子が入った200mLビーカーに表1の液体洗浄剤組成物190gを満たし、200r/minで撹拌しながらイオン交換水10gを徐々に加え、1分間撹拌混合した。その後、東京計器(株)製B型粘度計により、No.2のローターを用いて60r/minの速度条件(25℃)において粘度を測定し、以下の基準で水の混入による増粘の程度を評価した。
<評価>
○:水混合後の粘度が500mPa・s未満
△:水混合後の粘度が500mPa・s以上5000mPa・s以下以下
×:水混合後の粘度が5000mPa・sを超える
【0118】
【表1】
Figure 0004166550
【0119】
* 非イオン性界面活性剤(1):エマルゲン108(花王(株)製)
* 非イオン性界面活性剤(2):エマルゲンLS−106(花王(株)製)
* 水溶性有機溶剤(1):ジエチレングリコールモノブチルエーテル(日本乳化剤(株)製、BDG−NS)
* 水溶性有機溶剤(2):プロピレングリコール
* アニオン性界面活性剤:アルキルの炭素数10〜14の脂肪酸
* 合成ポリマー溶液(1):合成例1で合成したポリマー溶液
* 合成ポリマー溶液(2):合成例2で合成したポリマー溶液
* 合成ポリマー溶液(3):合成例3で合成したポリマー溶液
* 合成ポリマー溶液(4):合成例4で合成したポリマー溶液
* 高分子(1):ポリエチレングリコール(ポリエチレングリコール2,000、和光純薬(株)製)
* 高分子(2):ポリメタクリル酸ナトリウム(重量平均分子量;9,500、Aldrich社製)
* 分散ポリマー(1):日本ユニカー社製A−1230(ポリエチレングリコール末端にシランカップリング部を有する構造)
* ゼオライト:ゼオビルダー社製A型ゼオライト
【0120】
表1より、本発明の液体洗浄剤組成物は、シランカップリング部を有する分散ポリマーを用いることによって、無機ビルダー粒子を含む固体分散質混合物を安定に分散して、1ヶ月後の体積分離率を5%以下とすることができた。更に、少量の水が混入しても急激な増粘は生じなかった。また、本発明の液体洗浄剤組成物は、十分な洗浄力を有する。
【0121】
(4)ポリマー吸着率測定
実施例3と比較例1で得られたそれぞれの液体洗浄剤組成物をイオン交換水で10倍希釈し、0.5μmのメンブランフィルターで無機ビルダー粒子を除いた後、得られた透明な濾液中のポリマー量を液体クロマトグラフィーにて測定し、無機ビルダー粒子へのポリマーの吸着率を算出した。その結果、比較例1に用いたポリマーの吸着率は0%であったが、実施例3に用いたポリマーの吸着率は90%であった。即ち、実施例3に用いたポリマーは無機ビルダー粒子に吸着していることが確認された。
【0122】
【発明の効果】
本発明の液体洗浄剤組成物は、界面活性剤等を含有する液体分散媒中に、無機ビルダー粒子を含む微細な無機粒子が、製品粘度を高めることなく、分散ポリマーにより安定に分散しており、容易に洗濯槽に注入され、迅速に洗浄用水に溶解される。また、少量の水と混合しても急激な増粘を抑制することが出来る。

Claims (7)

  1. 液体分散媒と該液体分散媒中に分散する固体分散質からなる液体洗浄剤組成物であって、固体分散質の少なくとも一部がアルミノケイ酸塩化合物及び/又は結晶性ケイ酸塩化合物を必須成分とする無機ビルダー粒子であり、シランカップリング部を有するポリマー(以下、分散ポリマーという)で前記無機ビルダー粒子が処理されてなる、液体洗浄剤組成物。
  2. 無機ビルダー粒子を20質量%以上含有する請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
  3. 分散ポリマーが、下記一般式(1)及び/又は(2)で表される構成単位を有する、請求項1又は2記載の液体洗浄剤組成物。
    Figure 0004166550
    (式中、R1はメチル基又は水素原子を示す。R2、R3、R4は、同一又は異なって、酸素原子で分断されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。但し、R2、R3、R4の少なくとも一つはアルコキシ基である。Xは、炭素数1〜8のアルキレン基を示す。)
    Figure 0004166550
    (式中、R5、R6、R7は、同一又は異なって、酸素原子で分断されていてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。但し、R5、R6、R7の少なくとも一つはアルコキシ基である。)
  4. 分散ポリマーが、アルキレンオキシ基を構成単位とするポリマー鎖を有する、請求項1〜3いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
  5. 分散ポリマーが、更にカルボキシ基を有する、請求項1〜4いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
  6. アルミノケイ酸塩化合物が、一般式(3)で表される1種類以上である、請求項1〜5いずれかの項記載の液体洗浄剤組成物。
    (M1 p2 q3 rO)u・(M4 s5 tO)v・(Al23)w・(SiO2) (3)
    [式中、M1、M2、M3はそれぞれNa、K又はHを示し、M4及びM5はそれぞれCa又はMgを示す。p、q及びrはそれぞれ0〜2の数(但しp+q+r=2)、s及びtはそれぞれ0〜1の数(但しs+t=1)、uは0〜1の数、vは0〜1の数、wは0〜0.6の数を示す。]
  7. 分散ポリマー存在下、無機ビルダー粒子を含む固体分散質を湿式粉砕する工程を含む、請求項1〜6のいずれかの項に記載の液体洗浄剤組成物の製法。
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