JP4587431B2 - 蛍光板の製造方法および放射線検出装置の製造方法 - Google Patents

蛍光板の製造方法および放射線検出装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光板の製造方法および放射線検出装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は従来例としての間接型X線エリアセンサーの断面図である。ガラス基板110上に格子状に配列された光電変換素子112と、それらをつなぐ配線部113と、そしてこれらを保護する光センサー保護層114と、を備える光センサー111上に、蛍光体103及び反射層102を形成して、X線エリアセンサーが作成される。
【0003】
蛍光体基板101側から蛍光体103へ入射してくるX線は、蛍光体103でX線から可視光等の光へ波長変換され、その後、可視光は光センサー111の光電変換素子112により光電変換され電気信号に変わる。その信号を増幅し、画像処理を加えることによりX線デジタル画像ができる。
【0004】
現在、光センサー111上に蛍光体103を形成する手段として、直接光センサー111上に蛍光体103を蒸着及びコーティングする手法と、図1のように光センサー111とは別基台101上に反射層102及び蛍光体103を形成し、保護層130で覆ったのちローラー107を使い、接着剤を介し光センサー111に貼り合せる手法とがある。
【0005】
両者を比べると、後者の方が歩留まり良く効率的に、蛍光体103を光センサー111上に形成することができるので、現在一般的に使用されている。また、X線エリアセンサー用の蛍光体としては、発光量及び解像度の点からCsI(ヨウ化セシウム)が主に使われており、蛍光体基板に形成する手法としては、真空蒸着によることが多い。
【0006】
貼り合せにより、蛍光体を光センサー上に形成する手法について説明をする。蛍光板の製造方法について説明する。図2はその製造工程を示す断面図である。蛍光体が形成される蛍光体基板101の材料には、X線吸収の少ないアモルファスカーボン(a−C)、もしくは安価なガラス基板、または、反射層102を同時に兼ねる材料としてアルミニウム板等が使用される。
【0007】
まず、図2(a)に示すように、蛍光体基板101に反射層102を形成する。反射層102は、光センサーとは反対方向へ発光した蛍光体の光を反射させ、光センサーが効率よく検出できるようにするために形成される。反射層102の材料としては、反射率の高い、Al、Ag等の金属または金属化合物材料が用いられ、形成方法はスパッタ等の方法で行う。
【0008】
次に、図2(b)に示すように、蛍光体基板101上に形成された反射層102上に蛍光体103を形成する。蛍光体103の材料にはCsI等が使用される。CsIを用い真空蒸着にて形成する場合についての説明を以下で行う。
【0009】
反射層102が形成された蛍光体基板103を真空槽にセットし、ポートに蒸着材料であるCsI(Na+)もしくはCsI(Tl+)を入れる。真空槽内の圧力を0.1〜1.0[Pa]まで引き、反射層102が形成された蛍光体基板101を高温(100〜180℃程度)に加熱して、ポートに電流を流し加熱すると、CsIが蒸気化し、反射層102が形成された蛍光体基板101にCsIの柱状結晶が形成される。
【0010】
その際、CsIが完全に蒸気化する前に(固形化の状態)、真空槽内に飛び出し、その固形物が反射層102が形成された蛍光体基板103の蒸着面に付着することがある。これをスプラッシュという。
【0011】
スプラッシュとなったCsIは、蒸着面に対し、図2(b)に示すように、大きさ(直径)404が数十〜数百μm程度、高さ405が十数〜百数十μm程度の凸部となり現れる。また、図2(b)に示すように、凸部と同時にその周辺には、隙間幅406が数〜数十μm、深さが数十〜数百μmにもなる凹部も発生する。また、反射層102に形成された蛍光体基板101に蒸着前に付着している異物、もしくは蒸着中や蒸着直後に蒸着面に付着した異物によってもこの凹凸が現れる。
【0012】
これらの原因によるCsI表面の凹凸を無くすための効果的な手法は、現時点では考えられていない。また、蛍光体103の厚みを厚くすれば、それだけ蒸着時間も長くなるので、発生しやすくなり、蒸着面積を大きくしても、発生率が高くなる。
【0013】
次いで、図2(c)または図2(d)に示すように、蛍光体103上もしくは、これらの層の全周に機械的なストレスや湿気から保護するための保護層130を形成する。保護層130は、貼り合せた際、蛍光体と光センサーとの間に入るため、光の透過率が高い材料で、かつ薄く形成しなくてはならない。
【0014】
透過率が低いと、蛍光体103で発光した光が保護層130で吸収されてしまい、光センサーの感度が低下してしまう。また、保護層130の膜厚が厚いと蛍光体と光センサーとの間の距離が離れてしまい、蛍光体103からの光が散乱し、光センサーの解像度が低下してしまう。さらに、蛍光体103にCsIを使用する場合、CsIは潮解性があるため、湿気から保護できるよう透湿度の低い材料を用いなければならない。ポリパラキシリレン樹脂はこれらの条件を満たした材料である。
【0015】
図2(c)に示すように、CsIからなる蛍光体103を真空蒸着により形成した場合、スプラッシュまたは異物による凹凸が現れ、凸部は数十〜百数十μmの高さとなる。保護層は数μm〜十数μmと薄いため、保護層130形成後にも形成前の凹凸と同等の大きさとなって現れる。
【0016】
また、図2(d)に示すように、凸部周辺の凹部では、隙間数μm〜数十μmの隙間が空いているため、保護層130が形成されないところや、または保護層130が他の部分に比べ薄くなる場合もある。隙間の距離だけの保護層を形成しないと隙間は埋まらないが、保護層を数十μmの厚みにすると解像度が劣化するためできない。
【0017】
蛍光体基板101上に反射層102と蛍光体103と保護層130とが、上記のように形成された蛍光板を、接着剤を介し光センサーに貼り合せることにより、X線センサーとなる。
【0018】
蛍光板を接着剤115を介し、光センサー111に貼り合せる際、接着剤115は、保護層130と同様に、蛍光体103と光センサー111との間に形成される。そのため、その光透過率及び膜厚が重要になる。
【0019】
蛍光板109の一般的な貼り合せとしては、接着剤115を光センサー111上に塗布し、その上に蛍光板109を重ね合せ、ローラーで押し付けながら貼り合せを行う。その際、接着剤115の厚さは、ローラーの荷重・移動速度および接着剤115の粘度等でコントロールされる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように蛍光体(特にCsI)を蒸着により、蛍光体基板等に形成する際、スプラッシュや異物により数十μm〜数百μmの凹凸が発生する。これら凹凸により、蛍光板と光センサーの貼り合せでは図3(a)および図3(b)に示すように、以下のような問題が発生する。
【0021】
(1)光センサーの破壊
図3(a)に示すように、光センサー111は、光センサー保護層114により覆われ、保護されているが、蛍光板109の貼り合せ表面の突起により、光センサー111を傷つけ破壊してしまう。光センサー111は、格子状に配列された光電変換素子112の集まりだが、突起の大きさまたは数に応じ、破壊される光電変換素子112の数も増える。また、光電変換素子112を結ぶ配線部113が破壊された場合、光電変換素子112の1列全ての破壊につながる。
【0022】
(2)保護層の破壊
図3(b)に示すように、蛍光板表面に凹凸があると、貼り合せ時にローラーの荷重が凸部に集中し、凸部の蛍光体103および保護層130が押しつぶされる。そのため、保護層130にクラック(ヒビ・割れ)が発生する。
【0023】
また、凹部では、保護層形成時に保護層130が覆われない部分があり、蛍光体103が剥き出しの状態になり、温湿度耐久試験を行うとこのクラック及び保護層130で覆われていない凹部からから湿気(水分)が浸入し、蛍光体103は破壊される場合がある。特に蛍光体103がCsIの場合は潮解してしまう。
【0024】
(3)解像度の低下
蛍光板109と光センサー111の貼り合せでは、形成後の接着剤115の膜厚が重要で、高解像度を得るには20μm以下が望ましい。しかし、蛍光板109表面の凹凸部は高さが数十〜百数十μmあることが多く、この状態で光センサー111や保護層130の破壊がないように貼り合せるとなると、接着剤115の膜厚を20μm以上の厚さに厚くしなければならなってしまう(百数十μmの厚みになってしまう)。そのため、蛍光体103と光センサー111との間の距離が大きく空いてしまい、解像度が低下してしまう。
【0025】
(4)気泡の混入
蛍光板109の凹凸は保護層130や光センサー111の破壊だけではなく、貼り合せ時に気泡を抱き込んでしまうことがある。蛍光板109表面に無数の凸部があるとローラーの荷重が凸部に集中してしまい、接着剤115にローラーの荷重が加わらず、接着剤115が拡がりにくくなる。
【0026】
また、凸部が少ない場合でも凸部周辺では、荷重の掛からない箇所が発生してしまい、気泡を押し流すことができなくなってしまう。そのため、蛍光板109と光センサー111との間には気泡が残るので、蛍光体103で発光した光を乱反射させ、解像度を低下させる。
【0027】
蛍光体の凹凸は上記の(1)〜(4)のような問題を引き起こしてしまうため、その平坦化は重要な課題となっている。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、蛍光板の製造方法において、蛍光体基板上に、柱状結晶を有する蛍光体層を蒸着によって形成する蒸着工程と、前記蒸着工程において形成されたスプラッシュによる凸部が形成された面を有する蛍光体層の表面に第1の保護層を形成する工程と、前記第1の保護層の上から前記凸部を平坦化する平坦化工程と、前記平坦化工程後に、前記凸部が平坦化された領域を覆うように前記第1の保護層上に第2の保護層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の基本的な考え方について説明する。蛍光板表面にある凹凸を貼り合せ前で平坦化することにより、上記の問題点を解決する。上記の従来例において、保護層の形成前に表面を平坦化するには、蛍光体がCsIの場合、潮解性があるため、真空中もしくはN2雰囲気中で行わなくてはならない。そのためには、専用装置を製造する必要があり、コストが掛かってしまう。そのため、蛍光体を形成後、第1の保護層で蛍光体表面もしくは蛍光体基板を含めた全周を覆うことにより仮保護を行い、その後蛍光体とその上に形成された保護層の平坦化処理をする。そして、第2の保護層を形成する。
【0030】
以下、平坦化を行う手法について説明する。
【0031】
(1)押しつぶし
図4(a)は、蛍光体表面の凹凸を押しつぶすことにより平坦化する例を示す断面図である。押しつぶしに用いる機材としては、平板やローラーがあり、この例では、平板412を使用している。その際、押し圧が強すぎると凸部の周辺にも影響を与え、周囲の蛍光体も破壊してしまう恐れがあるため、圧力制御できるようにストッパーを付けたり、プッシュプルゲージのように荷重を測定できる機構を持たせるのがよい。また、蛍光板を平坦な板(定盤等)の上に保護層を下にして置き、上からローラーで押し転がすことで、全面の凸部を全て一度に平坦化することができる。
【0032】
(2)削る
図4(b)は、削ることにより平坦化する例を示す断面図である。円盤状のヤスリ413を回転させて、凸部を削り平坦化している。押しつぶしに耐えられない蛍光体に適用するとよいが、削りかすが発生するという問題がある。
【0033】
(3)切り落とす
図4(c)は、切り落とすことにより平坦化する例について示す断面図である。爪きりのような向かい合った刃415で切断し、平坦化を行う。突起の高さが高いものを切り取る際に有効である。
【0034】
(4)レーザにより焼き去る
レーザの加工は、微細加工に適しており、ミクロンオーダーの加工ができ、現在半導体製造工程で実用されている。レーザ照射の時間やパルス幅等のパラメータや、また、レーザの種類によっても加工精度が変わり、長波長のYAGレーザ、短波長のエキシマレーザなどがある。凸部の形状やモード(スプラッシュ、異物)により使い分けることにより効果的な加工が施せる。また、基板検査装置と連動させることにより、全自動で凸部の平坦化を行える。
【0035】
図5は上記の(1)から(4)に示した平坦化処理後の様子を示す断面図である。押しつぶしにより平坦化した場合、図5(a)もしくは(b)のようになる。図5(a)のように表面に無数の数〜十数μm程度の幅のクラック421がある場合がある。凸部が数百μm程度のときに見られる。
【0036】
図5(b)は、図2(d)で示した保護層形成時に凸部周辺部の凹部に保護層が入り込まず、周囲に隙間がある状態の凸部を押しつぶし、平坦化した例である。図2(d)で開いていた隙間406が、凸部が押されることによって、横方向に広がり隙間406が図5(b)の隙間422のように狭くなる。例として、押しつぶし前に隙間が20μm程度あったものが、押しつぶしにより4μm程度に狭まった。その際の凸部の大きさはφ約250μmで高さ約40μmである。図5(c)は、凸部を削った場合もしくは切り取った場合の例である。図5(c)に示すように、蛍光体103が削られた部分は、423に示すように剥き出しになる。
【0037】
以上のように凸部が平坦化された蛍光板上に形成される第2の保護層について、以下で説明する。
【0038】
<第2の保護層材料>
第2の保護層は、蛍光体と光センサーと間に形成されるため、第1の保護層(蛍光体形成直後に形成した保護層)の材料条件と同条件が必要になる。
【0039】
(1)光透過率
蛍光体で発光する光を吸収しないよう、波長λ≒400〜700[nm]で約80%以上の透過率がある材料が望ましい。
【0040】
(2)厚み
第1の保護層を含めたトータルの厚みが20μm以下であることがのぞましく、これ以上厚いと解像度の低下が顕著に表れる。
【0041】
(3)透湿性
蛍光体により耐湿性の強弱があるが、特にCsIの場合は耐湿性が弱く、潮解する性質をもっている。蛍光体にCsIを使用する場合、その材料には2.0g/24h(ASTM E96−63T)以下のものが好ましく、それによって信頼性を高めることができる。
【0042】
(4)ヌレ性
第2の保護層が接着剤を介して光センサーと貼り合せる界面となるため、ヌレ性のよい材料がよい。場合によっては、プラズマ処理やコロナ放電処理を行って、ヌレ性を改善するのも有効である。
【0043】
(5)蛍光体との相性
第2の保護層は、第1の保護層が形成されていない蛍光体表面で、蛍光体と接触するため、蛍光体に影響を与えない(溶解等)材料がよい。
【0044】
以上の(1)から(5)に記載した条件を満たした材料としては、オレフィン系樹脂の、ポリパラキシリレン樹脂(スリーボンド社製、商品名パリレン)、特にポリパラクロロキシリレン(同社製、商品名パリレンC)や、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等がある。膜の硬化条件は、熱硬化型や紫外線硬化法などを用いることができる。
【0045】
<第2の保護層形成方法>
第2の保護層の形成方法としては、熱CVDやプラズマCVD、スピンコートやディップコート(浸漬引き上げ法)、ポッティング(滴下法)、スプレー法(散布法)、ハケ等で保護層を塗る方法がある。
【0046】
第2の保護層の形成は、第1の保護層の全面に形成してもよいが、平坦化時に第1の保護層が剥がれたか、もしくは、クラックが入った箇所のみ形成してもよい。蛍光体表面の凹凸部の数が多く数十以上ある場合は、全面にコーティングした方がよいが、数個程度なら、第2の保護層をハケで塗ったり、またディスペンサーで滴下してもよい。その際は、第2の保護層の高さ(厚さ)が数μmから十数μm以下になるように注意しなくてはならない。
【0047】
平坦化処理を行ったことにより発生したクラックや、蛍光体形成時に発生した隙間を第2の保護層で覆う必要がある。クラック、隙間ともに平坦化処理を行ったことにより、数μm〜十数μmになっている。これらを埋められるよう上記に挙げた形成方法により、数μm〜十数μmの厚みを有する第2の保護層を形成する。このような平坦化処理と第2の保護層の形成を行うことにより幅数十μmの隙間やクラックが埋まり、凹凸部での耐湿性(CsIの場合)が向上する。
【0048】
以上の点に鑑みて行った実施形態について以下で説明する。
【0049】
(実施形態1)
図6は本発明の実施形態1を示す断面図である。図6(a)に示すように、蛍光体基板101としてアモルファスカーボンプレート(a−C)を使い、反射層102としてアルミニウム(Al)を、そして蛍光体103としてヨウ化セシウム(CsI)を蒸着し、第1の保護層104としてパリレンを形成した。蛍光体103上のスプラッシュおよび異物による凹凸は凸部105で示している。
【0050】
蛍光体103の厚みを500μm程度、第1の保護層104の厚みを5μm程度とした。この場合、大きさ200〜500μm程度、高さ30〜70μm程度の凸部105がほぼ全面に渡り、約200個存在した。凸部の計測は、液晶用に用いられる基板検査装置とレーザによる3次元形状測定機を用いて行った。3次元形状測定を行い、その結果、凸部105の高い100μm以上のもののみ、爪きり状の両刃で切断を行った。
【0051】
次いで、図6(b)に示すように蛍光板109を、蛍光体103面側を下にし、定盤106の上に置き、上からローラー107で、押し転がして平坦化処理を行った。上記のように平坦化処理を行ったことにより、蛍光体103にあった凸部105は高さ5〜20μm程度になった。また、これら凸部周辺にあった凹部の隙間も数μm程度になった。また、図1(b)のようにローラー107と定盤106で凸部を全て同時に潰すことにより、工数を掛けずに平坦化ができた。
【0052】
その後、図6(c)に示すように、第2の保護層108として、第1の保護層104と同じ材料であるパリレンを熱CVD法で全面全周に10μm程度形成し、数μmの隙間やクラックを上から覆った。
【0053】
このように平坦化処理し、第2の保護層108としてのパリレンを形成した蛍光板109は、温湿度耐久試験(条件55℃ 90%・750h)を行っても、凹凸部においても変色が見られなかった。比較のため、平坦化処理を行わない基板も同時に試験したが、750hで変色が見られ、潮解が確認された。
【0054】
次いで、図6(d)に示すように、上記のように形成された蛍光板109を接着剤115を用いて、光センサー111に貼り合せる。貼り合せ時の接着剤115の膜厚が20μm程度になるように、ローラーの荷重と速度を設定することにより、光センサー111を破壊せず、気泡の混入も無く蛍光板109を光センサー111上に形成できた。
【0055】
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2を示す断面図である。蛍光板109の構成は実施形態1と同様である。実施形態1に比べ凸部105の数が約20個と少ないため、図7(a)に示すように、ローラーは使わず、プッシュプルゲージ120で押しつぶし、均一に平坦化できないもののみ、回転機構のついた径0.5のヤスリで表面を削った。
【0056】
その後、図7(b)に示すように、第2の保護層108としてUV硬化型アクリル系UV硬化樹脂をディスペンサー122で滴下し、UVランプを当てて硬化した。その際、この滴下した部分だけ高さが厚くならないよう、UV硬化型アクリル系樹脂の粘度、表面張力および硬化収縮率等を考慮し、硬化させるまでの時間を決めた。
【0057】
(実施形態3)
本実施形態を示す図面はなく、蛍光板109の構成は実施形態1または2と同様である。実施形態3では蛍光体表面の凸部を平坦化する手段としてレーザを用いている。レーザの照射時間、照射エネルギーおよび照射回数等を調整することにより、凸部を焼き切る深さを決めることができ、それぞれの凸部の大きさおよび高さに応じてそれぞれのパラメータの設定を行う。基板検査装置によって凸部を検出し、位置座標データをレーザリペア装置に送り、大きさおよび高さから、それぞれに合った条件で全自動により平坦化処理を行う。平坦化処理後、基板検査装置及び3次元測定器で再度突起形状を確認し、凸部が平坦化されているか確認し、高い場合、再度レーザリペアを行い、条件に合うまでこの作業を繰り返す。
【0058】
このように、レーザによる平坦化の場合、実施形態1あるいは2に比べ、精度良く平坦化することが可能で、凸部の高さを5μm以下に揃えることが可能である。また、実施形態3では、光センサーに貼り合せる際の接着剤を第2の保護層にも用いている。この第2の保護層には、光の透過率が高く、かつ透湿度の低い熱硬化性アクリル系樹脂を使用する。そのため、蛍光体と光センサーとの間の距離を10μm程度と狭くできるので、高解像度の光センサーを実現できる。(パリレン≒5μm、熱硬化性アクリル系樹脂≒5μm)
【0059】
(実施形態4)
図8は上記の実施形態の放射線検出システムへの応用例である。本実施形態は、X線画像を撮影するX線撮像システムとし、上記の実施形態1等は、X線撮像装置6040として利用されている。X線発生源としてのX線チューブ6050で発生したX線6060は患者あるいは被検体6061の胸部などの観察部分6062を透過し、X線撮像装置6040に入射する。この入射したX線には被検体6061の内部の情報が含まれている。X線が入射することによってX線撮像装置6040は電気的情報を得る。この情報はデジタルに変換され、画像処理手段としてのイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室(コントロールルーム)にある表示手段としてのディスプレイ6080で観察可能となる。
【0060】
また、この情報は電話回線や無線6090等の伝送手段により遠隔地などへ転送でき、別の場所のドクタールームなどでディスプレイ6081に表示もしくはフィルムなどの出力により遠隔地の医師が診断することも可能である。得られた情報はフィルムプロセッサなどの記録手段6100により光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどの各種記録材料を用いた記録媒体、フィルムや紙などの記録媒体6110に記録や保存することもできる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1の保護層を形成してから、蛍光体層表面にできた凸部を押しつぶしたり、あるいは除去したりして平坦化して、第2の保護層を形成したので、貼り合せの際の光センサーの破壊がなくなった。蛍光体の貼り合せ表面を平坦化したことにより、貼り合せ時の保護層の破壊がなくなり、耐湿性および保存性が向上した。
【0062】
蛍光体の貼り合せ表面を平坦化したことにより、凸部付近の凹部の隙間が狭くなり、隙間を完全に上から第2の保護層でコーティングすることが可能になり、耐湿性および保存性が向上した。蛍光体の貼り合せ表面を平坦化したことにより、貼り合せ後の接着剤の厚み分布がなくなり、解像度の劣化がなくなった。蛍光体の貼り合せ表面を平坦化したことにより、貼り合せ時の接着剤の流れが良くなり、また、凸部付近に発生していた気泡がなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】蛍光板を光センサーに貼り合せる工程を説明するための断面図である。
【図2】従来例の蛍光板の製造工程を示す断面図である。
【図3】蛍光体の凸部によって生じる課題を説明するための断面図である。
【図4】蛍光体の凸部を平坦化する方法を説明するための断面図である。
【図5】蛍光体の凸部を平坦化した後の様子を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態1を説明するための断面図である。
【図7】本発明の実施形態2を説明するための断面図である。
【図8】本発明の実施形態4の構成図である。
【符号の説明】
101 蛍光体基板
102 反射層
103 蛍光体層
104 第1の保護層
105 凸部
106 定盤
107 ローラー
108 第2の保護層
109 蛍光板
110 光センサー基板
111 光センサー
112 光電変換素子
113 配線
114 光センサー保護層
115 接着剤
130 保護層

Claims (6)

  1. 蛍光体基板上に、柱状結晶を有する蛍光体層を蒸着によって形成する蒸着工程と、
    前記蒸着工程において形成されたスプラッシュによる凸部が形成された面を有する蛍光体層の表面に第1の保護層を形成する工程と、
    前記第1の保護層の上から前記凸部を平坦化する平坦化工程と、
    前記平坦化工程後に、前記凸部が平坦化された領域を覆うように前記第1の保護層上に第2の保護層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする蛍光板の製造方法。
  2. 前記凸部の前記平坦化工程のにおける高さが20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光板の製造方法。
  3. 前記平坦化工程は、前記凸部の押しつぶし、削り、切り落とし、及びレーザー照射から選択された1以上の加工によることを特徴とする請求項1に記載の蛍光板の製造方法。
  4. 前記平坦化工程の前に前記凸部の高さを計測する計測工程を更に含み、前記計測工程によって得られた結果に基づいて前記平坦化工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の蛍光板の製造方法。
  5. 前記蛍光体層がヨウ化セシウムを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の蛍光板の製造方法。
  6. 請求項1記載の蛍光板の製造方法で製造された蛍光板の平坦化された蛍光体層の表面側を接着剤で光センサー基板接着する工程を含むことを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
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