JP4586561B2 - 水溶液量測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば鋼帯等の基材上に存在する水溶液量をオンライン測定する技術に関するものである。
水を用いた加工・製造等のプロセスは産業界全般に渡り多用されている。それらのプロセスは、例えば、洗浄・冷却のように主に水の物理的な作用を利用したものから、電気めっき・化成処理等の水に溶解あるいは分散させた物質による化学的な作用を利用したもの等多様である。
例えば、鉄鋼業においては、多くの製造プロセスにおいて製造される厚板材、冷延材、めっき材の冷却や洗浄に水を使用している。冷却や洗浄後の鋼材表面に残存する水は鋼材表面を腐食して表面外観を悪化させたり、次プロセスへ影響を及ぼしたり(例えば次プロセスがコイルに巻き取るプロセスだった場合に残存した水が蒸発できずに鋼材表面が腐食するなど)するため製品品質の特性を劣化させる問題となる。このため、鋼材表面に残存する水を取り除くために、鋼材の加熱や、ガスを吹き付けるドライヤーによる乾燥、自然乾燥して水が無くなるまで保持するなどの対策がとられている。この加熱や乾燥時の温度、保持時間などは明確な制御手法が確立されてないのが実情である。このため、建屋内の温度や湿度の変化、ライン速度、鋼材温度などの操業条件によっては鋼材表面に水が残存することがあり、製品品質の欠陥を生じていた。このように鋼材表面に残存している水は鉄鋼業の製品品質を左右する重要な因子となっている。
また、被処理物を水溶液中に浸漬して処理を行なうプロセスでは水分量が問題となることは無いが、塗布あるいはスプレー等によって被処理物表面に水溶液の薄い水膜を形成させて、被処理物と水溶液との化学反応により皮膜を生成させる処理(本明細書では、「湿式処理」とも記載する。)を行なうプロセスでは被処理物表面の水膜量が処理生成物の量と性状に大きな影響を与える。従って、その水膜量の測定技術は重要な要素技術である。
近年、鋼帯の表面処理プロセスにおいてめっき層の表面に潤滑作用のある皮膜を形成させて潤滑性を向上させる技術が種々提案されている。例えば、特許文献1〜3には、亜鉛系めっき鋼板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布酸化処理、または加熱処理を施すことにより、亜鉛酸化物を主体とする酸化膜を形成させて溶接性または加工性を向上させる技術が開示されている。特許文献4には、亜鉛系めっき鋼板の表面にリン酸ナトリウム5〜60g/Lを含みpH2〜6の水溶液にめっき鋼板を浸漬するか、電解処理を行うか、または、上記水溶液を塗布することにより、リン酸化物を主体とする酸化膜を形成して、プレス成形性及び化成処理性を向上させる技術が開示されている。特許文献5には、亜鉛系めっき鋼板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布処理、塗布酸化処理、または加熱処理により、Ni酸化物を生成させることにより、プレス成形性および化成処理性を向上させる技術が開示されている。
このような提案において、めっき鋼板の湿式処理においては、処理の温度、時間とともに鋼板表面の処理液量が皮膜形成の重要因子である。そのため、例えばロールコーターで一定量塗布したり、処理液を塗布後、ロールで絞ったり、ガスワイピングノズルで加圧気体を吹き付けるなどによって、処理液を一定量にする処理が行われているが、このような液量を制御するときは、鋼板長手方向の制御だけでなく、板幅方向の液量分布の制御も重要である。
このように鋼材表面に存在する水膜量は製品品質を決定する重要な因子であり、鋼材表面に存在する水膜量を制御するためには、水膜量を迅速に測定し、測定結果に基いて、水膜量を制御できることが必要である。迅速な制御のためには、水膜量をオンライン測定することが望ましい。鋼帯上の水の分布状況は、鋼帯の板幅方向で均一な分布となっているのが望ましいが、端面から蒸発していき、鋼帯中央部での残存量が多いのが経験上において常である。絞りロールによる水量制御方法では、ロールの両端の押し付け圧によって鋼帯幅方向の水量の分布は変化する。ドライヤーや加熱炉による乾燥においても当然鋼帯板幅方向の水量の分布は変化する。このようなことから、鋼帯長手方向はもとより鋼帯板幅方向での水の分布状況を把握することは製造プロセス上で重要である。
鋼帯の板幅方向の水分布量を計測できれば、前述した乾燥プロセスの鋼帯板幅方向での制御も可能となり、革新的な製造プロセスが可能となる。
水分量を計測する技術には多数の技術があるが、製造プロセスに組み込んで水分量を測定するのに好適な手法は、フィルター式赤外吸収方式である。この手法は、近赤外領域での特定波長の光が水に吸収されることを利用した測定方法である。つまり、赤外光を被測定試料に照射し、該試料から反射した光を水に吸収される波長および吸収されない波長の光を通過するフィルターを通して強度を測定することによって水による光の吸収量を計測し水分量を測定する装置である。この手法は、高速な応答性を持ち、また容易な装置構成で実現できることから多方面の製造業において用いられている(特許文献6〜10参照)。例えば、特許文献9、10には、水分計を製造ラインに設置して水分測定することで、鋼板上の水溶性皮膜の厚み制御技術が開示されている。
以下に先行技術文献情報について記載する。
特開昭53−60332号公報 特開平2−190483号公報 特開2004−3004号公報 特開平4−88196号公報 特開平3−191093号公報 特開平3−115838号公報 特開2004−20192号公報 特開2003−156437号公報 特開平4−48967号公報 特開平3−177578号公報
フィルター式赤外吸収法は、基本的に点測定であり、たかだか20〜30mmφの一点での領域しか測定できない。鋼帯長さ方向の分布を測定するためには、製造ラインに1つの装置を設置すればよいが、鋼帯幅方向の分布を測定するためには、幅方向に複数台の装置を設置するか、板幅方向に移動させながら測定する必要がある。例えば1.5mの板幅全幅を同時に測定するためには、測定領域が30mmφの装置の場合には、板幅方向に50台の装置を設置する必要がある。また、測定装置を板幅方向に移動させても、鋼帯が移動している場合には、測定は鋼帯表面を斜めにジグザグ状の測定となるため、板幅方向について同時に測定することは不可能である。
本発明の課題は、基材表面上の水膜量の幅方向の分布状態、長さ方向の分布状態を非接触で迅速にオンライン測定できる分析装置を提供することである。
上記課題を解決する本発明の要旨は次のとおりである。
第1発明は、(1)水の吸収波長と非吸収波長を含む波長域の赤外光を放出する赤外光源と該赤外光源から放出された赤外光を、表面に水溶液膜が存在する連続的に移動する金属帯表面の全幅に照射する照射系を備える光照射部と、(2)金属帯表面の全幅から反射した光を、金属帯の長手方向と板幅方向で曲率を変えた非球面の凹面鏡に集め、該非球面の凹面鏡から反射する光束を金属帯幅方向の位置情報を保ったまま反射させ、反射させた光束を、水の吸収波長を透過するフィルター、水の非吸収波長を透過するフィルターを通過させた後、多素子型検出器からなる検出器に導く受光系を備える光検出部と、(3)水の吸収波長を透過するフィルターを通過した赤外光と水の非吸収波長を透過するフィルターを通過した赤外光を検出器に交互に導入する制御系と、(4)前記検出器で測定した水の吸収波長を透過したフィルターの光強度及び水の非吸収波長を透過したフィルターを通過した光強度から金属帯の幅方向位置の水の吸光度を求め、さらに金属帯表面の幅方向位置の水溶液量を算出する信号処理系と、を備えることを特徴とする金属帯表面の水溶液量測定装置である。
発明は、第発明において、照射系が光ファイバーバンドルであることを特徴とする水溶液量測定装置である。
発明は、第1または第2発明において、前記、多素子型検出器がInGaAsリニアイメージセンサであることを特徴とする水溶液量測定装置である。
本発明によれば、基材表面に存在する水膜量の幅方向、長手方向の分布を非接触で迅速にオンライン測定できるようになる。本発明の装置を用いて基材表面の水溶液膜量を計測し、その計測結果を製造プロセスの操業条件へフィードバック・フィードフォワードのための指標値として用いることができるので、品質の安定した製品を製造可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る水溶液量測定装置の全体構成を説明する概略斜視図である。図2は、図1の光検出部3の構成を示す図で、(a)は側面図、(b)は平面図である。図1において、1は鋼帯、2は光照射部、3は光検出部,4は信号処理装置(信号処理系)、5は制御装置(制御系)である。図2において、6は集光ミラー、7及び12はハーフミラー、8及び19はミラー、9は光路切り替え用ディスク、10は水の吸収波長透過フィルター、11は水の非吸収波長透過フィルター、13は検出器である。検出器13には、鋼帯幅方向に複数の素子を配置した一次元多素子型検出器が使用されている。
光照射部2の光源(図示せず)より水の吸収波長と非吸収波長を含む波長域の赤外光を、表面に水膜(図示せず)が付着し矢印方向に走行している鋼帯1の全幅に赤外光照射領域bとなるように照射する。光検出部3は、前記赤外光照射領域b内の鋼帯全幅にわたる光検出部視野aからの前記水膜を通して鋼帯1面から反射した光を受光し、赤外光の水の吸収波長および水の非吸収波長の各々の強度を検出する。信号処理装置4は前記各々の波長の光の強度から水による吸収量を計算して、鋼帯1上に付着した水分量を計算する。鋼帯1表面の水膜が水溶液の場合、当該水溶液中の水分濃度を予め求めておくことで鋼帯上の水溶液量を求めることができる。
光検出部3の構成と作用を図2によって説明する。光照射部2より鋼帯1表面に照射された光は、水膜を通して鋼帯1表面で反射する。光照射部2に、例えば光ファイバーバンドルなどを用いることで赤外光源からの光を矩形状にして鋼帯1全幅に効率よく照射することができる。
鋼帯1表面からの反射光は集光ミラー6で反射される。集光ミラー6に、鋼帯1の長手方向と板幅方向で曲率を変えたミラーを使用することで、反射の光束を、位置情報(鋼帯幅方向の情報)を保ったまま検出器13に導くのに適した寸法に縮小させることができる。集光ミラー6で反射した光は、ハーフミラー7によって光路Aと光路Bに分割される。光路Aの光は水の吸収波長が透過する吸収波長透過フィルター10を通過し、ミラー19、ハーフミラー12を通って検出器13に集光される。ハーフミラー7によって分割された他方の光路Bの光は、水の非吸収波長が透過する非吸収波長透過フィルター11を通過し、ハーフミラー12で反射されて検出器13に集光される。吸収波長透過フィルター10および非吸収波長透過フィルター11は、多層膜干渉のバンドパス・フィルターなどを用いればよい。
光路Aのハーフミラー7と吸収波長透過フィルター10の間、光路Bのミラー8と非吸収波長透過フィルター11の間に、光路切り替え回転ディスク9が設置されている。光路切り替え回転ディクス9の構造は、例えば図3に示すように、回転ディスク21の一部部分に空隙部分22を設けてあり、回転ディスク21を回転機構23で1/2回転させることで、検出器13に到達させる光を光路Aおよび光路Bのいずれか一方の光に切り替えることができる。
制御装置5は、検出器13に入力させる赤外光を制御する。すなわち、制御装置5は、回転ディスク9を回転させることで、光路Aの光(吸収波長が透過する吸収波長透過フィルター10を通過した光)および、光路Bの光(水の非吸収波長が透過する非吸収波長透過フィルター11を通過した光)のいずれかを、検出器13に所定時間、交互に入力し、検出器13は、入力された光量に基く出力信号を信号処理装置4に出力する。また、制御装置5は、信号処理装置4に検出器13に入力されている光路種別(光路A、光路Bの別)を出力する。
鋼帯表面の水分量と、検出器13で検出した光路Aの光(吸収波長が透過する吸収波長透過フィルター10を通過した光)の信号出力と光路Bの光(水の非吸収波長が透過する非吸収波長透過フィルター11を通過した光)の信号出力の差との関係を予め調査して求めておき、この関係を信号処理装置4に入力しておく。
鋼帯1表面の水膜が水溶液の場合、当該水溶液中の水分濃度に基いて、鋼帯表面の水溶液量を容易に求めることができる。また、鋼帯表面の水溶液量と、前記信号出力の差との関係を求め、この関係を信号処理装置4に入力しておいてもよい。
信号処理装置4は、検出器13からの出力信号及び制御装置5からの光路種別情報に基き、光路Aからの出力信号、及び光路Bからの出力信号を別々に演算し、さらに両者の差から鋼帯表面の水溶液量を演算して求める。
吸収波長での強度をIA、非吸収波長での強度をIBとすると吸光度(Abs)はAbs=−log(IA/IB)で示される。また、溶液濃度をc、溶液の分子吸光係数をε、鋼帯表面の水膜厚さをLとすると、Lambert−Berrの法則によってAbs=εcLが成り立つ。ここで、溶液成分および溶液濃度が一定ならば、εおよびcは定数とみなすことができるので、吸光度(Abs)と鋼帯表面の水膜厚さ(L)は比例関係にある。従って、吸収波長、非吸収波長での強度(IA、IB)を測定することで吸光度(Abs)が計算でき、鋼帯表面の水膜厚さ(L)を求めることができる。
前記で求めた結果に基いて、鋼帯表面の水溶液量が所定水溶液量になるようにプロセスの処理条件を制御、例えば絞りロールで塗布液量を制御する方式では絞りロールの圧下力を制御する。このようにすることで、鋼帯表面の水溶液量を所要の水溶液量に迅速に調整することができる。
また、前記で求めた結果を、サンプリング位置情報(鋼帯長手方向位置情報または時刻情報)とともに信号処理装置5に内蔵される記憶装置に記録し、必要に応じて記録の内容をCRTに表示したり、プリントアウトする。また求めた水溶液量が予め設定した閾値を外れたときに、音声または表示灯等によって操作者に閾値を外れたことを知らしめたりしても良い。
本装置では、走行中の鋼帯1に照射した赤外光を鋼帯1の長手方向および板幅方向の情報を保ったまま検出器13に集光することが可能である。検出器13に一次元多素子型検出器を用いることで、鋼帯1の板幅方向での水膜量の分布情報を得ることが可能になる。鋼帯幅方向位置に対応した光が検出器の鋼帯幅方向に対応した検出素子に入力され、各々の素子の出力信号は、信号処理装置4に出力される。信号処理装置4は、検出器13の各素子からの出力信号及び制御装置5からの光路種別情報に基き、鋼帯幅方向の各々の位置に対応する水溶液量を演算して求める。
前記で求めた鋼帯幅方向の水溶液量の分布に不均一がある場合、その不均一を解消するようにプロセスの処理条件を制御、例えば絞りロールの幅方向の圧下量を制御する。このようにすることで、鋼帯幅方向の水溶液量の分布の不均一を迅速に解消することができる。
また、前記で求めた結果を、サンプリング位置情報(鋼帯長手方向位置情報または時刻情報)とともに信号処理装置5に内蔵される記憶装置に記録し、必要に応じて記録の内容をCRTに表示したり、プリントアウトしたりしてもよい。
多素子型検出器としては、例えばInGaAsリニアイメージセンサなどを用いることができる。InGaAsリニアイメージセンサは市販のものを使用できる。例えば、浜松フォトニクス社製のInGaAsリニアイメージセンサは、検出可能な波長範囲は0.9〜2.6μmで、水の吸収波長(1.1、1.4、1.9μm)と水の非吸収波長の両方を測定可能である。水の非吸収波長としては、吸収ピーク近傍の波長を用いれば良く、例えば1.0、1.3、1.7、2.2μmなど波長である。素子数は128個と512個のものがある。例えば、板幅方向の測定領域を0.5、1.0、1.5、2.0mとし、128個の素子、512個の素子を板幅方向に設置した場合、1素子当りの測定領域を表1に示す。1素子あたりの測定領域は数cm以下であり、従来のフィルター式赤外吸収法による装置での測定面積とほぼ同等となることがわかる。目的とする測定領域と分解能に見合った素子数のものを適宜選択すれば問題はない。
Figure 0004586561
なお、前述の装置では、集光ミラー6として鋼帯1の長手方向と板幅方向で曲率を変えたミラーを用いたが、鋼帯1の長手方向および板幅方向用に各々1枚のシリンドリカルミラーを用いて集光しても良い。
また、前述の装置では、ハーフミラー7によって光路を2つに分割し、各々の光路に、水の吸収波長が透過する吸収波長透過フィルター10と水の非吸収波長が透過する非吸収波長透過フィルター11を設置して、水の吸収波および非吸収波測定用に使用したが、例えば、図4(a)に示すように、集光ミラー6で反射された光路に周波数切り替え回転ディスク9aを設置し、図4(b)に示すように、該回転ディスク9aに水の吸収波長が透過するフィルター10aと水の非吸収波長が透過するフィルター11aを設置し、回転ディスク9aを回転して、検出器13に吸収波長が透過する吸収波長透過フィルター10aを通過した光と水の非吸収波長が透過する非吸収波長透過フィルター11aを通過した光を、所定時間交互に入力させるようにしてもよい。
また、図5に示すように、集光ミラー6で反射した光をハーフミラー7によって光路Aと光路Bに分割し、光路Aの光は水の吸収波長が透過する吸収波長透過フィルター10を通過させた後検出器13aに導き、光路Bの光は水の非吸収波長が透過する非吸収波長透過フィルター11を通過させた後検出器13bに導き、水の吸収波長での光強度および水の非吸収波長での光強度をそれぞれ独立に測定するように2個の検出器を用いても良い。この場合、回転ディスク等が不要となるので可動部品の数を削減でき、装置の耐久性を向上することができる。
以上説明したとおり、従来のフィルター式赤外吸収法を用いた水膜測定装置は、基材上のたかだか20〜30mmφの1点での領域しか測定できなかったが、本発明の装置によれば、板幅方向に赤外光を照射し、板幅方向の位置情報を保ったまま検出器に光を導き、さらに多素子の光検出器を用いることによって板幅方向の水膜を同時に測定可能になる。
また、前述の装置では、検出器に一次元多素子型センサを用いる場合について説明したが、例えば検出器として二次元多素子センサを用いれば静止している鋼帯上の全面での水膜量分布を瞬時に測定できることは言うまでもない。
以下、本発明の実施例を説明する
図1〜図3に示した装置を合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の表面改質を目的とするラインに設置し、酢酸ナトリウム20g/リットルを添加したpH:2.0、液温:50℃の硫酸酸性の水溶性処理液を絞りロールで塗布した直後の合金化溶融亜鉛めっき鋼帯表面の幅方向水膜量分布を計測した。鋼帯幅は1.5mである。絞りロールのロール圧下力、処理液の温度や粘度など多数のパラメーターで鋼帯表面の処理液量を変化させることができるが、一例として、板幅方向の両端部での絞りロール圧下力のみを変化させ、他のパラメーターは一定で製造したときの、絞りロール出側における鋼帯上の処理液量の測定結果例を図6に示す。
光源には、約2μmまでの波長範囲の光が放出されるタングステンハロゲンランプを用い、フィルター10、11には、波長選択できる狭帯域干渉フィルターを用いて、それぞれ1.4μmの水の吸収波長の光およびその吸収ピークの裾となり他の水による吸収ピークが現れない1.3μmを水の非吸収波長として光を透過させた。検出器13には256個の素子数のリニアイメージセンサを用いた。回転ディスク9は1500rpmで連続回転させて、それぞれのフィルター10、11を透過した光が検出器13に到達したときの強度を測定した。
製造条件Aは板両端のロール圧下力を同等とし、製造条件Bは片側だけのロール圧下力を増加して製造した場合である。製造条件Aは板幅方向で均一な水膜量分布を示すのに対して、製造条件Bは、ロール圧下力を増加した側(幅方向測定位置0mm側)から逆側に向かって水膜量が徐々に多くなる傾向が得られた。本発明によれば、予めロール圧下力と水膜量、板両端のロール圧下力を変化させたときのロール圧下力の変化量と幅方向水膜量の変化量の対応関係を求めておくことで、幅方向水膜量分布が不均一になった場合のその不均一を迅速に解消できる。
図6中には、前記各々の製造条件について、従来装置を用いて測定位置を板幅中央部分に固定して測定したデータを示す(図6中の符号○、△)。従来装置では、2つの製造条件で、水膜厚に差が生じていることは判るが、板幅中央部分のデータしか得られないために、板幅方向の分布状態まではわからない。従って、例えば製造条件Bのデータ(符号△)が得られたとしても、水膜厚の幅方向不均一のあることが判っていないので、両端のロール圧下力を調整しても製造条件Aのような均一な水膜量分布にすることはできない。
さらに、両側のロール圧下力を増加した場合(製造条件C)の測定例を図7に示す。なお、図7には、前述の製造条件Aの測定結果も示した。製造条件Cでは、両端での水膜厚が減少するのに対して、中央部では、ロールの湾曲等によって水膜厚が増加することがわかった。
表面改質処理を継続して行うと、塗布される水膜量が経時的に変化するが、以上の測定結果から、板幅中央部分に固定して測定した液膜量データに基づいて絞りロールの圧下力を調整しても板幅方向の水膜量分布の不均一は解消できないだけでなく、逆に幅方向の水膜厚の不均一を増大させることがあるので、水膜厚の分布を鋼帯幅方向、長手方向で均一にすることが極めて困難であることが判る。
本発明の装置を用いて長期的にデータを採取した結果、絞りロールの損傷・汚れ等によって幅方向で均一な分布とならない場合もあった。このような現象は継続して現れることもあるし短時間で解消されることもあった。このような場合、従来の点で測定する装置では、幅方向の水膜厚分布の不均一を識別することができないため、製品となって各々の部位に鋼帯が使われてから、初めて皮膜厚不均一の問題が顕在化する。本発明の装置を用いると、板幅方向の水膜量分布が迅速に測定可能になり、測定結果に基いて高精度な板幅方向の水膜量分布の制御が可能になる。
また、本発明の装置を使用すると、鋼帯長手方向の水膜厚の経時変化を把握することができるので、水膜厚の測定結果に基づいて、その不均一を解消するように操業条件を調整することで、鋼帯長手方向に水膜厚分布の変動を低減し、もって表面改質皮膜の膜厚変動を低減できる。また、本発明の装置では、局部的に水膜厚の不均一が発生してもそれが判るので、該膜厚不良部をトラッキングして、不良部を削除することで、膜厚不良部が製品に巻き込まれて出荷されるのを防止することができる。
本発明は、基材上に存在する水分量、水溶液量の幅方向、長手方向の分布を非接触で迅速に測定する装置として利用することができる。
本発明の実施の形態に係る基材表面の水溶液量測定装置の全体構成とフローを示す概略図である。 図1の装置の光検出部の第1の実施形態を示す図で、(a)は側面図、(b)は平面図である。 図2の装置の光検出部の光路切り替え回転ディスクの構造例を示す図で、(a)は断面図、(b)は正面図ある。 図1の装置の光検出部の第2の実施形態を示す図で、(a)は側面図、(b)は(a)に設置される周波数切り替え回転ディスクの構造を説明する図である。 図1の装置の光検出部の第3の実施形態を示す側面図である。 本発明の装置を用いた鋼帯幅方向の水膜量分布の測定例を示す図である。 本発明の装置を用いた鋼帯幅方向の水膜量分布の測定例を示す別の図である。
符号の説明
1 鋼帯
2 光照射部
3 光検出部
4 信号処理装置(信号処理系)
5 制御装置(制御系)
6 集光ミラー
7、12 ハーフミラー
8、19 ミラー
9 回転ディスク(光路切り替え回転ディスク)
9a 回転ディスク(周波数切り替え回転ディスク)
10、10a 水の吸収波長が透過する吸収波長透過フィルター
11、11a 水の非吸収波長が透過する非吸収波長透過フィルター
13 検出器
21 ディスク
22 空隙部分
23 回転機構

Claims (3)

  1. (1)水の吸収波長と非吸収波長を含む波長域の赤外光を放出する赤外光源と該赤外光源から放出された赤外光を、表面に水溶液膜が存在する連続的に移動する金属帯表面の全幅に照射する照射系を備える光照射部と、
    (2)金属帯表面の全幅から反射した光を、金属帯の長手方向と板幅方向で曲率を変えた非球面の凹面鏡に集め、該非球面の凹面鏡から反射する光束を金属帯幅方向の位置情報を保ったまま反射させ、反射させた光束を、水の吸収波長を透過するフィルター、水の非吸収波長を透過するフィルターを通過させた後、多素子型検出器からなる検出器に導く受光系を備える光検出部と、
    (3)水の吸収波長を透過するフィルターを通過した赤外光と水の非吸収波長を透過するフィルターを通過した赤外光を検出器に交互に導入する制御系と、
    (4)前記検出器で測定した水の吸収波長を透過したフィルターの光強度及び水の非吸収波長を透過したフィルターを通過した光強度から金属帯の幅方向位置の水の吸光度を求め、さらに金属帯表面の幅方向位置の水溶液量を算出する信号処理系と、
    を備えることを特徴とする金属帯表面の水溶液量測定装置。
  2. 照射系が光ファイバーバンドルであることを特徴とする請求項に記載の水溶液量測定装置。
  3. 前記、多素子型検出器がInGaAsリニアイメージセンサであることを特徴とする請求項1または2に記載の水溶液量測定装置。
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