JP4582644B2 - 注液含浸包装体 - Google Patents
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Description
さらに詳しくは、本発明は、保存安定性及び輸送安定性に優れ、ワンタッチで確実に吸液性基材に含浸中液を含浸させることができ、且つ含浸中液が含浸された基材を容易に取り出すことのできる使用性に優れた注液含浸包装体に関する。
このうち、吸液性シート基材と液体が同一面に収納される横型包装体については、実開平06−031750号公報(特許文献2)や特公表2002−522310号公報(特許文献3)などに提案されている。
さらに、本発明の注液含浸包装体は、運搬や保管時にあっては不慮の衝撃、過重な応力集中などによる液体の漏洩を完全に防止することができ、パック内容物である含浸中液の長期保存安定性、品質安定性を向上するものである。
請求項2に係る注液含浸包装体は、前記ブリスターパック底シール材12が、適宜のメッシュ材17を介して前記吸液性シート基材2に載置されてなることを特徴とする。
請求項3に係る注液含浸包装体は、前記ブリスターパックが、前記上部包装材6の穴4に自由動可能に保持されていることを特徴とする。
請求項4に係る注液含浸包装体は、前記含浸中液が、皮膚外用剤、洗浄料、毛髪用染料の群から選ばれたものであることを特徴とする。
請求項5に係る注液含浸包装体は、前記シート基材が、化粧綿、不織布、ガーゼ又は発泡体の群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
請求項6に係る注液含浸包装体は、前記注液含浸包装体が、化粧用塗布具、救急処置具、清拭具、毛染め具又は化粧料試用見本の群から選ばれるものであることを特徴とする。
本発明の注液含浸包装体に用いるブリスターパックは、吸液性シートに当接する構造であり、吸液性シートはクッション性を具備するので該ブリスター型パックに作用する応力、衝撃は分散されるので液体貯蔵部の部材、蓋シール材が不意に破壊されず、製品としての要求特性を具備するものである。
このようにワンタッチで含浸と取り出しができるので、操作性に優れるばかりでなく、コンパクトで軽量であることから、携行性にも優れ、出先での使用に好適である。
本発明で使用する含浸中液の粘度は、特別制限されるものではないが、流動性の点で上限値は、100,000mPa・sec程度が好ましい。さらに好ましくは、90,000mPa・sec程度である。低粘度の場合は、吸液性基材全体に浸透するし、高粘度の場合は、ブリスターパック接触部付近に局在的に浸透する。用途により使い分けるとよい。
可撓性がないと、押圧によるブリスターパックの破壊が困難となり、含浸中液を注出することができなくなるからである。また、外力が加わったとき、応力が集中しやすく不意に破壊されやすくなるためである。このようなブリスターパックは、公知の方法で製造することが可能である。
該ブリスターパック蓋材の下部に向かった先端突出部は、底シール材を突き破り、含浸注液を吸液性シート基材に直ちに含浸できるように尖っていることが好ましい。形状は、特に限定されるものではない。さらに好ましくは、破壊具の先端部とシール部のシート間には空隙部が設けられていると、輸送時などに不意の衝撃が加わってもシール部が破られることはない。
あるいは、尖端を有する突出部にかえて、ブリスターパックのシール部に脆弱部を設けておき、押圧によって内容液を注出させることもできる。
図1は、本発明の注液含浸包装体16の概念斜視図、図2は本発明のブリスターパック1の断面図、図3は図1の本発明の含浸中液包装体16の使用直前のときの断面図、図4及び図5は同じく図3の別態様を示す。
本発明のブリスターパック1は、上部の硬質又は半硬質プラスチックのブリスターパック蓋材15と下部のブリスターパック底シール材12がヒートシールされ、ヒートシール部10を形成している。ブリスターパック液体貯蔵部5には含浸中液13が適宜量充填されている。ブリスターパック1の頂部の一部は凹部14があり、該蓋材15には内部空間に向けて突出部9が形成されており、使用時にブリスターパック底シール材12を破りやすいようになっている。蓋材15に設けた突出部は、ブリスターパック底シール材12を突き破るものであれば、図2や図3のようなものに限られることはない。
ブリスターパック1は、図3に示すように吸液性シート基材2の上に載置されており、使用時にブリスターパック1の頂部を指で押さえることにより、底シール材12が破れて含浸中液13が該吸液性シート基材2に含浸されるようになっている。底シール材12と吸液性シート基材との間には、図4、図5に示すように金属製又はプラスチック製のメッシュ材を介在させることもできる。
上記ブリスターパック1が吸液性シート基材2に載置された状態で包装される。すなわち、硬質又は半硬質の上部包装材6の略中央部の穴4から、ブリスターパックの略上半部が突出するようにして、包装体16の下部包装材7と上部包装材6の周縁部がヒートシールされてヒートシール部11を形成し、本発明の注液含浸包装体16を構成する。
上述するように、本発明の注液含浸包装体16は、ブリスターパック1が吸液性シート基材2上に接触した状態で積層されており、これが上下のプラスチックフィルム上部包装材6と下部包装材7でヒートシールされて包装された構造となっている。吸液性シート基材2は、クッション性を具備するものであり、輸送時や携行時の外力を吸収する効果を有するので、不用意にブリスターパックが破れて内容物が流出することはない。
ブリスターパックと吸液性シート基材をセットして包装した注液含浸包装体は、個包装の形態で使用することもできるし、2連あるいは複数連だけ繋いだパッケージとしてもよい。該パッケージが複数連の場合は、その間にミシン目、ハーフカット線などの切り離し線を設けて切り離し可能としておくことが好ましい。サイズは特に限定されるのではなく、1回使用分に対応するサイズとすればよい。
該ブリスターパックと吸液性シート基材及びこれらを組み合わせてなる本発明の注液含浸包装体は、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、多角形など任意の形状に設計することができる。
材料の種類としては、好ましくはスポンジシートなどの発泡シート、化粧綿、化粧用コットン、消毒綿、不織布類、ガーゼ、織物、編物、紙類から選ばれる1種又は2種以上のシート材を単独で又は組み合わせて使用できる。これらは積層して使用することもできる。これらを構成する素材は特に限定されるものではなく、セルロースあるいはその誘導体、パルプ、綿、麻などの天然系素材、レーヨン、ポリアミド類、ポリエステル類、アクリル類、ポリウレタン類などの合成系素材あるいはこれらの親水化誘導体などを例示することができる。
本発明の注液含浸包装体は、そのままの状態でも使用することができるが、必要に応じて、加飾して任意の装丁あるいは包装形態に加工することもできる。
以下、実施例によってさらに詳しく本発明を説明する。
次に、半硬質フィルムとしてポリエチレンフィルム(厚み0.35mm)を基材として長方形状の収容部(62mm×72mm、深さ5.5mm)を成形し、その中央に直径26mmの穴を開けた。この穴に前記ブリスターパックを液体貯蔵部側から嵌めこんだ(周縁鍔部の外径が穴直径より大きいので、抜け出ることない)。
次いで、前記収容部に、吸液性シートとして滅菌済みの消毒綿(60mm×70mm、バルク厚み5mm)を挿入した(消毒綿とブリスターパックの周縁鍔部側が接触している)。
この製品は、輸送時や携行時にはブリスターパックは破れることはなく、長期保管にも耐えるものであった。
次に、野外で負傷したときに、この救急処置具の液体貯蔵部側を押圧すると、弱シール部が開封されて中の消毒液が速やかに消毒綿全体に行き渡った。次に、反対側の軟質フィルムを剥離開始部から引き剥がして、消毒液が含浸された消毒綿を取り出し、傷口の手当てをしたところ、極めて簡便な操作のみで含浸と取り出し操作が行え、子供であっても、自分で処置を行うことができ、操作に際して衣服を汚損することもなかった。また、用済みの製品は使い捨てすることができ便利なものであった。
次に、半硬質フィルムとしてポリエチレンフィルム(厚み0.35mm)を基材として長方形状の収容部(62mm×72mm、深さ4mm)を成形し、その中央に直径26mmの穴を開けた。この穴に前記ブリスターパックを液体貯蔵部側から嵌めこんだ(周縁鍔部の外径が穴直径より大きいので、抜け出ることはない)。
その後、軟質フィルム(ヒートシール性低融点ポリマーがコーティングされている)として、ポリエチレンフィルム(厚み0.1mm)を使用して開口部を覆い、周囲をヒートシール法により封止した(4隅の内、1箇所は無シール部とした)後、外周をカットして、本発明の注液含浸包装体(化粧用塗布具)とした。
この化粧用塗布具は、輸送時や携行時にはブリスターパックは破れることはなく、長期保管にも耐えるものであった。
次に、夏季の旅行中、外出前に、この化粧用塗布具の液体貯蔵部側を押圧すると、弱シール部が開封されて中のサンスクリーン乳液が速やかにコットン不織布全体に行き渡った。次に、反対側の軟質フィルムを剥離開始部から引き剥がして、サンスクリーン乳液が含浸された不織布を取り出し、顔面に塗布したところ、極めて簡便な操作のみで含浸と取り出し、塗布操作が一貫して迅速に行えた。このように出先であっても、簡単に処置を行うことができ、操作に際して衣服を汚損することもなかった。また、用済みの製品は使い捨てすることができ便利なものであった。
次に、半硬質フィルムとしてポリエチレンフィルム(厚み0.35mm)を基材として長方形状の収容部(62mm×72mm、深さ5mm)を成形し、その中央に直径26mmの穴を開けた。この穴に前記ブリスターパックを液体貯蔵部側から嵌めこんだ(周縁鍔部の外径が穴直径より大きいので、抜け出ることはない)。
次いで、前記収容部に、吸液性シートとして化粧綿(60mm×70mm、バルク厚み4mm)を挿入した(化粧綿とブリスターパックの周縁鍔部側が接触している)。
この製品は、輸送時や携行時にはブリスターパックは破れることはなく、長期保管にも耐えるものであった。
次に、化粧品店の店頭に、このファンデーションの使用見本を配備し、顧客の求めに応じ、使用してもらった。
液体貯蔵部側を押圧すると、突出部が蓋シール部を突き破り、内容物のオイルファンデーションが化粧綿の表面付近に行き渡った。次に反対側の軟質フィルムを剥離開始部から引き剥がして、化粧綿を取り出し、顔面に塗布してもらったところ、極めて簡便な操作のみで含浸と取り出し、塗布操作が一貫して迅速に行え、非常に好評であった。
このように店頭のような場所でスピーディに作業を完結させることができ、操作に際して手指や衣服を汚損することもなかった。また、用済みの製品は使い捨てができ便利で、化粧品店にも好評であった。
次に、半硬質フィルムとしてポリエチレンフィルム(厚み0.35mm)を基材として長方形状の収容部(62mm×72mm、深さ4mm)を成形し、その中央に直径26mmの穴を開けた。この穴に前記ブリスターパックを液体貯蔵部側から嵌めこんだ(周縁鍔部の外径が穴直径より大きいので、抜け出ることはない)。
次いで、前記収容部に、吸液性シートとしてセルローススポンジシート(60mm×70mm、バルク厚み4mm)を挿入した(セルローススポンジシートとブリスターパックの周縁鍔部側が接触している)。
この製品は、輸送時や携行時にはブリスターパックは破れることはなく、長期保管にも耐えるものであった。
次に、赤ちゃんのあせもでただれた肌に対してこの清拭具を適用した。
液体貯蔵部側を押圧すると、突出部が蓋シール部を突き破り、内容物の組成物がセルローススポンジシート全体に行き渡った。次に反対側の軟質フィルムを剥離開始部から引き剥がして、セルローススポンジシートを取り出し、おしりをこすってもらったところ、極めて簡便な操作のみで含浸と取り出し、塗布操作が一貫して迅速に行え、非常に使い易かった。
このように赤ちゃんのケアであっても片手でスピーディに作業を完結させることができ、操作に際して衣服を汚損することもなかった。また、用済みの製品は使い捨てができ便利であった。
次に、半硬質フィルムとしてポリエチレンフィルム(厚み0.35mm)を基材として長方形状の収容部(62mm×72mm、深さ4mm)を成形し、その中央に直径26mmの穴を開けた。この穴に前記ブリスターパックを液体貯蔵部側から嵌めこんだ(周縁鍔部の外径が穴直径より大きいので、抜け出ることない)。
次いで、前記収容部に、吸液性シートとしてコットン不織布の積層物(60mm×70mm、バルク厚み3mm)を挿入した(コットン不織布とブリスターパックの周縁鍔部側が接触している)。
この製品は、輸送時や携行時にはブリスターパックは破れることはなく、長期保管にも耐えるものであった。
次に、外出先においてこの清拭具の内溶液をよく振り混ぜたのち、液体貯蔵部側を押圧すると、弱シール部が開封されて中の洗浄料が速やかにコットン不織布全体に行き渡った。次に、反対側の軟質フィルムを剥離開始部から引き剥がして、洗浄料が含浸された不織布を取り出し、顔面をこすったところ、クレンジング作業も容易で、液体が相分離することもなく効果抜群であった。このように、出先であっても、簡単に処置を行うことができ、操作に際して衣服を汚損することもなかった。また、用済みの製品は使い捨てすることができ便利なものであった。
次に、半硬質フィルムとしてポリエチレンフィルム(厚み0.35mm)を基材として長方形状の収容部(62mm×72mm、深さ4mm)を成形し、その中央に直径26mmの穴を開けた。この穴に前記ブリスターパックを液体貯蔵部側から嵌めこんだ(周縁鍔部の外径が穴直径より大きいので、抜け出ることない)。
次いで、前記収容部に、吸液性シートとしてコットン不織布の積層物(60mm×70mm、バルク厚み3mm)を挿入した(コットン不織布とブリスターパックの周縁鍔部側が接触している)。
この毛染め具は、輸送時や携行時にはブリスターパックは破れることはなく、長期保管にも耐えるものであった。
次に、外出前にこの毛染め具の液体貯蔵部側を押圧すると、弱シール部が開封されて中の毛髪用染料が速やかにコットン不織布全体に行き渡った。次に、反対側の軟質フィルムを剥離開始部から引き剥がして、毛髪用染料が含浸された不織布を取り出し、白髪の目立つ箇所に塗布したところ、極めて簡便な操作のみで含浸と取り出し、毛染め操作が一貫して迅速に行えた。このように、簡単に処置を行うことができ、作業に際して衣服を汚損することもなかった。また、用済みの製品は使い捨てすることができ便利なものであった。
2 吸液性シート基材
4 穴
5 液体貯蔵部
6 上部包装材(硬質又は半硬質のプラスチックフィルム)
7 下部包装材(軟質のプラスチックフィルム)
8 包装空所
9 ブリスターパック上部蓋材の突出部
10 ブリスターパックの上部蓋材と底シール材とのヒートシール部
11 上下の包装材のヒートシール部
12 ブリスターパック底シール材
13 含浸中液
14 ブリスターパック凹所
15 ブリスターパック蓋部(硬質又は半硬質プラスチック)
16 本発明の含浸中液包装体
17 メッシュ材
18 底エッジ部
19 エッジ部
20 蓋材突出部
Claims (6)
- プラスチックフィルムの下部包装材7、吸液性シート基材2、ブリスターパック1及びプラスチックフィルムの上部包装材6からなる注液含浸包装体16であって、
前記下部包装材7に前記吸液性シート基材2が載置され、その吸液性シート基材2の上に前記ブリスターパック1が載置されており、前記上部包装材6が該ブリスターパック1の略上半部を突出させる穴4と、上記吸液性シート基材2が載置された下部包装材7で該上部包装材6の開口部を覆い、その下部包装材7の周縁と接合する周縁部を備えており、上記ブリスターパック1がブリスターパック蓋部15とブリスターパック底シール材12からなり、そのブリスターパック1内に含浸中液13が封入されており、該ブリスターパック蓋部15の上部に突出部9、底エッジ部18及びエッジ部19の何れか一つのものが形成されており、上記周縁部がヒートシールによりヒートシール部11を形成されてなり、該ヒートシール部11を剥離すれば、上記吸液性シート基材2を取り出せることを特徴とする注液含浸包装体。 - 前記ブリスターパック底シール材12が、適宜のメッシュ材17を介して前記吸液性シート基材2に載置されてなることを特徴とする請求項1に記載の注液含浸包装体。
- 前記ブリスターパック1が、前記上部包装材6の穴4に自由動可能に保持されており、その穴4が該上部包装材6の略中央部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の注液含浸包装体。
- 前記含浸中液が、皮膚外用剤、洗浄料、毛髪用染料の群から選ばれたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の注液含浸包装体。
- 前記シート基材が、化粧綿、不織布、ガーゼ又は発泡体の群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の注液含浸包装体。
- 前記注液含浸包装体が、化粧用塗布具、救急処置具、清拭具、毛染め具又は化粧料試用見本の群から選ばれるものであることを特徴とする請求項5に記載の注液含浸包装体。
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