JP4581272B2 - 四輪駆動車の動力分配装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は四輪駆動車の動力分配装置(以下トランスファともいう)に係り、特にフルタイム四駆を可能にしつつ前後輪の差動吸収を行うセンターディファレンシャル(以下センターデフともいう)を装備したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
RV車等の四輪駆動車において、エンジン動力を前後輪側に分配するためトランスファが設けられる。そしてこのトランスファの中にあって、前後輪の差動を吸収しつつフルタイム四駆を実現するためセンターデフを装備したものが多く見受けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、トランスファの開発に当たり、最も基本的な構成であるパートタイム方式をベースにしてセンターデフを装備したフルタイム方式を考えることがある。即ち、パートタイム式の二駆・四駆切換機構をそのままセンターデフ(そのロック機構を含む)と置換し、他の部品をそのまま流用してコストを削減しつつ、バリエーション拡大、汎用性向上等を図るのである。
【0004】
しかし、一般的にセンターデフは二駆・四駆切換機構よりも構造が複雑で軸方向の寸法が大きくなる傾向にある。従って置換は必ずしも容易でなく、置換しようとすればその分広いスペースが必要となり、パートタイム式に比較して軸方向寸法の拡大を余儀なくされてしまう。
【0005】
そこで、かかる問題に鑑みて本発明は創案され、その目的はパートタイム式の二駆・四駆切換機構と同等の軸方向寸法を有するセンターデフを装備した四輪駆動車の動力分配装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の目的は、センターデフを装備するフルタイム式でありながらパートタイム式と同等の軸方向寸法(全長)に抑えることができる四輪駆動車の動力分配装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る四輪駆動車の動力分配装置は、主駆動輪出力軸上に、入力側から順に遊星歯車式副変速機と、遊星歯車式センターディファレンシャルとを設け、上記副変速機のサンギヤとキャリアとの内周側に空洞部を設け、この空洞部に、上記センターディファレンシャルのリングギヤから一体的に延出された円筒部と、該円筒部に噛合可能な上記副変速機の切換スリーブとを挿入し、該切換スリーブの外周部と上記副変速機のサンギヤ及びキャリアの内周部とにそれぞれスプラインを設け、上記切換スリーブの外周部のスプラインを、上記副変速機のサンギヤ及びキャリアのスプラインのいずれか一方に選択的に噛合可能としたものである。
上記主駆動輪出力軸に回転可能に取り付けられ従駆動輪出力軸に連結された駆動部材を上記センターディファレンシャルに隣接して設け、上記センターディファレンシャルのデフキャリアを上記駆動部材に結合すると共に、上記センターディファレンシャルのリングギヤの外周部に第一スプラインを設け、上記デフキャリアに上記第一スプラインと同径の第二スプラインを設け、上記第一スプラインにスリーブをスライド可能に設けても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0011】
まず、本発明が適用される四輪駆動車と、ベースとなるパートタイム式トランスファとを説明する。図4に示すように、四輪駆動車はFRベースのパートタイム4WD車で、車両前部に縦置きされたエンジンEの動力を後方に向かって変速機(主変速機)T/M、トランスファT/Fへと伝達し、トランスファT/Fにて前後側に分配した後、主駆動輪である後輪RWと、従駆動輪である前輪FWとに伝達して四輪を駆動するようになっている。ただしトランスファT/Fがパートタイム式なので後輪RWは常時駆動、前輪FWの駆動は選択的である。変速機T/Mは摩擦クラッチを含むマニュアル式か、流体コンバータを含む自動変速式のいずれかである。
【0012】
図2にパートタイム式トランスファを示す。トランスファT/Fは前方に位置する入力軸1から変速機T/Mの出力を入力し、後方の後輪出力軸2(主駆動輪出力軸)から後輪側に動力を出力すると共に、前輪出力軸3(従駆動輪出力軸)から前輪側に動力を選択的に出力する。後輪出力軸2と前輪出力軸3とがチェーン・スプロケット機構からなる動力分配機構4で連結され、各軸に動力が分配伝達されるようになっている。前輪出力軸3への動力分配は二駆・四駆切換機構5を切り換えることにより選択的に行われる。これは通常の手動変速機における変速機構部と同様の構成である。
【0013】
トランスファ全体の高速段(Hi)又は低速段(Lo)への切換えを行うため、遊星歯車式の副変速機6が設けられる。副変速機6はHiのとき1の減速比つまり直結となり、Loのとき1より大きい値(本実施形態では2.5 )の減速比となり、入力軸1の回転を減速して出力側に伝達する。また副変速機6はHiとLoとの間にニュートラル(N)のポジションも備える。これら入力軸1〜副変速機6の全体が共通のトランスファケーシング7に収容されている。
【0014】
トランスファT/Fの前端付近において、入力軸1と後輪出力軸2とが同軸に嵌合接続され、互いに相対回転自在となっている。接続部にはニードルベアリング8が設けられる。入力軸1は中空とされ、その前端部がケーシング7から突出されると共に、内周部にスプライン9が形成され、変速機出力軸(図示せず)をスプライン嵌合接続させ得るようになっている。入力軸1はニードルベアリング10、キャリア軸受部30aを介してボールベアリングからなる前部軸受11によって外周側からも軸支される。これによって入力軸1はニードルベアリング8と前部軸受11によって内外周側から支持されることになる。入力軸1とケーシング7との隙間がオイルシール12でシールされる。
【0015】
後輪出力軸2はほぼトランスファ全長に亘って延出され、後端側がボールベアリングからなる後部軸受13によって軸支される。後端部がケーシング7から突出され(図示せず)、図4の如く後輪駆動軸(プロペラシャフト)S/Rを連結し得るようになっている。
【0016】
動力分配機構4は、後輪出力軸2のほぼ中間位置に設けられ、後輪出力軸2の外周側に回転可能に取り付けられる駆動スプロケット(駆動部材)14と、前輪出力軸3に固設される被駆動スプロケット(被駆動部材)15と、これらスプロケット同士を連結するチェーン16とから構成される。前輪出力軸3は、前部側がボールベアリング17、後端部がニードルベアリング18で軸支され、前端部がケーシング7から突出される。その突出部にフランジ19がナット21により締結されており、ボルト20を用いて図4の如く前輪駆動軸S/Fを連結し得るようになっている。突出部とケーシング7との隙間がオイルシール22でシールされる。
【0017】
ここで図3に示すように、トランスファT/Fは正面視において鉛直でなく斜めに傾斜されている。そして入力軸1及び後輪出力軸2の斜め下に前輪出力軸3が配置され、これら軸位置が左右方向にオフセットされる。これにより図4に示すようにエンジンEや変速機T/Mと前輪駆動軸S/Fとの干渉が防止される。
【0018】
二駆・四駆切換機構5は駆動スプロケット14の前方(入力側)に隣接して設けられる。二駆・四駆切換機構5は、駆動スプロケット14に設けられたドグギヤ23と、後輪出力軸2に固設されたクラッチハブ24と、クラッチハブ24の外周部に軸方向スライド自在にスプライン嵌合された選択スリーブ25と、ドグギヤ23及びクラッチハブ24間に設けられたシンクロナイザリング26とから構成される。図示するのは二駆状態で、このとき選択スリーブ25はクラッチハブ24にのみ噛合される。この状態から選択スリーブ25が後方にスライドされるとシンクロナイザリング26による同期後、選択スリーブ25がドグギヤ23に噛合する。これによってクラッチハブ24とドグギヤ23、ひいては後輪出力軸2と駆動スプロケット14が連結され、後輪出力軸2の回転動力が前輪出力軸3に分配伝達されて四駆状態となる。
【0019】
副変速機6は、二駆・四駆切換機構5の所定距離前方で且つ入力軸1と後輪出力軸2との接続部付近に設けられる。副変速機6は、遊星歯車式であり、入力軸1に一体に設けられたサンギヤ27と、サンギヤ27の外周部に噛合される複数のプラネタリギヤ28と、各プラネタリギヤ28をシャフト29を介して軸支するキャリア30と、各プラネタリギヤ28に噛合される内周ギヤを有したリングギヤ31とから構成される。
【0020】
キャリア30は、プラネタリギヤ28の無い周方向位置においてブリッジ32が設けられ、サンギヤ27及びプラネタリギヤ28の後方にも回り込んでシャフト29を両端支持する。前述のキャリア軸受部30aはキャリア30の一部であり、キャリア30から前方に突出してニードルベアリング10と前部軸受11との間に軸支される。サンギヤ27とキャリア30の間のスラスト荷重を低減するためスラスト用のニードルベアリング33が設けられる。リングギヤ31はケーシング7にスプライン嵌合されるが、リングギヤ31とケーシング7との間には僅かな径方向隙間があり、リングギヤ31が僅かに偏心移動可能となっている(所謂フローティング支持構造)。リングギヤ31とケーシング7との直接衝突を緩衝するためゴム材を用いたダンパリング58が設けられている。
【0021】
リングギヤ31は、ケーシング7に設けられたリングギヤ嵌合穴56に後方から挿入され、スナップリング57で軸位置が固定される。リングギヤ嵌合穴56の最前端にダンパリング58が予め挿入され、この後リングギヤ31が挿入されてリングギヤ31の最前端部がダンパリング58に圧入されると共に、ダンパリング58がリングギヤ31とリングギヤ嵌合穴56との間に装入される。
【0022】
サンギヤ27とキャリア30との内周側に、後輪出力軸2との隙間を形成するための空洞部60が設けられ、そこに切換スリーブ34が後輪出力軸2上を軸方向スライド可能に設けられる。後輪出力軸2の外周部とスリーブ34の内周部とにスプライン35a,35bが設けられ、これらが互いにスプライン嵌合されてスリーブ34の軸方向のスライド移動が許容され、且つ後輪出力軸2上での回転が防止される。
【0023】
サンギヤ27とキャリア30との内周部及び切換スリーブ34の外周部にスプライン36,37,38が設けられる。切換スリーブ34をスライドさせ、そのスプライン38をサンギヤ及びキャリアスプライン36,37のいずれか一方に選択的に噛合させることでHi-Lo の切換えがなされる。サンギヤ及びキャリアスプライン36,37の間に切換スリーブ34のスプライン38を非係合状態(フリー)にするためのニュートラル(N)ポジションが設けられる。この副変速機にはシンクロ機構が設けられておらず、Hi-Lo間のギヤ比差が大きい(1又は2.5)。従って機械構造上、切換えは車速ゼロ又はその付近の極低速(実質的な停車状態)で行わなければならない。
【0024】
図示の如く、切換スリーブ34がサンギヤ27に噛合しているときには実質入力軸1と後輪出力軸2とが直結状態となり、入力軸1の回転動力がそのまま後輪出力軸2に伝達される。これがHiのポジションである。このときプラネタリギヤ28はサンギヤ27に追従回転する。
【0025】
一方、切換スリーブ34が図示状態から後方にスライドされ、Nポジションを越えてキャリア30に噛合されると、入力軸1の回転動力がサンギヤ27→プラネタリギヤ28→キャリア30→切換スリーブ34→後輪出力軸2と伝達され、後輪出力軸2が入力軸1に対し減速回転される。これがLoのポジションである。
【0026】
このトランスファでは、二駆・四駆切換機構5の切換えと、副変速機6のHi-Lo 切換え(Nへの切換えを含む)とが共通のアクチュエータ39により自動的に行われるようになっている。アクチュエータ39は、図示しない電子制御ユニットにより位相制御されるモータ40と、このモータ40により複数の位相位置にステップ状に回転され、二駆・四駆切換機構5及び副変速機6の切換えのための二つのカム溝41,42を有した円柱カム43と、カム溝41及び選択スリーブ25に係合してカム溝41の回転に応じて選択スリーブ25を移動させる選択アーム44と、カム溝42及び切換スリーブ34に係合してカム溝42の回転に応じて切換スリーブ34を移動させる切換アーム45と、それぞれのアーム44,45を軸方向移動自在に支持する2本のシャフト(一本のシャフト46のみ図示)とを備える。各アーム44,45にはバネ(一つのバネ47のみ図示)を用いた緩衝装置48が設けられ、スプラインの噛合時に過負荷を与えぬようになっている。それぞれのシャフトに対して位置決めのためチェック機構48aが設けられる。
【0027】
ケーシング7内には潤滑オイルが貯留されるが、このトランスファは図3に示すような傾斜配置のため、オイルは下部の前輪出力軸3側に溜まっており、上部に行きづらい。そこで、オイルポンプ49により上部の各部を強制潤滑するようになっている。
【0028】
オイルポンプ49は動力分配機構4の後側に隣接して設けられ、後輪出力軸2によって駆動されるトロコイドポンプとなっている。オイルポンプ49は、矢視の如く、ケーシング内底部に貯留されたオイルを吸引管50によって吸引し、後輪出力軸2の中心部に形成されたオイル穴51に吐出する。オイル穴51のオイルは各給油穴52を通じて駆動スプロケット14の支持部、二駆・四駆切換機構5及び副変速機6へと供給される。オイル穴51の前端は開放され、ここからニードルベアリング8への給油がなされる。後輪出力軸2の前端に近接して入力軸1にキャップ53が取り付けられ、オイルの外部への漏洩が防止される。
【0029】
後部軸受13の後側に隣接して後輪出力軸2にメータギヤ54が取り付けられ、メータギヤ54の回転がウォームギヤ55を介して図示しない車速センサにより検出される。
【0030】
さて、このようなベースとなるパートタイム式トランスファを一部改変してフルタイム式としたのが図1に示すトランスファである。以下相違部分についてのみ説明し、同一部分については図中同一符号を付し説明を省略する。
【0031】
図示するように、このトランスファT/Fでは、パートタイム式の二駆・四駆切換機構5に代えてセンターデフ61が設けられる。そしてセンターデフ61には、軸方向寸法が比較的短くて済む遊星歯車式が採用される。センターデフ61は、後輪出力軸2に一体的に設けられたサンギヤ62と、サンギヤ62の外周部に噛合される複数のプラネタリギヤ63と、各プラネタリギヤ63をシャフト64を介して軸支するデフキャリア65と、各プラネタリギヤ63に噛合される内周ギヤを有したリングギヤ66とを有する。
【0032】
デフキャリア65も副変速機6のキャリア30と同様シャフト64を両端支持している。そしてこのデフキャリア65は駆動スプロケット14に一体的に結合されている。リングギヤ66の外周部に第一スプライン67が設けられ、駆動スプロケット14の前方に隣接したデフキャリア65の後部にも、第一スプライン67と同径の第二スプライン68が設けられる。第一スプライン67にスリーブ69が軸方向スライド可能に噛合して設けられる。これら第一スプライン67、第二スプライン68及びスリーブ69により、センターデフ61を選択的にロックするためのデフロック機構73が実現される。以上の説明で分かるようにデフロック機構73はリングギヤ66の外周側に設けられる。
【0033】
図示するのはセンターデフアンロック(フリー)状態で、このときにはスリーブ69が第一スプライン67のみに噛合されている。この状態からスリーブ69が後方に移動されると第二スプライン68にも噛合するようになり、センターデフロック状態となる。スリーブ69を前後移動させるため、前述の選択アーム44がスリーブ69に係合されている。但し前述の二駆・四駆切換機構5に比べセンターデフ61は大径であるため選択アーム44の長さが短くなっている。
【0034】
後輪出力軸2においては、センターデフ61のサンギヤ62の直前から、副変速機6に給油するためのオイル穴52aまでの位置において、パートタイム式のものに比べ外径が縮小されており、そこにリングギヤ66の一部である円筒部70が嵌合されている。円筒部70はリングギヤ66から一体的に延出され、後輪出力軸2の外径縮小部の外周側に相対回転可能に嵌合される。円筒部70によって後輪出力軸2の外径縮小分が補われ、全体としてパートタイム式のものと同等の外径を保っている。
【0035】
円筒部70の外周部に前述のスプライン35に代わるスプライン71aが設けられ、これに切換スリーブ34が軸方向スライド可能にスプライン嵌合される。
パートタイム式のものに比べ、切換スリーブ34のアーム係合部72が大径とされ、その分切換アーム45が短くされている。
【0036】
このフルタイム式トランスファの作動を説明する。入力軸1に入力されている動力は、副変速機6がHiのときはサンギヤ27から、Loのときはキャリア30から出力される。この動力は切換スリーブ34を介してセンターデフ61の円筒部70即ちリングギヤ66に伝達される。リングギヤ66が、サンギヤ62を一体的に有する後輪出力軸2に固定されていることから、センターデフ61においてはリングギヤ66とサンギヤ62とが入力側となる。これらに入力された動力の一部が後輪出力軸2を通じて後輪側に送られ、残りの動力がプラネタリギヤ63→デフキャリア65→駆動スプロケット14という経路を経て前輪側に送られる。
【0037】
図示状態即ちセンターデフアンロック状態においては、リングギヤ66及びサンギヤ62とプラネタリギヤ63とが差動可能であり、前後輪の差動が許容される。一方、図示状態からスリーブ69を後方に移動してセンターデフロック状態にすると、リングギヤ66及びサンギヤ62とプラネタリギヤ63との差動が禁止されるので、前後輪の差動も禁止される。
【0038】
このフルタイム式トランスファには構造上以下の特徴がある。即ち、センターデフ61に軸方向寸法が短かくて済む遊星歯車式を採用し、そのリングギヤ66の外周側にデフロック機構73を設けたので、デフロック機構73を含むセンターデフ全体の軸方向寸法が大幅に短縮でき、トランスファ全体の軸方向寸法の拡大も防止できる。またセンターデフ61がパートタイム式の二駆・四駆切換機構5と同等の軸方向寸法になり、これらの置換が容易となる。よってフルタイム式とパートタイム式という二つのバリエーションを多くの部品を流用しつつ低コストで実現できる。また同一のケーシングを使用でき、トランスファ全体の軸方向寸法(全長)を変えずに済むため、周辺レイアウトの変更も行わなくて済み、高い汎用性をもたらす。このようにセンターデフを装備するフルタイム式でありながらパートタイム式と同等の軸方向寸法(全長)に抑えることができる。
【0039】
従来のセンターデフは、特許公報第3003330号等に示されるように、デフロック機構が遊星歯車機構に対し軸方向に突出されるものが一般的であった。本発明はかかる問題点を解消し、デフロック機構を遊星歯車機構の軸方向範囲内に収め、センターデフ全体の軸方向寸法を大幅に短縮できるものである。
【0040】
加えて、上記トランスファでは、センターデフ61のリングギヤ66の一部が副変速機6の内周側に入り込む構造であり、且つその内周側に副変速機6のHi-Lo切換機構も入り込む構造であるため、トランスファ全体の軸方向寸法の短縮及びコンパクト化に大きく寄与できるものである。
【0041】
なお、本発明の実施の形態は上記実施の形態に限られない。上記実施形態ではFRベースのもの、即ち後輪を主駆動輪、前輪を従駆動輪とするものを示したが、FFベースのもの、即ち前輪を主駆動輪、後輪を従駆動輪とするものでも構わない。この場合、上記後輪出力軸2は前輪出力軸となって前輪に連結され、上記前輪出力軸3は後輪出力軸となって後輪に連結される。これらFR、FFベースのものを含め、上記後輪出力軸2が主駆動輪出力軸、上記前輪出力軸3が従駆動輪出力軸となる。
【0042】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば次の如き優れた効果が発揮される。
(1) デフロック機構を含むセンターデフ全体の軸方向寸法が大幅に短縮できる。
(2) センターデフがパートタイム式の二駆・四駆切換機構と同等の軸方向寸法になり、これらの置換が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フルタイム式トランスファを示す縦断側面図で、左側が前、右側が後である。
【図2】パートタイム式トランスファを示す縦断側面図で、左側が前、右側が後である。
【図3】トランスファの概略正面図である。
【図4】四輪駆動車を示す平面図で、左側が前(F)、右側が後(R)である。
【符号の説明】
2 後輪出力軸(主駆動輪出力軸)
3 前輪出力軸(従駆動輪出力軸)
6 副変速機
14 駆動スプロケット(駆動部材)
27 サンギヤ
30 キャリア
34 切換スリーブ
35b,36,37,38,71a スプライン
60 空洞部
61 センターディファレンシャル(センターデフ)
65 デフキャリア
66 リングギヤ
67 第一スプライン
68 第二スプライン
69 スリーブ
70 円筒部
73 デフロック機構
T/F 動力分配装置(トランスファ)
T/M 変速機

Claims (2)

  1. 主駆動輪出力軸上に、入力側から順に遊星歯車式副変速機と、遊星歯車式センターディファレンシャルとを設け、上記副変速機のサンギヤとキャリアとの内周側に空洞部を設け、該空洞部に、上記センターディファレンシャルのリングギヤから一体的に延出された円筒部と、該円筒部に噛合可能な上記副変速機の切換スリーブとを挿入し、該切換スリーブの外周部と上記副変速機のサンギヤ及びキャリアの内周部とにそれぞれスプラインを設け、上記切換スリーブの外周部のスプラインを、上記副変速機のサンギヤ及びキャリアのスプラインのいずれか一方に選択的に噛合可能としたことを特徴とする四輪駆動車の動力分配装置。
  2. 上記主駆動輪出力軸に回転可能に取り付けられ従駆動輪出力軸に連結された駆動部材を上記センターディファレンシャルに隣接して設け、上記センターディファレンシャルのデフキャリアを上記駆動部材に結合すると共に、上記センターディファレンシャルのリングギヤの外周部に第一スプラインを設け、上記デフキャリアに上記第一スプラインと同径の第二スプラインを設け、上記第一スプラインにスリーブをスライド可能に設けた請求項1に記載の四輪駆動車の動力分配装置。
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