JP4580168B2 - 自動金銭取引装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動金銭取引装置に関し、特に、顧客が金銭の引出しを行う時の、顧客の手元の運用状態を監視することができる自動金銭取引装置に関するものである。更に詳しく述べれば、内蔵したカメラにより、顧客の金銭出納時の、顧客の手元の運用を監視することができる自動金銭取引装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、現金を扱う自動金銭取引装置（以後、ＡＴＭ：Automated Teller Machineと記す) では、ＡＴＭ本体の一部、或いはＡＴＭの外部に防犯用カメラが設置されており、顧客の現金運用時の監視を行っていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ＡＴＭに内蔵した防犯用カメラは、ＡＴＭ本体の上部に設置されているために、通常状態では、現金の出納を行う顧客の上体しか撮影できず、顧客の手元の運用状態が撮影できなかった。このため、従来のＡＴＭでは、顧客の不注意による現金の取り忘れ等の監視記録を残すことができなかった。また、従来のＡＴＭに設置した防犯用カメラは、ＡＴＭ本体上部の目に付きやすい位置に撮影口があるために、顧客が防犯用カメラの存在に気がつき易く、悪戯や悪意を持った顧客等によって取引時に撮影口を塞がれてしまうと、顧客の撮影が出来なくなるといった欠点があった。
【０００４】
従って、本発明の目的は、前記従来の防犯用カメラを内蔵したＡＴＭの有する課題を解消し、防犯用カメラをＡＴＭの人目に付かない場所に設置することにより、顧客に防犯用カメラの存在を意識させることなく、現金を出納する際、特に、現金を出金する際の、顧客の手元の現金の運用状態を監視することにより、金銭トラブルが発生した際の確認、個人特定が可能な自動金銭取引装置を提供することにある。また、防犯用カメラをＡＴＭの人目に付かない場所に設置することにより、防犯カメラ自体を保護する事が可能な自動金銭取引装置およびカメラを内蔵した紙幣ユニットを提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のＡＴＭは、以下の第１の形態から第６の形態として示される。
【０００６】
第１の形態のＡＴＭは、顧客の操作に応じて金銭の自動出納を行うＡＴＭであって、シャッタによって開閉される紙幣の取扱口、及び、紙幣の取扱口の中の所定の箇所に位置して、シャッタが開いた時に撮影可能となる防犯用カメラとを備えることを特徴とするものである。
【０００７】
第２の形態のＡＴＭは、第１の形態のＡＴＭにおいて、更に、シャッタの内側の紙幣の取扱口の中の所定の２箇所に、この紙幣の取扱口内への手の挿入を検出するセンサを設け、防犯用カメラを、少なくともセンサが紙幣の取扱口内への手の挿入を検出した時に撮影動作を行うようにしたことを特徴とするものである。
【０００８】
第３の形態のＡＴＭは、第１の形態のＡＴＭにおいて、更に、シャッタの内側の紙幣の取扱口の中の所定の２箇所に、この紙幣の取扱口内への手の挿入を検出するセンサを設け、センサの内の１つを紙幣の取扱口の紙幣の近傍に設置し、このセンサが紙幣の抜取りを検出した時に、防犯用カメラが撮影動作を行うようにしたことを特徴とするものである。
【０００９】
第４の形態のＡＴＭは、第２又は３の形態のＡＴＭにおいて、シャッタによって紙幣の取扱口が開いた後の時間を計数する時間計数手段を設け、センサによる紙幣の取扱口内への手の挿入の検出がない状態で、時間計数手段の計数値が所定時間に達した時に、防犯用カメラが撮影動作を行うようにしたことを特徴としている。
【００１０】
第５の形態のＡＴＭは、第１から第４の形態のＡＴＭにおいて、紙幣の取扱口内に設置した防犯用カメラに加えて、ＡＴＭの別の部位に第２の防犯用カメラを設置したことを特徴としている。
【００１１】
第６の形態のＡＴＭは、第５の形態のＡＴＭにおいて、紙幣の取扱口内に設置された防犯用カメラと、第２の防犯用カメラの撮影範囲を異ならせておき、顧客の映像を死角の無い状態で撮影するようにしたことを特徴としている。
【００１２】
本発明のＡＴＭによれば、顧客に防犯用カメラの存在を意識させることなく現金を出納する際、特に、現金を出金する際の、顧客の手元の現金の運用状態を監視することができるので、金銭トラブルが発生した際の確認、個人特定が可能となる。また、防犯用カメラの存在を顧客が意識しにくいので、防犯カメラ自体を保護する事もできる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
図１Ａは従来のＡＴＭ９の外観を示すものである。ＡＴＭ９の前面側はテーブル状になっており、この部分にタッチパネル式の入力パネル（タッチパネル）１がある。そして、このタッチパネル１の後方には、紙幣取扱口２と硬貨取扱口３とが並んでおり、これらの上方にはマネーカードの挿入口４と、通帳の挿入口５とが設けられている。そして、ＡＴＭ９の前面パネルの上部側には防犯用カメラ６が設けられている。
【００１４】
図１Ｂは図１Ａに示した従来のＡＴＭ９の紙幣取扱口２の構造を示す部分拡大断面図である。紙幣取扱口２は通常は水平方向に開閉するシャッタ２Ａによって塞がれており、シャッタ２Ａが開くと、紙幣を貯めておく紙幣貯留部２Ｂが現れる。入金紙幣や払出し紙幣はこの紙幣貯留部２Ｂに一旦貯められる。この紙幣貯留部２Ｂの入口部には、発光部と受光部とを備えた手挿入センサ２Ｃが設けられており、顧客による紙幣の入金、或いは紙幣の抜取りを検出できるようになっている。
【００１５】
図２Ａは、従来のＡＴＭ９に設けられた防犯用カメラ６の設置位置とその撮影範囲、及び紙幣取扱口２の位置を示すものである。防犯用カメラ６は、ＡＴＭ９の正面パネルの上部に設置されているために、この防犯カメラ６によって顧客を撮影すると、図２Ｂに示すような顧客７の映像が得られる。
【００１６】
このように、防犯用カメラ６はＡＴＭ９の正面パネルの上部に設置されているために、通常状態では、現金の出納を行う顧客７の上体しか撮影できず、顧客７の手元の運用状態が撮影できなかった。このため、従来のＡＴＭ９では、顧客７の不注意による現金の取り忘れ等の監視記録を残すことができなかった。また、従来のＡＴＭ９に設置した防犯用カメラ６は、ＡＴＭ９の正面パネルの目に付きやすい位置に撮影口があるために、顧客７が防犯用カメラ６の存在に気がつき易く、悪戯や悪意を持った顧客７がいた場合には、取引時に撮影口を塞がれてしまい、顧客の撮影が出来なくなるといった欠点があったのである。
【００１７】
図３Ａは本発明のＡＴＭ１０の外観を示すものである。なお、説明を分かりやすくするために、図１Ａで説明した従来のＡＴＭ９と同じ部位には、従来と同じ符号を付して説明する。
【００１８】
本発明のＡＴＭ１０においても、その前面側はテーブル状になっており、この部分にタッチパネル式の入力パネル（タッチパネル）１がある。そして、このタッチパネル１の後方には、紙幣取扱口２と硬貨取扱口３とが並んでおり、これらの上方にはマネーカードの挿入口４と、通帳の挿入口５とが設けられている。そして、ＡＴＭ１０の前面パネルの上部側には防犯用カメラ６が設けられている。
【００１９】
ここで、図１Ａで説明した従来のＡＴＭ９と本発明のＡＴＭ１０の差異について説明する。従来のＡＴＭ９では、紙幣取扱口２を開閉するシャッタ２Ａがテーブル状部に設けられていて、水平方向に移動していた。一方、本発明のＡＴＭ１０では、ＡＴＭ１０の前面パネルのマネーカードの挿入口４と通帳の挿入口５とが設けられている部分が前方に傾斜しており、この前面パネルの傾斜部にシャッタ２Ａが設けられている。従って、本発明のＡＴＭ１０ではシャッタ２Ａは下降して紙幣取扱口２を開く。
【００２０】
図３Ｂは図３Ａのシャッタ２Ａが開いた状態のＡＴＭ１０の紙幣取扱口２の部分を示す部分拡大斜視図である。シャッタ２Ａが開くと、その奥には従来例と同様に紙幣貯留部２Ｂが設けられている。そして、本発明では、この紙幣取扱口２の中の、シャッタ２Ａが閉じている時にはシャッタ２Ａによって隠れて外部からは見えない位置に、防犯用カメラ８が設けられている。防犯用カメラ８の設置位置は、紙幣貯留部２Ｂが見通せる位置が良い。
【００２１】
そして、本発明のＡＴＭ１０の紙幣取扱口２には図４Ａ，４Ｂに示すように、２つの手挿入センサ１１，１２が設けられている。第１の手挿入センサ１１と第２の手挿入センサ１２は、それぞれ発光部と受光部とから構成され、これらの間にセンサビームＳＢ１，ＳＢ２が走っている。第１の手挿入センサ１１と第２の手挿入センサ１２には赤外線センサを使用することができるが、この他にも、動いているものを検出する動体検出センサ等も使用することが可能である。
【００２２】
なお、本発明における第２の手挿入センサ１２は、図１Ｂで説明したように、従来装置においても設けられていたものであり、従来もこのセンサによって紙幣貯留部２Ｂへの顧客の手の挿入は検出していたので、このセンサをそのまま流用することができる。
【００２３】
第１の手挿入センサ１１はシャッタ２Ａの裏面の近傍に設けられており、第１の手挿入センサ１１のセンサビームＳＢ１は、紙幣取扱口２のシャッタ２Ａの開閉方向に並行なビームである。一方、第２の手挿入センサ１２は、従来のＡＴＭ９と同様に、紙幣貯留部２Ｂの入口部の近傍に設けられており、第２の手挿入センサ１２のセンサビームＳＢ２は、紙幣貯留部２Ｂの入口部を横切るビームであり、顧客による紙幣貯留部２Ｂへの紙幣の入金、或いは紙幣貯留部２Ｂからの紙幣の抜取りを検出できるようになっている。このように、本発明では、ＡＴＭ１０の紙幣貯留部２Ｂの奥からの撮影が可能となり車椅子使用者等の背の低い顧客に対する撮影範囲の拡大を行うことができる。
【００２４】
図５Ａは、本発明のＡＴＭ１０に設けられた防犯用カメラ８の設置位置とその撮影範囲、及び、ＡＴＭ１０に内蔵されたカードユニット２０、紙幣ユニット３０と制御部４０の位置を説明するものである。本発明のＡＴＭ１０では、従来のＡＴＭ９に設けられていた防犯用カメラ６も除去することなく残されている。カードユニット２０は図３Ａに示したマネーカードの挿入口４の後部に設けられている。紙幣ユニット３０は、紙幣取扱口２の後方下部に設けられている。また、ＡＴＭ１０の最下部には、ＡＴＭ１０の内部の装置の動作を制御する制御部４０が設けられている。
【００２５】
防犯カメラ６，８で撮影した映像は、記録の損失を防ぐフェイルセーフのために、多重化されて記録されるようになっている。例えば、図５Ａの実施例では、防犯カメラ６，８で撮影した映像を記録するための媒体として、制御部４０に内蔵されたＣＤ−Ｒ装置１３とハードディスク装置（以後ＨＤＤと記載）１４、及び、ＡＴＭ１０の外部に設けられたビデオテープレコーダ（以後ＶＴＲと記載）１５がある。ＶＴＲ１５に記録される画像は、更に、ＡＴＭ１０の外部に映像モニタを設けることにより、監視員等にモニタさせることも可能である。以上のように、この実施例では、記録装置のうちの２台までが故障しても、他の１台で画像を記録して保存することができる。
【００２６】
なお、この実施例では、制御部４０に内蔵された記録装置を、ＣＤ−Ｒ装置１３とＨＤＤ１４を例にとって説明したが、制御部４０に内蔵する記録装置は、これらに限定されるものではなく、他にも光磁気ディスク（ＭＯ）装置やデジタル多用途ディスク（ＤＶＤ）装置等、他の記録媒体を使用した記録装置を使用しても良いものである。即ち、本発明において使用する記録媒体は、コンピュータに接続できるものであればその種類は特に限定されるものではない。
【００２７】
防犯用カメラ６によって撮影された顧客の映像は従来と同じである。また、防犯用カメラ８によって撮影された顧客７の映像は、防犯用カメラ８が紙幣取扱口２の中に設けられているために、図５Ｂに示されるように、顧客７の手元まで写る。従って、本発明のＡＴＭ１０では、顧客７が紙幣取扱口２の紙幣貯留部２Ｂから紙幣３１を引き抜く様子を記録することができる。
【００２８】
よって、本発明のＡＴＭ１０では、従来からある防犯用カメラ６と、本発明で新たに設けられた防犯用カメラ８の映像の両方を動作させることにより、現金の出納を行う顧客７の上体を含む周囲の状況の映像と、出金時の顧客７の手元の映像を共に記録することができる。このため、本発明のＡＴＭ１０では、顧客７の不注意による現金の取り忘れ等の監視記録を残すことができる。また、本発明のＡＴＭ１０に設置した防犯用カメラ８は、紙幣取扱口２のシャッタ２Ａが開くまでは人目に触れず、また、シャッタ２Ａが開けば、顧客７の関心は紙幣貯留部２Ｂに貯留されている紙幣に移るので、その存在が顧客７に気付かれ難い。
【００２９】
なお、従来からある防犯用カメラ６はダミーとし、本発明で新たに設けた防犯用カメラ８のみを機能させるようにすることも可能である。
【００３０】
図６は本発明のＡＴＭ１０の内部に設けられた各装置の接続関係を示すものである。この図に示されるように、シャッタ２Ａ、前面パネル上のカメラ６、紙幣ユニット内カメラ８、第１と第２の手挿入カメラ１１，１２、ＣＤ−Ｒ装置１３、ＨＤＤ１４、カードユニット２０、及び紙幣ユニット３０が制御部４０に接続されている。また、制御部４０はＡＴＭ１０の外部に設けられたＶＴＲ１５にも映像を記録する。
【００３１】
図７は本発明のＡＴＭ１０の防犯用カメラ６，８で撮影され、ＣＤ−Ｒ装置１３、ＨＤＤ１４、及びＶＴＲ１５に記録される映像データの内容の一実施例を示すデータ構成図である。記録される映像データは、(1) 取引時刻と取引内容を含む取引データ、(2) 防犯用カメラ６によって撮影されたカードエンボスイメージデータ（マネーカードやクレジットカードの表面に浮き上がった状態で刻印された口座番号、会員番号、有効期限、や氏名等）、及び、防犯用カメラ６，８によって撮影された映像データである。
【００３２】
カードエンボスを読み取ることにより、偽造カードでエンボスがないもの、取引データ上の名前とエンボス名が異なるもの、等の識別を行うことができる。
【００３３】
このように、本発明では、ＡＴＭ１０に内蔵された記録装置により記録された画像、映像は、顧客データと一緒に保管される為、顧客のＡＴＭ１０の使用時における現金の取り忘れや抜取り、カードの取り込み等の、異常操作の履歴を後に参照することにより、同一人物の操作であるかの確認を行うことができる。また、ＶＴＲ１５による記録は、記録映像を参照する為に、全ての映像を見直す必要があるが、ＡＴＭ１０に内蔵したＣＤ−Ｒ装置１３やＨＤＤ１４等の記録機構は、操作者の特定コードにて所望の映像の検索が可能であり確認が即時可能となる。また、将来的には、映像をデータとして保管する為、顧客データと登録画像の比較を行った本人確認などが可能となる。
【００３４】
図８は本発明のＡＴＭ１０に内蔵された制御部４０の出納動作のうちの、紙幣ユニット３０における紙幣の出金動作の一例の手順を示すフローチャートである。この手順は顧客が図３Ａに示した入力パネル１に表示された「引出し」ボタンにタッチした時に開始される。なお、図８のフローチャートには、顧客のカード挿入後の暗証番号の確認、出金額の確認等の手順は全て終了した後の手順が記載されている。
【００３５】
ステップ８０１では紙幣ユニット３０により指定された紙幣を貯留部２Ｂに出金する。ステップ８０２は出金可能状態になったか否かを判定するものであり、出金可能状態でない時にはステップ８０１に戻って出金を続行し、出金可能時にはステップ８０３に進んでシャッタ２Ａをオープンし、同時に時間の計数を開始する。
【００３６】
ステップ８０４では手挿入センサ１１，１２によって顧客の手挿入を検知したか否かを判定し、検知した場合にはステップ８０５に進んで防犯用カメラ６，８で取引人（顧客）を撮影して、映像を前述のＣＤ−Ｒ装置１３、ＨＤＤ１４、及びＶＴＲ１５に記録する。ステップ８０６は貯留部２Ｂに残留紙幣があるか否かを判定するものであり、残留紙幣がある場合にはステップ８０４に戻り、残留紙幣がない場合にはステップ８１１に進む。ステップ８１１ではシャッタ２Ａをクローズし、計数時間をクリアしてこのルーチンを終了する。
【００３７】
一方、ステップ８０４で手挿入を検知しない時にはステップ８０７に進み、シャッタ２Ａをオープンしてから規定時間が経過したか否かを判定する。ステップ８０７で規定時間が経過していない場合はステップ８０９に進み、紙幣の強制取込時間が経過したか否かを判定する。また、ステップ８０７で規定時間が経過した場合は、ステップ８０８で防犯用カメラ６，８によって取引人（顧客）を撮影し、映像を前述のＣＤ−Ｒ装置１３、ＨＤＤ１４、及びＶＴＲ１５に記録する。
【００３８】
ステップ８０９の紙幣の強制取込時間が経過したか否かの判定において、強制取込時間が経過していない時にはステップ８０４に戻って顧客の手挿入の検知を行い、強制取込時間が経過した場合には、ステップ８１０に進んで貯留部２Ｂに残留する紙幣を強制的に装置内に取り込んで回収し、このルーチンを終了する。
【００３９】
このように、本発明では、出金時に顧客による紙幣の取り忘れが発生し、残留紙幣が強制的にＡＴＭ１０内に取り込まれて回収された場合でも、防犯用カメラ８による顧客の手元の映像がＣＤ−Ｒ装置１３、ＨＤＤ１４、或いはＶＴＲ１５に残っているので、取り忘れに気付いた顧客が後に取り忘れ金額の回収に銀行を訪れた場合の確認を容易に行うことができ、顧客との金銭上のトラブルを未然に防止することができる。
【００４０】
図９は本発明のＡＴＭ１０に内蔵された制御部４０の出納動作のうちの、出金動作の別の例の手順を示すフローチャートである。この手順は、防犯用カメラ８による顧客の撮影を、紙幣取扱口２の紙幣貯留部２Ｂの入口部に設置した第２の手挿入センサ１２が手挿入を検出した際に行うようにした点のみが、図８で説明した手順と異なる。よって、図８で説明した手順と同じ手順には同じステップ番号を付してその説明を省略する。
【００４１】
図９の手順が図８の手順と異なる点についてのみ説明すると、図９の手順では、ステップ８０４では第１の手挿入センサ１１による顧客の手挿入を検知し、第１の手挿入センサ１１が顧客の手挿入を検知した場合にステップ８０５において、第２の手挿入センサ１２が顧客の手挿入を検出したか否かを検出する。そして、第２の手挿入センサ１２が顧客の手挿入を検出しない場合には、ステップ８０７に進み、第２の手挿入センサ１２が顧客の手挿入を検出した場合はステップ８０５に進んで防犯用カメラ６，８で取引人（顧客）を撮影して、映像を前述のＣＤ−Ｒ装置１３、ＨＤＤ１４、及びＶＴＲ１５に記録する。この実施例では、第２の手挿入センサ１２が顧客の手挿入を検出した場合に顧客の撮影が行われるので、実際に紙幣を抜き取った人物を撮影することができる。
【００４２】
図１０は本発明のＡＴＭ１０に内蔵する、防犯用カメラ８を備えた紙幣ユニット３０の単体の構成を示す斜視図である。この図から、紙幣ユニット３０の紙幣貯留部２Ｂの奥に防犯用カメラ８が設置されていることが分かる。このように、本発明の防犯用カメラ８を備えた紙幣ユニット３０は、単体でも販売することが可能である。
【００４３】
本発明に示される、ＡＴＭの構成によれば、現金の取扱い時の顧客監視を確実な物とすることができると共に、防犯用カメラに対するイタズラ等の防止にも役立つ。また、現金取引を行う顧客を撮影する為のトリガーとして、従来のＡＴＭが持つユニットの持つ各種センサを流用する事ができるので、的確な撮影を実施する事ができる。更に、顧客に通常の外観から防犯用カメラによる撮影を意識させることが無くなる。
【００４４】
また、本発明に示される紙幣貯留部の近傍に設置される防犯用カメラは、紙幣ユニットに内蔵させることができるので、紙幣ユニットのみを販売することにより、広範囲な装置に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１Ａ】 図１Ａは従来のＡＴＭの外観を示す斜視図である、
【図１Ｂ】 図１Ｂは従来のＡＴＭの紙幣取扱口の構造を示す部分拡大断面図である、
【図２Ａ】 図２Ａは、従来のＡＴＭに設けられた防犯用カメラの設置位置とその撮影範囲、及び紙幣取引口の位置を説明するＡＴＭの側面図である、
【図２Ｂ】 図２Ｂは図２Ａの防犯用カメラによって撮影された顧客の映像のイメージを示すものである、
【図３Ａ】 図３Ａは本発明のＡＴＭの外観を示す斜視図である、
【図３Ｂ】 図３Ｂは本発明のＡＴＭの紙幣取扱口の構造を示す部分拡大斜視図である、
【図４Ａ】 図４Ａは本発明のＡＴＭの紙幣取扱口に設けた手挿入センサの光軸の配置の一実施例を示す部分拡大斜視図である、
【図４Ｂ】 図４Ｂは図４Ａの紙幣取扱口に設けた手挿入センサの取付位置、及びセンサビームの光軸の配置を示す部分拡大断面図である、
【図５Ａ】 図５Ａは、本発明のＡＴＭに設けられた防犯用カメラの設置位置とその撮影範囲、及び、カードユニット、紙幣ユニットと制御部の位置を説明するＡＴＭの側面図である、
【図５Ｂ】 図５Ｂは図５Ａの防犯用カメラによって撮影された顧客の映像のイメージを示すものである、
【図６】 図６は本発明のＡＴＭの内部に設けられた制御部の各部材との接続を示すブロック構成図である、
【図７】 図７は本発明のＡＴＭの防犯用カメラで撮影された映像データの内容の一実施例を示すデータ構成図である、
【図８】 図８は本発明のＡＴＭに内蔵された制御部の出金動作の一例の手順を示すフローチャートである、
【図９】 図９は本発明のＡＴＭに内蔵された制御部の出金動作の別の例の手順を示すフローチャートである、そして、
【図１０】 図１０は本発明のＡＴＭに内蔵する、防犯用カメラを備えた紙幣ユニット単体の斜視図である。

Claims (6)

1. 顧客の操作に応じて金銭の自動出納を行う自動金銭取引装置であって、
   シャッタによって開閉される紙幣の取扱口、及び、
   前記紙幣の取扱口の中の所定の箇所に位置して、前記シャッタが開いた時に撮影可能となる防犯用カメラと、を備えることを特徴とする自動金銭取引装置。
2. 請求項１に記載の自動金銭取引装置であって、更に、
   前記シャッタの内側の前記紙幣の取扱口の中の所定の２箇所に、この紙幣の取扱口内への手の挿入を検出するセンサが設けられており、
   前記防犯用カメラは、少なくとも前記センサが前記紙幣の取扱口内への手の挿入を検出した時に撮影動作を行うことを特徴とする自動金銭取引装置。
3. 請求項１に記載の自動金銭取引装置であって、
   前記シャッタの内側の前記紙幣の取扱口の中の所定の２箇所に、この紙幣の取扱口内への手の挿入を検出するセンサが設けられており、
   前記センサの内の１つが前記紙幣の取扱口の紙幣の近傍に設置されており、このセンサが紙幣の抜取りを検出した時に、前記防犯用カメラが撮影動作を行うことを特徴とする自動金銭取引装置。
4. 請求項２又は３に記載の自動金銭取引装置であって、
   前記シャッタによって前記紙幣の取扱口が開いた後の時間を計数する時間計数手段を備え、
   前記センサによる前記紙幣の取扱口内への手の挿入の検出がない状態で、前記時間計数手段の計数値が所定時間に達した時に、前記防犯用カメラが撮影動作を行うことを特徴とする自動金銭取引装置。
5. 請求項１から４の何れか１項に記載の自動金銭取引装置であって、
   前記紙幣の取扱口内に設置した防犯用カメラに加えて、前記自動金銭取引装置の別の部位に第２の防犯用カメラが設置されていることを特徴とする自動金銭取引装置。
6. 請求項５に記載の自動金銭取引装置であって、
   前記紙幣の取扱口内に設置された防犯用カメラと、前記第２の防犯用カメラの撮影範囲を異ならせておき、顧客の映像を死角の無い状態で撮影するようにしたことを特徴とする自動金銭取引装置。

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