JP4573461B2 - ドリル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドリルに関するもので、クロスシンニング面とフルート溝との交差稜線部の形状に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドリルにおいては、ドリル先端部の心厚を薄くしてスラスト力を減少させたり求心力を向上させる目的でシンニングを設けるのが一般的である。シンニングの代表的なものにクロスシンニングがあり、ドリル中心近傍までシンニング切刃を形成することができるので、鋼材の穴明けにも適応できるものとなっている。このシンニング切刃は負のすくい角となることから、従来からさらなる改良がなされている。しかしながら、シンニング形状に関する従来の研究の多くは、前記のようなスラスト低減や求心性向上を主テーマとするものである。また、切屑処理の改善を課題とするものも一部には見受けられるが、その解決手段は、チゼル部の形状に関するものがほとんどといえる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、シンニング部の切屑処理性の向上を解決課題とするものであり、以下図5を参照しながら説明する。鋼材の切削加工では、切屑9の生成は遷移切断形となる。シンニング切刃5でも当然切削が行われるわけであるが、切削の開始時には、同図(a)に示すように切屑9は扇形となり、シンニング部分の空間に拘束されてカールする。しかしながら、シンニング空間が狭いために切屑9は詰まり勝手となり、詰まり勝手となった切屑9は切屑生成方向には進まずに、同図(b)に示すように、むしろ切刃5に沿ってフルート溝2の奥の方に伸びるような挙動を示すようになる。そして同図(c)のように、切屑9は全体的にフルート面3に倣う扇形運動を始め、最終的に、フルート溝2と加工穴の内壁が拘束壁となって切屑9は分断される。
【0004】
シンニング切刃より生成された切屑は、フルート溝に移行する運動を行なうことから、ドリルには切削抵抗が大きくかかり、振動などの問題を引き起こす。切屑が詰まり勝手となる現象を改善する目的で、シンニングの進入角(ドリルの軸線とシンニング面とがなす角度)を小さくしてシンニング空間を大きくとることが考えられるが、これは心厚の薄い領域を増加させることとなり、先端部分の強度低下といった新たな問題が生じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以上のような課題に鑑みなされたもので、フルート面と逃げ面との交差稜線には先端角を形成するようにして切刃が備わり、さらに先端部にはクロスシンニングの付設されたドリルにおいて、前記クロスシンニングのシンニング面とフルート面との交差稜線に、少なくともこの交差稜線の最内点を含む面取りが施されていることを特徴とする。さらに、ドリルの軸線から前記面取りの最外点までの半径は、ドリル半径の70%以上の大きさを有していることを特徴とするものである。
【0006】
フルート面と逃げ面との交差稜線に面取りを設けることにより、シンニング切刃によって生成される切屑がフルート溝へ無理なく誘導されるようになり、フルート溝内でのスムースな切屑変形へと繋がっていく。このことは、切屑の自然な形である扇形に近い切屑形状となるものであり、コンパクトにまとまった形状となるものであるから、切屑排出の改善に繋がるものとなる。そして、面取りは、心厚に影響しない箇所での局部的なものであるから、ドリル剛性の低下は最小限に抑えられる。この面取りは、必ずしも交差稜線の全域に施す必要はなく、切屑擦過による押圧の高い部分、すなわちドリル半径の少なくとも70%の範囲に集中的に施すことで、切屑の詰まり勝手を回避できるようになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の一形態について、図を参照しながら説明する。図1はドリル1の一実施形態としてツイストドリルを例にとり、その先端部のみを図示したものであるが、この発明はツイストドリルに限定されるものではない。図1において、ドリル本体には軸線Oに沿ってねじれを伴う2条のフルート溝2が配設され、先端部は、フルート面3と逃げ面4との交差稜線に対をなして切刃5が備わり、先端角を形成している。さらに先端中央部にはクロスシンニングが付設されており、シンニング切刃6の一端は軸線Oのごく近傍にまで達している。
【0008】
シンニング面7とフルート面3との交差稜線には、この交差稜線の最内点Aを始点として外径方向に延びる面取り8が施される。面取り8は、おおむねシンニング面7とフルート面3との間で形成される頂部を二等辺三角形的に削り取る形状が好ましく、また面取り8の幅は僅か0.02mm以上の大きさでよい。そして、ドリル1の軸線Oから面取り8の最外点Bまでの半径rは、ドリル半径Rの70%以上の大きさを有していることが好ましい。すなわち、面取り8は僅少な幅と100%に届かない長さでよいのであって、これならドリルの剛性が損なわれることがない。
【0009】
図2および図3は、切削試験の結果を示すものである。切削試験には、直径8mmで油穴の貫通したツイストドリルを用いた。被削材は炭素鋼S45C(ブリネル硬さ230)、切削速度110mm/min、1回転当たりの送り0.2mm、水溶性切削油剤による湿式切削にて穴深さ40mmまでの穴明けを行った。
本発明ドリルにおける面取り8の幅は0.06mmであり、全く面取りのない従来形ドリルと比較した。
【0010】
本発明ドリルは、面取り8の作用により、切屑9の擦過によって起きる押圧力が小さいので、図2に示すように、切屑9の流出がスムースに行われるものと考えられる。その結果、図3に示すように、比較的切屑流出方向に近いコンパクトに丸まった切屑9が観測された。一方、従来形ドリルによる切屑9は、同図仮想線で示すように、切屑流出方向に流れようとする自然な流れが妨げられる結果、フルート溝2の方向に長く伸びた切屑9となって排出された。この切削試験における切屑長さは、本発明ドリルによるものが5.3mmであったのに対し、従来形ドリルのものは7.3mmであった。本発明ドリルによるコンパクトな切屑は、フルート溝2を伝って排出されやすく、切屑詰まりの起きにくいドリルとなっている。
【0011】
図4は、この発明の他の実施例を示すもので、面取り8がシンニング面7とフルート面3との交差稜線の100%すなわち全長に渡って付設されたもので、かつ外周側でより大きく面取りされたものである。このような形状は切屑ポケットが大きくなるので、ドリル剛性よりむしろ切屑排出が重視される軟鋼など靱性の高い加工材料の穴明けに好適する。
【0012】
【発明の効果】
この発明のドリルは、クロスシンニングにおけるシンニング面とフルート面との交差稜線に面取りが施されたことにより、シンニング切刃によって生成される切屑流れが阻害されることが小さくなるから、無理のない切屑変形が促される。
その結果、切屑は従来ドリルと比べて長さの短いコンパクトに丸まった形状となるので、切屑排出性の向上へと繋がる。面取りは、心厚に影響しない箇所での局部的なものであるから、ドリル剛性の低下はほとんどない。さらに、この面取りは、僅かな幅で、かつ切屑擦過による押圧の高い部分となるドリル半径の少なくとも70%の範囲に施すことで効果を発揮するので、このような形状を採用した場合、ドリル剛性の低下は無視できるほどに抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態であるドリルの先端部を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図2】ドリル先端部における切屑生成の様子を(a)(b)(c)順に表した概念図である。
【図3】本発明ドリルによる切屑を従来ドリルの切屑と対比した切屑外観図である。
【図4】この発明の他の実施形態を示し、図1(b)に相当する側面図である。
【図5】従来のドリル先端部における切屑生成の様子を(a)(b)(c)順に表した概念図である。
【符号の説明】
3 フルート面
6 シンニング切刃
7 シンニング面
8 面取り

Claims (2)

  1. フルート面と逃げ面との交差稜線には先端角を形成するようにして切刃が備わり、さらに先端部にはクロスシンニングの付設されたドリルにおいて、前記クロスシンニングのシンニング面とフルート面との交差稜線に、少なくともこの交差稜線の最内点を含む面取りが施されていることを特徴とするドリル。
  2. ドリルの軸線から前記面取りの最外点までの半径は、ドリル半径の70%以上の大きさを有していることを特徴とする請求項1に記載のドリル。
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