JP4570867B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、色素増感太陽電池などの光電変換素子に係る。より詳細には、電解質層を作用極と対極で挟んでなる積層体からなるセル自体に加熱などの負荷をかけることなく、セル構成部材とその外側に配されるパッケージ材とを一括で封止することが可能な、光電変換素子に関する。
環境問題、資源問題などを背景に、クリーンエネルギーとしての太陽電池が注目を集めている。太陽電池としては単結晶、多結晶あるいはアモルファスのシリコンを用いたものがある。しかし、従来のシリコン系太陽電池は製造コストが高い、原料供給が不充分などの課題が残されており、大幅普及には至っていない。
また、Cu−In−Se系(CIS系とも呼ぶ)などの化合物系太陽電池が開発されており、極めて高い変換効率を示すなど優れた特徴を有しているが、コストや環境負荷などの問題があり、やはり大幅普及への障害となっている。
これらに対して、色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い変換効率を得られる光電変換素子として着目されている。
図3は、従来の色素増感型太陽電池の一例を示す模式的な断面図である。
この色素増感型太陽電池50は、増感色素を担持させた多孔質半導体電極(以下、色素増感半導体電極とも呼ぶ)53が一方の面に形成された第一基板51と、導電膜54が形成された第二基板55と、これらの間に封入された例えばゲル状電解質からなる電解質層56を主な構成要素としている。
第一基板51としては光透過性の板材が用いられ、第一基板51の色素増感半導体電極53と接する面には導電性を持たせるために透明導電層52が配置されており、第一基板51、透明導電層52及び色素増感半導体電極53により窓極58をなす。
一方、第二基板55としては、電解質層56と接する側の面には導電性を持たせるために例えば炭素や白金からなる導電層54が設けられ、第二基板55及び導電層54により対極59を構成している。
色素増感半導体電極53と導電層54が対向するように、第一基板51と第二基板55を所定の間隔をおいて配置し、両基板間の周辺部に熱可塑性樹脂からなる封止剤57を設ける。そして、この封止剤57を介して2つの基板51、55を貼り合わせてセルを組み上げ、電解液の注入口60を通して、両極58、59間にヨウ素・ヨウ化物イオンなどの酸化・還元種を含む有機電解液を充填し、電荷移送用の電解質層56を形成したものが挙げられる。つまり、封止剤57は電解質層56中に含まれる電解液が漏出したり、揮発性成分が揮発したりするのを防ぐ役目を果たしている。この電解液の注入としては、太陽電池のセルを組み上げた上で、背面などに設けた注液口から毛細管現象、圧力差などを利用してバッチ式で注入している。
しかしながら、上述した従来の色素増感型太陽電池は、熱可塑性樹脂を用いて封止することにより封止剤57を形成していた。図3に示すように、具体的には、熱をかけて樹脂を溶融させ2枚の電極(窓極58、対極59)を接着していた。その際に、熱が第一基板51を介して色素増感半導体電極53まで達するため、色素増感半導体電極53に吸着した色素に悪影響を及ぼす恐れがあった。
また、封止剤57は樹脂で形成されているので、長期使用した際に耐候性の点において問題があった。
さらには、電解液を注入する際には、まず、2枚の電極板を融着しセルの形を組んでから、予め開けておいた注入口50を通して、極めて狭い空間をなす2枚の電極間に注入し、最後に注入口50に蓋をしなければならず、製造工程が複雑になる問題があった。また、電解液の粘度が高いと、電解液を注入するために多大な時間と手間を要することから、製造コストの増大をまねいていた。
そこで、本発明者らは、電極を接着する際に加わる熱が色素増感半導体電極に吸着した色素に及ぼす影響を抑制するとともに、長期使用時における耐候性に優れ、かつ、電解液の注入を容易に行うことが可能な光電変換素子として、図4に示すような構成の光電変換素子70を開発した。光電変換素子70においては、2枚の電極(窓極(作用極)78、対極79)間は融着する形で封止するのではなく、箱体82と蓋体85からなる筐体81内に、電解質層76を作用極78と対極79で挟んでなる積層体80を収納し、箱体82と蓋体85を封止することで、セルをなす積層体80も含めて一括で封止することができる。
図4の構成によれば、2枚の電極すなわち作用極78と対極79に熱が直接的に加わることがないので、上述した色素に対する熱の影響を回避できる。また、色素増感半導体電極73に電解液を滴下して挟み込むことにより、作用極78と対極79で挟んでなる積層体80を形成することが可能なため、電解液の注入工程が省けるという利点がある。さらに、作用極78と対極79は筐体81の内側に収納されているので、外部から直接的な衝撃を受けることがないため、外力に対する強度が確保されるという長所も備えている。
しかしながら、光電変換素子70においては、封止する際に積層体80には上下方向(図4に示した矢印の方向)から第一基板71を介して圧力が加わることになるが、積層体80の側方には空隙80sや弾性部材86aが配されるため、積層体80の存在する領域に接する第一基板71の中央部にはほぼ面内均一に圧力が加わるが、空隙80sや弾性部材86aと接する位置にある第一基板71の端部には中央部とは異なる状態で圧力が加わることとなり、第一基板71が歪んだり破損する恐れがあった。この問題は、第一基板71に薄板を採用し光電変換素子70全体の薄型化を図る上で大きな障害となっていた。また、作用極78に一端が接続された導電体88は最短経路とするために弾性部材86aの中を通過するように配されていたが、弾性部材86aが変形したとき導電体88と作用極78との電気的な接続に不具合が生じる恐れがあった。
特開2002−184478号公報 N.Papageorgiou et al., J. Electrochem. Soc., 143(10), 3099, 1996
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、電極を構成する基板に歪みや破損が生じることなく封止でき、基板の薄型化も図れ、かつ、電気的な接続安定性も確保される、光電変換素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る光電変換素子は、増感色素を表面に担持させた多孔質酸化物半導体層を有する作用極、該作用極の多孔質酸化物半導体層側においてこれに対向して配置される対極、及びこれら両極の間の少なくとも一部に電解質層を配した光電変換素子であって、
前記電解質層を作用極と対極で挟んでなる積層体は筐体内に収納され、前記積層体の上下面は前記筐体の内面と直接的または間接的に接しており、前記筐体のうち少なくとも作用極と接する部分は太陽光を透過する光学特性を備えた部材からなり、
前記筐体の内部を通過し前記積層体の側面に接触しないように、前記対極と前記作用極に一端がそれぞれ接続され、前記筐体の外に他端がそれぞれ延びる導電体を個別に設け、
前記作用極に一端が接続された導電体は、前記積層体の一側面と前記筐体との間に配された弾性部材と、前記筐体との接触面に沿って延びるように配置されていることを特徴としている。
上記光電変換素子では、電解質層を作用極と対極で挟んでなる積層体が、その上下面を筐体の内面と直接的または間接的に接するように収納されている。つまり、筐体の内面が積層体の上下面を挟み込むように構成したことにより、筐体を封止することで積層体からなるセル構成部材も含め一括で封止することが可能となるので、積層体に熱が加わる影響を著しく低減できる。ゆえに、電極接着時に加わる熱の影響を受けて色素が所定の機能を阻害されるという従来の課題は解消され、色素はその性能を安定に発揮できるので、光電変換特性の安定化が図れる。また、筐体のうち少なくとも作用極と接する部分が、太陽光を透過する光学特性を備えた部材から構成されていれば、太陽光を積層体からなるセル構成部材内に取り込むことができる。
かかる構成の光電変換素子では、筐体の内部を通過し積層体の側面に接触しないように、対極と作用極に一端がそれぞれ接続され、筐体の外に他端がそれぞれ延びる導電体を個別に設けたことにより、光電変換素子は外部との電気的な接続が図れる。特に、作用極に一端が接続された導電体は、積層体の一側面と筐体との間に配された弾性部材と、前記筐体との接触面に沿って延びるように配置されているので、導電体が積層体の側面との接触して短絡するのを防止できるとともに、封止した際に弾性部材が変形しても導電体はその影響を受けることが無いので、導電体の一端と作用極との間で電気的接続の安定性が確保される。
また、この構成を採用した光電変換素子では、電解質層を作用極と対極で挟んでなる積層体を利用できるので、例えば一方の電極上に液状の電解液を滴下(充填)して、その上から他方の電極を挟み込むことで積層体を形成できる。その際、電極間に挟まれた電解液は、毛細管現象により隙間からこぼれ出ることはない。また、ゲル状の電解質を挟み込んで充填することも可能である。したがって、従来多大な時間を要した電解液の注入工程を省けるので、光電変換素子の低コスト化を一段と図ることが可能となる。
さらに、上記構成によれば、従来のように樹脂からなる封止剤を用いる必要がないため、長期使用時における耐候性が改善されることから、光電変換特性の長期安定性に優れた光電変換素子の提供が可能となる。
さらにまた、上記光電変換素子では、積層体からなるセル構成部材が筐体内に設置されており外気と触れることがない構成を採用している。すなわち、密閉された空間内にセル構成部材が納められているので、従来より対環境特性に優れた光電変換素子が得られる。
上述した光電変換素子において、筐体が積層体の側面と接するように配置することが好ましい。積層体の側方に空隙および/または弾性部材を設けないことにより、作用極はその中央部のみならず端部近傍においても必ず積層体と接した状態が保たれる。よって、封止時に、作用極は端部近傍で偏った圧力を受けることがないので、作用極を構成する基板などが歪んだり破損するという問題が解消される。
筐体が積層体の全ての側面と接するように配置する形態が最も好ましいが、作用極に一端が接続された導電体を積層体の厚さ方向へ導く箇所のみ、筐体と積層体との間に弾性部材を配置する形態としても構わない。後者の形態を採用した場合でも、前者の形態と同じ作用がほぼ同様に得られる。
このように作用極がその端部近傍で偏った圧力を受けにくい形態とすることにより、作用極を構成する(第一)基板の厚さを、0.1mm以上0.5mm以下の範囲に薄く設定することが可能となる。0.1mm未満とした場合は、基板自体の機械的強度が低下し、製造において基板をハンドリングする際や、筐体に収納し封止するため圧力を加えた際に、基板が変形したり損壊する恐れがあるので芳しくない。0.5mmを越える場合は、基板に歪みや反りが発生しやすくなり、筐体を構成する蓋体から不均一に圧力が加わることもあり、作用極と対極との電極間距離が不均一な状態となるので、発電特性の安定性を低下させる。したがって、作用極を構成する(第一)基板の厚さは、0.1mm以上0.5mm以下の範囲が好適であり、このような薄い基板の採用は、光電変換素子の薄型化をもたらすので好ましい。
以下、実施の形態に基づいて本発明を説明するが、本発明は上述した作用と効果を満たす構成であればよく、これらの実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る光電変換素子の一例を示す模式的な断面図である。
この色素増感型太陽電池(光電変換素子)10は、増感色素を表面に担持させた多孔質酸化物半導体層(酸化物電極とも呼ぶ)13を有する作用極(窓極とも呼ぶ)18と、作用極18の多孔質酸化物半導体層13側においてこれに対向して配置される対極19と、及びこれら両極の間の少なくとも一部に電解質層16とを配してなる。作用極18は、例えば第一基板11とその上に順に配される透明導電膜12および酸化物電極13からなる。一方の対極19は、例えば第二基板15とその上に配される導電膜14からなる。
電解質層16を作用極18と対極19で挟んでなる積層体20がセル構成部材、すなわち光電変換素子として機能する。色素増感型太陽電池10において、積層体20はこれを取り囲む筐体21の内側に収納されており、積層体20の上下面は筐体21の内面と接している。ここで、筐体21のうち少なくとも作用極18と接する部分、すなわち図1に示した蓋体25は、太陽光を透過する光学特性を備えた部材から構成される。
色素増感型太陽電池10では、電解質層16を作用極18と対極19で挟んでなる積層体20が、その上下面を筐体21の内面に接するように収納されており、筐体21の内面が積層体20の上下面を挟み込むような構成を備えている。したがって、筐体21を例えば蓋体25と箱体22の側部24が接する部分で封止すれば、積層体20からなるセル構成部材も含め一括で封止することが可能となる。
なお、図1において積層体20に向かう矢印は、筐体21を封止した際に積層体20に加わる力の方向を示している。積層体20に対してこのような向きに外力が加わったとき、積層体20において横ズレが発生するのを抑制したり、あるいは積層体20が上下方向に柔軟性を保ちながら強固に固定されるように積層体20を封止する目的から、対極19と筐体21を構成する底部23との間には弾性部材26を設けることが好ましい。
また、同様の理由から、作用極18と筐体を構成する蓋体25との間には隙間充填材27が挿入される。ただし、隙間充填材27は作用極18上に配置されることから明らかなように、隙間充填材27としては太陽光の透過特性に優れた材料が好適に用いられる。
弾性部材26や隙間充填材27の設置は、上下の電極がその面内方向に相対的な位置ずれを抑制するとともに、外力に対する高い形状安定や耐震性をもたらすので望ましい。
さらに、色素増感型太陽電池10では、筐体21の内部を通過し積層体20の側面に接触しないように、対極19と作用極18に一端がそれぞれ接続され、筐体21の外に他端がそれぞれ延びる導電体28,29を個別に設けてなる構成を採用している。
この構成によれば、不図示の外部回路と接続するために用いられる導電体28、29の他端を、筐体21の如何なる箇所からでも自由に筐体外に導出させることが可能なので、外部回路系に合わせた多様な設置条件に応えることができる。
作用極18に一端が接続され、筐体21の外に他端が延びる導電体28にあっては、筐体21の内部を通過し積層体20の側面に接触しないようにするため、例えば図1に示すように、積層体20の一部を構成する酸化物電極13、導電膜14および第二基板15の各側面と導電体28との間に弾性部材26aを挟む込むように設けても構わない。これにより、筐体の内部を通過し積層体の側面に接触しないように、対極と作用極に一端がそれぞれ接続され、筐体の外に他端がそれぞれ延びる導電体を個別に設けることが可能となり、光電変換素子は外部との電気的な接続が図れる。
特に、光電変換素子10では、作用極18に一端が接続された導電体28は、積層体20の一側面と筐体21との間に設けられた弾性部材26aと、作用極12の端部12aとが接触してなる面に沿って延びるように配置されている。この配置は、導電体28が積層体20の側面と接触して短絡するのを防ぐ。また、封止した際に弾性部材26aが縮んでその形状が変化した場合でも、導電体28は弾性部材26aの中を通過せずに、作用極12の端部12aと弾性部材26aとの接触面に存在するので、その影響を大きく受けることは殆ど無い。よって、導電体28の一端と作用極18との電気的接続は極めて安定に保たれるので、この電気的接続の改善は光電変換素子の出力特性の長期安定性をもたらす。
図2は、本発明に係る光電変換素子の他の一例を示す模式的な断面図である。図2に示す光電変換素子30は、筐体41が積層体40の側面40tと接するように配置した点が前述した実施形態(光電変換素子10)と異なる。このように積層体40の側方に空隙を設けない構成とすることにより、作用極38はその中央部のみならず端部近傍においても必ず積層体と接した状態が保たれる。すると、封止する際に、作用極38は端部近傍で偏った圧力を受けることがないので、作用極38を構成する第一基板31などが歪んだり破損する危険性を低く抑えることが可能となる。
筐体が積層体の全ての側面と接するように配置する形態が最も好ましいが、図2に示すように、作用極38に一端が接続された導電体48を積層体38の厚さ方向へ導く箇所のみ、筐体41の側部44と光電変換素子10との間に弾性部材46aを配置する形態としても構わない。弾性部材46aとして絶縁性を有する部材を用いることにより、積層体40と導電体48が短絡する恐れが回避できるので好ましい。導電体48が存在する近傍のみに弾性部材46aを設けて、筐体41の他の側部と積層体40との間は接するように配置すれば、上述した作用がほぼ同様に得られる。
本発明に係る光電変換素子の製造方法は、増感色素を表面に担持させた多孔質酸化物半導体層を有する作用極、該作用極の多孔質酸化物半導体層側においてこれに対向して配置される対極、及びこれら両極の間の少なくとも一部に電解質層を配した光電変換素子の製造方法であって、
前記作用極を構成する多孔質酸化物半導体層に液状またはゲル状の電解質を充填して電解質層を形成する工程と、
筐体を構成する箱体の内底面に前記対極を設け、該対極に前記電解質層が接するように前記作用極を重ねて積層体を形成し、該作用極を覆うように前記筐体を構成する蓋体を配した後、前記筐体の外側から前記作用極を介して前記積層体の積層方向に荷重を加え、該荷重が前記作用極を構成する第一基板面に略均一に加わるようにして筐体を封止する工程と、
を少なくとも具備することを特徴としている。
かかる製造方法であれば、まず、前記作用極を構成する多孔質酸化物半導体層に液状またはゲル状の電解質を充填して電解質層を形成する工程により、多孔質酸化物半導体層の表面上に電解液を均一に塗布することができる。すなわち、この工程によれば、従来のように作用極と対極との間の狭い空間に注入口を通して電解液を強制的に注入する必要がないため、作用極と対極との間において電解液が行き渡らない領域が発生したり、あるいは電解液が局在してしまう等の不具合が解消される。この作用・効果は、電解質が液状のみならず、ゲル状であっても有効に働く。
次いで、前記筐体を構成する箱体の内底面に前記対極を設け、該対極に前記電解質層が接するように前記作用極を重ねて積層体を形成し、該作用極を覆うように前記筐体を構成する蓋体を配した後、前記筐体の外側から前記作用極を介して前記積層体の積層方向に荷重を加え、該荷重が前記作用極を構成する第一基板面に略均一に加わるようにして筐体を封止する工程により、筐体を封止することで積層体からなるセル構成部材も含め一括で封止することが可能となる。筐体を封止する際に、筐体に局所的は熱を加えたとしても、積層体に熱が加わることは殆どない。ゆえに、この工程を採用すれば、従来の電極接着時に加わる熱の影響を受けて色素が所定の機能を阻害されるという問題が解消される。また、荷重が前記作用極を構成する第一基板面に略均一に加わるようにして筐体を封止するので、作用極を構成する基板などが歪んだり破損することも防止できる。
したがって、本発明に係る製造方法は、上述した特徴を備えてなる光電変換素子、すなわち、電極を接着する際に加わる熱が色素増感半導体電極に吸着した色素に及ぼす影響を抑制できるとともに、長期使用時における耐候性に優れ、かつ、電解液の注入を容易に行うことが可能な光電変換素子の安定した製造に寄与する。さらに、封止に伴う作用極で発生していた不具合も解消され、電気的な接続の安定性が向上することから、本発明の製造方法は長期信頼性に優れた光電変換素子をもたらす。
以下では、前述した光電変換素子10を例として好適な各構成部材を説明するが、光電変換素子30においても同じ構成部材を利用できることは言うまでもない。
本発明に係る第一基板11としては、光透過性の素材からなる板が用いられ、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常太陽電池の透明基板として用いられるものであればどのようなものも用いることができる。電解液への耐性などを考慮して適宜選択すればよいが、用途上、できるだけ光透過性の高い基板が好ましい。
第一基板11の色素増感半導体電極13側の面には金属、炭素、導電性金属酸化物層などからなる透明導電膜12を形成して導電性を与えておくことが好ましい。透明導電膜12として金属層や炭素層を形成する場合には透明性を著しく損ねない構造とすることが好ましく、導電性と透明性を損なわない薄膜を形成できるものという観点から金属の種類も適宜選択される。導電性金属酸化物としては、例えばITO、SnO、フッ素ドープのSnOなどを用いることができる。
第一基板11に載置された透明導電層2の上にはさらに半導体多孔質膜に増感色素を担持させてなる色素増感半導体電極13が設けられる。第一基板11、透明導電層2及び色素増感半導体電極13により作用極(窓極)18が構成される。色素増感半導体電極13の半導体多孔質膜を形成する半導体としては特に限定はされず、通常、太陽電池用の多孔質半導体を形成するに用いられるものであればどのようなものも用いることができ、例えば、TiO、SnO、WO、ZnO、Nbなどを用いることができる。多孔質膜を形成する方法としては、例えばゾルゲル法からの膜形成、微粒子の泳動電着、発泡剤による多孔質化、ポリマービーズなどとの混合物塗布後の余剰成分の除去などの方法を例示できるが、これらに限定されるものではない。
増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素なども使用することができ、用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを特に限定無く選ぶことができる。
第二基板15としては、特に光透過性をもつ必要はないことから金属板を用いることができるし、第一基板11と同様のものを用いても構わない。第二基板15の上には導電膜14を設けた電極が対極19として用いられる。導電膜14としては、例えば炭素や白金などの層を、蒸着、スパッタ、塩化白金酸塗布後に熱処理を行ったものが好適に用いられるが、電極として機能するものであれば特に限定されるものではない。
上述した作用極18と対極19との間には電解質層16が設けられ、積層体20からなるセル構成部材をなす。後述するように、本発明に係る積層体20は、作用極18を構成する多孔質酸化物半導体層13に液状またはゲル状の電解質を充填して電解質層16を形成した後、対極19に電解質層16が接するように作用極18を重ねて積層体20を形成した後、積層体20の積層方向に荷重を加える方法によって形成される。
ゆえに、本発明の電解質層16としては、従来は注入口から狭い電極間隙に注入することが困難であった粘性の高い材料でも使用できることから、適当なゲル化剤を用いて電解液をゲル化(擬固体化)したもので、かつ高粘度のものでも利用できるが、従来から用いられている如何なる材料であっても構わない。
電解質層16を作用極18と対極19で挟んでなる積層体20は筐体21内に収納されており、積層体20の上下面は筐体21の内面と接している。筐体21のうち少なくとも作用極18と接する部分、すなわち蓋体25は太陽光を透過する光学特性を備えた部材から構成され、例えばアクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ソーダガラスなど透明で剛性のある材質が挙げられる。筐体21の他の部分、すなわち底部23と側部24から構成される箱体22は、2つの電極から各々、筐体21の外部回路に延びる導電体28、29との絶縁性さえ確保されていれば、特にその材料は限定されない。
筐体21を構成する箱体22の内底面に対極19を設け、対極19に電解質層16が接するように作用極18を重ねて積層体20を形成し、この作用極18を覆うように筐体22を構成する蓋体25を配した後、筐体21の外側から積層体20の積層方向に荷重を加えて筐体21を封止することにより、色素増感型太陽電池10は得られる。
筐体21の封止方法は、例えば筐体21の側部24と蓋体25の接触部に圧力や熱を加えることにより行われる。しかし、積層体20は筐体21内には収納されているが、筐体21の封止箇所から離れて位置するように配置されているので、この封止に伴う熱が積層体20に及ぶ恐れはない。例えばレーザにより封止を行えば、熱可塑性樹脂を使わない構成にすることが可能となる。
また、電解質層16を形成する電解液を、作用極(窓極)18に滴下(電解液が液状の場合)もしくは作用極(窓極)18に配置(電解液がゲル状の場合)した後、対極19と挟み合わせることで充填することができる。よって、従来のように対極19に孔を開け、電解液を注入し、孔をふさぐという複雑な工程を省くことができるので、製造工程の簡略化や労力の削減が図れることから、低コストな光電変換素子が得られる。さらには、作用極(窓極)18を構成する第一基板11と筐体21を構成する蓋体25との間に、隙間充填材27としてシリコーンオイルを充填すると、第一基板11と蓋体25間に存在する空気層を除去することができ、透明度が上昇することから望ましい。
本発明によれば、電極を構成する基板に歪みや破損が生じることなく封止でき、基板の薄型化も図れ、かつ、電気的な接続安定性も確保される、光電変換素子及びその製造方法を提供することができる。ゆえに、本発明は、電気的接続において高い信頼性を備え、出力特性の長期安定性を備えた光電変換素子の製造に貢献する。
本発明に係る光電変換素子の一例を示す断面図である。 本発明に係る光電変換素子の他の一例を示す断面図である。 従来の光電変換素子の一例を示す断面図である。 従来の光電変換素子の他の一例を示す断面図である。
符号の説明
10、30 色素増感型太陽電池(光電変換素子)、11、31 第一基板、12、32 透明導電膜、13、33 多孔質酸化物半導体層(酸化物電極)、14、34 導電膜、15、35 第二基板、16、36 電解質層、18、38 作用極(窓極)、19、39 対極、20、40 積層体、21、41 筐体、22、42 箱体、23、43 底部、24、44 側部、25、45 蓋体(作用極と接する部分)、26、26a、46、46a 弾性部材、27、47 隙間充填材、28、29、48、49 導電体。

Claims (3)

  1. 増感色素を表面に担持させた多孔質酸化物半導体層を有する作用極、該作用極の多孔質酸化物半導体層側においてこれに対向して配置される対極、及びこれら両極の間の少なくとも一部に電解質層を配した光電変換素子であって、
    前記電解質層を作用極と対極で挟んでなる積層体は筐体内に収納され、前記積層体の上下面は前記筐体の内面と直接的または間接的に接しており、前記筐体のうち少なくとも作用極と接する部分は太陽光を透過する光学特性を備えた部材からなり、
    前記筐体の内部を通過し前記積層体の側面に接触しないように、前記対極と前記作用極に一端がそれぞれ接続され、前記筐体の外に他端がそれぞれ延びる導電体を個別に設け、
    前記作用極に一端が接続された導電体は、前記積層体の一側面と前記筐体との間に配された弾性部材と、前記筐体との接触面に沿って延びるように配置されていることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記筐体は、前記積層体の側面と接するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記作用極を構成する第一基板の厚さは、0.1mm以上0.5mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
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