JP4568018B2 - 消臭剤及び樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、アルデヒド臭(特にホルムアルデヒド臭)を消臭するのに有用な消臭剤及び樹脂組成物に関する。
アルデヒド、特にホルムアルデヒドは、樹脂(例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂など)の原料として住宅用建材、接着剤、コーティング剤や成形品などの種々の分野で使用されている。しかし、このような樹脂からは、ホルムアルデヒドが揮散し、刺激臭により生活環境や居住者の健康を損なうことが問題になっている。
アルデヒドの消臭剤としては、例えば、活性炭、メラミン類、尿素類、アミノ酸類、多価アルコール類などが知られている。また、一部のカルボン酸ヒドラジドがアルデヒド類に対する消臭性を有することも知られている。例えば、特開平10−36681号公報(特許文献1)には、合成樹脂と、ヒドラジド化合物(サリチル酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジドなどを含むモノヒドラジド化合物;ポリアクリル酸ヒドラジドなどを含むポリヒドラジド化合物など)とを含有する樹脂組成物が、アセトアルデヒドやホルムアルデヒドなどに対する消臭効果を有することが開示されている。また、前記のようなヒドラジド化合物と、弱酸金属塩との組合せ(特開2000−152979号公報(特許文献2)、WO01/62309号公報(特許文献3))、金属化合物(ハロゲン化物、硝酸塩、酸化物など)との組合せ(WO01/39808号公報(特許文献4))、アンモニウム化合物との組合せ(WO01/62309号公報(特許文献5))などを有効成分する組成物が、アルデヒド類を除去できることも知られている。
しかし、これらの従来のアルデヒド消臭剤は、アルデヒド発生の抑制性能や耐熱性が不十分で、アルデヒドを確実に捕捉、消臭できなかったり、揮発発散性や染出性(ブルーミング)が高く、捕捉能又は消臭能を長期に亘り維持できない。
また、アルデヒドを生成する樹脂のうち、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などの熱可塑性樹脂は、加熱溶融により成形(ペレット化も含む)し、さらに、生産性の点から、温度が高い状態で成形品(ペレットを含む)を梱包する場合が多い。このような場合、成形品の温度が高くなることによりアルデヒドが容易に生成する。
なお、米国特許第3,660,438号明細書(特許文献6)には、アルキル−ヒドロキシ−フェニルアルカノイルヒドラジン(N,N’−ビス−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニル−ヒドラジンなど)が、酸化分解を受ける樹脂(ポリプロピレン、耐衝撃性ポリスチレン、ポリアセタールなどを含む)の安定剤として有用であることが開示されている。米国特許第4,007,183号明細書(特許文献7)には、ポリオレフィンの安定剤として、2,4−ビス又は2,4,6−トリス(サリチル酸ヒドラジノ)−1,3,5−トリアジンが開示されている。特開昭55−6535号公報(特許文献8)には、紙の抄造に際し、パイプスラリー中に(a)酸ヒドラジド基を有する水溶性ポリマー又はこのポリマーのアルカリ土類金属の水溶性無機塩の付加物、及び(b)前記水溶性ポリマー又はその付加物とキレート形成可能な重金属イオンを共存させることにより紙質を改良することが開示されている。米国特許第2,615,862号明細書(特許文献9)には、ジカルボン酸又はその誘導体と、ジヒドラジドとを、有機溶媒中、重合温度で反応させることにより、フィラメント形成性を有するポリヒドラジドを製造することが開示されている。米国特許第2,395,642号明細書(特許文献10)には、ジカルボン酸のジヒドラジドから得られたポリマーがフィラメント、繊維、フィルムなどの製造において有用であること、及び染料に対する合成繊維の染料の受容を増大させるための試薬として有用であることも開示されている。米国特許第3,130,182号明細書(特許文献11)には、ヒドラジンから得られ、繊維又はフィルム形成性を有する高分子量芳香族縮合ポリマーが、高溶融温度を有するとともに、溶解性に優れ、通常の安定性を有することが開示されている。
特開平10−36681号公報 特開2000−152979号公報 WO01/62309号公報 WO01/39808号公報 WO01/62309号公報 米国特許第3,660,438号明細書 米国特許第4,007,183号明細書 特開昭55−6535号公報 米国特許第2,615,862号明細書 米国特許第2,395,642号明細書 米国特許第3,130,182号明細書
従って、本発明の目的は、アルデヒド臭を効率よく抑制できるとともに、耐熱性(熱変色安定性)に優れる消臭剤(又は消臭剤組成物)及び樹脂組成物、前記樹脂組成物の製造方法、並びに前記樹脂組成物で形成された成形品を提供することにある。
本発明の他の目的は、樹脂などに混合して用いても、樹脂の特性を損なうことなく、アルデヒドを確実に捕捉できる消臭剤(又は消臭剤組成物)及び樹脂組成物、前記樹脂組成物の製造方法、並びに前記樹脂組成物で形成された成形品を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ブリードアウトや揮発発散を抑制して、長期に亘り、アルデヒドを捕捉又は消臭できる消臭剤(又は消臭剤組成物)及び樹脂組成物、前記樹脂組成物の製造方法、並びに前記樹脂組成物で形成された成形品を提供することにある。
本発明の別の目的は、アルデヒドを生成する樹脂に混合して用いることにより、樹脂からのアルデヒド発生を大幅に抑制できる消臭剤(又は消臭剤組成物)を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定のヒドラジン化合物が、アルデヒド消臭性に加えて、耐熱性(熱変色安定性)、非ブルーミング性、低揮発性を有し、樹脂と組合せて用いても高いアルデヒド消臭性を維持できることを見出した。
すなわち、本発明の消臭剤は、アリール基を含む多価カルボン酸ヒドラジド、アリールアルカンカルボン酸のヒドラジド、非アクリル系ポリヒドラジド、及びアミノウラゾール化合物から選択された少なくとも一種のカルボン酸ヒドラジド化合物で構成されており、アルデヒド臭を効率よく消臭する。
前記アリール基を含む多価カルボン酸ヒドラジド及びアリールアルカンカルボン酸のヒドラジド(A1)は、アリール基上に、少なくとも1つのヒドロキシル基又はその誘導体基(アルコキシ基、アシルオキシ基など)を有している。前記アリール基を含む多価カルボン酸ヒドラジド及びアリールアルカンカルボン酸のヒドラジド(A1)は、少なくとも1つの遊離のヒドラジノ基(−NHNH2)を有していてもよい。前記アリール基を含む多価カルボン酸ヒドラジド及びアリールアルカンカルボン酸のヒドラジド(A1)は、下記式(1)
Figure 0004568018
(式中、R1は炭化水素基を示し、R2は水素原子、アルキル基又はアシル基を示し、R3はアルキレン基を示し、環Aは芳香族環を示し、X1は直接結合又は多価有機基を示す。aは0〜6の整数を示し、bは1〜4の整数を示す。cは0又は1を示し、cが0のときdは1であり、cが1のときdは0又は1を示す。eは1〜5の整数を示し、fは0又は1を示し、gは1又は2である。)
で表されるカルボン酸ヒドラジドで構成してもよい。前記式(1)において、R1はアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、又はアラルキル基であってもよく、R2は水素原子、R3は直接結合、又はC1-6アルキレン基、aは0〜4の整数、bは1〜3の整数、X1は直接結合、2〜5価の炭化水素基、又は2〜3価の複素環基であってもよい。なお、前記式(1)において、e及びgの合計は2〜5の整数であってもよい。カルボン酸ヒドラジド(A1)は、下記式(1a)
Figure 0004568018
(式中、R1、R3、A、X1、a〜d、f及びgは前記に同じ)
で表される化合物で構成してもよい。
前記非アクリル系ポリヒドラジド(A2)は、下記式(2)
Figure 0004568018
[式中、R4〜R6は同一又は異なって、二価の炭化水素基又は複素環基を示し、n、p及びqは同一又は異なって、0又は1を示し、rは0以上の整数を示す。X2及びX3は同一又は異なって、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドラジノ基(−NHNH2)、又は基−OX4(式中、X4は、水素原子、炭化水素基、アルカリ金属原子、又はアルカリ土類金属原子を示す)を示す。但し、X2及びX3のうち少なくともいずれか一方はヒドラジノ基である]
で表されるポリヒドラジドで構成してもよい。前記式(2)において、R4、R5及びR6はアルキレン基であってもよい。式(2)で表わされるポリヒドラジドの数平均分子量は300〜10,000であってもよい。
前記4−アミノウラゾール化合物(A3)は、下記式(3)
Figure 0004568018
(式中、R7、R8及びR9は同一又は異なって、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)
で表される化合物又はその塩で構成してもよい。前記アミノウラゾール化合物は、前記式(3)において、R7、R8及びR9が水素原子である4−アミノウラゾール、あるいはその金属塩又は窒素含有化合物との塩であってもよい。
前記消臭剤は、さらに塩基性窒素含有化合物、弱酸又はその金属塩、金属化合物((水和)金属化合物、金属塩化物など)、アルコール類、ポリフェノール類及び吸着性無機化合物から選択された少なくとも一種の消臭助剤を含有してもよい。このような消臭剤を消臭剤組成物と称する場合がある。消臭助剤の割合は、消臭剤100重量部に対して、0.01〜10000重量部程度であってもよい。
本発明には、少なくとも前記消臭剤と、樹脂とで構成された樹脂組成物(消臭性樹脂組成物など)も含まれる。前記樹脂は、ポリアセタール樹脂、オレフィン系樹脂、ハロゲン含有ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリウレタン系樹脂から選択された少なくとも一種であってもよい。前記樹脂組成物は、樹脂100重量部に対して、消臭剤を0.01〜30重量部程度含んでいてもよい。
本発明には、ポリアセタール樹脂と、前記ヒドラジン化合物とを含むポリアセタール樹脂組成物も含まれる。ポリアセタール樹脂組成物において、ポリアセタール樹脂のペレットと、前記ヒドラジン化合物を含むマスターバッチとが共存していてもよい。
前記樹脂組成物(消臭性樹脂組成物、ポリアセタール樹脂組成物など)は、さらに、酸化防止剤、耐熱安定剤、加工安定剤、耐候(光)安定剤、耐衝撃性改良剤、光沢性制御剤、摺動性改良剤、着色剤及び充填剤から選択された少なくとも一種を含んでもよい。
また、本発明には、ポリアセタール樹脂と前記ヒドラジン化合物とを押出機で溶融混合するポリアセタール樹脂組成物の製造方法であって、少なくともヒドラジン化合物を押出機のサイドフィード口からフィードして混合する樹脂組成物の製造方法も含まれる。また、ポリアセタール樹脂と前記ヒドラジン化合物とを押出機で溶融混合するポリアセタール樹脂組成物の製造方法であって、押出機における平均滞留時間が300秒以下(例えば、5〜300秒程度)である樹脂組成物の製造方法も本発明に含まれる。
本発明のポリアセタール樹脂成形品は、前記ポリアセタール樹脂組成物で形成されている。前記成形品は、(1)温度80℃で24時間密閉空間で保存したとき、発生ホルムアルデヒド量が成形品の表面積1cm2当り1.0μg以下(例えば、0〜1.0μg)及び/又は(2)温度60℃、飽和湿度の密閉空間で3時間保存したとき、発生ホルムアルデヒド量が成形品の表面積1cm2当り1.2μg以下(例えば、0〜1.2μg)であってもよい。前記成形品は、自動車部品、電気・電子部品(電気及び/又は電子部品)、建材・配管部品(建材及び/又は配管部品)、生活品用部品、医用部品、オフィスオートメーション機器部品、食品用部品又は写真用部品であってもよい。
本発明の消臭剤は、特定のヒドラジン化合物で構成されているので、アルデヒド臭を効率よく抑制できるとともに、耐熱性(耐変色安定性)が高い。また、消臭剤や消臭剤組成物を樹脂などに混合して用いても、樹脂の特性を損なうことなく、アルデヒドを確実に捕捉できる。さらに、ブリードアウトや揮発発散を抑制して、長期に亘り、アルデヒドを捕捉又は消臭できる。また、消臭剤や消臭剤組成物を、アルデヒドを生成する樹脂に混合して用いると、樹脂からのアルデヒド発生を大幅に抑制することもできる。
本発明の消臭剤は、ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジド及びポリアクリル酸ヒドラジドを除く、ヒドラジン化合物で構成されており、このヒドラジン化合物は、(A1)アリール基を有するカルボン酸ヒドラジド(アリール基を含む多価カルボン酸ヒドラジド、及びアリールアルカンカルボン酸のヒドラジドなど)、 (A2)非アクリル系ポリヒドラジド、及び(A3)アミノウラゾール化合物から選択された少なくとも一種のヒドラジン化合物で構成されている。前記消臭剤は、アルデヒドを効率よく捕捉して、アルデヒド臭を効率よく消臭できる。なお、前記アリール基を有するカルボン酸ヒドラジドは、前記アリール基上に、少なくとも1つのヒドロキシル基又はその誘導体基[メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシなどのアルコキシ基(直鎖又は分岐状C1-6アルコキシ基など);アシルオキシ基(アセトキシ、エチルカルボニルオキシなどの脂肪族C2-6アシルオキシ基;ベンゾイルオキシ基などの芳香族C6-10アリール−カルボニルオキシ基など)など]を有している(本明細書中、ヒドロキシル基又はその誘導体基を有するアリール基(又は部位)を、単にヒドロキシアリール基(又はヒドロキシアリール)と称する場合がある)。
(A1)ヒドロキシアリール基を有するカルボン酸ヒドラジド
ヒドロキシアリール基を有するカルボン酸ヒドラジド(A1)のうち、多価カルボン酸ヒドラジドとしては、ヒドロキシアリール基を有するカルボン酸ユニットと、ヒドラジンユニットと、多価カルボン酸ユニットとを有するカルボン酸ヒドラジドが例示できる。また、前記ヒドロキシアリールアルカンカルボン酸のヒドラジドは、ヒドロキシアリールアルカンカルボン酸ユニットとヒドラジンユニットとを有するカルボン酸ヒドラジドが例示できる。また、ヒドロキシアリール基を含む多価カルボン酸ヒドラジド及びヒドロキシアリールアルカンカルボン酸のヒドラジド(A1)は、少なくとも1つの遊離のヒドラジノ基(−NHNH2)を有するのが好ましい。
前記カルボン酸ヒドラジド(A1)としては、例えば、下記式(1)で表わされる化合物などが挙げられる。
Figure 0004568018
[式中、R1は炭化水素基を示し、R2は水素原子、アルキル基又はアシル基を示し、R3はアルキレン基を示し、環Aは芳香族環を示し、X1は直接結合又は多価有機基を示す。aは0〜6の整数を示し、bは1〜4の整数を示す。cは0又は1を示し、cが0のときdは1であり、cが1のときdは0又は1を示す。eは1〜5の整数を示し、fは0又は1を示し、gは1又は2(好ましくは1)である。]
カルボン酸ヒドラジド(A1)のうち、好ましい化合物は、ヒドロキシアリール基を有する化合物、すなわち、前記式(1)における基−OR2がヒドロキシル基(すなわち、R2が水素原子)である化合物であり、例えば、下記式(1a)で表される。
Figure 0004568018
(式中、R1、R3、A、X1、a、b、c、d、f及びgは前記に同じ)
前記式(1)及び(1a)において、環Aで表される芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環などのC6-14芳香族環などの他、ビスアリール類[ビフェニル、ビスアリールアルカン(ジフェニルメタン、2,2−ジフェニルプロパンなどのビスC6-10アリール−C1-4アルカンなど)などの炭素数12〜24程度のビスアリール類など]などが挙げられる。前記芳香族環Aとしては、特に、C6-10芳香族環が好ましい。
1は、前記芳香族環Aが、環Aを構成する炭素原子上に有する置換基である。R1の個数aは、前記芳香族環Aの員数に応じて選択でき、例えば、0〜6の整数、好ましくは0〜4の整数、さらに好ましくは0〜3の整数である。例えば、環Aがベンゼン環である場合、aは、0〜3の整数、特に0〜2の整数であってもよい。
1で表わされる炭化水素基としては、アルキル基(メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基などの直鎖又は分岐状C1-10アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基などのC5-8シクロアルキル基など)、又はアリール基(フェニル、ナフチル基などのC6-14アリール基など)などが挙げられる。
1は、立体障害の大きな(バルキーな)炭化水素基であるのが好ましく、このような炭化水素基としては、2級又は3級炭素原子を有するアルキル基(分岐状アルキル基)が挙げられる。前記アルキル基は、C5-6シクロアルキル基、C6-10アリール基などの置換基を有していてもよい。
式(1)において、基−OR2は、通常、ヒドロキシル基である(すなわち、R2=H)が、ヒドロキシル基の誘導体基[メトキシ基などのC1-4アルコキシ基(すなわち、R2はメチル基などのC1-4アルキル基);アセチル基などのC2-5脂肪族アシル基など]などであってもよい。
基−OR2の数bは、前記芳香族環Aの員数に応じて、例えば、1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数、さらに好ましくは1又は2である。
3で表されるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、1,3−ブチレン、1,4−ブチレンなどの直鎖又は分岐C1-6アルキレンなどが挙げられる。R3は、直接結合(すなわち、c=0の場合)であってもよい。好ましいR3は、直接結合又は直鎖又は分岐C1-4アルキレン基である。
dは0又は1を示すが、cが0のときdは1であり、cが1のときdは0及び1のいずれであってもよい。
なお、数a、b、cにより、R1、OR2、R3はそれぞれ異なっていてもよい。
前記式(1)において、eは、例えば、1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数、さらに好ましくは1又は2であってもよい。なお、前記式(1)において、e及びgの合計は、2〜5の整数であってもよい。
前記式(1)において、X1は、通常、ヒドラジンHN−X1−NH2(すなわち、X1は直接結合)又は(ポリ)カルボン酸X1−(COOH)h(式中、hは1〜6程度の整数を示す)の残基である。hは好ましくは1〜5の整数である。
1で表される前記有機基としては、炭化水素基(アルカン、シクロアルカン、芳香族環、モノ又はポリアルキル芳香族環などの炭化水素に対応する一価又は多価基など)及び複素環基(5〜8員複素環に対応する一価又は多価基など)などが挙げられる。X1は、一価の基であってもよいが、通常、2〜5価の多価炭化水素基、2〜3価の5又は6員複素環基などであるのが好ましい。
前記アルカンとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカンなどの直鎖又は分岐C1-34アルカンなどが挙げられ、前記シクロアルカンとしては、シクロヘキサンなどのC5-8シクロアルカンなどが挙げられる。前記芳香族環としては、ベンゼン、ナフタレンなどのC6-14芳香族環の他、ビスアリール類[ビフェニル、ビスアリールアルカン(ジフェニルメタン、2,2−ジフェニルプロパンなどのビスC6-10アリールC1-4アルカンなど)などの炭素数12〜24程度のビスアリール類など]などが挙げられる。前記モノ又はポリアルキル芳香族環としては、単一又は複数のアルキル基が置換した前記芳香族環、例えば、キシレンなどのモノ乃至テトラC1-4アルキル−C6-10芳香族環、1〜4個程度のC1-4アルキル基を有するC12-24ビスアリール類などが挙げられる。
前記複素環としては、酸素、イオウ及び窒素原子から選択された少なくとも一種を、環を構成するヘテロ原子として有する5〜8員複素環などが挙げられる。トリアジン環[1,3,5−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン環(特に1,3,5−トリアジン環)など]やトリアゾール環(1,2,4−トリアゾール環など)などの窒素含有環などが好ましい。
好ましいX1としては、直接結合、多価炭化水素基[直鎖又は分岐状C1-34アルキレン基(C1-30アルキレン基など)などの脂肪族2価基;アリーレン基などの芳香族2〜4価基(特に2又は3価基など)、アリーレンジアルキレン基(キシリレン基などのC6-10アリーレン−ジC1-4アルキレン基など)などの芳香−脂肪族2又は3価基(特に2価基)など]又は2〜3価の複素環基(トリアジン−ジイル基などの2〜3価の5〜6員窒素含有環基など)などが挙げられる。特に、好ましいX1は、直接結合又はC1-34アルキレン基(C4-26アルキレン基、特にC6-22アルキレン基など)などである。
カルボン酸ヒドラジド(A1)は、慣用のカルボン酸ヒドラジドの製造方法、例えば、(i)ヒドロキシアリール基を有するカルボン酸(例えば、下記式(1b)で表されるカルボン酸)のエステル(アルキルエステルなど)と、ヒドラジン水化物(NH2NH2)とを加熱する方法、(ii)前記ヒドロキシアリール基を有するカルボン酸のハライド(クロライドなど)と、ヒドラジンとを反応させる方法、(iii)前記ヒドロキシアリール基を有するカルボン酸塩とヒドラジンとを加熱する方法、(iv)前記ヒドロキシアリール基を有するカルボン酸に対応する酸アミドとヒドラジンとを加熱する方法、及び(v)前記ヒドロキシアリール基を有するカルボン酸のウレイドと次亜ハロゲン酸塩とを反応させる方法などにより製造できる。なお、上記の方法において、必要により、ジカルボン酸(例えば、HOOC−X1−COOH(式中、X1は前記に同じ))又はその誘導体(ハライド、アルキルエステルなど)などを併用してもよい。
Figure 0004568018
(式中、R1、R3、A、a、b及びcは前記に同じ)
例えば、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニル−ヒドラジン[別名:β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヒドラジド]は、例えば、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルクロライド又はその誘導体であるカルボン酸エステル(例えばメチルエステルなどのアルキルエステルなど)と、ヒドラジン水化物との反応により得ることができる(米国特許第3,660,438号明細書)。
前記カルボン酸ヒドラジド(A1)のうち、式(1a)において、(i)R1が直鎖又は分岐状C1-6アルキル基であり、aが0〜3の整数であり、bが1〜3の整数であり、cが0であり、dが1であり、fが1であり、gが1又は2であり、環AがC6-10芳香族環であり、X1が直鎖又は分岐状C6-22アルキレン基である化合物、(ii)R1が直鎖又は分岐状C1-6アルキル基であり、aが0〜3の整数であり、bが1〜3の整数であり、cが1であり、R3が直鎖又は分岐状C1-4アルキレン基であり、dが0であり、fが1であり、gが1であり、環AがC6-10芳香族環であり、X1が直接結合である化合物などが好ましい。
(非アクリル系ポリヒドラジド(A2))
非アクリル系ポリヒドラジド(A2)としては、ヒドラジノカルボニル基−C(=O)NHNH2を側鎖に有する非アクリル系オリゴマー又はポリマーであってもよいが、通常、下記式(2)で表されるオリゴマー又はポリマーが使用できる。
Figure 0004568018
[式中、R4〜R6は同一又は異なって、二価の炭化水素基又は複素環基を示し、n、p及びqは同一又は異なって、0又は1を示し、rは0以上の整数を示す。X2及びX3は同一又は異なって、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドラジノ基、又は基−OX4(式中、X4は、水素原子、炭化水素基、アルカリ金属原子、又はアルカリ土類金属原子を示す)を示す。但し、X2及びX3のうち少なくともいずれか一方はヒドラジノ基(−NHNH2)である]
4〜R6で表される二価の炭化水素基としては、脂肪族二価基(メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、1,3−又は1,4−ブチレン基などの直鎖又は分岐状C1-10アルキレン基など)、脂環族二価基(シクロへキシレンなどのC5-8シクロアルキレン基;ジシクロヘキシルメタンなどのジC5-8シクロアルキル−C1-4アルカンに対応する二価基;水添キシリレン基などのC5-8シクロアルキレンジC1-6アルキレン基など)、芳香族二価基(フェニレン、ナフチレン基などのC6-14アリーレン基;ビフェニレン基;ジフェニルメタン、2,2−ジフェニルプロパンなどのビスC6-14アリール−C1-6アルカンに対応する二価基;キシリレン基などのC6-14アリーレンジC1-6アルキレン基などが挙げられる。これらの二価基のうち、直鎖又は分岐状C1-6アルキレン基(特にC1-4アルキレン基)、C6-10アリーレン基、C6-10アリーレンジC1-4アルキレン基などが好ましい。
4〜R6で表される複素環基としては、前記式(1)のX1の項で例示の複素環に対応する二価基が挙げられる。
rはユニットの繰り返し数を示す。rは、例えば、0〜100、好ましくは0〜50(例えば、0〜30)、さらに好ましくは0〜10(特に、1〜5)程度であってもよい。この繰り返し数rに対応して、ポリヒドラジドの分子量(又は数平均分子量)は、例えば、189〜30,000(例えば、190〜20,000)、好ましくは200〜15,000、さらに好ましくは200〜10,000(例えば、300〜10,000)、特に250〜5,000(例えば、250〜1,000)程度であってもよい。比較的分子量の大きなポリヒドラジドは、樹脂などと組み合わせて用いても、ブリードアウトを抑制できる。
2及びX3で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子などが挙げられ、これらのうち塩素又は臭素原子が好ましい。式(2)において、基−C(=O)OX4は、カルボキシル基(X4が水素原子の場合)又はその誘導体基を示す。X4で表されるアルカリ金属原子としては、リチウム、カリウム及びナトリウム原子などが挙げられ、アルカリ土類金属原子としては、マグネシウム、カルシウム及びバリウム原子などが挙げられる。X4で表される炭化水素基としては、メチル、エチル、ブチル基などの直鎖又は分岐C1-4アルキル基;シクロヘキシル基などのC5-6シクロアルキル基;フェニル基などのC6-10アリール基;ベンジル基などのC6-10アリール−C1-4アルキル基などが挙げられる。
これらのX2及びX3のうち、X2とX3との組合せが、ヒドラジノ基とヒドラジノ基との組合せ、ヒドラジノ基とアミノ基との組合せであるのが好ましい。
前記ポリヒドラジド(A2)のうち、R4〜R6が、直鎖又は分岐C1-10アルキレン基であり、n=p=q=1であり、rが0〜5であり、X2がヒドラジノ基であり、X3がヒドラジノ基又はアミノ基である化合物が好ましい。
前記ポリヒドラジド(A2)は、慣用の方法、例えば、カルボン酸ヒドラジド又はヒドラジンと、カルボン酸又はその反応性誘導体[カルボン酸エステル、カルボン酸ハライド、カルボン酸アミド(特にカルボン酸エステルが好ましい)など]との反応により得ることができる。ポリヒドラジドの数平均分子量は、カルボン酸ヒドラジドとカルボン酸又はその反応性誘導体とのモル比などの反応条件を適宜調整することにより制御できる。カルボン酸ヒドラジドとカルボン酸又はその反応性誘導体との割合(モル比)は、0.7/1〜3/1、好ましくは0.8/1〜2.2/1程度である。
なお、高分子量のポリヒドラジドの製造方法については、例えば、特開昭55−6535号公報、米国特許第2,395,642号明細書、同第2,615,862号明細書及び同第3,130,182号明細書などを参照できる。
(アミノウラゾール化合物(A3))
前記アミノウラゾール化合物としては、4位にアミノ基を有するウラゾール環を有する限り、特に制限されず、種々の4−アミノウラゾール及びその塩が挙げられる。
このような4−アミノウラゾール化合物には、例えば、前記式(3)で表される化合物などが含まれる。
前記式(3)において、R7、R8及びR9で表される炭化水素基としては、前記R1の項で例示の炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基など)及びアラルキル基(ベンジル基などのC6-10アリール−C1-4アルキル基など)が挙げられる。
前記4−アミノウラゾール化合物のうち、特に、R7、R8及びR9がいずれも水素原子である4−アミノウラゾールが好ましい。
なお、4−アミノウラゾール化合物は、例えば、尿素と水和ヒドラジンとを高沸点の極性溶媒中で反応させる方法などにより調製できる。この反応の詳細は、例えば、特開2002−47277号公報などを参照できる。
前記4−アミノウラゾール化合物の塩には、金属塩、窒素含有化合物との塩などが含まれる。特に、4−アミノウラゾールの金属塩、4−アミノウラゾールと窒素含有化合物との塩などが好ましい。前記金属塩を形成する金属としては、例えば、アルカリ金属(K、Naなど)、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Baなど)、周期表1B族金属(Cu、Agなど)、2B族金属(Znなど)、3B族金属(Alなど)、4B族金属(Sn、Pbなど)、8族金属(Fe、Ru、Co、Ni、Pdなど)などが挙げられる。金属の価数は特に制限されず、例えば、1〜4価、好ましくは2〜4価、さらに好ましくは2又は3価であってもよい。
なお、金属塩には、4−アミノウラゾール化合物と前記金属(1〜4価の金属など)との塩の他、アニオン性金属塩、例えば、4−アミノウラゾール化合物と多価金属(2〜4価の前記金属など)とアニオン(SO4 2-、NO2 -、NO3 -、Cl-、I-、ClO4 -、OH-など)とで構成される分子化合物なども含まれる。
前記窒素含有化合物との塩を形成する窒素含有化合物としては、ヒドラジン、酸性窒素含有化合物(イソシアヌール酸などの酸性のトリアジン化合物;バルビツール酸、尿酸、アセチレン尿素、アラントインなどの酸性の環状ウレイド化合物など)などが含まれる。
4−アミノウラゾール化合物の塩は、無水物(無水塩)であってもよく、含水塩であってもよい。
[消臭剤組成物]
本発明の消臭剤は、さらに消臭助剤を含んでもよい(このような消臭剤を消臭剤組成物と称する場合がある)。消臭剤と消臭助剤とを組合せて用いることにより、アルデヒドの発生を相乗的に抑制して、アルデヒド臭を効率よく脱臭できるとともに、アルデヒドを生成する樹脂と組み合わせた場合などには、樹脂からのアルデヒドの発生を大幅に抑制できる。
消臭助剤としては、塩基性窒素含有化合物(i)、弱酸又はその金属塩(ii)、金属化合物(iii)、アルコール類(iv)、ポリフェノール類(v)、吸着性無機化合物(vi)、ポリビニルアルコール、シクロデキストリンなどが使用できる。消臭助剤は、単独で又は二種以上組合せて使用できる。なお、消臭性助剤は、アルデヒドに対して反応性を有していてもよい。前記消臭剤組成物には、消臭剤が固体担体及び/又は包接体(前記消臭助剤のうち、吸着性無機化合物、ポリビニルアルコール、シクロデキストリンなど)に担持(吸着、インターカーレート、包接など)された組成物も含まれる。
(i)塩基性窒素含有化合物
塩基性窒素含有化合物には、低分子量化合物や高分子量化合物(窒素含有樹脂)、例えば、尿素誘導体(尿素類、アミノトリアジン類、グアニジン類など)、トリアゾール類(1,2,4−トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類など)、ピラゾロン類(5−ピラゾロン類など)、ポリアミド類、ポリアミン類、有機カルボン酸ヒドラジド類(前記特定のヒドラジン化合物(特に、カルボン酸ヒドラジド)を除く、カルボン酸ヒドラジド類)、アミノ酸類、アミン類、アンモニウム化合物(有機カルボン酸アンモニウム類、無機アンモニウム化合物など)などが含まれる。これらの塩基性窒素含有化合物は単独で又は二種以上組合せて使用できる。
尿素類としては、特開2002−212433号公報に記載の尿素化合物、例えば、非環状尿素化合物[尿素、アルキル基などの置換基が置換したN−置換尿素、非環状の尿素縮合体(ビウレット、ビウレアなどの尿素の多量体;メチレン二尿素、ホルム窒素などの尿素とアルデヒド化合物との縮合体など)、環状尿素化合物[環状モノウレイド、例えば、C1-10アルキレン尿素(エチレン尿素、クロトニリデン尿素など)、アリーレン尿素(イメサチンなど)、ジカルボン酸のウレイド(パラバン酸、バルビツル酸、イソシアヌール酸、ウラミルなど)、β−アルデヒド酸のウレイド(ウラシル、チミン、ウラゾールなど)、α−オキシ酸のウレイド(ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、アラントインなどのヒダントイン類など);環状ジウレイド、例えば、尿酸、アルキル置換尿酸、アセチレン尿素(グリコールウリル)、α−オキシ酸のジウレイド(1,1,−メチレンビス(5,5−ジメチルヒダントイン)など)、p−ウラジンなどのジウレア、ジカルボン酸のジウレイド(アロキサンチン、プルプル酸など)など]などが例示できる。
前記アミノトリアジン類としては、アミノ基含有1,3,5−トリアジン類[メラミン、置換メラミン(2−メチルメラミンなどのアルキルメラミン、グアニルメラミンなど)、ビスメラミン系化合物(WO01/17171号公報又は特開昭61−271346号公報記載の化合物など)、メラミン縮合物(メラム、メレム、メロンなど)、メラミンの共縮合樹脂(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−メラミン樹脂、ベンゾグアナミン−メラミン樹脂、芳香族ポリアミン−メラミン樹脂など)などのメラミン又はその誘導体;アンメリン、アンメリドなどのシアヌール酸アミド類;グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、アジポグアナミン、CTU−グアナミン、ポリビニル−s−トリアジン、イミダゾリン環又はイミダゾリル環含有グアナミンなどのグアナミン又はその誘導体など]、アミノ基含有1,2,3−トリアジン類(1,2,3−トリアジン、ベンゾ−1,2,3−トリアジンなど)及び1,2,4−トリアジン類などが挙げられる。なお、アミノ基はトリアジン環を構成する適当な部位(窒素原子及び炭素原子、特に、炭素原子)に置換していてもよい。アミノ基の個数は、特に制限されず、例えば、1〜4個程度、好ましくは1〜3個程度、さらに好ましくは2〜3個程度である。前記アミノトリアジン類のうち、特に、アミノ基含有1,3,5−トリアジン類[メラミン、メラミン縮合物(特にメラム、メレム、メロンなど)、ベンゾグアナミン、CTU−グアナミン、イミダゾリル環含有グアナミンなど]が好ましい。
グアニジン類としては、特開2000−34417号公報に記載のグアニジン類、例えば、非環状グアニジン(グリコシアミン、グアノリン、グアニジン、シアノグアニジンなど)、環状グアニジン(グリコシアミジン、クレアチニンなどのグリコシアミジン類;オキサリルグアニジン、2,4−ジイミノパラバン酸などのオキサリルグアニジン又はその構造と類似の環状グアニジンなど);イミノ基置換ウラゾール化合物(イミノウラゾール、グアナジンなど);イソシアヌール酸イミド類(イソアンメリド、イソアンメリンなど);マロニルグアニジン、タルトロニルグアニジン;メソキサリルグアニジンなどが挙げられる。
前記ポリアミド類には、例えば、ナイロン3(ポリβ−アラニン)、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、ナイロン6−10、ナイロン6−11、ナイロン6−12、ナイロン6−66−610などの単独又は共重合ポリアミド;メチロール基やアルコキシメチル基を有する置換ポリアミドなどのポリアミド樹脂、ポリ(メタ)アクリルアミドの単独重合体又は架橋体であってもよい共重合体などが含まれる。
有機カルボン酸ヒドラジド類としては、例えば、脂肪族カルボン酸ヒドラジド[12−ヒドロキシステアリン酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジドなどのC2-24脂肪族(ポリ)カルボン酸の(ポリ)ヒドラジドなど]、芳香族カルボン酸ヒドラジド[安息香酸ヒドラジド、ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジドなどの芳香族C7-11モノカルボン酸のヒドラジド;イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ベンゼントリカルボン酸トリヒドラジド、ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジドなどのヒドロキシアリール基を有さない芳香族ポリC7-16カルボン酸の(ポリ)ヒドラジドなど]などが挙げられる。
またN,N’−ビス−β−(ヒドロキシフェニル)アルカノイルヒドラジン類[米国特許第3660438号公報記載の化合物、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製の「Irganox MD 1024」など]、有機カルボン酸サリチロイルヒドラジド類[米国特許第4007183号公報記載の化合物、旭電化工業(株)製「アデカスタブCDA−6」、アデカアーガス社製「MARK CDA−6」など]なども有機カルボン酸ヒドラジド類に含まれる。
アミノ酸類としては、脂肪族アミノ酸[グリシン、アラニン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、アミノヘプタン酸、アミノノナン酸、アミノウンデカン酸、ヒドロキシアミノ酸(セリンなど)、イオウ原子含有アミノ酸(システインなど)、酸性アミノ酸(アスパラギン酸など)、塩基性アミノ酸(リシン、アルギニンなど)などのC2-20脂肪族アミノ酸;フェニルアラニン、チロシンなどのC6-10アリル基を有するC2-20脂肪族アミノ酸など]、芳香族アミノ酸[アントラニル酸、o,m,p−アミノ安息香酸などのC7-18芳香族アミノ酸など]、複素環式アミノ酸(プロリン、ヒドロキシプロリン、ヒスチジン、トリプトファンなど)及びこれらのアミノ酸の誘導体[酸性塩(塩酸塩など)、金属塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩など)、エステル誘導体、アミド誘導体、ヒドラジド誘導体など)が挙げられる。前記アミノ酸は、アミノ基及びカルボキシル基をそれぞれ複数個有していてもよい。
アミン類としては、例えば、脂肪族アミン[ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのモノ乃至トリC1-4アルキルアミン;メタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンなどのモノ乃至トリス(ヒドロキシC1-4アルキル)アミンなど]、芳香族アミン(o,m又はp−トルイジン、o,m又はp−フェニレンジアミンなどの芳香族第2級アミン又は第3級アミン)、ポリアミン(ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン又はそれらの共重合体など)などが挙げられる。
アンモニウム化合物としては、例えば、WO01/62309号公報に記載のアンモニウム化合物が使用できる。
有機カルボン酸アンモニウム類としては、有機カルボン酸のアンモニウム塩、例えば、飽和脂肪族カルボン酸[酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸などの飽和C1-34モノカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの飽和C2-30ジカルボン酸;これらのオキシ酸(乳酸、ヒドロキシ酪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、酒石酸、クエン酸など)など]や不飽和脂肪族カルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和C3-34モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸などの不飽和C4-30ジカルボン酸;これらのオキシ酸(プロピオール酸など)など]のアンモニウム塩などが例示できる。
無機アンモニウム化合物としては、無機酸のアンモニウム塩、例えば、ハロゲン化アンモニウム(フッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウムなど)、硫酸アンモニウム[各種硫酸(ペルオクソ一硫酸、硫酸、亜硫酸等の非縮合硫酸;ペルオクソ二硫酸やピロ硫酸等の縮合硫酸など)のアンモニウム塩など]、(ポリ)リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。無機アンモニウム化合物のうち、塩化アンモニウムや硫酸アンモニウムが好ましい。
(ii)弱酸又はその金属塩
弱酸には、前記有機カルボン酸アンモニウム塩の項で例示の有機カルボン酸、硼酸(オルトホウ酸などの非縮合ホウ酸、四ホウ酸、無水ホウ酸などの縮合ホウ酸など)、及び炭酸などが含まれる。
弱酸の金属塩には、例えば、WO01/62309号公報に記載の弱酸金属塩が含まれ、例えば、アルカリ金属(K、Naなど)、アルカリ土類金属(Mg、Caなど)、遷移金属[周期表第3A族金属(Scなど)、4A族金属(Ti、Zrなど)、5A族金属(Vなど)、6A族金属(Mo、Wなど)、7A族金属(Mnなど)、8族金属(Fe、Niなど)、1B族金属(Cuなど)など]との塩などが例示できる。弱酸金属塩のうち、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩が好ましく、特に有機カルボン酸のアルカリ金属塩(酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウムなど)、有機カルボン酸のアルカリ土類金属塩(酢酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、酒石酸カルシウム、クエン酸カルシウムなど)が好ましい。
これらの弱酸又はその金属塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(iii)金属化合物
金属化合物には、金属酸化物、金属酸化物の水和物(金属水酸化物)、金属塩化物が含まれる。金属化合物は、無水物、含水物のいずれであってもよい。なお、本明細書中、金属酸酸化物及び水酸化物を合わせて(水和)金属酸化物と称する場合がある。
前記金属化合物を構成する金属としては、前記アミノウラゾール化合物の項で例示の金属、前記弱酸の金属塩の項で例示の金属、及び周期表第4B族金属(Snなど)などが挙げられる。金属化合物は、これらの金属を複数有する複合金属化合物(複合金属酸化物、複合金属塩化物など)であってもよい。前記金属のうち、特にアルカリ土類金属が好ましい。
アルカリ土類金属化合物の具体例としては、(水和)酸化物(酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなど)、塩化物(塩化カルシウムなど)などが挙げられる。
これらの金属化合物は、単独で又は二種以上組合せて使用できる。
(iv)アルコール類
前記アルコール類は、モノアルコール(ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの飽和又は不飽和C4-24脂肪族アルコール;シクロヘキシルアルコールなどの飽和又は不飽和C5-8脂環族アルコールなど)であってもよいが、通常、多価アルコールを用いるのが好ましい。前記多価アルコールとしては、ジオール類[例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオールなどのC2-12アルキレングリコール;ポリオキシC2-4アルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど);脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなど)など]の他、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、(α−、β−、γ−、δ−、ε−)シクロデキストリン、トレハロース、イノシトール、マルトース、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール又はその共重合体、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はその共重合体などの多価アルコールが例示できる。前記アルコール類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記アルコール類のうち、特に、ジエチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール;グリセリン、(ポリ)ペンタエリスリトール、ソルビトール、シクロデキストリン、トレハロース、ポリビニルアルコールなどの多価アルコールが好ましい。
(v)ポリフェノール類
ポリフェノール類としては、例えば、多価フェノール類、ビスフェノール類、カリックスアレーン、カテキン類(カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、クェルセチン、ケムフェロール、ミリセチンなど)、テアニン類、タンニン類及びリグニン類などが挙げられる。前記カテキン類は、例えば、「サンフラボンシリーズ(HG、Pなど)」などとして、太陽化学(株)から入手可能である。
前記多価フェノール類としては、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレンなどの二価フェノール類;ピロガロール、フロログルシンなどの三価フェノール類;フェノールリグニン、没食子酸などが挙げられる。
これらのポリフェノール類は、単独で又は二種以上組合せて使用できる。
(vi)吸着性無機化合物
吸着性無機化合物には、多孔質担体などとして知られている無機系化合物が含まれる。このような吸着性無機化合物としては、例えば、層状又は多孔質無機酸化物(アルミニウム及び/又はケイ素酸化物、例えば、ハイドロタルサイト、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、ベーマイト、セピオライト、リン酸金属塩(リン酸ジルコニウム、リン酸アルミニウムなど)など)、パーライト、活性炭(鉱物系活性炭など)などが含まれる。前記ゼオライトは、合成ゼオライトであってもよく、天然ゼオライト(ホージャサイトなど)であってもよい。これらの吸着性無機化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
消臭助剤の割合は、例えば、前記消臭剤100重量部に対して、その種類に応じて、広い範囲、例えば、0.01〜10000重量部程度から選択でき、例えば、0.01〜5000重量部(例えば、0.01〜3000重量部)、好ましくは0.05〜2000重量部(例えば、0.1〜1500重量部)、さらに好ましくは0.5〜1500重量部(例えば、1〜1000重量部)程度であってもよい。また、前記割合は、例えば、0.01〜100重量部、好ましくは0.01〜50重量部(例えば、0.05〜30重量部)、さらに好ましくは、0.1〜25重量部(例えば、1〜20重量部)、特に、2〜15重量部程度であってもよい。なお、消臭剤とこの消臭剤を担持可能な消臭助剤(無機吸着性化合物、シクロへデキストリン、ポリビニルアルコールなど)とを組合せて用いる場合、前記割合は、例えば、30〜10000重量部、好ましくは50〜5000重量部、さらに好ましくは100〜1000重量部程度であってもよい。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物(消臭性樹脂組成物も含む)は、樹脂と、少なくとも前記ヒドラジン化合物とで構成されており、樹脂と、前記消臭剤(又は消臭剤組成物)とで構成してもよい。前記ヒドラジン化合物を樹脂と組み合わせることにより、優れた消臭性を有する樹脂組成物を得ることができる。また、前記樹脂として、アルデヒドを生成する樹脂(ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂など)を用いると、樹脂から生成するアルデヒドを大幅に低減できる。また、本発明の樹脂組成物では、前記樹脂のペレット(ポリアセタール樹脂のペレットなど)と、前記ヒドラジン化合物(又は消臭剤、あるいは消臭剤組成物)を含むマスターバッチとが共存していてもよい。
(樹脂)
前記樹脂としては、天然樹脂又は合成樹脂のいずれも使用でき、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂のいずれであってもよい。
天然樹脂としては、例えば、ロジン、シェラック、ダンマル、デンプン及びそれらの誘導体などが例示できる。合成樹脂のうち、熱硬化性樹脂としては、例えば、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂(尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂など)、ケイ素樹脂などが例示できる。
好ましい樹脂には、熱可塑性樹脂、例えば、オレフィン系樹脂、ハロゲン含有ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエーテル樹脂[ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアルキレンオキサイド(ポリエチレンオキサイドなどのポリC2-6アルキレンオキサイドなど)など]、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン(熱可塑性ポリスルホン、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(4,4′−ビスフェノールエーテルスルホンなど)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、セルロース誘導体(セルロースエステル、セルロイドなど)、エラストマー(ポリウレタンエラストマーなど)やゴム(天然ゴム、塩酸ゴムなど)やこれらのポリマーの構成成分を構成単位として含む共重合体などが含まれる。これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、本発明の消臭剤及び消臭剤組成物は、アルデヒドの捕捉効果に優れるため、熱、光、酸素、酸やアルカリ、水などの作用によりアルデヒドを生成する樹脂などと組み合わせても、効率よくアルデヒドの発生を抑制できる。また、アルデヒドが発生しても効率よく脱臭できる。アルデヒドを生成する樹脂としては、ポリアセタール系樹脂(ポリアセタールホモポリマー又はコポリマーなど)、ポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなど)、フェノール樹脂(例えば、ノボラック型又はレゾール型フェノール樹脂など)、フラン樹脂、前記アミノ樹脂(アミノアルデヒド系樹脂)などが挙げられる。
樹脂は、成形性(例えば、フィルム成形能、射出成形性などの熱成形性)を有する樹脂が好ましく、直鎖状のみならず分岐鎖構造、架橋構造を有していてもよく、また、重合度、分岐度、共重合の状態(例えば、ランダム、ブロック、グラフトなど)および共重合組成割合などは特に制限されない。
熱可塑性樹脂のうち、オレフィン系樹脂には、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチルペンテンなどのα−オレフィンの単独又は共重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など);前記α−オレフィンと共重合性単量体(塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル化合物、酢酸ビニル、アクリル系単量体など)との共重合体又はその誘導体(エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体など);ハロゲン含有オレフィン樹脂(塩素化ポリエチレンなど)などが含まれる。
ハロゲン含有ビニル系樹脂には、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニル単量体の単独又は共重合体(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体など);ハロゲン含有ビニル単量体と共重合性単量体[酢酸ビニル、スチレン系単量体、アクリル系単量体、無水マレイン酸などのビニル系単量体;ブタジエン、イソプレンなどのジエン系単量体]との共重合体(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)などが含まれる。
スチレン系樹脂には、例えば、芳香族ビニル単量体(スチレン、α−メチルスチレンなど)の単独又は共重合体(例えば、ポリスチレンなど);芳香族ビニル単量体と共重合性単量体[(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステルなどのアクリル系単量体、無水マレイン酸など]との共重合体[例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体などのアクリル系単量体−スチレン共重合体など];ゴム変性スチレン系共重合体[スチレンとエラストマー(ブタジエンゴム、アクリルゴムなど)又はマレイン酸との共重合体、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)など]などが含まれる。
アクリル系樹脂には、例えば、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸エチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1-10アルキルエステル)などが含まれる。
ポリエステル系樹脂には、例えば、ポリC2-6アルキレンテレフタレート(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)ポリC2-6アルキレンナフタレート(例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなど)などのホモポリエステル;C2-6アルキレンテレフタレート又はC2-6アルキレンナフタレレートを主たる繰り返し単位とするコポリエステル;ポリアリレート及びポリエステルエラストマーなどが含まれる。
アミド系樹脂には、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド612などのポリアミド、ポリアミドエラストマーなどが含まれる。ポリウレタン系樹脂には、例えば、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマーなどが含まれる。
前記ポリアセタール樹脂には、オキシメチレン基(−OCH2−)を主たる構成単位とする高分子化合物、例えば、ポリアセタールホモポリマー又はポリオキシメチレン(例えば、米国デュポン社製,商品名「デルリン」、旭化成工業(株)製、商品名「テナック4010」など)、オキシメチレン単位とコモノマー単位とを含有するポリアセタールコポリマー(例えば、ポリプラスチックス(株)製,商品名「ジュラコン」など)が含まれる。コポリマーにおいて、コモノマー単位には、炭素数2〜6程度(好ましくは炭素数2〜4程度)のオキシアルキレン単位(例えば、オキシエチレン基(−OCH2CH2−)、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基など)が含まれる。コモノマー単位の含有量は、少量、例えば、ポリアセタール樹脂全体に対して、0.01〜20モル%、好ましくは0.03〜15モル%(例えば、0.05〜10モル%)、さらに好ましくは0.1〜10モル%程度の範囲から選択できる。
ポリアセタールコポリマーは、二成分で構成されたコポリマー、三成分で構成されたターポリマーなどであってもよい。ポリアセタールコポリマーは、ランダムコポリマーの他、ブロックコポリマー(例えば、特公平2−24307号公報,旭化成工業(株)製,商品名「テナックLA」「テナックLM」など)、グラフトコポリマーなどであってもよい。また、ポリアセタール樹脂は、線状のみならず分岐構造であってもよく、架橋構造を有していてもよい。さらに、ポリアセタール樹脂の末端は、例えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸又はそれらの無水物とのエステル化、イソシアネート化合物とのウレタン化、エーテル化などにより安定化してもよい。ポリアセタールの重合度、分岐度や架橋度も特に制限はなく、溶融成形可能であればよい。ポリアセタール樹脂の分子量は特に制限されず、例えば、重量平均分子量5,000〜500,000、好ましくは10,000〜400,000程度である。
前記ポリアセタール樹脂は、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類や、トリオキサン、テトラオキサンなどの成分を単独重合又は共重合するか、前記成分と、他の環状エーテル(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキサンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサンなど)及び/又は環状ホルマール(ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールなど)とを共重合することにより製造できる。さらには、共重合成分として、アルキル又はアリールグリシジルエーテル(例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエーテルなど)、アルキレン又はポリオキシアルキレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルなど)、アルキル又はアリールグリシジルアルコール、環状エステル(例えば、β−プロピオラクトンなど)及び/又はビニル化合物(例えば、スチレン、ビニルエーテルなど)を使用することもできる。
前記樹脂のうち、ポリアセタール系樹脂、オレフィン系樹脂、ハロゲン含有ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びポリウレタン系樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましい。
上記樹脂は、固体の形態で使用してもよく、溶液(有機溶媒溶液、水溶液など)、分散体(水性エマルジョンなど)の形態で使用してもよい。
本発明の消臭剤(ヒドラジン化合物)及び消臭剤組成物は、少量であってもアルデヒド(ホルムアルデヒドなど)を有効に捕捉して消臭できるとともに、樹脂との親和性も高い。そのため、樹脂組成物の特性を損なうことがなく、樹脂からのブリードアウトも防止でき、アルデヒド捕捉能又は消臭能を長時間に亘り維持できる。
消臭剤(又はヒドラジン化合物)の割合は、アルデヒド(ホルムアルデヒドなど)に対する捕捉能が発現する有効量であればよく、例えば、樹脂100重量部に対して、0.001〜30重量部(例えば、0.001〜25重量部)、好ましくは0.002〜15重量部、さらに好ましくは0.005〜10重量部程度であり、0.01〜5重量部(例えば、0.01〜3重量部)程度であってもよく、アルデヒド臭を効果的に抑制することができる。
樹脂組成物が、消臭助剤を含む場合、消臭助剤の割合は、アルデヒド(ホルムアルデヒドなど)に対する捕捉能が発現する有効量であればよく、例えば、樹脂100重量部に対して、0.0001〜10重量部(例えば、0.001〜10重量部)、好ましくは0.005〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜5重量部程度であり、0.01〜3重量部(例えば、0.01〜1重量部)程度であってもよい。
上記樹脂組成物は、さらに、発泡剤、安定剤[酸化防止剤(ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類など)、紫外線吸収剤、耐熱安定剤(アミノトリアジン化合物、グアニジン化合物、尿素化合物、アミノアルコール化合物、イミド化合物などの塩基性窒素化合物;アルカリ又はアルカリ土類金属無機酸塩;ゼオライト;ホスフィン化合物など)、加工安定剤(長鎖脂肪酸(C10-26飽和脂肪族モノ又はジカルボン酸、C10-20不飽和脂肪族モノ又はジカルボン酸など)又はその誘導体(モノアミン又はジアミンなどのアミン類との酸アミド、脂肪族モノ又はポリオールとのエステルなど)、ポリオキシアルキレングリコール(ポリオキシC2-6アルキレングリコール(例えば、数平均分子量3×102〜1×106のポリオキシC2-4アルキレングリコールなど)、シリコーン化合物(ジC1-6アルキルシロキサン、C1-4アルキルC6-10アリールシロキサン、ジC6-10アリールシロキサンなどのモノオルガノシロキサン;モノオルガノシロキサンの単独重合体又は共重合体など)など)、耐候(光)安定剤(ベンゾフェノン系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シアノアクリレート系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、ヒドロキシフェニル−1,3,5−トリアジン系化合物など)など]、耐衝撃性改良剤[アクリル系コアシェルポリマー、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂など]、光沢性制御剤[耐衝撃性改良剤の項で例示の樹脂の他、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレートなどのC1-10アルキル(メタ)アクリレートの単独又は共重合体、AS樹脂、AES樹脂など)、スチレン系樹脂(スチレンの単独又は共重合体など)など]、摺動性改良剤[オレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂など]、可塑剤、強化剤、充填剤[繊維状充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、ウィスカーなどの無機繊維;アミド繊維などの有機繊維など)、板状充填剤(ガラスフレーク、マイカ、各種金属箔など)、粉粒状充填剤(ミルドファイバー、ガラスビーズなどのガラス類;酸化亜鉛、アルミナなどの金属酸化物;硫酸カルシウムなどの硫酸塩;炭酸カルシウムなどの炭酸塩;タルクなどのケイ酸塩;二硫化モリブデンなどの硫化物;フッ化黒鉛、炭化ケイ素などの炭化物など)など]、帯電防止剤、界面活性剤、難燃剤、滑剤、着色剤[染料(ソルベント系染料などの有機染料など)、無機又は有機顔料など]、防カビ剤、抗菌剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記酸化防止剤のうち、ヒンダードフェノール類としては、例えば、C2-10アルキレングリコール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];ジ又はトリオキシC2-4アルキレングリコール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのジ又はトリオキシC2-4アルキレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];C3-8アルカントリオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのC4-8アルカンテトラオールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。また、ヒンダードアミン類としては、例えば、トリ又はテトラC1-3アルキルピペリジン又はその誘導体、ビス(トリ、テトラ又はペンタC1-3アルキルピペリジン)C2-20アルカンジカルボン酸エステル[例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギサレートなど]、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタン、フェニルナフチルアミン、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−シクロヘキシル−1,4−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記添加剤のうち、通常、酸化防止剤、耐熱安定剤、加工安定剤、耐候(光)安定剤、耐衝撃性改良剤、光沢性制御剤、摺動性改良剤、着色剤及び充填剤から選択された少なくとも一種などが使用できる。また、それぞれの添加剤も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。上記のような添加剤を用いると、個々の添加剤の機能を樹脂又は樹脂組成物に付与することができるだけでなく、前記特定のヒドラジン化合物との併用により、ヒドラジン化合物のホルムアルデヒド発生の抑制効果を損なうことなく、むしろ相乗的に抑制効果を向上できる。なお、樹脂(ポリアセタール樹脂など)に酸化防止剤及び/又は耐熱安定剤を配合すると、長期安定性や耐熱性を付与でき、加工安定剤を配合すると、成形性(離型性、モールドデポジット低減等)を付与できる。
樹脂組成物が、上記添加剤を含む場合、各添加剤の割合は、以下の範囲から選択できる。酸化防止剤の割合は、樹脂100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜3重量部(例えば、0.01〜2重量部)程度であってもよい。前記耐熱安定剤の割合は、樹脂100重量部に対して、例えば、0.001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部(特に0.01〜2重量部)程度であってもよい。前記加工安定剤の割合は、樹脂100重量部に対して、例えば、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.03〜3重量部程度であってもよい。耐候(光)安定剤の割合は、樹脂100重量部に対して、例えば、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜4重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部程度であってもよい。耐衝撃性改良剤の割合は、樹脂100重量部に対して、例えば、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜25重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度であってもよい。光沢性制御剤の割合は、樹脂100重量部に対して、例えば、0.01〜30重量部、好ましくは0.02〜10重量部、さらに好ましくは0.05〜5重量部程度であってもよい。摺動性改良剤の割合は、樹脂100重量部に対して、例えば、0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは3〜20重量部程度であってもよい。着色剤の含有量は、例えば、樹脂100重量部に対して、例えば、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜4重量部、さらに好ましくは0.2〜2重量部程度であってもよい。充填剤の割合は、樹脂100重量部に対して、例えば、1〜100重量部、好ましくは3〜80重量部、さらに好ましくは5〜50重量部程度であってもよい。
本発明の樹脂組成物は、粉粒状混合物や溶融混合物であってもよく、樹脂(ポリアセタール樹脂など)と、前記消臭剤(又はヒドラジン化合物)と、必要により消臭助剤や他の添加剤[安定剤(酸化防止剤、加工安定剤、耐熱安定剤、耐候(光)安定剤)、耐衝撃改良剤、光沢性制御剤、摺動性改良剤、着色剤及び/又は充填剤など]とを慣用の方法で混合することにより調製できる。
例えば、(1)全成分を主フィード口からフィードして、押出機(一軸又は二軸押出機など)により混練して押出してペレットを調製した後、成形する方法、(2)前記特定のヒドラジン化合物を含まない成分(ポリアセタール樹脂などの樹脂、消臭助剤、前記他の添加剤など)を主フィード口から、そして少なくとも前記特定のヒドラジン化合物(又は消臭剤)を含む成分(他成分として、ポリアセタール樹脂などの樹脂、消臭助剤、前記他の添加剤など)をサイドフィード口からフィードして、押出機により混練押出してペレットを調製した後、成形する方法、(3)前記特定のヒドラジン化合物(又は消臭剤)の一部を含む成分(他成分として、ポリアセタール樹脂などの樹脂、消臭助剤、他の添加剤など)を主フィード口から、そして残りの前記特定のヒドラジン化合物(又は消臭剤)を含む成分(他成分として、ポリアセタール樹脂などの樹脂、消臭助剤、他の添加剤など)をサイドフィード口からフィードして、押出機により混練押出してペレットを調製した後、成形する方法、(4)一旦組成の異なるペレット(マスターバッチ)を調製し、そのペレットを所定量混合(希釈)して成形に供し、所定の組成の成形品を得る方法、(5)樹脂(ポリアセタール樹脂など)のペレットに前記特定のヒドラジン化合物(又は消臭剤)を散布、コーティング(表面コートなど)などにより共存又は付着させた後、成形し、所定の組成の成形品を得る方法などが採用できる。
これらの方法のうち、上記(1)、(2)、(3)および(5)の方法が好ましく、特に、一カ所以上の脱揮ベント口を有する一軸又は二軸押出機で、溶融混合するのが好ましい。また、複素環化合物は、脱揮ベント口の前及び後の何れのフィード口からもサイドフィード可能である。さらに、押出調製過程において、水及び/又はアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコールなど)などの加工助剤をプリブレンドするか、又は脱揮ベント口より前のフィード口より注入し、脱揮ベント口より水及び/又はアルコール類を含む揮発成分を脱揮除去することにより成形品から発生するホルムアルデヒド量をさらに低減することもできる。前記加工助剤としての水及び/又はアルコール類の割合は、特に制限されず、樹脂(ポリアセタール樹脂など)100重量部に対して、通常、0〜20重量部の範囲から選択でき、好ましくは0.01〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部程度であってもよい。
また、前記ヒドラジン化合物は、ホルムアルデヒドの反応捕捉速度が速い一方、ホルムアルデヒドの反応捕捉量も限定されている。そのため、特にポリアセタール樹脂とヒドラジン化合物とを押出機で溶融混合する場合には、押出機のサイドフィード口から少なくとも前記ヒドラジン化合物の一部又は全部をサイドフィードする押出調製法、及び/又は押出機内での溶融混練時間(平均滞留時間)を短時間、例えば、300秒以下(例えば、5〜300秒程度)、好ましくは250秒以下(例えば、10〜250秒程度)、さらに好ましくは200秒以下(例えば、10〜200秒程度)、特に10〜150秒程度にする押出調製法を採用するのが好ましい。
なお、成形品に用いられる組成物の調製において、基体である樹脂(ポリアセタール樹脂など)の粉粒体(例えば、樹脂の一部又は全部を粉砕した粉粒体)と他の成分[前記特定のヒドラジン化合物(又は消臭剤あるいは消臭剤組成物)、消臭助剤、他の添加剤(安定剤、耐衝撃改良剤、摺動性改良剤、着色剤及び/又は充填剤など)など]とを混合して溶融混練すると、添加物の分散を向上させるのに有利である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、特に成形加工(特に溶融成形加工)工程において、ポリアセタール樹脂の酸化又は熱分解などによるホルムアルデヒドの生成を顕著に抑制でき、作業環境を改善できる。また、金型への分解物や添加物などの付着(モールドデポジット)、成形品からの分解物や添加物の染み出しを顕著に抑制でき、成形加工に伴う諸問題を改善できる。
本発明の樹脂組成物(消臭性樹脂組成物など)は、アルデヒド臭を効率よく消臭できるため、消臭性樹脂成形品などとして使用するのに有用である。すなわち、本発明は、前記ヒドラジン化合物(又は消臭剤、あるいは消臭剤組成物)と前記樹脂とで構成された樹脂組成物(又は消臭性樹脂組成物)で形成された成形体も含む。
本発明の消臭剤(又は消臭剤組成物)や、樹脂組成物(消臭性樹脂組成物など)又は樹脂組成物(消臭性樹脂組成物など)で形成された成形体は、(1)アルデヒド生成源に対して近接(接触、被覆又は包装など)させるか、又は(2)アルデヒド生成源に含有させて用いることにより、アルデヒド臭を効率よく消臭(アルデヒドを捕捉)できる。
なお、アルデヒド生成源の種類は特に制限されず、例えば、アルデヒド類を生成する建材、家具、アルデヒド臭を生成する成分(たばこの喫煙源、アルデヒドを生成する樹脂など)などが含まれる。
消臭剤、消臭剤組成物及び樹脂組成物の形態は、用途や使用形態に応じて、例えば、溶液、分散液、粉粒体などであってもよい。なお、溶液や分散液状の樹脂組成物は、塗料、印刷インキ、コーティング剤、接着剤、糊剤などであってもよい。
上記アルデヒド生成源に近接させる方法(1)では、(i)消臭剤(消臭剤組成物又は消臭性樹脂組成物)を単独でアルデヒド生成源に近接させてもよく、(ii)消臭剤を基材(成形品を含む)などに適用して消臭性成形品を形成し、この成形品をアルデヒド生成源に近接させてもよい。
前記使用形態(i)では、例えば、前記消臭剤を含有する溶液(又は分散液)を、アルデヒド生成源の少なくとも一部の表面に被覆又は塗布してもよく、前記溶液にアルデヒド発生源を含浸又は浸漬させてもよい。また、前記消臭剤を含む消臭性の層をラミネート法などによりアルデヒド生成源に積層してもよい。消臭性樹脂組成物で形成された成形品をアルデヒド生成源に近接させてもよい。前記消臭性樹脂組成物で形成される成形品の形態は、特に制限されず、例えば、粉粒体(ペレットなど)、繊維、フィルム(又はシート)、袋や容器(梱包材)などであってもよい。成形品のうち、粉粒体は、例えば、樹脂組成物の構成成分を押出機により混練して押出し、ペレット化又は溶融混合物を破砕することにより調製でき、繊維は、樹脂組成物のドープや溶融混合物をノズルから吐出させて必要により延伸することにより得ることができる。
前記使用形態(ii)では、前記消臭剤を含有する溶液などを基材表面に被覆又は塗布したり、前記溶液に基材を含浸させたり、前記消臭性の層を基材にラミネートさせることにより基材に消臭性を付与することができ、得られた消臭性基材を必要により成形してアルデヒド生成源に近接させることができる。前記基材としては、例えば、紙や紙製品(壁紙など)、繊維や繊維製品(不織布、不織布製フィルタなど)、合成樹脂成形品(フィルムやシートなど)、木材及びその製品(化粧板、合板、パーティクルボードなどの建材など)、金属(金属板、金属箔など)、セラミックスなどが例示できる。基材は、多孔質であってもよい。
上記方法(1)において、アルデヒド生成源自体を前記消臭剤でコーティングしたり、前記消臭剤を包装又は梱包材(包装紙、包装袋、容器など)に適用して、アルデヒド生成源を包装又は梱包すると、効率よくアルデヒド臭を消臭できる。例えば、前記梱包材で、温度が高い状態の熱可塑性樹脂(ポリアセタール樹脂ペレットなど)を梱包しても、アルデヒドを効率よく捕捉して、梱包により形成された空間内にアルデヒドが充満するのを防止できる。また、ペレットなどの消臭性樹脂組成物の成形品(消臭性粉粒体)を、アルデヒドを生成する樹脂(樹脂成形体や樹脂ペレットなど)と近接させても、生成源のごく近くに消臭剤を共存させることができるため、アルデヒド臭を効率よく消臭でき、アルデヒドの拡散を有効に防止できる。特に、アルデヒドを生成する樹脂ペレットとして、前記消臭性粉粒体と同系列の樹脂ペレットを用いると、消臭性粉粒体を分別又は除去することなくそのまま成形に供することもできる。
前記消臭剤をアルデヒド生成源に含有させる方法(2)は、アルデヒド生成源が主にアルデヒドを生成する樹脂である場合に有効であり、樹脂や樹脂成形品からのアルデヒド生成を抑制することができる。この方法(2)では、消臭剤(消臭剤組成物又は消臭性樹脂組成物)とアルデヒドを生成する樹脂とを混合して樹脂組成物とし、さらに成形品などに成形してもよい。必要により、得られた樹脂組成物や成形品をアルデヒド生成源に近接(塗布又は被覆、共存など)させてもよい。
方法(2)では、消臭剤(消臭剤組成物、又は消臭性樹脂組成物)を、アルデヒドを生成する樹脂と混合することにより、アルデヒドの生成自体が大幅に抑制された樹脂組成物を得ることができる。さらに、この樹脂組成物を用いると、用途に応じて、アルデヒドの発生が抑制された種々の成形品を製造できる。
また、ポリアセタール樹脂組成物で形成された成形品(成形体)は、押出及び/又は成形加工安定性に優れるとともに、ホルムアルデヒド発生量が極めて少ない。すなわち、酸化防止剤などの安定剤を含む従来のポリアセタール樹脂で構成された成形品は、比較的多量のホルムアルデヒドを生成し、腐食や変色などの他、生活環境や作業環境を汚染する。例えば、一般に市販されているポリアセタール樹脂成形品からのホルムアルデヒド発生量は、乾式(恒温乾燥雰囲気下)において、表面積1cm2当たり2〜5μg程度及び/又は湿式(恒温湿潤雰囲気下)において、表面積1cm2当たり3〜6μg程度である。
これに対して、本発明のポリアセタール樹脂成形体では、特定のヒドラジン化合物を含むため、ホルムアルデヒド発生量を効果的に低減できる。具体的には、乾式において、ホルムアルデヒド発生量が成形品の表面積1cm2当たり1.5μg以下(0〜1.5μg程度)、好ましくは1.0μg以下(0〜1.0μg程度)、さらに好ましくは0〜0.6μg程度であり、通常、0.001〜1.0μg、さらには0〜0.1μg程度も達成可能である。また、湿式において、ホルムアルデヒド発生量が成形品の表面積1cm2当たり2.5μg以下(0〜2.5μg程度)、好ましくは0〜2μg(例えば、0〜1.2μg)、さらに好ましくは0〜0.4μg程度であってもよい。本発明では、湿式における前記ホルムアルデヒド発生量を、0〜0.2μg程度にすることも可能であり、前記発生量は、通常、1.2μg以下(0〜1.2μg程度)、特に0.001〜1.2μg程度であってもよい。
本発明の成形体は、乾式及び湿式のいずれか一方において、前記ホルムアルデヒド発生量を有していればよいが、特に、乾式及び湿式の双方において、前記ホルムアルデヒド発生量を有している場合が多い。本発明の成形体は、より過酷な環境に対応できる材料として使用することもできる。
なお、乾式でのホルムアルデヒド発生量は、次のようにして測定できる。
ポリアセタール樹脂成形品を、必要により切断して表面積を測定した後、その成形品の適当量(例えば、表面積10〜50cm2となる程度)を密閉容器(容量20mL)に入れ、温度80℃で24時間放置する。その後、この密閉容器中に水を5mL注入し、この水溶液のホルマリン量をJIS K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、成形品の表面積当たりのホルムアルデヒド発生量(μg/cm2)を求める。
また、湿式でのホルムアルデヒド発生量は、次のようにして測定できる。
ポリアセタール樹脂成形品を、必要により切断して表面積を測定した後、その成形品の適当量(例えば、表面積10〜100cm2となる程度)を、蒸留水50mLを含む密閉容器(容量1L)の蓋に吊下げて密閉し、恒温槽内に温度60℃で3時間放置する。その後、室温で1時間放置し、密閉容器中の水溶液のホルマリン量をJIS K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、成形品の表面積当たりのホルムアルデヒド発生量(μg/cm2)を求める。
本発明において、前記ホルムアルデヒド発生量の数値規定は、ポリアセタール樹脂と前記特定のヒドラジン化合物とを含む限り、慣用の添加剤(通常の安定剤、離型剤など)を含有するポリアセタール樹脂組成物の成形品についてだけでなく、無機充填剤、他のポリマーなどを含有する組成物の成形品においても、その成形品の表面の大部分(例えば、50〜100%)がポリアセタール樹脂で構成された成形品(例えば、多色成形品や被覆成形品など)についても適用可能である。
本発明の消臭剤(消臭剤組成物)及び消臭性組成物は、アルデヒド生成源に近接させて用いる用途、例えば、包装材又は梱包材(紙、袋、容器など)、建材(壁紙、合板など)、フィルター(不織布フィルターなど)、樹脂ペレットなどの粉粒状成形品などの用途において有用である。
また、本発明の樹脂組成物(特にポリアセタール樹脂組成物)は、慣用の成形方法(例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形、ガスインジェクションモールディングなどの方法)で、種々の成形品を成形するのに有用である。
また、本発明のポリアセタール樹脂成形体(成形品)は、ホルムアルデヒドが弊害となるいずれの用途(例えば、自転車部品としてのノブ、レバーなど)にも使用可能であるが、自動車部品(インナーハンドル、フェーエルトランクオープナー、各種スイッチ、レバーなどの内装部品;メーターやコネクターなどの電気系統部品;オーディオ機器やカーナビゲーション機器などの車載電気・電子部品、ウインドウレギュレーターのキャリアープレートに代表される金属と接触する部品、ドアロックアクチェーター部品、ミラー部品、ワイパーモーターシステム部品、燃料系統の部品などの機構部品など)や電気・電子部品[能動部品や受動部品、例えば、金属接点が多数存在する機器の部品又は部材(例えば、オーディオ機器、ビデオカメラなどのビデオ機器、又はコピー機、ファクシミリ、コンピューターなどのOA(オフィスオートメーション)機器、更にはモーターなどの駆動力で作動する玩具、電話機、コンピューターなどに付属するキーボード、具体的には、シャーシ(基盤)、ギヤー、レバー、カム、プーリー、軸受けなど)、建材・配管部品(照明器具、建具、配管、コック、蛇口、トイレ周辺機器部品など)、日用品(生活)・化粧品用部品及び医用(医療・治療)部品(ファスナー類、文具、リップクリーム・口紅容器、洗浄器、浄水器、スプレーノズル、スプレー容器、エアゾール容器、一般的な容器、注射針のホルダーなど)、食品用部品[例えば、食器類(容器、トレー、スプーンなど)、食品・調理道具類(エアーローラー、メッシュローラー、包丁など)、コック類(飲料水コックなど)、パッケージ類、調理機器部品(アイスクリームメーカー部品など)、フリーザー部品、洗浄器部品(野菜洗浄器、食器洗浄器、洗ビン器など)、乾燥器部品(食器乾燥器など)、浄水器部品、ポット部品、魔法瓶部品、ジャー部品、ミキサー部品など]、写真用部品(カメラ部品、写真フィルム部品など)などとして好適に使用される。また、光及び磁気メディア部品(例えば、金属薄膜型磁気テープカセット、磁気ディスクカートリッジ、光磁気ディスクカートリッジなど)、例えば、音楽用メタルテープカセット、デジタルオーディオテープカセット、8mmビデオテープカセット、フロッピー(登録商標)ディスクカートリッジ、ミニディスクカートリッジなどにも適用可能である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、成形性(金型付着物の量)、乾式及び湿式での成形品からのホルムアルデヒドの発生量、並びに染み出し性について、以下のようにして評価した。
[成形性(金型付着物の量)]
ポリアセタール樹脂組成物で形成されたペレットから特定の形状の成形品(径20mm×厚み1mm)を30t射出成形機を用いて連続成形(100ショット)し、金型付着物の程度を5段階に評価した。なお、数値が小さい程、金型付着物が少ない、すなわち、モールドデポジットが少ないことを意味する。
[乾式での成形品からのホルムアルデヒド発生量]
試験片(2mm×2mm×50mm)10個(総表面積約40cm2)の樹脂サンプルを密閉容器(容量20mL)に入れ、温度80℃で24時間、恒温構内で加熱した後、室温に空冷し、蒸留水5mLをシリンジにて注入した。この水溶液のホルムアルデヒド量を、JISK0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、表面積当たりのホルムアルデヒドガス発生量(μg/cm2)を算出した。
[湿式での成形品からのホルムアルデヒド発生量及び染み出し性]
蒸留水50mLを含むポリエチレン製瓶(容量1L)の蓋に、平板状試験片(100mm×40mm×2mm;総表面積85.6cm2)を2枚吊下げて密閉し、恒温槽内に温度60℃で3時間放置した後、室温で1時間静置した。ポリエチレン製瓶中の水溶液のホルマリン量をJISK0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、表面積当たりのホルムアルデヒド発生量(μg/cm2)を算出した。
さらに、試験後の平板状試験片(成形品)の表面を観察し、染み出しの程度を以下の基準で評価した。
○:全く染み出しが見られない
△:僅かな染み出しが見られる
×:著しい染み出しが見られる。
参考例1〜10及び比較例1〜2
ポリアセタール樹脂コポリマー100重量部に、ヒドラジン化合物を表1に示す割合でプリブレンドした後、1ヶ所のベント口を有する30mm径の二軸押出機の主フィード口に投入して溶融混合(押出条件;L/D=35、押出温度=200℃、スクリュー回転数=100rpm、ベント真空度=20mmHg(2.66kPa)、吐出量=15kg/hr、平均滞留時間=100秒)し、ペレット状の組成物を調製した。
得られたペレット状組成物を用いて、射出成形機により、所定の試験片を成形し、成形性(モールドデポジット)、試験片からのホルムアルデヒド発生量及び染み出し性の評価を行った。
比較のため、ヒドラジン化合物を配合することなくポリアセタール樹脂コポリマーを単独で用いる以外は、上記と同様の操作を行い、特性を評価した(比較例1及び2)。なお、比較例では、ペレット状組成物の調製及び試験片の成形のいずれの工程においても、樹脂が分解して、発泡が生じ、均一な成形品が得られなかった。
結果を表1に示す。
Figure 0004568018
表、及び比較例で樹脂の発泡が生じたことから明らかなように、特定のヒドラジン化合物を用いる参考例では、比較例に比べてホルムアルデヒドの発生量を極めて少量に低減でき、作業環境及び使用環境を大きく改善できた。このように、特定のヒドラジン化合物はホルムアルデヒド発生に対して極めて顕著な抑制効果を有している。
また、参考例では、添加剤などを添加していない比較例と同程度にモールドデポジットが少なく、染み出しについては、全く染み出しが見られない(参考例1)か、染み出しが生じても極わずかであり(参考例2〜10)、成形品の品質を向上できた。
なお、ヒドラジン化合物の割合を0.01重量部、1重量部、又は5重量部とする以外は、参考例1と同様に操作を行ったところ、同様の結果が得られた。また、さらに酢酸ナトリウム0.1重量部をヒドラジン化合物と併せて用いる以外、参考例1と同様に操作を行ったところ、同様の結果が得られた。
参考例11〜13、実施例1〜21及び比較例3〜14
ポリアセタール樹脂コポリマー100重量部に、表2及び3に示す特定のヒドラジン化合物、酸化防止剤、加工安定剤及び耐熱安定剤を表2及び3に示す割合でプリブレンドした後、1ヶ所のベント口を有する30mm径の二軸押出機の主フィード口に投入して溶融混合(押出条件;L/D=35、押出温度=200℃、スクリュー回転数=100rpm、ベント真空度=20mmHg(2.66kPa)、吐出量=15kg/hr、平均滞留時間=100秒)し、ペレット状の組成物を調製した。得られたペレット状組成物を用いて、射出成形機により、所定の試験片を成形し、成形性(モールドデポジット)、試験片からのホルムアルデヒド発生量及び染み出し性の評価を行った。結果を表2及び3に示す。
また、比較のため、前記特定のヒドラジン化合物を添加しない例(比較例3〜10)、特定のヒドラジン化合物に代えて他のヒドラジン化合物を用いた例(比較例11〜14)について、上記実施例と同様に操作を行い特性を評価した。結果を表3に示す。
実施例22及び23
実施例20及び21と同じ組成物を調製するにあたり、ポリアセタール樹脂コポリマー95重量部に、酸化防止剤、加工安定剤、及び耐熱安定剤をプリブレンドした後、1ヶ所のベント口を有する30mm径の二軸押出機の主フィード口に投入するとともに、ポリアセタール樹脂コポリマーの粉粒体5重量部と特定のヒドラジン化合物との混合物をベント口の後ろに設定したサイドフィード口から投入して溶融混合(押出条件;L/D=35、押出温度=200℃、スクリュー回転数=100rpm、ベント真空度=20mmHg(2.66kPa)、吐出量=15kg/hr、平均滞留時間=100秒)し、ペレット状の組成物を調製した。
得られたペレット状組成物を用いて、射出成形により、所定の試験片を成形し、成形性(モールドデポジット)試験片からのホルムアルデヒド発生量及び染み出し性の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0004568018
Figure 0004568018
表より明らかなように、いずれの実施例及び参考例においても、比較例(比較例3〜13)に比べて、ホルムアルデヒドの発生量を極めて少量に低減でき、作業環境及び使用環境を大きく改善できた。アジピン酸ヒドラジドと、酸化防止剤、加工安定剤及び耐熱安定剤とを併用した比較例14では、ホルムアルデヒドの発生量は低いものの、モールドデポジット及び染み出しが著しかった。
それに対して、実施例及び参考例では、成形加工性(モールドデポジット)が改善されているとともに、染み出し性も改善でき、成形品の品質を向上できた。特に、実施例及び参考例では、特定のヒドラジ化合物と酸化防止剤、加工安定剤及び/又は耐熱安定剤との併用により、ホルムアルデヒド発生の抑制効果が相乗的に向上した。
なお、酸化防止剤の割合を1重量部とする以外は参考例11と同様に操作を行ったところ、参考例11と同様の結果が得られた。加工安定剤の割合を0.01重量部、1重量部又は3重量部とする以外は、参考例12と同様に操作を行ったところ、参考例12と同様の結果が得られた。耐熱安定剤の割合を1又は2重量部とする以外は参考例13と同様に操作を行ったところ、参考例13と同様の結果が得られた。
実施例2429及び比較例15〜20
表4に示す組成を有するペレット状の組成物を調製し、参考例1と同様の方法により試験片を成形して特性を評価した。
なお、実施例2428及び比較例15〜19では、全ての構成成分をプリブレンドして主フィード口に供給し、参考例11〜13及び実施例1〜21と同様にしてペレット状組成物を調製した。また、実施例29及び比較例20では、ガラス繊維(h−3)以外の成分をプリブレンドして主フィード口に供給すると共に、ガラス繊維(h−3)を脱揮ベント口前のサイドフィード口からフィードする以外は、実施例22及び23と同様にしてペレット状組成物を調製した。結果を表4に示す。
Figure 0004568018
表より明らかなように、比較例に比べて、実施例では、ホルムアルデヒドの発生量を極めて少量に低減でき、作業環境及び使用環境を大きく改善できた。さらに、実施例では、モールドデポジットが抑制され、成形加工性が改善されているとともに、染み出しも抑制されており、成形品の品質を向上できた。また、実施例では、酸化防止剤、加工安定剤、耐熱安定剤、着色剤、耐候(光)安定剤、その他の添加物を配合しても、ホルムアルデヒド発生の抑制効果は損なわれることはなかった。
なお、着色剤配合による着色性、耐候(光)安定剤配合による耐候(光)安定性、その他の添加物配合による特性(耐衝撃性、機械的強度等)は実施例と比較例とで異なることはなかった。このことからも明らかなように、特定のヒドラジン化合物を配合しても、前記特性(着色性、耐候(光)安定性、耐衝撃性等の特性など)には悪影響を及ぼすものではなかった。
なお、耐候(光)安定剤(g−1)0.4重量部及び(g−2)0.2重量部に代えて、(g−1)0.1重量部又は(g−1)2重量部及び(g−2)1重量部を用いる以外は、実施例25と同様に操作を行ったところ、実施例25と同様の結果が得られた。着色剤の割合を0.1重量部又は3重量部とする以外は実施例24と同様に操作を行ったところ、実施例24と同様の結果が得られた。耐衝撃性改良剤(h−1)5.0重量部に代えて、(h−1)0.5重量部又は(h−2)20重量部を用いる以外は、実施例27と同様に操作を行ったところ、実施例27と同様の結果が得られた。ガラス繊維(h−3)の割合を5重量部又は60重量部とする以外は、実施例29と同様に操作を行ったところ、実施例29と同様の結果が得られた。
実施例30
実施例で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを、1ヶ所のベント口を有する30mm径の二軸押出機の主フィード口に投入してさらに溶融混合(押出条件;L/D=35、押出温度=200℃、スクリュー回転数=100rpm、ベント真空度=20mmHg(2.66kPa)、吐出量=15kg/hr、平均滞留時間100秒)し、押出機内における総滞留時間200秒の条件で調製したペレット状の組成物を得た。
得られたペレット状組成物を用い、実施例と同様に試験片を成形して特性の評価を行った。試験片からのホルムアルデヒド発生量は、乾式:0.08μg/cm及び湿式:0.19μg/cmであり、染み出しがなく(染み出し性○)、成形性(モールドデポジット)も高かった(成形性評価の基準の1)。
実施例31
比較例6で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレット(ヒドラジン化合物を含まないペレット)100重量部と、ヒドラジン化合物(b−1)0.1重量部とをポリエチレン製の袋に入れてブレンドした。得られたブレンド物(樹脂組成物)を用いる以外は、比較例6と同様に試験片を成形して特性を評価した。試験片からのホルムアルデヒド発生量は、乾式:0.03μg/cm及び湿式:0.08μg/cmであり、染み出し性は○であった。また、成形性(モールドデポジット)の評価を行ったところ、成形性評価の基準の1であった。
実施例32
ヒドラジン化合物(b−1)に代えて、ヒドラジン化合物(b−8)0.1重量部を用いる以外は実施例31と同様に操作を行い、特性を評価した。試験片からのホルムアルデヒド発生量は、乾式:0.02μg/cm及び湿式:0.07μg/cmであり、染み出し性は○であった。また、成形性(モールドデポジット)の評価を行ったところ、成形性評価の基準の1であった。
実施例3334及び比較例21
ヒドラジン化合物(b−1)2g(実施例33)又はヒドラジン化合物(b−8)2g(実施例34)を開口したシャーレに入れ、上口及び横口を備えたガラス製デシケータ(6L)の中板上に保持した。次いで、デシケータ中に20ppmのホルムアルデヒドガスを満たし密閉した。この状態でデシケータを30℃で3時間静置させた後、デシケータ内のホルムアルデヒド残留濃度をガス検知管で測定した。その結果、実施例33及び34共に、ホルムアルデヒド残留濃度は0.05ppm以下であった。
比較のため、ヒドラジン化合物を用いることなく上記と同様の操作を行ない、ホルムアルデヒド残留濃度を測定したところ、ホルムアルデヒド残留濃度は19ppmであった(比較例21)。
このように、特定のヒドラジン化合物は、ホルムアルデヒドとの共存下において、ホルムアルデヒドを消臭及び除去する効果を有することが明らかとなった。
実施例35及び比較例22
消臭剤としてのヒドラジン化合物(b−8)1g及び消臭助剤としての酢酸ナトリウム0.1gの混合物に水に加えてヒドラジン化合物の濃度が約10重量%の水溶液を調製した。ポリエステル製不織布(10cm×10cm)を前記水溶液に含浸させ、乾燥した。
得られた消臭剤含浸不織布を、上口及び横口を備えたガラス製デシケータ(6L)の中板上に保持し、デシケータ中に20ppmのホルムアルデヒドガスを満たし密閉した。この状態でデシケータを30℃で3時間静置させた後、デシケータ内のホルムアルデヒド残留濃度をガス検知管で測定した。ホルムアルデヒド残留濃度は0.05ppm以下であり、ヒドラジン化合物及び消臭助剤としての酢酸ナトリウムは、不織布に保持させた状態でもホルムアルデヒド消臭及び除去効果を有することが明らかとなった。
なお、酢酸ナトリウムの割合を、ヒドラジン化合物1gに対して、0.01g、0.5g、又は1gとする以外は上記と同様の操作を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
また、酢酸ナトリウム0.1gに代えて、ステアリン酸マグネシウム、ベンゾグアナミン、酸化マグネシウム、グリセリン、又はレゾルシンを0.1g用いる以外は上記と同様の操作を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。酢酸ナトリウム0.1gに代えてシクロデキストリン1gを用いる以外は上記と同様の操作を行ったところ、同様の結果が得られた。
比較のため、前記水溶液に未含浸のポリエステル製不織布を用いて上記と同様の操作を行ない、ホルムアルデヒド残留濃度を測定したところ、ホルムアルデヒド残留濃度は18ppmであった。
なお、実施例及び比較例で使用したポリアセタール樹脂コポリマー、ヒドラジン化合物、酸化防止剤、加工安定剤、耐熱安定剤、着色剤、耐候(光)安定剤、その他の添加物は以下の通りである。
1.ポリアセタール共重合体 a
(a−1):ポリアセタール樹脂コポリマー(メルトインデックス=9g/10分)
(a−2):ポリアセタール樹脂コポリマー(メルトインデックス=27g/10分)
尚、上記メルトインデックスは、ASTM−D1238に準じ、190℃、2169gの条件下で求めた値(g/10分)である。
2.ヒドラジン化合物 b
[特定のヒドラジン化合物]
(b−1):β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヒドラジン
(b−2):β−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヒドラジン
(b−3):β−メチル−β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヒドラジン
(b−4):N−モノサリチロイルドデカン二酸ジヒドラジド
(b−5):N−モノ[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]セバシン酸ジヒドラジド
(b−6):N−モノ[β−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ドデカン二酸ジヒドラジド
(b−7):オリゴアジピン酸ジヒドラジド
2モルのアジピン酸ジヒドラジドと1モルのアジピン酸ジクロリドとから調製したH2NHNOC−(CH24−CO(−NHNHOC−(CH24−CO)r−NHNH−(CH24−CONHNH2(式中、rは1である)
(b−8):4−アミノウラゾール。
[他のヒドラジン化合物]
(b−9):N,N’−ビス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン[チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、Irganox MD1024]
(b−10):N,N’−ビス(サリチロイル)ドデカン二酸ジヒドラジド[旭電化工業(株)製、アデカスタブCDA−6]
(b−11):アジピン酸ジヒドラジド。
3.酸化防止剤 c
(c−1):トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(c−2):ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]。
4.加工安定剤 d
(d−1):エチレンビスステアリルアミド
(d−2):グリセリンモノステアレート
(d−3):モンタン酸エステル[東洋ペトロライト(株)製、LUZA WAX−EP]
(d−4):ポリエチレンオキシド[分子量:35000]。
5.耐熱安定剤(有機カルボン酸金属塩、アルカリ土類金属塩、塩基性窒素化合物)e
(e−1):クエン酸カルシウム
(e−2):12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム
(e−3):ステアリン酸マグネシム
(e−4):ステアリン酸カルシウム
(e−5):酸化マグネシウム
(e−6):ビウレア
(e−7):ナイロン6−66−610
(e−8):ナイロン66(平均粒径:3μm)。
6.着色剤 f
(f−1):カーボンブラック(アセチレンブラック)
7.耐候(光)安定剤 g
(g−1):2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール
(g−2):ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート
(g−3):ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート。
8.その他の添加物 h
(h−1):アクリル系コアシェルポリマー[武田薬品工業(株)製、スタフィロイドPO]
(h−2):熱可塑性ポリウレタン[日本ミラクトラン(株)製、ミラクトランE]
(h−3):ガラス繊維[直径9μm、長さ3mmのチョップドストランド]

Claims (12)

  1. ポリアセタール樹脂と、ヒドラジン化合物と、酸化防止剤と、耐熱安定剤と、加工安定剤とを含むポリアセタール樹脂組成物であって、
    前記ヒドラジン化合物が、アリール基を含む多価カルボン酸ヒドラジド、アリールアルカンカルボン酸のヒドラジド、非アクリル系ポリヒドラジド、及びアミノウラゾール化合物から選択された少なくとも一種であり、
    (A1)前記アリール基を含む多価カルボン酸ヒドラジド及び前記アリールアルカンカルボン酸のヒドラジドが、下記式(1a)
    Figure 0004568018
    (式中、R は炭化水素基を示し、R はアルキレン基を示し、環Aは芳香族環を示し、X は直接結合又は多価有機基を示す。aは0〜6の整数を示し、bは1〜4の整数を示す。cは0又は1を示し、cが0のときdは1であり、cが1のときdは0又は1を示す。fは0又は1を示し、gは1又は2である)
    で表されるカルボン酸ヒドラジドで構成され、
    (A2)前記非アクリル系ポリヒドラジドが、下記式(2)
    Figure 0004568018
    [式中、R 〜R は同一又は異なって、二価の炭化水素基又は複素環基を示し、n、p及びqは同一又は異なって、0又は1を示し、rは0以上の整数を示す。X 及びX は同一又は異なって、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドラジノ基、又は基−OX (式中、X は、水素原子、炭化水素基、アルカリ金属原子、又はアルカリ土類金属原子を示す)を示す。但し、X 及びX のうち少なくともいずれか一方はヒドラジノ基である]
    で表されるポリヒドラジドで構成され、
    (A3)前記4−アミノウラゾール化合物が、下記式(3)
    Figure 0004568018
    (式中、R 、R 及びR は同一又は異なって、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)
    で表される化合物又はその塩で構成され、
    前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール類及びヒンダードアミン類から選択された少なくとも一種であり、
    前記耐熱安定剤が、アミノトリアジン化合物、グアニジン化合物、尿素化合物、アミノアルコール化合物、イミド化合物、アルカリ又はアルカリ土類金属無機酸塩、ゼオライト及びホスフィン化合物から選択された少なくとも一種であり、
    前記加工安定剤が、C 10−26 飽和脂肪族モノ又はジカルボン酸、C 10−20 不飽和脂肪族モノ又はジカルボン酸、これらのカルボン酸とモノアミン又はジアミンなどのアミン類との酸アミド、並びに前記カルボン酸と脂肪族モノ又はポリオールとのエステルから選択された少なくとも一種であり、
    前記ポリアセタール樹脂100重量部に対して、前記酸化防止剤の割合が0.001〜5重量部であり、前記耐熱安定剤の割合が0.001〜10重量部であり、前記加工安定剤の割合が0.001〜10重量部であるポリアセタール樹脂組成物
  2. 式(1a)において、Rがアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリール基、又はアラルキル基であり、R が直接結合、あるいはC1−6アルキレン基であり、aが0〜4の整数であり、bが1〜3の整数であり、Xが直接結合、2〜5価の炭化水素基、又は2〜3価の複素環基である請求項記載の樹脂組成物
  3. 式(2)において、R、R及びRがアルキレン基であり、式(2)で表わされるポリヒドラジドの数平均分子量が300〜10,000である請求項記載の樹脂組成物
  4. 式(3)において、R、R及びRが水素原子である4−アミノウラゾール、あるいはその金属塩又は窒素含有化合物との塩である請求項記載の樹脂組成物
  5. ポリアセタール樹脂100重量部に対して、ヒドラジン化合物を0.01〜30重量部含む請求項記載の樹脂組成物。
  6. さらに、塩基性窒素含有化合物、弱酸又はその金属塩、金属化合物、アルコール類、ポリフェノール類及び吸着性無機化合物から選択された少なくとも一種の消臭助剤を含む請求項1記載の樹脂組成物。
  7. ヒドラジン化合物100重量部に対して、消臭助剤を0.01〜10000重量部含む請求項記載の樹脂組成物
  8. さらに、耐候(光)安定剤、耐衝撃性改良剤、光沢性制御剤、摺動性改良剤、着色剤及び充填剤から選択された少なくとも一種を含む請求項記載の樹脂組成物。
  9. ポリアセタール樹脂のペレットと、ヒドラジン化合物を含むマスターバッチとが共存している請求項記載の樹脂組成物。
  10. 請求項記載の樹脂組成物で形成されたポリアセタール樹脂成形品。
  11. (1)温度80℃で24時間密閉空間で保存したとき、発生ホルムアルデヒド量が成形品の表面積1cm当り1.0μg以下及び/又は(2)温度60℃、飽和湿度の密閉空間で3時間保存したとき、発生ホルムアルデヒド量が成形品の表面積1cm当り1.2μg以下である請求項10記載の成形品。
  12. 自動車部品、電気・電子部品、建材・配管部品、生活品用部品、医用部品、オフィスオートメーション機器部品、食品用部品又は写真用部品である請求項10記載の成形品。
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