JP4563957B2 - 結晶配向セラミックスの製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、非鉛系の中でも相対的に高い圧電特性を示す等方性ペロブスカイト型ニオブ酸カリウムナトリウムや、その固溶体からなる圧電セラミックスがある(特許文献1〜6参照)。
しかし、これらの無鉛圧電セラミックスは、PZT系の圧電セラミックスに比べてまだ充分な圧電特性を発揮できないという問題があった。
一般に、等方性ペロブスカイト型化合物の圧電特性などは、結晶軸の方向によって異なることが知られている。そのために、圧電特性などの高い結晶軸を一定の方向に配向させることができれば、圧電特性の異方性を最大限に活用することができ、圧電セラミックスの高性能化が期待できる。
等方性ペロブスカイト型化合物からなる各結晶粒の特定の結晶面が配向した結晶配向セラミックスは、図5〜図8に示すごとく、例えば次のようにして作製することができる。
即ち、まず、図5に示すごとく、所定の組成を有する異方形状の板状粉末91を反応性テンプレートとして準備する。また、焼成時にこの板状粉末91と反応して等方性ペロブスカイト型化合物を生成する原料粉末92を準備する。次いで、この板状粉末91及び原料粉末92に、溶媒、バインダー、可塑剤、及び分散材等を加えて混合し、スラリー94を作製する。このスラリー94においては、溶媒、バインダー、可塑剤、及び分散材等からなる分散媒93中に板状粉末91及び原料粉末92が分散されている。
次に、図6に示すごとく、スラリー94を例えばシート状に成形して成形体95を作製する。このとき、同図に示すごとく、成形時に加わるせん断応力により、異方形状の板状粉末91を成形体95内で一定の方向に整列させることができる。
次いで、成形体95を加熱して焼結させる。このとき、図7に示すごとく、焼結中の成形体96内では、上記板状粉末91が反応性テンプレートとなって周囲の上記原料粉末92と反応して上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成しながら板状粉末91が成長する。さらに、焼結を進行させると、図8に示すごとく、板状粉末91が原料粉末92と反応しながらさらに成長し、特定の結晶面が配向した結晶粒子(配向粒子)97からなる結晶配向セラミックス9を得ることができる。
即ち、一般に、セラミックスの焼結においては、原料に用いられる粉末粒子の粒径が小さいほど比表面積が大きくなり、焼結しやすくなる。また、原料粉末の粒径の均一性が高いほど、焼結性が向上し、緻密化し易い傾向がある。図9に示すごとく、粒径の異なる板状粉末91と原料粉末92とを焼結させると、両者の間で焼結速度が異なるため、組織の不均質化が起こる。すなわち、上記結晶配向セラミクスの製造方法においては、上記板状粉末91を反応性テンプレートとし、これを上記原料粉末92と反応させることによって、上記板状粉末91を成長させているため、成長した板状粉末91の周囲には空隙(ボイド)99が形成されやすい。周囲にボイド99が形成されてしまうと、その板状粉末91は、原料粉末92と反応することができなくなる。その結果、多数の原料粉末92が反応できずに焼結後に残存してしまう(図8参照)。そのため、結晶配向セラミックスを充分に緻密化させることができず、配向度を充分に高めることができなくなるという問題があった。
ペロブスカイト型化合物よりなり、上記特定の結晶面Aと格子整合性を有する結晶面が配向して配向面を形成している異方形状の第1配向粒子からなる第1異方形状粉末と、該第1異方形状粉末の1/3以下の粒径を有し、上記第1異方形状粉末と共に焼結させることにより上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成する微細粉末とを準備する準備工程と、
該微細粉末と上記第1異方形状粉末とを混合して原料混合物を作製する混合工程と、
上記第1異方形状粉末の上記配向面が略同一の方向に配向するように、上記原料混合物を成形して成形体を作製する成形工程と、
上記成形体を加熱し、上記第1異方形状粉末と上記微細粉末とを焼結させて、上記等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなる上記結晶配向セラミックスを作製する焼成工程とを有しており、
上記微細粉末としては、上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物のAサイトのK源となる物質を含有し、かつ融点が上記焼成工程における焼成温度よりも高い第1微細粉末と、上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物のAサイトのK源となる物質を含有し、かつ融点が上記焼成工程における焼成温度よりも低い第2微細粉末とを用い、
上記混合工程においては、上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物におけるAサイト元素のKのうちの1at%〜15at%が上記第2微細粉末から供給されるように、上記第1異方形状粉末と上記第1微細粉末と上記第2微細粉末との混合を行うことを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法にある(請求項1)。
上記準備工程においては、異方形状の上記第1配向粒子からなる上記第1異方形状粉末と、上記微細粉末とを準備する。上記第1配向粒子は、ペロブスカイト型化合物よりなり、上記特定の結晶面Aと格子整合性を有する結晶面が配向して配向面を形成している。上記微細粉末は、上記第1異方形状粉末の1/3以下の粒径を有し、上記第1異方形状粉末と共に焼結させることにより上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成する。また、本発明においては、上記微細粉末として、融点が上記焼成工程における焼成温度よりも高い第1微細粉末と、融点が上記焼成工程における焼成温度よりも低い第2微細粉末とを用いる。上記第1微細粉末及び上記第2微細粉末は、いずれもが上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物のAサイトのK源となる物質を含有する。
そして、上記成形工程においては、上記第1異方形状粉末の上記配向面が略同一の方向に配向するように、上記原料混合物を成形する。即ち、例えば異方形状の第1配向粒子からなる上記第1異方形状粉末に対して一方向から力が作用するように、上記原料混合物を成形することにより、上記第1異方形状粉末に作用する剪断応力等によって上記第1異方形状粉末を上記成形体中で配向させることができる。上記第1異方形状粉末を構成する上記第1配向粒子は、その特定の結晶面(配向面)が配向しているため、異方形状の上記第1異方形状粉末を一定の方向に配向させることにより、上記第1配向粒子の上記配向面を略同一方向に配向させることができる。
また、上記第1配向粒子の上記配向面は、製造しようとする上記多結晶体を構成する上記結晶粒の上記特定の結晶面Aとの間に格子整合性を有している。そのため、上記焼成工程においては、上記第1異方形状粉末がテンプレート又は反応性テンプレートとして機能し、上記第1配向粒子の上記配向面が、焼結後に生成する上記等方性ペロブスカイト型化合物の上記特定の結晶面Aとして承継される。それ故、上記のごとく、特定の結晶面Aが一方向に配向した状態で、等方性ペロブスカイト型化合物を生成することができる。また、上記焼成工程においては、上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成すると共に、焼結させて上記多結晶体を製造することができる。このようにして、上記結晶配向セラミックスを得ることができる。
そのため、上記焼成工程において、上記第2微細粉末は、焼結時に液相を形成することができる。それ故、微細粉末と第1異方形状粉末との焼結性の差によって、上記焼成工程において上記第1異方形状粉末の周囲にボイドが形成されたとしても、融点の低い上記第2微細粉末(液相形成物質)が液化し、その毛管凝縮力によってボイドを小さくすることができる。そのため、焼結時に、上記第1異方形状粉末と上記微細粉末との間に空隙が生じてそれぞれの材料が孤立してしまうことを抑制し、上記第1異方形状粉末と上記微細粉末とを充分に焼結反応させることができ、最終的に得られる上記結晶配向セラミックス中に上記微細粉末が残存することを抑制することができる。その結果、緻密性に優れ、非常に配向度の高い結晶配向セラミックスを得ることができる。
そのため、上記結晶配向セラミックスの緻密性及び配向度を向上させることができると共に、目的組成の上記等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする上記結晶配向セラミックスを容易に得ることができる。1at%未満の場合には、焼結時に発生する液相の量が少なすぎて、上記結晶配向セラミックスの緻密性及び配向度を充分に向上させることができなくなるおそれがある。一方、15at%を超える場合には、上記焼成工程において、焼結中に液相が多量に発生し、液相化した上記第2微細粉末の揮発量が多くなるおそれがある。その結果、原料配合時の目的組成に対する焼成後に得られる結晶配向セラミックス組成のずれが大きくなり、所望の組成の結晶配向セラミックスを得ることが困難になるおそれがある。より好ましくは3at%〜15at%がよく、さらに好ましくは3at%〜10at%、さらにより好ましくは5at%〜10at%がよい。
本発明においては、上記準備工程と、上記混合工程と、上記成形工程と、上記焼成工程とを行うことにより、上記結晶配向セラミックスを製造する。
上記結晶配向セラミックスは、上記一般式(1):ABO3で表される等方性ペロブスカイト化合物を主相とする多結晶体からなる。
ここで、「等方性」とは、擬立方基本格子でペロブスカイト型構造ABO3を表現したとき、軸長a、b、cの相対比が0.8〜1.2であり、軸角α、β、γが80〜100°の範囲にあることを示す。
上記一般式(1)において、Aサイト及び/又はBサイトには、上述の主成分元素以外にも後述の添加元素を副成分として含有させることもできる。
この場合には、圧電特性や誘電特性等が優れた上記結晶配向セラミックスを製造することができる。
上記一般式(3)において、「x+z+w>0」は、置換元素として、Li、Ta及びSbの内の少なくとも1つが含まれていればよいことを示す。
そのため、上記結晶配向セラミックスは、優れた圧電d31定数及び電気機械結合係数Kpを示すことができる。より好ましくは0.35≦y≦0.65がよく、さらに好ましくは0.42≦y≦0.60がよい。
上記一般式(3)におけるxの範囲は、0<x≦0.2であることが好ましい。
この場合には、上記一般式(3)で表される化合物において、Liが必須成分となるので、上記結晶配向セラミックスは、その作製時の焼成を一層容易に行うことができると共に、圧電特性がより向上し、キュリー温度(Tc)を一層高くすることができる。これは、Liを上記のxの範囲内において必須成分とすることにより、焼成温度が低下すると共に、Liが焼成助剤としての役割を果たし、空孔の少ない焼成を可能にするからである。
xの値が0.2を越えると、圧電特性(圧電d31定数、電気機械結合係数kp、圧電g31定数等)が低下するおそれがある。
この場合には、上記一般式(3)は、(K1-yNay)(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される。そしてこの場合には、上記結晶配向セラミックスを作製する際に、その原料中に例えばLiCO3のように、最も軽量なLiを含有してなる化合物を含まないので、原料を混合し上記結晶配向セラミックスを作製するときに原料粉の偏析による特性のばらつきを小さくすることができる。また、この場合には、高い比誘電率と比較的大きな圧電g定数を実現できる。上記一般式(3)において、xの値は、0≦x≦0.15がより好ましく、0≦x≦0.10がさらに好ましい。
上記一般式(3)におけるzの範囲は、0<z≦0.4であることが好ましい。
この場合には、上記一般式(3)で表される化合物において、Taが必須成分となる。そのため、この場合には、焼結温度が低下すると共に、Taが焼結助剤の役割を果たし、上記結晶配向セラミックス中の空孔を少なくすることができる。
この場合には、上記一般式(3)は、{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-wSbw)O3で表される。そして、この場合には、上記一般式(3)で表される化合物はTaを含まない。そのためこの場合には、上記一般式(3)で表される化合物は、その作製時に高価なTa成分を使用することない。よって上記結晶配向セラミックスの製造コストを低減させることができる。
上記一般式(3)において、zの値は、0≦z≦0.35がより好ましく、0≦z≦0.30がさらに好ましい。
また、上記一般式(3)におけるwの値は、0<w≦0.2であることが好ましい。
この場合には、上記一般式(3)で表される化合物において、Sbが必須成分となる。そのため、この場合には、焼結温度が低下し、焼結性を向上させることができると共に、誘電損失tanδの安定性を向上させることができる。
「特定の結晶面Aが配向する」とは、例えば上記一般式(1)で表される化合物等の等方性ペロブスカイト型化合物の特定の結晶面Aが互いに平行になるように、各結晶粒が配列していること(以下、このような状態を「面配向」という。)、又は、特定の結晶面Aが多結晶体を貫通する1つの軸に対して平行になるように、各結晶粒が配列していること(以下、このような状態を「軸配向」という。)の双方を意味する。
また、特定の結晶面Aが面配向している場合において、面配向の程度は、次の数1の式で表されるロットゲーリング(Lotgering)法による平均配向度F(HKL)で表すことができる。
また、配向させる特定の結晶面は、分極軸に垂直な面が好ましい。また、上記ペロブスカイト型化合物の結晶系が正方晶の場合において、配向させる特定の結晶面Aは擬立方{100}面が好ましい。
まず、上記準備工程は、第1異方形状粉末と微細粉末とを準備する工程である。
上記第1異方形状粉末は、ペロブスカイト型化合物よりなる第1配向粒子からなる。また、第1配向粒子は、異方形状を有し、作製しようとする上記多結晶体を構成する上記結晶粒の特定の結晶面Aと格子整合性を有する結晶面が配向して配向面を形成している。
格子整合性を説明するにあたり、例えば上記第1配向粒子が金属酸化物である場合について説明する。即ち、上記第1配向粒子における上記配向面の二次元結晶格子において、例えば酸素原子からなる格子点又は金属原子からなる格子点と、上記多結晶体において配向する上記特定の結晶面Aの二次元結晶格子における酸素原子からなる格子点又は金属原子からなる格子点とが、相似関係を有する場合に、両者には格子整合性が存在する。
格子整合率は、上記第1配向粒子における上記配向面と、上記多結晶体において配向する上記特定の結晶面Aの相似位置における格子寸法との差の絶対値を上記第1配向粒子における上記配向面の格子寸法で除することにより得られる値を百分率で表すものである。
より高配向度の結晶配向セラミックスを得るためには、上記第1配向粒子の格子整合率は、20%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下がよく、さらにより好ましくは5%以下がよい。
具体的には、上記第1配向粒子としては、例えば上記一般式(1)又は上記一般式(3)で表される化合物等のように目的の等方性ペロブスカイト型化合物と同一組成を有するもの等を用いることができる。
また、上記第1配向粒子は、必ずしも上記一般式(1)又は上記一般式(3)で表される化合物等のように目的の等方性ペロブスカイト型化合物と同一組成を有するものである必要はなく、後述の微細粉末と焼結することにより、目的とする上記一般式(1)又は上記一般式(3)で表される等方性ペロブスカイト型化合物を主成分として生成するものであればよい。したがって、上記第1配向粒子としては、作製しようとする等方性ペロブスカイト型化合物に含まれる陽イオン元素のうちいずれか1種以上の元素を含む化合物あるいは固溶体等から選ぶことができる。
{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3 ・・・(4)
(但し、x、y、z、wがそれぞれ0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦w≦1)
(Bi2O2)2+(Bi0.5Mem-1.5NbmO3m+1)2- ・・・(5)
(但し、mは2以上の整数、MeはLi、K及びNaから選ばれる1種以上)
所定の組成、平均粒径及び/又はアスペクト比を備えた層状ペロブスカイト型化合物からなる第1異方形状粉末(即ち、上記異方形状粉末B)は、その成分元素を含む酸化物、炭酸塩、硝酸塩等を原料(以下、これを「異方形状粉末生成原料」という。)とし、この異方形状粉末生成原料を液体又は加熱により液体となる物質と共に加熱することにより容易に製造することができる。
を加えて所定の温度で加熱する方法(フラックス法)や、作製しようとする異方形状粉末Bと同一組成を有する不定形粉末をアルカリ水溶液と共にオートクレーブ中で加熱する方法(水熱合成法)等が好適な例としてあげられる。
すなわち、上記異方形状粉末Bを反応性テンプレートとして用いて、異方形状粉末Aを合成する場合においても、異方形状粉末Aの平均アスペクト比は、少なくとも3以上が好ましく、より好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上がよい。また、後工程における粉砕を抑制するためには、平均アスペクト比は、100以下であることが好ましい。
この場合には、上記第1配向粒子を用いることにより、非鉛系の中でも相対的に高い圧電特性を示す等方性ペロブスカイト型ニオブ酸カリウムナトリウム系の結晶配向セラミックスを作製できる。
この場合には、配向軸と分極軸とが一致する正方晶域において、大電界下で発生する変位の温度依存性が改善された結晶配向セラミックスを得ることができる。
上記微細粉末の粒径が上記第1異方形状粉末の粒径の1/3を超える場合には、上記成形工程において、上記第1異方形状粉末の上記配向面が略同一の方向に配向するように、上記原料混合物を成形することが困難になるおそれがある。より好ましくは、1/4以下がよく、さらには1/5以下がよい。
上記微細粉末と上記第1異方形状粉末との粒径の比較は、上記微細粉末の平均粒径と上記第1異方形状粉末の平均粒径とを比較することによって行うことができる。なお、上記第1異方形状粉末の粒径及び上記微細粉末の粒径は、いずれも最も長尺の径のことをいう。
上記微細粉末の組成は、上記第1異方形状粉末の組成、及び作製しようとする例えば一般式(3)で表される化合物等の等方性ペロブスカイト型化合物の組成に応じて決定できる。また、上記微細粉末としては、例えば酸化粉末、複合酸化物粉末、水酸化物粉末、あるいは炭酸塩、硝酸塩、主酸塩等の塩、あるいはアルコキシド等を用いることができる。
上記微細粉末は、上記第1異方形状粉末との反応によって、目的の等方性ペロブスカイト型化合物のみを生成するものであってもよく、あるいは目的の等方性ペロブスカイト型化合物と余剰成分との双方を生成するものであってもよい。上記第1異方形状粉末と上記第微細粉末との反応によって余剰成分が生成する場合には、該余剰成分は熱的又は化学的に除去することが容易なものであることが好ましい。
この場合には、例えば上記一般式(3)で表される化合物を製造する際の焼成温度において、上記第2微細粉末が充分に液相を形成することができる。
この場合には、上記添加元素を含有する多結晶体からなる上記結晶配向セラミックスを作製することができる。これにより、結晶配向セラミックスの圧電d31定数、電気機械結合係数Kp、圧電g31定数等の圧電特性や比誘電率や誘電損失等を向上させることができる。上記添加元素は、上記一般式(1)で表される化合物のAサイトやBサイトに対して、置換添加されていても良いが、外添加されて上記一般式(1)で表される化合物の粒内又は粒界中に存在することもできる。
即ち、上記添加元素は、上記準備工程において、上記第1異方形状粉末を合成する際に添加することができる(請求項6)。
また、上記添加元素は、上記準備工程において、上記微細粉末を合成する際に添加することができる(請求項7)。
また、上記添加元素は、上記混合工程において、上記微細粉末及び上記第1異方形状粉末と共に添加することができる(請求項8)。
このような方法によって上記添加元素を添加することにより、上記上記添加元素を含有する上記原料混合物を簡単に得ることができる。そして、該原料混合物を成形及び焼成することにより、上記添加元素を含有する多結晶体からなる上記結晶配向セラミックスを得ることができる。
また、上記添加元素は、添加元素単体で添加されていても良いが、上記添加元素を含む酸化物や化合物として添加されていても良い。
上記添加元素が0.0001mol未満の場合には、上記添加元素による上記圧電特性等の向上効果を充分に得られないおそれがある。一方、0.15molを超える場合には、上記結晶配向セラミックスの圧電特性や誘電特性がかえって低下するおそれがある。
この場合には、上記添加元素が上記等方性ペロブスカイト型化合物に置換添加された上記結晶配向セラミックスを得ることができる。かかる結晶配向セラミックスは、より一層優れた圧電d31定数や電気機械結合係数Kp等の圧電特性、及びより一層優れた比誘電率ε33T/ε0等の誘電特性を示すことができる。
上記添加元素が0.01at%未満の場合には、上記結晶配向セラミックスの圧電特性や誘電特性の向上効果が充分に得られないおそれがある。一方、15at%を超える場合には、上記結晶配向セラミックスの圧電特性や誘電特性がかえって低下するおそれがある。より好ましくは、0.01〜5at%がよく、さらに好ましくは、0.01〜2at%がよく、さらにより好ましくは、0.05〜2at%がよい。
ここで、「at%」とは、上記一般式(1)で表される化合物におけるLi、K、Na、Nb、Ta、及びSbの原子の数に対する置換された原子の数の割合を100分率で示したものである。
上記成形工程は、上記第1異方形状粉末の上記配向面が略同一の方向に配向するように、上記原料混合物を成形して成形体を作製する工程である。
上記成形工程においては、上記第1異方形状粉末が面配向するように成形してもよく、あるいは、上記第1異方形状粉末が軸配向するように成形してもよい。
この場合には、上記面配向成形体に対して、いずれか1種類の面配向処理を行うこともできるが、2種以上の面配向処理を行うこともできる。また、上記面配向成形体に対して、1種類の面配向処理を繰り返し行うこともでき、また、2種以上の配向処理をそれぞれ複数回繰り返し行うこともできる。
上記焼成工程は、上記成形体を加熱し、上記第1異方形状粉末と上記微細粉末とを焼結させる工程である。上記焼成工程においては、上記成形体を加熱することにより焼結が進行し、等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなる結晶配向セラミックスを作製する。このとき、上記第1異方形状粉末と上記微細粉末とを反応させて、上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成させることができる。また、上記焼成工程においては、上記異方形状粉末及び/又は微細粉末の組成によっては、余剰成分も同時に生成する。
焼成温度が1050℃未満の場合には、充分に緻密化させることが困難になるおそれがある。一方1300℃を越える場合には、原料成分の一部が揮発し、最終的に得られる結晶配向セラミックス組成が目的組成からずれてしまうおそれがある。より好ましくは、上記焼成温度は1050〜1200℃がよく、さらに好ましくは1075℃〜1150℃がよい。
次に、本発明の実施例につき、説明する。
本例は、等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなり、該多結晶体を構成する結晶粒の特定の結晶面が配向する結晶配向セラミックスを製造する例である。
本例の製造方法においては、準備工程と、混合工程と、成形工程と、焼成工程とを行うことにより、等方性ペロブスカイト型化合物からなる結晶配向セラミックスを作製する。
準備工程においては、図1に示すごとく、ペロブスカイト型化合物よりなり、上記特定の結晶面Aと格子整合性を有する結晶面が配向して配向面を形成している異方形状の第1配向粒子からなる第1異方形状粉末2を準備する。また、第1異方形状粉末2の1/3以下の粒径を有し、第1異方形状粉末2と共に焼結させることにより上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成する微細粉末3を準備する。本例においては、微細粉末3として、目的組成の等方性ペロブスカイト型化合物のAサイトのK源となる物質を含有し、かつ融点が焼成工程における焼成温度よりも高い第1微細粉末31と、目的組成の等方性ペロブスカイト型化合物のAサイトのK源となる物質を含有し、かつ融点が焼成工程における焼成温度よりも低い第2微細粉末32とを用いる。
成形工程においては、図2に示すごとく、第1異方形状粉末2の配向面が略同一の方向に配向するように、原料混合物1を成形して成形体11を作製する。
焼成工程においては、図3及び図4に示すごとく、成形体11を加熱し、第1異方形状粉末2と微細粉末3とを焼結させて、等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなる結晶配向セラミックス13を作製する。なお、本例においては、(Li0.06K0.376Na0.564)(Nb0.835Ta0.10Sb0.065)O3からなる等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなる結晶配向セラミックスを作製する。
以下、本例の結晶配向セラミックスの製造方法につき、詳細に説明する。
まず、以下のようにして、粉砕過程と加熱過程とを行うことにより、第1異方形状粉末として、NaNbO3からなる板状粉末を合成する。即ち、粉砕過程においては、層状ペロブスカイト型化合物よりなり、表面エネルギーの最も小さい結晶面が上記第1配向粒子の上記配向面と格子整合性を有する第2配向粒子からなる第2異方形状粉末を準備し、該第2異方形状粉末を粉砕する。熱処理過程においては、該粉砕過程後の上記第2異方形状粉末と反応することにより上記第1異方形状粉末を生成する反応原料を準備し、該反応原料と上記第2異方形状粉末とをフラックス中にて加熱することにより上記第1異方形状粉末を作製する。
次に、得られた混合物を白金るつぼに入れ、850℃×1hの条件下で加熱し、フラックスを完全に溶解させた後、さらに1100℃×2hの条件下で加熱し、Bi2.5Na3.5Nb5O18の合成を行った。なお、昇温速度は、200℃/hrとし、降温は炉冷とした。冷却後、反応物から湯洗によりフラックスを取り除き、Bi2.5Na3.5Nb5O18粉末(第2異方形状粉末)を得た。得られたBi2.5Na3.5Nb5O18粉末は、{001}面を配向面(最大面)とする板状粉末であった。
得られた反応物には、NaNbO3粉末に加えてBi2O3が含まれているので、反応物からフラックスを取り除いた後、これをHNO3(1N)中に入れ、余剰成分として生成したBi2O3を溶解させた。さらに、この溶液を濾過してNaNbO3粉末を分離し、80℃のイオン交換水で洗浄した。このようにして、第1異方形状粉末としてのNaNbO3からなる粉末を得た。
得られた第1異方形状粉末粉末は、擬立方{100}面を最大面(配向面)とし、平均粒径12μmであり、かつアスペクト比が約10〜20程度の板状粉末であった。
まず、第2微細粉末(液相形成物質)として、KNbO3粉末を作製した。
具体的には、純度99.99%以上のK2CO3粉末及びNb2O5粉末をKNbO3の組成となるように秤量し、有機溶剤を媒体としてZrO2ボールで20時間の湿式混合を行った。その後、750℃で5Hr仮焼し、さらに有機溶剤を媒体としてZrO2ボールで20時間の湿式粉砕を行った。これにより、平均粒径が約0.5μmの第2微細粉末(KNbO3粉末)を得た。
具体的には、第1異方形状粉末と微細粉末との焼結後の目的組成である(Li0.06K0.376Na0.564)(Nb0.835Ta0.10Sb0.065)O3から、第1異方形状粉末として用いるNaNbO35at%と液相形成物質として用いるKNbO31at%を差し引いた組成となるように、純度99.99%以上のNa2CO3粉末、K2CO3粉末、Li2CO3粉末、Nb2O5粉末、Ta2O5粉末、及びSb2O5粉末を秤量し、有機溶剤を媒体としてZrO2ボールで20時間の湿式混合を行った。その後、750℃で5Hr仮焼し、さらに有機溶剤を媒体としてZrO2ボールで20時間の湿式粉砕を行うことで平均粒径が約0.5μmの仮焼物粉体(第1微細粉末)を得た。この第1微細粉末の組成は、およそ(Li0.0638K0.389Na0.547)(Nb0.824Ta0.106Sb0.0691)O3である。
まず、図1に示すごとく、上記のようにして作製した第1異方形状粉末2と、第1微細粉末31と、第2微細粉末32とを、焼成後の組成が(Li0.06K0.376Na0.564)(Nb0.835Ta0.10Sb0.065)O3となるような化学量論比で秤量した。具体的には、目的組成(Li0.06K0.376Na0.564)(Nb0.835Ta0.10Sb0.065)O3のNa及びNbのうちの5at%が第1異方形状粉末(NaNbO3)から供給され、目的組成のK及びNbのうちの1at%が第2微細粉末(KNbO3)から供給され、残りが第1微細粉末((Li0.0638K0.389Na0.547)(Nb0.824Ta0.106Sb0.0691)O3)から供給されるような化学量論比で秤量を行った。秤量後、有機溶剤5を媒体にして、ZrO2ボールでの湿式混合を行うことで原料混合物のスラリー1を得た。また、スラリー1中には、添加元素としてのCuが上記目的組成(Li0.06K0.376Na0.564)(Nb0.835Ta0.10Sb0.065)O31molに対して0.001mol添加されるように、CuOを添加した。
その後、スラリー1に対してバインダ(PVB)及び可塑剤(フタル酸ジブチル)を、1モルの目的組成(Li0.06K0.376Na0.564)(Nb0.835Ta0.10Sb0.065)O3に対して、それぞれ10.35gずつ加えた後、さらに混合した。
その後、成形体11をアルミナこう鉢中のPt板上に配置して酸素中、焼成温度1120℃で5時間焼結を行った。
図3に示すごとく、第1異方形状粉末2が配向する成形体11を焼結させると、異方形状粉末2の配向方位を継承した等方性ペロブスカイト型化合物からなる異方形状結晶25を生成させることができる。その結果、図4に示すごとく、等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなり、その結晶粒の特定の結晶面Aが配向する結晶配向セラミックス13を得た。これを試料E1とする。
嵩密度は、次のようにして測定することができる。
即ち、まず、試料E1の乾燥時の重量(乾燥重量)を測定した。また、試料E1を水に浸漬して試料E1の開気孔部に水を浸透させた後、試料E1の重量(含水重量)を測定した。次いで、含水重量と乾燥重量との差から、試料E1中に存在する開気孔の体積を算出した。また、アルキメデス法により、試料E1について、開気孔を除いた部分の体積を測定した。次いで、試料E1の乾燥重量を、試料E1の全体積(開気孔の体積と開気孔を除いた部分の体積との合計)で除することにより、試料E1の嵩密度を算出した。その結果を後述の表1に示す。
また、試料E1について、テープ面と平行な面についてのロットゲーリング法による{100}面の平均配向度F(100)を上述の数1の式を用いて算出した。その結果を後述の表1に示す。
試料E2は、目的組成(Li0.06K0.376Na0.564)(Nb0.835Ta0.10Sb0.065)O3のK及びNbのうちの2at%が第2微細粉末(KNbO3)から供給されるように配合を行った点を除いては、上記試料E1と同様にして作製したものである。
具体的には、試料E2は、目的組成(Li0.06K0.376Na0.564)(Nb0.835Ta0.10Sb0.065)O3のNa及びNbのうちの5at%が第1異方形状粉末(NaNbO3)から供給され、目的組成のK及びNbのうちの2at%が第2微細粉末(KNbO3)から供給され、残りが第1微細粉末((Li0.0645K0.383Na0.553)(Nb0.823Ta0.108Sb0.0699)O3)から供給されるような化学量論比で秤量を行い、その他は上記試料E1と同様にして作製した。
具体的には、試料E3は、目的組成(Li0.06K0.376Na0.564)(Nb0.835Ta0.10Sb0.065)O3のNa及びNbのうちの5at%が第1異方形状粉末(NaNbO3)から供給され、目的組成のK及びNbのうちの5at%が第2微細粉末(KNbO3)から供給され、残りが第1微細粉末((Li0.0667K0.362Na0.571)(Nb0.817Ta0.111Sb0.0722)O3)から供給されるような化学量論比で秤量を行い、その他は上記試料E1と同様にして作製した。
具体的には、試料E4は、目的組成(Li0.06K0.376Na0.564)(Nb0.835Ta0.10Sb0.065)O3のNa及びNbのうちの5at%が第1異方形状粉末(NaNbO3)から供給され、目的組成のK及びNbのうちの10at%が第2微細粉末(KNbO3)から供給され、残りが第1微細粉末((Li0.0706K0.325Na0.605)(Nb0.806Ta0.118Sb0.0765)O3)から供給されるような化学量論比で秤量を行い、その他は上記試料E1と同様にして作製した。
具体的には、試料C1は、目的組成(Li0.06K0.376Na0.564)(Nb0.835Ta0.10Sb0.065)O3のNa及びNbのうちの5at%が第1異方形状粉末(NaNbO3)から供給され、目的組成のK及びNbのうちの0.5at%が第2微細粉末(KNbO3)から供給され、残りが第1微細粉末((Li0.0635K0.393Na0.544)(Nb0.825Ta0.106Sb0.0688)O3)から供給されるような化学量論比で秤量を行い、その他は上記試料E1と同様にして作製した。
試料C2は、第2微細粉末(KNbO3)を用いなかった点を除いては、上記試料E1と同様にして作製したものである。
したがって、本例によれば、試料E1〜試料E4のように、第2微細粉末を1at%以上添加することにより、高い緻密性及び配向度を有する結晶配向セラミックスを作製できることがわかる。
そのため、図3に示すごとく、焼結中の成形体12内で、第2微細粉末が液相45を形成することができる。それ故、微細粉末3と第1異方形状粉末2との焼結性の差によって、焼成時に第1異方形状粉末2の周囲にボイドが形成されたとしても、液相45の毛管凝縮力によってボイドを小さくすることができる。そのため、焼結時に、上記第1異方形状粉末2と微細粉末3との間に空隙が生じてそれぞれの材料が孤立してしまうことを抑制し、第1異方形状粉末2と微細粉末3とを充分に焼結反応させることができる。その結果、最終的に得られる結晶配向セラミックス13中に微細粉末3が残存することを抑制することができる。その結果、試料E1〜試料E4のように、緻密性に優れ、非常に配向度の高い結晶配向セラミックスを得ることができると考えられる。
2 第1異方形状粉末
3 微細粉末
31 第1微細粉末
32 第2微細粉末
11 成形体
12 成形体(焼結中)
13 結晶配向セラミックス
Claims (12)
- 一般式(1):ABO3(Aサイトは、K+Na又はLi+Na+Kを主成分とし、Bサイトは、Nb、Nb+Ta、Nb+Sb、又はNb+Ta+Sbを主成分とし、Oは酸素)で表される等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなり、該多結晶体を構成する結晶粒の特定の結晶面Aが配向する結晶配向セラミックスの製造方法であって、
ペロブスカイト型化合物よりなり、上記特定の結晶面Aと格子整合性を有する結晶面が配向して配向面を形成している異方形状の第1配向粒子からなる第1異方形状粉末と、該第1異方形状粉末の1/3以下の粒径を有し、上記第1異方形状粉末と共に焼結させることにより上記等方性ペロブスカイト型化合物を生成する微細粉末とを準備する準備工程と、
該微細粉末と上記第1異方形状粉末とを混合して原料混合物を作製する混合工程と、
上記第1異方形状粉末の上記配向面が略同一の方向に配向するように、上記原料混合物を成形して成形体を作製する成形工程と、
上記成形体を加熱し、上記第1異方形状粉末と上記微細粉末とを焼結させて、上記等方性ペロブスカイト型化合物を主相とする多結晶体からなる上記結晶配向セラミックスを作製する焼成工程とを有しており、
上記微細粉末としては、上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物のAサイトのK源となる物質を含有し、かつ融点が上記焼成工程における焼成温度よりも高い第1微細粉末と、上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物のAサイトのK源となる物質を含有し、かつ融点が上記焼成工程における焼成温度よりも低い第2微細粉末とを用い、
上記混合工程においては、上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物におけるAサイト元素のKのうちの1at%〜15at%が上記第2微細粉末から供給されるように、上記第1異方形状粉末と上記第1微細粉末と上記第2微細粉末との混合を行うことを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。 - 請求項1において、上記第2微細粉末は、KNbO3を主成分とすることを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
- 請求項1又は2において、上記第1配向粒子は、一般式(2):ABO3(Aサイトは、K、Na、Liから選ばれる1種以上を主成分とし、Bサイトは、Nb、Sb、Taから選ばれる1種以上を主成分とする)で表される等方性ペロブスカイト型化合物からなることを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記第1配向粒子の上記配向面は、擬立方{100}面であることを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、上記原料混合物に、周期律表における2〜15族に属する金属元素、半金属元素、遷移金属元素、貴金属元素、及びアルカリ土類金属元素から選ばれる1種以上の添加元素を含有させることを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
- 請求項5において、上記添加元素は、上記準備工程において、上記第1異方形状粉末を合成する際に添加することを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
- 請求項5又は6において、上記添加元素は、上記準備工程において、上記微細粉末を合成する際に添加することを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
- 請求項5〜7のいずれか一項において、上記添加元素は、上記混合工程において、上記微細粉末及び上記第1異方形状粉末と共に添加することを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
- 請求項5〜8のいずれか一項において、上記添加元素は、上記焼成工程後に得られる上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物1molに対して、0.0001〜0.15molとなるような割合で添加することを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
- 請求項5〜8のいずれか一項において、上記焼成工程において上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物におけるAサイト元素又は/及びBサイト元素のいずれか1種以上の元素に対して、上記添加元素が0.01〜15at%の割合で置換添加されるように、上記添加元素の混合割合を調整することを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項において、上記焼成工程においては、焼成温度1050℃〜1300℃で上記成形体を加熱することを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか一項において、上記一般式(1)で表される上記等方性ペロブスカイト型化合物は、一般式(3):{Lix(K1-yNay)1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3(但し、0≦x≦0.2、0.3≦y≦0.7、0≦z≦0.4、0≦w≦0.2、x+z+w>0)で表されることを特徴とする結晶配向セラミックスの製造方法。
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