JP4560227B2 - 電池用セパレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アルカリ電池の正極と負極とを分離して短絡を防止すると共に、電解液を保持して起電反応を円滑に行なうことができるように、正極と負極との間にセパレータが使用されている。
【0003】
このようなセパレータとして、従来、6ナイロン繊維などのポリアミド系繊維からなる不織布や、ポリプロピレン繊維などのポリオレフィン系繊維からなる不織布が開発されてきた。このようなセパレータは通常のニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池には十分に使用できるものであったが、例えば、ハイレート放電特性が必要な電動工具用ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池においては、使用条件によっては電池温度が180℃以上に達することがあるため、軟化温度が180℃程度である6ナイロン繊維などを使用したセパレータは軟化変形及び分解し、融点が160℃程度のポリプロピレン繊維などを使用したセパレータは溶融変形するなどして、短絡が発生したり、正極から発生する酸素の負極への通過性が低下するなどして、電池寿命を短くすることがあった。
【0004】
そのため、180℃程度の温度で軟化したり、溶融しない耐熱性の繊維を使用すれば、前述のような問題を解決できると考えられる。このような耐熱性の繊維としてポリフェニレンサルファイド繊維があり、この繊維を使用した電池用セパレータが提案されている(例えば、特開平7−262980号公報、特開平9−67786号公報、特開平10−64502号公報など)。
【0005】
しかしながら、従来提案されているセパレータはポリフェニレンサルファイド繊維100%からなるものであり、例えば、延伸ポリフェニレンサルファイド繊維を未延伸ポリフェニレンサルファイド繊維の熱圧着により固定した不織布である。この不織布は延伸と未延伸であることの違いこそあれ、同じ樹脂組成からなるため、未延伸ポリフェニレンサルファイド繊維の熱圧着の際に、同時に延伸ポリフェニレンサルファイド繊維も多かれ少なかれ熱圧着されるため、紙状のセパレータであった。この紙状のセパレータは弾性がなく、極板と密着することができないため、円滑な起電反応を生じることが困難であるばかりか、極板間にセパレータを配置して、極板群を形成する際に、極板のバリやエッジによって、容易に亀裂が入るなどして、短絡しやすいものであった。
【0006】
他方、ポリフェニレンサルファイド繊維とフィブリル化したパルプ状のアラミド繊維とを使用した電池用セパレータも提案されている(例えば、特開2001−40597号)。
【0007】
この電池用セパレータはポリフェニレンサルファイド繊維の他にパルプ状のアラミド繊維を含んでいるため、ポリフェニレンサルファイド繊維100%からなるものよりも弾性があり、極板と密着できるものである。しかしながら、配合している繊維がパルプ状のアラミド繊維であるため、セパレータが溶融変形した場合と同様に、正極から発生する酸素の負極への通過性が低下し、電池寿命を短くすることがあった。このことはハイレート放電特性が必要な電池において顕著であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、電池が高温になる場合にも電池寿命を短くすることなく、起電反応を円滑に生じさせることができ、しかも極板群形成時に短絡するなどの問題のない電池用セパレータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」という)は、ポリフェニレンサルファイド繊維(以下、「PPS繊維」と表記する)を30〜77mass%と、ヤング率が6000kg/mm以上の繊維(以下、「高ヤング率繊維」という)を3〜30mass%と、融着繊維を20〜50mass%含み、前記融着繊維のみが融着した不織布を備えており、前記不織布を構成する繊維はいずれもフィブリル化していないものである。
【0010】
本発明のセパレータは、PPS繊維を含んでいることによって耐熱性が付与されているため、電池が高温になる場合であっても、電池寿命を短くすることがない。なお、融着していない比較的柔らかいPPS繊維と剛性のある高ヤング率繊維との組み合わせによって、紙状ではない、弾性のあるセパレータであることができるため、極板と密着することができ、円滑な起電反応を生じさせることができる。また、紙状ではないことに加えて、高ヤング率繊維はその剛性によって、極板のバリやエッジに抗することができるため、極板群形成時に短絡の発生しにくいセパレータである。更に、セパレータを構成する不織布はフィブリル化していない繊維からなり、酸素の通過性を阻害しないため、この点からも電池寿命の優れるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のセパレータを構成する不織布はPPS繊維を含んでいることによって、セパレータに耐熱性を付与し、結果として、電池が200℃以上の高温になる場合であっても劣化することなく、セパレータの働きをすることができる。
【0012】
このPPS繊維は構成単位の90モル%以上が[−CS−]で構成される重合体からなる繊維をいう。
【0013】
このPPS繊維の量が少ないと耐熱性が悪く、高温になることのある電池に使用することができないため、セパレータを構成する不織布構成繊維全体の30mass%以上を占めている必要があり、より好ましくは、50mass%以上を占めている。なお、上限は後述の高ヤング率繊維や融着繊維との兼ね合いから、77mass%であり、より好ましくは70mass%である。
【0014】
このPPS繊維の繊度は0.5dtex〜3.5dtexであるのが好ましく、0.5dtex〜2.2dtexであるのがより好ましい。また、繊維長は不織布の形態によって異なり、不織布が湿式不織布からなる場合には、1〜20mm程度であるのが好ましく、2〜15mmであるのがより好ましい。他方、乾式不織布からなる場合には、20〜100mmであるのが好ましく、20〜60mmであるのがより好ましい。なお、PPS繊維は不織布が湿式不織布からなる場合には、クリンプのないのが好ましく、不織布が乾式不織布からなる場合には、クリンプが6山/25mm〜24山/25mmであるのが好ましい。
【0015】
本発明のセパレータを構成する不織布は前述のようなPPS繊維に加えて、ヤング率が6000kg/mm以上の高ヤング率繊維を含んでいる。この高ヤング率繊維を含んでいることによって、紙状ではない、弾性を有する極板と密着することができるセパレータであるため、起電反応を円滑に生じさせることができ、また、弾性を有することに加えて、極板のバリやエッジに対して抗することができるため、極板群形成時の短絡を防止することができる。
【0016】
このヤング率は高ければ高いほど、前記効果が優れているため、7000kg/mm以上であるのがより好ましい。他方、上限は特に限定するものではないが、10000kg/mm程度が適当である。なお、本発明における「ヤング率」はJIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)により測定した初期引張抵抗度から算出した見掛けヤング率の値をいう。
【0017】
この高ヤング率繊維として、例えば、パラ系全芳香族ポリアミド繊維や平均分子量が100万〜500万程度の超高分子量ポリエチレン繊維を挙げることができる。前者のパラ系全芳香族ポリアミド繊維としては、例えば、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−p−アミドヒドラジド、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド−3,4−ジフェニルエーテルテレフタルアミドなどの樹脂成分からなる繊維を挙げることができる。
【0018】
このような高ヤング率繊維は弾性を有するセパレータとすることができるように、また、極板のバリやエッジによって短絡が生じにくいように、セパレータを構成する不織布構成繊維全体の3mass%以上含まれている必要があり、5mass%以上含まれているのがより好ましく、10mass%以上含まれているのが更に好ましい。他方、上限は前述のようなPPS繊維や融着繊維との兼ね合いから30mass%であり、より好ましくは20mass%である。
【0019】
本発明のセパレータを構成する不織布は更に融着繊維を含んでいる。この融着繊維は融着することによって、不織布形態を維持させたり、不織布に引張り強さや剛性を付与している。
【0020】
この融着繊維はPPS繊維や高ヤング率繊維までも軟化又は融着させることがないように、PPS繊維や高ヤング率繊維の軟化温度よりも低い温度で融着できる融着成分を含んでいるのが好ましい。例えば、高ヤング率繊維がパラ系全芳香族ポリアミド繊維からなる場合、パラ系全芳香族ポリアミド繊維は融点がないため、PPS繊維のみを考慮すれば良く、PPS繊維は軟化温度が270℃程度であるため、融点が270℃よりも低い温度を有する融着成分を含む融着繊維を使用するのが好ましい。この融着成分がアミド結合を有する樹脂(例えば、6ナイロン、6−6ナイロンなどのポリアミド系樹脂)からなると、パラ系全芳香族ポリアミド繊維及びPPS繊維との融着性に優れており、融着成分がポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン―ブテン―プロピレン共重合体など)からなると、電解液の侵されることなく、電池特性を得やすい。
【0021】
また、高ヤング率繊維が超高分子量ポリエチレン繊維からなる場合、PPS繊維の軟化温度よりも超高分子量ポリエチレン繊維の軟化温度の方が低いため、超高分子量ポリエチレン繊維のみを考慮すれば良く、超高分子量ポリエチレンの軟化温度は130℃程度であるため、融点が130℃よりも低い温度を有する融着成分(例えば、低密度ポリエチレン、アクリル酸−エチレン共重合体、メタクリル酸−エチレン共重合体など)を含む融着繊維を使用するのが好ましい。これら融着繊維の中でも、超高分子量ポリエチレン繊維及びPPS繊維との融着性に優れる、低密度ポリエチレンからなる融着成分を含む融着繊維であるのが好ましい。
【0022】
このような融着繊維は単一成分からなっていても良いが、電解液の保持性を低下させたり、酸素の通過性を低下させることがないように、融着成分以外に非融着成分を含む融着繊維を使用するのが好ましい。融着繊維が2種類以上の樹脂成分からなる場合、融着繊維の断面形状は、例えば、芯鞘型、サイドバイサイド型、海島型、多重バイメタル型、オレンジ型であることができる。これらの中でも、融着面積の広い芯鞘型又は海島型であるのが好ましい。
【0023】
この融着繊維はセパレータを構成する不織布の形態を維持したり、不織布に引張り強さや剛性を付与できるように、セパレータを構成する不織布構成繊維全体の20mass以上含まれている必要がある。他方、上限はPPS繊維や高ヤング率繊維との兼ね合いから50mass%であり、30mass%であるのがより好ましい。
【0024】
本発明のセパレータを構成する不織布は前述のようなPPS繊維、高ヤング率繊維、及び融着繊維以外の繊維(以下、「その他の繊維」という)を含んでいることができる。このその他の繊維として、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体を繊維表面に有する繊維や、繊維径が5μm以下の極細繊維を含んでいることができる。前者の繊維を含んでいると、セパレータの親水性が向上するため電解液の保持性が向上し、後者の極細繊維を含んでいると、微小短絡を防止することができたり、電解液の保持性を向上させることができる。
【0025】
なお、繊維径が5μm以下の極細繊維は、例えば、メルトブロー法や、機械的作用(例えば、流体流)及び/又は化学的作用(例えば、溶媒による膨潤や抽出)によって2種類以上の樹脂成分からなる繊維を分割して得ることができる。
【0026】
このその他の繊維はセパレータを構成する不織布構成繊維の47mass%以下である必要があり、より好ましくは20mass%以下である。
【0027】
本発明のセパレータを構成する不織布の構成繊維(例えば、PPS繊維、高ヤング率繊維、融着繊維など)は、いずれもフィブリル化していないため、酸素の通過性を損なわず、ハイレート放電特性が必要な電池に対しても対応することができるものである。特に、高ヤング率繊維がフィブリル化していないことによって、より弾性のあるセパレータであることができるため電極と密着することができ、しかも極板のバリやエッジに抗することができるという効果を奏する。
【0028】
この「フィブリル化していない繊維」とは、微細繊維に枝分かれした繊維ではないことを意味する。例えば、ビーターやリファイナーなどによって叩解した繊維、パルプなどはフィブリル化した繊維である。
【0029】
本発明の不織布は前述のような繊維から構成されているが、融着繊維のみが融着した状態にある。つまり、PPS繊維や高ヤング率繊維は融着した状態にはないため、紙状ではなく、PPS繊維の柔らかさと高ヤング率繊維の剛性による適度な弾性を有する状態にある。
【0030】
このような状態は厚さ保持率によって表現することができ、厚さ保持率が85%以上、95%以下であるのが好ましい。この厚さ保持率が85%未満であると、セパレータが潰れやすく、電解液がセパレータから遊離しやすく、電解液の保持性が低いため、液枯れしやすく、電池寿命が短くなりやすいためで、より好ましい厚さ保持率は90%以上である。他方、厚さ保持率が95%を越えると、ペーパーライクであるが故にセパレータの極板への追従性が悪く、電池内圧が高くなって、電池容量がでなかったり、ハイレート充放電に劣る傾向があるためで、より好ましい厚さ保持率は93%以下である。
【0031】
なお、この厚さ保持率は、マイクロメーターにより1000g荷重時の厚さの500g荷重時の厚さに対する百分率をいう。つまり、次の式により得られる値をいう。
(厚さ保持率、%)=(T1000/T500)×100
ここで、T1000はマイクロメーターにより1000g荷重した時の厚さをいい、T500はマイクロメーターにより500g荷重した時の厚さをいう。
【0032】
本発明の不織布の面密度は30〜100g/m2であるのが好ましく、40〜80g/m2であるのがより好ましい。面密度が30g/m2未満であると、引張強さが不足する場合があり、100g/m2を越えると、不織布が厚くなり過ぎて電池の高容量化が困難になるためである。また、厚さは0.08〜0.3mmであるのが好ましい。
【0033】
本発明のセパレータは前述のような不織布を備えたものであるため、耐熱性、弾性及び酸素の透過性に優れ、起電反応を円滑に生じさせることができ、しかも極板群形成時に短絡の発生しにくいものである。
【0034】
なお、本発明のセパレータは前述のような不織布のみから構成されていても良いし、不織布に加えて、ネット、微孔フィルム、メッシュなどの多孔質体を備えていても良い。
【0035】
本発明のセパレータは電解液の保持性に優れるように、セパレータ構成材表面(特に、不織布構成繊維表面)に、酸素及び/又は硫黄含有官能基(例えば、スルホン酸基、スルホン酸塩基、スルホフルオライド基、カルボキシル基、カルボニル基など)が存在していたり、親水性モノマーがグラフト重合していたり、界面活性剤が付着していたり、或いは親水性樹脂が付着しているのが好ましい。
【0036】
本発明のセパレータは例えば、次のようにして製造することができる。
【0037】
まず、フィブリル化していない、PPS繊維、高ヤング率繊維及び融着繊維を用意する。これら繊維の繊維長は繊維ウエブの形成方法によって異なり、湿式法により繊維ウエブを形成する場合には、1〜20mm長程度の繊維を使用し、カード法やエアレイ法などの乾式法により繊維ウエブを形成する場合には、20〜100mm長程度の繊維を使用する。
【0038】
次いで、PPS繊維が30〜77mass%で、高ヤング率繊維が3〜30mass%で、融着繊維が20〜50mass%であるように配合した繊維ウエブを形成する。この繊維ウエブの形成方法としては、例えば、湿式法や乾式法(例えば、カード法、エアレイ法など)などがある。これらの単独の繊維ウエブから不織布を製造しても良いし、同種又は異種の繊維ウエブ2枚以上から不織布を製造しても良いが、繊維長が長い繊維を含む繊維ウエブを使用した方がセパレータの強度を強くすることができるため、乾式法により形成した繊維ウエブを含んでいるのが好ましい。なお、繊維の均一な分散も必要である場合には、乾式法で形成した繊維ウエブと湿式法で形成した繊維ウエブとを積層するのが好ましい。また、異種の繊維ウエブを2枚以上積層する場合(例えば、乾式法で形成した繊維ウエブと湿式法で形成した繊維ウエブとを積層する場合)には、電池性能が低下しないように、実質的に1つの層からなるように、繊維同士を十分に混合させるのが好ましい。この混合方法として、流体流による処理を挙げることができる。
【0039】
次いで、形成した繊維ウエブを構成する融着繊維を融着させて、不織布を製造できる。この融着繊維の融着処理は無圧下で行なっても良いし、加圧下で行なっても良いし、或は無圧下で溶融させた後に加圧しても良いが、不織布に弾性を付与するために、無圧下で溶融させた後に加圧するのが好ましく、より好ましくは無圧下で溶融させた後、直ちに加圧する。
【0040】
なお、加熱温度は、加熱と加圧とを同時に実施する場合には、融着繊維の融着成分の軟化温度から融点までの範囲内の温度であるのが好ましく、無圧下で加熱するか、無圧下で溶融させた後に加圧する場合には、融着繊維の接着成分の軟化温度から融点よりも20℃以上高い温度までの範囲内の温度であるのが好ましい。また、加圧条件としては、線圧力5〜30N/cm程度であるのが好ましい。
【0041】
本発明における「軟化温度」は示差走査熱量計を用い、昇温温度10℃/分で室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の開始点を与える温度をいい、「融点」は示差走査熱量計を用い、昇温温度10℃/分で室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の極大値を与える温度をいう。
【0042】
本発明のセパレータを構成する不織布は前述のような融着処理に先立って、流体流によって絡合すると、更に強度的に優れる不織布とすることができる。この流体流による処理条件としては、例えば、ノズル径0.05〜0.3mm、ピッチ0.2〜3mmで一列又は二列以上にノズルを配置したノズルプレートから、圧力1MPa〜30MPaの流体流を噴出すれば良い。このような流体流は1回以上、繊維ウエブの片面又は両面に対して噴出する。なお、流体流で絡合する際に、繊維ウエブを支持する支持体の非開孔部が太いと、得られる不織布は大きな孔を有するものとなり、短絡が生じやすくなるので、非開孔部の太さが0.25mm以下の支持体を使用するのが好ましい。
【0043】
このようにして得た不織布をセパレータとしてそのまま使用することができるし、上述のようにして製造した不織布を、例えば、ネット、微孔フィルム、メッシュなどの多孔質体と一体化しても良い。この一体化方法としては、例えば、不織布を構成する融着繊維及び/又は多孔質体構成材料の融着性を利用する方法、流体流を作用させて絡合する方法などを単独で、又は併用して実施することができる。なお、これら一体化方法は不織布を形成した後ではなく、繊維ウエブから不織布を形成するのと同時に一体化しても良い。
【0044】
このように製造した不織布の電解液保持性が不足する場合には、電解液保持性を向上させるために、親水化処理を実施するのが好ましい。特に、高ヤング率繊維が超高分子量ポリエチレンからなり、融着繊維の融着成分がポリオレフィン系樹脂からなる場合には、電解液の保持性が不足する傾向があるため、親水化処理を実施するのが好ましい。
【0045】
この親水化処理としては、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処理、グラフト処理、界面活性剤処理、放電処理、親水性樹脂付着処理などの、少なくとも1つの親水化処理を実施して、繊維表面に、酸素及び/又は硫黄含有官能基(例えば、スルホン酸基、スルホン酸塩基、スルホフルオライド基、カルボキシル基、カルボニル基など)を導入したり、親水性モノマーをグラフト重合したり、界面活性剤を付着させたり、或いは親水性樹脂を付着させるのが好ましい。このような親水化処理は繊維の段階(つまり、不織布形成前の段階)で行っても良いが、不織布形成後に親水化処理した方が作業性により優れている。また、セパレータが不織布以外の材料を含んでいる場合には、不織布以外の材料も親水化処理するのが好ましい。なお、不織布と不織布以外の材料とを同時に親水化処理を実施することもできるし、別々に親水化処理を実施することもできる。以下、不織布形成後に親水化処理する方法について説明するが、それ以外の場合も全く同様にして実施することができる。
【0046】
スルホン化処理としては、例えば、発煙硫酸、硫酸、クロロ硫酸又は塩化スルフリルなどからなる溶液中に、前述のような不織布を浸漬してスルホン酸基を導入する方法、三酸化硫黄ガスに前述のような不織布を接触させてスルホン酸基を導入する方法、或いは一酸化硫黄ガスや二酸化硫黄ガスなどの存在下で放電を作用させてスルホン酸基を導入する方法等がある。
【0047】
フッ素ガス処理としては、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)で希釈したフッ素ガスと、酸素ガス、二酸化炭素ガス及び二酸化硫黄ガスなどの中から選ばれる少なくとも1種類のガスとの混合ガスに、不織布をさらすことにより、不織布を親水化することができる。
【0048】
ビニルモノマーのグラフト重合処理としては、例えば、ビニルモノマーと重合開始剤を含む溶液中に不織布を浸漬して加熱する方法、不織布にビニルモノマーを塗布した後に放射線を照射する方法、不織布に放射線を照射した後にビニルモノマーと接触させる方法、増感剤を含むビニルモノマー溶液を不織布に塗布した後に紫外線を照射する方法、などがある。このビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン或いはスチレンを使用することができる。なお、スチレンをグラフト重合した場合には、電解液との親和性に優れるように、スルホン化することが好ましい。なお、ビニルモノマー溶液と不織布とを接触させる前に、紫外線照射、コロナ放電、プラズマ放電などにより、不織布を改質すると、ビニルモノマー溶液との親和性が高くなるため、効率的にグラフト重合できる。
【0049】
界面活性剤処理としては、例えば、アニオン系界面活性剤(例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸塩、もしくはスルホコハク酸エステル塩など)、又はノニオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、もしくはポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなど)の溶液中に不織布を浸漬したり、この溶液を不織布に塗布又は散布して付着させることができる。
【0050】
放電処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理又は電子線処理などがある。なお、空気中の大気圧下で、それぞれが誘電体を担持する一対の電極間に、これら両方の誘電体と接触するように不織布を配置し、これら両電極間に交流電圧を印加して、不織布の内部空隙で放電を発生させる方法であると、不織布の内部における繊維表面の親水化を実施することができるため、内圧特性に優れるセパレータを製造することができる。
【0051】
親水性樹脂付与処理としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、架橋可能なポリビニルアルコール又はポリアクリル酸などの親水性樹脂を付着させることができる。これらの親水性樹脂は適当な溶媒に溶解又は分散させた後、この溶媒中に不織布を浸漬したり、この溶媒を不織布に塗布又は散布し、乾燥して付着させることができる。
【0052】
この架橋可能なポリビニルアルコールとしては、例えば、水酸基の一部を感光性基で置換したポリビニルアルコールがあり、より具体的には、感光性基としてスチリルピリジニウム系のもの、スチリルキノリニウム系のもの、スチリルベンゾチアゾリウム系のもので水酸基の一部を置換したポリビニルアルコールがある。この架橋可能なポリビニルアルコールも他の親水性樹脂と同様にして不織布に付着させた後、光照射することによって架橋させることができる。このような水酸基の一部を感光性基で置換したポリビニルアルコールは耐アルカリ性に優れ、しかもイオンとキレートを形成できる水酸基を多く含んでおり、放電時及び/又は充電時に、極板上に樹枝状の金属が析出する前のイオンとキレートを形成し、電極間の短絡を防止できるため好適に使用できる。
【0053】
本発明のセパレータは、電池が高温になる場合にも電池寿命を短くすることなく、起電反応を円滑に生じさせることができ、しかも極板群形成時に短絡するなどの問題のないものである。そのため、本発明のセパレータは、例えば、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気電池などの一次電池、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池などの二次電池に使用でき、特にハイレート放電特性の必要なニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池に好適に使用することができる。
【0054】
以下に、本発明のセパレータの実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0055】
【実施例】
(実施例1)
ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維(ヤング率:7320kg/mm、繊度:1.7dtex、繊維長:38mm、フィブリル化していない)と、芯成分が66ナイロンからなり、鞘成分が6ナイロン(融点:215℃、軟化温度:180℃)からなる芯鞘型複合融着繊維(繊度:1.7dtex、繊維長:38mm、フィブリル化していない)と、PPS繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、クリンプ数:12山/25mm、軟化温度:270℃、フィブリル化していない)とを用意した。
【0056】
次いで、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維10mass%と、芯鞘型複合融着繊維35mass%と、PPS繊維55mass%とを、混綿した後にカーディングして、一方向性繊維ウエブを形成した。
【0057】
次いで、この一方向性繊維ウエブを温度220℃に加熱した後、直ちに線圧力9.8N/cmで加圧し、芯鞘型複合融着繊維の鞘成分のみを融着させて、面密度65g/m、厚さ0.13mmのセパレータを製造した。
【0058】
(実施例2)
超高分子量ポリエチレン繊維(ヤング率:10000kg/mm、繊度:1dtex、繊維長:38mm、フィブリル化していない)と、芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分が低密度ポリエチレン(融点:115℃、軟化温度:110℃)からなる芯鞘型複合融着繊維(繊度:1.7dtex、繊維長:51mm、フィブリル化していない)と、PPS繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、クリンプ数:12山/25mm、軟化温度:270℃、フィブリル化していない)とを用意した。
【0059】
次いで、超高分子量ポリエチレン繊維10mass%と、芯鞘型複合融着繊維50mass%と、PPS繊維40mass%とを、混綿した後にカーディングして、一方向性繊維ウエブを形成した。
【0060】
次いで、この一方向性繊維ウエブを温度120℃に加熱した後、直ちに線圧力9.8N/cmで加圧し、芯鞘型複合融着繊維の鞘成分のみを融着させて、面密度65g/m、厚さ0.13mmの融着不織布を製造した。
【0061】
次いで、フッ素ガス(3vol%)、酸素ガス(5vol%)、二酸化硫黄ガス(5vol%)及び窒素ガス(87vol%)からなる混合ガスで満たされた容器内に、前記融着不織布を供給し、融着不織布を前記混合ガスと120秒間(温度:20℃)接触させて、繊維表面にスルホフルオライド基を導入した、本発明のセパレータ(面密度:65g/m、厚さ:0.13mm )を製造した。
【0062】
(実施例3)
繊維長が5mmであること以外は実施例1と同じポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維10mass%、繊維長が5mmであること以外は実施例1と同じ芯鞘型複合融着繊維35mass%、及び繊維長が5mmでクリンプがないこと以外は実施例1と同じPPS繊維55mass%とを分散させたスラリーから、湿式抄造法により湿式繊維ウエブを形成した。
【0063】
次いで、この湿式繊維ウエブを温度220℃に加熱した後、直ちに線圧力9.8N/cmで加圧し、芯鞘型複合融着繊維の鞘成分のみを融着させて、面密度65g/m、厚さ0.13mmのセパレータを製造した。
【0064】
(比較例1)
PPS繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、クリンプ数:12山/25mm、軟化温度:270℃、フィブリル化していない)と、未延伸PPS繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、クリンプ数:12山/25mm、軟化温度:270℃、フィブリル化していない)とを用意した。
【0065】
次いで、PPS繊維60mass%と未延伸PPS繊維40mass%とを、混綿した後にカーディングして、一方向性繊維ウエブを形成した。
【0066】
次いで、この一方向性繊維ウエブを温度215℃に加熱した後、直ちに線圧力9.8N/cmで加圧し、未延伸PPS繊維を圧着させて、面密度65g/m、厚さ0.13mmのセパレータを製造した。
【0067】
(比較例2)
PPS繊維55mass%に替えて、66ナイロン繊維(繊度:1.7dtex、繊維長:38mm、クリンプ数:12山/25mm、軟化温度:240℃、フィブリル化していない)を55mass%使用したこと以外は、実施例1と同様にして、面密度65g/m、厚さ0.13mmのセパレータを製造した。
【0068】
(比較例3)
超高分子量ポリエチレン繊維(ヤング率:10000kg/mm、繊度:1dtex、繊維長:38mm、フィブリル化していない)10mass%と、芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分が低密度ポリエチレン(融点:115℃、軟化温度:110℃)からなる芯鞘型複合融着繊維(繊度:1.7dtex、繊維長:51mm、フィブリル化していない)90mass%とを混綿して一方向性繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例2と全く同様に、一方向性繊維ウエブの形成、芯鞘型複合融着繊維の鞘成分のみの融着、及び混合ガスによるスルホフルオライド基の導入を実施して、セパレータ(面密度:65g/m、厚さ:0.13mm )を製造した。
【0069】
(比較例4)
実施例1と同じポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維を80mass%と、実施例1と同じ66ナイロン/6ナイロン芯鞘型複合融着繊維を5mass%と、実施例1と同じPPS繊維を15mass%使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、面密度65g/m、厚さ0.13mmのセパレータを製造した。
【0070】
(比較例5)
実施例1と同じポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維を20mass%と、実施例1と同じ66ナイロン/6ナイロン芯鞘型複合融着繊維を10mass%と、実施例1と同じPPS繊維を70mass%使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、面密度65g/m、厚さ0.13mmのセパレータを製造した。
【0071】
(比較例6)
ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維をフィブリル化したパルプ(JIS P8121「パルプの濾水度試験方法」のカナダ標準形測定法に準じて測定した濾水度:210ml)、芯成分が66ナイロンからなり、鞘成分が6ナイロン(融点:215℃、軟化温度:180℃)からなる芯鞘型複合融着繊維(繊度:1.7dtex、繊維長:5mm、フィブリル化していない)と、PPS繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:5mm、軟化温度:270℃、フィブリル化していない)とを用意した。
【0072】
次いで、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミドパルプ10mass%と、芯鞘型複合融着繊維35mass%と、PPS繊維55mass%とを分散させたスラリーから、湿式抄造法により湿式繊維ウエブを形成した。
【0073】
次いで、この湿式繊維ウエブを温度220℃に加熱した後、直ちに線圧力9.8N/cmで加圧し、芯鞘型複合融着繊維の鞘成分のみを融着させて、面密度65g/m、厚さ0.13mmのセパレータを製造した。
【0074】
(厚さ保持率の測定)
各セパレータの厚さ保持率を、前述の方法により各々測定した。この結果は表1に示す通りであった。
【0075】
【表1】
Figure 0004560227
#1:◎・・500サイクル以上
○・・300〜500サイクル
×・・300サイクル未満
#2:比較例2の貫通力を基準とした時の比率
#3:比較例1の内圧を基準とした時の比率
【0076】
(高温寿命特性の測定)
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式ニッケル正極(33mm幅、182mm長)と、ペースト式水素蔵合金負極(メッシュメタル系合金、33mm幅、247mm長)とを作成した。
【0077】
次いで、各セパレータを33mm幅、410mm長に裁断した後、それぞれを正極と負極との間に挟み込み、渦巻き状に巻回して、SC(sub−C)型対応の電極群を作成した。この電極群を外装缶に収納し、電解液として5N水酸化カリウム及び1N水酸化リチウムを外装缶に注液し、封緘して、容量が2000mAhの円筒型ニッケル−水素電池を作成した。
【0078】
次いで、それぞれの円筒型ニッケル−水素電池について、(1)0.2Cでの120%充電と、(2)10Cで終止電圧1Vまで放電することからなる充放電サイクルを、温度80℃下において繰り返し、容量が初期容量の50%に達するまでのサイクル数を寿命とした。
【0079】
この結果は表1に示す通りであった。この表1から明らかなように、本発明の厚さ保持率が90〜93%のセパレータを使用した電池は、高温下においても電池寿命の長いものであった。
【0080】
(エッジ式耐貫通性)
セパレータを各々重ねて合計約2mmの厚さとし、その一番上のセパレータに対して、ハンディー圧縮試験機(カトーテック製、KES−G5)に取り付けられたステンレス製ジグ(厚さ:0.5mm、先端の刃先角度:60°)を、0.01cm/sの速度で垂直に突き刺し、一番上のセパレータを切断するのに要する力(貫通力)を測定した。比較例2のセパレータを切断するために要する貫通力を基準(100)とした時の、各セパレータを切断するために要する貫通力の比率を、そのセパレータの耐貫通指数(%)として、表1に示した。この結果から、本発明のセパレータは電池を製造する際に、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、極板のエッジによってセパレータが引き裂かれにくいため、短絡が生じにくいものであることが予測された。
【0081】
(電池内圧試験)
前記(高温寿命特性の測定)で用いたものと同様に形成した円筒型ニッケル−水素電池を、0.5Cで20℃にて充電を行い、容量の150%での電池内圧を測定した。比較例1のセパレータを使用した電池の内圧を基準(100)とした時の比率を表1に示す。この結果から、本発明のセパレータは通気性に優れているため、電池の内圧が低いことがわかった。
【0082】
(長手方向における引張り強度の測定)
幅50mmに裁断した各々のセパレータを、引張り強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUTM−III−100)のチャック間(チャック間の距離:100mm)に固定し、引張り速度300mm/minの条件下で、各々のセパレータの長手方向における引張り強さを測定した。この結果は表1に示す通りであった。このように本発明のセパレータは引張り強さに優れているため、電池を製造する際の張力によっても破断することなく、効率的に電池を製造できるものであることがわかった。
【0083】
【発明の効果】
本発明の電池用セパレータは、PPS繊維を含んでいることによって耐熱性が付与されているため、電池が高温になる場合であっても、電池寿命を短くすることがない。なお、融着していない比較的柔らかいPPS繊維と剛性のある高ヤング率繊維との組み合わせによって、紙状ではない、弾性のあるセパレータであることができるため、極板と密着することができ、円滑な起電反応を生じさせることができる。また、紙状ではないことに加えて、高ヤング率繊維はその剛性によって、極板のバリやエッジに抗することができるため、短絡の発生しにくいセパレータである。更に、セパレータを構成する不織布はフィブリル化していない繊維からなり、酸素の通過性を阻害しないため、この点からも電池寿命の優れるものである。

Claims (4)

  1. ポリフェニレンサルファイド繊維を30〜77mass%と、ヤング率が6000kg/mm以上の繊維を3〜30mass%と、融着繊維を20〜50mass%含み、前記融着繊維のみが融着した不織布を備えており、前記不織布を構成する繊維はいずれもフィブリル化していないことを特徴とする電池用セパレータ。
  2. 厚さ保持率が85%以上、95%以下であることを特徴とする、請求項1記載の電池用セパレータ。
  3. 前記ヤング率が6000kg/mm以上の繊維がパラ系全芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の電池用セパレータ。
  4. 前記ヤング率が6000kg/mm以上の繊維が超高分子量ポリエチレン繊維であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の電池用セパレータ。
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