JP3784496B2 - アルカリ電池用セパレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアルカリ電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アルカリ電池の正極と負極とを分離して短絡を防止すると共に、電解液を保持して起電反応を円滑に行なわせるために、正極と負極との間にセパレータが使用されている。
【0003】
このセパレータはアルカリ性の電解液を長期間にわたって保持する必要があり、セパレータ自体がアルカリによって侵されないことが必要であるため、耐アルカリ性に優れるポリオレフィン系繊維からなるセパレータが好適である。しかしながら、このポリオレフィン系繊維は親水性が乏しいため電解液の保持性が悪いという欠点や、電池(極板群構成)を製造する段階で、極板のバリがセパレータを突き抜けて極板同士でショートしてしまい、歩留りが悪いという欠点があった。
【0004】
そのため、前者の電解液の保持性を改善するため、フッ素ガス処理やコロナ放電処理などの表面処理を行っていたが、処理されるのは主としてセパレータ表面であり、セパレータ内部は十分に処理されず、セパレータ内部における電解液の保持性が悪いため、過充電時における酸素吸収性が悪く、内圧特性の悪いものであった。他方、後者の歩留りが悪いという欠点については、未だ十分な対策が採られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、耐アルカリ性及び電解液の保持性に優れ、歩留り良く電池を製造できる、アルカリ電池用セパレータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のアルカリ電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ということがある)は、物理的作用により分割して、ポリオレフィン極細繊維A1とエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2とを発生可能な分割繊維Aを5〜40mass%、物理的作用により分割して、ポリオレフィン極細繊維B1のみを発生可能な分割繊維Bを5〜55mass%、単繊維強度が5g/d以上の高強度繊維を15〜50mass%、及び該分割繊維A構成樹脂成分、該分割繊維B構成樹脂成分、及び該高強度繊維構成樹脂成分の融点よりも低い融点を有する樹脂成分を少なくとも繊維表面に有する融着繊維を20〜35mass%含む繊維ウエブに対して、該分割繊維A、Bの分割処理、繊維の絡合処理、及び該融着繊維の融着処理を行なって不織布を形成し、この不織布を親水化処理したものである。
【0007】
このように、本発明のセパレータはポリオレフィン系極細繊維(A1、A2、B1)を主体としているため、耐アルカリ性に優れている。また、本発明のセパレータはエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2などの極細繊維を含んでおり、しかも親水化処理されているため、セパレータ表面付近は主として親水化処理によって電解液を保持でき、セパレータ内部はエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2の親水性によって電解液を保持できるため、電解液の保持性に優れている。このように、セパレータ内部においても電解液の保持性に優れているため、過充電時における酸素吸収性に優れ、内圧特性に優れている。更には、高強度繊維を含んでいることにより、極板のバリがセパレータを突き抜けるのを防止できるため、本発明のセパレータを使用すれば、歩留り良く電池を製造できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のセパレータを構成する不織布においては、電解液の保持性(特にセパレータ内部)に優れるように、また、デンドライトによる短絡を防止できるように、更には、セパレータの厚さを薄くできるように、物理的作用により分割して、ポリオレフィン極細繊維A1とエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2とを発生可能な分割繊維Aから、ポリオレフィン極細繊維A1とエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2を発生させている。
【0009】
この物理的作用としては、例えば、水流などの流体流、ニードル、カレンダー、或はフラットプレスなどがあり、これらの中でも、流体流は分割繊維Aの分割処理と絡合処理とを同時に行なうことができるため、好適な物理的作用である。
【0010】
この分割繊維Aから発生可能なポリオレフィン極細繊維A1としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−プロピレン共重合体などの樹脂成分を1種類以上含んでいる。これらの中でも耐アルカリ性に優れているポリプロピレン極細繊維A1を含んでいるのが好ましい。そのため、分割繊維Aはこれらのポリオレフィン樹脂成分を1種類以上含んでいる。このポリオレフィン極細繊維A1の線密度は、小さければ小さい程、電解液の保持性に優れ、しかもデンドライトの防止性に優れているため、45μg/m以下であるのが好ましく、ある程度の強度を有するように、1μg/m以上であるのが好ましい。より好ましい線密度は2.5μg/m〜35μg/mである。
【0011】
本発明の分割繊維Aは上述のようなポリオレフィン極細繊維A1以外に、エチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2を発生可能である。このエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2の存在により、本発明のセパレータ内部における電解液の保持性を向上させ、内圧特性を改善している。このエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2は電解液の保持性、ドライアウト防止性、及びデンドライトの防止性に優れるように、1μg/m〜45μg/m以下であるのが好ましく、2.5μg/m〜35μg/mであるのがより好ましい。
【0012】
この分割繊維Aとしては、エチレン−ビニルアルコール共重合成分と1種類以上のポリオレフィン樹脂成分からなり、例えば図1〜図4に示すような繊維断面がオレンジ状の分割繊維、図5に示すような繊維断面が多重バイメタル型の分割繊維を使用できる。これらの中でも、どの方向から物理的作用を施しても分割しやすい、繊維断面がオレンジ状の分割繊維Aを好適に使用できる。なお、分割繊維Aはポリオレフィン極細繊維A1とエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2以外の極細繊維を発生しても良いが、本発明のセパレータはアルカリ電池用のものであるため、耐アルカリ性により優れるように、ポリオレフィン極細繊維A1とエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2のみを発生できるのが好ましい。
【0013】
この分割繊維Aの線密度は、上記線密度を有する極細繊維(A1、A2)を発生可能であれば良く、特に限定するものではない。また、分割繊維Aの繊維長は1〜110mmであれば良いが、繊維ウエブを湿式法により形成する場合には、1〜25mm長の分割繊維Aを使用し、乾式法により形成する場合には、25〜110mm長の分割繊維Aを使用する。なお、湿式法により繊維ウエブを形成する場合には、より絡合しやすいように、また、均一かつ基布強度を有する繊維ウエブを形成できるように、5〜20mmであるのがより好ましい。
【0014】
この分割繊維Aはセパレータ内部における電解液の保持性に優れるように、5mass%以上含んでいる必要があり、エチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2はポリオレフィン極細繊維A1と比較して耐アルカリ性に劣るため、40mass%以下であるのが好ましい。より好ましくは5〜35mass%であり、最も好ましくは10〜30mass%である。
【0015】
本発明のセパレータは、物理的作用により分割して、ポリオレフィン極細繊維B1のみを発生可能な分割繊維Bから発生したポリオレフィン極細繊維B1を含んでいる。このポリオレフィン極細繊維B1の存在により、デンドライトによる短絡をより防止でき、また、セパレータの厚さを薄くできる。この物理的作用は分割繊維Aの分割と同様のものがあり、同様の理由で、流体流であるのが好ましい。なお、分割繊維Bの物理的作用は分割繊維Aを分割するための物理的作用と同じであっても良いし、分割繊維Aを分割する物理的作用とは別であっても良いが、製造上、同じであるのが好ましい。
【0016】
この分割繊維Bから発生可能なポリオレフィン極細繊維B1としては、分割繊維Aから発生可能なポリオレフィン極細繊維A1と同様の樹脂成分からなれば良く、同様の理由でポリプロピレン極細繊維B1を含んでいるのが好ましい。特に、ポリエチレン成分とポリプロピレン成分、特に高密度ポリエチレン成分とポリプロピレン成分からなる分割繊維Bは容易に紡糸して製造することができ、しかも物理的作用によりポリエチレン極細繊維B1−1とポリプロピレン極細繊維B1−2とを発生させると、これら極細繊維(B1−1、B1−2)の同一条件下における親水化の程度が異なるため、電解液の保持分布状態が多少異なることにより、密閉型二次電池でガスが発生した場合であっても、速やかに他極に透過させることができるため、内部圧が上昇して破裂する危険がないので、好適な組み合わせである。
【0017】
この分割繊維Bから発生したポリオレフィン極細繊維B1の線密度は、小さい程、電解液の保持性に優れ、しかもデンドライトの防止性に優れているため、45μg/m以下であるのが好ましく、ある程度の強度を有するように、1μg/m以上であるのが好ましい。より好ましい線密度は2.5μg/m〜35μg/mである。
【0018】
この分割繊維Bは2種類以上のポリオレフィン樹脂成分からなり、例えば図1〜図4に示すような繊維断面がオレンジ状の分割繊維、図5に示すような繊維断面が多重バイメタル型の分割繊維を使用できる。これらの中でも、どの方向から物理的作用を施しても分割しやすい、繊維断面がオレンジ状の分割繊維Bを好適に使用できる。なお、分割繊維Bは耐アルカリ性に優れるように、ポリオレフィン極細繊維B1のみを発生する。
【0019】
この分割繊維Bの線密度は、上記線密度を有する極細繊維B1を発生可能であれば良く、特に限定するものではない。また、分割繊維Bの繊維長は1〜110mmであれば良いが、繊維ウエブを湿式法により形成する場合には、1〜25mm長の分割繊維Bを使用し、乾式法により形成する場合には、25〜110mm長の分割繊維Bを使用する。なお、湿式法により繊維ウエブを形成する場合には、より絡合しやすいように、また、均一かつ基布強度を有する繊維ウエブを形成できるように、5〜20mmであるのがより好ましい。
【0020】
この分割繊維Bはデンドライトによる短絡をより防止でき、また、セパレータの厚さを薄くできるように、5mass%以上含んでいる必要があり、他の繊維との関係から、55mass%以下である。より好ましくは5〜40mass%であり、最も好ましくは10〜30mass%である。
【0021】
本発明のセパレータは電池を製造する際に、極板のバリがセパレータを突き抜けて極板同士がショートしないように、単繊維強度が5g/d以上の高強度繊維を1種類以上含んでいる。単繊維強度が5g/d未満ではショート防止効果がないためで、より好ましくは7g/d以上の高強度繊維を使用する。なお、この単繊維強度はJIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)によって測定した値をいう。
【0022】
この高強度繊維も耐アルカリ性に優れるように、前述の分割繊維Aから発生可能なポリオレフィン極細繊維A1と同様のポリオレフィン樹脂成分を、少なくとも繊維表面に含んでいるのが好ましい。これらの中でもポリプロピレン成分や超高分子量ポリエチレン成分からなるのが好ましく、強度の優れる超高分子量ポリエチレンからなるのがより好ましい。なお、超高分子量とは平均分子量が100万〜500万のことをいう。
【0023】
この高強度繊維の線密度は、電解液の保持性を低下させないように、線密度40〜650μg/mであるのが好ましい。また、高強度繊維の繊維長は1〜110mmであれば良いが、繊維ウエブを湿式法により形成する場合には、1〜25mm長の高強度繊維を使用し、乾式法により形成する場合には、25〜110mm長の高強度繊維を使用する。なお、湿式法により繊維ウエブを形成する場合には、より絡合しやすいように、また、均一かつ基布強度のある繊維ウエブを形成できるように、5〜20mmであるのがより好ましい。
【0024】
この高強度繊維はショート防止性に優れるように、また、他の繊維の配合量との関係から、配合量は15〜50mass%であり、最も好ましい配合量は25〜40mass%である。
【0025】
本発明のセパレータは、引張強さや剛軟度が向上して、より歩留りが向上するように、融着繊維も含んでいる。この融着繊維は分割繊維A及び分割繊維Bから発生する極細繊維(A1、A2、B1)による保液性や、高強度繊維の強度を低下させないように、分割繊維A構成樹脂成分、分割繊維B構成樹脂成分、及び高強度繊維構成樹脂成分の融点よりも低い融点を有する樹脂成分(以下、「低融点成分」ということがある)を、少なくとも繊維表面に有するものである。この低融点成分は、分割繊維A及び分割繊維Bの構成樹脂成分、及び高強度繊維構成樹脂成分のいずれの樹脂成分よりも、10℃以上低い、好適には15℃以上低い融点を有するのが好ましい。
【0026】
この融着繊維も耐アルカリ性に優れるように、前述の分割繊維Aから発生可能なポリオレフィン極細繊維A1と同様の樹脂成分1種類以上からなるのが好ましい。なお、分割繊維Bを構成する樹脂成分として、ポリエチレンとポリプロピレンとを含むのが好ましいため、この分割繊維Bを構成するポリエチレンとして高密度ポリエチレンを使用し、融着繊維の低融点成分として低密度ポリエチレンを使用するのが好ましい。
【0027】
なお、融着繊維は単一成分からなっていても良いし、2種類以上の樹脂成分からなるものであっても良いが、後者の方が、セパレータの引張強さをより向上させることができるため、好適に使用できる。この2種類以上の樹脂成分からなる場合、どのように配置していても良いが、例えば、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型のものを使用できる。
【0028】
この融着繊維の線密度は、電解液の保持性を低下させないように、線密度100〜450μg/mであるのが好ましい。また、融着繊維の繊維長は1〜110mmであれば良いが、繊維ウエブを湿式法により形成する場合には、1〜25mm長の融着繊維を使用し、乾式法により形成する場合には、25〜110mm長の融着繊維を使用する。なお、湿式法により繊維ウエブを形成する場合には、より絡合しやすいように、また、均一かつ基布強度のある繊維ウエブを形成できるように、5〜20mmであるのがより好ましい。
【0029】
このような融着繊維は引張強さや剛軟度が向上するように、15mass%以上含んでいるのが好ましい。他方、他の繊維の配合量との関係から、50mass%以下であるのが好ましい。より好ましい配合量は15〜40mass%であり、最も好ましい配合量は20〜35mass%である。
【0030】
本発明のセパレータは、上述のような分割繊維A、分割繊維B、高強度繊維、及び融着繊維から製造されるものであるが、必要であれば、これら繊維以外の繊維を含んでいても良い。この他の繊維も耐アルカリ性に優れるように、分割繊維Aから発生可能な極細繊維A1を構成する樹脂成分と同様のポリオレフィン樹脂成分を1つ以上含む繊維であるのが好ましい。
【0031】
この他の繊維の線密度は、電解液の保持性を低下させないように、線密度100〜450μg/mであるのが好ましい。また、他の繊維の繊維長は1〜110mmであれば良いが、繊維ウエブを湿式法により形成する場合には、1〜25mm長の他の繊維を使用し、乾式法により形成する場合には、25〜110mm長の他の繊維を使用する。なお、湿式法により繊維ウエブを形成する場合には、より絡合しやすいように、また、均一かつ基布強度のある繊維ウエブを形成できるように、5〜20mmであるのがより好ましい。なお、他の繊維の配合量は35mass%以下であるのが好ましい。
【0032】
本発明のセパレータは上述のような分割繊維A、分割繊維B、高強度繊維、及び融着繊維を含む繊維ウエブを、カード法、エアレイ法などの乾式法や湿式法により形成する。なお、乾式法、湿式法は従来公知の方法により形成できる。また、乾式法で形成した繊維ウエブと湿式法で形成した繊維ウエブとを積層すると、乾式法により形成された繊維ウエブを構成する繊維の引張強さと、湿式法で形成された繊維ウエブの均一性とを兼ね備えたセパレータを形成できるため、好適な実施態様である。
【0033】
次いで、分割繊維A及び分割繊維Bの分割処理、繊維の絡合処理、及び融着繊維の融着処理により不織布を形成する。この分割繊維A及び分割繊維Bの分割処理、絡合処理、及び融着処理はどのような順序で行なっても良く、また、何度行なっても良い。例えば、分割繊維Aの分割処理、分割繊維Bの分割処理、絡合処理、融着処理の順に行なっても良いし、融着処理、分割繊維A及び分割繊維Bの分割処理、絡合処理の順に行なっても良いし、或いは融着処理、分割繊維A及び分割繊維Bの分割処理、絡合処理、融着処理の順に行なっても良い。本発明においては、ポリオレフィン極細繊維B1のみを発生可能な分割繊維Bを使用しており、この分割繊維Bを構成する樹脂成分は相溶性が高く、分割しにくいため、融着処理を行なって繊維の自由度を低下させた後に、分割繊維A及び分割繊維Bの分割処理及び絡合処理を行なうのが好ましい。また、融着処理を行なった後に、分割繊維A及び分割繊維Bの分割処理及び絡合処理を行なった場合、融着処理によって得られた剛性が低下するため、再度融着処理を行うのが好ましい。なお、分割繊維A及び分割繊維Bの分割処理は同時に行っても良いし、別に行っても良いが、同時に行う方が、製造上好適である。また、分割繊維A及び分割繊維Bの分割処理と絡合処理とは別々に行なっても良いが、流体流により処理する場合のように、分割繊維A及び分割繊維Bの分割処理と絡合処理を同時に行なうのが製造上好ましい。
【0034】
本発明で適用できる分割処理としては、例えば、水流などの流体流、ニードル、カレンダー、或はフラットプレスなどがある。これらの中でも、流体流による分割処理は分割処理と繊維の絡合処理を同時に行なうことができるため、好適である。
【0035】
本発明で適用できる絡合処理としては、例えば、流体流(特に水流)やニードルによる処理がある。この流体流による絡合処理は繊維ウエブ全体を均一に絡合することができるため、好適である。
【0036】
この好適である流体流による分割及び絡合条件、又は絡合条件としては、例えば、ノズル径0.05〜0.3mm、ピッチ0.2〜3mmで一列又は二列以上にノズルを配置したノズルプレートから、圧力1MPa〜29MPaの流体流を繊維ウエブに対して噴出すれば良い。このような流体流は1回以上、繊維ウエブの片面又は両面に対して噴出する。なお、流体流で処理する際に、繊維ウエブを載置するネットや多孔板の非開孔部が太いと、得られる不織布も大きな孔を有するものとなり、短絡が生じやすくなるので、非開孔部の太さが0.25mm以下の支持体を使用するのが好ましい。
【0037】
本発明における融着処理としては、無圧下で行なっても良いし、加圧下で行なっても良いし、或は無圧下で融着させた後に加圧しても良いが、厚さを調整する意味で、同時又は融着後に加圧するのが好ましい。この融着装置としては、例えば、熱カレンダー、熱風貫通式熱処理器、シリンダ接触型熱処理器などがある。なお、加熱温度としては、加熱と加圧を同時に行なう場合には、融着繊維の低融点成分の軟化温度から融点までの範囲内の温度であるのが好ましく、加熱後に加圧を行なう場合には、融着繊維の低融点成分の軟化温度から融点よりも20℃以上高い温度までの範囲内で行なうのが好ましい。また、加圧条件としては、線圧力5〜30N/cmであるのが好ましい。
【0038】
このようにして形成した不織布はショート防止性、剛軟度などに優れ、効率的に電池を製造できるものであるが、耐アルカリ性に優れるように、ポリオレフィン繊維を主体としているため、電解液の保持性により優れるように、親水化処理を施して、本発明のセパレータを形成する。この親水化処理としては、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処理、ビニルモノマーのグラフト重合、界面活性剤処理、放電処理、或は親水性樹脂付与処理などがある。
【0039】
スルホン化処理としては、特に限定するものではないが、例えば、発煙硫酸、硫酸、三酸化イオウ、クロロ硫酸、又は塩化スルフリルなどによる処理がある。これらの中でも、発煙硫酸によるスルホン化処理は、反応性が高く、比較的容易にスルホン化できるため、好適である。
【0040】
フッ素ガス処理についても、特に限定するものではないが、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)で希釈したフッ素ガスと、酸素ガス、二酸化炭素ガス、及び二酸化硫黄ガスなどの中から選んだ少なくとも1種類のガスとの混合ガスによる処理を挙げることができる。なお、不織布に二酸化硫黄ガスをあらかじめ付着させた後に、フッ素ガスを接触させる方法は、より効率的で、恒久的な親水化処理方法である。
【0041】
ビニルモノマーのグラフト重合としては、ビニルモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、或いはスチレンを使用することができる。なお、スチレンをグラフト重合した場合には、電解液との親和性を付与するために、スルホン化するのが好ましい。これらの中でも、アクリル酸は電解液との親和性に優れているため、好適に使用できる。
【0042】
これらビニルモノマーの重合方法としては、例えば、ビニルモノマーと重合開始剤を含む溶液中に不織布を浸漬して加熱する方法、不織布にビニルモノマーを塗布した後に放射線を照射する方法、不織布に放射線を照射した後にビニルモノマーと接触させる方法、増感剤を含むビニルモノマー溶液を不織布に含浸した後に紫外線を照射する方法などがある。なお、ビニルモノマー溶液と不織布とを接触させる前に、紫外線照射、コロナ放電、プラズマ放電などにより、不織布表面を改質処理すると、ビニルモノマー溶液との親和性が高いため、効率的にグラフト重合できる。
【0043】
界面活性剤処理としては、例えば、アニオン系界面活性剤(例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸塩、もしくはスルホコハク酸エステル塩など)、又はノニオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、もしくはポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなど)の溶液中に不織布を浸漬したり、この溶液を不織布に塗布、散布、又はコーティングして付着させることができる。
【0044】
放電処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、沿面放電処理、又は電子線処理などがある。
【0045】
親水性樹脂付与処理としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、架橋可能なポリビニルアルコール、又はポリアクリル酸などの親水性樹脂を付着させることができる。これらの親水性樹脂は適当な溶媒に溶解又は分散させた後、この溶媒中に不織布を浸漬したり、この溶媒を不織布に塗布、散布、又はコーティングし、乾燥して付着させることができる。なお、親水性樹脂の付着量は、通気性を損なわないように、セパレータ全体の0.3〜1mass%であるのが好ましい。
【0046】
この架橋可能なポリビニルアルコールとしては、例えば、水酸基の一部を感光性基で置換したポリビニルアルコールがあり、より具体的には、感光性基としてスチリルピリジニウム系のもの、スチリルキノリニウム系のもの、スチリルベンゾチアゾリウム系のもので置換したポリビニルアルコールがある。この架橋可能なポリビニルアルコールも他の親水性樹脂と同様にして不織布に付着させた後、光照射によって架橋させることができる。このような水酸基の一部を感光性基で置換したポリビニルアルコールは、耐アルカリ性に優れ、しかもイオンとキレート形成できる水酸基を多く含んでおり、放電時及び/又は充電時に、極板上に樹枝状の金属が析出する前のイオンとキレートを形成し、電極間の短絡を生じにくいので、好適に使用できる。
【0047】
このようにして得られる本発明のセパレータの面密度は30〜100g/m2、より好ましくは40〜80g/m2である。面密度が30g/m2未満であると、引張強さが不足する場合があり、100g/m2を越えると、厚さが厚くなり過ぎるためである。
【0048】
本発明のセパレータのたて方向(長さ方向)における引張強さは、電池(極板群構成)を製造する段階の張力によって破断しないように、80N/50mm以上であるのが好ましく、100N/50mm以上であるのがより好ましい。この引張強さは、幅50mmのセパレータを引張強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUTM−III−100)に固定し(チャック間の距離100mm)、引張速度300mm/minで測定した値をいう。
【0049】
本発明のセパレータのたて方向における引き裂き強度は、電池(極板群構成)を製造する際に、極板等のエッジによりセパレータが引き裂かれるのを防ぐために、10N/50mm以上であるのが好ましく、20N/50mm以上であるのがより好ましく、25N/50mm以上であるのが最も好ましい。なお、この引き裂き強度はJIS L 1096−1990(一般織物試験方法、トラペゾイド法)により得られる値をいう。
【0050】
本発明のセパレータのたて方向における剛軟度は、電池(極板群構成)を製造する際に、セパレータの形状を保ち、極板とセパレータとが巻きずれを生じないように、10mg以上であるのが好ましく、15mg以上であるのがより好ましい。なお、この剛軟度はJIS L 1096(曲げ反発性、A法(ガーレー法))により得られる値をいう。
【0051】
このように、本発明のセパレータは電解液の保持性に優れるのはもちろんのこと、ショート防止性、引き裂き強度、剛軟度も優れているため、安定して電池を製造できるものである。
【0052】
本発明のセパレータは、例えば、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気電池などの一次電池、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池などの二次電池に使用できる。
【0053】
以下に、本発明のセパレータの実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0054】
【実施例】
(実施例1)
分割繊維Aとして、図1に示すような、ポリプロピレン成分(図中記号12、扇状で、線密度20.8μg/mのポリプロピレン極細繊維A1(融点:160℃)を8本発生可能)と、エチレン−ビニルアルコール共重合成分(図中記号11、線密度20.8μg/mのエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2を8本発生可能)とからなる、オレンジ状断面を有する、線密度333μg/m、繊維長6mmの繊維20mass%、分割繊維Bとして、図3に示すような、ポリプロピレン成分(図中記号12、円形状で、線密度2.2μg/mのポリプロピレン極細繊維B 1−2 (融点:160℃)を1本発生可能、扇状で、線密度8.9μg/mのポリプロピレン極細繊維B1−2(融点:160℃)を8本発生可能)と、高密度ポリエチレン成分(図中記号11、線密度8.9μg/mの高密度ポリエチレン極細繊維B 1−1 (融点:130℃)を8本発生可能)とからなる、オレンジ状断面を有する、線密度144μg/m、繊維長15mmの繊維20mass%、高強度繊維として、単繊維強度9g/d、線密度222μg/m、繊維長10mmのポリプロピレン繊維(融点:160℃)35mass%、及び融着繊維として、芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分が低密度ポリエチレン(融点:110℃)からなる、線密度222μg/m、繊維長10mmの芯鞘型繊維25mass%とを混合分散させたスラリーを、常法の湿式抄造法により繊維ウエブを形成した。
【0055】
次いで、この繊維ウエブを125℃で熱処理することにより、融着繊維の低密度ポリエチレン成分のみを融着した。次いで、この融着繊維ウエブを線径0.15mmのネット上に載置し、ノズル径0.13mm、ピッチ0.6mmのノズルプレートから圧力12.7MPaの水流を両面交互に2回づつ噴出して、分割繊維A及びBの分割、及び繊維を絡合した。その後、絡合繊維ウエブを125℃で熱処理して、融着繊維の低密度ポリエチレン成分のみを再度融着し、更にこの融着不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理した後、フッ素ガス、酸素ガス、及び二酸化硫黄ガスの混合ガスによりフッ素ガス処理を行い、面密度50g/m2、厚さ0.12mmのセパレータを形成した。
【0056】
(実施例2)
実施例1と同じ分割繊維Aを35mass%、実施例1と同じ分割繊維Bを20mass%、実施例1と同じ高強度繊維を20mass%、及び実施例1と同じ融着繊維を25mass混合分散させたスラリーを、常法の湿式抄造法により繊維ウエブを形成した。次いで、実施例1と全く同様に、熱処理、分割及び絡合処理、熱処理、カレンダー処理、及びフッ素ガス処理を行い、面密度50g/m2、厚さ0.12mmのセパレータを形成した。
【0057】
(実施例3)
実施例1と全く同様にして、繊維ウエブの形成、熱処理、分割及び絡合処理、熱処理、カレンダー処理、及びフッ素ガス処理を行い、面密度60g/m2、厚さ0.15mmのセパレータを形成した。
【0058】
(実施例4)
実施例1と同じ分割繊維Aを40mass%、実施例1と同じ高強度繊維35mass%、及び実施例1と同じ融着繊維25mass%混合分散させたスラリーを、常法の湿式抄造法により面密度30g/m2の湿式繊維ウエブを形成した。
【0059】
他方、繊維長が25mmであること以外は実施例1の分割繊維Bと全く同じ分割繊維Bを40mass%、繊維長が45mmであること以外は実施例1の高強度繊維と全く同じ高強度繊維35mass%、及び繊維長が38mmであること以外は実施例1の融着繊維と全く同じ融着繊維25mass%をカーディングして、一方向性繊維ウエブを形成した。この一方向性繊維ウエブ上に、同様に形成した一方向性繊維ウエブをクロスレイヤーにより、この一方向性繊維ウエブの長さ方向に対して交差させて、面密度20g/m2の積層繊維ウエブを形成した。
【0060】
次いで、湿式繊維ウエブを積層繊維ウエブの交差した繊維ウエブ側に積層した後、実施例1と全く同様に、熱処理、分割及び絡合処理、熱処理、カレンダー処理、及びフッ素ガス処理を行い、面密度50g/m2、厚さ0.12mmのセパレータを形成した。
【0061】
(実施例5)
実施例4と全く同様にして形成した面密度40g/m2の湿式繊維ウエブを使用したこと以外は、実施例4と全く同様にして、積層繊維ウエブと湿式繊維ウエブとの積層、熱処理、分割及び絡合処理、熱処理、カレンダー処理、及びフッ素ガス処理を行い、面密度60g/m2、厚さ0.15mmのセパレータを形成した。
【0062】
(比較例1)
実施例1と同じ分割繊維Bを40mass%、実施例1と同じ高強度繊維を35mass%、及び実施例1と同じ融着繊維を25mass混合分散させたスラリーを、常法の湿式抄造法により繊維ウエブを形成した。次いで、実施例1と全く同様に、熱処理、分割及び絡合処理、熱処理、カレンダー処理、及びフッ素ガス処理を行い、面密度50g/m2、厚さ0.12mmのセパレータを形成した。
【0063】
(比較例2)
実施例1と同じ分割繊維Aを45mass%、実施例1と同じ高強度繊維を30mass%、及び実施例1と同じ融着繊維を25mass混合分散させたスラリーを、常法の湿式抄造法により繊維ウエブを形成した。次いで、実施例1と全く同様に、熱処理、分割及び絡合処理、熱処理、カレンダー処理、及びフッ素ガス処理を行い、面密度50g/m2、厚さ0.12mmのセパレータを形成した。
【0064】
(比較例3)
実施例1と同じ分割繊維Bを40mass%、実施例1と同じ融着繊維を25mass、及び単繊維強度4g/d、線密度222μg/m、繊維長10mmのポリプロピレン繊維(融点:160℃)35mass%を混合分散させたスラリーを、常法の湿式抄造法により繊維ウエブを形成した。次いで、実施例1と全く同様に、熱処理、分割及び絡合処理、熱処理、カレンダー処理、及びフッ素ガス処理を行い、面密度50g/m2、厚さ0.12mmのセパレータを形成した。
【0065】
(各種物性)
実施例1〜5及び比較例1〜3のセパレータのたて方向(長さ方向)における引張強さ、たて方向における引き裂き強度、及びたて方向における剛軟度は表1に示す通りであった。
【0066】
【表1】
【0067】
(耐貫通指数)
実施例1〜5及び比較例1〜3のセパレータを各々重ねて、合計約2mmの厚さとし、その一番上のセパレータに対して、ハンディー圧縮試験機(カトーテック製、KES−G5)に取り付けられたステンレス製ジグ(厚さ:0.5mm、先端の刃先角度:60°)を、0.01cm/sの速度で垂直に突き刺し、一番上のセパレータを切断するのに要する力を測定した。この時、比較例3のセパレータを切断するために要する力を基準(100)とした時の、各セパレータを切断するために要する力の比率を、そのセパレータの耐貫通指数(%)とした。この結果は表1に示す通りであった。
【0068】
(加圧保液率)
直径30mmに裁断した実施例1〜5及び比較例1〜3のセパレータをそれぞれ、温度20℃、相対湿度65%の状態下で、水分平衡に至らせた後、質量(M0)を測定した。次に、セパレータ中の空気を水酸化カリウム溶液で置換するように、比重1.3(20℃)の水酸化カリウム溶液中に1時間浸漬し、水酸化カリウム溶液を保持させた。次に、このセパレータを上下3枚づつのろ紙(直径30mm)で挟み、加圧ポンプにより、5.7MPaの圧力を30秒間作用させた後、セパレータの質量(M1)を測定した。そして、下記の式により、加圧保液率を求めた。なお、この測定は1つのセパレータに対して4回行ない、その平均を加圧保液率とした。この結果は表1に示す通りであった。
記
加圧保液率(%)=[(M1−M0)/M0]×100
【0069】
(サイクル寿命試験)
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式ニッケル正極(33mm、182mm長)と、ペースト式水素吸蔵合金負極(メッシュメタル系合金、33mm、247mm長)とを作成した。次いで、33mm幅、410mm長に裁断した実施例1〜5及び比較例1〜3のセパレータを、それぞれ正極と負極との間に挟み込み、渦巻き状に巻回して、SC型対応の電極群を作成した。この電極群を外装缶に収納し、電解液として5N−水酸化カリウム及び1N−水酸化リチウムを外装缶に注液し、封缶して円筒型ニッケル−水素電池を作成した。
【0070】
次いで、それぞれの円筒型ニッケル−水素電池を、0.2C、150%充電と、1C放電、終止電圧1.0V放電からなる充放電サイクルを繰り返し、放電容量が初期容量の50%となった時点で、充放電サイクル寿命が尽きたと判断し、充放電サイクル寿命を測定した。この結果は表1に示すが、実施例1のサイクル数を基準(100)とした時の、比率で表記した。
【0071】
(電池内圧試験)
(サイクル寿命試験)で用いたものと同様に形成した円筒型ニッケル−水素電池を、0.5C、20℃で放電を行い、容量の150%での電池内圧を測定した。この結果は表1に示すが、比較例1の内圧を基準(100)とした時の、比率で表記した。
【0072】
【発明の効果】
本発明のアルカリ電池用セパレータは、物理的作用により分割して、ポリオレフィン極細繊維A1とエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2とを発生可能な分割繊維Aを5〜40mass%、物理的作用により分割して、ポリオレフィン極細繊維B1のみを発生可能な分割繊維Bを5〜55mass%、単繊維強度が5g/d以上の高強度繊維を15〜50mass%、及び該分割繊維A構成樹脂成分、該分割繊維B構成樹脂成分、及び該高強度繊維構成樹脂成分の融点よりも低い融点を有する樹脂成分を少なくとも繊維表面に有する融着繊維を20〜35mass%含む繊維ウエブに対して、該分割繊維A、Bの分割処理、繊維の絡合処理、及び該融着繊維の融着処理を行なって不織布を形成し、この不織布を親水化処理したものである。
【0073】
このように、本発明のセパレータはポリオレフィン系極細繊維(A1、A2、B1)を主体としているため、耐アルカリ性に優れている。また、本発明のセパレータはエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2などの極細繊維を含んでおり、しかも親水化処理されているため、セパレータ表面付近は主として親水化処理によって電解液を保持でき、セパレータ内部はエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2の親水性によって電解液を保持できるため、電解液の保持性に優れている。このように、セパレータ内部においても電解液の保持性に優れているため、過充電時における酸素吸収性に優れ、内圧特性が優れている。更には、高強度繊維を含んでいることにより、極板のバリがセパレータを突き抜けるのを防止できるため、本発明のセパレータを使用すれば、歩留り良く電池を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分割繊維A及び分割繊維Bの模式的な断面図
【図2】 本発明の他の分割繊維A及び分割繊維Bの模式的な断面図
【図3】 本発明の他の分割繊維A及び分割繊維Bの模式的な断面図
【図4】 本発明の他の分割繊維A及び分割繊維Bの模式的な断面図
【図5】 本発明の他の分割繊維A及び分割繊維Bの模式的な断面図
【符号の説明】
1 分割繊維
11 一成分
12 他成分
Claims (3)
- 物理的作用により分割して、ポリオレフィン極細繊維A1とエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維A2とを発生可能な分割繊維Aを5〜40mass%、物理的作用により分割して、ポリオレフィン極細繊維B1のみを発生可能な分割繊維Bを5〜55mass%、単繊維強度が5g/d以上の高強度繊維を15〜50mass%、及び該分割繊維A構成樹脂成分、該分割繊維B構成樹脂成分、及び該高強度繊維構成樹脂成分の融点よりも低い融点を有する樹脂成分を少なくとも繊維表面に有する融着繊維を20〜35mass%含む繊維ウエブに対して、該分割繊維A、Bの分割処理、繊維の絡合処理、及び該融着繊維の融着処理を行なって不織布を形成し、この不織布を親水化処理したことを特徴とする、アルカリ電池用セパレータ。
- 分割繊維Bが高密度ポリエチレンとポリプロピレンからなり、融着繊維の高強度繊維構成樹脂成分の融点よりも低い融点を有する樹脂成分が低密度ポリエチレンからなることを特徴とする、請求項1記載のアルカリ電池用セパレータ。
- 融着繊維が融着していることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のアルカリ電池用セパレータ。
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