JP4560175B2 - 放射線画像撮影装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は放射線撮影装置に関するものであり、例えば、X線フラットパネルセンサで直接検出して被写体を撮像する構成の放射線画像撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ある種の蛍光体に放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)を照射すると、この放射線エネルギーの一部が蛍光体中に蓄積され、この蛍光体に可視光等の励起光を照射すると、蓄積されたエネルギーに応じて蛍光体が輝尽発光を示すことが知られており、このような性質を示す蛍光体は蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)呼ばれる。この蓄積性蛍光体を利用して、人体等の被写体の放射線画像情報を一旦蓄積性蛍光体のシートに記録し、この蓄積性蛍光体シートをレーザ光等の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得られた輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得、この画像信号に基づき写真感光材料等の記録材料、CRT等の表示装置に被写体の放射線画像を可視像として出力させる放射線画像情報記録再生システムが提案されている(特開昭55−12429号、同56−11395号など)。
【0003】
また、近年においては半導体のセンサを使用して同様にX線画像を撮影する装置が開発されている。これらのシステムは、従来の銀塩写真を用いる放射線写真システムと比較して極めて広い放射線露出域にわたって画像を記録しうるという実用的な利点を有している。すなわち、非常に広いダイナミックレンジのX線を光電変換手段により読み取って電気信号に変換し、この電気信号を用いて写真感光材料等の記録材料、CRT等の表示装置に放射線画像を可視像として出力させることによって、放射線露光量の変動に影響されない放射線画像を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
X線画像は、高分解能化が進み43×35cmの半切細部の画像に対して、2000×2500画素、あるいはそれ以上の画素から構成される。一般にX線画像装置は画像処理手段をもち、この画像処理手段で生画像に対して画像処理をおこなった処理画像(QA画像)が診断画像となり、プリンターあるいは診断用のPACSに出力される。この際、生画像は撮影装置本体の磁気ディスクにテンポラリに保存されることが多く、テンポラリー領域が一杯になれば撮影日等を参照しながら消去されていた。しかしこれらの生画像は装置の撮影ログという意味で、画像処理パラメータの開発という目的で、なるべく多くの生画像情報を保存することが望まれていた。
【0005】
一方従来技術としては、画像保存装置(サーバー)に於いて、画像の付帯情報をもとに画像圧縮率を変更しながら画像を保存する装置がすでに提案されているが、これらは診断の際の参照画像、あるいは訴訟の際の証拠画像として目的があり、本発明で提案しているような装置のログ的な情報ではない。たとえば、X線画像の場合、センサの全面に対してX線を照射するのでなく、X線を絞って撮影することがあるが、プリンタ、ネットワークに出力される画像は、画像処理によりX線照射されている領域だけが切り取られた画像である。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、撮影装置本体のログ情報を用いた効率の良い放射線撮影画像処理を行うことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の放射線画像撮影装置は、放射線画像検出手段と、前記放射線画像検出手段からの生画像を保存する生画像保存手段と、前記生画像の付帯情報に基づき、前記生画像を縮小し、縮小した前記生画像を縮小生画像として前記生画像保存手段に保存し、前記付帯情報および縮小生画像リミットに基づき、前記縮小生画像を圧縮し、圧縮した前記縮小生画像を前記生画像保存手段に保存し、前記付帯情報および圧縮した縮小生画像リミットに基づき、圧縮した前記縮小生画像を前記生画像保存手段から消去する画像管理手段とを有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態の放射線画像撮影装置の主要構成要素を示す。501は患者を透過したX線分布を画像化するためのX線フラットパネルセンサーである。本実施の形態では、アモルファスのセンサを使用しており、等価回路は図5にしめす。
【0009】
図示しないセンサ駆動回路は、センサに読み出し信号を送信して各画素に蓄積された電荷を読み出すためのスイッチングを行う。同様に、読み出された電荷をアンプで増幅しAD変換して、画像管理手段503に転送され、生画像保存装置502に保存される。ここで生画像は、純粋な生画像でなく、センサー501の各画素オフセットとゲインを補正した生画像である。オフセットはセンサの積分時間に依存するので、オフセットが含まれた画像を保存しておく必要はない。また、ゲイン補正に関しても、温度によりゲイン分布が異なる可能性があるので、ゲイン補正、あるいはゲイン補正を行う際におこなうLOG変換まで含めて生画像とする。ただし、ゲイン補正用画像は、1日、1週間、あるいは1ヶ月周期で撮影されるが、これは別途過去ログとして保存される。本発明に於いては、このゲイン補正用画像に関しても過去ログ情報として、縮小あるいは縮小圧縮保存される。
【0010】
画像管理手段503は、放射線情報システム507からの撮影用要求を受信する撮影要求受信回路504、画像縮小手段505、および画像圧縮手段506より構成される。
【0011】
図2に放射線情報システム507に入力された、あるいは放射線情報システム507に図示しない病院情報システムから転送された撮影要求リストを示す。ここでは、6月23日と6月24日分の要求リストを表示している。6月24日の撮影が完了した時点では、画像管理手段503内での撮影画像リストは右に示すようになっている。
【0012】
仮に本実施例で示す装置の生画像のサイズが2000×2500×16ビットで10Mバイト、生画像保存装置502の記憶容量が120Mバイトとする。画像管理手段503は6月23日分の撮影が完了した時点では、23日分の10枚の撮影に関しての生画像はオリジナルのサイズで保存する。
【0013】
24日の撮影が始まった時点に於いて、生画像保存装置502の空き容量は20Mバイトであり、岩手幾子さんの撮影が開始された時点で、6月23日分の画像を縮小せずには岩手さんの生画像を3枚保存することが不可能であることが判明する。
【0014】
画像管理手段503は、この時点で6月23日に撮影した秋田さんの画像を縮小する。秋田さんの3枚の1枚を縮小することも考えられるが、本実施例においては同じ患者の同じスタディに分類される画像は、同時期に保存状況が変更される。具体的には、画像縮小手段505により各辺を10分の1に圧縮して、200×250画素の生画像に縮小変換される。縮小率は図示しない設定手段により変更することが可能である。
【0015】
縮小画像のサイズは100Kバイトであり、秋田さんの3枚の画像の縮小および、24日の岩手さんの3枚の撮影が完了した時点で、生画像保存装置502に占有する生画像の容量は、オリジナル画像分が100Mバイト、圧縮された生画像分が300Kバイトとなる。同様に、つぎの町田さんの撮影が始まる時点で、23日の栃木さんの5枚が縮小され、町田さんの3枚の撮影が完了すると、生画像保存装置502に占有する生画像の容量は、オリジナル画像分が80Mバイト、圧縮された生画像分が500Kバイトとなる。
【0016】
これを繰り返していくと生画像をオリジナルで保存できる領域がなくなることになる。実際には、縮小された生画像の領域が設定可能な容量を超えないように画像管理される。具体的には、縮小生画像は20Mバイトを超えないように管理されるとすれば、120Mバイトの容量をもつ生画像保存装置502で、縮小画像が200枚、オリジナルサイズで生画像が10枚管理可能となる。
【0017】
また、縮小画像に対して画像の分解能を変えずに、冗長度圧縮を行う画像圧縮処理を行うことにより、さらに生画像の保存枚数を増やすことが可能である。具体的には、画像圧縮手段506により縮小生画像の容量が20Mバイトを超えようとする祭には、200×250画素、100Kバイトの縮小画像に対して、20分の1の画像圧縮が適用され、5Kバイトに圧縮される。
【0018】
ただし、これに関しても繰り返してゆくと、縮小生画像すべてが圧縮画像になってしまうので、圧縮された縮小生画像の領域に関しても10Mバイトを超えないように画像管理される。つまり、120Mバイトの容量をもつ生画像保存装置502で、圧縮された縮小生画像が、2000枚、縮小生画像が100枚、オリジナルサイズに生画像が10枚管理可能となる。そして、圧縮された縮小生画像が10Mバイトを超える分に関しては、さらなる画像圧縮も可能であるが、本実施例では画像は完全に消去される。
【0019】
以上の画像管理手段の処理フローを図3に示す。
【0020】
まず、ステップS301において、新規の撮影要求があると、ステップS302でオリジナルサイズでの記憶が可能であるか否かを判断し、可能の場合には、縮小圧縮処理を行わない(ステップS308)。
【0021】
一方オリジナルサイズでの記憶ができない場合には、ステップS303で画像の付帯情報から判断して、要求度の低い生画像を縮小生画像にする。
【0022】
次にステップS304で縮小生画像の容量がSLを超えるか否かを判断し、超えなければステップS308へ移り、超えれば画像の付帯情報から判断して、要求度の低い縮小生画像を圧縮した縮小圧縮画像にする(ステップS305)。
【0023】
そして、ステップS306で圧縮済み縮小生画像の容量がCLを超えるか否かを判断し、超えなければステップS308へ移り、超えれば画像の付帯情報から判断して、要求度の低い圧縮済み縮小生画像を消去する(ステップS307)。
【0024】
以上の例では、生画像の縮小を患者のスタディ単位で決定したが、画像単位で決定してもよい。また、画像の付帯情報として撮影日のみを示しているが、放射線情報誌システム(RIS)からの情報として、医師が対象画像を診断した日時、あるいは医師が画像を参照した日時を受信して、これらの情報をもとに、オリジナルサイズで保存するか、縮小画像で保存するか、圧縮画像で保存するかの保存モードで決定してもよい。
【0025】
画像の管理手段503をコンピュータで実現する場合には、以上の画像縮小、画像圧縮は装置の撮影に影響がないようにバックグランドで行われる。
【0026】
図4を用いて、本実施例のX線撮像システムの全体を説明する。101はX線室、102はX線制御室、103は診断室を表している。本X線撮像システムの全体的な動作はシステム制御部110によって支配される。システム制御部110の機能は、主に以下に述べるものであるが、図1に示した画像管理手段503はシステム制御部110の一部の機能である。
【0027】
操作者インターフェース111は、ディスプレイ上のタッチパネル、マウス、キーボード、ジョイスティック、フットスイッチなどがある。操作者インターフェース111から撮像条件(静止画、動画、X線管電圧、管電流、X線照射時間など)および撮像タイミング、画像処理条件、被検者ID、取込画像の処理方法などの設定を行うことが出来るが、ほとんどの情報は放射線情報システム507から転送されるので、個別に入力する必要はない。操作者の重要な作業は、撮影した画像の確認作業である。つまり、アングルが正しいか、患者が動いていないか、画像処理が適切か等の判断をおこなう。
【0028】
そして、システム制御部110はX線撮像シーケンスを司る撮像制御部214に、撮像者105あるいは放射線情報システム507の指示に基づいた撮像条件を指示し、データを取り込む。撮像制御部214はその指示に基づき、放射線源211であるX線発生装置120、撮像用寝台130、X線検出器140を駆動して画像データを取り込み、画像処理部10に転送後、操作者指定の画像処理を施してディスプレイ160に表示、同時にオフセット補正、LOG変換、およびゲイン補正の基本画像処理を行った生データを外部記憶装置161に保存する。
外部記憶装置161は、図1で示した生画像保存装置502を含んだ構成であり、外部記憶装置161には、生画像の他に処理プログラム、保存画像リスト、ゲイン補正用画像等が保存される。
【0029】
さらに、システム制御部110は撮像者105の指示に基づいて、再画像処理及び再生表示、ネットワーク上の装置へ画像データを転送して保存、ディスプレイ表示やフィルムへ印刷などを行う。
【0030】
次に、信号の流れを追って順次説明を加える。
【0031】
X線発生装置120にはX線管球121とX線絞り123とが含まれる。X線管球121は撮像制御部214に制御された高圧発生電源124によって駆動され、X線ビーム125を放射する。X線絞り123は撮像制御部214により駆動され、撮像領域の変更に伴い、不必要なX線照射を行わないようにX線ビーム125を整形する。X線ビーム125はX線透過性の撮像用寝台130の上に横たわった被検体126に向けられる。撮像用寝台130は、撮像制御部214の指示に基づいて駆動される。X線ビーム125は、被検体126および撮像用寝台130を透過した後にX線検出器140に照射される。
【0032】
X線検出部140はグリッド141、シンチレータ142、光検出器アレー8、X線露光量モニタ144および駆動回路145から構成される。グリッド141は、被検体126を透過することによって生じるX線散乱の影響を低減する。
グリッド141はX線低吸収部材と高吸収部材とから成り、例えば、AlとPbとのストライプ構造をしている。そして、光検出器アレー8とグリッド141との格子比の関係によりモワレが生じないようにX線照射時には撮像制御部214の指示に基づいてグリッド141を振動させる。図1で示したX線フラットパネルセンサー501の必須構成要素としては、シンチレータ142、光検出器アレー8および駆動回路145である。
【0033】
シンチレータ142ではエネルギーの高いX線によって蛍光体の母体物質が励起され、再結合する際の再結合エネルギーにより可視領域の蛍光が得られる。その蛍光はCaWo4やCdWO4などの母体自身によるものやCsl:TlやZnS:Agなどの母体内に不活された発光中心物質によるものがある。
【0034】
このシンチレータ142に隣接して光検出器アレー8が配置されている。この光検出器アレー8は光子を電気信号に変換する。X線露光量モニタ144はX線透過量を監視するものである。X線露光量モニタ144は結晶シリコンの受光素子などを用いて直接X線を検出しても良いし、シンチレータ142からの光を検出してもよい。この例では、光検出器アレー8を透過した可視光(X線量に比例)を光検出器アレー8基板裏面に成膜されたアモーファスシリコン受光素子で検知し、撮像制御部214にその情報を送り、撮像制御部214はその情報に基づいて高圧発生電源124を駆動してX線を遮断あるいは調節する。駆動回路145は、撮像制御部214の制御下で、光検出器アレー(フラットパネルセンサ)8を駆動し、各画素から信号を読み出す。光検出器アレー8、周辺駆動回路145については後で詳述する。
【0035】
X線検出部140からの画像信号は、X線室101からX線制御室102内の画像処理部10へ転送される。この転送の際、X線室101内はX線発生に伴うノイズが大きいため、画像データがノイズのために正確に転送されない場合が有るため、転送路の耐雑音性を高くする必要がある。誤り訂正機能を持たせた伝送系にする事やその他、例えば、差動ドライバによるシールド付き対より線や光ファイバによる転送路を用いることが望ましい。画像処理部10では、撮像制御部214の指示に基づき表示データを切り替える(後に詳しく述べる)。その他、画像データの補正、空間フィルタリング、リカーシブ処理などをリアルタイムで行ったり、階調処理、散乱線補正、DR圧縮処理などを行うことも可能である。
【0036】
処理された画像はディスプレイアダプタ151を介してディスプレイ160に表示される。またリアルタイム画像処理と同時に、データの補正のみ行われた基本画像は、高速記憶装置161に保存される。高速記憶装置161としては、大容量、高速かつ高信頼性を満たすデータ保存装置が望ましく、例えば、RAID等のハードディスクアレー等が望ましい。また、操作者の指示に基づいて、高速記憶装置161に蓄えられた画像データは外部記憶装置に保存される。その際、画像データは所定の規格(例えばIS&C)を満たすように再構成された後に、外部記憶装置に保存される。外部記憶装置は、例えば、光磁気ディスク162、LAN上のファイルサーバ170内のハードディスクなどである。
【0037】
本X線撮像システムはLANボード163を介して、LANに接続する事も可能であり、HISとのデータの互換性を持つ構造を有している。LANには、複数のX線撮像システムを接続する事は勿論のこと、画像を動画・静止画を表示するモニタ174、画像データをファイリングするファイルサーバ170、画像をフィルムに出力するイメージプリンタ172、複雑な画像処理や診断支援を行う画像処理用端末173などが接続される。本X線撮像システムは、所定のプロトコル(例えば、DICOM)に従って、画像データを出力する。その他、LANに接続されたモニタを用いて、X線撮像時に医師によるリアルタイム遠隔診断が可能である。
【0038】
図5に光検出アレー8の一例の等価回路を示す。以下の例は2次元アモーファスシリコンセンサについて説明を加えていくが、検出素子は特に限定する必要はなく、例えばその他の固体撮像素子(電荷結合素子など)あるいは光電子倍増管のような素子であってもA/D変換部の機能、構成については同様である。
【0039】
さて、図5に戻って説明を加える。1素子の構成は光検出部21と電荷の蓄積および読み取りを制御するスイッチングTFT22とで構成され、一般にはガラスの基板上に配されたアモーファスシリコン(α−Si)で形成される。光検出部21中の21−Cはこの例では単に寄生キャパシタンスを有した光ダイオードでもよいし、光ダイオード21−Dと検出器のダイナミックレンジを改良するように追加コンデンサ21−Cを並列に含んでいる光検出器と捉えても良い。ダイオード21−DのアノードAは共通電極であるバイアス配線Lbに接続され、カソードKはコンデンサ21−Cに蓄積された電荷を読みだすための制御自在なスイッチングTFT22に接続されている。この例では、スイッチングTFT22はダイオード21−DのカソードKと電荷読み出し用増幅器26との間に接続された薄膜トランジスタである。
【0040】
スイッチングTFT22と信号電荷はリセット用スイッチング素子25を操作してコンデンサ21−Cをリセットした後に、放射線1を放射することにより、光ダイオード21−Dで放射線量に応じた電荷発生し、コンデンサ21−Cに蓄積される。その後、再度、スイッチングTFT22と信号電荷はリセット用スイッチング素子25を操作して容量素子713に電荷を転送する。そして、光ダイオード21−Dにより蓄積された量を電位信号として前置増幅器26によって読み出し、A/D変換を行うことにより入射放射線量を検出する。
【0041】
図6は2次元に配列した光電変換装置を表した等価回路図である。図5で示された光電変換素子を具体的に2次元に拡張して構成した場合における光電変化動作について述べる。
【0042】
光検出アレー8の画素は2000×2000〜4000×4000程度の画素から構成され、アレー面積は200mm×200mm〜500mm×500mm程度である。図9において、光検出アレー8は4096×4096の画素から構成され、アレー面積は430mm×430mmである。よって、1画素のサイズは約105×105μmである。1ブロック内の4096画素を横方向に配線し、4096ラインを順に縦に配置する事により各画素を2次元的に配置している。
【0043】
上記の例では4096×4096画素の光検出器アレー8を1枚の基板で構成した例を示したが、4096×4096画素の光検出器アレー8を2048×2048個の画素を持つ4枚の光検出器で構成することもできる。2048×2048個の検出器を4枚で1つの光検出器アレー8を構成する場合は、分割して製作する事により歩留まりが向上するなどのメリットがある。
【0044】
前述の通り1画素は、光電変換素子21とスイッチングTFT22とで構成される。21−(1,1)〜21−(4096,4096)は前述の光電変換素子21に対応するものであり、光検出ダイオードのカソード側をK、アノード側をAと表している。22−(1,1)〜22−(4096,4096)はスイッチングTFT22に対応するものである。
【0045】
2次元光検出器アレー8の各列の光電変換素子21−(m,n)のK電極は対応するスイッチングTFT22−(m,n)のソース、ドレイン導電路によりその列に対する共通の列信号線(Lc1〜4096)に接続されている。例えば、列1の光電変換素子21−(1,1)〜(1,4096)は第1の列信号配線Lc1に接続されている。各行の光電変換素子21のA電極は共通にバイアス配線Lbを通して前述のモードを操作するバイアス電源31に接続されている。各行のTFT22のゲート電極は行選択配線(Lr1〜4096)に接続されている。例えば、行1のTFT22−(1,1)〜(4096,1)は行選択配線Lr1に接続される。行選択配線Lrはラインセレクタ部32を通して撮像制御部33に接続されている。ラインセレクタ部32は例えばアドレスデコーダ34と4096個のスイッチ素子35から構成される。この構成により任意のラインLrnを読み出すことが可能である。ラインセレクタ部32は最も簡単に構成するならば単に液晶ディスプレイなどに用いられているシフトレジスタによって構成することも可能である。
【0046】
列信号配線Lcは撮像制御部33により制御される信号読み出し部36に接続されている。25は列信号配線Lrをリセット基準電源24の基準電位にリセットするためのスイッチ、26は信号電位を増幅するための前置増幅器、38はサンプルホールド回路、39はアナログマルチプレクサ、40はA/D変換器をそれぞれ表す。それぞれの列信号配線Lrnの信号は前置増幅器26により増幅されサンプルホールド回路38によりホールドされる。その出力はアナログマルチプレクサ39により順次A/D変換器40へ出力されディジタル値に変換され図示しない画像処理部10に転送される。
【0047】
本実施の形態の光電変換装置は4096×4096個の画素を4096個のラインLcnに分け、1列あたり4096画素の出力を同時に転送し、この列信号配線Lcを通して前置増幅器26−1〜4096、サンプルホールド部38−1〜4096を通してアナログマルチプレクサ39によって順次、A/D変換器40に出力される。
【0048】
図6ではあたかもA/D変換器40が1つで構成されているように表されているが、実際には4〜32の系統で同時にA/D変換を行う。これは、アナログ信号帯域A/D変換レートを不必要に大きくすることなく、画像信号の読み取り時間を短くすることが要求されるためである。
【0049】
蓄積時間とA/D変換時間とは密接な関係にあり、高速にA/D変換を行うとアナログ回路の帯域が広くなり所望のS/Nを達成することが難しくなる。従って、A/D変換速度を不必要に速くすることなく、画像信号の読み取り時間を短くすることが要求される。そのためには、多くのA/D変換器40を用いてA/D変換を行えばよいが、その場合はコストが高くなる。よって、上述の点を考慮して適当な値を選択する必要がある。
【0050】
放射線1の照射時間はおよび10〜500msecであるので、全画面の取り込み時間あるいは電荷蓄積時間を100msecのオーダーあるいはやや短めにすることが適当である。
【0051】
例えば、全画素を順次駆動して100msecで画像を取り込むために、アナログ信号帯域を50MHz程度にし、例えば、10mHzのサンプリングレートでA/D変換を行うと、最低でも4系統のA/D変換器40が必要になる。本撮像装置では16系統で同時にA/D変換を行う。16系統のA/D変換器40の出力はそれぞれに対応する16系統の図示しないメモリ(FIFOなど)に入力される。そのメモリを選択して切り替えることで連続した1ラインの走査線にあたる画像データとして以後の画像処理部10、あるいはそのメモリに転送される。この後、画像、グラフとしてディスプレイなどの表示装置に表示を行う。
【0052】
以上の様な構成により、テンポラリーに保存する生画像を、画像の付帯情報をもとに縮小、圧縮して管理できるので、装置のログ情報としての生画像の枚数を増やすことが出来る。
【0053】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば、撮像装置本体のログ情報を用いた効率の良い放射線画像処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成を示す図
【図2】撮影要求リストを示す図
【図3】画像管理手段の処理を示すフローチャート
【図4】X線画像撮影装置の詳細な構成を示す図
【図5】センサ等価回路を示す図
【図6】フラットセンサパネルの回路図
【符号の説明】
505 画像縮小手段
506 画像圧縮手段
Claims (5)
- 放射線画像検出手段と、
前記放射線画像検出手段からの生画像を保存する生画像保存手段と、
前記生画像の付帯情報に基づき、前記生画像を縮小し、縮小した前記生画像を縮小生画像として前記生画像保存手段に保存し、
前記付帯情報および縮小生画像リミットに基づき、前記縮小生画像を圧縮し、圧縮した前記縮小生画像を前記生画像保存手段に保存し、
前記付帯情報および圧縮した縮小生画像リミットに基づき、圧縮した前記縮小生画像を前記生画像保存手段から消去する画像管理手段とを有することを特徴とする放射線画像撮影装置。 - 前記付帯情報は、画像撮影日からの経過日数、画像診断日からの経過日数、最終アクセス日からの経過日数の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
- 前記放射線画像検出手段で撮影した画像をゲイン補正するためのゲイン画像も前記画像管理手段で管理することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
- 前記画像管理手段は患者単位、あるいはスタディ単位で管理モードを変更することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
- 前記画像管理手段の画像管理はバックグランド処理でおこなわれることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
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