JP4555942B2 - 感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線基板 - Google Patents

感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線基板 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線基板に関するものである。
電気及び電子部品の小型化、軽量化、及び多機能化に伴い、回路形成用のドライフィルムレジストやソルダーレジスト、フォトビア法に用いる感光性樹脂コート層を形成するための感光性樹脂(感光性材料)にはプリント配線板上の高密度化に対応できるように、高解像度化が要求されている。これらの感光性樹脂は、原料となる感光性樹脂組成物を露光後、現像し画像形成することにより作製される。感光性樹脂組成物は露光により光硬化するが、硬化成分として感光性樹脂成分(光硬化性樹脂成分)のみを含有するものは、基板やその他の部材との密着性、並びに熱履歴を経た後の耐クラック性や耐電食性を全て十分に満足することが困難である。
そこで、上述の特性を満足することを意図して、硬化成分として上述の光硬化性樹脂に加えて熱硬化性樹脂をも含有した感光性樹脂組成物が開発・実用化されている。感光性樹脂組成物に含有される熱硬化性成分(樹脂)としては、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾオキサジン等が用いられている。
このような感光性樹脂組成物の一例として、特許文献1では、耐熱性及び配線層との密着性に優れ、且つ有機溶剤を使用しない水系の現像液を用いても解像度の優れた現像が可能な感光性樹脂組成物の提供を意図して、一分子中に少なくとも1個のフェノール性水酸基と少なくとも1個のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基とを有する化合物(A)、不飽和イミド化合物(B)、光重合開始剤(C)及び一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(D)を構成成分とする感光性樹脂組成物が提案されている。
一方、近年の更なる電子部品の小型化、高性能化に伴い、電子回路の微細化や絶縁層の薄型化が一層進行しているため、そのような電子回路や絶縁層に対応した材料に対する各種特性の要求が一段と厳しくなっており、例えば機械的特性が更に改善された材料の開発が望まれている。
特開2001−342230号公報
しかしながら、本発明者らは、上記特許文献1に記載のものを始めとする従来の感光性樹脂組成物では、近年要求されてきている程度の機械的特性を十分に満足した材料を提供できないことを見出した。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、従来のものに比して十分に優れた機械的特性、特に十分に高い引張強度を有する硬化物を形成可能な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、そのような感光性樹脂組成物を用いた永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分;加熱により開環し、それ自体が架橋し得る環状硬化剤、(B)成分;分子内にブロック剤由来の基を有し、加熱により前記ブロック剤由来の基が解離し得るブロック硬化剤、(C)成分;エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、及び(D)成分;光重合開始剤を含有することを特徴とする。
かかる感光性樹脂組成物を用いて形成された硬化物(膜状の場合は硬化膜)は、従来のものに比して十分な引張強度を有する。その要因は、現在のところ詳細には明らかにされていないが、本発明者らは、要因の一つを以下のように考えている。すなわち、(A)成分を硬化させるために本発明の感光性樹脂組成物を加熱すると、(B)成分分子内のブロック剤由来の基が解離し、(B)成分の分子内に活性基が生成する。この活性基が、(A)成分の開環により生成する活性種に対して何らかの作用を及ぼすためと本発明者らは推測している。ただし、要因はこれに限定されない。また、本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化物は、機械的特性の観点から、上述した引張強度以外に、十分に良好な伸び率及び十分に高いガラス転移温度(Tg)を示す傾向にある。これらの機械的特性の向上についても、本発明者らは(A)成分と(B)成分とを併用したことに起因していると本発明者らは考えている。
また、本発明の感光性樹脂組成物が上述の各成分を含有することにより、得られる硬化物は、優れた耐熱衝撃性を有するようになる。すなわち、その硬化物は、昇温及び降温を繰り返すような熱履歴を経てもクラックを生じ難くなる。さらに、熱硬化物を基板等に接着させて層状に形成した場合、上記熱履歴により、基板からの該熱硬化物の剥離を十分に抑制することができる。本発明の感光性樹脂組成物は、更に、耐PCT性、耐電食性、耐Ni/Auめっき性及びはんだ耐熱性に優れた硬化膜を形成可能となる。なおも更に、本発明の感光性樹脂組成物は、保存安定性に優れており、製造後しばらく放置されていても、所望のパターンを有する硬化膜を形成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(A)成分がビスマレイミド化合物であると好ましく、(B)成分がブロックイソシアネート化合物であると好ましい。これにより、得られる硬化物の機械的特性を一層向上させることができる。さらに、(C)成分が1分子当たり2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有すると、光硬化が容易に可能となる観点から好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(E)成分;カルボキシル基を有するポリマーを更に含有すると好ましく、その(E)成分がエチレン性不飽和結合を有し、重量平均分子量が3000〜100000であるとより好ましい。このようなポリマーを用いることにより、フィルム化の際に、ひび割れ等がより生じ難い、一層解像度に優れた永久レジスト用感光性フィルムを得ることが可能となる。
また、本発明の感光性樹脂組成物が固形分を含有しており、その固形分の酸価が10〜150mgKOH/gであると良好なアルカリ現像性を得る観点から好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、(A)成分20質量部に対して、(B)成分を10〜50質量部、(C)成分を10〜100質量部、及び(D)成分を0.1〜20質量部含有すると、上述のものを始めとする各種特性をバランスよく良好にすることができるので好ましい。
本発明の永久レジスト用感光性フィルムは、支持体と、該支持体上に形成された上述のの感光性樹脂組成物を含有する感光性樹脂組成物層とを備えることを特徴とする。この永久レジスト用感光性フィルムは、永久レジスト用の感光性樹脂組成物層上に、剥離可能なカバーフィルムを更に備えてもよい。
本発明のレジストパターンの形成方法は、絶縁基板と該絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層とを備える積層基板の絶縁基板上に、導体層を覆うように上述の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成し、該感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、感光性樹脂組成物層の露光部以外の部分を除去することを特徴とする。
本発明のプリント配線板は、絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層と、導体層を覆うように絶縁基板上に形成された永久レジスト層とを備えるプリント配線板であって、永久レジスト層が、上述の感光性樹脂組成物の硬化物からなるものであり、永久レジスト層は、導体層の一部が露出するように開口部を有することを特徴とする。
本発明によれば、従来のものに比して十分に優れた機械的特性、特に十分に高い引張強度を有する硬化物を形成可能な感光性樹脂組成物を提供することができる。また、そのような感光性樹脂組成物を用いた永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線基板を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基」及びそれに対応する「メタクリロイル基」を意味する。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分;加熱により開環し、それ自体が架橋し得る環状硬化剤、(B)成分;分子内にブロック剤由来の基を有し、加熱によりブロック剤由来の基が解離し得る化合物、(C)成分;エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、及び(D)成分;光重合開始剤を含有するものである。以下、各成分について説明する。
(A)成分である、加熱により開環し、それ自体が架橋し得る環状硬化剤とは、分子内に環状骨格を有し、熱を加えることによりその環状骨格が開環し高分子網目を形成する硬化剤を意味し、ビスマレイミド化合物が好ましい。
ビスマレイミド化合物は、下記一般式(1)で示される化合物であると好ましい。式(1)中、Rは、アルキレン基、アリーレン基、又は、アルキレン基及びアリーレン基を含む2価の基を示す。アルキレン基としては炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基がより好ましい。アリーレン基としては炭素数6〜20のアリーレン基が好ましく、炭素数6〜16のアリーレン基がより好ましい。また、アルキレン基及びアリーレン基を含む2価の基としては、下記一般式(2)又は(3)で示されるものが好ましい。
Figure 0004555942
Figure 0004555942
式(2)、(3)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を示し、R、R、R、R10、R11及びR12はそれぞれ独立にアルキル基又はハロゲン原子を示す。また、n、m、o、p、q及びrはそれぞれ1〜4の整数を示す。なお、R、R、R、R10、R11及びR12はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
、R、R及びRがアルキル基である場合、そのアルキル基としては炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましく、R、R、R、R10、R11及びR12がアルキル基である場合、そのアルキル基としては炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。
上記ビスマレイミド化合物としては、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチルビフェニレン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジメチルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−〔3,3’−ジエチルジフェニルメタン〕ビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−t−ブチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−s−ブチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕デカン、1,1−ビス〔2−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)−5−t−ブチルフェニル〕−2−メチルプロパン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−メチレン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−メチレン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2,6−ジ−s−ブチルベンゼン〕、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、4,4’−メチレン−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−2−ノニルベンゼン〕、4,4’−(1−メチルエチリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン〕、4,4’−(2−エチルヘキシリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−ベンゼン〕、4,4’−(1−メチルヘプチリデン)−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−ベンゼン〕、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス〔1−(マレイミドフェノキシ)−3−メチルベンゼン〕、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−エチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、3,8−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ−〔5.2.1.02,6〕デカン、4,8−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ−〔5.2.1.02,6〕デカン、3,9−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ−〔5.2.1.02,6〕デカン、4,9−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕−トリシクロ−〔5.2.1.02,6〕デカン、1,8−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタン、1,8−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタン、1,8−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メンタンなどを挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(B)成分である、分子内にブロック剤由来の基を有し加熱によりブロック剤由来の基が解離し得るブロック硬化剤(閉塞硬化剤)は、所定の化合物とブロック剤との反応により生成し、ブロック剤由来の基により一時的に不活性化されている化合物であり、所定温度で加熱するとそのブロック剤由来の基が解離し、活性基を生成する。かかる(B)成分としては、ブロックイソシアネート化合物が好ましい。ブロックイソシアネート化合物は、加熱するとイソシアネート基を生成する。ブロック剤と反応し得る所定の化合物としては特に限定されないが、例えばイソシアネート化合物が挙げられる。このイソシアネート化合物としては、イソシアヌレート型、ビウレット型、アダクト型が挙げられるが、これらのうちイソシアヌレート型を用いると、感光性樹脂組成物の基板等に対する密着性が一層向上する傾向にあるので好ましい。
ブロック剤と反応し得るイソシアネート化合物の具体例としては、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンダイマー等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートが挙げられる。これらのなかでは、耐熱性の観点から芳香族ポリイソシアネートが、着色防止の観点から脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートが、好ましい。
ブロック剤としては、活性水素を有しているものが好ましく、活性メチレン化合物、ジケトン化合物、オキシム化合物、フェノール化合物、アルカノール化合物及びカプロラクタム化合物などが挙げられる。具体的には、メチルエチルケトンオキシム、ε−カプロラクタムなどを用いることができる。
ブロックイソシアネート化合物は市販のものであってもよく、例えば、スミジュールBL−3175、同BL−4165、同BL−1100、同BL−1265、同BL−3272、デスモジュールTPLS−2957、同TPLS−2062、同TPLS−2957、同TPLS−2078、同TPLS−2117、デスモサーム2170、デスモサーム2265(以上、住友バイエルウレタン社製、商品名)、コロネート2512、コロネート2513、コロネート2520(以上、日本ポリウレタン工業社製、商品名)等が挙げられる。なお、スミジュールBL−3175、BL−4265はブロック剤としてメチルエチルオキシムを用いて得られるものであり、スミジュールBL−3272はブロック剤としてε−カプロラクタムを用いて得られるものである。
ブロックイソシアネート化合物におけるブロック剤由来の基の解離温度は、感光性樹脂組成物を用いる電子部品の構成材料への影響、製造環境、工程条件、材料保管温度などの観点から120〜200℃であると好ましい。
(C)成分である、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、感光性樹脂組成物の光感度や架橋密度の特性を向上させることができ、得られる硬化物をより強靭化することが可能となる。かかる光重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸をはじめ、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とからなる(メタ)アクリル酸エステル、イソシアヌレート環等の複素環を含有するアルコールと(メタ)アクリル酸とからなる(メタ)アクリル酸エステル、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート等の環状エーテルを含む構造の(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール化合物のジグリシジルエーテル化物又はポリエチレングリコール若しくはポリプロピレングリコールに(メタ)アクリル酸が付加した(メタ)アクリル酸エステル、ノボラック型エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸が付加した(メタ)アクリル変性ノボラック型エポキシ樹脂、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド、ウレタン基を有する(メタ)アクリル酸エステル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸の(メタ)アクリル酸エステル、トリグリシジルイソシアヌレートなどの上記以外のグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル、ジアリルフタレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(C)成分として、エチレン性不飽和結合を有し、更に、ジオール基、(メタ)アクリル基又はポリイソシアネート基を有するウレタン化合物を用いると、感光性樹脂組成物の硬化物により優れた可撓性を付与できる観点から好ましい。そのような化合物としては、例えば、AH−600、AT−600、VA−306H(以上、共栄化学社製、商品名)などが挙げられる。
あるいは、(C)成分として、1分子当たり2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光重合性化合物を用いると、光硬化が一層容易になる観点から好ましい。そのような化合物としては、例えば、DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、DPCA−20、DPCA−60(以上、日本化薬社製、商品名)、BPEシリーズ、Gシリーズ(以上、新中村化学工業社製)などが挙げられる。
(D)成分である光重合開始剤は、特に限定されないが、使用する露光機の光波長にあわせたものが好ましく、公知のものを利用することができる。例えば、ラジカル光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体などが挙げられる。
光重合開始剤としては、光照射でルイス酸が発生する光重合開始剤を用いることもできる。かかる光重合開始剤は、通常知られているものであり、カチオン型光反応開始剤として、例えば、トリフェニルスルフォンヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルフォンヘキサフルオロフォスフェート、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート、p−クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、4,4−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、(1−6−n−クメン)(n−ジクロペンタジニエル)鉄6フッ化リン酸等が挙げられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物中の各成分の配合割合は、(A)成分を20質量部とした場合、(B)成分を10〜50質量部、(C)成分を10〜100質量部、及び(D)成分を0.1〜20質量部とすると好ましい。(B)成分の配合割合が10質量部未満では、その硬化物が脆くなる傾向にあり、また、感光性樹脂組成物から得られる層とその層が形成される基板等との密着性が低下する傾向にある。(B)成分の配合割合が50質量部を越えると(A)成分の配合割合が相対的に低くなるため、感光性樹脂組成物を硬化して得られる樹脂のTgが低くなり十分な硬化膜特性が得られない傾向にあり、また、耐電食性が低下する傾向にある。
(C)成分の配合割合が10質量部未満、あるいは(D)成分の配合割合が0.1質量部未満では、光硬化が不十分となるため、該感光性樹脂組成物からレジストパターンを形成した場合に感度や解像度が低下する傾向にある。(C)成分の配合割合が100質量部を超えると、あるいは、(D)成分の配合割合が20質量部を超えると、得られる硬化物の耐熱性が低下する傾向にある。
本実施形態の感光性樹脂組成物において、その硬化物に良好なアルカリ現像性を付与する観点などから、(E)成分としてカルボキシル基を有するポリマーが更に含有されていると好ましい。(E)成分は感光性ポリマー(感光性プレポリマー)あるいは非感光性ポリマーのいずれであってもよい。カルボキシル基を有する感光性ポリマーとしては、エポキシ化合物と不飽和カルボン酸とを反応させて得られるエステル化合物に対する、飽和又は不飽和の多塩基酸無水物の付加反応により得られる化合物等が好適に用いられる。
上述のエステル化合物の原料となるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA又はビスフェノールFとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるビスフェノール型エポキシ化合物が挙げられる。そのような化合物として市販のものを用いてもよく、例えば、ZAR−1035、ZFR−1185(以上、日本化薬社製、商品名)、GY−260、GY−255、XB−2615(以上、日本チバガイギー社製、商品名)等のビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールA型、臭素化ビスフェノールA型、アミノ基含有、脂環式又はポリブタジエン変性等のエポキシ化合物が好適に用いられる。
また、ビスフェノール型エポキシ化合物以外では、フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール又はアルキルフェノール化合物とホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応して得られるノボラック化合物に、更にエピクロルヒドリンを反応させて得られるノボラック型エポキシ化合物が、(E)成分を得るための原料として適している。そのようなエポキシ化合物としては、例えば、PCR−1050、EOCN−120、BREN(以上、日本化薬社製、商品名)、YDCN−701、YDCN−704、YDPN−638、YDPN−602(以上、東都化成社製、商品名)、DEN−431、DEN−439(以上、ダウケミカル社製、商品名)、EPN−1299(チバガイギー社製、商品名)、N−730、N−770、N−865、N−665、N−673、VH−4150、VH−4240(以上、大日本インキ化学工業社製、商品名)等が挙げられる。
また、上記エポキシ化合物として、ビスフェノール型、ノボラック型のもの以外にも、例えば、EPPN502H、FAE2500(以上、日本化薬社製、商品名)等のサリチルアルデヒド−フェノール又はクレゾール型エポキシ化合物が好適に用いられる。あるいは、ポリアミド骨格、ポリアミドイミド骨格を有するエポキシ化合物も使用可能である。そのようなエポキシ化合物としては、例えば、エピコート828、エピコート1007、エピコート807(以上、ジャパンエポキシレジン社製、商品名)、エピクロン840、エピクロン860、エピクロン3050(以上、大日本インキ化学工業社製、商品名)、DER−330、DER−337、DER−361(以上、ダウ・ケミカル社製、商品名)、セロキサイド2021(ダイセル化学工業社製、商品名)、TETRAD−X、TETRAD−C(以上、三菱ガス化学社製、商品名)、EPB−13、EPB−27(以上、日本曹達社製、商品名)などの市販品、又は特開平8−260008号公報に記載のもの、あるいはこれらの混合物又はブロック共重合体が挙げられる。
上述の不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、飽和若しくは不飽和のジカルボン酸と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート又は不飽和モノグリシジル化合物とを反応させて得られるカルボン酸、飽和若しくは不飽和の多価カルボン酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレートとを反応させて得られるカルボン酸、あるいは、飽和若しくは不飽和のジカルボン酸と不飽和モノグリシジル化合物とを反応させて得られるカルボン酸に更に飽和若しくは不飽和の多価カルボン酸無水物を反応させて得られるカルボン酸が挙げられる。より具体的には、例えば、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、へキサヒドロフタル酸、マレイン酸又はコハク酸と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート又はグリシジル(メタ)アクリレートとを、常法により等モル比で反応させて得られる化合物が、上述の不飽和カルボン酸として挙げられる。これらの不飽和カルボン酸は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、良好な光重合性及び耐熱性の観点から、アクリル酸が好ましい。
上記飽和又は不飽和の多価カルボン酸無水物としてはフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸、トリメリット酸等の無水物が挙げられる。
上述のカルボキシル基を有する非感光性ポリマーとしては、例えば、アクリルポリマー、フェノキシポリマー等が挙げられる。アクリルポリマーとしては、有機溶剤中で、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル又は過酸化ベンゾイル等の重合開始剤を用いて、カルボキシル基を有するビニル重合性ポリマーと、それとは異なる構造を有するビニル重合性ポリマーとを、通常の溶液重合により反応させて得られるポリマーを用いることができる。上記カルボキシル基を有するビニル重合性ポリマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸又はイタコン酸等が挙げられる。また、カルボキシル基を有するものとは異なる構造を有するビニル重合性ポリマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン、α−メチルスチレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル又はジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(E)成分であるカルボキシル基を有するポリマーの重量平均分子量Mwは、良好な流動性及びアルカリ現像性の観点から、3000〜100000であると好ましく、5000〜100000であるとより好ましく、10000〜100000であると更に好ましい。同様の観点から、特に、そのカルボキシル基を有するポリマーが非感光性ポリマーである場合、上述のような数値範囲のMwを有すると好ましい。なお、本明細書におけるMwは、ゲルパーミションクロマトグラフィ(GPC)を用いて、標準ポリスチレン換算で測定したものを示す。
(E)成分であるカルボキシル基を有するポリマーの酸価は、用いるアルカリ現像液の種類等により最適な数値範囲となるように調整すればよい。特に、アルカリ現像性と電気特性等の特性バランスを考慮すると、この酸価が30〜250mgKOH/gであると好ましく、50〜150mgKOH/gであるとより好ましい。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物中に含有される固形分の酸価は、同様の観点から10〜120mgKOH/gに調整されていると好ましく、20〜80mgKOH/gに調整されているとより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物における(E)成分の含有割合は、(A)成分20質量部に対して20〜300質量部であると好ましい。(E)成分の含有割合が20質量部未満では、感光性樹脂組成物の流動性が大きくタックが強くなる傾向にあり、300質量部を超えると、機械的特性が低下する傾向にある。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、良好な金属との密着性及び耐湿性の観点から、(F)成分として、1分子当たり2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂を含有すると好ましい。そのような(F)成分としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネート等の複素乾式エポキシ樹脂などが挙げられる。また、市販品としては、ESLV−80XY(新日鉄化学社製、商品名)、YDCN−701、YDCN−704、YDPN−638、YDPN−602(以上、東都化成社製、商品名)、エピクロン840、エピクロン860、N−730、N−770、N−865、N−665、N−673(以上、大日本インキ化学工業社製、商品名)、DEN−431、DEN−330、DEN−337(以上、ダウケミカル社製、商品名)などが挙げられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物における(F)成分の含有割合は、(A)成分20質量部に対して5〜100質量部であると好ましい。(F)成分の含有割合が5質量部未満では、機械的特性が低下する傾向にあり、100質量部を超えると、感光性樹脂組成物の硬化物が脆くなり機械的特性が低下する傾向にある。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分の硬化反応を所望の条件で開始し、一層速やかに進行させる観点から、本発明により得られる効果を阻害しない範囲で、(G)成分;上述以外の有機過酸化物、を更に含有すると好ましい。(G)成分としては、(A)成分の硬化反応を開始させたい温度でラジカルを発生可能なものであると好ましい。そのような(G)成分としては、例えば、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、アゾビスイソブチロニトリル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、アセチルパーオキサイドなどが挙げられる。これらのなかで、保存安定性、硬化性の観点から、分解温度が比較的高い有機過酸化物が(G)成分として好ましく、そのような有機過酸化物としては、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が例示できる。
本実施形態の感光性樹脂組成物における(G)成分の配合割合は、(A)成分を20質量部とすると、0.1〜10質量部であると好ましく、0.4〜5質量部であるとより好ましい。(G)成分の配合割合が0.1質量部未満では硬化に要する時間が長くなるため、得られる硬化物の硬化状態が不均一となる傾向にある。(G)成分の配合割合が10質量部を超えると、硬化時に発砲する傾向にあり、また、分解せずに残留した有機過酸化物に起因して硬化物の硬化性が低下する傾向にある。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、メラミン化合物若しくはトリアジン化合物又はそれらの誘導体を密着性向上剤として更に含有すると、得られる硬化物の銅等の金属との密着性を高める観点から好ましい。密着性向上剤としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン−フェノール−ホルマリン樹脂、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等が挙げられる。市販品としては、2MZ−AZINE、2E4MZ−AZINE、C11Z−AZINE、2MA−OK(以上、四国化成工業社製、商品名)等が挙げられる。これらの密着性向上剤は感光性樹脂組成物層と銅等の金属回路との密着性を高めることにより耐PCT性を向上させるのみでなく、耐電食性を向上させる効果を発揮する。これらの密着性向上剤は、感光性樹脂組成物の他の機能を損なわない程度に上記密着性を向上させる観点から、感光性樹脂組成物の全量に対して0.1〜10質量%含有されると好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて硫酸バリウム、チタン酸バリウム、粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等の無機充填剤を含有すると、コスト削減の観点から好ましい。これらの無機充填剤を用いる場合、感光性樹脂組成物における配合割合は、70質量%以下であると、上述又は後述の本実施形態に係る感光性樹脂組成物の各機能を損なわない程度に、得られる硬化物の他の部材との密着性、硬化性等を向上させる観点から好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、更に必要に応じて、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジングリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの着色剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の重合禁止剤、ベントン、モンモリロナイト、エアロジル、アミドワックス等のチキソ性付与剤、シリコーン化合物、フッ素化合物、ポリマー等の消泡剤、レベリング剤、又は、イミダゾール化合物、チアゾール化合物、トリアゾール化合物、シランカップリング剤等の密着性付与剤のような各種添加剤を含有してもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサン等の炭化水素、ジアセトンアルコール、3−メトキシ−1−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、メチルヘキシルケトン、エチルブチルケトン、ジブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、6−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテル化合物若しくはそのアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル化合物若しくはそのアセテート、ジエチレングリコールジアルキルエーテル化合物、トリエチレングリコールアルキルエーテル化合物、プロピレングリコールアルキルエーテル化合物若しくはそのアセテート、ジプロピレングリコールアルキルエーテル化合物、トルエン、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等のカルボン酸エステル化合物、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、乳酸メチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、炭酸プロピレンなどの溶剤又はこれらの混合溶剤に適当な配合割合で溶解して、粘度を適宜調整することができる。
以上説明した本実施形態の感光性樹脂組成物は、それを硬化させて得られる硬化物が、従来のものと比較して、十分に高い引張強度を有する。さらには、該感光性樹脂組成物から得られる硬化物は、優れた耐熱衝撃性、他の部材と密着させた場合の良好な剥離性、耐PCT性、耐電食性、耐Ni/Auめっき性及びはんだ耐熱性を有する傾向にある。
また、従来のエポキシ樹脂を含有した感光性樹脂組成物においては、良好なアルカリ現像を行うために含有される高酸価のポリマー(例えばカルボキシル基を有するポリマー)とエポキシ樹脂とが室温で容易に反応するので、それを回避できるように、製品は2液(エポキシ樹脂含有溶液と高酸価ポリマー含有溶液)に分けて販売されることが多い。しかしながら、2液を混合した場合のポットライフは数時間から一日と短いため、使用条件に制限が生じたり、あらかじめ2液を混合してフィルム化した場合、フィルム状態での保管が困難であった。しかしながら、本実施形態の感光性樹脂組成物は、上述の各材料を含有することにより、室温における保存安定性に十分優れるので、1液化やフィルム化が比較的容易に可能となる。
また、上述の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含有し、カルボキシル基を有するポリマーを含有しない液組成物と、エポキシ樹脂を含有せず、カルボキシル基を有するポリマーを含有する液組成物とに分けられていてもよく、硬化させる前にそれらの液組成物を混合して、硬化させてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、リジッド及びフレキシブルプリント配線板、並びにBGA、CSP、TCP等のパッケージ用のソルダーレジスト、あるいは、多層材のビルドアップ材として特に有用であるが、その他にも塗料、ガラス、セラミック、プラスチック、紙等のコーティング材にも使用できる。
次に、本発明の永久レジスト用感光性フィルムの好適な実施形態について説明する。図1は、本実施形態の永久レジスト用感光性フィルムを示す模式断面図である。図1に示す永久レジスト用感光性フィルム1は、支持体11と、該支持体上に形成された上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層12と、感光性樹脂組成物層12上に積層されたカバーフィルム13と、を備えるものである。
支持体11としては、プラスチックフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。ここで、支持体の厚さについては、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
感光性樹脂組成物層12は、上記感光性樹脂組成物からなるものである。その厚さについては特に制限はなく、10〜150μmの範囲で適宜選択される。感光性樹脂組成物層12は、感光性樹脂組成物をコンマコータ、ブレードコータ、リップコータ、ロッドコータ、スクイズコータ、リバースコータ、トランスファロールコータ等で支持体11上に均一な厚さに塗布し、加熱・乾燥して溶剤を揮発させて形成することができる。
カバーフィルム13としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、テフロン(登録商標)フィルム、表面処理した紙等が挙げられる。カバーフィルム13としては、感光性樹脂組成物層12と支持体11との接着力よりも感光性樹脂組成物層12とカバーフィルム13との接着力が小さいものであればよい。
上記永久レジスト用感光性フィルムを保管する際には、接着剤表面を保護するための剥離可能なカバーフィルム13を重ねて巻き取ることが好ましい。
感光性樹脂組成物層12を基板又はプリント配線板に重ね、ホットロールラミネーター等を用いて張り合わせることで、基板又は配線板上に感光性樹脂組成物層12を容易に形成することができる。この感光性樹脂組成物層12の厚さについては特に制限はなく、通常10〜150μmの範囲で適宜選択される。
形成された感光性樹脂組成物層12の露光及び現像は常法により行うことができる。例えば、光源として超高圧水銀灯や高圧水銀灯等を用い、感光性樹脂組成物層12上に直接、又はポリエチレンテレフタレートフィルム等の透明フィルムを介し、ネガマスクを通して像的に露光することができる。露光後透明フィルムが残っている場合には、これを剥離した後現像するとよい。
また、感光性樹脂組成物層12は、印刷法、炭酸ガスレーザ、YΑGレーザ、エキシマレーザ等を用いたレーザ穴明け法等で像的樹脂膜を形成することも可能である。
上述した永久レジスト用感光性フィルムは、従来のものに比して十分に高い引張強度を有する硬化膜を形成可能であり、1液型又はフィルム状態での保存安定性に優れるものである。
続いて、本発明のレジストパターンの形成方法の好適な実施形態について説明する。本実施形態のレジストパターンの形成方法は、絶縁基板と該絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層とを有する積層基板の絶縁基板上に、導体層を覆うように、上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成し、該感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、該露光部以外の部分を除去するものである。
感光性樹脂組成物層の形成方法としては、上記本実施形態の感光性樹脂組成物を直接塗工するか、上記永久レジスト用感光性フィルムにおける感光性樹脂組成物層を加熱しながら絶縁基板に圧着して積層する形成方法が例示できる。従って、基板上に形成された感光性樹脂組成物層は、感光性樹脂組成物が溶剤等の揮発成分を含む場合は、溶剤の大部分が除去された後の成分が主成分となる。
この後、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成する。露光部を形成する方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像上に照射する方法が挙げられる。この際、マスクは感光性樹脂組成物上に直接接触させてもよく、透明なフィルムを介して接触させてもよい。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
露光後、アルカリ性水溶液(アルカリ現像液)を用い、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により露光部分以外の部分を除去して現像を行い、レジストパターンを形成する。なお、レジストパターン形成後に、1〜5J/cmの露光又は/及び100〜200℃、30分〜12時間の加熱(後加熱工程)による後硬化を更に行ってもよい。
現像処理に用いられる現像液は、アルカリ現像液を標準としたが、露光部にダメージを与えず、未露光部を選択的に溶出するものであれば、その種類については特に制限はなく、樹脂組成物の現像タイプによって決定され、準水系現像液、溶剤現像液等一般的なものを用いることができる。例えば、特開平7−234524号公報に記載されるような水と有機溶剤とを含むエマルジョン現像液を使用することができる。特に有用なエマルジョン現像液としては、例えば、有機溶剤成分としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、2,2−ブトキシエトキシエタノール、乳酸ブチル、乳酸シクロヘキシル、安息香酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の有機溶剤を10〜40質量%含有するエマルジョン現像液を挙げることができる。また、アルカリ現像液を用いる場合には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、4―ホウ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液と上記有機溶剤とのエマルジョン現像液を用いることもできる。
上述の方法によって、回路パターンが形成された導体層上に積層された感光性樹脂組成物層に、レジストパターンの形成を行うことができる。レジストパターンの形成された感光性樹脂組成物層は、実装部品の接合時に、導体層上の不必要な部分へのはんだの付着を防ぐソルダーレジストとして用いることができる。
上述のソルダーレジストは、上記本実施形態の感光性樹脂組成物又は永久レジスト用感光性フィルムを用いたものであるため、機械的特性、特に引張強度が十分に高いものとなる。
次に、本発明のプリント配線板の好適な実施形態について説明する。図2は、本実施形態のプリント配線板を示す模式断面図である。図2に示すプリント配線板2は、絶縁基板22と、絶縁基板22の一方面上に形成された回路パターンを有する導体層23と、絶縁基板22の他方面上に形成された回路パターンを有しない導体層21と、回路パターンを有する導体層23を覆うように絶縁基板22上に形成された永久レジスト層24と、を備えている。また、永久レジスト層24は、上記感光性樹脂組成物の硬化物からなり、永久レジスト層24は、回路パターンを有する導体層23の少なくとも一部が露出するように開口部26を有している。
プリント配線板2は、開口部26を有しているため、CSPやBGA等の実装部品を、回路パターンを有する導体層23にはんだ等により接合することができ、いわゆる表面実装が可能となる。永久レジスト層24は、接合のためのはんだ付けの際に、導体層の不必要な部分にはんだが付着することを防ぐためのソルダーレジストとしての役割を有しており、また、実装部品接合後においては、導体層23を保護するための永久マスクとして機能する。
次に、プリント配線板2の製造方法の一例について、概略的に説明する。図3は、図2に示したプリント配線板2の製造方法について模式的に示す工程図である。なお、図3(a)は一方面に回路パターンを有する導体層23と他方面に回路パターンを有しない導体層21とを備える絶縁基板22であり、図3(b)、図3(c)及び(d)は、それぞれ絶縁基板22上へ感光性樹脂組成物層24を積層した後のプリント配線板4、感光性樹脂組成物層24へ活性光線を照射している様子及び現像後のプリント配線板2を示す。
まず、両面金属積層板(例えば、両面銅張積層板等)の片面をエッチングする公知の方法等により、図3(a)に示すように絶縁基板22上に導体層23のパターンを形成させ、導体層23が形成されたプリント配線板3を得る。次に、図3(b)に示すように導体層23が形成された両面金属張積層板3上に、導体層23を覆うようにして本実施形態に係る永久レジスト用感光性フィルムの感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層24を形成し、感光性樹脂組成物層24が形成されたプリント配線板4を得る。次に、図3(c)に示すように積層された感光性樹脂組成物層24に所定のパターンを有するマスク5を介して活性光線を照射することにより感光性樹脂組成物層24の所定部分を硬化させる。最後に、未露光部を除去(例えばアルカリ現像等)することによって、図3(d)に示すように開口部26を有する永久レジスト層24を形成させることでプリント配線板2を得る。なお、永久レジスト層24は、感光性樹脂組成物が有機溶剤等の揮発成分を含有している場合は、かかる揮発成分の大部分が除去された後の感光性樹脂組成物の硬化物である。
なお、絶縁基板22上への感光性樹脂組成物層24の積層、活性光線の照射及び未露光部の除去は、上述のレジストパターンの形成方法における場合と同様の方法により行うことができる。
このようにして得られたプリント配線板2における永久レジスト層24は、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物からなるものであり、特に引張強度などの機械的特性に優れたものであり、はんだ耐熱性や耐Ni/Auめっき性に優れる傾向にある。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の感光性樹脂組成物は、マイクロビアの1種であるフォトビアの形成に用いることもできる。すなわち、本発明に係る感光性樹脂組成物層をコア基板上に形成した後、マスクを用いて、UV等の光照射で一括露光、現像することにより、フォトビアが形成される。このフォトビアは本発明の感光性樹脂組成物から形成されるので、機械的特性、特に引張強度が十分に高いものとなる。
また、上述の感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、プリント配線板などは、従来の感光性樹脂組成物などと同様に、半導体パッケージに用いることができる。本発明の感光性樹脂組成物等を用いて形成される半導体パッケージは、機械的特性に十分優れるものであり、さらには耐熱衝撃性や耐電食性に優れる傾向にある。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示した各成分を、表2の実施例1の欄に記載の配合割合(単位:質量部)で混合し、実施例1に係る液状の感光性樹脂組成物を調製した。次いで、該感光性樹脂組成物を16μmの膜厚を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に均一に塗布し、95℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去して感光性樹脂組成物層を形成した。続いて、膜厚25μmのポリエチレンフィルムを保護フィルムとして上記感光性樹脂組成物層上に貼付し、実施例1に係る感光性フィルムを得た。なお、感光性樹脂組成物の乾燥後の膜厚は30μmであった。
Figure 0004555942
Figure 0004555942
(実施例2〜4、比較例1〜3)
表1に示した各成分を、表2の実施例2〜4、比較例1〜3の各欄に記載の配合割合で混合した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜4、比較例1〜3に係る感光性フィルムを得た。
<評価基板の作製>
続いて、上述の各感光性フィルムを用いて、実施例1〜4、比較例1〜3に係る評価基板を形成した。以下、評価基板の作製方法を説明する。
まず、ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、両面粗化箔を両面に有する日立化成工業株式会社製商品名MCL−E−679(商品名)]にエッチングを施して両面に導体層(以下、回路層という)を有するプリント配線板(回路板)を作製した。次いで、上述の感光性フィルムのポリエチレンフィルムを剥離した後、該感光性フィルムを、プレス式真空ラミネータ(名機製作所社製、商品名;MVLP−500)を用いて、上板温度50℃、下板温度50℃、真空度5hPa以下、プレス時間30秒の条件の下、上記回路板の片面上に、感光性樹脂組成物層側の面を対向させた状態で熱圧着して積層体を得た。
得られた積層体を室温、大気中で1時間以上静置した後、ストーファー21段ステップタブレット(イーストマンコダック社製)を有するフォトツールと、ライン幅/スペース幅が6/400〜47/400(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを積層体のPETフィルム上に密着させ、露光機(オーク製作所社製、商品名;HMW−201GX)を用いて、21段ステップタブレットの残存ステップ数が8段となるエネルギー量で露光を行った。
露光後、積層体を更に室温、大気中で10分間静置した後、PETフィルムを剥離し、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で感光性樹脂組成物層に40秒間スプレーし、未露光部分を除去して現像を行った。現像後に得られる積層体に、紫外線照射装置(オーク製作所社製、商品名;QRM−2317−F−00)を用いて、1J/cmの紫外線を照射し、その後、大気中、160℃で1時間加熱処理を施し、永久レジスト層を形成した実施例1〜4、比較例1〜3に係る評価基板を得た。
<はんだ耐熱性の評価>
上述のようにして得られた評価基板に、ロジン系フラックス(MH−820V、タムラ化研社製、商品名)を塗布した後、260℃のはんだ浴中に10秒間浸漬した後はんだ浴から取り出す操作を3回繰り返してはんだ処理を行った。このようにしてはんだめっきを施された評価基板の永久レジスト層の浮き、膨れ及び剥離程度を目視により観察し、次の基準で評価した。すなわち、永久レジスト層の浮き、膨れ及び剥離を確認できなかったものは「A」とし、それらのいずれかを確認できたものは「B」とした。結果を表3に示す。
Figure 0004555942
<耐無電解Ni/Auめっき性の評価>
得られた評価基板を、無電解Niめっき液(メルプレートNI−865T、メルテックス社製、商品名)の入った85℃のめっき槽に15分間浸漬し、続いて、無電解Auめっき液(メルプレートAU−601、メルテックス社製、商品名)の入った90℃のめっき槽に10分間浸漬してめっき処理を行った。このようにして無電解Ni/Auめっきを施された評価基板の永久レジスト層の浮き、膨れ及び剥離程度を目視により観察し、次の基準で評価した。すなわち、永久レジスト層の浮き、膨れ及び剥離を確認できなかったものは「A」とし、それらのいずれかを確認できたものは「B」とした。結果を表3に示す。
<耐PCT性(高温耐湿性)の評価>
得られた評価基板を、121℃、100%RH、2.1気圧の大気中に100時間静置した後、永久レジスト層の浮き、膨れ及び剥離程度を目視により観察し、次の基準で評価した。すなわち、永久レジスト層の浮き、膨れ及び剥離を確認できなかったものは「A」とし、それらのいずれかを確認できたものは「B」とした。結果を表3に示す。
<耐熱衝撃性の評価>
得られた評価基板を、55℃の大気中に15分間晒した後、180℃/分の昇温速度で昇温し、次いで125℃の大気中に15分間晒した後、180℃/分の降温速度で降温する熱サイクルを1000回繰り返した。このような環境下に晒した後の評価基板の永久レジスト層のクラック及び剥離程度を100倍の金属顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、永久レジスト層のクラック及び剥離を確認できなかったものは「A」とし、それらのいずれかを確認できたものは「B」とした。結果を表3に示す。
<耐電食性の評価>
得られた評価基板の両面の導体層に電圧が印加されるように、ポリテトラフルオロエチレン製のシールド線をSn/Pbはんだにより該導体層に接続した後、評価基板に5Vの電圧を印可した状態で、該評価基板を131℃、85%RHの超加速高温高湿寿命試験(HAST)槽内に100時間静置した。その後の評価基板の永久レジスト層のマイグレーション、膨れ及び剥離程度を100倍の金属顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、永久レジスト層のマイグレーション、膨れ及び剥離を確認できなかったものは「A」とし、それらのいずれかを確認できたものは「B」とした。結果を表3に示す。
<保存安定性の評価>
実施例1〜4、比較例1〜3に係る感光性フィルムを25℃の大気中に1ヶ月放置した後、上述の評価基板の作製と同様にして永久レジスト層を形成した評価基板を得た。該評価基板の永久レジスト層のパターンを実体顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。すなわち、永久レジスト層の未露光部分において感光性樹脂組成物の残存が確認できなかったものは「A」とし、感光性樹脂組成物の残存が確認できたものは「B」とした。結果を表3に示す。
<硬化膜の物性評価>
実施例1〜4、比較例1〜3に係る感光性フィルムを、上記と同様の条件で露光、加熱して感光性樹脂組成物層を硬化した硬化膜を得た。該硬化膜のTgをTMAにより測定した。また該硬化膜の引張強度及び伸び率を、JIS K 7127「プラスチックフィルム及びシートの引張試験方法」に準拠して測定した。結果を表3に示す。
永久レジスト用感光性フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 プリント配線板の一実施形態を示す模式断面図である。 (a)〜(d)は、図2に示したプリント配線板2の製造方法を示す工程図である。
符号の説明
1…永久レジスト用感光性フィルム、2、3、4…プリント配線板、5…フォトマスク、11…支持体、12…感光性樹脂組成物層、13…カバーフィルム、21…回路パターンを有しない導体層、22…絶縁基板、23…回路パターンを有する導体層、24…永久レジスト層、26…開口部。

Claims (11)

  1. (A)成分;加熱により開環し、それ自体が架橋し得る環状硬化剤、
    (B)成分;分子内にブロック剤由来の基を有し、加熱により前記ブロック剤由来の基が解離し得るブロック硬化剤、
    (C)成分;エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、及び
    (D)成分;光重合開始剤、
    を含有し、前記(A)成分20質量部に対して、前記(B)成分を10〜50質量部含有する、感光性樹脂組成物。
  2. 前記(A)成分がビスマレイミド化合物である、請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(B)成分がブロックイソシアネート化合物である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(C)成分が1分子当たり2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. (E)成分;カルボキシル基を有するポリマーを更に含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(E)成分が、エチレン性不飽和結合を有し、重量平均分子量が3000〜100000である、請求項5記載の感光性樹脂組成物。
  7. 固形分を含有しており、その固形分の酸価が10〜150mgKOH/gである、請求項5又は6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記(A)成分20質量部に対して、前記(C)成分を10〜100質量部、及び前記(D)成分を0.1〜20質量部含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を含有する感光性樹脂組成物層と、を備える、永久レジスト用感光性フィルム。
  10. 絶縁基板と該絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層とを備える積層基板の前記絶縁基板上に、前記導体層を覆うように請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成し、該感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、前記感光性樹脂組成物層の前記露光部以外の部分を除去する、レジストパターンの形成方法。
  11. 絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層と、前記導体層を覆うように前記絶縁基板上に形成された永久レジスト層と、を備えるプリント配線板であって、
    前記永久レジスト層が、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなるものであり、前記永久レジスト層は、前記導体層の一部が露出するように開口部を有する、プリント配線板。
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