JP4554772B2 - プラズマディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイ用基板およびプラズマディスプレイの製造方法に係り、特にプラズマディスプレイパネルの輝度を向上し、パネルの表示品位を高めたプラズマディスプレイの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄型・大型テレビに使用できるディスプレイとして、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略す)が注目されている。PDPは、例えば、表示面となる前面板側のガラス基板には、対をなす複数のサステイン電極が銀やクロム、アルミニウム、ニッケル等の材料で形成されている。さらにサステイン電極を被覆してガラスを主成分とする誘電体層が20〜50μm厚みで形成され、誘電体層を被覆してMgO層が形成されている。一方、背面板側のガラス基板には、複数のアドレス電極がストライプ状に形成され、アドレス電極を被覆してガラスを主成分とする誘電体層が形成されている。誘電体層上に放電セルを仕切るための隔壁が形成され、隔壁と誘電体層で形成された放電空間内に蛍光体層が形成されてなる。フルカラー表示が可能なPDPにおいては、蛍光体層は、RGBの各色に発光するものにより構成される。前面板側のガラス基板のサステイン電極と背面板側のアドレス電極が互いに直交するように、前面板と背面板が封着され、それらの基板の間隙内にヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される希ガスが封入されPDPが形成される。スキャン電極とアドレス電極の交点を中心として画素セルが形成されるので、PDPは複数の画素セルを有し、画像の表示が可能になる。
【0003】
PDPにおいて表示を行う際、選択された画素セルにおいて、発光していない状態からサステイン電極とアドレス電極との間に放電開始電圧以上の電圧を印加すると電離によって生じた陽イオンや電子は、画素セルが容量性負荷であるために放電空間内を反対極性の電極へと向けて移動してMgO層の内壁に帯電し、内壁の電荷はMgO層の抵抗が高いために減衰せずに壁電荷として残留する。
【0004】
次に、スキャン電極とサステイン電極の間に放電維持電圧を印加する。壁電荷のあるところでは、放電開始電圧より低い電圧でも放電することができる。放電により放電空間内のキセノンガスが励起され、147nmの紫外線が発生し、紫外線が蛍光体を励起することにより、発光表示が可能になる。
【0005】
このようなPDPにおいては蛍光面を発光させた場合の輝度を高めることが重要となっている。この輝度を高めるための手段として、特開平10−321148号公報には、隔壁の他に補助隔壁を設け、補助隔壁の表面にも蛍光面を形成することにより蛍光面の発光面積を大きくし、紫外線を効率よく蛍光面に作用させ、輝度を高めることが提案されている。
【0006】
この隔壁と補助隔壁の形成方法として同公報には例えば感光性材料を用いたフォトリソグラフィ法等で、第1工程として補助隔壁の高さまでの隔壁と補助隔壁を形成し、次に第2工程として、上層の隔壁を形成する方法が提案されている。しかしこの方法では、塗布、乾燥、露光、現像の工程をそれぞれ2回以上要し、工程が複雑であり、また、下層と上層の極めて精緻な位置合わせが必要となり精度よく形成できないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、従来の技術における上述した問題点に着目し、簡略な工程により隔壁および補助隔壁を高精度に形成し、表示品位に優れたプラズマディスプレイ用部材の製造方法、およびプラズマディスプレイを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のプラズマディスプレイ用部材の製造方法は、以下の構成を有する。すなわち、電極を形成した基板上に隔壁と補助隔壁を形成する工程を含むプラズマディスプレイ用部材の製造方法であって、少なくとも下記の(A)〜(C)の工程を順に含むことを特徴とする。
(A)無機粒子、感光性モノマーおよび光重合開始剤を含む第1の感光性ペーストを用いて第1層目の感光性塗布膜を形成する工程、
(B)前記第1層目の感光性塗布膜上に無機粒子、感光性モノマーおよび光重合開始剤を含む第2の感光性ペーストを用いて、前記第1層目の感光性塗布膜よりも活性光線に対する感度の低い第2層目の感光性塗布膜を形成する工程、
(C)前記電極と平行方向および直角方向に格子状のパターンが形成され、前記電極と平行方向の透光部パターンの透過率と前記電極と直角方向の透光部パターンの透過率とが異なるフォトマスクを介して露光する工程。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をPDPの作製手順に沿って説明する。
【0011】
本発明のPDP用部材としての背面板に用いる基板としては、ソーダガラスの他にPDP用の耐熱ガラスである旭硝子社製の“PD200”や日本電気硝子社製の“PP8”を用いることができる。
【0012】
ガラス基板上に銀やアルミニウム、クロム、ニッケルなどの金属によりアドレス電極を形成する。形成する方法としては、これらの金属の粉末と有機バインダーを主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷でパターン印刷する方法や、有機バインダーとして感光性有機成分を用いた感光性金属ペーストを塗布した後に、フォトマスクを用いてパターン露光し、不要な部分を現像工程で溶解除去し、さらに、通常400〜600℃に加熱・焼成して金属パターンを形成する感光性ペースト法を用いることができる。また、ガラス基板上にクロムやアルミニウム等の金属をスパッタリングした後に、レジストを塗布し、レジストをパターン露光・現像した後にエッチングにより、不要な部分の金属を取り除くエッチング法を用いることができる。電極厚みは1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。電極厚みが薄すぎると抵抗値が大きくなり正確な駆動が困難となる傾向にあり、厚すぎると材料が多く必要になり、コスト的に不利な傾向にある。アドレス電極の幅は好ましくは20〜200μm、より好ましくは30〜100μmである。アドレス電極の幅が細すぎると抵抗値が高くなり正確な駆動が困難となる傾向にあり、太いすぎると隣合う電極間の距離が小さくなるため、ショート欠陥が生じやすい傾向にある。さらに、アドレス電極は表示セル(画素の各RGBを形成する領域)に応じたピッチで形成される。通常のPDPでは100〜500μm、高精細PDPにおいては100〜250μmのピッチで形成するのが好ましい。
【0013】
次いで誘電体層を好ましく形成する。誘電体層はガラス粉末と有機バインダーを主成分とするガラスペーストをアドレス電極を覆う形で塗布した後に、通常400〜600℃で焼成することにより形成できる。誘電体層に用いるガラスペーストには、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化リンの少なくとも1種類以上を含有し、これらを合計で10〜80重量%含有するガラス粉末を好ましく用いることができる。10重量%以上とすることで、600℃以下での焼成が容易になり、80重量%以下とすることで、結晶化を防ぎ透過率の低下を防止する。これらのガラス粉末と有機バインダーと混練してペーストを作成できる。用いる有機バインダーとしては、エチルセルロース、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系化合物等を用いることができる。また、ガラスペースト中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加えても良い。溶媒としては、テルピネオール、ブチロラクトン、トルエン、メチルセルソルブ等の汎用溶媒を用いることができる。また、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジエチルフタレート等を用いることができる。
【0014】
また、ガラス粉末以外にフィラー成分を添加することにより、反射率が高く、輝度の高いPDPを得ることができる。フィラーとしては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等が好ましく、粒子径0.05〜3μmの酸化チタンを用いることが特に好ましい。フィラーの含有量はガラス粉末:フィラーの重量比で、1:1〜10:1が好ましい。フィラーの含有量をガラス粉末の10分の1以上とすることで、輝度向上の実効を得ることができる。また、ガラス粉末の等量以下とすることで、焼結性を保つことができる傾向がある。
【0015】
また、導電性微粒子を添加することにより駆動時の信頼性の高いPDPを作成することができる。導電性微粒子は、ニッケル、クロムなどの金属粉末が好ましく、粒子径は1〜10μmが好ましい。1μm以上とすることで十分な効果を発揮でき、10μm以下とすることで誘電体上の凹凸を抑え隔壁形成を容易にすることができる。これらの導電性微粒子が誘電体層に含まれる含有量としては、0.1〜10重量%が好ましい。0.1重量%以上とすることで実効を得ることができ、10重量%以下とすることで、隣り合うアドレス電極間でのショートを防ぐことができる。誘電体層の厚みは好ましくは3〜30μm、より好ましくは3〜15μmである。誘電体層の厚みが薄すぎるとピンホールが多発する傾向にあり、厚すぎると放電電圧が高くなり、消費電力が大きくなる傾向にある。
【0016】
誘電体層上に、放電セルを仕切るための隔壁および補助隔壁を形成する。図1は本発明で形成する隔壁および補助隔壁の形状の一例を示す斜視図である。図1において、1A、1B、1Cは隔壁、2A、2B、2C、2Dは補助隔壁、3は誘電体層、4はアドレス電極、5はガラス基板である。隔壁1A、1B、1Cは、アドレス電極と平行方向に形成する。隔壁1A、1B、1Cの断面形状は台形や矩形に形成することができる。補助隔壁2A、2B、2C、2Dは、アドレス電極と直角方向に形成する。補助隔壁2A、2B、2C、2Dの断面形状も、台形や矩形に形成することができる。
【0017】
補助隔壁を形成することにより、補助隔壁の表面にも蛍光体層を形成することができ、発光面積を大きくとることができる。従って、紫外線が効率よく蛍光面に作用するため輝度を高めることが可能である。また、補助隔壁が存在することで、隔壁全体の結合面積が広くなり、部材の構造的強度が得られる。その結果、隔壁や補助隔壁の幅を小さくすることができ、表示セル部における放電容積を大きくすることができ、放電効率をさらによくすることができる。
【0018】
隔壁の高さは、80μm〜200μmが適している。80μm以上とすることで蛍光体とスキャン電極が近づきすぎるのを防ぎ、放電による蛍光体の劣化を防ぐことができる。また、200μm以下とすることで、スキャン電極での放電と蛍光体の距離を近づけ、十分な輝度を得ることができる。隔壁のピッチ(P)は、100μm≦P≦500μmのものがよく用いられる。また、高精細プラズマディスプレイとしては、隔壁のピッチ(P)が、100μm≦P≦250μmである。100μm以上とすることで放電空間を広くし十分な輝度を得ることができ、500μm以下とすることで画素の細かいきれいな映像表示ができる。250μm以下にすることにより、HDTV(ハイビジョン)レベルの美しい映像を表示することができる。線幅(L)は、半値幅で10μm≦L≦50μmであることが好ましい。10μm以上とすることで強度を保ち、前面板と背面板を封着する際に破損が生じるのを防ぐことができる。また、50μm以下とすることで蛍光体の形成面積を大きくとることができ高い輝度を得ることができる。
【0019】
補助隔壁の高さは、隔壁の高さよりも低いことが好ましく、さらには隔壁の高さの1/2〜5/6の高さであることが好ましい。補助隔壁の高さを隔壁の高さの1/2以上とすることで、発光面積を大きくとることによる輝度向上の効果をより一層得ることができる。また、隔壁よりも低くすることで、製造工程において蛍光体層の形成をより容易にすることができる。
【0020】
ここで、本発明における隔壁および補助隔壁の形成方法について説明する。本発明においては、隔壁および補助隔壁は、無機微粒子と感光性成分を含む有機成分からなる感光性ペーストを塗布、乾燥した感光性塗布膜を用いてパターン形成した後に、焼成して形成する。
【0021】
まず、電極が形成された基板上もしくは誘電体層上に第1の感光性ペーストを塗布、乾燥し、第1層目の感光性塗布膜を形成する。感光性塗布膜は、感光性ペーストをスクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどを用いて塗布し、通風オーブン、ホットプレート、IR炉などを用いて乾燥し形成することができる。
【0022】
次に第1層目の感光性ペースト塗布膜上に、さらに第2の感光性ペーストを塗布、乾燥し、第2層目の感光性塗布膜を形成する。
【0023】
ここで、第1層目と第2層目の感光性塗布膜は、活性光線に対する感度が異なることが必要であり、特に第1層目の感光性塗布膜の感度が第2層目の感光性塗布膜の感度より高いことがより好ましい。ここで、感度が高いとは、感光性塗布膜の硬化を進行させ、現像液に不溶とし、パターン形成を可能にするための活性光線の露光量が少ないことをいう。
【0024】
ここで、1層目と2層目の感光性塗布膜の感度を変えるためには、感光性ペースト中の感光性モノマーや光重合開始剤、増感剤などの種類を変えることが有効である。
【0025】
本発明の感光性ペーストに用いられる感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、単官能および多官能性の(メタ)アクリレート類、ビニル系化合物類、アリル系化合物類などを用いることができる。これらは1種または2種以上使用することができる。
【0026】
また、感光性オリゴマー、感光性ポリマーとしては、炭素−炭素2重結合を有する化合物のうちの少なくとも1種類を重合して得られるオリゴマーやポリマーを用いることができる。重合する際に、これらのモノマの含有率が、10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他の感光性のモノマと共重合することができる。ポリマーやオリゴマーに不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、または、これらの酸無水物などが挙げられる。こうして得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有するポリマ、もしくは、オリゴマーの酸価(AV)は、50〜180の範囲が好ましく、70〜140の範囲がより好ましい。以上に示したポリマーもしくはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性をもつ感光性ポリマや感光性オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。
【0027】
特に、第1層目の感光性塗布膜として好ましい感度の高い感光性塗布膜としては、感光性モノマーとして、多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレートなどを用い、光重合開始剤に特開平11−306964号公報等記載の光重合開始剤、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホニル)ブタノン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−2−メチルスルホニル−1−(4−メチルチオフェニル)プロパノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンなどを組み合わせることで得ることができる。
【0028】
また、前記高感度感光性塗布膜より感度の低い感光性塗布膜を得るためには、高感度感光性塗布膜に用いた感光性モノマー中の感光性の官能基数を少なくした感光性モノマー、例えば、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、tert−ブチルシクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレートなどや吸光係数のより小さい光重合開始剤や増感剤例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどを用いることである。また、前記高感度感光性塗布膜に重合禁止剤や吸光剤などを添加する方法も有効である。
【0029】
続いて、露光装置を用いて露光を行う。この際使用される活性光源は、例えば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられる。これらの中で紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。露光条件は、塗布厚みによって異なるが、通常1〜100mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて0.1〜10分間露光を行う。
【0030】
本発明ではこの露光の際、電極と平行方向および直角方向に格子状のパターンが形成されたフォトマスクを介して露光する。格子状のパターンが形成されたマスクを介して露光することで、隔壁と補助隔壁のパターンとなる部分の感光性塗布膜が光硬化し、現像によって隔壁と補助隔壁のパターンが得られる。
【0031】
また、本発明では、上記フォトマスクは、電極と平行方向の透光部パターンの透過率と電極と直角方向の透光部パターンの透過率とが異なることが好ましく、電極と平行方向の透光部パターンの透過率と電極と直角方向の透光部パターンの透過率との差が10%以上であることがより好ましい。さらに好ましくは15%以上である。透過率差が10%以上あるフォトマスクを用いて露光することで、そのパターンに対応する感光性塗布膜は露光量に差が生じる。1層目に感度の高い感光性塗布膜を用いると露光量が変化しても充分に光硬化が進行し、現像液に不溶となる。2層目に感度の低い感光性塗布膜を用いると、マスクの透光部パターンの透過率が高い部分は光硬化が進行し、現像液に不溶となるが、マスクの透光部パターンの透過率が低い部分は光硬化が進まず、現像液に可溶となる。したがって、1回の露光、現像工程で高さの異なる焼成前の隔壁と補助隔壁のパターンが得られる。
【0032】
フォトマスクの透光部の透過率を変える方法としては、例えば、フォトマスク用の基板上に、クロム等を蒸着方式によりパターンニングし、活性光線透過部と活性光線を遮光する遮光部を形成(活性光線透過部が電極と直角方向および平行方向に格子状に形成)した後、電極と直角方向の透光部パターン上にクロムを薄く形成し、電極と直角方向の透過部のパターンの透過率を下げる方法や電極と直角方向の透光部パターン上に活性光線を吸収するような樹脂を形成し、電極と直角方向の透過部のパターンの透過率を下げる方法などが挙げられる。上記活性光線を吸収するような樹脂としては、例えばポリアミド、ポリイミド、ポリウレタンなどが挙げられる。また、紫外線吸収剤の骨格にメタクリル基などを導入し、反応型とし、共重合体とする方法も有効である。
【0033】
現像は、浸漬法やスプレー法、ブラシ法等で行うことができる。現像液は、感光性ペースト中の溶解させたい有機成分が溶解可能である溶液を用いる。感光性ペースト中にカルボキシル基などの酸性基をもつ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液などが使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は、通常、0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低過ぎれば可溶部が除去されない傾向にあり、アルカリ濃度が高過ぎれば、パターン部を剥離したり、また、非可溶部を腐食させる傾向にある。また、現像時の現像温度は、通常20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
【0034】
次に、焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やローラーハース式の連続型焼成炉を用いることができる。焼成温度は、400〜800℃で行うと良い。ガラス基板上に直接隔壁を形成する場合は、通常450〜620℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行うと良い。
【0035】
なお、本発明で用いられる感光性ペーストを構成する無機微粒子としては、ガラス、セラミック(アルミナ、コーディライトなど)などを用いることができる。特に、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、または、アルミニウム酸化物を必須成分とするガラスやセラミックスが好ましい。無機微粒子の粒子径(マイクロトラック社製のレーザー式粒度分布測定装置DHX−100)は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれるが、体積平均粒子径(D50)が、1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは、1〜5μmである。D50を10μm以下とすることで、表面凸凹が生じるのを防ぐことができる。まさらに、比表面積0.2〜3m2/gのガラス微粒子を用いることが、パターン形成において、特に好ましい。
【0036】
隔壁は、好ましくは熱軟化点の低いガラス基板上にパターン形成されるため、無機微粒子として、熱軟化温度が350℃〜600℃のガラス微粒子を60重量%以上含む無機微粒子を用いることが好ましい。また、熱軟化温度が600℃以上のガラス微粒子やセラミック微粒子を添加することによって、焼成時の収縮率を抑制することができるが、その量は、40重量%以下が好ましい。
【0037】
用いるガラス粉末としては、焼成時にガラス基板にそりを生じさせないためには線膨脹係数が50×10-7〜90×10-7、更には、60×10-7〜90×10-7のガラス微粒子を用いることが好ましい。
【0038】
隔壁を形成する素材としては、ケイ素および/またはホウ素の酸化物を含有したガラス材料が好ましく用いられる。
【0039】
酸化ケイ素は、3〜60重量%の範囲で配合されていることが好ましい。3重量%以上とすることで、ガラス層の緻密性、強度や安定性が向上し、また、熱膨脹係数を所望の範囲内とし、ガラス基板とのミスマッチを防ぐことができる。また、60重量%以下にすることによって、熱軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き付けが可能になるなどの利点がある。
【0040】
酸化ホウ素は、5〜50重量%の範囲で配合することによって、電気絶縁性、強度、熱膨脹係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上することができる。50重量%以下とすることでガラスの安定性を保つことができる。
【0041】
さらに、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛のうちの少なくとも1種類を合計で5〜50重量%含有させることによって、ガラス基板上にパターン加工するのに適した温度特性を有するガラスペーストを得ることができる。特に、酸化ビスマスを5〜50重量%含有するガラス微粒子を用いると、ペーストのポットライフが長いなどの利点が得られる。ビスマス系ガラス微粒子としては、次の組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化ビスマス :10〜40重量部
酸化ケイ素 : 3〜50重量部
酸化ホウ素 :10〜40重量部
酸化バリウム : 8〜20重量部
酸化アルミニウム:10〜30重量部。
【0042】
また、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのうち、少なくとも1種類を3〜20重量%含むガラス微粒子を用いてもよい。アルカリ金属酸化物の添加量は、20重量%以下、好ましくは、15重量%以下にすることによって、ペーストの安定性を向上することができる。上記3種のアルカリ金属酸化物の内、酸化リチウムがペーストの安定性の点で、特に好ましい。リチウム系ガラス微粒子としては、例えば次に示す組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
【0043】
この場合の具体的なガラス微粒子としては、次に示す組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化リチウム : 2〜15重量部
酸化ケイ素 :15〜50重量部
酸化ホウ素 :15〜40重量部
酸化バリウム : 2〜15重量部
酸化アルミニウム: 6〜25重量部。
【0044】
また、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛のような金属酸化物と酸化リチウム,酸化ナトリウム、酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物の両方を含有するガラス微粒子を用いれば、より低いアルカリ含有量で、熱軟化温度や線膨脹係数を容易にコントロールすることができる。
【0045】
また、ガラス微粒子中に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど、特に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化亜鉛を添加することにより、加工性を改良することができるが、熱軟化点、熱膨脹係数の点からは、その含有量は、40重量部以下が好ましく、より好ましくは25重量部以下である。
【0046】
感光性成分を含む有機成分としては、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうちの少なくとも1種類から選ばれた感光性成分を含有することが好ましく、更に、必要に応じて、光重合開始剤、光吸収剤、増感剤、有機溶媒、増感助剤、重合禁止剤等を添加する。
【0047】
光重合開始剤の具体的な例として、ベンゾフェノン、O-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性成分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜5重量%の範囲で添加される。重合開始剤の量が少な過ぎると、光感度が低下する傾向にあり、光重合開始剤の量が多すぎると、露光部の残存率が小さくなり過ぎる傾向にある。
【0048】
光吸収剤を添加することも有効である。紫外光や可視光の吸収効果が高い化合物を添加することによって、高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。光吸収剤としては、有機系染料からなるものが好ましく用いられる、具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アントラキノン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジフェニルシアノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は、焼成後の絶縁膜中に残存しないので、光吸収剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でも、アゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。有機染料の添加量は、0.05〜5重量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜1重量%である。添加量が少なすぎると、光吸収剤の添加効果が減少する傾向にあり、多すぎると、焼成後の絶縁膜特性が低下する傾向にある。
【0049】
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。増感剤を感光性ペーストに添加する場合、その添加量は、感光性成分に対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少な過ぎると光感度を向上させる効果が発揮されない傾向にあり、増感剤の量が多過ぎると、露光部の残存率が小さくなる傾向にある。
【0050】
有機溶媒としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。ここで、感光性ペーストは、通常、上記の無機微粒子や有機成分を所定の組成になるように調合した後、3本ローラーや混練機で均質に混合分散し作製する。
【0051】
次いで所定の隔壁間に、RGB各色に発光する蛍光体層を形成する。蛍光体層は、蛍光体粉末、有機バインダーおよび有機溶媒を主成分とする蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗着させ、乾燥し、必要に応じて焼成することにより形成することができる。
【0052】
蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗着させる方法としては、スクリーン印刷版を用いてパターン印刷するスクリーン印刷法、吐出ノズルの先端から蛍光体ペーストをパターン吐出するディスペンサー法、また、蛍光体ペーストの有機バインダーとして前述の感光性を有する有機成分を用いた感光性ペースト法により各色の蛍光体ペーストを所定の場所に塗着させることができる。
【0053】
R蛍光体層の厚みをTr、G蛍光体層の厚みをTg、および、B蛍光体層の厚みをTbとしたとき、好ましくは、
10μm≦Tr<Tb≦50μm
10μm≦Tg<Tb≦50μm
なる関係を有することにより、より本発明の効果を発揮できる。つまり、発光輝度の低い青色について、厚みを緑色、赤色よりも厚くすることにより、より色バランスに優れた(色温度の高い)プラズマディスプレイを作製できる。蛍光体層の厚みとしては、10μm以上とすることで十分な輝度を得ることができる。また、50μm以下とすることで放電空間を広くとり高い輝度を得ることができる。この場合の蛍光体層の厚みは、隣り合う隔壁の中間点での形成厚みとして測定する。つまり、放電空間(セル内)の底部に形成された蛍光体層の厚みとして測定する。
【0054】
塗着させた蛍光体層を必要に応じて、400〜550℃で焼成する事により、本発明のプラズマディスプレイ用部材を作製することができる。
【0055】
このプラズマディスプレイ用部材を背面板として用いて、前面板と封着後、前背面の基板間隔に形成された空間に、ヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される放電ガスを封入後、駆動回路を装着してプラズマディスプレイを作製できる。前面板は、基板上に所定のパターンで透明電極、バス電極、誘電体、保護膜(MgO)を形成した部材である。背面板上に形成されたRGB各色蛍光体層に一致する部分にカラーフィルター層を形成しても良い。また、コントラストを向上するために、ブラックストライプを形成しても良い。
【0056】
【実施例】
以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。なお、実施例、比較例中の濃度(%)は重量%である。
(透過率の測定方法)
光線透過率の測定は、島津製作所製の分光光度計(UV−3101PC)を用いて行った。測定条件は次の通りである。
Figure 0004554772
(実施例1〜4、比較例1〜2)
まず前面板を作製した。旭硝子社製ガラス基板PD200上に、ITOを用いて、ピッチ375μm、線幅150μmのスキャン電極を形成した。また、その基板上に感光性銀ペーストを塗布した後に、フォトマスクを介したマスク露光、0.3%炭酸ナトリウム水溶液を用いた現像、580℃で15分間の焼成工程を経て、線幅50μm、厚み3μmのバス電極を形成した。
【0057】
次に、酸化鉛を75重量%含有する低融点ガラスの粉末を70%、エチルセルロース20%、テルピネオール10%を混練して得られたガラスペーストをスクリーン印刷により、表示部分のバス電極が覆われるように50μmの厚みで塗布した後に、570℃15分間の焼成を行って前面誘電体を形成した。
【0058】
誘電体を形成した基板上に電子ビーム蒸着により保護膜として、厚み0.5μmの酸化マグネシウム層を形成して前面板を作製した。
【0059】
次に、背面板を作製した。
ガラス基板PD200上に感光性銀ペースト用いてアドレス電極を作成した。感光性銀ペーストを塗布、乾燥、露光、現像、焼成工程を経て、線幅50μm、厚み3μm、ピッチ250μmのアドレス電極を形成した。
【0060】
次に、酸化ビスマスを75重量%含有する低融点ガラスの粉末を60%、平均粒子径0.3μmの酸化チタン粉末を10重量%、エチルセルロース15%、テルピネオール15%を混練して得られたガラスペーストをスクリーン印刷により、表示部分のバス電極が覆われるように50μmの厚みで塗布した後に、570℃15分間の焼成を行って前面誘電体層を形成した。
【0061】
誘電体上に、表1に示す組成の感光性ペーストを塗布、乾燥し、第1層目と第2層目の感光性塗布膜を形成した。表1に示した以外の感光性ペーストの組成は、ガラス粉末として:酸化リチウム10重量%、酸化珪素25重量%、酸化硼素30重量%、酸化亜鉛15重量%、酸化アルミニウム5重量%、酸化カルシウム15重量%からなる組成のガラスを粉砕した平均粒子径2μmのガラス粉末、有機成分として、ポリマー:メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(重量平均分子量31000、酸価110)30重量%、有機溶剤:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル30重量%である。また、表1のモノマーは、30重量%、開始剤は、10重量%である。
【0062】
【表1】
Figure 0004554772
【0063】
感光性ペーストは、これらのガラス粉末と感光性成分を含む有機成分をそれぞれ70:30の重量比率で混合した後に、ロールミルで混練して作製した。塗布は、ダイコーターを用いて、1層目と2層目それぞれが乾燥後厚み90μmになるように塗布した。乾燥は、クリーンオーブン(ヤマト科学社製)を用いて80℃で30分間行った。
【0064】
乾燥後、アドレス電極と直角方向および平行方向にピッチ250μm、線幅30μmの格子状パターンを有するフォトマスクを用いて露光した(露光量1500mJ/cm2)。アドレス電極と直角方向および平行方向の透光部パターンの透過率を表1に示した。透過率は、アドレス電極と直角方向の透過部パターン上にクロムを薄く形成して、変化させた。透過率を測定する光の波長は、感光性塗布膜を露光する光の波長で測定することが効果を確認する上で正確である。したがって、365nmでの測定値とした。
【0065】
露光後、0.5重量%の炭酸ナトリウム水溶液中で現像し、さらに、560℃で15分間焼成し、隔壁と補助隔壁得た。
【0066】
次に、隣り合う隔壁間に蛍光体を塗布した。蛍光体の塗布は、256カ所の穴(口径:130μm)が形成されたノズル先端から蛍光体ペーストを吐出するディスペンサー法により形成した。蛍光体は隔壁側面に焼成後厚み25μm、誘電体上に焼成後厚み25μmになるように塗布した後に、500℃で10分間の焼成を行った。
かくしてPDP用部材として、背面板を作製した。
【0067】
さらに、作製した前面基板と背面基板を封着ガラスを用いて封着して、Xe5%含有のNeガスを内部ガス圧66500Paになるように封入した。さらに、駆動回路を実装してPDPを作製した。PDPのスキャン電極に電圧を印加して発光させた。その輝度計を用いて輝度を測定したところ、実施例1〜4では、250cd/m2であり、高い輝度の表示特性を得ることができた。
【0068】
一方、比較例1では、1層目と2層目の感光性塗布膜の感度が同じであったために、隔壁と補助隔壁の高さが同じになり、補助隔壁上にも蛍光体が形成され、前面基板との封着ができず、PDPが作製できなかった。また、比較例2では、フォトマスクの透過率が同じであったために、隔壁と補助隔壁の高さが同じになり、補助隔壁上にも蛍光体が形成され、前面基板との封着ができず、PDPが作製できなかった。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、簡略な工程によりアドレス電極と平行方向の隔壁とアドレス電極と直角方向の補助隔壁とを高精度に形成し、表示品位に優れたプラズマディスプレイ用部材の製造方法、およびプラズマディスプレイを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で形成する隔壁および補助隔壁の形状の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C 隔壁
2A、2B、2C、2D 補助隔壁
3 誘電体層
4 アドレス電極
5 ガラス基板

Claims (3)

  1. 電極を形成した基板上に隔壁と補助隔壁を形成する工程を含むプラズマディスプレイ用部材の製造方法であって、少なくとも下記の(A)〜(C)の工程を順に含むことを特徴とするプラズマディスプレイ用部材の製造方法。
    (A)無機粒子、感光性モノマーおよび光重合開始剤を含む第1の感光性ペーストを用いて第1層目の感光性塗布膜を形成する工程、
    (B)前記第1層目の感光性塗布膜上に無機粒子、感光性モノマーおよび光重合開始剤を含む第2の感光性ペーストを用いて、前記第1層目の感光性塗布膜よりも活性光線に対する感度の低い第2層目の感光性塗布膜を形成する工程、
    (C)前記電極と平行方向および直角方向に格子状のパターンが形成され、前記電極と平行方向の透光部パターンの透過率と前記電極と直角方向の透光部パターンの透過率とが異なるフォトマスクを介して露光する工程。
  2. 前記第1の感光性ペーストが、感光性モノマーとしてトリメチロールプロパントリメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートまたはジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレートを含み、かつ光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホニル)ブタノン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−2−メチルスルホニル−1−(4−メチルチオフェニル)プロパノンまたは4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンを含み、
    さらに前記第2の感光性ペーストが、感光性モノマーとしてn−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、tert−ブチルシクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレートもしくは2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレートを含むか、重合開始剤としてベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンもしくは2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを含むか、または重合禁止剤もしくは吸光剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ用部材の製造方法。
  3. 前記フォトマスクとして、前記電極と平行方向および直角方向に格子状のパターンが形成され、前記電極と平行方向の透光部パターンの透過率と前記電極と直角方向の透光部パターンの透過率との差が10%以上であるフォトマスクを用いることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用部材の製造方法。
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