JP4550224B2 - Vリブドベルト - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はVリブドベルトに係り、詳しくは高温雰囲気下及び低温雰囲気下でのベルト走行寿命が向上し、また耐候性にも優れ、更にはリブ部を心線に近い内ゴム層と先端側の外ゴム層の2層に区分して内ゴム層を外ゴム層より厚くし、かつ内ゴム層の短繊維のベルト幅方向への配向性を外ゴム層に比べて小さくし、ベルトの走行寿命を維持し製造コストを低下させたVリブドベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギー化、コンパクト化の社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰囲気温度は従来に比べて上昇してきている。これにともない動力伝動用ベルトの使用環境温度も高くなってきた。従来、動力伝動用ベルトは主として天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムが使用されてきたが、高温雰囲気下では、硬化した圧縮ゴム層で早期にクラックを生じるという問題が発生した。
【0003】
このようなベルトの早期破壊現象に対し、クロロプレンゴムの耐熱性の改善が検討され、ある程度の改良が行なわれてきたもののクロロプレンゴムを使用している限り限界があり、現在のところ十分な効果を得るには至っていない。
【0004】
このため、耐熱性に優れるクロロスルフォン化ポリエチレンゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム等のように主鎖が高度に飽和され、又は完全に飽和されているゴムの使用が検討されている。このうち、一般にクロロスルフォン化ポリエチレンは動的疲労性、耐摩耗性、耐油性においてはクロロプレンゴムと同等であるが、耐水性においては加硫系、特に受酸剤の影響が大きいことが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この動力伝動用ベルトは、クロロプレンゴムを用いたベルトに比べると高温雰囲気下でのベルト走行寿命が大きく向上し優れた耐熱性を有しているが、−30℃以下の低温雰囲気下でのベルト走行寿命が著しく劣ることが明らかになった。この理由として、従来のクロロスルフォン化ポリエチレンゴムは、ポリエチレンをクロロスルフォン化したもので、塩素を含有しているため低温下では塩素の凝集エネルギーが大きくなって低温領域でゴムの硬化が起こってゴム弾性を欠き、割れ易くなるためと推定される。
【0006】
これに対して、エチレン−プロピレン系ゴム(EPR)あるいはエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィンエラストマーは、優れた耐熱性、耐寒性を有し、比較的に安価なポリマーであるが、耐油性を有していないため、油がかかる用途には積極的に使用されていない。Vリブドベルトのような乾式の摩擦伝動では多量の油がかかるとスリップし、伝達機能が損なわれることより従来からあまり使用されていなかったが、最近では例えば特開平6−345948号公報に開示されているように、EPDMを用いた伝動ベルトが検討されつつある。
【0007】
しかしながら、エチレン−プロピレン系ゴムは引き裂き力が低く、パーオキサイド架橋系を用いると、更に引き裂き力が低下して、走行時に心線がポップアウトしやすいという問題があった。一方、硫黄架橋系を用いたものは、加硫度を十分に上げるのが困難であるため、走行時に摩耗が多くなり、特にVリブドベルトでは、摩耗紛がリブ部間の底部で蓄積され粘着摩耗を起こしやすく、これが発音を引き起こす大きな問題になっていた。また、加硫度を上げるために、分子内の二重結合量の極めて多いEPDMを用いると、粘着摩耗はある程度改善できるが、耐熱性が低下するという不具合が発生した。
【0008】
また、EPDMを用いたVリブドベルトの場合、リブの先端部から亀裂が入りやすく、この位置で発生した亀裂は心線まで一気に伝播し、そして最後には個々のリブ部が分離してベルト切断に至る不具合があった。従って、亀裂が入った状態でユーザーの始業点検や車検時にベルト寿命として取り替えることができず、車の走行中にベルトが切れてしまうと言った不具合があった。
【0009】
また、EPDMを用いたVリブドベルトの場合、リブ部に短繊維をベルト幅方向へ配合した圧延ゴムシートをリブ部の厚みに応じて積層していたが、ベルトの寿命はリブ部に使用するゴム材料、短繊維の分散性と塊状物に依存していた。特に、短繊維の分散が悪く、塊状物としてゴム中に内在すると、この塊状物から亀裂が発生することがあった。また、繊維の配向性を良好にするために、圧延シートを薄くすることが好ましいが、EPDMを薄く圧延すると、シートに破損個所ができるため、圧延時間を長くしてシート化していた。このため、圧延シートの機械的物性も低下し、Vリブドベルトの製造工程に時間を要していた。
【0010】
本発明はこのような問題に対処するものであり、耐熱性、耐寒性を向上させ高温雰囲気下及び低温雰囲気下での走行時におけるベルトの耐久性を向上せしめ、またベルトの走行寿命を維持した製造コストを低下させたVリブドベルトの提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本願の請求項1の発明では、表面にカバー帆布を積層し、ゴム中にベルト長手方向に沿って心線を埋設し、ベルトの周方向に延びる複数のリブ部を配したVリブドベルトにおいて、リブ部が短繊維をベルト幅方向に埋設したエチレン−α−オレフィンエラストマーの架橋物からなり、かつリブ部を心線に近い内ゴム層と先端側の外ゴム層の2層に区分して内ゴム層を外ゴム層より厚くし、かつ内ゴム層の短繊維のベルト幅方向への配向性を外ゴム層に比べて小さくしたVリブドベルトにあり、リブ部がエチレン−αオレフィンエラストマーの架橋物であるため、耐熱性、耐寒性を向上させ高温雰囲気下及び低温雰囲気下での走行時におけるベルトの耐久性が向上し、更に内ゴム層と外ゴム層の2層に区分して内ゴム層を外ゴム層より厚くし、かつ内ゴム層の短繊維のベルト幅方向への配向性を外ゴム層に比べて低下させたことによって、外ゴム層にリブ部先端から発生する亀裂を阻止してベルトの走行寿命を維持させ、また内ゴム層を使用することで製造コストを低下したVリブドベルトを仕上げることができる。
【0012】
本願の請求項2の発明では、外ゴム層の厚みがリブ部の厚みに対して10〜40%であり、外ゴム層に亀裂防止壁の機能を維持させ、かつ外ゴム層に比べて耐側圧性が低下した内ゴム層を使用しても、耐久性に影響を受けにくい安価なVリブドベルトになる。
【0013】
本願の請求項3の発明では、内ゴム層に使用する圧延シートの1枚の厚みは、外ゴム層のそれに比べて厚くなっているVリブドベルトであり、圧延シートの厚みによって内ゴム層における短繊維のベルト幅方向への配向性を外ゴム層に比べて低下させている。
【0014】
本願の請求項4の発明では、リブ部が有機過酸化物で架橋させたエチレン−α−オレフィンエラストマーの架橋物であるVリブドベルトにある。
【0015】
本願の請求項5の発明では、リブ部には、エチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して硫黄を0.01〜1.0重量部添加したリブドベルトにある。
【0016】
本願の請求項6の発明では、リブ部が硫黄架橋させたエチレン−α−オレフィンエラストマーの加硫物であるVリブドベルトにある。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に示すVリブドベルト1は、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維を素材とする高強度で低伸度のコードよりなる心線2を接着ゴム3中に埋設し、その下側に弾性体層である圧縮ゴム層4を有している。この圧縮ゴム層4にはベルト長手方向に延びる断面略三角形の複数のリブ部7が設けられ、またベルト表面には付着したカバー帆布5が設けられている。
【0018】
そして、上記リブ部7は心線に近い側に内ゴム層8と先端側に外ゴム層9の2層に区分されており、内ゴム層8が外ゴム層9より厚く、また内ゴム層8の短繊維のベルト幅方向への配向性が外ゴム層9のそれに比べて低下している。これによって、外ゴム層9には、リブ部7先端から発生する亀裂を阻止する亀裂防止壁となってベルトの走行寿命を維持させ、また内ゴム層8を使用することで製造コストの安いVリブドベルト1に仕上げることができる。
【0019】
また、外ゴム層9の厚みはリブ部7の厚み(W)に対して10〜40%であり、10%未満になると亀裂防止壁としての機能が低下して容易に亀裂が入りやすくなり、また40%を超えると圧延シートの製造コスト、ひいてはベルトの製造コストも上昇する。
【0020】
内ゴム層8と外ゴム層9の短繊維のベルト幅方向への配向性を相違させる1つの手段として、使用する圧延シートの1枚の厚みにある。即ち、カレンダーロールによって作製される圧延シートを厚くすると、短繊維が圧延シートが引出される方向へ配向しにくくなり、逆に圧延シートを薄くすると、短繊維が良好に配向し、かつ分散しやすくなる。しかし、ゴムシートが局部的に破れることがあるため、シート厚みを調節する必要がある。本発明の場合、内ゴム層8に使用する1枚の圧延シート厚みは1.50〜5.0mmであり、これを1〜数枚重ねて使用でき、また外ゴム層9で、0.5〜1.25mmが好ましい。
【0021】
上記内ゴム層8と外ゴム層9からなるリブ部7に使用されるエチレン−α−オレフィンエラストマーは、エチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)からなるゴムをいう。ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどがあげられる。
【0022】
リブ部7には、エチレン−α−オレフィンエラストマーの加硫剤としてパーオキサイドを添加する。また、共架橋剤(co−agent)としTIAC、TAC、1,2ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N−N’−m−フェニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架橋に用いるものである。
【0023】
この中でもN,N’−m−フェニレンジマレイミドが好ましく、これを添加することによって架橋度を上げて粘着摩耗等を防止することができる。N,N’−m−フェニレンジマレイミドの添加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して0.2〜10重量部であり、0.2重量部未満の場合には、架橋密度が小さくなり耐摩耗性、耐粘着摩耗性の改善効果が小さく、一方10重量部を越えると加硫ゴムの伸びの低下が著しく、耐屈曲性に問題が生じる。
更に、リブ部7には、硫黄をエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して0.01〜1重量部添加することにより、加硫ゴムの伸びの低下を制御することができる。1重量部を越えると、架橋度が期待できる程に向上しないため、加硫ゴムの未耐摩耗性、耐粘着摩耗性も向上しなくなる。
【0024】
上記有機過酸化物としては、通常、ゴム、樹脂の架橋に使用されているジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2・5−ジメチル−2・5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,1・3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、1・1−ジ−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等があり、熱分解による1分間の半減期が150〜250°Cのものが好ましい。
【0025】
その添加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して約1〜8重量部であり、好ましくは1.5〜4重量部である。
【0026】
リブ部7には、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、綿、アラミドからなる短繊維を混入して耐側圧性を向上させるとともに、プーリと接する面になるリブ部7の表面をグラインダーによって研磨加工して該短繊維を突出させることができる。このようなリブ部7は表面の摩擦係数が低下して、ベルト走行時の騒音を軽減する。上記の短繊維のうち、剛直で強度を有し、しかも耐磨耗性を有するアラミド短繊維が最も効果がある。
【0027】
上記アラミド短繊維が前述の効果を充分に発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20mmで、その添加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して1〜30重量部である。このアラミド繊維は分子構造中に芳香環をもつアラミド、例えば商品名コーネックス、ノーネックス、ケブラー、テクノーラ、トワロン等である。
【0028】
リブ部7には、必要に応じてカーボンブラック、シリカなどの補強剤、クレー、炭酸カルシウムなどの充填剤、軟化剤、加工助剤、老化防止剤、TAICなどの共架橋剤などの各種薬剤を添加してもよい。
【0029】
リブ部7には、エチレン−α−オレフィンエラストマーとともにニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を添加したもの、クロロスルフォン化ポリエチレン、クロロプレン、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴム、CSM、ACSM、SBRが使用される。
【0030】
水素化ニトリルゴムは水素添加率80%以上で、耐熱性及び耐オゾン性の特性を発揮するために、好ましくは90%以上が良い。水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オゾン性は極度に低下する。耐油性及び耐寒性を考慮すると、結合アクリロニトリル量は20〜45%の範囲が好ましい。
【0031】
クロロスルフォン化ポリエチレンは塩素含有量15〜35重量%、好ましくは25〜32重量%で、かつ硫黄含有量が0.5〜2.5重量%の範囲になるようにクロロスルフォン化した直鎖状低密度ポリエチレンである。
【0032】
接着ゴム層3にもリブ部7と同様のエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物が使用される。しかし、心線2であるポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等と良好に接着するために、パーオキサイドを含まない硫黄加硫によるエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物や、クロロスルフォン化ポリエチレン組成物もしくは水素化ニトリルゴム組成物、またはエチレン−α−オレフィンエラストマーと他のポリマーとのブレンド物を使用することもできる。
しかし、特に接着ゴム層3を設ける必要はなく、心線2を内ゴム層8に直接に接触させることもできる。
【0033】
心線2にはポリエチレンテレフタレート繊維、エチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリアミド繊維からなるロープが使用され、ゴムとの接着性を改善する目的で接着処理が施される。このような接着処理としては繊維をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成するのが一般的である。しかし、これに限ることなくエポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行なった後に、RFL液で処理する方法等もある。
【0034】
本発明で使用するエチレン−2,6−ナフタレートは、通常ナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を触媒の存在下に適当な条件のもとにエチレングリコールと縮重合させることによって合成させる。このとき、エチレン−2,6−ナフタレートの重合完結前に適当な1種または2種以上の第3成分を添加すれば、共重合体ポリエステルが合成される。
【0035】
上記心線の接着処理は、まず(1)未処理コードをエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選ばれた処理液を入れたタンクに含浸してプレディップした後、(2)160〜200°Cに温度設定した乾燥炉に30〜600秒間通して乾燥し、(3)続いてRFL液からなる接着液を入れたタンクに浸漬し、(4)210〜260°Cに温度設定した延伸熱固定処理機に30〜600秒間通して−1〜3%延伸して延伸処理コードとする。
【0036】
RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBR等である。
【0037】
カバー帆布5は綿、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、アラミド繊維からなる糸を用いて、平織、綾織、朱子織等に製織した布を用意する。その後、該布をRFL処理にて接着処理する。RFL処理はRFL液に0.1〜20秒間浸漬した後、100〜200℃で30〜600秒にて乾燥させる。
無論、これにゴム糊を付着してもよい。
【0038】
ここで使用するRFL液はレゾルシンとホルマリンの初期縮合物とゴムラテックスとを混合したものであり、この場合レゾルシンとホルマリンのモル比は1:0.5〜3にすることが接着力を高める上で好適である。また、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物は、これをラテックスのゴム分100重量部に対してその樹脂分が10〜100重量部になるようにラテックスと混合した上、全固形分濃度が5〜40%濃度になるように調節される。
【0039】
尚、RFL液には適宜カーボンブラック液を混合して処理反を黒染めする場合もある。綿織物の場合には、RFL液に公知の界面活性剤を0.1〜1.0重量%加えるとよい。
【0040】
上記ラテックスはスチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体、クロロスルフォン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、エピクロルヒドリン、天然ゴム、SBR、クロロプレンゴム、オレフィン−ビニルエステル共重合体等のラテックスである。
【0041】
カバー帆布5は幅端を突き合わせ、長手方向に沿って、例えば綿糸、ナイロン、ビニロン、ポリエステル等のモノフィラメント、マルチフィラメントを用いたオーバーロックなどのミシンがけ縫製により1つのジョイント部を有する筒状帆布にしたものを使用する。
【0042】
Vリブドベルト1の製造方法の一例は以下の通りである。まず、円筒状の成形ドラムの周面に1〜複数枚のカバー帆布と接着ゴム層とを巻き付けた後、この上にロープからなる心線を螺旋状にスピニングして、更に内ゴム層と外ゴム層を順次巻き付けて積層体を得た後、これを加硫して加硫スリーブを得る。
【0043】
次に、加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールに掛架され所定の張力下で走行させ、更に回転させた研削ホイールを走行中の加硫スリーブに当接するように移動して加硫スリーブの圧縮ゴム層表面に3〜100個の複数の溝状部を一度に研削する。
【0044】
このようにして得られた加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールから取り外し、該加硫スリーブを他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッターによって所定に幅に切断して個々のVリブドベルトに仕上げる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0046】
実施例1〜2、比較例1
ポリエステル繊維のロープからなる心線を表2に示すEPDMゴム組成物からなる接着ゴム層内に埋設し、その上側にRFL液のみで処理した綿帆布を1プライ積層し、他方接着ゴム層の下側には表1に示すEPDMゴム組成物から得た所定厚みの圧延シートを内ゴム層と外ゴム層として使用し、3個のリブ部をベルト長手方向に有するVリブドベルトに仕上げた。表3に内ゴム層と外ゴム層の厚みを示す。尚、参考例のリブ部では内ゴム層と外ゴム層は区別されない。
得られたVリブドベルトはRMA規格による長さ1100mmのK型3リブドベルトであり、リブピッチ3.56mm、リブ高さ2.0mm、ベルト厚さ4.3mm、リブ角度40°であった。
【0047】
【表1】
Figure 0004550224
【0048】
【表2】
Figure 0004550224
【0049】
このようにして得られたVリブドベルトの耐熱走行試験を行った。その結果を表3に併記する。
【0050】
耐熱走行試験の評価に用いた走行試験機は、駆動プーリ(直径120mm)、従動プーリ(直径120mm)、これにアイドラープーリ(直径45mm)とテンションプーリ(直径70mm)とを組み合わせて配置したものである。試験機の各プーリにベルトを掛架し、雰囲気温度120℃、駆動プーリの回転数4900rpm、従動プーリの負荷12馬力とし、テンションプーリに57kgfの初張力をかけて走行させた。また、アイドラープーリはVリブドベルトの背面で係合し、その巻き付き角度は約120度である。この走行試験方法によって、ベルトのリブ部に亀裂が発生するまでの時間を測定した。
【0051】
【表3】
Figure 0004550224
【0052】
表3の走行試験の結果から明らかなように、実施例では、リブ部としてエチレン−プロピレンゴムのゴム組成物を用い、更に内ゴム層を外ゴム層より厚くし、かつ内ゴム層の短繊維の配向性を外ゴム層に比べて低下させたことによって、ベルトの走行寿命を維持させ、また製造コストを低下させることができた。
比較例1では、内ゴム層の短繊維の配向を低下したために、リブ部に耐側圧性に欠けベルト寿命が低下した。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本願の請求項の発明では、リブ部にエチレン−αオレフィンエラストマーの架橋物を使用して、耐熱性、耐寒性を向上させ高温雰囲気下及び低温雰囲気下での走行時におけるベルトの耐久性を向上させ、更に内ゴム層を外ゴム層より厚くし、かつ内ゴム層の短繊維のベルト幅方向への配向性を外ゴム層に比べて低下させたことによって、外ゴム層にリブ部先端から発生する亀裂を阻止してベルトの走行寿命を維持させ、また内ゴム層を使用することで製造コストを低下したVリブドベルトを仕上げることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVリブドベルトの縦断面図である。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト
2 心線
3 接着ゴム層
5 カバー帆布
7 リブ部
8 内ゴム層
9 外ゴム層

Claims (6)

  1. 表面にカバー帆布を積層し、ゴム中にベルト長手方向に沿って心線を埋設し、ベルトの周方向に延びる複数のリブ部を配したVリブドベルトにおいて、リブ部が短繊維をベルト幅方向に埋設したエチレン−α−オレフィンエラストマーの架橋物からなり、かつリブ部を心線に近い内ゴム層と先端側の外ゴム層の2層に区分して内ゴム層を外ゴム層より厚くし、かつ内ゴム層の短繊維のベルト幅方向への配向性を外ゴム層に比べて小さくしたことを特徴とするVリブドベルト。
  2. 外ゴム層の厚みは、リブ部の厚みに対して10〜40%である請求項1記載のVリブドベルト。
  3. 内ゴム層に使用する圧延シートの1枚の厚みは、外ゴム層のそれに比べて厚くなっている請求項1または2記載のVリブドベルト。
  4. リブ部が有機過酸化物で架橋させたエチレン−α−オレフィンエラストマーの架橋物である請求項1〜3いずれかに記載のVリブドベルト。
  5. リブ部には、エチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して硫黄を0.01〜1.0重量部添加した請求項4記載のVリブドベルト。
  6. リブ部が硫黄架橋させたエチレン−α−オレフィンエラストマーの加硫物である請求項5記載のVリブドベルト。
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