JP2003194152A - Vリブドベルト - Google Patents

Vリブドベルト

Info

Publication number
JP2003194152A
JP2003194152A JP2001392024A JP2001392024A JP2003194152A JP 2003194152 A JP2003194152 A JP 2003194152A JP 2001392024 A JP2001392024 A JP 2001392024A JP 2001392024 A JP2001392024 A JP 2001392024A JP 2003194152 A JP2003194152 A JP 2003194152A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
rubber layer
cord
ribbed belt
ribbed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001392024A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Kinoshita
隆史 木下
Makoto Sakashita
誠 坂下
Hitoshi Hanesaka
仁志 羽坂
Sumiko Takeuchi
寿美子 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP2001392024A priority Critical patent/JP2003194152A/ja
Publication of JP2003194152A publication Critical patent/JP2003194152A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸間距離を固定したままベルト装着が可能で
あると共に、寸法安定性に優れ、ベルト張力保持率を改
善した伝動ベルトを提供する。 【解決手段】 接着ゴム層2内にベルト長手方向に沿っ
て心線3が埋設され、接着ゴム層2の下部にベルト長手
方向に複数のリブを設けた圧縮ゴム層4を有し、接着ゴ
ム層2の上部に基布5を積層したVリブドベルト1にお
いて、心線3として、ポリアミド繊維のマルチフィラメ
ント群とポリエチレンテレフタレート繊維のマルチフィ
ラメント群を混撚して子縄とし、前記子縄を複数本束ね
て下撚り方向と逆方向に上撚りした撚りコードを用い
る。また、Vリブドベルトを2.0%伸張させるのに必
要な応力が250〜350N/リブであり、且つ、ベル
トに147Nの初荷重をかけ、100°Cの雰囲気下3
0分放置した後に発生したベルト乾熱時収縮応力が10
0〜150Nとなるよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は動力伝動に用いる
Vリブドベルトに係り、詳しくは軸間距離を固定したド
ライブシステムに装着可能であると共に、寸法安定性に
優れ、走行後のベルト張力保持率が高いVリブドベルト
に関する。
【0002】
【従来の技術】動力伝動に用いられるVリブドベルトに
は、ゴム組成物で構成された本体に繊維からなる撚りコ
ードが心線として埋設されている。撚りコードは、ベル
ト張力の大部分を担う部材であって、その特性は構成す
る繊維種及び撚り数、撚り方向、繊度その他の組み合わ
せにより定まる。
【0003】これらVリブドベルトは、自動車のエアー
コンプレッサーやオルタネータ等の補機駆動の動力伝動
用として広く用いられている。これらドライブシステム
へ伝動ベルトを装着するには、プーリを軸間距離が小さ
くなる方向に移動させて伝動ベルトを掛架した後、プー
リを元の位置まで戻して張力を付与することが一般であ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが近年では装置
のコンパクト化に伴う設置スペースの減少の要請によ
り、軸間距離を固定したレイアウトで使用されるケース
が多くなっている。このレイアウトでは軸間距離を固定
したままベルトを取り付けるためにプーリを移動させる
といった作業が不用であるが、使用するベルトの経時寸
法変化が小さく、走行後の張力低下率が低いことが必要
とされる。
【0005】しかし、従来のベルトを検討してみると、
ポリエステル繊維コードを用いた伝動ベルトは、耐屈曲
疲労性が非常に良好であるものの、寸法安定性に乏しい
といった欠点がある。また、アラミド繊維を用いた場合
は、寸法安定性及び経時寸法安定性に優れているが、ゴ
ムベルト本体との接着性及び耐屈曲疲労性が悪く、しか
も伸張させた時の応力が高い為に、プーリを固定したま
まベルトを装着することが困難であるといった問題があ
る。一方、ナイロン繊維コードを用いた伝動ベルトは、
上記ドライブシステムへの取付けが可能であるものの、
モジュラスが低いために走行後の張力低下が大きく、ベ
ルトスリップが発生して早期に使用不可能となるといっ
た問題があり、何れの繊維コードも未だ充分満足される
状態に至っていないのが現状である。
【0006】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、軸間距離を固定したドライブシステムへの取付
けが可能であるとともに、走行後のベルト張力低下が小
さく、優れた寸法安定性を充足するベルトを提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明は、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着
ゴムと、ベルトの周方向に延びる複数のリブ部をもつ圧
縮ゴム層からなるVリブドベルトにおいて、心線が、ポ
リアミド繊維のマルチフィラメント群とポリエチレンテ
レフタレート繊維のマルチフィラメント群を混撚して子
縄とし、前記子縄を複数本束ねて下撚り方向と逆方向に
上撚りした撚りコードであり、Vリブドベルトを2.0
%伸張させるのに必要な応力が250〜350N/リブ
であり、且つ、ベルトに147Nの初荷重をかけ、10
0°Cの雰囲気下30分放置した後に発生したベルト乾
熱時収縮応力が100〜150NであるVリブドベルト
にあり、軸間距離を固定したドライブシステムへの取付
けが容易で、寸法安定性に優れ、走行後のベルト張力保
持率を高める効果がある。
【0008】本願請求項2記載の発明は、請求項1記載
のVリブドベルトにおいて、ポリアミド繊維とポリエチ
レンテレフタレート繊維が1:3〜3:1の質量割合で
混撚されていることを特徴とする。
【0009】本願請求項3記載の発明は、請求項1又は
2記載のVリブドベルトにおいて、軸間距離を固定した
ドライブシステムに装着されることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に従って説明する。図1に本発明に係る動力伝動ベルト
の一例としてVリブドベルト1を示す。Vリブドベルト
1は、接着ゴム層2内にベルト長手方向に沿って心線3
が埋設され、接着ゴム層2の下部に、ベルト長手方向に
複数のリブを設けた圧縮ゴム層4を有している。また接
着ゴム層2の上部には、伸張層として基布5が積層した
構造を有する。
【0011】基布5は、織物、編物、不織布から選択さ
れる帆布である。構成する繊維素材としては、公知公用
のものが使用できるが、例えば綿、麻等の天然繊維や、
金属繊維、ガラス繊維等の無機繊維、そしてポリアミ
ド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ
スチレン、ポリフロルエチレン、ポリアクリル、ポリビ
ニルアルコール、全芳香族ポリエステル、アラミド等の
有機繊維が挙げられる。
【0012】上記基布5は、公知技術に従ってレゾルシ
ン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)に浸漬後、
未加硫ゴムを基布5に擦り込むフリクションを行った
り、またRFL液に浸漬後にゴムを溶剤に溶かしたソー
キング液に浸漬処理する。また、RFL液には適宜カー
ボンブラック液を混合して処理反を黒染めしたり、公知
の界面活性剤を0.1〜5.0質量%加えてもよい。
尚、RFL処理は必須ではなく、必要に応じて行なうこ
とが望ましい。
【0013】上記圧縮ゴム層4の主材ゴムには、天然ゴ
ム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロプレンゴム、エチ
レン−プロピレンゴムのようなエチレン−α−オレフィ
ンエラストマー、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニト
リルゴム(H−NBR)に不飽和カルボン酸金属塩を添
加したもの、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレ
ン(ACSM)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム
(CSM)等を主成分とし、これにカーボンブラックの
ような補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫助
剤、硫黄あるいは有機過酸化物のような加硫剤等が添加
混合される。
【0014】なかでも、耐油性と耐寒性を有するエチレ
ン−α−オレフィンエラストマーが好ましい。エチレン
−α−オレフィンエラストマーとしては、その代表的な
ものとしてEPDMがあり、これはエチレン−プロピレ
ン−ジエンモノマーをいう。ジエンモノマーの例として
は、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エ
チリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロ
オクタジエンなどがあげられる。
【0015】上記ゴムの架橋には、硫黄や有機過酸化物
が使用される。有機過酸化物としては具体的には、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド、1.1−t−ブチル
ペロキシ−3.3.5−トリメチルシクロヘキサン、
2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキ
シ)ヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−
ブチルペロキシ)ヘキサン−3、ビス(t−ブチルペロ
キシジ−イソプロピル)ベンゼン、2.5−ジ−メチル
−2.5−ジ(ベンゾイルペロキシ)ヘキサン、t−ブ
チルペロキシベンゾアート、t−ブチルペロキシ−2−
エチル−ヘキシルカーボネートが挙げられる。この有機
過酸化物は、単独もしくは混合物として、通常エチレン
−アルファ−オレフィンエラストマー100gに対して
0.005〜0.02モルgの範囲で使用される。
【0016】また加流促進剤を配合しても良い。加硫促
進剤としてはチアゾール系、チウラム系、スルフェンア
ミド系の加硫促進剤が例示でき、チアゾール系加硫促進
剤としては、具体的に2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−メルカプトチアゾリン、ジベンドチアジル・ジ
スルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩
等があり、チウラム系加硫促進剤としては、具体的にテ
トラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチ
ウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスル
フィド、N,N’−ジメチル− N,N’−ジフェニル
チウラム・ジスルフィド等があり、またスルフェンアミ
ド系加硫促進剤としては、具体的にN−シクロヘキシル
−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−シ
クロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等
がある。また、他の加硫促進剤としては、ビスマレイミ
ド、エチレンチオウレアなども使用できる。これら加硫
促進剤は単独で使用してもよいし、2種以上の組み合わ
せで使用してもよい。
【0017】また、架橋助剤(co−agent)を配
合することによって、架橋度を上げて粘着摩耗等の問題
を防止することができる。架橋助剤として挙げられるも
のとしては、TIAC、TAC、1,2ポリブタジエ
ン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジ
ン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、N−N‘−m−フェ
ニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架
橋に用いるものである。
【0018】一方、接着ゴム層2は圧縮ゴム層4と同種
のゴムが使用可能である。配合物としては短繊維は混入
しないほうが好ましいが、必要に応じてカーボンブラッ
ク、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タルクの
ような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤のよ
うな通常のゴム配合に用いるものが使用される。
【0019】尚、本発明に係る動力伝動用ベルトである
Vリブドベルト1の圧縮ゴム層4には、ナイロン6、ナ
イロン66、ポリエステル、綿、アラミド、ビニロン、
ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)
からなる短繊維を混入して圧縮ゴム層4の耐側圧性を向
上させるとともに、プーリと接する面になる圧縮ゴム層
4の表面に該短繊維を突出させ、圧縮ゴム層4の摩擦係
数を低下させて、ベルト走行時の騒音を軽減する。これ
らの短繊維のうち、剛直で強度を有し、しかも耐摩耗性
を有するアラミド短繊維が汎用的に用いられる。
【0020】上記アラミド短繊維が前述の効果を十分に
発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20
mmで、その添加量はエチレン−アルファ−オレフィン
エラストマー100重量部に対して1〜30重量部であ
る。尚、短繊維の添加量が1質量部未満の場合には、圧
縮ゴム層4のゴムが粘着しやすくなって摩耗する欠点が
あり、また一方30質量部を超えると短繊維がゴム中に
均一に分散しなくなりクラックが発生しやすくなる。こ
のアラミド繊維は分子構造中に芳香環をもつアラミド、
例えば商品名コーネックス、ノーメックス、ケブラー、
テクノーラ、トワロン等である。
【0021】ただし、このアラミド短繊維の添加は必須
ではなく、他の素材からなる短繊維を添加したものでも
良い。また、上記ゴム層中の短繊維の方向はベルトの長
手方向に対して直角方向を向いているのを90°とした
ときほとんどの短繊維が70°〜110°の範囲内に配
向されていることが望ましい。
【0022】上記配合物の混練り方法としては限定する
ものでなく、また混練り手段も例えばバンバリーミキサ
ー、ロール、ニーダー、そして押出機等限定するもので
なく、適宜公知の手段、方法によって混練することがで
きる。また加硫方法も限定されるものでなく、モールド
加熱、熱空気加熱、回転ドラム式加硫機、射出成形機等
の加硫装置を用いた公知の手段で加硫される。
【0023】心線3としては、ポリアミド繊維のマルチ
フィラメント群とポリエチレンテレフタレート繊維のマ
ルチフィラメント群を混撚した子縄を複数本束ねて上撚
りした撚りコードが用いられる。ここでポリアミド、ポ
リエチレンテレフタレート各繊維の特性を充分に発揮す
る為には1:3〜3:1の割合で混撚させることが好ま
しい。尚、前記コードは、子縄が800〜4,000d
tex、総デニール数が3,000〜12,000dt
exとなるよう設定すると、ベルトスリップ率を低くで
き、ベルト寿命を延長させるために好ましい。このコー
ドの上撚り数は60〜230/mであり、また下撚り数
は100〜380/mである。総デニールが3,000
未満の場合には、心線のモジュラス、強力が低くなり過
ぎ、また12,000を越えると、ベルトの厚みが厚く
なって、屈曲疲労性が悪くなる。また上撚りは、下撚り
と逆方向に撚ることが好ましい。
【0024】心線3にはゴムとの接着性を改善する目的
で接着処理が施される。このような接着処理としては繊
維をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)液
に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成する
のが一般的である。しかし、これに限ることなくエポキ
シ又はイソシアネート化合物で前処理を行なった後に、
RFL液で処理する方法等もある。
【0025】具体的には、未処理コードをエポキシ化合
物やイソシアネート化合物から選ばれた前処理液を含浸
させてプレディップ処理した後、160〜200℃に温
度設定した乾燥炉に30〜600秒間通して乾燥し、続
いてRFL液からなる接着処理を含浸させる。そして、
該コードを210〜260℃に温度設定した延伸固定処
理機に30〜600秒通して1〜3%延伸し、延伸処理
コードとする。
【0026】エポキシ化合物としては、例えばエチレン
グリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多
価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリアル
キレングリコールとエピクロルヒドリンのようなハロゲ
ン含有エポキシ化合物との反応生成物や、レゾルシン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムア
ルデヒド樹脂等の多価フェノール類やハロゲン含有エポ
キシ化合物との反応生成物である。このエポキシ化合物
はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合し
て使用される。またイソシアネート化合物としては、例
えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
ルエン2,4−ジイソシアネート、P−フェニルジイソ
シアネート、ポリアリールポリイソシアネート等があ
る。このイソシアネート化合物もトルエン、メチルエチ
ルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
【0027】ここでRFL液に使用するラテックスとし
ては、クロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピ
リジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBR、EPD
M、CSM等である。
【0028】上述のように処理されたコードは、スピニ
ングピッチ、即ち心線の巻き付けピッチを1.0〜1.
3mmにすることで、モジュラスの高いベルトに仕上げ
ることができる。1.0mm未満になると、コードが隣
接するコードに乗り上げて巻き付けができず、一方1.
3mmを越えると、ベルトのモジュラスが徐々に低くな
る。
【0029】次にVリブドベルト1の製造方法の一例を
以下に示す。まず、円筒状の成形ドラムの周面に基布と
接着ゴムを巻き付けた後、この上に心線を螺旋状にスピ
ニングし、更に圧縮ゴムを順次巻き付けて積層体を得た
後、これを加硫して加硫スリーブを得る。次に、加硫ス
リーブを駆動ロールと従動ロールに掛架し、所定の張力
下で走行させ、更に回転させた研削ホイールを走行中の
加硫スリーブに当接するように移動して加硫スリーブの
圧縮ゴム層表面に3〜100個の複数の溝状部を一度に
研削する。
【0030】このようにして得られた加硫スリーブを駆
動ロールと従動ロールから取り外し、該加硫スリーブを
他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッ
ターによって所定に幅に切断して個々のVリブドベルト
に仕上げる。
【0031】尚、得られたVリブドベルトは2.0%伸
張させるのに必要な応力(2.0%モジュラス)が25
0〜350N/リブであり、且つ、ベルトに147Nの
初荷重をかけ、100°Cの雰囲気下30分放置した後
に発生したベルト乾熱時収縮応力が100〜150Nと
なるよう設計されてなる。この2つの特性を満足するV
リブドベルト1は、ベルトスリップ率が小さくベルト耐
久寿命が長いといった特性を有する。2%モジュラスが
250N/リブ未満である、もしくは/そしてベルト乾
熱時収縮応力が100N未満である場合には、走行後の
ベルト張力低下が大きく、スリップ率が高くなる傾向に
ある。一方、ベルト乾熱時収縮応力が150Nを超える
場合には、ベルト寸法の経時収縮が大きくなる傾向があ
る。また、ベルトの2.0%モジュラスが350Nより
大きい場合、軸間距離を変化させずにベルトを取り付け
ることが困難となる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により詳細に
説明する。 実施例1〜3、比較例1,2 心線として、1束が940dtexのナイロン繊維マル
チフィラメント並びに1,220dtexのポリエチレ
ンテレフタレート繊維マルチフィラメントを用いて、表
1に示す構成のコードを作製した後、各未処理コードを
表2に示す前処理液に浸漬した後、200℃で2分間熱
処理し、続いて、表3に示すRFL液を含浸させた後、
再び230℃で2分間熱処理を行なった。この処理コー
ドを更に、表4に示す配合ゴムを固形分濃度10%とな
るようトルエンで希釈したゴム糊に浸漬し、160°C
で4分間熱処理を行なって処理コードとした。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】次に、上記コードを用いてリブドベルトを
作製した。Vリブドベルトの製造工程として、まず、円
筒状モールドに経糸と緯糸とが綿糸からなる平織物にク
ロロプレンゴムをフリクションしたゴム付帆布を1プラ
イ巻き付けた後、クロロプレンゴム組成物からなる接着
ゴムシートを巻き、更にその上に上記コードをスピニン
グし、そして表4に示す配合のゴムシートからなる圧縮
ゴム層を巻き付け成形を終えた。これを公知の方法で1
60°C、30分で加硫して円筒状の加硫ゴムスリーブ
を得た。
【0037】
【表4】
【0038】上記加硫ゴムスリーブを研磨機の駆動ロー
ルと従動ロールに装着して、張力を付与した後に回転さ
せた。150メッシュのダイヤモンドを表面に装着した
研磨ホイールを1,600rpmで回転させ、これを加
硫スリーブに当接させてリブ部を研磨した。研磨機から
取り出したスリーブを切断機に設置した後、回転しなが
ら切断した。
【0039】作製したVリブドベルトは、心線が接着ゴ
ム層内に埋設され、その上側にゴム付綿帆布を1プライ
積層し、他方接着ゴム層の下側にはゴム圧縮部があって
3個のリブがベルト長手方向に設けられている。このV
リブドベルトはRMA規格による長さ1,100mmの
K型3リブドベルトであり、リブピッチ3.56mm、
リブ高さ2.9mm、リブ角度40°であった。また圧
縮ゴム層に配合されている短繊維はベルト幅方向に配向
している。
【0040】1.ベルト乾熱収縮率 ベルトを無荷重の状態で、120℃雰囲気下で30分間
放置した後、放置前後でのベルト外周長の変化率を求め
た。
【0041】2.ベルト乾熱時収縮応力 ベルトから心線を埋設したクッションゴム層を取り出
す。クッションゴム層の両側から余分のコードを取り除
き、コード5本からなる測定試料を作製する。この測定
試料に147Nの初荷重をかけ、100℃の雰囲気下で
30分間放置した後、発生した応力を求めた。
【0042】3.ベルト2%伸び時応力 ベルトを50mm/分の速度で引っ張って、ベルトを2
%伸ばすのに必要な応力を測定し、1リブ(3.56m
m)当たりの応力に換算した。
【0043】4.ベルト張力保持率 前記ベルトを駆動プーリ(120φ)、そして従動プー
リ(120φ)を備えた走行試験機にベルトを掛架し、
従動プーリに3.8kWの荷重を掛けてベルトに98N
/リブの張力を付与した後、室温雰囲気下で駆動プーリ
を3,600rpmで回転させて、120分間ベルトを
走行させる。そして、走行後のベルトの張力を測定し、
これを走行前のベルト張力で除してベルト張力保持率求
めた。
【0044】これらVリブドベルトの性能としては、コ
ードの上撚り係数及び下撚り係数、そして撚り方向が同
一であっても、ポリアミド繊維とポリエチレンテレフタ
レート繊維のマルチフィラメント群を所定の割合で混撚
させた実施例1,2と、これら各単独の繊維で撚糸した
比較例1,2を比較してみると、実施例ではベルト張力
保持率並びに寸法安定性に優れており、軸間固定したま
までドライブシステムへ装着できることが判明した。一
方、比較例1では、軸間固定したままでドライブシステ
ムへベルト装着が可能なものの寸法安定性に乏しく、走
行後のベルト張力に著しい低下が見られた。また比較例
2では、寸法安定性、張力保持性については良好な結果
が得られたが、軸間固定したままでドライブシステムに
ベルトを懸掛させることが困難であることが知見でき
た。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本願請求項1記載の発明
では、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴム
と、ベルトの周方向に延びる複数のリブ部をもつ圧縮ゴ
ム層からなるVリブドベルトにおいて、心線が、ポリア
ミド繊維のマルチフィラメント群とポリエチレンテレフ
タレート繊維のマルチフィラメント群を混撚して子縄と
し、前記子縄を複数本束ねて下撚り方向と逆方向に上撚
りした撚りコードであり、Vリブドベルトを2.0%伸
張させるのに必要な応力が250〜350N/リブであ
り、且つ、ベルトに147Nの初荷重をかけ、100°
Cの雰囲気下30分放置した後に発生したベルト乾熱時
収縮応力が100〜150NであるVリブドベルトであ
って、軸間固定したドライブシステムへの取付けが可能
であると共に、寸法安定性に優れ、ベルト張力保持率を
改善できる効果がある。
【0046】そして、本願請求項2記載の発明では、上
記請求項1記載のVリブドベルトであって、ポリアミド
繊維とポリエチレンテレフタレート繊維が1:3〜3:
1の質量割合で混撚されているVリブドベルトにあり、
前記繊維を所定の割合で混撚させることで上述の効果の
バランスがとれる。
【0047】本願請求項3記載の発明では、上記請求項
1記載のVリブドベルトであって、軸間距離を固定した
ドライブシステムにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVリブドベルトの断面斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2 接着ゴム層 3 心線 4 圧縮ゴム層 5 基布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 寿美子 神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ 星ベルト株式会社内 Fターム(参考) 4L036 MA05 MA06 MA24 MA33 MA37 MA39 PA21 RA30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
    接着ゴムと、ベルトの周方向に延びる複数のリブ部をも
    つ圧縮ゴム層からなるVリブドベルトにおいて、心線
    が、ポリアミド繊維のマルチフィラメント群とポリエチ
    レンテレフタレート繊維のマルチフィラメント群を混撚
    して子縄とし、前記子縄を複数本束ねて下撚り方向と逆
    方向に上撚りした撚りコードであり、Vリブドベルトを
    2.0%伸張させるのに必要な応力が250〜350N
    /リブであり、且つ、ベルトに147Nの初荷重をか
    け、100°Cの雰囲気下30分放置した後に発生した
    ベルト乾熱時収縮応力が100〜150Nであることを
    特徴とするVリブドベルト。
  2. 【請求項2】 ポリアミド繊維とポリエチレンテレフタ
    レート繊維が1:3〜3:1の質量割合で混撚されてい
    る請求項1記載のVリブドベルト。
  3. 【請求項3】 軸間距離を固定したドライブシステムに
    装着される請求項1又は2記載のVリブドベルト。
JP2001392024A 2001-12-25 2001-12-25 Vリブドベルト Pending JP2003194152A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001392024A JP2003194152A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 Vリブドベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001392024A JP2003194152A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 Vリブドベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003194152A true JP2003194152A (ja) 2003-07-09

Family

ID=27599447

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001392024A Pending JP2003194152A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 Vリブドベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003194152A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005076705A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Mitsuboshi Belting Ltd Vリブドベルト
JP2013127278A (ja) * 2011-12-16 2013-06-27 Mitsuboshi Belting Ltd 伝動ベルト
CN108884907A (zh) * 2016-04-15 2018-11-23 三之星机带株式会社 摩擦传动带
CN110219940A (zh) * 2012-01-31 2019-09-10 三之星机带株式会社 多楔带
WO2021145348A1 (ja) * 2020-01-16 2021-07-22 三ツ星ベルト株式会社 伝動ベルト用心線および伝動ベルトならびにそれらの製造方法
JP2021113384A (ja) * 2020-01-16 2021-08-05 三ツ星ベルト株式会社 伝動ベルト用心線および伝動ベルトならびにそれらの製造方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005076705A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Mitsuboshi Belting Ltd Vリブドベルト
JP2013127278A (ja) * 2011-12-16 2013-06-27 Mitsuboshi Belting Ltd 伝動ベルト
CN110219940B (zh) * 2012-01-31 2021-08-20 三之星机带株式会社 多楔带
CN110219940A (zh) * 2012-01-31 2019-09-10 三之星机带株式会社 多楔带
CN108884907A (zh) * 2016-04-15 2018-11-23 三之星机带株式会社 摩擦传动带
EP3444501A4 (en) * 2016-04-15 2019-11-27 Mitsuboshi Belting Ltd. FRICTION TRANSMISSION BELT
US11674561B2 (en) 2016-04-15 2023-06-13 Mitsuboshi Belting Ltd. Friction transmission belt
JP2021113384A (ja) * 2020-01-16 2021-08-05 三ツ星ベルト株式会社 伝動ベルト用心線および伝動ベルトならびにそれらの製造方法
JP2021175844A (ja) * 2020-01-16 2021-11-04 三ツ星ベルト株式会社 伝動ベルト用心線および伝動ベルトならびにそれらの製造方法
JP7121174B2 (ja) 2020-01-16 2022-08-17 三ツ星ベルト株式会社 伝動ベルト用心線および伝動ベルトならびにそれらの製造方法
CN114929957A (zh) * 2020-01-16 2022-08-19 三之星机带株式会社 传动带用芯线和传动带以及它们的制造方法
WO2021145348A1 (ja) * 2020-01-16 2021-07-22 三ツ星ベルト株式会社 伝動ベルト用心線および伝動ベルトならびにそれらの製造方法
CN114929957B (zh) * 2020-01-16 2023-08-04 三之星机带株式会社 传动带用芯线和传动带以及它们的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1218135C (zh) 在其表面上具有织物材料的动力传动带
US6875144B2 (en) Rubber composition, a method of making the rubber composition, a power transmission belt made from the rubber composition and a method of making the power transmission belt
US6866922B2 (en) Power transmission belt
JPH09273607A (ja) Vリブドベルト
JP2004125012A (ja) 動力伝動ベルト
JP2007009966A (ja) 伝動ベルト
JP2003194152A (ja) Vリブドベルト
JP2006266494A (ja) Vリブドベルト
JP2003314624A (ja) 動力伝動用ベルト及びその製造方法
JP4619733B2 (ja) 動力伝動用ベルト
JP2004176904A (ja) 動力伝動ベルト
JP3923818B2 (ja) 動力伝動ベルト
JP2006183805A (ja) Vリブドベルト
JP2003240055A (ja) 動力伝動ベルト
JP2006124484A (ja) エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び動力伝動ベルト
JP2000320616A (ja) 伝動ベルト用心線及びこれを用いた伝動ベルト
JP2002227934A (ja) 動力伝動用ベルト
JP4416060B2 (ja) 動力伝動用ベルト
JP2003294087A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2005076705A (ja) Vリブドベルト
JP2001140988A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2003247604A (ja) Vリブドベルト
JP2006258114A (ja) 摩擦伝動ベルト
JP2004292735A (ja) エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び伝動ベルト
JP2004232743A (ja) 動力伝動ベルト