JP4546740B2 - 非水電解液二次電池用負極の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池用負極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池用の負極の製造方法に関する。
集電体上に、ケイ素を含む活物質の粒子、導電性金属粉末及びバインダーを含む混合層を形成し、該混合層を非酸化性雰囲気下に焼結することで活物質層を形成したリチウムイオン二次電池用負極が知られている(特許文献1参照)。また、集電体上にスズからなる活物質層を形成し、その上にめっき法やスパッタリング法によって銅からなる薄い被覆層を形成してなるリチウムイオン二次電池用負極も知られている(特許文献2参照)。
特開2002−260637号公報 特開2002−289178号公報
特許文献1記載の負極によれば高い充放電容量を得ることができるとされている。しかし、この負極では、活物質の粒子がリチウムを吸脱蔵することに起因する体積変化によって、活物質層が集電体から剥離しやすく、サイクル特性が十分とは言えない。この理由は、活物質層の形成時の焼結による熱によって集電体が軟質化するのに対して、活物質層はバインダーで固定化されていることから硬質であることに起因していると考えられる。またこの負極は、厚膜の集電体を備えていることから、単位重量当たり及び単位体積当たりのエネルギー密度を高めることが容易ではない。特許文献2記載の負極についても同様に、厚膜の集電体を備えていることから、単位重量当たり及び単位体積当たりのエネルギー密度を高めることが容易ではない。
従って本発明は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る非水電解液二次電池用負極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、キャリア箔の一面に、リチウム化合物の形成能の高い物質を含む活物質の粒子をバインダーで固定化して活物質層を形成し、
該活物質層を該キャリア箔ごと非酸化性雰囲気下に焼結処理に付し、
該活物質層の表面に、薄膜形成手段によってリチウム化合物の形成能の低い物質からなる導電性の被覆層を形成し、次いで
該活物質層を該被覆層と共に該キャリア箔から剥離することを特徴とする非水電解液二次電池用負極の製造方法を提供するものである。
本発明の非水電解液二次電池用負極の製造方法によれば、被覆層が熱処理を受けていないので、該被覆層の硬質な状態が維持される。その結果、繰り返しの充放電に起因する活物質の粒子の剥落が防止され、サイクル特性が向上する。その上、集電用の厚膜導電体を有していないので単位重量当たり及び単位体積当たりのエネルギー密度を高めることができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の第1の実施形態の負極が模式的に示されている。図1に示す負極1は、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池に用いられるものであり、第1の面1a及び第2の面1bを有している。負極1は、活物質層2と、該活物質層2の一面に形成された被覆層3とを具備している。活物質層2の表面は、負極1における第1の面1aをなしている。一方、被覆層3の表面は、負極1における第2の面1bをなしている。第1の面1aは、負極1が電池に組み込まれたときに電解液と接する面である。一方、第2の面1bは、出力端子が引き出される面である。また図1から明らかなように、本実施形態の負極1は、従来の負極に用いられていた集電用の厚膜導電体(例えば金属箔やエキスパンドメタル)を有していない。
活物質層2は、リチウム化合物の形成能の高い物質を含む活物質の粒子4及び導電性粉末5を含んでいる。活物質粒子4及び導電性粉末5は、バインダー(図示せず)によって固定化されている。バインダーの結着力によって活物質粒子4どうし及び活物質粒子4と導電性粉末5との密着性が高まり、電子伝導性が良好になる。更に、活物質粒子4の微粉化が抑制され、また被覆層3からの剥離が抑制されて、良好な充放電サイクル特性を得ることができる。「リチウム化合物の形成能が高い」とは、リチウムと金属間化合物又は固溶体を形成しやすいことを意味する。
活物質層2は、活物質粒子4、導電性粉末5及びバインダーを含む層を非酸化性雰囲気下に焼結して形成されたものであることが好ましい。焼結によって活物質粒子4どうし及び活物質粒子4と導電性粉末5との密着性が高まり、活物質粒子4の周囲に導電性粉末5による強固な導電性のネットワークが形成される。その結果、充放電によって活物質粒子4が微粉化しても電子伝導性が保たれ、良好な充放電サイクル特性を得ることができる。
活物質層2に含まれている活物質粒子4は、その最大粒径が50μm以下、特に20μm以下であることが好ましい。また粒子4の粒径をD50値で表すと0.1〜8μm、特に1〜5μmであることが好ましい。最大粒径が50μm超であると、粒子4の脱落が起こりやすくなり、負極1の寿命が短くなる場合がある。粒径の下限値に特に制限はなく小さいほど好ましい。粒子4の製造方法に鑑みると、下限値は0.01μm程度である。粒子4の粒径は、レーザー回折散乱式粒度測定装置、電子顕微鏡観察(SEM観察)によって測定される。
活物質粒子4としては、例えばシリコン系材料やスズ系材料、アルミニウム系材料、ゲルマニウム系材料等の粒子が挙げられる。特に、活物質としてシリコン系材料やスズ系材料を用いることが好ましい。シリコン系材料又はスズ系材料の粒子としては、例えばイ)シリコン単体又はスズ単体の粒子、ロ)少なくともシリコン又はスズと炭素との混合粒子、ハ)シリコン又はスズと金属との混合粒子、ニ)シリコン又はスズと金属との化合物粒子、ホ)シリコン又はスズと金属との化合物粒子と、金属の粒子との混合粒子、ヘ)シリコン単体又はスズ単体の粒子の表面に金属が被覆されてなる粒子などが挙げられる。ロ)、ハ)、ニ)、ホ)及びヘ)の粒子を用いると、イ)のシリコン単体又はスズ単体の粒子を用いる場合に比べて、リチウムの吸脱蔵に起因するシリコン系材料又はスズ系材料の微粉化が一層抑制されるという利点がある。また半導体であり電子伝導性の乏しいシリコンに電子伝導性を付与できるという利点がある。
活物質層2に含まれている導電性粉末5は、活物質層2に十分な電子伝導性を付与するために用いられる。導電性粉末5としては、金属粉末及び非金属粉末を用いることができる。金属粉末としては、リチウム化合物の形成能の低い金属の粉末を用いることが好ましい。そのような金属としては、例えば銅、ニッケル、鉄、チタン若しくはコバルト又はこれらの組み合せからなる合金や混合物が挙げられる。一方、非金属粉末としては、例えばアセチレンブラックやグラファイトなどの導電性炭素材料の粒子が挙げられる。導電性粉末5は、その粒径が40μm以下、特に20μm以下であることが、電子伝導性の十分な付与の点から好ましい。導電性粉末5の粒径の下限値に特に制限はなく小さいほど好ましい。導電性粉末5の製造方法に鑑みると、その下限値は0.01μm程度となる。
上述の通り、活物質層2には活物質粒子4及び導電性粉末5が含まれている。しかし、導電性粉末5は必須のものではなく、活物質粒子4が十分な電子伝導性を有している場合には、導電性粉末5を配合しなくてもよい。一方、導電性粉末5を配合する場合には、活物質層2における活物質粒子4の割合は、活物質粒子4と導電性粉末5との和に対し、重量比で表して99〜60重量%、特に95〜85重量%であることが、十分な充放電容量を確保しつつ、良好なサイクル特性を得る観点から好ましい。また活物質粒子4の負極全体に占める割合は、80〜20重量%、特に70〜50重量%であることが、十分な充放電容量の確保の点、及び活物質粒子4の剥落防止の点から好ましい。導電性粉末5の負極全体に占める割合は、10〜1重量%、特に5〜2重量%であることが、十分な電子伝導性の確保、及び充放電容量の確保の点から好ましい。
活物質粒子4及び導電性粉末5と共に活物質層2に含まれているバインダーとしては、焼結後も完全に分解せず残存し得るものが好適に用いられる。例えばポリイミドを用いることができる。ポリイミドは、例えばポリアミド酸を熱処理することによって得ることができる。この熱処理によりポリアミド酸が脱水縮合してポリイミドが生成する。ポリイミドはそのイミド化率が80%以上であることが、活物質粒子4と被覆層3との密着性向上の点から好ましい。イミド化率とは、ポリイミド前駆体に対する生成したポリイミドのモル%である。イミド化率80%以上のものは、例えば、ポリアミド酸のN−メチルピロリドン溶液を100℃〜400℃の温度で1時間以上熱処理することによって得ることができる。例えば、350℃で熱処理する場合、熱処理時間が約1時間でイミド化率が約80%となり、約3時間でイミド化率は約100%となる。前述した通り、バインダーは焼結後も完全に分解せず残存していることが好ましいので、バインダーとしてポリイミドを用いる場合には、ポリイミドが完全に分解しない600℃以下の温度で焼結することが好ましい。
またバインダーとして、フッ素原子を含むバインダーも好ましく用いることができる。特に、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレンが好ましい。ポリフッ化ビニリデン又はポリテトラフルオロエチレンをバインダーとして用い、バインダーが完全に分解しないような温度で焼結のための熱処理を行なうことにより、さらに良好な充放電サイクル特性を得ることができる。
活物質層2において、バインダーは、固体成分(ここでは、活物質粒子4及び導電性粉末5)の総量に対して5〜30重量%、特に5〜15重量%存在していることが、活物質粒子4間及び活物質粒子4と導電性粉末5との密着性を十分に確保する点及び、活物質層2と被覆層3との密着性を十分に確保する点から好ましい。
活物質層2の厚みは本発明において臨界的でないが、充放電容量を高める観点からは厚いことが好ましい。しかし厚すぎると活物質粒子4の剥落が起こりやすくなる。これらを考慮すると、活物質層2の厚みは5〜100μm、特に10〜30μmであることが好ましい。
被覆層3は導電性を有しており、本実施形態の負極1における集電機能を担っている。被覆層3はリチウム化合物の形成能の低い物質の薄層から構成されている。ここでいう薄層とは、従来の負極に用いられてきた集電用の厚膜導電体(集電体)の厚みよりも十分に薄い層であることをいう。このような薄層からなる被覆層3は、公知のあらゆる薄膜形成手段によって形成される。「リチウム化合物の形成能が低い」とは、リチウムと金属間化合物若しくは固溶体を形成しないか、又は形成したとしてもリチウムが微量であるか若しくは非常に不安定であることを意味する。具体的には銅、ニッケル、鉄、コバルト又はこれらの金属の合金などが挙げられる。これらの金属のうち銅及びニッケル或いはそれらの合金を用いることが特に好適である。負極1の強度を高める観点からはニッケルを用いることが好ましい。
被覆層3は、活物質層2の表面に直接形成されている。活物質層2は活物質粒子4を含む集合体であるから、その表面は粗い状態になっている。そのような粗い状態になっている活物質層2の表面に被覆層3は直接形成されているので、活物質層2と被覆層3との接触面積は大きくなり、両者の密着性は高いものとなる。その結果、充放電を繰り返しても活物質層2と被覆層3との剥離が起こりづらくなる。
後述する負極1の好適な製造方法から明らかなように、負極1における被覆層3は、加熱処理を受けていないので、硬質な状態が保たれている。その結果、活物質層2中の活物質粒子4が充放電によって膨張収縮しても、被覆層3が変形しづらくなり、活物質層2が被覆層3から剥離しづらくなる。従って、本実施形態の負極1は、先に述べた活物質粒子4の微粉化が抑制されることと相まって、サイクル特性が良好なものとなる。
先に述べた通り、負極1における被覆層3は薄層のものである。更に負極1は、従来の負極が有していた集電用の厚膜導電体を有していない。その結果、負極1は単位重量当たり及び単位体積当たりのエネルギー密度が、従来の負極に比較して極めて高いものとなる。負極1のエネルギー密度を高める観点から、被覆層3の厚みは1〜10μm、特に2〜7μmであることが好ましい。
本実施形態の負極1は好適には図2(a)ないし(d)に示す方法によって製造される。先ず図2(a)に示すように、キャリア箔11を用意する。キャリア箔11の材質に特に制限はない。キャリア箔11は導電性であることが好ましい。この場合、導電性を有していれば、キャリア箔11は金属製でなくてもよい。しかし金属製のキャリア箔11を用いることで、負極の製造後にキャリア箔11を溶解・製箔してリサイクルできるという利点がある。リサイクルの容易性を考慮すると、キャリア箔11の材質は、表面層4の材質と同じであることが好ましい。キャリア箔11は、負極を製造するための支持体として用いられるものであることから、製造工程においてヨレ等が生じないような強度を有していることが好ましい。従ってキャリア箔11は、その厚みが10〜50μm程度であることが好ましい。
キャリア箔11は例えば電解や圧延で製造することができる。圧延で製造することで、表面粗さの低いキャリア箔11を得ることができる。表面粗さの低いキャリア箔11を用いることによって、後述する剥離層11aを形成しなくてもよくなるというメリットがある。一方キャリア箔11を電解によって製造することで、キャリア箔11の製造から負極の製造までをインラインで行うことができる。インラインで行うことは、負極の安定製造及び製造コストの低減の点から有利である。電解によってキャリア箔11を製造する場合には、回転ドラムを陰極として用い、銅やニッケルなどの金属イオンを含む電解浴中で電解を行いドラム周面に金属を析出させる。析出した金属をドラム周面から剥離することでキャリア箔11が得られる。
キャリア箔11の表面粗さが低い場合には、キャリア箔11の表面上に直接活物質層2を形成することができる。また図2(a)に示すように、キャリア箔11の一面に剥離層11aを形成し、その上に活物質層2を形成してもよい。剥離層11aを形成することで、剥離を一層首尾良く行うことができる。また、キャリア箔11に防錆効果を付与できるという利点もある。剥離層11aを形成するか否かにかかわらずキャリア箔11の表面粗さRa(JIS B 0601−1994)は0.01〜3μm、特に0.01〜1μm、とりわけ0.01〜0.18μmであることが好ましい。この程度の低表面粗さであれば、剥離を首尾良く行うことができ、また剥離層11aを形成する場合には、厚みのムラのない剥離層11aを形成することができる。尤も、剥離層11aを形成する場合には、該剥離層11aによってキャリア箔11の表面粗さが減殺されるので、キャリア箔11aの表面粗さRaは前記の範囲よりも大きくても差し支えないこともある。
剥離層11aは、例えばクロムめっき、ニッケルめっき、鉛めっき、クロメート処理等によって形成される。また、特開平11−317574号公報の段落〔0037〕〜〔0038〕に記載の窒素含有化合物や硫黄含有化合物、特開2001−140090号公報の段落〔0020〕〜〔0023〕に記載の窒素含有化合物や硫黄含有化合物と銅微細粒との混合物などによって形成されてもよい。これらのうち、剥離性が良好な点から、クロムめっき、ニッケルめっき、鉛めっき又はクロメート処理によって剥離層11aが形成されることが好ましい。この理由は、これらの処理等によって剥離層11aの表面に酸化物あるいは酸塩の層が形成され、この層は、キャリア箔11と活物質層2との密着性を低下させ剥離性を向上させる機能を有するからである。剥離層11aの厚みは0.05〜3μmであることが、首尾良く剥離を行い得る点から好ましい。剥離層11aが形成された後の該剥離層11aの表面粗さRaは、キャリア箔11上に活物質層2を直接形成する場合と同様に、0.01〜3μm、特に0.01〜1μm、とりわけ0.01〜0.18μmであることが好ましい。
電解によって製造されるキャリア箔11は、その製造方法に起因してその一方の面が平滑な光沢面となっており、他方の面が凹凸のあるマット面となっている。つまり各面の表面粗さが互いに異なっている。光沢面は、電解におけるドラム周面に対向していた面であり、マット面は析出面である。本製造方法においてキャリア箔11に剥離層11aを形成する場合、光沢面及びマット面のどちらに剥離層11aを形成していてもよい。剥離性が良好であることを考慮すると、表面粗さの低い光沢面上に剥離層11aを形成することが好ましい。マット面上に剥離層11aを形成する場合には、例えば特開平9−143785号公報に記載の電解液添加剤を用いて電解を行って製造された箔を用いたり、剥離層11aの形成に先立ちマット面をエッチングすればよい。或いは圧延によってマット面の表面粗さを低下させてもよい。
次に図2(b)に示すように剥離層11a上に、活物質粒子4、導電性粉末5及びバインダーを含む導電性スラリーを塗布して活物質層2を形成する。なお剥離層11aを形成しない場合にはキャリア箔11の表面に直接活物質層2を形成する。スラリーは、前述の各成分を希釈溶媒に分散させて得られたものである。希釈溶媒としてはN−メチルピロリドン、シクロヘキサンなどが用いられる。形成された活物質層2は、キャリア箔11ごと焼結処理に付される。焼結は非酸化性雰囲気下、例えば、窒素雰囲気下又はアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行われる。水素雰囲気などの還元性雰囲気下で焼結を行ってもよい。焼結する際の熱処理の温度は、キャリア箔11、活物質粒子4及び導電性粉末5の融点以下の温度であることが好ましい。例えば、キャリア箔11及び導電性粉末5として銅を用いた場合には、融点である1083℃以下であることが好ましく、更に好ましくは200〜500℃であり、一層好ましくは300〜450℃である。また、熱処理の温度をかかる範囲内にすることによって、焼結後に有効量のバインダーが残存するようになる。焼結する方法として、放電プラズマ焼結法やホットプレス法を用いることもできる。
焼結処理に付す前の活物質層2を、キャリア箔11と共に圧延してもよい。圧延によって活物質層2における粒子の充填密度を高めることができ、粒子間の密着性を高めることができるので、良好な充放電サイクル特性を得ることができる。
活物質層2を焼結処理に付した後、図2(c)に示すように、該活物質層2の表面に、被覆層3を形成する。被覆層3の形成には薄膜形成手段が用いられる。薄膜形成手段としては、電解めっき、無電解めっき、スパッタリング法、物理気相蒸着法、化学気相蒸着法又はダイレクトメタレーション法等を好適に用いることができる。なおダイレクトメタレーション法とは、例えば特開2001−73159号公報に記載されているように、ポリイミド樹脂のバインダーで固定化されている活物質層2の表面をアルカリ水溶液で処理して、ポリイミド樹脂のイミド環を開環してカルボキシル基を生成する工程、(2)カルボキシル基を中和する工程、(3)カルボキシル基を、銅又はパラジウム溶液で処理することにより、カルボキシル基の銅又はパラジウム塩を生成する工程、及び(4)銅又はパラジウム塩を還元して、ポリイミド樹脂表面に銅又はパラジウム金属の皮膜を形成する工程によって薄膜を形成する方法である。
どのような薄膜形成手段を用いるかは、被覆層3の構成材料等に応じて決定すればよい。特に好ましい薄膜形成手段は電解めっきである。電解めっきを行う場合には、活物質層2が形成されたキャリア箔11を、リチウム化合物の形成能の低い金属材料を含むめっき浴中に浸漬して電解めっきを行う。電解めっきの条件としては、例えばリチウム化合物の形成能の低い金属材料として銅を用いる場合、硫酸銅系溶液を用いるときには、銅の濃度を30〜100g/l、硫酸の濃度を50〜200g/l、塩素の濃度を30ppm以下とし、液温を30〜80℃、電流密度を1〜100A/dm2とすればよい。ピロ燐酸銅系溶液を用いる場合には、銅の濃度2〜50g/l、ピロ燐酸カリウムの濃度100〜700g/lとし、液温を30〜60℃、pHを8〜12、電流密度を1〜10A/dm2とすればよい。
次に、図2(d)に示すように、剥離層11aの部分において負極1をキャリア箔11から剥離分離する。なお、図2(d)では剥離層11aがキャリア箔11側に残るように描かれているが、実際は剥離層11aはその厚さや剥離処理剤の種類によってキャリア箔11側に残る場合もあれば、負極1側に残る場合もある。或いはこれら双方に残る場合もある。何れの場合であっても、剥離層11aはその厚みが極めて薄いので、得られる負極1の性能に何ら影響はない。
このようにして得られた負極1には、その第2の面1b(図1参照)に出力端子が取り付けられる。次いで負極1は、公知の正極、セパレータ、非水系電解液と共に用いられて非水電解液二次電池となされる。この場合、先に述べた通り、負極1における第1の面1a(図1参照)が電解液に接するように用いられる。非水電解液二次電池における正極は、正極活物質並びに必要により導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、正極合剤を作製し、これを集電体に塗布、乾燥した後、ロール圧延、プレスし、さらに裁断、打ち抜きすることにより得られる。正極活物質としては、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物等の従来公知の正極活物質が用いられる。セパレーターとしては、合成樹脂製不織布、ポリエチレン又はポリプロピレン多孔質フイルム等が好ましく用いられる。非水電解液は、リチウム二次電池の場合、支持電解質であるリチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液からなる。リチウム塩としては、例えば、LiC1O4、LiA1Cl4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiSCN、LiC1、LiBr、LiI、LiCF3SO3、LiC49SO3等が例示される。
次に本発明の別の実施形態を図3に示す。図3に示す実施形態に関し、特に説明しない点については、図1に示す実施形態に関する説明が適宜適用される。また図3において図1と同じ部材には同じ符号を付してある。
図3に示す負極10は、図1に示す負極1を二つ重ね合わせて構成されている。混同を避けるため、図3に示す実施形態に関する説明においては、図1に示す負極1を負極前駆体と呼ぶことにする。負極10は、各負極前駆体における被覆層3どうしが当接するように両負極前駆体が貼り合わされて構成されている。その結果、負極10は、2つの活物質層2,3を有している。そして、2つの活物質層2,3間には、各負極前駆体における被覆層3どうしが当接して形成された中間層6が位置している。2つの活物質層2,3の表面1c,1cは、負極10における外面をなしている。表面1c,1cは、負極前駆体における第1の面1a(図1参照)に対応している。本発明においては、二つの負極前駆体を重ね合わせて負極10を構成するだけでよい。つまり本発明で言う貼り合わせは、二つの負極前駆体を何らかの手段によって接合することのみならず、両者を単に重ね合わせることも包含するものである。両者の貼り合わせを強固にしたい場合には、導電性ペースト等の導電性接着材料を用いて両者を貼り合わせればよい。
図3から明らかなように本実施形態の負極10は、活物質層2,3が負極10の各面1c,1cに露出しているので、負極10の各面1c,1cを電解液に接するように用いることができる。更に本実施形態の負極10は、図1に示す負極1と同様に集電用の厚膜導電体を有していない。これらの理由によって本実施形態の負極10は、負極全体に占める活物質の割合が相対的に高くなり、単位重量当たり及び単位体積当たりのエネルギー密度を高めることができる。
エネルギー密度を高める観点から中間層6の厚みも小さいことが好ましい。具体的には、中間層6の厚みは、負極前駆体10における被覆層3の厚みの2倍前後となっており、1〜15μm、特に3〜10μmであることが好ましい。同様の理由により、負極10全体の厚みは10〜50μm、特に15〜30μmであることが好ましい。
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば図1に示す実施形態においては、活物質層2の一面にのみ被覆層3が形成されたいたが、これに代えて活物質層の両面に被覆層を形成してもよい。この場合には、両被覆層に非水電解液が流通し得る程度の微細空隙を多数設け、電解液が活物質層へ到達するようにする。被覆層に微細空隙を形成するには、例えば微細空隙が形成されるようなめっき条件下に被覆層を電解めっきによって形成すればよい。或いは所定の薄膜形成手段を用いて被覆層を形成した後に負極1を圧延加工して、被覆層に多数の亀裂を形成させて微細空隙を形成すればよい。
本発明の負極の一実施形態の断面構造を示す模式図である。 図1に示す負極の製造方法を模式的に示す工程図である。 本発明の負極の別の実施形態の断面構造を示す模式図である。
符号の説明
1 負極
2 活物質層
3 被覆層
4 活物質粒子
5 導電性粉末
6 中間層
10 負極
11 キャリア箔

Claims (6)

  1. キャリア箔の一面に、リチウム化合物の形成能の高い物質を含む活物質の粒子をバインダーで固定化して活物質層を形成し、
    該活物質層を該キャリア箔ごと非酸化性雰囲気下に焼結処理に付し、
    該活物質層の表面に、薄膜形成手段によってリチウム化合物の形成能の低い物質からなる導電性の被覆層を形成し、次いで
    該活物質層を該被覆層と共に該キャリア箔から剥離することを特徴とする非水電解液二次電池用負極の製造方法。
  2. 焼結後にバインダーが残存するように焼結処理に付す請求項1記載の製造方法。
  3. 焼結処理に付す前の活物質層をキャリア箔と共に圧延する請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 薄膜形成手段が電解めっき、無電解めっき、スパッタリング法、物理気相蒸着法、化学気相蒸着法又はダイレクトメタレーション法である請求項1ないし3のいずれかに記載の製造方法。
  5. キャリア箔として圧延で製造されたものを用いる請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法。
  6. キャリア箔として電解で製造されたものを用い、その光沢面上に活物質層を形成する請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法。
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