JP2009199744A - リチウム二次電池用負極とその製造方法。 - Google Patents

リチウム二次電池用負極とその製造方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP2009199744A
JP2009199744A JP2008037060A JP2008037060A JP2009199744A JP 2009199744 A JP2009199744 A JP 2009199744A JP 2008037060 A JP2008037060 A JP 2008037060A JP 2008037060 A JP2008037060 A JP 2008037060A JP 2009199744 A JP2009199744 A JP 2009199744A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
nickel
porous body
alloy
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008037060A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Yao
勝 八尾
Tsutomu Iwaki
勉 岩城
Tetsuo Sakai
哲男 境
Kazuki Okuno
一樹 奥野
Masahiro Kato
真博 加藤
Tomoyuki Awazu
知之 粟津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2008037060A priority Critical patent/JP2009199744A/ja
Publication of JP2009199744A publication Critical patent/JP2009199744A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】本発明は、リチウム二次電池用合金系負極において、特に充放電特性をより一層改良し、充放電サイクルを繰り返しても放電容量が劣化しにくい負極を提供する。
【解決手段】本発明のリチウム二次電池用負極は、骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体に、リチウムと合金を形成することが可能な金属を含む活物質粉末を含有するペーストを充填し、次いで、250℃以上で加熱することにより得られることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なリチウム二次電池用負極とその製造方法に関する。
従来から、リチウム二次電池の負極としてリチウム金属が提案されている。しかしながら、リチウム金属を用いると、充電時の樹状析出による短絡が生じやすく、安定した充放電特定が得られにくい問題がある。
そこで、この問題を回避するために、負極に黒鉛系材料を用いたリチウム系二次電池が実用化されている。この黒鉛系材料からなる負極は、安定した充放電性能が得られる。
しかしながら、その理論容量が372mAh/gであり、リチウム金属の3560mAh/gよりも格段に小さい。また、炭素系材料の製造工程が複雑という問題点もある。このため、理論容量が高い負極材料の出現が望まれている。
このような負極材料として、近年、リチウムと合金を形成することが可能な元素である合金系材料が注目されている。この合金系材料の中でも、特に理論容量、材料コスト、取り扱い性等が優れている点から、ケイ素、スズ等を含む合金が注目されている。例えば、ケイ素系の合金を使用すると、その理論容量は約4200mAh/gであり、黒鉛系材料の10倍以上に相当する。
これらケイ素、スズ等を含む合金では、黒鉛系材料を用いた場合のようにインタカレート(黒鉛の層間にリチウムが入り込む現象)により充電が進行するものとは異なり、ケイ素等とリチウムとが合金を形成しながら充電が進行する。そのため、合金の結晶構造が変化し、大きな体積膨張が生じてしまう。例えば、黒鉛系材料では完全に充電しても体積膨張率が10%程度であるのに対して、ケイ素系材料では400%程度にもなる。このように、ケイ素等を始めとする合金系負極には、体積が膨張し、充放電サイクルを繰り返すと放電容量が劣化する問題が生じる。
このような負極の膨張及び収縮に伴う充放電サイクルの劣化を防止するために、種々の技術が提案されている(特許文献1、特許文献2等)。
例えば、特許文献1には、負極として、三次元構造を有する集電体に、リチウムと合金を形成することが可能な元素を含有する材料を堆積して薄膜を形成した電極を使用することが開示されている。
特許文献2には、特定の表面粗さを有する銅箔集電体に、ケイ素等の活物質粒子と導電性活物質粉末の混合物の層を前記集電体の表面上で非酸化性雰囲気下に焼結して得られる負極が開示されている。
しかしながら、これら特許文献1及び2に開示の負極でも、充放電サイクルの問題は十分に解決されるに至っておらず、より一層の改良が望まれている。
特開2004−071305号公報 特開2002−260637号公報
従って、本発明は、リチウム二次電池用合金系負極において、特に充放電特性をより一層改良し、充放電サイクルを繰り返しても放電容量が劣化しにくい負極を提供することを主な課題とする。
本発明は、上記従来問題に鑑み、鋭意研究を重ねてきた結果、特定の構造及び組成の集電体を用い、且つ製造方法を経ることにより、上記問題を解決するに至った。すなわち、本発明は、下記のリチウム二次電池用負極及びその製造方法に係る。
項1.骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体に、リチウムと合金を形成することが可能な金属を含む活物質粉末を含有するペーストを充填し、次いで、250℃以上で加熱することにより得られる、リチウム二次電池用負極。
項2.リチウムと合金を形成することが可能な金属が、ケイ素及びスズからなる群から選択される少なくとも1種の金属である、項1に記載のリチウム二次電池用負極。
項3.骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体が、発泡ニッケル又はニッケルめっきが施された不織布である、項1又は2に記載のリチウム二次電池用負極。
項4.リチウム二次電池用負極を製造する方法であって、
リチウムと合金を形成することが可能な金属を含む活物質粉末とバインダとを含有するペーストを、骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体に充填させる第一工程、及び
当該多孔体を250℃以上で加熱する第二工程、
を備えた、リチウム二次電池用負極の製造方法。
項5.第二工程における加熱温度が350〜550℃である、項4に記載の製造方法。
項6.リチウムと合金を形成することが可能な金属が、ケイ素及びスズからなる群から選択される少なくとも1種の金属である、項4又は5に記載の製造方法。
項7.骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体が、発泡ニッケル又はニッケルめっきが施された不織布である、項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
項8.ペーストがさらに導電剤を含有する、項4〜7のいずれかに記載の製造方法。
項9.導電剤がアセチレンブラック、ケッチェンブラック及び黒鉛からなる群から選択される少なくとも1種である、項8に記載の製造方法。
項10.バインダがフッ素樹脂、ゴム系樹脂及び増粘剤からなる群から選択される少なくとも1種である、項4〜9のいずれかに記載の製造方法。
項11.バインダが水溶性増粘剤を含む、項4〜9に記載の製造方法。
項12.水溶性増粘剤がカルボキシメチルセルロース、キタンサンガム、ペクチン及びアガロースからなる群から選択される少なくとも1種である、項11に記載の製造方法。
(1)リチウム二次電池用負極の製造方法
本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法は、リチウムと合金を形成することが可能な金属を含む活物質粉末とバインダとを含有するペーストを、骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体に充填させる第一工程、及び当該多孔体を250℃以上で加熱する第二工程を備える。
<ペースト>
本発明の製造方法で使用するペーストは、リチウムと合金を形成することが可能な金属を含む活物質粉末及びバインダを含有することを必須とする。
活物質粉末としては、リチウム二次電池用負極の活物質として使用される金属であって、リチウムと合金を形成することが可能である金属を含んでいる限り特に制限されず、例えば、ケイ素、スズ、ゲルマニウム、アルミニウム、亜鉛、カドミニウム、鉛、アンチモン、ビスマス、インジウム等からなる群から選択される少なくとも1種を含む金属粉末であればよい。活物質粉末は、これらの金属単体から構成されていてもよく、また、これらの合金であってもよい。
本発明では、これらの中でも、特に、ケイ素又はスズを含む金属粉末が好ましい。これらを含むことにより、負極の吸蔵及び放出量を高くでき、また、コスト面、取扱い面等で有利となる。本発明の活物質粉末がケイ素又はスズを含む活物質粉末である場合、ケイ素単体又はスズ単体からなる金属粉末であってもよく、ケイ素又はスズを含む合金粉末であってもよい。ケイ素又はスズを含む合金粉末である場合、ケイ素及びスズの少なくとも1種の含有割合は、例えば30〜95重量%、特に40〜85重量%程度とすることが好ましい。この合金粉末の具体的な例として、例えば、スズ−鉄合金、スズ−ニッケル合金、スズ−銅合金、スズ−亜鉛合金、スズ−チタン合金、ケイ素−チタン合金、ケイ素−ニッケル合金等が挙げられる。
活物質粉末の平均粒径は、例えば1〜30μm程度、好ましくは5〜20μm程度とすればよい。なお、必要に応じて、活物質粉末は、ボールミル、メカニカルアロイング等により、上記平均粒径の範囲にしてもよい。
バインダとしては、リチウム二次電池用負極で一般的に使用されているものであればよいが、本発明では特に250℃以上で溶融するものを使用することが好ましい。バインダの材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂;スチレンブタジエンゴム等のゴム系樹脂が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリイミド;なども挙げられる。さらには、増粘剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、キタンサンガム、ペクチンアガロース等の水溶性増粘剤もバインダとして使用することができる。このようにバインダを含有することにより、多孔体と活物質粉末とをより強固に結着でき、また、充放電に伴う負極の膨張を抑制できるため、電池の充放電サイクル特性をより一層向上させることができる。
本発明のペーストは導電剤を含有していてもよい。導電剤としては限定的でなく、公知又は市販のものが挙げられる。例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック;黒鉛等が挙げられる。これにより、さらに優れた放電容量を発揮させることができる。
黒鉛を使用する際、その黒鉛の形状は、球状、フレーク状、フィラメント状、繊維状等のいずれの形状であってよい。
ペーストに用いる溶媒としては、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、等が挙げられる。
その他、ペーストには、必要に応じて、界面活性剤等の公知の添加剤を含有していてもよい。
ペースト中の各成分の含有量は特に制限されないが、活物質粉末100重量部に対して、例えば、バインダを通常1〜30重量部(好ましくは3〜10重量部)程度とすればよい。
導電剤を含有する場合は、活物質粉末100重量部に対して、例えば1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部程度とすればよい。
ペースト中の溶媒の含有量は、活物質粉末100重量部に対して、通常100〜500重量部(好ましくは150〜300重量部)程度とすればよい。
<多孔体>
本発明の製造方法で使用する多孔体は、その骨格表面が実質的にニッケルからなるものである。本発明において、多孔体とは、リチウム二次電池用負極の集電体として使用できる程度の厚みを有し、本発明のペーストを充填できる程度の空隙を有しているものをいう。
本発明で使用する骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体の具体例としては、例えば、(1)発泡ニッケル(発泡状樹脂にニッケルめっきを施し、次いで、焼却により当該発泡状樹脂のみを除去した後、さらに焼鈍した焼結体)、(2)ニッケルめっきが施された不織布等が挙げられる。
ニッケルめっきは常法に従って行えばよく、例えば、電解めっきを使用すればよい。例えば、めっき浴として、ワット浴、塩化浴、スルファミン酸浴等の公知のものを使用して行えばよい。この浴に、必要に応じて、pH緩衝剤、界面緩衝剤等の添加剤を添加して行ってもよい。なお、電解めっきに先立って、無電解めっき、スパッタリング等により、発泡状樹脂、不織布等に導電性の層を付与してから、電解めっきを行ってもよい。
多孔体に使用する発泡状樹脂及び不織布等は限定的でなく、公知又は市販のものを使用すればよい。
例えば、発泡状樹脂を用いる場合、例えば、発泡ウレタン、発泡スチレン等が挙げられる。
不織布を用いる場合、ポリエチレン、ポリプロピレン、これらの共重合体、混合物、中心部がポリプロピレンで周辺部がポリエチレンである芯鞘型繊維などのポリオレフィン系繊維からなる不織布が好ましい。不織布は、乾式法と湿式法のいずれの製法によって製造されたものであってもよく、そのまま使用してもよいが、交絡処理を行って強度特性を高めた後に用いることが好ましい。
多孔体の多孔度は限定的でないが、例えば70〜98%程度、好ましくは85〜95%程度とすればよい。
多孔体の孔径は、例えば5〜800μm程度、好ましくは10〜500μm程度とすればよい。
多孔体中のニッケルの含有量は、例えば50〜600g/m程度、好ましくは100〜500g/m程度が好ましい。
多孔体の厚さは限定的でないが、例えば10〜1500μm程度、好ましくは100〜800μm程度とすればよい。
多孔体の形状は、リチウム二次電池用負極として一般的に使用されている形状を採用すればよく、例えば、矩形、円形等が挙げられる。
<製造工程>
本発明の製造方法は、リチウムと合金を形成することが可能な金属を含む活物質粉末とバインダとを含有するペーストを、骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体に充填させる第一工程、及び当該多孔体を250℃以上で加熱する第二工程、を備える。
第一工程
本発明の製造方法の第一工程では、まず、上述した本発明のペーストを上述の本発明の多孔体内部に充填させる。
充填させる方法は多孔体内部の空隙にペーストが入り込めさせることができればよく、例えば、ペースト中に、多孔体を浸漬すること等により行えばよい。その他、ペーストを多孔体に塗布等することによって行ってもよい。
充填させる活物質粉末の量は限定的でないが、例えば2〜30mg/cm、好ましくは3〜10mg/cm程度とすればよい。
第二工程
次いで、本願発明の製造方法の第二工程では、第一工程で得られたペースト含有多孔体を250℃以上で加熱処理を行うことを必須とする。加熱処理を施すことにより、バインダが溶融して活物質粉末と多孔体とをより強固に結着でき、また、活物質粉末が焼成されることにより活物質粉末の強度が向上する。
加熱処理の温度は、250℃以上を必須とし、好ましくは250〜600℃である。250℃では、加熱処理の効果が不十分又は発揮されない。一方、600℃を超えると、バインダの種類によってはバインダの分解が生じるおそれがある。本発明では、特に350〜550℃とすることが最も好ましい。この範囲とすることにより、多孔体のニッケルと活物質粉末とがより確実に反応して、活物質粉末と多孔体との密着性がより一段と向上する。
加熱処理の際の雰囲気は、本発明では特に、真空下;アルゴン等の不活性雰囲気;水素、分解アンモニア等の還元性雰囲気などが好ましい。これにより、ニッケル骨格及び活物質粉末の酸化を抑制し、電池特性の劣化を防止できる。
圧力は、常圧であってもよく、減圧していてもよいが、本発明では特に減圧下で行うことが好ましい。減圧して行う際の圧力は、例えば1000Pa以下、好ましくは1〜500Paで行えばよい。
加熱時間は、加熱雰囲気、圧力等に応じて適宜決定されるが、通常1〜8時間、好ましくは2〜4時間とすればよい。
本発明では、必要に応じて、第二工程の加熱処理を行う前に、ペースト含有多孔体に加圧工程を行ってもよい。加圧工程は、好ましくは、ローラプレス等により行えばよい。これにより、上記加熱処理による効果を一段と高めることができる。
また、さらに必要に応じて、第一工程と第二工程との間に、常法に従って乾燥工程を行ってもよい。
(2)リチウム二次電池用負極
本発明のリチウム二次電池用負極は、骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体に、リチウムと合金を形成することが可能な金属を含む活物質粉末を含有するペーストを充填し、次いで、250℃以上で加熱することにより得られる。
必要に応じて、導電剤、バインダ等を含んでいてもよい。多孔体、活物質粉末、導電剤、バインダ等は上述したものである。
本発明の負極はリチウム二次電池用負極として用いることができ、優れた充放電サイクル特性を有する。これは、ニッケル骨格と熱処理の相乗効果によるものと推察される。すなわち、集電体である多孔体のニッケルと活物質粉末とが熱処理により一部反応して活物質粉末と集電体とが強固に密着するため、及び集電体の骨格が実質的にニッケルからなるため、本発明は充放電サイクルが飛躍的に向上し、長期に亘って高い放電容量を発揮できる。従って、電子機器用をはじめ各種用途の電源を小形にでき、また、長期間高い信頼性を維持できる。
本発明によると、骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体に、リチウムと合金を形成することが可能な金属を含む活物質粉末を含有するペーストを充填し、さらに250℃以上で加熱する工程を備えているため、優れた充放電サイクルを発揮し、長期に亘って高い放電容量を発揮するリチウム二次電池用負極を製造できる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
<活物質粉末の作製>
Si70重量部及びTi粉末30重量部を混合した後、アルゴン雰囲気中で高周波加熱法により溶融して合金とした。この合金をヘリウムガス中でガスアトマイズ法により急冷することにより、平均粒径が10μmである合金粉末(Si−Ti合金)を作製し、これを実施例1の負極用活物質粉末とした。
<ペーストの調製>
この活物質粉末100重量部に,導電剤としてケッチェンブラック5重量部、並びにバインダとしてポリテトラフルオロエチレンの60重量%濃度の水分散体(ディスパージョン)及び1重量%濃度のカルボキシルメチルセルロース水溶液を、固形分がそれぞれ1重量部、2重量部となるように混合し、さらにポリエーテル系非イオン性界面活性剤を0.1重量部程度加え、一様になるように攪拌することにより、実施例1のペーストを調製した。なお、ペースト中の水分量(溶媒)は、活物質粉末100重量部に対し約200重量部とした。
<多孔体(ニッケルめっきが施された不織布)の作製>
不織布の材料として、ポリプロピレンを中心部にポリエチレンを周囲に被覆した芯鞘型繊維を用いた。繊維の平均繊維径15μmであり、ポリプロピレンとポリエチレンとの重量比は1:1であった。不織布は、湿式法を用いて製造し、公知の繊維部分を融着させる処理を行った。このように得られる不織布は、繊維の目付け重量が50g/m、厚さが平均0.65mm、多孔度が約94%、孔径が10〜300μmであった。
次に、この不織布にスパッタリングを行い導電性の層を付与した。次いで、公知のワット浴を用いて電解ニッケルめっきを施すことにより、多孔体(ニッケルめっきが施された不織布)を製造した。なお、ニッケル量は250g/mとした。ニッケルめっき処理後の多孔体の多孔度は約90%、孔径は15〜250μmであった。
<負極の製造>
この多孔体を実施例1のペースト中に浸漬することにより、ペースト含有多孔体を得た。多孔体中の活物質粉末は、5mg/cmであった。これを乾燥させた後、ローラプレス機で厚さ100μmにまで加圧した。その後、減圧下(100Pa)80℃で1時間加熱した後、さらに450℃で2時間加熱処理することにより、実施例1の負極を製造した。
比較例1
減圧下(100Pa)80℃で1時間加熱した後さらに450℃で2時間加熱する代わりに、減圧下(100Pa)100℃で10時間乾燥した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の負極を製造した。
比較例2
減圧下(100Pa)80℃で1時間加熱した後さらに450℃で2時間加熱する代わりに、減圧下(100Pa)200℃で10時間加熱した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の負極を製造した。
比較例3
銅箔にペーストを塗着した負極を比較例3の負極とした。なお、比較例3の負極を実施例1と同様の条件で加熱したところ、銅箔が酸化し、黒色化が認められた。
試験例
<試験セルの製造>
実施例1の負極に対する対極として、リチウム箔を用いた。セパレータとして、ポリプロピレン不織布(厚さ100μm)及びポリプロピレン製微多孔性セパレータ(多孔度55%、厚さ20μm)を重ねたものを用い、これを実施例1の負極と対極(リチウム箔)との間に配置した。電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを容量比で40:60で混合して得られた溶媒に電解質(LiPF)を濃度1.1mol/Lの割合で溶解させた溶液を用い、これをセパレータに含浸させた。このようにして得られた電極を直径11mmΦの形状に打ち抜くことにより、実施例1のコイン型試験セルを製造した。
実施例1の負極の代わりに、比較例1〜3の負極を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜3のコイン型試験セルを製造した。
<試験測定>
試験セルは、100mA/gの電流密度で充放電を行った。充放電の電位範囲は0.02−1.0V(vs.Li/Li)とした。周囲温度は30℃とした。なお、各試験セルの初期容量密度(2サイクル)は、実施例1のセルが590mAh/g、比較例1のセルが585mAh/g、比較例2のセルが580mAh/g、比較例3のセルが500mAh/gであった。
初期の放電容量を100%とした放電容量の変化の割合と充放電サイクル数との測定結果を図1に示す。
実施例2
<活物質粉末の作製>
Sn78重量部及びTi粉末22重量部を混合した後、実施例1と同様にして、アルゴン雰囲気中で高周波加熱法により溶融して合金とし、この合金をヘリウムガス中でガスアトマイズ法により急冷することにより、平均粒径が15μmである合金粉末(Sn−Ti合金)を作製し、これを実施例2の負極用活物質粉末とした。
<ペーストの調製>
この活物質粉末100重量部に、導電剤としてケッチェンブラック5重量部、並びにバインダとしてポリテトラフルオロエチレンの60重量%濃度の水分散体(ディスパージョン)及び1重量%濃度のカルボキシルメチルセルロース水溶液を、固形分がそれぞれ1重量部、2重量部となるように混合し、さらにポリエーテル系非イオン性界面活性剤を0.1重量部程度加え、一様になるように攪拌することにより、実施例2のペーストを調製した。なおペースト中の水分量(溶媒)は、活物質粉末100重量部に対し約200重量部とした。
<負極の製造>
発泡ニッケル(市販品)を厚さ平均0.66mmに調厚した。多孔度は94%、孔径は150〜250μm、ニッケル量は350g/mであった。
この多孔体を実施例2のペースト中に浸漬することにより、ペースト含有多孔体を得た。多孔体中の活物質粉末は、5mg/cmであった。これを乾燥した後、ローラプレス機で100μmにまで加圧した。その後、減圧下(100Pa)400℃で3時間加熱処理を施すことにより、実施例2の負極を得た。
比較例4
減圧下(100Pa)80℃で1時間加熱した後さらに450℃で2時間加熱する代わりに、減圧下(100Pa)100℃で5時間乾燥した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の負極を製造した。
比較例5
減圧下(100Pa)80℃で1時間加熱した後さらに450℃で2時間加熱する代わりに、減圧下(100Pa)200℃で5時間加熱した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の負極を製造した。
比較例6
銅箔に実施例2のペーストを塗着した負極を比較例6の負極とした。
試験例
実施例2及び比較例4〜6の負極を用いた以外は、実施例1の試験例と同様にして、実施例2及び比較例4〜6の試験セルを製造し、これらの試験セルに対して、実施例1と同様の条件で、100mA/gの電流密度で充放電を行った。なお、各試験セルの初期容量密度(2サイクル)は、実施例2のセルが490mAh/g、比較例4のセルが485mAh/g、比較例5のセルが480mAh/g、比較例6のセルが445mAh/gであった。
初期の放電容量を100%とした放電容量の変化の割合と充放電サイクル数との測定結果を図2に示す。
評価
図1及び2から明らかなように、本願実施例1及び2の負極を用いた場合は、比較例1〜6の負極を用いた場合よりも、充放電を繰り返しても容量がほとんど劣化せず、非常に優れた充放電サイクル特性を発揮している。このため、リチウム二次電池を格段に長寿命化できることが分かった。
図1は、実施例1及び比較例1〜3の試験セルにおける、充放電サイクルの回数と放電容量との関係を示したグラフである。 図2は、実施例2及び比較例4〜6の試験セルにおける、充放電サイクルの回数と放電容量との関係を示したグラフである。

Claims (12)

  1. 骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体に、リチウムと合金を形成することが可能な金属を含む活物質粉末を含有するペーストを充填し、次いで、250℃以上で加熱することにより得られる、リチウム二次電池用負極。
  2. リチウムと合金を形成することが可能な金属が、ケイ素及びスズからなる群から選択される少なくとも1種の金属である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  3. 骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体が、発泡ニッケル又はニッケルめっきが施された不織布である、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用負極。
  4. リチウム二次電池用負極を製造する方法であって、
    リチウムと合金を形成することが可能な金属を含む活物質粉末とバインダとを含有するペーストを、骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体に充填させる第一工程、及び
    当該多孔体を250℃以上で加熱する第二工程、
    を備えた、リチウム二次電池用負極の製造方法。
  5. 第二工程における加熱温度が350〜550℃である、請求項4に記載の製造方法。
  6. リチウムと合金を形成することが可能な金属が、ケイ素及びスズからなる群から選択される少なくとも1種の金属である、請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. 骨格表面が主としてニッケルからなる多孔体が、発泡ニッケル又はニッケルめっきが施された不織布である、請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. ペーストがさらに導電剤を含有する、請求項4〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 導電剤がアセチレンブラック、ケッチェンブラック及び黒鉛からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項8に記載の製造方法。
  10. バインダがフッ素樹脂、ゴム系樹脂及び増粘剤からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. バインダが水溶性増粘剤を含む、請求項4〜9に記載の製造方法。
  12. 水溶性増粘剤がカルボキシメチルセルロース、キタンサンガム、ペクチン及びアガロースからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項11に記載の製造方法。
JP2008037060A 2008-02-19 2008-02-19 リチウム二次電池用負極とその製造方法。 Pending JP2009199744A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008037060A JP2009199744A (ja) 2008-02-19 2008-02-19 リチウム二次電池用負極とその製造方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008037060A JP2009199744A (ja) 2008-02-19 2008-02-19 リチウム二次電池用負極とその製造方法。

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009199744A true JP2009199744A (ja) 2009-09-03

Family

ID=41143062

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008037060A Pending JP2009199744A (ja) 2008-02-19 2008-02-19 リチウム二次電池用負極とその製造方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009199744A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009266473A (ja) * 2008-04-23 2009-11-12 Sony Corp 負極および二次電池
CN103346314A (zh) * 2013-06-25 2013-10-09 河北工业大学 一种锂离子电池正极材料的制备方法
KR101353262B1 (ko) * 2013-04-19 2014-01-23 주식회사 셀모티브 리튬이차전지 전극용 메탈폼, 상기 메탈폼의 제조방법 및 상기 메탈폼을 포함하는 리튬이차전지
KR101621519B1 (ko) 2013-06-19 2016-05-16 주식회사 엘지화학 리튬 이차전지용 음극, 이를 포함하는 리튬 이차전지 및 상기 음극의 제조방법
CN106463710A (zh) * 2014-04-25 2017-02-22 南达科他州评议委员会 高容量电极
US10343213B2 (en) 2015-07-20 2019-07-09 Cellmobility, Inc. Metallic foam anode coated with active oxide material
US11824189B2 (en) 2018-01-09 2023-11-21 South Dakota Board Of Regents Layered high capacity electrodes

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11339777A (ja) * 1998-05-25 1999-12-10 Kao Corp 二次電池用負極の製造方法
JP2003263979A (ja) * 2002-03-12 2003-09-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質二次電池およびその製造法
JP2003308831A (ja) * 2002-04-12 2003-10-31 Hitachi Maxell Ltd 非水電解質二次電池
JP2004259636A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2007234484A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Sumitomo Electric Ind Ltd 電池用電極

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11339777A (ja) * 1998-05-25 1999-12-10 Kao Corp 二次電池用負極の製造方法
JP2003263979A (ja) * 2002-03-12 2003-09-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質二次電池およびその製造法
JP2003308831A (ja) * 2002-04-12 2003-10-31 Hitachi Maxell Ltd 非水電解質二次電池
JP2004259636A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2007234484A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Sumitomo Electric Ind Ltd 電池用電極

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009266473A (ja) * 2008-04-23 2009-11-12 Sony Corp 負極および二次電池
US9634330B2 (en) 2008-04-23 2017-04-25 Sony Corporation Anode and secondary battery
KR101353262B1 (ko) * 2013-04-19 2014-01-23 주식회사 셀모티브 리튬이차전지 전극용 메탈폼, 상기 메탈폼의 제조방법 및 상기 메탈폼을 포함하는 리튬이차전지
US20150072236A1 (en) * 2013-04-19 2015-03-12 CellMotive Co. Ltd. Metal Foam for Electrode of Secondary Lithium Battery, Preparing Method Thereof, and Secondary Lithium Battery Including the Metal Foam
US10265773B2 (en) * 2013-04-19 2019-04-23 Cellmobility, Inc. Metal foam for electrode of secondary lithium battery, preparing method thereof, and secondary lithium battery including the metal foam
KR101621519B1 (ko) 2013-06-19 2016-05-16 주식회사 엘지화학 리튬 이차전지용 음극, 이를 포함하는 리튬 이차전지 및 상기 음극의 제조방법
CN103346314A (zh) * 2013-06-25 2013-10-09 河北工业大学 一种锂离子电池正极材料的制备方法
JP2019033094A (ja) * 2014-04-25 2019-02-28 サウス ダコタ ボード オブ リージェンツ 大容量電極
JP2017514290A (ja) * 2014-04-25 2017-06-01 サウス ダコタ ボード オブ リージェンツ 大容量電極
CN106463710A (zh) * 2014-04-25 2017-02-22 南达科他州评议委员会 高容量电极
CN106463710B (zh) * 2014-04-25 2021-01-05 南达科他州评议委员会 高容量电极
US10950847B2 (en) 2014-04-25 2021-03-16 South Dakota Board Of Regents High capacity electrodes
JP2022033182A (ja) * 2014-04-25 2022-02-28 サウス ダコタ ボード オブ リージェンツ 大容量電極
US11626584B2 (en) 2014-04-25 2023-04-11 South Dakota Board Of Regents High capacity electrodes
US10343213B2 (en) 2015-07-20 2019-07-09 Cellmobility, Inc. Metallic foam anode coated with active oxide material
US10906098B2 (en) 2015-07-20 2021-02-02 Cellmobility, Inc. Fabrication of three-dimensional porous anode electrode
US11642723B2 (en) 2015-07-20 2023-05-09 Cellmobility, Inc. Metallic foam anode coated with active oxide material
US11824189B2 (en) 2018-01-09 2023-11-21 South Dakota Board Of Regents Layered high capacity electrodes

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3568052B2 (ja) 金属多孔体、その製造方法及びそれを用いた電池用極板
JP6006789B2 (ja) 電池
US6794087B2 (en) Lithium battery having evenly coated negative electrode and method of manufacture thereof
JP2010009905A (ja) リチウム系二次電池用正極の集電体並びにそれを備えた正極及び電池
JP2010277989A (ja) 非水電解液電池用負極及び非水電解液電池
WO2013094100A1 (ja) 二次電池用正極およびこれを用いた二次電池
JP2009199744A (ja) リチウム二次電池用負極とその製造方法。
CN110635109A (zh) 3d打印技术制备的锂金属电极及其制备方法
JP4752996B2 (ja) リチウム二次電池用負極活物質粒子の製造方法
JP5142264B2 (ja) 非水電解質二次電池用の集電体及びその製造方法並びに非水電解質二次電池用の正極及びその製造方法
JP2009176517A (ja) 非水電解質二次電池用不織布状ニッケルクロム集電体及びそれを用いた電極
JP5893410B2 (ja) 非水電解質二次電池用多孔質アルミニウム集電体の製造方法、ならびに、非水電解質二次電池用正極の製造方法
JP4747514B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極の製造方法
JP4973892B2 (ja) キャパシタ
JPH1021928A (ja) 二次電池用電極材料
JP2004139954A (ja) 非水電解液二次電池用負極及びその製造方法並びに非水電解液二次電池
JP5196392B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極
JP6583993B2 (ja) リチウム二次電池の充放電方法
JP2005347147A (ja) リチウム二次電池用負極活物質粒子および負極の製造方法
JP2004327330A (ja) 非水電解質二次電池用電極材料とその製造方法、ならびにそれを用いた非水電解質二次電池
JP2007172963A (ja) リチウムイオン二次電池用負極及びその製造方法
JP2013008540A (ja) 非水電解質二次電池用集電体及びそれを用いた電極
JP2020087516A (ja) 亜鉛電池用負極の製造方法及び亜鉛電池の製造方法
JPH08124579A (ja) 金属多孔体および蓄電池用電極の製造方法
JP2019079755A (ja) 非水電電解質用負極、その製造方法、及びそれを用いた非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130507