JP4542667B2 - 光輝性加飾シートと光輝性加飾成形品の製造方法 - Google Patents

光輝性加飾シートと光輝性加飾成形品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンソールパネル、センタークラスター、スイッチベースなどの自動車内装部品や、サイドマットガード、バンパー、ホイルキャップ、モールなどの自動車外装部品などに用いることができる光輝性加飾シートと光輝性加飾成形品の製造方法に関する。
【0002】
自動車の内装部品や外装部品に用いる光輝性加飾シートは、優れた立体加工性を有するとともに、所定の表面硬度や厚さを有することが要求されるので、この発明の光輝性加飾シートと光輝性加飾成形品の製造方法は、特に好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、プラスチック成形品などに対して金属光沢を有する装飾を行う方法として、基体シート上に金属薄膜層などを形成した加飾シートを射出成形用金型内に供給し、立体形状の成形品を成形するのと同時に加飾シートを成形品に一体的に接着して装飾を行う方法がある。このような構成の光輝性加飾シートは金属薄膜層を有するため、金属光沢を利用した光輝性の高い図柄を表現することができる。
【0004】
基体シートとしては、立体加工性が求められるため、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル共重合樹脂、非結晶性または低結晶性ポリプロピレン樹脂などからなるフィルムが用いられる。また、金属薄膜層も立体加工性が求められるため、アルミニウム膜などが用いられる。
【0005】
金属薄膜層を形成するには、通常、真空成形法などが用いられる。ところが、立体加工性を有する基体シートは熱伸縮が激しいため、金属薄膜層を真空蒸着法などで部分的に形成すると基体シートが部分的に伸縮するので適していない。
【0006】
そこで、金属薄膜層の形成により基体シートが伸縮することがなく、また、自動車の内装部品や外装部品に用いるため所定の表面硬度や厚さを有する光輝性加飾シートとして、たとえば、硬度H以上で厚さ200μm以上の立体加工性を有する熱可塑性シートを基体シートとし、その上に金属薄膜層を転写法によって形成したものがある。また、硬度HB以下、厚さ200μm以上の立体加工性を有する熱可塑性シートを基体シートとし、その上に金属薄膜層を転写法によって形成した後、硬度H以上の立体加工性を有する熱可塑性シートをカバーシートとして金属薄膜層上に積層したものがある。
【0007】
このような光輝性加飾シートを用いて、光輝性加飾成形品を得るには、光輝性加飾シートを真空成形法により立体加工して予備成形し、所望の形状に打ち抜き加工した後、射出成形用の金型内に入れて型締め後、成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂を固化した樹脂成形品に光輝性加飾シートの基体シート側を一体化接着させる方法や、光輝性加飾シートを金型内で加熱吸引し型締め後、成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂を固化した樹脂成形品に光輝性加飾シートの基体シート側を一体化接着させる方法があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような光輝性加飾シートには、以下のような問題があった。
【0009】
基体シート上に金属薄膜層を転写した前者の光輝性加飾シートは、熱軟化温度が高いため、真空成形時の予備加熱に時間がかかり、熱可塑性シートの熱移動とともに金属薄膜層が移動してマイクロクラックが発生したり、予備加熱の時間を短くすると立体形状に追随できず、基体シートが白化したりするという問題があった。
【0010】
また、硬度HB以下の基体シートに金属薄膜層を転写して形成した後、硬度H以上のカバーシートを金属薄膜層上に積層した後者の光輝性加飾シートは、カバーシートを積層した後あるいは予備成形後に樹脂収縮などの残留応力が作用して金属薄膜層に接する部分に微細なズレが生じ、層間剥離が生じるという問題があった。
【0011】
したがって、この発明は、上記のような問題点を解消し、金属薄膜層にマイクロクラックが生じたり、基体シートに白化が生じたりすることがなく、また複数のシートを積層しても層間剥離が生じることがなく、高硬度で立体加工性に優れた光輝性加飾シートとこれを用いた光輝性加飾成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の光輝性加飾シートは、以上の目的を達成するために、つぎのように構成した。
【0013】
つまり、この発明の光輝性加飾シートは、立体加工性を有する熱可塑性の低硬度シートと立体加工性を有する熱可塑性の高硬度シートとがラミネート法によって貼合された基体シートと、前記基体シートの高硬度シート側に形成され、立体加工性を有する金属薄膜層とを、備える光輝性加飾シートであって、低硬度シートがアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂からなり、硬度(測定法:日本工業規格(JIS)K5401)B以下、厚さ50〜500μmであり、高硬度シートがアクリル系樹脂からなり、硬度(測定法:日本工業規格(JIS)K5401)H以上、厚さ50〜200μmであり、光輝性加飾シート全体の厚さが700μm以下であるように構成した(図1参照)。
【0017】
また、上記の発明において、金属薄膜層が、アルミニウム、インジウム、クロム、スズ、ニッケル、銀、金、銅、白金またはこれらの合金あるいは化合物からなるように構成してもよい。
【0018】
また、上記の発明において、金属薄膜層が転写法により積層されたものであるように構成してもよい。
【0019】
また、この発明の光輝性加飾成形品の製造方法は、請求項1〜6に記載の光輝性加飾シートをキャビティを有する金型内に設置し、金型内に溶融樹脂を射出し、加飾シートと溶融樹脂とが一体化した成形品を得るように構成した。
【0020】
また、上記の発明において、光輝性加飾シートを金型内に設置する前に、光輝性加飾シートを立体形状に加工し、所望の形状に打ち抜き加工するように構成してもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0022】
図1は、この発明の光輝性加飾シートの一実施例を示す断面図である。図2〜3は、この発明の光輝性加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。図4は、この発明の光輝性加飾成形品の製造方法によって得られた光輝性加飾成形品の一実施例を示す断面図である。図中、1は光輝性加飾シート、2は低硬度シート、3は高硬度シート、4は金属薄膜層、5は基体シート、6は金型、8はクランプ部材、9はゲート部、10は成形樹脂である。
【0023】
この発明の光輝性加飾シート1は、立体加工性を有する熱可塑性の低硬度シート2と立体加工性を有する熱可塑性の高硬度シート3とが積層された基体シート5の高硬度シート3側に立体加工性を有する金属薄膜層4が少なくとも積層された光輝性加飾シート1であって、低硬度シート2が硬度(測定法:日本工業規格(JIS)K5401)B以下、厚さ50〜500μmであり、高硬度シート3が硬度(測定法:日本工業規格(JIS)K5401)H以上、厚さ50〜200μmであり、光輝性加飾シート1全体の厚さが700μm以下であるものである(図1参照)。
【0024】
低硬度シート2は、立体加工性を有する熱可塑性のシートであって、硬度がJIS K5401に定められる測定法にてB以下であり、厚さが50〜500μmであるものを用いる。
【0025】
低硬度シート2としてこの範囲にあるものを用いると、軟化点より低い温度でも十分な柔軟性を有するため、成形品が溝部などのシャープな形状を有するものであってもその形状に追随し、予備成形における成形形状が不十分な成形であっても金型6に入れ型締めしたときに低硬度シート2が白化しない。ここで、低硬度シート2の硬度がBを越えると、高硬度シート3と積層したときに硬くなりすぎ、型締めしたときに白化しやすいものとなる。また、低硬度シート2の厚さが50μmに満たないと、低硬度シート2の成膜工程上、均一な成膜が困難になる。また、500μmを越えると、光輝性加飾シート1の不要部分をトリミングする際、光輝性加飾シート1が柔らかくなりすぎるため打ち抜き型でカットするのが困難となる。
【0026】
このような性質を有する低硬度シート2として、具体的には、ポリカーボネート樹脂、アクリルゴム、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂などからなるものを用いることができる。
【0027】
特に、低硬度シート2として、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)からなるものを用いるのが好ましい。自動車の内装部品や外装部品として多用されているアクリル系樹脂からなる成形品に対して、特に接着層を介することなく、熱圧着することによって接着することが可能だからである。また、ABS樹脂中のブタジエン量を増やすことにより、硬度や軟化点が低くなり、より低温での成形が可能になる。
【0028】
高硬度シート3は、立体加工性を有する熱可塑性のシートであって、硬度がJIS K5401に定められる測定法にてH以上であり、厚さが50〜200μmであるものを用いる。
【0029】
高硬度シート3としてこの範囲にあるものを用いると、光輝性加飾シート1の成形性を有し、かつ、その上に積層される金属薄膜層4の表面硬度を高いものとすることができる。ここで、高硬度シート3の硬度がHに満たないと、積層される金属薄膜層4の種類によっては、自動車の内装部品や外装部品として一般的に要求される硬度HBを満たすことができないおそれがある。また、高硬度シート3の厚さが50μmに満たないと、成膜時に膜厚が一定せず、また、低硬度シート2の影響を受け十分な表面強度が発揮されないおそれがある。また、200μmを越えると、加工時に白化するおそれがある。
【0030】
このような性質を有する高硬度シート3として、具体的には、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、AS樹脂などからなるものを用いることができる。
【0031】
特に、高硬度シート3が、アクリル系樹脂からなるものであるのが好ましい。
耐光性に優れ、低硬度シート2がABS樹脂からなる場合は低硬度シート2との密着性にも優れたものとなる。
【0032】
低硬度シート2と高硬度シート3とを積層するには、押出しラミネート法、ホットメルトラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法などのラミネート法によるのが好ましい。低硬度シート2と高硬度シート3とが同系樹脂であれば、特に接着剤を介することなく両者を密着させることができる。また、低硬度シート2と高硬度シート3とが同系樹脂でなくても適切なラミネート方式を選択することにより十分な密着強度を得ることができる。また、熱ラミネート法によると、金属薄膜層4の形成を転写法によって行う場合、低硬度シート2と高硬度シート3との積層と、金属薄膜層4の転写とを一工程に集約できるので好適である。
【0033】
金属薄膜層4は、金属光沢を表現するための層であり、立体加工性を有するものを用いる。
【0034】
金属薄膜層4としては、アルミニウム、インジウム、クロム、スズ、ニッケル、銀、金、銅、白金、鉄、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を用いるとよい。特に、アルミニウム、インジウム、クロム、スズ、ニッケル、銀、金、銅、白金またはこれらの合金や化合物からなるものであるのが好ましい。立体加工性と物性を兼ね備えたものだからである。
【0035】
金属薄膜層4を形成するには、転写法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などによるとよい。
【0036】
特に、金属薄膜層4は、転写法により積層するのが好ましい。金属光沢と併せて文字や絵柄などの多彩な加飾を行う場合、一工程ですべての加飾が可能となる。
【0037】
転写法により金属薄膜層4を形成するには、ベースフィルム上に金属薄膜層4、接着層などの転写層を形成した転写材を用意し、基体シート5の高硬度シート3側に転写材の転写層側を重ね合わせ、熱圧を加えて基体シート5と転写材とを接着し、転写材のベースフィルムを剥離して転写層を基体シート5に転移させることができる。
【0038】
また、金属薄膜層4は、部分的に形成してもよい。部分的に金属薄膜層4を形成する場合の一例としては、金属薄膜層4を必要としない部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹脂層と共に不要な金属薄膜を除去する方法がある。また、別の一例としては、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜を残しておきたい部分にレジスト層を形成し、酸またはアルカリでエッチングを行い、レジスト層を除去する方法がある。
【0039】
このようにして構成される光輝性加飾シート1全体の厚さは、700μm以下とする。この範囲内にあれば、立体加工時、成形品が溝部などのシャープな形状を有するものであってもその形状に光輝性加飾シート1が追随し、予備成形で不十分な成形であっても金型6に入れ型締めしたとき基体シート5が白化しない。
【0040】
なお、この発明の光輝性加飾シート1は、上記の構成に限定されるものではなく、次のように構成してもよい。
【0041】
たとえば、図柄層を有するようにしてもよい。図柄層は、金属薄膜層4による金属光沢の表現に加えて、さらに装飾を表現する層であり、具体的には、文字・記号などの図柄、べた柄、木目柄、石目柄、カーボンクロス柄などの模様が挙げられる。図柄層は部分的に設けてもよい。図柄層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。図柄層は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、またはスクリーン印刷法などの通常の印刷法や、ロールコート法、またはスプレーコート法などのコート法などにより形成するとよい。図柄層の厚さとしては、0.1〜20μmが好ましい。通常の印刷法によれば、この範囲となる。
【0042】
また、ハードコート層を形成してもよい。ハードコート層を形成することによって、光輝性加飾シート1の立体加工性が若干低下するものの、表面硬度を硬度4H程度まで高めることができる。
【0043】
このような構成の光輝性加飾シート1を用いて光輝性加飾成形品を得るには、キャビティを有する金型6内に光輝性加飾シート1を設置し、金型6内に溶融樹脂を射出し、加飾シートと溶融樹脂とが一体化した成形品を得るようにする。具体的には、次のようにして行うとよい。
【0044】
まず、金型6内に、光輝性加飾シート1を設置する。このとき、光輝性加飾シート1の図柄と金型6形状とが位置合わせされるように光電管センサーなどを用いて光輝性加飾シート1の固定位置を位置合わせしてもよい。
【0045】
次いで、適宜加熱・吸引を行うことにより光輝性加飾シート1は金型6内に固定される(図2参照)。また、光輝性加飾シート1を加熱してキャビティ面に沿いやすくするために、赤外線ヒーターなどからなる加熱手段によって光輝性加飾シート1を加熱してもよい。また、キャビティ面に沿うように光輝性加飾シート1を真空成形または圧空成形してもよい。
【0046】
次いで、金型6を閉じ、金型6内へ成形樹脂10を射出し、光輝性加飾シート1と成形樹脂10とを一体化させる(図3参照)。
【0047】
成形樹脂10としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂、ガラス繊維を含有するPCとABSのアロイ樹脂などを用いるとよい。
【0048】
成形樹脂10が固化した後、型開きして光輝性加飾シート1が一体化して接着された樹脂成形品を取り出して、光輝性加飾成形品を得ることができる(図4参照)。
【0049】
上記した方法は、成形手段の一例であって、これに限定されるものではない。
たとえば、成形用金型6内に光輝性加飾シート1を送り込む際、長尺の光輝性加飾シート1を用いてもよく、また、枚葉の光輝性加飾シート1を1枚づつ送り込んでもよい。また、光輝性加飾シート1は、あらかじめ金型6のキャビティ形状に沿うように、真空成形法などで立体形状に加工して予備成形したものであってもよい。また、光輝性加飾シート1は、あらかじめ成形品の形状に応じて周囲を切断したものであってもよい。また、成形加飾加工後に、光輝性加飾成形品の周囲の余分の光輝性加飾シート1を切断して除去してもよい。
【0050】
【実施例】
(実施例1)以下のようにして、クロム色の自動車バンパーを得た。
【0051】
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムをベースフィルムとし、その上にアクリル系樹脂からなる剥離層とウレタン系樹脂からなるアンカー層を順次形成し、次いで厚さ40nmのクロム蒸着層からなる金属薄膜層を形成し、次いでビニル系樹脂からなる接着層を形成して転写材を得た。
【0052】
次いで、低硬度シートとして硬度2Bで厚さ450μmのABS樹脂フィルムを用い、その上に高硬度シートとして硬度2Hで厚さ50μmのアクリル系樹脂フィルム(三菱レイヨン株式会社製N−47)を重ね合わせ、さらにその上に転写材の転写側の面を重ね合わせ、熱ラミネート法により低硬度シートと高硬度シートと転写シートを積層した後、転写材のベースフィルムを剥離して光輝性加飾シートを得た。
【0053】
以上のようにして得られた光輝性加飾シートを真空成形機で立体形状に加工し、所望の形状に打ち抜いた後、射出成形用の金型に入れ、ABS成形樹脂をキャビティ内に射出して光輝性加飾シートと溶融樹脂とが一体化した光輝性加飾成形品を得た。
【0054】
このようにして得たクロム色の自動車バンパーである光輝性加飾成形品は、基体シートに白化が生じたり金属薄膜層にマイクロクラックが生じたりすることがなかった。また、低硬度シートと高硬度シートとの間に層間剥離が生じることもなかった。また、光輝性加飾成形品の表面は硬度Hと高硬度のものであった。
【0055】
(実施例2)以下のようにしてスモーク色のセンタークラスターを得た。
【0056】
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムをベースフィルムとし、その上にアクリル系樹脂からなる剥離層と、アクリル系樹脂からなるへアラインパターンの図柄層と、アクリル系樹脂からなるスモーク色ベタ柄の図柄層と、ウレタン系樹脂からなるアンカー層を順次形成し、次いで厚さ40nmのインジウム蒸着層からなる金属薄膜層を形成し、次いでビニル系樹脂からなる接着層を形成して転写材を得た。
【0057】
次いで、低硬度シートとして硬度Bで厚さ200μmのABS樹脂フィルムを用い、その上に高硬度シートとして硬度2Hで厚さ125μmのアクリル系樹脂フィルム(住友化学工業株式会社製HT−526)を重ね合わせ、さらにその上に転写材の転写層側の面を重ね合わせ、熱ラミネート法により低硬度シートと高硬度シートと転写シートを積層した後、転写材のベースフィルムを剥離して光輝性加飾シートを得た。
【0058】
以上のように得られた光輝性加飾シートを射出成形用の金型に入れ、型内吸引し型閉めし、ABS成形樹脂をキャビティ内に射出して、光輝性加飾シートと溶融樹脂とが一体化した光輝性加飾成形品を得た。
【0059】
このようにして得たスモーク色のセンタークラスターである光輝性加飾成形品は、基体シートに白化が生じたり金属薄膜層にマイクロクラックが生じたりすることがなく、また、低硬度シートと高硬度シートとの間に層間剥離が生じることもなかった。また、光輝性加飾成形品の表面は硬度2Hと高硬度のものであった。
【0060】
【発明の効果】
この発明は、前記した構成からなるので、次のような効果を有する。
【0061】
この発明の光輝性加飾シートは、立体加工性を有する熱可塑性の低硬度シートと立体加工性を有する熱可塑性の高硬度シートとがラミネート法によって貼合された基体シートと、前記基体シートの高硬度シート側に形成され、立体加工性を有する金属薄膜層とを、備える光輝性加飾シートであって、低硬度シートがアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂からなり、硬度(測定法:日本工業規格(JIS)K5401)B以下、厚さ50〜500μmであり、高硬度シートがアクリル系樹脂からなり、硬度(測定法:日本工業規格(JIS)K5401)H以上、厚さ50〜200μmであり、光輝性加飾シート全体の厚さが700μm以下であるものを用いるので、光輝性加飾シートと溶融樹脂とが一体化した光輝性加飾成形品において、光輝性加飾成形品の金属薄膜層にマイクロクラックが生じたり、基体シートに白化が生じたりすることがなく、また低硬度シートと高硬度シートとの間で層間剥離が生じることがなく、高硬度で立体加工性に優れたものである。
【0062】
また、この発明の光輝性加飾成形品の製造方法は、上記の光輝性加飾シートをキャビティを有する金型内に設置し、金型内に溶融樹脂を射出し、加飾シートと溶融樹脂とが一体化した成形品を得るので、金属薄膜層にマイクロクラックが生じたり基体シートに白化が生じたりすることがなく、また低硬度シートと高硬度シートとの間で層間剥離が生じることがなく、高硬度の表面を有する光輝性加飾成形品を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光輝性加飾シートの一実施例を示す断面図である。
【図2】この発明の光輝性加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図3】この発明の光輝性加飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図4】この発明の光輝性加飾成形品の製造方法によって得られた光輝性加飾成形品の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光輝性加飾シート
2 低硬度シート
3 高硬度シート
4 金属薄膜層
5 基体シート
6 金型
8 クランプ部材
9 ゲート部
10 成形樹脂

Claims (5)

  1. 立体加工性を有する熱可塑性の低硬度シートと立体加工性を有する熱可塑性の高硬度シートとがラミネート法によって貼合された基体シートと、
    前記基体シートの高硬度シートの表面側に形成され立体加工性を有する金属薄膜層とを、
    備える光輝性加飾シートであって、
    低硬度シートがアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂からなり、硬度(測定法:日本工業規格(JIS)K5401)B以下、厚さ50〜500μmであり、
    高硬度シートがアクリル系樹脂からなり、硬度(測定法:日本工業規格(JIS)K5401)H以上、厚さ50〜200μmであり、
    光輝性加飾シート全体の厚さが700μm以下であることを特徴とする光輝性加飾シート。
  2. 前記金属薄膜層が、アルミニウム、インジウム、クロム、スズ、ニッケル、銀、金、銅、白金またはこれらの合金あるいは化合物からなるものである請求項に記載の光輝性加飾シート。
  3. 前記金属薄膜層が、転写法により積層されたものである請求項1〜のいずれかに記載の光輝性加飾シート。
  4. 請求項1〜に記載の光輝性加飾シートをキャビティを有する金型内に設置し、金型内に溶融樹脂を射出し、加飾シートと溶融樹脂とが一体化した成形品を得ることを特徴とする光輝性加飾成形品の製造方法。
  5. 光輝性加飾シートを金型内に設置する前に、光輝性加飾シートを立体形状に加工し、所望の形状に打ち抜き加工する請求項に記載の光輝性加飾成形品の製造方法。
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