JP2001030286A - インサート成形品およびその製造方法 - Google Patents

インサート成形品およびその製造方法

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JP2001030286A
JP2001030286A JP11203324A JP20332499A JP2001030286A JP 2001030286 A JP2001030286 A JP 2001030286A JP 11203324 A JP11203324 A JP 11203324A JP 20332499 A JP20332499 A JP 20332499A JP 2001030286 A JP2001030286 A JP 2001030286A
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Koji Sugiyama
康二 杉山
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Nihon Plast Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立体感、深みのある高級な質感を有する
装飾を有し、かつ生産性よく製造できるインサート成形
品の提供。 【解決手段】 基材およびその表面に配設された図柄付
きフィルムの積層により構成されるインサート成形品で
あって、該図柄付きフィルムはフィルム本体層の基材側
に図柄層を有し、かつ該図柄付きフィルムを複数備えた
ことを特徴とする前記インサート成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の内装材、
建築用内装などとして用いる図柄付きフィルムで装飾を
施したインサート成形品に関する。
【0002】従来、自動車の内装材、建築用内装材など
として用いる材料に装飾を施すためのインサートフィル
ムを用いたインサート成形品がある。特に、図柄層を2
層設けたものとして、特開平9−131749号公報が
知られている。図柄層がアクリルフィルムの両面に形成
され、さらに片面(製品の表側)にフッ素フィルムが積
層された図柄付きインサートフィルムを用い、インサー
ト成形することにより、成形品の表面を装飾する。該公
報では、成形品の表側の図柄のインクが表面に露出する
ので、接触によるインク剥がれや傷つきから保護し、さ
らには耐薬品性を向上させるため、成形品の表側にフッ
素フィルムを積ねている。該公報のようにアクリルフィ
ルムの両側に図柄層を設けるためには、先ずアクリルフ
ィルムの片面に図柄層を印刷し、インクの乾燥後にフィ
ルムをロール状に巻きとり、次いで、残りの片面に図柄
層を印刷し、インクの乾燥後にフィルムをロール状に巻
きとる工程が必要となる。フィルムの両側に図柄層を設
けることは印刷工程が2回必要となり、作業工数が増加
するとともに製造コストも増加するという問題がある。
【0003】また、アクリルフィルム層の厚さが、実施
例では20μm以上〜180μmであるが、これでは立
体感が不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、立体感や深
みのある高級な質感を有するなど優れた外観、装飾効果
を持つとともに、生産性よく製造できるインサート成形
品およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、複数の図柄付きフィルムをその図柄を基材側に
して積層することが有効であることを知見し、本発明に
至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1)基材およびそ
の表面に配設された図柄付きフィルムの積層により構成
されるインサート成形品であって、該図柄付きフィルム
はフィルム本体層の基材側に図柄層を有し、かつ該図柄
付きフィルムを複数備えたことを特徴とする前記インサ
ート成形品、(2)図柄付きフィルム間に透明または半
透明の中間層を備えた前記(1)記載のインサート成形
品、(3)少なくとも2枚の図柄層の模様が異なるかあ
るいは模様が同一で位置がずれている前記(1)または
(2)に記載のインサート成形品、(4)複数の構成フ
ィルムの素材が同一である前記(1)〜(3)のいずれ
かに記載のインサート成形品、(5)少なくとも1組の
図柄付きフィルムと中間層がアクリル樹脂である前記
(1)〜(4)のいずれかに記載のインサート成形品、
(6)基材が図柄付きフィルムの模様に類似した模様を
有する前記(1)〜(5)のいずれかに記載のインサー
ト成形品、(7)1枚の図柄付きフィルムを、一対の割
型からなる射出成形用金型内に配置し、かつこのフィル
ムを一方の金型の凹部に配置させる工程と、型閉め後
に、溶融樹脂を金型内に射出し、予備成形品を成形する
工程と、この予備成形品を一対の割型からなる本成形用
の射出成形用金型内に配置する工程と、別の図柄付きフ
ィルムを一方の金型の凹部に配置させる工程と、これら
予備成形品とフィルムとの間に、透明(無色、有色)ま
たは半透明の溶融樹脂を射出する工程とからなることを
特徴とするインサート成形品の製造方法。
【0007】(8)1枚の図柄付きフィルムを、一対の
割型からなる射出成形用金型内に配置し、このフィルム
を一方の金型の凹部に配置させる工程と、型閉め後に、
溶融樹脂を金型内に射出し、予備成形品を成形する工程
と、別の図柄付きフィルムの図柄層および/または前記
予備成形品のフィルム本体層に接着層を形成する工程
と、前記別の図柄付きフィルムを前記予備成形品のフィ
ルムの本体層に積層する工程とからなることを特徴とす
るインサート成形品の製造方法、に関する。
【0008】本発明のインサート成形品は、基材とその
表面に配設した装飾フィルムから構成されるが、本発明
においては前記装飾フィルムの構造が重要である。
【0009】本発明のインサート成形品における装飾フ
ィルムは、少なくとも2枚以上の図柄付きフィルムを有
する。必要により図柄付きフィルム間に透明又は半透明
の中間層を有していてもよい。
【0010】このように複数の図柄を積ねた装飾フィル
ムを基材表面に配設することにより、単層の図柄を配し
た場合に比べて、立体感が際立つとともに、温もり、柔
らかみ、深み、落ち着き感に優れた、すなわち、高級な
質感を付与することができる。
【0011】前記の装飾フィルムが配設される基材は、
熱可塑性樹脂で構成される。図柄は基材側に位置するか
ら、図柄は常に図柄付きフィルムの本体フィルムにより
保護されている。また、図柄付きフィルムの間に透明ま
たは半透明の中間層を設けた場合には図柄付きフィルム
間に所要の間隔が生じ、図柄の立体感や風合いが更に向
上する。また、本発明のインサート成形品を表面より目
視し、その後視点を移動すると、図柄が光の干渉効果に
よって動くように見えるという効果もある。必要により
中間層を含む図柄付きフィルムの1組以上を配設するこ
ともできる。
【0012】本発明に使用する複数の図柄付きフィルム
の図柄層の模様は、同一でもまた異なっていてもよい。
また、同一の模様であっても互いに位置をずらして配設
することにより図柄の立体感や風合いを一層高めること
ができる。また、光の干渉効果により図柄が動くように
見える。
【0013】本発明に使用する複数の図柄付きフィルム
は、その構成材料が同一でもまた異なっていてもよい
が、同一の材料とすることにより、成形時工程管理(た
とえば加熱温度が1つで足りるなど)が簡易であり、作
業性が向上し、さらには中間層の材料選択の幅が広がる
という利点もある。また、従来のフィルムの両面に図柄
層を設ける場合に比べて、容易であり、歩溜りもよい。
【0014】図柄付きフィルムの材料としては、透明ま
たは半透明な熱可塑性を有する材料であればよいが、と
くには、加工性に優れ、複雑な形状であっても容易に加
工でき、またインキや接着剤の選択の幅が非常に広いア
クリル系フィルムが好適である。中間層も同様であり、
アクリル系フィルム、またはアクリル系樹脂が好まし
い。図柄付きフィルムも中間層もアクリル系とした場合
にはそれらの間に特に接着層を用いることなく一体化で
きるので、さらに作業性が向上する。
【0015】本発明において採用する模様は、とくに制
限はなく、木目、皮革、自然石などの天然の資材の模様
や人工的模様でもよいが、いわゆる流れ模様も好まし
い。図柄付きフィルムが配設される基材表面にも、その
図柄付きフィルムの模様と同一の模様、たとえば流れ模
様を設けておくことにより、さらに立体感や風合いを向
上することができる。
【0016】本発明のインサート成形品は、射出成形法
により製造することができる。たとえば、(1)1枚の
図柄付きフィルムを、一対の割型からなる射出成形用金
型内に配置し、かつこのフィルムを一方の金型の凹部に
配置させる工程と、型閉め後に、溶融樹脂を金型内に射
出し、予備成形品を成形する工程と、この予備成形品を
一対の割型からなる本成形用の射出成形用金型内に配置
する工程と、別の図柄付きフィルムを一方の金型の凹部
に配置させる工程と、これら予備成形品と前記別の図柄
付きフィルムとの間に、透明(無色、有色)または半透
明の溶融樹脂を射出する工程とからなることを特徴とす
るインサート成形品の製造方法、あるいは、(2)1枚
の図柄付きフィルムを、一対の割型からなる射出成形用
金型内に配置し、このフィルムを一方の金型の凹部に配
置させる工程と、型閉め後に、溶融樹脂を金型内に射出
し、予備成形品を成形する工程と、別の図柄付きフィル
ムの図柄層および/または前記予備成形品のフィルム本
体層に接着層を形成する工程と、前記別の図柄付きフィ
ルムを前記予備成形品のフィルムの本体層に積層する工
程とからなることを特徴とするインサート成形品の製造
方法、などがある。
【0017】前記(1)の製造法によれば、成形品の基
材側(下側)のフィルムと上側のフィルムの間に、所要
の空間を設けることができるとともに、この空間に透明
または半透明の熱可塑性樹脂を配設することが可能とな
り、図柄の立体感や風合いが向上し、視点を移動すると
図柄が光の干渉効果によって動くように見える図柄付き
フィルムを用いたインサート成形が、簡単しかも確実に
製造できる。
【0018】また前記(2)の方法によれば、射出成形
の工程が予備成形時の1回で済み、前記(1)の方法に
比べ比較的簡単な装置ですむ。
【0019】インサート成形法とは、フィルムに図柄イ
ンキなどからなる図柄層を形成したインサートフィルム
を、射出成形用金型内に配置し、インサートフィルムを
加熱させながら吸引し、金型内面形状に賦形させ、型締
めした後に溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化され
ることにより、インサートフィルムの図柄層側を樹脂成
形品に接着させる方法である。
【0020】本発明のインサート成形品は、これまでに
述べてきたことから明らかなように、樹脂成形品の表面
に図柄付きインサートフィルムを複数備えたものであ
る。
【0021】本発明において、フィルムは図柄層を維持
するためのものである。フィルムとしては、ポリメタク
リル酸メチルフィルム、ポリメタクリル酸エチルフィル
ムなどのアクリルフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、
ポリ塩化ビニルフィルムなどを用いることができる。特
に、アクリルフィルムは、加工性が非常に優れているの
で、基体シートとして用いた場合には、射出成形用金型
の内面形状が複雑な形状であっても、加熱や真空吸引さ
れることによって射出成形用金型の内面形状どおり追従
して変形させることができる。また、アクリルフィルム
はインキを選ばないので、インキや接着剤の選択幅が非
常に広い。さらに、アクリルフィルムは、耐光性および
耐候性が優れているので、本発明のように裏面に図柄層
が形成されている場合には、退色や損傷を抑えることが
できる。
【0022】フィルムへの図柄の印刷は、フィルムの片
面に図柄層を形成することにより行う。この図柄層は印
刷層として形成する。図柄層は、樹脂をバインダーとし
適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色
インキを用いて形成する。印刷層の形成方法としては、
オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法
などの通常の印刷法を用いることができる。特に、多色
刷りや階調表現を行う場合には、オフセット印刷法やグ
ラビア印刷法が適している。また、単色刷りの場合に
は、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート
法などのコート法を採用することもできる。
【0023】印刷層は、表現したい図柄に応じて、全面
的に設けてもよく、また、部分的に設けてもよい。
【0024】また、図柄付きフィルムには必要に応じて
接着層やアンカー層を設けてもよい。図柄層と樹脂成形
品との接着性が悪い場合に、図柄層面に接着層を設け
る。また、図柄付きフィルムと図柄付きフィルムの間に
無色透明、有色透明または半透明の熱可塑性樹脂層を設
けるとき、フィルムの本体層と熱可塑性樹脂層との接着
性が悪い場合、または、フィルムの図柄層と熱可塑性樹
脂層との接着性が悪い場合に、本体層面または図柄層面
に接着層を設ける。接着層は、アクリル樹脂、ウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチレンブ
チルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体などを用いるとよい。
【0025】また、フィルムの本体層と図柄層との接着
性や図柄層と接着層との接着性が悪い場合に、アンカー
層を設ける。接着層やアンカー層は、図柄層と同様の印
刷法やコート法などを用いることができる。
【0026】次に、図面に基づき本発明のインサート成
形品およびその製造方法についてさらに詳細に述べる。
【0027】図1は、本発明のインサート成形品の一例
を示すフィニッシャーコンソールの斜視図である。図2
は、図1A線断面説明図である。図3は図2の部分拡大
説明図で、1はフィニッシャーコンソール、2はインサ
ート成形品の基材部、3は図柄付きフィルム、4はフィ
ルム本体層、5は図柄層、6はフィルムの接着層、7は
樹脂層(中間層)、8は図柄付フィルム、9はフィルム
本体層、10は図柄層、11はフィルムの接着層であ
る。
【0028】まず、第1の方法、射出成形を複数回行い
本発明のインサート成形品を製造する方法について説明
する。
【0029】図4(イ)のように、1枚の図柄付きフィ
ルム3を、可動型Aと固定型Bとからなる射出成形用金
型内に配置し、フィルムを加熱しながら吸引し、可動型
Aの凹部に密着させる。型閉め後に、溶融樹脂2を金型
内に射出する。樹脂の固化後、型開きし、予備成形品を
取り出し、余分なフィルムをトリミングする。次いで、
図4(ロ)のように、この予備成型品を可動型Cと固定
型Dとからなる本成形用の射出成形用金型内に配置し、
別の図柄付きフィルム8を加熱しながら吸引し、可動型
Cの凹部に密着させる。型閉め後に、透明(無色、有
色)または半透明の溶融樹脂7を金型内に射出する。樹
脂の固化後、型開きし、成形品を取り出し、余分なフィ
ルムをトリミングする。
【0030】下側フィルムと上側フィルムとの間に設け
る樹脂層(中間層)7の厚さは、図柄の立体感や風合い
などの向上が認められる厚さであればよい。金型内の樹
脂の流動性を考慮すると、好ましくは1mm以上であ
り、樹脂層が厚くなると樹脂の流動中に気泡が取り込ま
れ易くなってしまい、本発明の目的である立体感などが
得られなくなってしまうので、5mm以下とするのが好
ましい。さらに好ましくは、2mm以上で2.5mm以
下である。
【0031】なお、成形品の形状や大きさによって、金
型内の樹脂の移動距離が比較的短い場合には、樹脂の厚
さが1mm以下でもよい。
【0032】また、第2の方法、すなわち、接着層を設
けたフィルムを用いて、射出成形を1回行うことにより
本発明のインサート成形品を製造する方法について説明
すると、この第2の方法では、図4(イ)のように、1
枚の図柄付きフィルムを、可動型と固定型とからなる射
出成形用金型内に配置し、このフィルムを加熱しながら
吸引し、可動型の凹部に密着させる。型閉め後に、溶融
樹脂を金型内に射出する。樹脂の固化後、型開きし、予
備成形品を取り出し、余分なフィルムをトリミングす
る。
【0033】また、別途、図5のように、接着用の樹脂
を有機溶材に溶かし、別の図柄付きフィルム8の図柄層
10に塗布して接着層11を形成してあるフィルム12
を予め容易しておく。この図柄付きフィルム12の接着
層11を加熱後、前記予備成形品のフィルムの本体層4
に重ね、プレスなどにより貼り合わせる。その後、余分
なフィルムをトリミングする。
【0034】場合によっては、接着用の樹脂を有機溶材
に溶かし、前記予備成形品のフィルムの本体層4に塗布
して接着層11を形成しておき、別の図柄付きフィルム
8の図柄層10を重ね、プレスなどにより貼り合わせて
もよい。
【0035】この方法に用いる接着層の樹脂としては、
アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、エチレンブチルアルコール樹脂、エチレン
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体
などを用いることができる。
【0036】予備成形品のフィルムの上側に積層させる
フィルムの接着層の厚さは、図柄の立体感や風合いなど
の向上が認められる厚さであればよい。フィルム8に接
着層を形成する際の作業性を考慮すると、接着層11の
厚さは好ましくは0.5mm以上で1.5mm以下であ
る。
【0037】第1の方法のように、中間層の形成のた
め、樹脂を金型内に射出する場合では、金型による制約
などにより、中間(樹脂)層を薄くするのに限界があ
る。しかし、第2の方法では第1の方法の限界値よりも
さらに薄く中間(接着)層をもうけることができる。
【0038】本発明の成形品の表側に、図柄付きフィル
ムを3枚以上設ける場合においても、第1の方法または
第2の方法のみでフィルムを積層させてもよいし、第1
の方法および第2の方法を組み合わせてフィルムを積層
させてもよい。また、本発明に用いる複数の図柄付きフ
ィルムは、それぞれの厚さが同じでも異なっていてもよ
く、図柄付きフィルムの本体層の表側に、しぼなどの表
面処理を施してもよい。
【0039】本発明のインサート成形品の基材を構成す
る樹脂としては、たとえば、アクリロニトリルブタジエ
ンポリスチレン共重合体(ABS)、ポリプロピレン
(PP)、ポリプロピレンに添加剤を加えた複合材(P
PC)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル
(PVC)などの熱可塑性樹脂を用いることができ、こ
れらの樹脂を組み合わせて用いてもよい。成形品の基材
の樹脂に顔料を加えてもよい。特に、図柄付きフィルム
の図柄模様にあった1種または数種の顔料を加えること
により、フィルム越しに見える基材の色や色調によっ
て、図柄付きフィルムの図柄模様がさらに効果的に立体
感や風合いを引き出させることができる。
【0040】<実施例1>アクリルフィルムとして、ポ
リメタクリル酸メチルフィルム(125μm)を用い
た。白、黄、茶の各色の顔料をポリ塩化ビニル樹脂をバ
インダーとしてそれぞれ2:3の割合で混合した図柄イ
ンキを用い、フィルムの片面に大理石調の図柄層(6μ
m)を印刷形成し、この図柄層にアクリル樹脂の接着層
(2μm)を形成し、図柄付きアクリルフィルム(3、
8)を得た。
【0041】図柄付きアクリルフィルム3を、可動型と
固定型とからなる射出成形用金型内に配置し、図柄付き
アクリルフィルム3を140〜160℃で加熱しながら
真空吸引し、可動型の凹部に密着させた。型閉めした後
に、金型温度を40〜60℃に保ちながら、白色、黄
色、茶色などの顔料を加えたABS樹脂(透明)2を2
00〜250℃に加熱し、溶融させ、樹脂厚2〜3mm
となるように金型内に射出した(図4(イ))。樹脂は
図柄付きフィルムの模様に類似した流れ模様(マーブル
調)とした。樹脂を固化させた後、型開きし、予備成形
品を取り出し、余分なフィルムをトリミングした。
【0042】次いで、この予備成形品と図柄付きアクリ
ルフィルム8を、可動型と固定型とからなる本成形用の
射出成形用金型内に配置し、図柄付きアクリルフィルム
8を140〜160℃で加熱しながら真空吸引し、可動
型の凹部に密着させた。型閉めした後に、金型温度を4
0〜60℃に保ちながら、200〜250℃に加熱され
たアクリル樹脂7(無色透明)の溶融樹脂を樹脂厚2〜
2.5mmとなるように金型内に射出した(図4
(ロ))。樹脂を固化させた後、型開きし、本発明のイ
ンサート成形品1を取り出し、余分なフィルムをトリミ
ングした。
【0043】<実施例2>アクリルフィルムとして、ポ
リメタクリル酸メチルフィルム(125μm)を用い
た。白、黄、茶の各色の顔料をポリ塩化ビニル樹脂をバ
インダーとしてそれぞれ2:3の割合で混合した図柄イ
ンキを用い、フィルムの片面に大理石調の図柄層(6μ
m)を印刷形成し、図柄付きアクリルフィルム(3、
8)を得た。
【0044】図柄付きアクリルフィルム3を、可動型と
固定型とからなる射出成形用金型内に配置し、図柄付き
アクリルフィルム3を140〜160℃で加熱しながら
真空吸引し、可動型の凹部に密着させた。型閉めした後
に、金型温度を40〜60℃に保ちながら、白色、黄
色、茶色などの顔料を加えたABS樹脂(透明)2を2
00〜250℃に加熱し、溶融させ、金型内に射出した
(樹脂の厚さは2〜3mmであった)。樹脂は図柄付き
フィルムの模様に類似した流れ模様(マーブル調)とし
た。樹脂を固化させた後、型開きし、予備成形品を取り
出し、余分なフィルムをトリミングした。
【0045】また、接着用のアクリル樹脂をシンナーに
溶かし、別の図柄付きアクリルフィルム8の図柄層10
に塗布し、接着層11を0.5〜1.5mm設け、この
アクリルフィルム12を風乾し、シンナーを除去したも
のを予め容易しておいた。
【0046】この図柄付きフィルムの接着層11を加熱
し、前記予備成形品のフィルムの本体層に重ね、プレス
によって貼り合わせ成形品1を得た(図5)。余分なフ
ィルムをトリミングした。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
立体感、質感、風合いに優れた装飾を備えたインサート
成形品を生産性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィニッシャーコンソールの斜視図。
【図2】図1のA線断面説明図。
【図3】図2の部分拡大説明図。
【図4】本発明のインサート成形品の製造方法の工程
図。 (イ):予備成形品の製造工程図(実施例1および実施
例2共通) (ロ):実施例1の図柄付きフィルムの積層工程図
【図5】実施例2の図柄付きフィルムの積層工程図。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材およびその表面に配設された図柄付
    きフィルムの積層により構成されるインサート成形品で
    あって、該図柄付きフィルムはフィルム本体層の基材側
    に図柄層を有し、かつ該図柄付きフィルムを複数備えた
    ことを特徴とする前記インサート成形品。
  2. 【請求項2】 図柄付きフィルム間に透明または半透明
    の中間層を備えた請求項1記載のインサート成形品。
  3. 【請求項3】 少なくとも2枚の図柄層の模様が異なる
    かあるいは模様が同一で位置がずれている請求項1また
    は2に記載のインサート成形品。
  4. 【請求項4】 複数の構成フィルムの素材が同一である
    請求項1〜3のいずれかに記載のインサート成形品。
  5. 【請求項5】 少なくとも1組の図柄付きフィルムと中
    間層がアクリル樹脂である請求項1〜4のいずれかに記
    載のインサート成形品。
  6. 【請求項6】 基材が図柄付きフィルムの模様に類似し
    た模様を有する請求項1〜5のいずれかに記載のインサ
    ート成形品。
  7. 【請求項7】 1枚の図柄付きフィルムを、一対の割型
    からなる射出成形用金型内に配置し、かつこのフィルム
    を一方の金型の凹部に配置させる工程と、型閉め後に、
    溶融樹脂を金型内に射出し、予備成形品を成形する工程
    と、この予備成形品を一対の割型からなる本成形用の射
    出成形用金型内に配置する工程と、別の図柄付きフィル
    ムを一方の金型の凹部に配置させる工程と、これら予備
    成形品と前記別の図柄付きフィルムとの間に、透明(無
    色、有色)または半透明の溶融樹脂を射出する工程とか
    らなることを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 1枚の図柄付きフィルムを、一対の割型
    からなる射出成形用金型内に配置し、このフィルムを一
    方の金型の凹部に配置させる工程と、型閉め後に、溶融
    樹脂を金型内に射出し、予備成形品を成形する工程と、
    別の図柄付きフィルムの図柄層および/または前記予備
    成形品のフィルム本体層に接着層を形成する工程と、前
    記別の図柄付きフィルムを前記予備成形品のフィルムの
    本体層に積層する工程とからなることを特徴とするイン
    サート成形品の製造方法。
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